JPH09159150A - 蓄熱式バーナ、その燃焼方法及びその燃焼装置 - Google Patents

蓄熱式バーナ、その燃焼方法及びその燃焼装置

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JPH09159150A
JPH09159150A JP7317933A JP31793395A JPH09159150A JP H09159150 A JPH09159150 A JP H09159150A JP 7317933 A JP7317933 A JP 7317933A JP 31793395 A JP31793395 A JP 31793395A JP H09159150 A JPH09159150 A JP H09159150A
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Japan
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temperature
heat storage
exhaust gas
heat
combustion
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JP7317933A
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English (en)
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Yutaka Suzukawa
豊 鈴川
Isao Mori
功 森
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱温度が異なる蓄熱体を備える蓄熱式バー
ナにおいて、蓄熱体の温度分布を適切に維持し、耐熱温
度の低い蓄熱体の溶融を防止し得る蓄熱式バーナ、その
燃焼方法及びその燃焼装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 空気ノズル5と燃料ノズル6を備える蓄
熱式バーナ1が多層の蓄熱体13,14を備え、蓄熱体
13,14間に温度計15を備え、且つ、蓄熱体14の
他端に温度計16を備え、蓄熱体収容容器3に接続され
た配管12が分岐して一方に燃焼空気遮断弁9が設けら
れ、他方に燃焼排ガス遮断弁9が設けられ、温度計1
5,16の検出出力が制御装置10に入力され、制御装
置10によって比較演算処理がなされ、その出力結果に
基づいて、燃焼排ガス流量及び/又は吸引時間が制御さ
れて蓄熱体13,14の温度分布が制御されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱式バーナ、そ
の燃焼方法及びその燃焼装置に関し、特に、多層の蓄熱
体を備える蓄熱式バーナであり、蓄熱体と燃焼排ガス遮
断弁の耐熱温度を越えないように蓄熱体温度を制御し得
る蓄熱式バーナであり、その燃焼方法及びその燃焼装置
に係るものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の蓄熱式バーナを示し、加
熱炉2の炉壁にバーナタイル4が設けられ、バーナタイ
ル11には空気ノズル5と燃料ノズル6が炉内側に開口
し、空気ノズル12は流路11aを経て蓄熱体収納容器
3に接続されている。蓄熱体収納容器3には蓄熱体20
が収納され、蓄熱体収納容器3は流路11bを介して配
管12に接続され、配管12が分岐した一方に燃焼空気
遮断弁21が設けられ、他方に燃焼排ガス遮断弁22が
設けられている。空気ノズル12には燃料遮断弁23が
設けられている。流路11bに設けられた温度計18に
より、燃焼排ガス温度が計測されている。
【0003】加熱炉には、通常、少なくとも一対の蓄熱
式バーナが設けられ、蓄熱式バーナが燃焼動作と燃焼排
ガス排出動作を所定の周期で交互に行うように燃焼制御
されている。先ず、燃焼動作について説明する。蓄熱式
バーナ1の燃料遮断弁23を開き、燃料ノズル6を介し
て炉内に燃料が噴射される。また、燃焼空気遮断弁21
を開き、燃焼排ガス遮断弁22を閉じ、蓄熱体により予
熱した燃焼空気は空気ノズル5から炉内に噴出されて燃
料と混合して燃焼させている。次に、燃焼排ガス排出動
作について説明すると、燃料遮断弁23及び燃焼空気遮
断弁21を閉じ、燃焼排ガス遮断弁22を開けて、排気
ブロワによって燃焼排ガスを吸引することにより、燃焼
排ガスは空気ノズル5から蓄熱体20を経て配管12に
流れて炉外に排出される。その際に燃焼排ガスの顕熱が
蓄熱体に蓄積され、燃焼空気の予熱に利用される。この
燃焼動作(予熱作用)と燃焼排ガス排出動作(蓄熱作
用)、即ち、交番燃焼動作は、一定の周期、例えば30
秒〜2分の周期で交互に繰り返してなされる。
【0004】次に、図8を参照して蓄熱バーナの燃焼に
ついて説明する。同図は、一対の蓄熱式バーナが交番燃
焼している際の加熱炉及び蓄熱式バーナの各部の温度の
変化を示しており、横軸が時間であり、縦軸が温度を示
している。図中、は蓄熱体の高温側(蓄熱体20の流
路11a側)の温度変化を示し、は蓄熱体20の流路
11b側の温度変化を示し、は加熱炉内の温度を示し
ている。この図から明らかなように、蓄熱体20の高温
側の温度は加熱炉内温度よりも僅か50ケルビン
(K)程度低い平均温度となり、その温度変化幅は30
K程度である。また、蓄熱体20の低温側の温度は4
70K程度の平均温度となり、約100K程度の変化幅
で変動している。蓄熱体20の加熱炉側の温度は加熱炉
の炉内温度に近い温度になる。従って、蓄熱体20は、
最高炉温度を基準として、これに耐え得る耐熱材料が用
いられている。また、実際の加熱炉の操業では、燃焼排
ガス遮断弁の耐熱温度を越えないように、蓄熱式バーナ
11の流路11bに温度計18が設けられ、その温度測
