JPH09158082A - 吸水性シート - Google Patents

吸水性シート

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JPH09158082A
JPH09158082A JP31545095A JP31545095A JPH09158082A JP H09158082 A JPH09158082 A JP H09158082A JP 31545095 A JP31545095 A JP 31545095A JP 31545095 A JP31545095 A JP 31545095A JP H09158082 A JPH09158082 A JP H09158082A
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JP
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fiber
water
fibers
binder
absorbent sheet
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JP31545095A
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Inventor
Yasuyuki Oku
恭行 奥
Takahiko Haraguchi
孝彦 原口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水性、曲げ強さなどの力学的特性、寸法安
定性に優れ、かつ加工性の良好な吸水性シートを提供す
る。 【解決手段】 表面に1つ以上の連続あるいは不連続の
溝を有する親水性異形断面繊維、バインダー繊維を含有
し、密度が0.25〜0.4g/m3、全固形分に対する
該バインダー繊維の含有量が15〜25重量%、該バイ
ンダー繊維の繊度が3デニール以上である吸水性シー
ト。表面に1つ以上の連続あるいは不連続の溝を有する
親水性異形断面繊維、バインダー繊維および高弾性繊維
を含有し、密度が0.25〜0.4g/m3、全固形分に
対する該バインダー繊維の含有量が15〜25重量%、
該バインダー繊維の繊度が3デニール以上である吸水性
シート。好ましくは異形断面繊維がポリビニルアルコー
ル系繊維である吸水性シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸水性シートに関する。
さらに詳しくは、吸水性、力学的特性、加工性、および
寸法安定性に優れ、加湿器用吸水材、結露吸水材、水蒸
散板、調湿板などに活用し得る吸水性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、加湿器用吸水材、結露吸水材、調
湿板、濾過材などの分野において、多孔性シート(本発
明では吸水性シート)が広く利用されるようになってい
る。多孔性シートとしては、従来、ポリオレフィンなど
の熱可塑性樹脂の微粒体をシート状に焼結成形したもの
や、該樹脂の有孔フィルムと多孔性基材とを接合したも
のなどが使用されている。しかしながら、上記の熱可塑
性樹脂は一般に疎水性であるため、これらの多孔性シー
トは吸水性に劣るものとなり、吸水材としては有効に機
能しないという問題点があった。
【0003】従来の多孔性シートのかかる問題点を解決
し、吸水性に優れ、かつ曲げ強さなどの力学的特性の良
好な多孔性シートが、特開平1−283129号公報に
開示されている。該公報の多孔性シートは、強化繊維か
らなるシート、例えば、ポリエステル繊維の不織布など
に熱硬化性フェノール樹脂の微粒子の水分散液を含浸
し、乾燥させた後、加圧加熱処理して上記フェノール樹
脂を硬化させてシートを形成し、ついでシリカ系の微粒
子の水分散液を含浸し、乾燥させて得られるものであ
る。
【0004】また、特開平3−81349号公報には難
燃性を、特開平3−86529号公報には表面平滑性を
付与した吸水性および力学的特性の双方に優れる多孔性
シートが開示されているが、その基本的な構成は上記公
報と類似したものである。
【0005】しかしながら、上記の方法によって得られ
る多孔性シートには、2次加工の際にフェノール樹脂の
微粒子が脱落するなどの問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決するものであり、吸水性、曲げ強さなどの力
学的特性、寸法安定性に優れ、かつ2次加工性の良好な
吸水性シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、親水性異形断面
