JPH09160051A - 横電界構造のアクティブマトリクス型液晶表示素子及びその製造方法及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

横電界構造のアクティブマトリクス型液晶表示素子及びその製造方法及びそれを用いた液晶表示装置

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JPH09160051A
JPH09160051A JP32306695A JP32306695A JPH09160051A JP H09160051 A JPH09160051 A JP H09160051A JP 32306695 A JP32306695 A JP 32306695A JP 32306695 A JP32306695 A JP 32306695A JP H09160051 A JPH09160051 A JP H09160051A
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JP32306695A
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Kazuyuki Funahata
一行 舟幡
Hisao Yokokura
久男 横倉
Katsumi Kondo
克己 近藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】均一な液晶厚みを有する横電界構造のアクティ
ブマトリクス型液晶表示素子を提供する。 【解決手段】基板10に積層したコモン電極11,ゲート絶
縁膜12,ソース電極13,ドレイン電極15などの電極上に
一方の配向制御膜15を備える一方の電極基板と、基板20
に積層した遮光膜21及びカラーフィルタ22上に他方の配
向制御膜23を備える他方の電極基板とが、該両電極基板
間の間隙を規定するためのスペーサ材19を介して対峙さ
れ、該間隙に液晶が充填され、少なくとも一方の配向制
御膜15または23は、光硬化材または熱硬化材からなり、
スペーサ材19は該光硬化材または熱硬化材に光または熱
を照射して形成した配向制御膜15または23上の未硬化部
18に直接固着され、各電極から両電極基板面に対し平行
方向に電界を印加される横電界構造のアクティブマトリ
クス型液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、横電界構造の液晶
表示素子に係り、それらの液晶表示素子の製造方法及び
それを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の横電界構造のアクティブマトリク
ス型液晶表示素子では、液晶厚みを規定するスペーサ材
の分散・固定法として、1)特開平4−136916号
公報のように、ブラックマトリクス部にのみスペーサ材
を分散、固定した構造のもの、2)特開平4−6051
7号公報のように、スペーサ材をブラック・マトリクス
部に対応する領域にのみスペーサ材を分散、固定した構
造のもの、3)特開平4−243230号公報のよう
に、表面に接着剤層を形成したスペーサ材を配向膜上に
分散、固定した構造の液晶表示素子および製造方法等が
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のスペー
サ材の分散・固定方法は、配向制御膜の下にスペーサ材
を配置するか、または接着材を介して配向制御膜の上に
スペーサ材を配置する方式であり、1)スペーサ材の大
きさのみで液晶厚みが規定できない、2)スペーサ材の
分散密度および分散位置が正確に規定できない、3)コ
ントラストを低下させずにスペーサ材の分散密度を大幅
に増やすことが難しい、4)スペーサ材の利用効率が低
い、5)フォトリソ工程及びスペーサ材の分散・固定時
に配向制御膜表面を汚染し易い等の欠点を有していた。
【0004】従って、本発明の目的は、均一な液晶厚み
を有する横電界構造のアクティブマトリクス型液晶表示
素子およびその製造方法を提供するとともに、該横電界
構造のアクティブマトリクス型液晶表示素子を用いて、
均質で光漏れのない高品位な画像が得られる液晶表示装
置を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記本発明の目的は、
基板に積層した複数の電極上に一方の配向制御膜を備え
る一方の電極基板と、他方の基板に積層した遮光膜及び
カラーフィルタ上に他方の配向制御膜を備える他方の電
極基板とが、該両電極基板間の間隙を規定するためのス
ペーサ材を介して対峙し、該間隙に液晶が充填され、か
つ、前記各電極から前記両電極基板面に対し平行方向に
電界が印加される横電界構造のアクティブマトリクス型
液晶表示素子において、少なくともどちらか一方の前記
配向制御膜は、光硬化材または熱硬化材からなり、該光
硬化材または熱硬化材からなる配向制御膜は、光または
熱が照射され当該配向制御膜上の所定位置にスペーサ材
が直接固着されていることにより達成される。
【0006】また、スペーサ材は、光硬化材または熱硬
化材で被覆されたものからなり、該光硬化材または熱硬
化材で被覆された前記スペーサ材は、光または熱が照射
された前記配向制御膜上の所定位置に直接固着されてい
るものでも良い。
【0007】さらに、上記目的を達成する横電界構造の
アクティブマトリクス型液晶表示素子の製造方法は、複
数の電極を有する基板に感光性樹脂薄膜を積層して一方
の電極基板を形成する工程と、該感光性樹脂薄膜上に光
または熱を照射し選択的に未硬化部を形成する工程と、
該未硬化部を含む前記感光性樹脂薄膜上にスペーサ材を
分散する工程と、光または熱を照射して前記未硬化部を
硬化し前記未硬化部上に分散した前記スペーサ材のみを
固着する工程と、未固着の前記スペーサ材を除去する工