定値を観察しながら燃焼排ガス吸引量を制御して蓄熱体
の耐熱温度を越えないように制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
蓄熱式バーナでは、蓄熱体20が加熱炉の最高温度を基
準にして、これに耐え得る耐熱材料が用いられているた
めに、非常に高価な材料が必要であり、燃焼設備費の高
騰を招いている。このような観点から蓄熱体の低温側に
耐熱温度の低い安価な材質を用いている試みがなされて
いる。実際の加熱炉の操業では、蓄熱体の燃焼排ガスの
排出側に設けた温度計18で温度を測定して観察し、耐
熱温度の低い蓄熱体や燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度を越
えないように、一定範囲内の温度になるように燃焼排ガ
ス吸引量を制御している。しかし、加熱炉内温度が変化
すると、蓄熱体や燃料排ガス遮断弁の耐熱温度の低い材
質が溶融する問題が生じていた。
【0006】更に、実際の操業では、蓄熱体の出側に設
置した温度計18の測定値が一定範囲内にあるように燃
焼排ガスの炉外への吸引量を制御するだけでは、炉内温
度が変化した場合には、予熱温度が大きく変動して、加
熱炉内の温度との偏差が大きくなって熱交換効率が低下
する問題が生じている。更に、蓄熱体の溶融を危惧し
て、蓄熱体の温度を下げすぎると、燃焼排ガス中に含ま
れる水分や硫黄分が凝縮して、所謂ドレンが発生して機
器の腐食が発生するおそれがある。
【0007】本発明は、上述のような問題点に鑑みなさ
れたものであり、耐熱温度の異なる蓄熱体を備える蓄熱
式バーナであり、蓄熱体の温度分布を適切に維持し、耐
熱温度の低い蓄熱体の溶融を防止し得る蓄熱式バーナ、
その燃焼方法及びその燃焼装置を提供することを目的と
する。また、本発明は、蓄熱体の温度分布を適切に維持
し、耐熱温度の低い材料の溶融を防止するとともに、加
熱炉内温度が変化しても、燃焼空気の予熱温度と炉内温
度との偏差を最少にして加熱炉の熱交換効率を維持し得
る蓄熱式バーナ、その燃焼方法及びその燃焼装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、多層の蓄熱体を備える蓄熱式バーナに於いて、前
記蓄熱体の加熱炉側に設けられた高耐熱蓄熱体と、前記
高耐熱蓄熱体に連設して設けられる高耐熱蓄熱体より耐
熱性が低い低耐熱蓄熱体と、前記高耐熱蓄熱体と前記低
耐熱蓄熱体との中間段に設けられた第1の温度検出手段
と、前記蓄熱体の燃焼排ガス流出部に設けられた第2の
温度検出手段とを具備することを特徴とする蓄熱式バー
ナであり、第1の温度検出手段により低耐熱蓄熱体が最
も高温となる部分の温度を計測し、且つ、第2の温度検
出手段により低耐熱蓄熱体が最も温度の低い部分の温度
を計測して燃焼排ガスの顕熱の蓄積によって低耐熱蓄熱
体が溶融するのを防止するとともに、燃焼排ガス遮断弁
の耐熱温度を越えないように蓄熱体温度を制御すること
ができる蓄熱式バーナである。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、多層の蓄
熱体を備える蓄熱式バーナの燃焼方法に於いて、前記蓄
熱式バーナが、前記蓄熱体の加熱炉側に設けられた高耐
熱蓄熱体と、前記高耐熱蓄熱体に連設して設けられる高
耐熱蓄熱体より低い耐熱性の低耐熱蓄熱体と、前記高耐
熱蓄熱体と前記低耐熱蓄熱体との中間段に設けられた第
1の温度検出手段と、前記蓄熱体の燃焼排ガス流出部に
設けられた第2の温度検出手段とを具備し、前記第1の
温度検出手段の出力に基づいて、前記蓄熱体の温度が耐
熱温度を越えないように燃焼排ガスの吸引流量及び/又
は吸引時間を制御するとともに、前記第2の温度検出手
段の出力に基づいて、前記燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度
以下になるように燃焼排ガスの吸引流量及び/又は吸引
時間を制御することを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼方
法であり、第1の温度検出手段により低耐熱蓄熱体が最
も高温となる部分の温度を計測し、且つ、第2の温度検
出手段により低耐熱蓄熱体が最も温度の低い部分の温度
を計測して燃焼排ガスの顕熱の蓄積によって低耐熱蓄熱
体が溶融するのを防止するとともに、燃焼排ガス遮断弁
の耐熱温度を越えないように蓄熱体温度を制御すること
ができる蓄熱式バーナの燃焼方法である。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、多層の蓄
熱体を備える蓄熱式バーナの燃焼装置に於いて、前記蓄
熱式バーナがバーナタイルから加熱炉内側に開口した空
気ノズルと燃料ノズルとを備え、前記蓄熱体間に温度を
検出する第1の温度検知手段と前記蓄熱体の燃焼排ガス
流出部に温度を検出する第2の温度検知手段とを具備
し、前記蓄熱式バーナに前記燃料ノズルに燃料を炉内に
供給する燃料遮断弁、前記空気ノズルに燃焼空気を炉内
に供給する燃焼空気遮断弁、加熱炉内の燃焼排ガスを炉
外に排出する燃焼排ガス遮断弁を具備し、且つ、前記第
1と前記第2の温度検知手段の検出信号に基づいて前記
蓄熱体と前記燃焼空気遮断弁の耐熱温度以下に調節する
制御信号によって、前記蓄熱体を通過する燃焼排ガスの
吸引流量及び/又は吸引時間を調節する燃焼排ガス吸引
手段とを具備することを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼
装置であり、第1の温度検出手段により低耐熱蓄熱体が
最も高温となる部分の温度を計測し、且つ、第2の温度
検出手段により低耐熱蓄熱体が最も温度の低い部分の温
度を計測して燃焼排ガスの顕熱の蓄積によって低耐熱蓄
熱体が溶融するのを防止するとともに、燃焼排ガス遮断
弁の耐熱温度を越えないように蓄熱体温度を制御する蓄
熱式バーナの燃焼装置である。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、前記制御
手段が、前記第1の温度検知手段から入力される温度計
測値から所定時間内の平均温度を算出する第1の時間平
均温度算出手段と、前記第2の温度検知手段から入力さ
れる温度計測値から所定時間内の平均温度を算出する第
2の時間平均温度算出手段と、前記第1の時間平均温度
算出手段によって算出された時間平均温度が前記蓄熱体
の耐熱温度が管理限界値内であるか否かを判断する第1
の温度比較手段と、前記第2の時間平均温度算出手段に
よって算出された時間平均温度が前記燃焼排ガス遮断弁
の耐熱温度以上であってドレン発生温度以上であるか否
かを判断する第2の温度比較手段と、前記第1と第2の
温度比較手段に基づく制御信号によって前記蓄熱体を通
過する燃焼排ガスの吸引流量及び/又は吸引時間を設定
する燃焼排ガス吸引手段と、交番燃焼プログラムに基づ
いて、蓄熱式バーナが燃焼動作と燃焼排ガス排出動作を
交互に行う切替信号発生手段とを具備することを特徴と
する請求項3に記載の蓄熱式バーナの燃焼装置であり、
第1の温度検出手段により低耐熱蓄熱体が最も高温とな
る部分の温度を計測し、且つ、第2の温度検出手段によ
り低耐熱蓄熱体が最も温度の低い部分の温度を計測し
て、制御手段によって、温度計測値を所定時間サンプリ
ングしてその平均値を算出して、その時間平均温度に基
づいて、燃焼排ガスの吸引流量及び/又は吸引時間を設
定して、その設定値に基づいて燃焼排ガス吸引手段を制
御して燃焼排ガスの顕熱の蓄積によって低耐熱蓄熱体が
溶融するのを防止し、燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度を越
えないように蓄熱体温度を制御するとともにドレン発生
温度以上に蓄熱体温度を制御する蓄熱式バーナの燃焼装
置である。
【0012】また、請求項5に記載の発明は、多層の蓄
熱体を備える蓄熱式バーナの燃焼方法に於いて、前記蓄
熱式バーナが加熱炉の炉壁に設けらるバーナタイルに炉
内側に開口した空気ノズルと燃料ノズルとを備え、前記
蓄熱体の内部温度を検出する第1の温度検出手段と、前
記蓄熱体の燃焼排ガス排出段の温度を検出する第2の温
度検出手段とを備え、且つ、前記燃料ノズルに燃料を供
給する燃料遮断弁、前記空気ノズルに燃焼空気を供給す
る燃焼空気遮断弁、炉内の燃焼排ガスを排出する燃焼排
ガス遮断弁、及び燃焼排ガス吸引手段を具備し、前記第
1の温度検出手段の位置の時間平均温度(T15)が
(1)式を満たし、且つ、第2の温度検出手段の位置の
時間平均温度(T16)が(2)式を満たすように、前記
燃焼排ガス排出手段によって前記蓄熱体を介して排出さ
れる燃焼排ガスの吸引流量及び/又は吸引時間を調節し
て、前記蓄熱体の温度が耐熱温度を越えないようにする
とともに、前記蓄熱体から排出される燃焼排ガス温度を
前記燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度以下にすることを特徴
とする蓄熱式バーナの燃焼方法であり、加熱炉の熱交換
効率を悪化することなく、耐熱温度の低い蓄熱体と燃焼
排ガス遮断弁を熱破壊から保護することができる。
【0013】 TS ≧T15≧(T S−X) ………………(1) TSV≧T16≧TD ………………(2) 但し、TS :蓄熱体の耐熱温度 TSV:燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度 TD :燃焼排ガスのドレン発生温度 X :蓄熱体温度の制御範囲
【0014】また、請求項6に記載の発明は、積層した
蓄熱体を備える蓄熱式バーナの燃焼方法に於いて、前記
蓄熱式バーナが加熱炉の炉壁に設けられたバーナタイル
内で炉内側に開口した空気ノズル、燃料ノズル、及び前
記蓄熱体間に設置した第1の温度検出手段、前記蓄熱体
の燃焼排ガス排出部の温度を計測する第2の温度検出手
段を備え、且つ、前記燃料ノズルに燃料を供給する燃料
遮断弁、前記空気ノズルに燃焼空気を供給する燃焼空気
遮断弁、燃焼排ガスを排出する燃焼排ガス遮断弁、及び
前記第1と第2の温度検出手段の検出信号によって前記
燃焼空気遮断弁と前記燃焼排ガス遮断弁の動作信号を出
力とする制御装置とを具備し、前記制御装置によって、
前記燃料遮断弁及び前記燃焼空気遮断弁を閉じて、前記
燃焼排ガス遮断弁を開けて、炉内の燃焼排ガスの顕熱を
前記蓄熱体に蓄えて通過する際に、前記第1の温度検出
手段で測定される温度が予め設定した温度以上で且つ前
記燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度を越えないように、燃焼
排ガス吸引手段を制御して燃焼排ガスの吸引流量及び/
又は吸引時間を調節することを特徴とする蓄熱式バーナ
の燃焼方法であり、第1の温度検出手段により低耐熱蓄
熱体が最も高温となる部分の温度を計測し、且つ、第2
の温度検出手段により低耐熱蓄熱体が最も温度の低い部
分の温度を計測して燃焼排ガスの顕熱の蓄積によって低
耐熱蓄熱体が溶融するのを防止するとともに、燃焼排ガ
ス遮断弁の耐熱温度を越えないように蓄熱体温度を制御
する蓄熱式バーナの燃焼方法である。
【0015】また、請求項7に記載の発明は、請求項6
に記載の蓄熱式バーナの燃焼方法に於いて、前記第1の
温度検出手段の位置の時間平均温度(T15)が(1)式
を満たし、且つ、前記第2の温度検出手段の位置の時間
平均温度(T16)が(2)式を満たすように、前記燃焼
排ガス吸引手段によって、前記蓄熱体を介して排出され
る燃焼排ガスの吸引流量及び/又は吸引時間を調節する
ことを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼方法であり、加熱