程と、前記未硬化部上に残存固着している前記スペーサ
材を有する前記一方の電極基板に、遮光膜及びカラーフ
ィルタを有する基板に非感光性樹脂薄膜を積層して成る
他方の電極基板を重ね合わせる工程とを含むものであ
る。
【0008】そして、本発明による液晶厚さが均一であ
る横電界構造のアクティブマトリクス型液晶表示素子を
用いて、均質で光漏れのない高品位な画像の液晶表示装
置が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、本発明を実施するに好適なアクティブマトリクス型
液晶表示装置(以下、単に液晶表示装置という)を取り上
げ、図面を用いて詳細に説明する。本実施例では、表示
規模640×480ドット(画素ピッチ:0.33mm×
0.33mm,画素サイズ:0.30mm×0.30m
m,画面対角サイズ:10.4インチ)のVGA対応ノー
トブックタイプ・パーソナルコンピュータ(以下、ノー
トPCと称する)用のアクティブマトリクス型液晶表示
素子(以下、単に液晶表示素子という)を主に説明する。
本発明によるスペーサ材の表面に接着材及びそれに類す
る層を形成せずに、均一な液晶厚みが得られる横電界構
造の液晶表示素子の製作法について説明する。
【0010】図1は、本発明による一実施例の液晶表示
装置の製作工程を示す図である。図に示すように、
(a)フォトリソグラフィ法により640×480ドッ
トの液晶を駆動するための、走査信号電極,映像信号電
極,画素電極としての複数の電極、すなわち、コモン電
極11(材料:アルミ,厚さ:3000Å),ソース電極
13,ドレイン電極14ならびにゲート絶縁膜12を備
えた基板10(無アルカリガラス:コーニング705
9,厚さ:0.7mm)の上に、スピンコート法や印刷法
等によって、液晶の分子配列を制御する配向制御膜15
(感光性ポリイミド系樹脂,厚さ:0.1μm)を積層
し、一方の電極基板を形成する。すなわち、電極基板面
に対して平行方向に電界を印加する構造の(以下、横電
界構造と称する)液晶表示素子に対応する電極基板が形
成される。
【0011】(b)幅5μmの格子状(約25μmピッ
チ×313μmピッチ)のマスクパターン16aを有する
フォトマスク16及び紫外線17を用いて、一方の配向
制御膜15上の各電極領域上に、紫外線17が照射され
ない非照射部分としての未硬化部18を形成する。換言
すれば、配向制御膜15上の未硬化部18は、当該配向
制御膜15上の光または熱が照射されない所定位置に形
成されるとも言える。尚、上記の未硬化部18が形成さ
れる各電極領域は、遮光部(幅:7μm,電極間々隙)と
も呼称する。また、一般的に、各電極領域と対面する位
置に後述する遮光膜領域が配設される。
【0012】(c)未硬化部18を形成した配向制御膜
15上に、所定均一寸法を有するスペーサ材19 (積水
化学製:ポリマビーズ,粒子径:4.0±0.2μm)を
散布(分散)する。(d)紫外線17の照射または熱線1
7aの照射または紫外線17及び熱線17aの併用照射
により、配向制御膜15上の未硬化部18を硬化し、未
硬化部18上に分散させた該スペーサ材19のみを直接
固着する。従って、配向制御膜15は、光または熱が照
射され当該配向制御膜15上の所定位置にスペーサ材1
9が直接固着されているものとなる。(e)配向制御膜
15上から固着されない未固着のスペーサ材19を除去
する。(f)スペーサ材19が固着された配向制御膜1
5を、セルロース及びナイロン系のラビング布を装着し
たローラ30を用いてラビングし配向処理をする。
【0013】(g)上記のような未硬化部上に残存固着
しているスペーサ材19を有する一方の電極基板と、フ
ォトリソグラフィ法により640×3×480ドットま
たはそれ以下のピッチに対応する顔料あるいはクロム等
の金属から成る遮光膜21,顔料または染料から成るカ
ラーフィルタ22とを備えた基板20(無アルカリガラ
ス :コーニング7059,厚さ:0.7mm)上に、
他方の配向制御膜23(非感光性ポリイミド系樹脂,厚
さ:0.1μm)を膜付け,硬化,ラビングして形成した
他方の電極基板とを、両電極基板上の各電極領域と遮光
膜21からなる遮光膜領域とが対面するように両方の配
向制御膜面を対峙させ、かつ、両電極基板周辺にシール
剤としてのエポキシ系接着剤を配して重ね合わせる。
【0014】上記両電極基板に形成された電極とカラー
フィルタが1対1に対応するように重ね合わせることに
よって、対向している両電極基板の配向制御膜間にスペ
ーサ材で規定された均一なる基板間隙が形成される。す
なわち、均一なる液晶厚さが確保される。
【0015】その後、減圧法により液晶材料を前述の基
板間隙に注入・封止する。そして、液晶駆動用LSIを
搭載したテープ・キャリア・パッケージ(以下、TCP
と称する)などの駆動回路,制御回路及び電源回路等を
接続し、冷陰極蛍光管(1灯,管径:3mm),導光体
(材質:アクリル系樹脂,形状:くさび形),プリズムシ
ート等から成るバックライトを組合せ、樹脂ケースと金
属フレームを用いてモジュール化して液晶表示装置を製
作するものである。
【0016】換言すれば、上記の液晶表示素子の製造方
法は、一方の基板に複数の電極が形成された電極基板上
に感光性樹脂からなる配向制御膜を所定の厚さに膜付け
する工程と、該配向制御膜にスペーサ材を分散および固
着するための未硬化部を選択的に形成する工程と、未硬
化部が形成された配向制御膜上にスペーサ材を分散する
工程と、スペーサ材が分散された感光性樹脂から成る配
向制御膜の未硬化部を硬化しスペーサ材を固着する工程
と、配向制御膜上の固着されていないスペーサ材を除去
する工程と、スペーサ材が分散・固着された配向制御膜
に配向処理を施す工程と、遮光膜及びカラーフィルタ上
に非感光性樹脂から成る配向制御膜が形成された後、配
向処理が施された他方の電極基板の配向制御膜面とを対
峙させ、かつ、各電極とカラーフィルタが一義的に対応