炉の熱交換効率を悪化することなく、耐熱温度の低い蓄
熱体と燃焼排ガス遮断弁を熱破壊から保護するととも
に、ドレンが発生しない温度に設定したものである。
【0016】 TS ≧T15≧(T S−X) ………………(1) TSV≧T16≧T D ………………(2) 但し、TS :蓄熱体の耐熱温度 TSV:燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度 TD :燃焼排ガスのドレン発生温度 X :蓄熱体温度の制御範囲
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照して説明する。図1は、本発明に係る蓄熱
式バーナの一実施形態を示す図であり、加熱炉2の炉壁
にバーナタイル4が設けられ、バーナタイル11には空
気ノズル5と燃料ノズル6が炉内側に開口し、空気ノズ
ル12は流路1aを経て蓄熱体収納容器3に接続されて
いる。蓄熱体13,14が収納された蓄熱体収納容器3
は流路1bを経て配管12に接続され、配管12は分岐
して一方に燃焼空気遮断弁8が設けられ、他方に燃焼排
ガス遮断弁9が設けられている。空気ノズル6には燃料
遮断弁7が設けられている。蓄熱体13,14間に温度
計15が設けられ、流路1bには温度計18が設けら
れ、蓄熱体13,14間の温度(蓄熱体温度)と蓄熱体
14の燃焼排ガス排出部の温度が計測されている。
【0018】蓄熱体13は、アルミナ、ムライト、Si
C、アルミナと酸化チタンとの混合物等の高耐熱材料か
らなり、蓄熱体14は、アルミナ、ムライト、コージラ
イト等の耐熱材料からなる。蓄熱体14は、蓄熱体13
の耐熱性より低い耐熱性を有する比較的安価な低耐熱性
材料により形成される。蓄熱体13,14にはハニカム
状の多数の細管が形成されている。
【0019】温度計13,14の検出出力は制御装置1
0に入力され、比較演算処理がなされ、その制御出力に
よって燃料遮断弁7、燃焼空気遮断弁8、及び燃焼排ガ
ス遮断弁9が制御されている。更に、制御装置10は、
図示されていないが、加熱炉内から燃焼排ガスを吸引し
て炉外に排出する排気ファンを制御している。
【0020】次に、図2は、本発明に係る蓄熱式バーナ
の燃焼設備の一実施形態を示している。同図は、加熱炉
に蓄熱式バーナが装備され、その配管系統及び制御系統
が示され、図2の蓄熱式バーナは流路が屈曲している
が、本発明はこのような形態を含むものであり、実質的
に図1の蓄熱式バーナと同一である。
【0021】図2に於いて、加熱炉2の互いに向かい合
う炉壁に蓄熱式バーナ1a,1bが装着されている。先
ず、蓄熱式バーナ1aの配管系統と制御系統について説
明すると、蓄熱式バーナ1aの燃料ノズル6aには燃料
遮断弁7aが設けられ、配管12aから分岐した一方の
配管に燃焼空気遮断弁8aが設けられ、他方の配管に燃
焼排ガス遮断弁9aが設けられている。蓄熱体13a,
14a間には温度計15aが設けられ、蓄熱体14aの
端部に温度計16aが設けられている。また、蓄熱式バ
ーナ1bも同様に、燃料ノズル6bには燃料遮断弁7
b、配管12bから分岐した一方の配管には燃焼空気遮
断弁8b、他方の配管には燃焼排ガス遮断弁9bがそれ
ぞれ設けられ、蓄熱体13b,14b間には温度計15
bが設けられ、蓄熱体14bの端部には温度計16bが
設けられている。そして、温度計15a,16a、15
b,16bの検出出力は制御装置10に入力されてい
る。なお、Pは加熱炉2内の鋼板等の被加熱物を示し、
Fは炎を示している。
【0022】制御装置16には一対の蓄熱式バーナ1
a,1bが交番燃焼するための制御プログラムが記憶装
置に記憶され、温度計15a,16a、15b,16b
からの検出出力が入力されて演算処理され、蓄熱体温度
の最高温度が蓄熱体14a,14bの耐熱温度以下であ
って、蓄熱体温度の制御範囲内であることが比較判断さ
れ、且つ、燃料遮断弁の耐熱温度以下であって、ドレン
が発生しない温度内にあるか、否かが比較判断されてい
る。その比較演算処理結果に基づいて、燃焼排ガス吸引
流量及び/又は燃焼排ガス吸引時間が制御されている。
【0023】次に、上記実施形態における交番燃焼動作
について説明する。図2では、蓄熱式バーナ1aは燃焼
状態(予熱作用)にあり、蓄熱式バーナ1bは燃焼排ガ
ス排出状態(蓄熱作用)にある。先ず、蓄熱式バーナ1
aの燃焼動作について説明すると、燃料遮断弁7aを開
き、燃料供給源から燃料を燃料ノズル6aから炉内に噴
射させ、同時に燃焼空気遮断弁8aを開き、燃焼排ガス
遮断弁9aを閉じ、空気ノズル5aから蓄熱体13a,
14aによって予熱された燃焼空気が炉内に噴出させて
燃料と混合させて燃焼させている。次に、蓄熱式バーナ
1bの燃焼排ガス排出動作について説明すると、燃料遮
断弁7b及び燃焼空気遮断弁8bを閉じ、燃焼排ガス遮
断弁9bを開けて、排気ブロワ17によって炉内燃焼排
ガスを吸引し、燃焼排ガスは空気ノズル5bから蓄熱体
13a,14b及び配管12bを経て炉外に排出され
る。その際に燃焼排ガスの顕熱は蓄熱体13a,14b
に蓄積される。この交番燃焼は、一定の周期、例えば3
0秒〜2分の周期で交互に繰り返してなされ、加熱炉2
の熱交換効率の向上が図られている。
【0024】続いて、制御装置10による蓄熱体温度制
御について、図3の機能ブロック図を参照して説明す
る。先ず、制御装置10には、記憶装置Mが設けられ、
交番燃焼するための交番燃焼制御プログラムが書き込ま
れる記憶領域M1と、燃焼開始命令信号入力手段I1と
初期値入力手段I2から入力された蓄熱体14の耐熱温
度(Ts )と燃焼排ガス遮断弁9a,9bの耐熱温度
(Tsv)、ドレン発生温度(TD )、及び温度範囲
(X)が書き込まれる記憶領域M2とが設けられてい
る。制御装置10には、蓄熱体13,14の中間部及び
蓄熱体14の後部の温度検出手段15,16による検出