するように重ね合わせ、所定の両電極基板間の間隙(液
晶厚さ)を形成するように接着する工程と、両電極基板
間々隙に液晶を注入および封止する工程とから構成され
るものである。
【0017】なお、上記実施例では、他方の配向制御膜
23として熱硬化材としての非感光性ポリイミド系樹脂
を使用したが、光硬化材としての感光性ポリイミド系樹
脂を使用しても良い。また、一方の配向制御膜15を非
感光性ポリイミド系樹脂とし他方の配向制御膜23を感
光性ポリイミド系樹脂として、上記実施例の逆工程で製
作しても可である。
【0018】すなわち、上記(a),(b),(c),(d)に相
当する工程で、遮光膜21,カラーフィルタ22などを
有する他方の電極基板の他方の配向制御膜23の遮光膜
領域上に未硬化部18を形成し、スペーサ材19を残存
固着させる。その後 (e),(f),(g)に相当する工
程で、未硬化部18上に残存固着しているスペーサ材1
9を有する他方の電極基板に、複数の電極などを有する
一方の電極基板を重ね合わせて製作するものである。ま
たさらに、一方の配向制御膜15または他方の配向制御
膜23のうち少なくともどちらかの配向制御膜が光硬化
材または熱硬化であれば、スペーサ材19を固着するこ
とができると言える。
【0019】簡潔に表現すれば、本発明による液晶表示
素子は、一方に複数の電極などを有する基板と他方にカ
ラーフィルタなどを有する基板とから成る一対の電極基
板が共に有する配向制御膜の、少なくともどちらか一方
の配向制御膜を光硬化材または熱硬化材から成る薄膜と
し、該配向制御膜光上に、接着材層及びそれに類する層
を介在させずに所定の位置にペーサ材を直接分散・固着
した後、他方の電極基板の配向制御膜面を対峙させ、両
電極基板の周辺をシーリング材で接着することにより、
液晶を封入するための所定間隙(所定液晶厚み)を形成し
たものである。すなわち、スペーサ材の新規な分散およ
び固定方法により課題を解決するものである。また上記
工程には、1)不要なスペーサ材の回収および再利用が
可能となる、2)パターニング,染色および印刷等の工
程がないので、配向制御膜の表面を汚染することがな
い、3)スペーサ材表面に接着材等を形成せずに配向制
御膜上に固定するため、スペーサ材の欠落部や移動軌跡
等が表示不良にならない、などの利点があり、生産コス
トの低減、すなわち、液晶表示装置の低価格化に結びつ
く効果がある。
【0020】また、アクリル系樹脂またはエポキシ系樹
脂等から成る平坦化膜を用いて、薄膜トランジスタを有
する電極基板上の電極による表面の凹凸あるいはカラー
フィルタ上の凹凸を軽減すれば、より均一な液晶厚みの
液晶表示素子が得られることも確認している。さらに、
カラーフィルタを各電極を有する電極基板側に形成すれ
ば、両電極基板間の位置合わせが不要になり、素子製作
が大幅に簡略化されるので低コスト化に対する効果は大
きい。
【0021】以上を纏めれば本発明の特徴は、スペーサ
材を固着するための固着材としての光硬化材または熱硬
化材を用いて、選択された規定箇所にのみ光または熱を
照射し、上記の光硬化材または熱硬化材を硬化し、該選
択された規定箇所にのみスペーサ材を固着するので、所
定の分散位置および分散密度でスペーサ材を均一に固着
させられる点にある。そして、一つの例は、配向制御膜
を光硬化材または熱硬化材から構成し、配向制御膜に選
択的に光または熱を照射し、該照射した部分に分散され
たスペーサ材のみを配向制御膜に直接固着するものであ
る。なお、上記の実施例において、固着材として光硬化
材または熱硬化材と表現したが、光または熱を照射する
ことによってスペーサ材を固着する機能を有する材料で
あれば固着材として採用されることは言うまでもない。
【0022】換言すれば、光または熱の照射によってス
ペーサ材を固着する機能を有する材料から成る配向制御
膜にスペーサ材を固着する役目を、または、後述するよ
うな光硬化材または熱硬化材で被覆されたスペーサ材自
身に固着する役目を、持たせる方法である。そして、フ
ォトマスクなどを採用して光または熱を照射する所定位
置を正確に規定できるので、スペーサ材の分散位置およ
び分散密度が正確に規定される方法でもある。
【0023】上記方法によって、スペーサ材を均一かつ
高分散密度で、液晶と接する配向制御膜上に直接固定で
きるので、液晶厚さを規定寸法に形成することができ
る。従って、上記横電界構造のアクティブマトリクス型
液晶表示素子を用いて、液晶表示素子全面にわたり均一
な液晶厚さが容易に得られると共に、表示性能を低下さ
せる要因がないことと液晶分子の屈折率を変化させない
駆動方式なので、高コントラストで角度依存性のない画
像の液晶表示装置が得られる。
【0024】次に、本発明のポイントであるスペーサ材
を固着する配向制御膜の未硬化部の形成について、図2
から図5を用いて詳細に説明する。図2は、配向制御膜
に形成する未硬化部の一実施例を示す図である。図示の
ように、コモン電極11,ソース電極13,ドレイン電
極14,ゲート電極24などの各電極領域に対応する配
向制御膜上に、あるいはカラーフィルタ22に並設され
た遮光膜領域に対応する配向制御膜上に、格子状(また
は線状)のパターン形状で未硬化部18が形成される。
【0025】特に、本発明に係る電極基板面に対して平
行方向に電界を印加する構造、すなわち、横電界構造の
液晶表示素子は、カラーフィルタ22の同一ドット内に
複数の電極(例えば、コモン電極11やソース電極13)
を配置するので、従来の電極基板面に対して垂直方向に
電界を印加する縦電界構造の液晶表示素子に比べて、狭
いピッチで未硬化部18を形成することができる。すな
わち、狭いピッチでスペーサ材19を分散させることが
できると言える。
【0026】具体的には図2において、1画素寸法は横
330μm×縦330μmである。1ドット寸法は、横
100μm×縦330μmである。1ドット内に3本の