出力が時間平均温度算出手段D1,D2にそれぞれ入力
される。時間平均温度算出手段D1,D2による計測値
(蓄熱体中間部温度T15),(蓄熱体後部温度T16)に
基づいて蓄熱体14の耐熱温度比較手段P1、燃焼排ガ
ス遮断弁の耐熱温度比較手段P2が演算処理される。耐
熱温度比較手段P1では、〔Ts ≧T15≧(Ts
X)〕の関係式に基づく演算処理がなされ、耐熱温度比
較手段P2では、〔Tsv≧T16≧TD 〕の関係式に基づ
く演算処理がなされる。それらの耐熱温度比較手段P
1,P2の処理結果に基づいて、燃焼排ガス吸引流量/
時間制御信号発生手段O2により吸引流量変化量ΔQ及
び/又は時間変化量Δtが設定され、切替信号設定手段
O1及び燃焼排ガス吸引流量設定手段O3によって、吸
引流量Q及び/又は吸引時間tが設定され、蓄熱バーナ
1a,1bの各種弁及び排気ブロワ17が制御されてい
る。切替信号設定手段O1は記憶装置Mの交番燃焼プロ
グラムM1からの切替信号に基づいて蓄熱式バーナの切
替信号が出力される。燃焼排ガス吸引手段は、切替信号
発生手段O1、燃焼排ガス吸引流量/時間制御信号発生
手段O2、燃焼排ガス吸引流量設定手段O3及び排気ブ
ロワ17を含むものである。
【0025】通常は、交番燃焼制御プログラムに基づい
て切替信号発生手段O1が動作して、蓄熱バーナ1a,
1bの各種弁及び排気ブロワ17が制御されている。燃
焼排ガス吸引流量/時間制御信号発生手段O2に基づい
て、吸引流量変化量ΔQ及び/又は時間変化量Δtが設
定され、切替信号発生手段及O1と流量設定手段O3が
制御され、吸引時間t及び/又は流量Qが設定されてい
る。
【0026】更に、図4は、蓄熱バーナの燃焼方法の一
実施形態について上記実施形態を参照して説明する。同
図に於いて、ステップS1は初期値を設定する蓄熱体1
4の耐熱温度(Ts )と燃焼排ガス遮断弁9の耐熱温度
(Tsv)、ドレン発生温度(TD )、及び温度範囲
(X)が設定され、記憶領域M2に書き込まれる。ステ
ップS2に進み、蓄熱体バーナ1の燃料遮断弁7、燃焼
空気遮断弁8、及び燃焼排ガス遮断弁9を開閉制御して
交番燃焼を開始する。続いて、ステップS3に進み、蓄
熱体中間部の温度(Ts )を計測して、ステップS4に
進む。ステップS4では、単位時間当たりの平均温度を
計測し、蓄熱体中間部の時間平均温度(T15)を検出
し、ステップS5に進む。ステップS5では、蓄熱体1
4の耐熱温度(TS )と蓄熱体中間部の平均温度
(T15)が(TS ≧T15)の関係式による比較演算処理
がなされる。満足しない場合は、ステップS7に進み、
燃焼排ガスの吸引時間/吸引流量が調整され、ステップ
S3に進む。ステップS5において、(TS ≧T15)の
比較演算処理がなされ、この条件を満足した場合は、ス
テップS6に進む。ステップS6では、蓄熱体中間部温
度(T15)が蓄熱体14の耐熱温度(TS )から許容さ
れる変動温度幅Xを差し引いた管理限界温度(TS
X)と等しいか或いはそれ以上であるか否かが、比較演
算処理がなされて判断される。その関係式は、〔T15
(TS −X)〕である。〔T15≧(TS −X)〕の条件
を満足しない場合はステップS7に進む。また、この条
件を満足する場合はステップS8に進み、蓄熱体14後
部の温度計測がなされ、ステップS9に進む。ステップ
S9では単位時間当たりの平均温度(T16)が演算処理
して求められ、ステップS10に進む。ステップS10
では燃焼排ガス遮断弁9の耐熱温度(T sv)と蓄熱体後
部の時間平均温度(T 16 )とが(Tsv≧T16)の関係
式に基づいて比較演算処理がなされる。(Tsv≧T16
の条件を満足しない場合はステップS12に進み、燃焼
排ガスの吸引時間/吸引流量の調整がなされ、ステップ
S8に進む。また、(Tsv≧T16)の条件を満足する場
合は、ステップS11に進み、蓄熱体14後部の時間平
均温度(T 16 )とドレンが発生する温度(TD )との
関係が、(T16≧TD )の関係式を満足するか否かが比
較演算処理がなされ、この条件を満足しない場合は、ス
テップS12に進む。また、満足する場合は、ステップ
S13に進む。ステップS13では、加熱炉の燃焼を継
続するか否かが判断される。加熱炉の燃焼を継続する場
合はステップS3に進み、同様な動作を繰り返す。加熱
炉の燃焼を継続しない場合は、燃焼を終了するプログラ
ムに移行する。
【0027】なお、上記ステップS7とS12は同様な
操作がなされ、この処理の詳細については、図5を参照
して説明する。同図において、横軸は流体の流れ方向の
距離を示し、縦軸が温度を示している。図中(I)は蓄
熱体13側、(II) は蓄熱体14側であり、図の左端は
加熱炉側であり、右端が燃焼遮断弁である。蓄熱体14
の耐熱温度(TS )が1050℃である。
【0028】同図において、温度分布特性Aは加熱炉温
度1300℃の場合であり、燃焼排ガス温度と吸引量に
比べ、燃焼空気の流量が十分に大きい場合である。この
場合には蓄熱体13,14の温度はそれ程上昇しないの
で、炉内側の温度は約1100℃である。また、蓄熱体
13,14との境界部の温度は約450℃である。境界
部の温度は蓄熱体14の耐熱温度より十分下回ってい
る。従って、蓄熱体14が溶融することはないが、この
条件で得られる予熱燃焼空気の温度は、1050℃程度
であり、炉温度より250℃よりも低い温度である。蓄
熱体の機能を十分に果たしていないとともに、低温側の
蓄熱体14にドレンが発生した。
【0029】また、温度分布特性Bは加熱炉温度130
0℃であり、燃焼排ガス吸引量と燃焼空気の流量が適切
な比率にある場合である。この条件では、蓄熱体温度は
Aの場合より上昇しており、燃焼空気入側では約180
℃(なお、空気の温度は50℃)であり、炉内側では約
1260℃である。蓄熱体13,14の境界部の温度
は、980℃であり、蓄熱体14の耐熱温度が1050