コモン電極11と2本のソース電極13と1本のドレイ
ン電極14とが配置されている。即ち、1ドット内が横
方向に4分割されている。従って、各電極領域に対応す
る部位に未硬化部18を形成した場合、前述したような
「約25μmピッチ×313μmピッチ」の格子状パター
ンとなる。これに対し、従来の縦電界構造の液晶表示素
子の場合、上記のように電極で分割することは不可であ
るので、「100μmピッチ×313μmピッチ」の格子
状パターンとなる。 このことより、4.0μ
m位のスペーサ材19の粒子径に対し、100μmピッ
チでスペーサ材19が配設される従来の場合に比べ、約
25μmピッチで配設される本発明の場合の方がスパン
が短くなり、即ち「スパン/粒子径の比」が小さくなり、
遥かに均一な液晶厚さが得られることになる。
【0027】換言すれば、カラーフィルタ22のドット
ピッチより小さいピッチ寸法(図2の横方向の1ドット
の分割寸法)で未硬化部18を形成すれば、スペーサ材
19を狭いピッチで分散固着させることができ、均一な
液晶厚さの液晶表示素子が得られ、均質な画像表示と不
要な光漏れをなくすることによりコントラストの向上が
図れると言える。勿論、カラーフィルタ22のドットピ
ッチと同等のピッチ寸法(図2の横方向の1ドット寸法)
で未硬化部18を形成しても可である。これらによっ
て、液晶厚さの均一化かつ同一の高さに配置でき、しか
も有効スペーサ材の単分散率及び分散密度が向上する。
特に、液晶厚さの均一化に有効であることが判明した。
【0028】上記のように本発明の特徴は、遮光部とな
る各電極領域あるいはカラーフィルタ側に形成される遮
光膜領域上に、高い分散密度でスペーサを配置できるた
め、従来の縦電界構造液晶素子に比較して均一な液晶厚
みが形成し易い特徴がある。なお、図2の実施例では、
1ドッド内を4分割する電極構成で説明したが、これに
限定されるものではなく、低電圧駆動をするために分割
数を増加する、電極の幅を縮小するまたは膜厚を増加す
るなど、場合に応じて工夫しても良いことは言うまでも
ない。また、分割数を増やすことにより、電極数が増え
れば、スペーサ材の分散密度を向上できるので、液晶厚
みの均一性がさらに向上することも自明である。
【0029】また、上記カラーフィルタは例えば顔料分
散型または染料型からなり、遮光膜は例えば顔料分散型
またはクロムからなる。また本発明は、アモルファス・
シリコン部25から成る能動素子としての薄膜トランジ
スタ部26R,26G,26Bにより、コモン電極11と
ソース電極13間に電圧を印加し、同一平面内で液晶分
子の方向のみを変えるような駆動方式であり、電圧印加
の有無で液晶分子の屈折率が変わる縦電界構造の液晶デ
ィスプレイが有する欠点であった角度依存性が解消でき
ることも確認できた。
【0030】さらに、配向制御膜の未硬化部18の幅ま
たは長さ寸法を、所定寸法を有するスペーサ材19の粒
径と同等かそれ以下に形成することにより、未硬化部1
8に固着させるスペーサ材19の個数が規定されるので
(例えば、必ず1個しか固着されないので)、前述の電
極基板間隙が一定に確保され、均一な液晶厚さの液晶表
示素子が得られた。これによって、表示面内全域におい
て均一表示と高コントラスト化を達成した液晶表示装置
が得られた。また、未硬化部18を縦あるいは横方向の
みのストライプ状に配置した場合も格子状に配置したも
のとほぼ同等の液晶厚みの均一性が得られた。
【0031】次に、スペーサ材の凝集がなく、かつ所期
のスペーサ材分散密度が容易に得られる方法について図
3で説明する。図3は、配向制御膜に形成する未硬化部
の他の実施例を示す図である。図に示すように、スペー
サ材19を分散・固着する配向制御膜の未硬化部18の
大きさ(面積)を、1個のスペーサ材19を固着するに
必要十分なる面積、例えば、スペーサ材19の投影面積
以下とすると共に、コモン電極11,ソース電極13,
ドレイン電極14,ゲート電極24等の遮光性を有する
各電極領域あるいは遮光膜領域に対応する部分にのみ光
または熱を照射し、点状に未硬化部18を形成するもの
である。
【0032】これにより、スペーサ材の分散密度(換言
すれば、未硬化部に固着規定されるスペーサ材の個数)
を、更に高精度で制御できるようにしたものである。そ
して、スペーサ材を点状に分散・固着するための未硬化
部18を各電極あるいは遮光膜上にのみ形成することに
より、スペーサ材からの光漏れの影響を受けない液晶厚
みの均一な液晶表示素子とその液晶表示素子を用いた高
コントラストで均一画質の液晶表示装置が達成できた。
【0033】次に、効果的なスペーサ材の分散・固着法
として未硬化部18をラビング等の配向処理方向と同一
方向に形成するとともに、その配向処理方向と同一方向
にスペーサ材を分散・固着する本発明による実施例につ
いて説明する。図4は、配向制御膜に形成する未硬化部
の別の実施例を示す図である。 図5は、図4の実施例
におけるスペーサ材の分散方向とラビングローラの移動
方向の関係を示す図である。図に示すように、配向制御
膜の未硬化部18は、ラビング布を装着したローラ30
の移動方向31と同一方向に配列して形成されている。
そして、該配列形成された未硬化部18部分に、スペー
サ材19が固着されることにより、ラビング等の配向処
理によってスペーサ材19近傍での液晶の配向不良が生
じないという別の効果が得られた。
【0034】なお、本実施例の横電界構造のアクティブ
マトリクス型液晶表示素子では、スペーサ材を画素部以
外の領域に配置するとともに、その分散密度を2500
0〜50000個/cm2の範囲にした。そして、液晶
表示素子面内において、より均一な液晶厚さを得るため
にはスペーサ材の分散密度を25000〜40000個
/cm2の範囲にするのが望ましいことが判明した。こ
れに対し、従来の縦電界構造の液晶表示素子の場合、前
述したように細分割することが不可能であったので、1