℃であり、十分余裕があるので蓄熱体14が溶融するこ
とはない。この条件で得られる予熱燃焼空気の温度は1
250℃程度であり、炉温度より僅か50℃の偏差に収
まり、蓄熱体の機能を十分に生かし得る。この条件では
蓄熱体14の低温側にはドレンが発生しない。
【0030】また、温度分布特性Cは加熱炉温度が14
00℃に上昇している。しかし、燃焼排ガス吸引量と燃
焼空気の流量の比率をBの条件の場合と同じ比率に維持
した場合である。このような条件下では、蓄熱体の温度
はBの場合より更に上昇する傾向にあり、燃焼空気入り
側では約200℃(なお、空気の温度は50℃)、炉内
側では1380℃である。また、蓄熱体13,14との
境界部の温度は1110℃であり、蓄熱体14の耐熱温
度1050℃を越えてしまい、蓄熱体14が一部溶融し
た。なお、この条件では、得られる予熱燃焼空気温度が
1370℃程度であった。
【0031】また、温度分布特性Dは炉温度1300℃
であり、Bの燃焼排ガス吸引量と燃焼空気の流量の比率
と比べ、燃焼排ガス吸引量を増加させた場合である。こ
の場合には蓄熱体の温度はBの場合と比較して、特に蓄
熱体14側の温度が上昇しており、燃焼空気入側では約
310℃(なお、空気温度は50℃)、炉内側では約1
260℃である。また、蓄熱体13,14の境界部温度
は約1200℃であり、蓄熱体14の耐熱温度1050
℃を遙に越えて蓄熱体14が溶融した。
【0032】更に、上記A乃至Dの温度分布の結果から
明らかなように、蓄熱体13,14との境界部の温度の
変化が蓄熱体の燃焼排ガスの入り側と出側と比較して、
最も温度変化が大きいことから、上記実施形態に示した
ように、温度計15の設置される位置が蓄熱体13,1
4間に決定されている。
【0033】続いて、蓄熱体温度の制御について詳細に
説明すると、例えば、蓄熱式バーナが適切な条件で運転
されており、蓄熱式バーナの燃焼負荷が大きくなるよう
に運転条件が変更された場合、燃料、燃焼空気の流量が
増加するように操作される。その場合は、図5の温度分
布Aに示すように蓄熱体の温度が低下して、予熱燃焼空
気の温度も低下して加熱炉2の熱交換効率も低下する。
このような場合は、温度計15により蓄熱体の温度低下
を検知して、例えば、図5のBの温度分布に近づくよう
に、制御装置10によって、燃焼排ガス吸引量を増加さ
せる操作を燃焼排ガス遮断弁9に指令することによって
蓄熱体温度を改善する。なお、この時、温度計16の温
度も制御装置10に入力され、蓄熱体の燃焼排ガスの出
側の温度が燃焼排ガス遮断弁9の耐熱温度(Tsv)を越
えないように燃焼排ガス流量の増加に制限を加えるよう
に制御する。なお、燃焼排ガス吸引量を制御する操作
は、排気ブロワ17の吸引量を一定にして、燃焼排ガス
遮断弁9の弁の開度を調整する方法と、燃焼排ガス遮断
弁9の弁の開度を一定にして排気ブロワ17の吸引量を
制御する方法があり、何れでもよい。この何れの場合も
燃焼排ガス吸引手段に含まれる。
【0034】また、蓄熱式バーナが適切な条件で運転さ
れており、バーナ燃焼負荷が小さくなるように運転条件
が変更された場合には、燃料、燃焼空気の流量が減少す
るように制御されるので、図5の温度分布Dに示したよ
うに、蓄熱体の温度が上昇する傾向にある。このような
場合は、例えば、図5の温度分布Bに近づくにように、
制御装置10によって燃焼排ガス吸引量を減少させるよ
うに燃焼排ガス遮断弁9に指令する。燃焼排ガス吸引量
の制御は、先に示したように、燃焼排ガス吸引手段によ
って制御する。また、温度計16の温度計測値も制御装
置10に入力して、燃焼排ガスの出側の蓄熱体温度が過
度に低下して燃焼排ガスが凝縮してドレンが大量に発生
するのを抑制すべく流量減少に制約を加える。
【0035】更に、蓄熱式バーナが適切な条件で運転さ
れており、炉温度が上昇した場合には、図5の温度分布
Cのように蓄熱体の温度が上昇し、蓄熱体の溶融が危惧
される。しかし、温度計15により蓄熱体の温度上昇を
検知し、制御装置10が例えば、図5の温度分布Bに近
づくように、燃焼排ガス吸引手段によって燃焼排ガス吸
引量を減少させる操作を燃焼排ガス遮断弁9に指令する
ことによって、温度分布が改善される。即ち、制御装置
10では、下記の(1),(2)式に基づいて、蓄熱体
13,14間の温度と蓄熱体14の後段の温度を検出し
て、燃焼排ガス吸引手段を制御することにより、蓄熱体
温度分布を図5の温度分布Bとなるように制御する。
【0036】 Ts ≧T15≧(T s−X) …………(1) Tsv≧T16≧T D …………(2) 但し、Ts :蓄熱体16の耐熱温度〔℃〕 Tsv:燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度〔℃〕 T D:燃焼排ガスのドレン発生温度〔℃〕 X :蓄熱体温度の制御範囲(炉内温度が1300℃の
場合、100℃程度である。)
【0037】以上のように、温度計15により蓄熱体1
6の温度を検知し、制御装置10が、例えば、図5の温
度分布Bに近づくように、燃焼排ガス吸引量を増減させ
る操作を燃焼排ガス遮断弁9に指令して温度分布を改善
しようとするものである。しかし、このような制御方法
は、温度計15,16により測定される蓄熱体の温度変
化が穏やかな場合に特に有効であるが、蓄熱体の温度変
化が急峻な場合には、応答特性が悪化する。このような
場合、燃焼排ガスの流量増減に加えて、燃焼排ガス吸引
時間の増減を同時に行うことによって応答特性が改善さ
れる。即ち、燃焼排ガスの吸引時間は燃焼排ガス遮断弁
9の弁の開閉時間を制御することによって制御される。
また、吸引時間は排気ブロワ17と連動して制御され
る。
【0038】次に、本発明の他の実施形態について、図
6を参照して説明する。図6に於いて、図1と同一部分
には同一符号が付与されており、詳細な説明は省略す
る。同図に於いて、蓄熱式バーナ1の流路1bに配管1
2が接続され、配管12は切替弁19に接続されてい
る。更に、切替弁19には他の蓄熱式バーナの配管が接
続され、且つ、排気/送風ブロワ24,25が接続され
ている。同図では、蓄熱式バーナ1から切替弁19を経
て排気/送風ブロワ24から燃焼排ガスが炉外に排気さ
れ、且つ、燃焼空気は排気/送風ブロワ25から切替弁
19を経て他の蓄熱式バーナを介して加熱炉内に送り込
まれている。本実施形態では、切替弁19の切替えと排
気/送風ブロワ24,25の排気/送風量を制御するこ
とによって流量を制御することができる。また、吸引時
間は切替弁19の切替え時間を変えることによって容易
になし得る。
【0039】上記実施形態では、燃焼空気遮断弁8及び
燃焼排ガス遮断弁9が単に開閉用の遮断弁として説明し
ているが、各遮断弁は開度を調整して流量を制御し得る
制御弁を兼ねるものとする。各遮断弁が開度を調整し得
る場合は、ブロワによる流量調節を行うことなく、流量
を制御することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多段の蓄熱体を具備する蓄熱式バーナにおいて、蓄熱体
間と蓄熱体後段にそれぞれ温度計を設けることによっ
て、低耐熱蓄熱体の溶融を防止し得るものであり、これ
らの温度計測に基づいて、燃焼排ガスの吸引流量及び/
又は時間を制御することにより、蓄熱体温度分布が適切
に維持され、耐熱温度の低い材料による低耐熱蓄熱体の
溶融が防止できる利点がある。更に、これらの部分の温
度を計測することによって、ドレンの発生が防止できる
利点がある。
【0041】また、本発明によれば、低耐熱蓄熱体を用
いた蓄熱式バーナであっても、低耐熱蓄熱体の溶融防止
とドレン発生が防止できる利点があるとともに、加熱炉
の燃焼条件及び被加熱物の炉内投入等によって加熱炉温
度が変化しても、予熱燃焼空気の炉温度との偏差を最少
にすることができるので、加熱炉の熱交換効率を維持す
ることができる利点がある。
【0042】また、本発明によれば、燃焼排ガスの顕熱
の蓄積による蓄熱式バーナや燃焼排ガス遮断弁の溶融が
解消できるので、蓄熱式バーナによる加熱炉の運転が安
定したものとなる利点がある。また、蓄熱式バーナの蓄
熱体や燃焼排ガス遮断弁等の溶融による故障がなくな
り、加熱炉の保全費用が低減できる利点がある。
【0043】また、本発明によれば、耐熱温度が比較的
低い低耐熱性蓄熱体を用いることができるので、蓄熱式
バーナを安価なものとし得る利点があるとともに、蓄熱
式バーナの設計の自由度が増し、初期の建設費用を低減
することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄熱式バーナとその制御装置の一実施
形態の概要を示す図である。
【図2】本発明の蓄熱式バーナとその制御装置の一実施
形態を示す図である。
【図3】蓄熱式バーナの制御装置の機能ブロック図であ
る。
【図4】制御プログラムを説明するためのフローチャー
ト図である。
【図5】蓄熱式バーナの温度分布を示す図である。
【図6】本発明の蓄熱式バーナとその制御装置の他の実
施形態を示す図である。
【図7】従来例の蓄熱式バーナの一例を示す図である。
【図8】従来例の蓄熱式バーナの燃焼状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 蓄熱式バーナ 2 加熱炉 3 蓄熱体収容容器 4 バーナタイル 5 空気ノズル 6 燃料ノズル 7 燃料遮断弁 8 燃焼空気遮断弁 9 燃焼排ガス遮断弁 10 制御装置(制御手段) 12 配管 13,14 蓄熱体 15,16 温度計 17 排気ブロワ 19 切替弁 24,25 排気/送風ブロワ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層の蓄熱体を備える蓄熱式バーナに於
    いて、 前記蓄熱体の加熱炉側に設けられた高耐熱蓄熱体と、前
    記高耐熱蓄熱体に連設して設けられる高耐熱蓄熱体より
    耐熱性が低い低耐熱蓄熱体と、前記高耐熱蓄熱体と前記
    低耐熱蓄熱体との中間段に設けられた第1の温度検出手
    段と、前記蓄熱体の燃焼排ガス流出部に設けられた第2
    の温度検出手段とを具備することを特徴とする蓄熱式バ
    ーナ。
  2. 【請求項2】 多層の蓄熱体を備える蓄熱式バーナの燃
    焼方法に於いて、 前記蓄熱式バーナが、前記蓄熱体の加熱炉側に設けられ
    た高耐熱蓄熱体と、前記高耐熱蓄熱体に連設して設けら
    れる高耐熱蓄熱体より低い耐熱性の低耐熱蓄熱体と、前
    記高耐熱蓄熱体と前記低耐熱蓄熱体との中間段に設けら
    れた第1の温度検出手段と、前記蓄熱体の燃焼排ガス流
    出部に設けられた第2の温度検出手段とを具備し、前記
    第1の温度検出手段の出力に基づいて、前記蓄熱体の温
    度が耐熱温度を越えないように燃焼排ガスの吸引流量及
    び/又は吸引時間を制御するとともに、前記第2の温度
    検出手段の出力に基づいて、前記燃焼排ガス遮断弁の耐
    熱温度以下になるように燃焼排ガスの吸引流量及び/又
    は吸引時間を制御することを特徴とする蓄熱式バーナの
    燃焼方法。
  3. 【請求項3】 多層の蓄熱体を備える蓄熱式バーナの燃
    焼装置に於いて、 前記蓄熱式バーナがバーナタイルから加熱炉内側に開口
    した空気ノズルと燃料ノズルとを備え、前記蓄熱体間に
    温度を検出する第1の温度検知手段と、前記蓄熱体の燃
    焼排ガス流出部に温度を検出する第2の温度検知手段と
    を具備し、前記蓄熱式バーナに前記燃料ノズルに燃料を
    炉内に供給する燃料遮断弁、前記空気ノズルに燃焼空気
    を炉内に供給する燃焼空気遮断弁、加熱炉内の燃焼排ガ
    スを炉外に排出する燃焼排ガス遮断弁を具備し、且つ、