0000〜20000個/cm2の範囲であった。
【0035】ただし、スペーサ材の好ましい分散密度
は、スペーサ材の弾性率,液晶表示素子の大きさ,ガラ
ス基板の厚さ,素子構成等で異なり、上記の数値に限定
されるものではない。 また、本発明によって
製作される薄い液晶厚み(2〜4μm程度)を有する横電
界構造の液晶表示素子は、従来の縦電界構造の液晶表示
素子に比較して、スペーサ材の分散密度を大幅に増やす
ことができ、且つ、そのスペーサ材が各電極に配置され
ているので、コントラストに悪影響を及ぼさず非常に有
効である。
【0036】次に、本発明をTFTカラー液晶表示装置
に応用した例について説明する。図6は、本発明による
一実施例のカラー液晶表示装置を示す断面図である。図
には、カラー液晶表示素子およびバックライト部を示
し、そして、液晶表示素子の部分を断面している。図7
は、図6のカラー液晶表示装置のバックライト部の断面
図である。図は、カラー液晶表示装置全体の断面構造を
示している。図において、液晶表示素子50は、上側の
基板20および下側の基板10(無アルカリガラス:コ
ーニング7059,厚さ:0.7mm)、液晶27(メ
ルク製:ネマチック混合液晶)、上下の偏光板28,2
9(日東電工製:G1220DU,透過率:40%)で
構成した。
【0037】上側の基板20には、絶縁性の黒色遮光膜
21(顔料分散型,膜厚:0.5〜2.0μm)、赤,
緑,青の三原色カラーフィルタ22(顔料分散型,膜
厚:1.0〜1.8μm)、平坦化膜32(エポキシ系樹
脂,膜厚:1.0〜2.0μm)、配向制御膜23(感光
性ポリイミド系樹脂,厚さ:0.1μm)の上にスペー
サ材19(積水化学製:ポリマビーズ,粒子径:4.0
±0.2μm)を形成した。
【0038】一方、下側の基板10には、コモン電極1
1(材料:アルミ,膜厚:3000Å,電極幅:7μ
m)、ゲート絶縁膜12(材料:窒化シリコン,膜厚:1
000〜5000Å)、ソース電極13(材料:アル
ミ,膜厚:3000Å,電極幅:7μm)、ドレイン電
極11(材料:アルミ,膜厚:3000Å,電極幅:7μ
m)図示してないゲート電極(材料:アルミ,膜厚:30
00Å)、平坦化膜32(材料:エポキシ系樹脂,膜
厚:1.0〜2.0μm)、配向制御膜15(非感光性ポ
リイミド系樹脂,厚さ:0.05〜0.15μm)を形成
した。ただし、コモン電極11とソース電極13との間
隙は16μmとした。
【0039】また、図に示すように、本発明の特徴であ
る上下電極基板を重ねて所期の液晶厚さを形成するため
のスペーサ材19は、遮光膜21または各電極11,1
3,14,28(非開口部)に対応する配向制御膜に分
散・固着させた。
【0040】さらに、上記構成のカラー液晶表示素子5
0の一方の電極基板側には冷陰極蛍光管53、導光体5
4(材質:アクリル,厚さ:2mm)、拡散板55(材
質:ポリエステル,厚さ:0.125mm)、プリズムシ
ート56、反射シート57,58(材質:ポリエステ
ル,厚さ:0.125mm)、反射フィルム59(材質:
ポリエステル(銀薄膜付き),厚さ:0.125m
m)、接着テープ60から成るバックライトを配置し
た。また、カラー液晶表示素子50には各絵素毎に形成
された薄膜トランジスタを制御するための集積回路が搭
載されたTCP51や電源回路,駆動制御回路等が搭載
されたプリント板52が接続されている。なお、図7に
は示していないが、カラー液晶表示素子50やバックラ
イト等は、樹脂ケースと金属フレーム等の筐体に内蔵し
てカラー液晶表示装置を製作した。
【0041】次に、本発明を実施するに好適な別の実施
例について説明する。図8は、本発明による他の実施例
の液晶表示装置の製作工程を示す図である。図に示すよ
うに、(a)ガラス電極基板10に形成されたコモン電
極11(材料:アルミ,膜厚:3000Å,幅:7μ
m),ゲート絶縁膜12(材料:窒化シリコン,膜厚:1
000〜5000Å),ソース電極13(材料:アルミ,
膜厚:3000Å,幅:7μm),ドレイン電極14(材
料:アルミ,膜厚:3000Å,幅:7μm),その他図
には示していないがゲート電極,アモルファスシリコン
部から構成される薄膜トランジスタを有する各電極上に
非感光性ポリイミド系樹脂から成る配向制御膜15をス
ピンコート法または印刷法により1000Åの厚さに塗
布及び硬化し、一方の電極基板を形成する。
【0042】(b)その電極基板上に、半硬化状態の感
光性ポリイミド系樹脂(すなわち、光の照射によってス
ペーサ材を固着する機能を有する材料)または非感光性
ポリイミド系樹脂(すなわち、熱の照射によってスペー
サ材を固着する機能を有する材料)によって当該表面が
被覆されたスペーサ材19を分散する。(c)分散された
スペーサ材19表面に形成された半硬化状態樹脂をフォ
トマスク16を用いて、所定箇所に規制して(例えば、
ソース電極13とドレイン電極14を狙って)光を照射
する。そして、光が照射された配向制御膜15上の所定
位置に(換言すれば配向制御膜15上の必要な部分に)ス
ペーサ材19を直接固着する。尚、照射は紫外線17ま
たは熱線17a、あるいは光と熱を併用しても可であ
る。その後、(d)固着されない不要なスペーサ材19を
除去する。
【0043】(e)スペーサ材19が分散・固着された
配向制御膜15を、セルロースまたはナイロン系のラビ
ング布が装着されたローラ30により配向処理をする。
(f)上記一方の基板を、ガラス基板20上に顔料また
はクロム等の金属から成る遮光膜21,顔料または染料
から成るカラーフィルタ22,配向制御膜23とが形成
された他方の基板に対峙させ、かつ両電極基板周辺をシ
ールするように配したエポキシ系接着剤を介して重ね合
わせる。
【0044】その後、電極間々隙に減圧法によりネマチ
ック混合液晶を充填し、感光性エポキシ系封止剤で液晶
注入口を封止する。そして、偏光板または位相差板付き