    前記第1と前記第2の温度検知手段の検出信号に基づい
    て前記蓄熱体と前記燃焼空気遮断弁の耐熱温度以下に調
    節する制御信号によって、前記蓄熱体を通過する燃焼排
    ガスの吸引流量及び/又は吸引時間を調節する制御手段
    とを具備することを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、前記第1の温度検知手
    段から入力される温度計測値から所定時間内の平均温度
    を算出する第1の時間平均温度算出手段と、 前記第2の温度検知手段から入力される温度計測値から
    所定時間内の平均温度を算出する第2の時間平均温度算
    出手段と、 前記第1の時間平均温度算出手段によって算出された時
    間平均温度が前記蓄熱体の耐熱温度が管理限界値内であ
    るか否かを判断する第1の温度比較手段と、 前記第2の時間平均温度算出手段によって算出された時
    間平均温度が前記燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度以下であ
    ってドレン発生温度以上であるか否かを判断する第2の
    温度比較手段と、 前記第1と第2の温度比較手段に基づく制御信号によっ
    て前記蓄熱体を通過する燃焼排ガスの吸引流量及び/又
    は吸引時間を設定する燃焼排ガス吸引手段と、 交番燃焼プログラムに基づいて、蓄熱式バーナが燃焼動
    作と燃焼排ガス排出動作を交互に行う切替信号発生手段
    とを具備することを特徴とする請求項3に記載の蓄熱式
    バーナの燃焼装置。
  5. 【請求項5】 多層の蓄熱体を備える蓄熱式バーナの燃
    焼方法に於いて、 前記蓄熱式バーナが加熱炉の炉壁に設けらるバーナタイ
    ルに炉内側に開口した空気ノズルと燃料ノズルとを備
    え、前記蓄熱体の内部温度を検出する第1の温度検出手
    段と、前記蓄熱体の燃焼排ガス排出段の温度を検出する
    第2の温度検出手段とを備え、且つ、前記燃料ノズルに
    燃料を供給する燃料遮断弁、前記空気ノズルに燃焼空気
    を供給する燃焼空気遮断弁、炉内の燃焼排ガスを排出す
    る燃焼排ガス遮断弁、及び燃焼排ガス吸引手段を具備
    し、前記第1の温度検出手段の位置の時間平均温度(T
    15)が(1)式を満たし、且つ、第2の温度検出手段の
    位置の時間平均温度(T16)が(2)式を満たすよう
    に、前記燃焼排ガス吸引手段によって前記蓄熱体を介し
    て排出される燃焼排ガスの吸引流量及び/又は吸引時間
    を調節して、前記蓄熱体の温度が耐熱温度を越えないよ
    うにするとともに、前記蓄熱体から排出される燃焼排ガ
    ス温度を前記燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度以下に制御す
    ることを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼方法。 TS ≧T15≧(TS −X) ………………(1) TSV≧T16≧TD ………………(2) 但し、TS :蓄熱体の耐熱温度 TSV:燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度 TD :燃焼排ガスのドレン発生温度 X :蓄熱体温度の制御範囲
  6. 【請求項6】 積層した蓄熱体を備える蓄熱式バーナの
    燃焼方法に於いて、 前記蓄熱式バーナが加熱炉の炉壁に設けられたバーナタ
    イル内で炉内側に開口した空気ノズル、燃料ノズル、及
    び前記蓄熱体間に設置した第1の温度検出手段、前記蓄
    熱体の燃焼排ガス排出部の温度を計測する第2の温度検
    出手段を備え、且つ、前記燃料ノズルに燃料を供給する
    燃料遮断弁、前記空気ノズルに燃焼空気を供給する燃焼
    空気遮断弁、燃焼排ガスを排出する燃焼排ガス遮断弁、
    及び前記第1と第2の温度検出手段の検出信号によって
    前記燃焼空気遮断弁と前記燃焼排ガス遮断弁の動作信号
    を出力とする制御装置とを具備し、 前記制御装置によって、前記燃料遮断弁及び前記燃焼空
    気遮断弁を閉じて、前記燃焼排ガス遮断弁を開けて、炉
    内の燃焼排ガスの顕熱を前記蓄熱体に蓄えて通過する際
    に、前記第1の温度検出手段で測定される温度が予め設
    定した温度以上で且つ前記燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度
    を越えないように、燃焼排ガス吸引手段を制御して燃焼
    排ガスの吸引流量及び/又は吸引時間を調節することを
    特徴とする蓄熱式バーナの燃焼方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の蓄熱式バーナの燃焼方
    法に於いて、 前記第1の温度検出手段の位置の時間平均温度(T15
    が(1)式を満たし、且つ、前記第2の温度検出手段の
    位置の時間平均温度(T16)が(2)式を満たすよう
    に、前記燃焼排ガス吸引手段によって、前記蓄熱体を介
    して排出される燃焼排ガスの吸引流量及び/又は吸引時
    間を調節することを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼方
    法。 TS ≧T15≧(TS −X) ………………(1) TSV≧T16≧TD ………………(2) 但し、TS :蓄熱体の耐熱温度 TSV:燃焼排ガス遮断弁の耐熱温度 TD :燃焼排ガスのドレン発生温度 X :蓄熱体温度の制御範囲
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