の偏光板を上記基板の両面に装着し、駆動回路及び制御
回路を接続して液晶表示素子を形成し、液晶表示素子,
バックライト等を樹脂ケース及び金属フレーム等の筐体
内に装着して液晶表示装置を製作する工程である。
【0045】なお、本実施例においても、スペーサ材を
画素部の内部領域にまでも配置すると共に、その分散密
度を25000〜50000個/cm2の範囲とした。
さらに、表示素子面内において、より均一な液晶厚さを
得るためにはスペーサ材の分散密度を25000〜40
000個/cm2の範囲に設定するのが望ましい。ただ
し、スペーサ部材の好ましい分散密度は、スペーサ材の
弾性率,液晶表示素子の大きさ,ガラス基板の厚さ,素
子構成等で異なり、上記の数値に限定されるものではな
い。
【0046】また、スペーサ材の分散は、いずれか片方
の電極基板にのみ分散しても、両電極基板に分散しても
同等の均一な液晶厚みを有する液晶表示素子は得られ
る。ただし、片方の基板にのみスペーサ材を分散する場
合は、両電極基板に分散する2倍の分散密度にしなけれ
ばならない。さらに、本実施例では配向制御膜として、
スペーサ材を分散・固着する一方の基板には感光性ポリ
イミド系樹脂を用い、他方の基板には非感光性ポリイミ
ド系樹脂を用いたが、両方の基板に感光性ポリイミド系
樹脂を使用した場合でも同等の効果が得られることを確
認している。
【0047】そして、アクリル系樹脂またはエポキシ系
樹脂等から成る平坦化膜を用いて、薄膜トランジスタを
有する電極基板上の電極による表面の凹凸あるいはカラ
ーフィルタ上の凹凸を軽減するれば、より均一な液晶厚
みの液晶表示素子が得られることも確認している。さら
にまた、上記平坦化膜にスペーサ材を固着するととも
に、ラビング等の配向処理を施して配向制御膜と兼用さ
せても同等の効果が得られることも確認できた。
【0048】上述したように、本発明は液晶層に接する
配向制御膜上に、所期の液晶厚さが得られるような狭い
分散ピッチ及び分散密度で、スペーサ材を容易に分散・
固着できるため、均一な液晶厚みの液晶表示素子が容易
に得られる特徴がある。従って、均一な配向規制力を有
する配向制御膜が形成でき、表示不良のない鮮明で、視
野角の広い画像が得られる液晶表示素子および液晶表示
装置が達成できる。さらに、ラビング等の配向処理方向
と同一方向にスペーサ材を分散・固着することで、スペ
ーサ材周辺で液晶の分子配向に乱れのないラビング処理
も可能になり、より均一な画質が得られる液晶表示素子
および液晶表示装置が達成できる。
【0049】さらに、本実施例のポイントであるスペー
サ材表面に形成した半硬化状態(ベタつかない程度)の接
着材は、一度軟化してから硬化するタイプのものであれ
ば光,熱硬化または光と熱の併用による硬化タイプでも
よい。そして、スペーサ材(シリカビーズ等無機材,ポ
リマビーズ等の有機材)の耐熱性はもとより、配向制御
膜の耐熱性を考慮して接着材を選定すればより効果的で
ある。
【0050】尚、本実施例の固着材としての光硬化材ま
たは熱硬化材について、ポリイミド系樹脂についてのみ
説明したが、ポリアミド系樹脂,ポリイミドアミド系樹
脂,エポキシ系樹脂,アクリル系樹脂,ポリウレタン系
樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリエーテル系樹脂等でも
同様の効果が得られることが判明している。
【0051】上記のように本発明による固着法であれ
ば、一般的な接着材層またはそれに類する層を介在させ
ずに(接着材を用いずに)、スペーサ材を直接配向制御
膜上に固着することができるので、従来のように接着材
で配向制御膜の表面を汚染するようなことが回避され
る。ところで、本発明において、使用するスペーサ材の
粒径の偏差や弾性係数等を勘案して、配向制御膜上に個
々のスペーサ材を分散・固着する形状およびピッチ等を
決定すれば、素子面内の液晶厚みをより高精度に制御で
きる利点がある。
【0052】次に、表面に半硬化状態の固着材を有する
スペーサ材を分散・固着する別の実施例について説明す
る。図9は、本発明による別の実施例の液晶表示装置の
製作工程を示す図である。図に示すように、(a)コモ
ン電極11,ソース電極13,ドレイン電極14,ゲー
ト電極等の各電極が形成された基板10上に配向制御膜
15をスピンコート法または印刷法により形成し、
(b)表面に半硬化状態の固着材を有するスペーサ材1
9を電極間の間隙である非開口部に対応する配向制御膜
15上に、パルス状の空気圧34でスペーサ材19を押
し出して分散するスペーサ材分散装置33を用いて分散
・配置し、(c)フォトマスク16を用いて、紫外線1
7または熱線17aを照射しスペーサ材19を所定位置
に直接固着し、(d)固着されない不要なスペーサ材1
9を除去し、(e)スペーサ材19が分散・固着された
配向制御膜15をラビングローラ30により配向処理
し、(f)遮光膜21,カラーフィルタ22上に配向制
御膜23が形成された基板20を対峙させる。
【0053】その後、電極基板周辺を接着材でシーリン
グし、両電極基板の間隙に液晶を減圧法により注入,感
光性接着剤で封止し、偏光板あるいは位相差板付き偏光
板等を貼付し、駆動回路および制御回路を接続し、液晶
表示素子およびバックライトを筐体内に組込んで液晶表
示装置を製作する工程とした。このスペーサ材分散方法
にても前述と同等の利点があるなお、本実施例では横電
界構造のアクティブマトリクス型TFT液晶表示装置に
ついて説明したが、本発明はそれに限定されるものでな
く、単純マトリクス型のTNまたはSTN液晶表示装
置,強誘電性液晶表示装置,ポリマ分散型液晶表示装置
等全ての液晶表示装置に対して適応可能である。特に、
液晶の複屈折性を積極的に利用した本発明の横電界構造
のアクティブマトリクス型TFT液晶表示装置やSTN
液晶表示装置では、液晶厚みの精度が表示性能を決定す
るため、均一な液晶厚みの表示素子が容易に得られ、か
つ表示不良が生じない均質で、視野角の広い画像が得ら
れる表示装置が達成できるので有効である。
【0054】また、金属配線等を有する液晶表示素子で
は、ガラス基板側から光照射することにより、フォトマ
スクを使用せずに金属配線上の配向制御膜部に、スペー
サ材を固着するための未硬化部を形成するすることがで
き、低コスト化に対して有効である。なお、開口部また
は非開口部のいずれにスペーサ材を固着するかは、ポジ
型またはネガ型いずれかの感光性材料を選択することで
決定できる。
【0055】最後に、縦電界構造のアクティブ・マトリ
クス型のTFT液晶表示装置における実施例についても
説明する。図10は、本発明による一実施例の縦電界構
造の液晶表示素子を示す断面図である。図10に示す縦
電界構造のTFT構造の液晶表示素子は、10〜13イ
ンチサイズのVGA〜XGA対応液晶表示装置に用いら
れている一般的なものである。一方の電極基板は、ガラ
スの基板10上にゲート電極80,蓄積容量電極81,
絶縁膜44,アモルファス・シリコン・チャネル層82,ド
レイン電極83,ソース電極84,画素部の透明電極1
1から形成される。この電極基板上に配向制御膜15を
形成した後、フォトマスクを用いて高さが一番高いゲー
ト電極80上の配向制御膜15に未硬化部を形成し、そ
の部分にスペーサ材19を分散・固着する。そしてカラ
ーフィルタを形成した他方の電極基板と接着剤を介して
組合せたものである。
【0056】図に示すように、個々のスペーサ材19を
ゲート電極80上の配向制御膜15にのみ分散・固着す
ることで、均一な液晶厚みの液晶表示素子が達成でき
た。また、金属配線上に個々のスペーサ材19を固着す
ることで、スペーサ材19からの光漏れのないコントラ
ストの高い、均質な画像が得られる液晶表示装置が達成
できた。ただし、配向制御膜15上に形成した未硬化部
18の形状,サイズ,ピッチ等は、前述の横電界構造の
アクティブマトリクス型TFT液晶表示装置と同様の条
件とした。
【0057】また、ゲート電極80及び蓄積容量電極8
1上の非開口部にスペーサ材19を分散・固着するに
は、ゲート電極80,ドレイン電極83,ソース電極8
4及び蓄積容量電極81にフォトマスクの役目をさせ
て、ガラス基板10側から光照射する方法でも達成でき
る。この方法には、フォトマスクを使用しなくても、確
実に非開口部にスペーサ材19を分散・固着することが
できる利点がある。
【0058】なお、対向する電極基板において、ゲート
電極80に対応する配向制御膜15上に、スペーサ材1
9を分散・固着しても、同様の効果が得られることは前
述した通りである。
【0059】更に、液晶素子の内部に偏光膜や反射膜を
内蔵する反射型液晶表示装置では、それらが熱によるダ
メージを受け易いので、光または光と熱の併用で配向制
御膜を硬化し、しかもスペーサ材を固着できる本発明は
特に有効な方法である。しかし、液晶層の均一性に関し
ては電極配線部の多い横電界構造の方が縦電界構造に較
べ、スペーサ材を狭いピッチで数多く分散できるので有
利である。ただし、開口率に関しては横電界構造は電極
配線部が多いので、原理的に縦電界構造よりも低くなる
欠点を有している。
【0060】本発明は既存の製造設備でスペーサ材を精
度よく分散・固着でき、かつ低コスト化に対しても有効
な方法である。また、本実施例ではカラー液晶表示装置
についてのみ具体的に説明したが、白黒液晶表示素子で
も同様の製造工程で、均一な液晶厚みや所期のスペーサ
材の分散密度が容易に得られので、白黒液晶表示装置に
ついてもコントラスト等の表示品質向上が図れる効果が
得られる。
【0061】上述したように、本発明の液晶表示装置
は、コントラストの角度依存性が小さく、しかも均質な
画像表示が達成でき、ノートPC,ノートブックタイプ
ワードプロセッサ(ノートWP),テレビジョン受像機
及びパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA),
ワークステーション等に搭載されるディスプレイとして
有効である。特に、均一な画像表示が得にくい大画面デ
ィスプレイ用ではその効果が顕著である。なお、本発明
のポイントは接着材等を介在させずに任意の位置および
分散密度に、個々のスペーサ材を液晶表面に接する部分
(配向制御膜上)に直接分散・固着する新規な方法を提
案したものであり、液晶表示素子のギャップ形成のみに
限定されるものではない。
【0062】
【発明の効果】本発明におけるスペーサ材の分散・固着
方法によれば、個々のスペーサ材を接着材等を介在させ
ずに非開口部に対応する配向制御膜上にのみ均一に分散
・固着できるため、1)スペーサ材を狭ピッチでかつ高
密度に分散できる、2)スペーサ材の分散密度を正確に
規定できる、3)個々のスペーサ材を液晶に接する任意
の位置及び形状に固着できる、4)パターニング工程及
び接着材等が不要なので配向制御膜を汚染しない等の効
果があり、均一な液晶厚みを有する液晶表示素子及び不
要な光り漏れや表示不良がなく角度依存性もない高品質
な画像の液晶表示装置が得られる。
【0063】また、5)最少量のスペーサ材(回収及び
再利用が容易)で所期の液晶厚みが得られる分散密度が
達成できる、6)光照射等により短時間で配向制御膜の
硬化およびスペーサ材の固着ができるため低コスト化に
も有効である。
【0064】したがって、本発明によれば携帯性に優れ
た普及型(低価格)のノートPC,ノートWP,テレビ
ジョン受像機及びPDA,ワークステーション等に搭載
されるディスプレイに好適な液晶表示装置が達成でき
る。特に、視野角範囲が広く、かつ均質な画像が得にく
い大画面ディスプレイではその効果が顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の液晶表示装置の製作工
程を示す図である。
【図2】配向制御膜に形成する未硬化部の一実施例を示
す図である。
【図3】配向制御膜に形成する未硬化部の他の実施例を
示す図である。
【図4】配向制御膜に形成する未硬化部の別の実施例を
示す図である。
【図5】図4の実施例におけるスペーサ材の分散方向と
ラビングローラの移動方向の関係を示す図である。
【図6】本発明による一実施例のカラー液晶表示装置を
示す断面図である。
【図7】図6のカラー液晶表示装置のバックライト部の
断面図である。
【図8】本発明による他の実施例の液晶表示装置の製作
工程を示す図である。
【図9】本発明による別の実施例の液晶表示装置の製作
工程を示す図である。
【図10】本発明による一実施例の縦電界構造の液晶表
示素子を示す断面図である。
【符号の説明】
10,20…基板、11…コモン電極(透明電極)、12
…ゲート絶縁膜、13…ソース電極、14…ドレイン電
極、15,23…配向制御膜、16…フォトマスク、16
a…マスクパターン、17…紫外線、17a…熱線、1
8…未硬化部、19…スペーサ材、21…遮光膜、22
…カラーフィルタ、24…ゲート電極、25…アモルフ
ァス・シリコン部、26…トランジスタ部、27…液
晶、28,29…偏光板、30…ローラ、31…移動方
向、32…平坦化膜、33…スペーサ材分散装置、34
…空気圧、44…絶縁膜、50…カラー液晶表示素子、
51…テープキャリアパケージ、52…プリント板、5
3…冷陰極型蛍光管、54…導光体、55…拡散板、5
6…プリズムシート、57,58…反射シート、59…
反射フィルム、60…接着テープ、80…ゲート電極、
81…蓄積容量電極、82…アモルファス・シリコン・
チャネル層、83…ドレイン電極 84…ソース電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に積層した複数の電極上に一方の配向
    制御膜を備える一方の電極基板と、他方の基板に積層し
    た遮光膜及びカラーフィルタ上に他方の配向制御膜を備
    える他方の電極基板とが、該両電極基板間の間隙を規定
    するためのスペーサ材を介して対峙し、該間隙に液晶が
    充填され、かつ、前記各電極から前記両電極基板面に対
    し平行方向に電界が印加される横電界構造のアクティブ
    マトリクス型液晶表示素子において、 少なくともどちらか一方の前記配向制御膜は、光硬化材
    または熱硬化材からなり、該光硬化材または熱硬化材か
    らなる配向制御膜は、光または熱が照射され当該配向制
    御膜上の所定位置にスペーサ材が直接固着されているこ
    とを特徴とする横電界構造のアクティブマトリクス型液
    晶表示素子。
  2. 【請求項2】基板に積層した複数の電極上に一方の配向
    制御膜を備える一方の電極基板と、他方の基板に積層し
    た遮光膜及びカラーフィルタ上に他方の配向制御膜を備
    える他方の電極基板とが、該両電極基板間の間隙を規定
    するためのスペーサ材を介して対峙し、該間隙に液晶が
    充填され、かつ、前記各電極から前記両電極基板面に対
    し平行方向に電界が印加される横電界構造のアクティブ
    マトリクス型液晶表示素子において、 前記スペーサ材は、光硬化材または熱硬化材で被覆され
    たものからなり、該光硬化材または熱硬化材で被覆され
    た前記スペーサ材は、光または熱が照射された前記配向
    制御膜上の所定位置に直接固着されていることを特徴と
    する横電界構造のアクティブマトリクス型液晶表示素
    子。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記光
    または熱が照射された前記配向制御膜上の所定位置は、
    前記カラーフィルタのドットピッチと同等のピッチ寸法
    または該ドットピッチより小さいピッチ寸法の位置であ
    ることを特徴とする横電界構造のアクティブマトリクス
    型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2において、前記光
    または熱が照射された前記配向制御膜上の所定位置は、
    前記一方の配向制御膜の前記各電極領域上または前記他
    方の配向制御膜の前記遮光膜領域上の位置であることを
    特徴とする横電界構造のアクティブマトリクス型液晶表
    示素子。
  5. 【請求項5】複数の電極を有する基板に感光性樹脂薄膜
    を積層して一方の電極基板を形成する工程と、該感光性
    樹脂薄膜上に光または熱を照射し選択的に未硬化部を形
    成する工程と、該未硬化部を含む前記感光性樹脂薄膜上
    にスペーサ材を分散する工程と、光または熱を照射して
    前記未硬化部を硬化し前記未硬化部上に分散した前記ス
    ペーサ材のみを固着する工程と、未固着の前記スペーサ
    材を除去する工程と、前記未硬化部上に残存固着してい
    る前記スペーサ材を有する前記一方の電極基板に、遮光
    膜及びカラーフィルタを有する基板に非感光性樹脂薄膜
    を積層して成る他方の電極基板を重ね合わせる工程と
    を、 含むことを特徴とする横電界構造のアクティブマトリク
    ス型液晶表示素子の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項4のいずれか1項記
    載の液晶厚さが均一である横電界構造のアクティブマト
    リクス型液晶表示素子、あるいは請求項5記載のアクテ
    ィブマトリクス型液晶表示素子の製造方法を用いて液晶
    厚さが均一に製作された横電界構造のアクティブマトリ
    クス型液晶表示素子を用いたことを特徴とする液晶表示
    装置。
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