繊維を、特定繊度のバインダー繊維により、一定の密度
条件で固定することで優れた吸水性シートが得られるこ
とを見い出した。本発明はこれらの知見をもとに達成さ
れたものである。
【0008】即ち、本発明は、表面に1つ以上の連続あ
るいは不連続の溝を有する親水性異形断面繊維、バイン
ダー繊維を含有し、密度が0.25〜0.4g/m3、全
固形分に対する該バインダー繊維の含有量が15〜25
重量%、バインダー繊維の繊度が3デニール以上である
吸水性シートである。
【0009】また、表面に1つ以上の連続あるいは不連
続の溝を有する親水性異形断面繊維、バインダー繊維お
よび高弾性繊維を含有し、密度が0.25〜0.4g/
3、全固形分に対する該バインダー繊維の含有量が1
5〜25重量%、バインダー繊維の繊度が3デニール以
上である吸水性シートである。
【0010】さらに好ましくは、親水性異形断面繊維が
ポリビニルアルコール系繊維である吸水性シートであ
る。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。ま
ず、本発明で使用する繊維の役割につき説明を行う。親
水性異形断面繊維(以下、異形断面繊維と略す。)は、
表面に形成された溝が通水経路となり水を運ぶ。バイン
ダー繊維は構成する繊維を接着により結合させ、吸水性
シートに強度を付与する。また、吸水性シートが吸水し
たとき、該シートが膨潤し、厚みが変化するのを抑制す
る。
【0012】さらに、本発明で使用する材料について、
詳細、かつ具体的に説明する。本発明で用いる異形断面
繊維とは、親水性で、表面に少なくとも1つ以上の連続
あるいは不連続の溝を有するものである。溝の形状に特
に制限はなく、断面形状がT型、Y型、U型、星型など
のものであれば、凹部が溝の役割をはたし得るし、単に
ストリーク状の溝を有するものであってもよい。
【0013】一般に、不織布シートの吸水性は、それを
構成する繊維自体の性質はもちろんのこと、繊維の形状
や繊維の集合状態に強く依存する。とりわけ、後二者が
不織布シートの吸水性に及ぼす影響は多大である。
【0014】真円や楕円形の断面形状を有する繊維は、
その表面に溝状の通水経路を持たないばかりでなく、該
繊維のみで構成された不織布シートでは、繊維の充填率
が高くなり、シートが緻密になるため、該シート内にお
ける繊維間の通水経路の形成が不十分なものとなり、優
れた吸水性を有する不織布シートを得ることは困難であ
る。
【0015】しかしながら、繊維表面に存在する連続あ
るいは不連続の溝が通水経路として機能する。さらに
は、該繊維の特殊な断面形状のために、繊維同士が該シ
ート内で接触あるいは近接した際にも、異型断面を持た
ない繊維同士に比べ、接する面積が少ないため、繊維間
で空隙が残り、該シート内に多数の細孔が形成され、繊
維間の通水経路が確保される。これら経路を毛細管現象
により、後述する繊維と組み合わせることで、本発明の
吸水性シートは優れた吸水性が発現すると考えられる。
【0016】しかしながら、あまりに偏平な繊維を用い
た場合、加圧工程で、吸水性シートが緻密になるため、
繊維断面において、長軸径(L)と短軸径(S)の偏平
比(L/S)が3以下であることが好ましい。
【0017】異形断面繊維の種類としては、親水性を有
するものであれば特に限定されるものではなく、ポリビ
ニルアルコール系繊維、再生繊維、アセテート繊維、ポ
リアミド系繊維、エチレンビニルアルコール系繊維な
ど、あるいはコロナ放電処理やプラズマ処理などによる
表面改質、アクリル酸などの親水性化合物のグラフト重
合、多孔質化などによって親水性を付与された繊維など
を単独あるいは複数混合して使用することができる。通
水経路を構成する異形断面繊維自体が親水性を有し、吸
水性シートに優れた吸水性を付与することが、本発明の
特徴の一つである。
【0018】本発明の吸水性シートは、吸水板や水蒸散
板などの水周りの用途に使用されるので、上記の繊維の
中でも、菌類やカビ類に対して完全な抵抗性を有してい
るものが好ましい。抵抗性が低い繊維では、長期に渡り
使用した場合、菌やかびに繊維が侵され、シートの吸水
性能が低下する。また、菌やかびの生育に伴い、臭いが
発生する点からも好ましくない。
【0019】かびに対して完全に抵抗性のある繊維のう
ち、本発明で使用できる繊維としては、ポリビニルアル
コール、ナイロン、アクリルなどの繊維が、好ましく、
レーヨン繊維は、親水性は大きいが、菌やかびに対して
抵抗性が低いため好ましくなく、ポリオレフィン系繊維
などの疎水性が強いものは、吸水性シートの吸水性が低
下するため好ましくない。
【0020】これらの繊維の中で、ポリビニルアルコー
ル系繊維は、ヤング率が大きく、吸水性シートに良好な
力学的特性、例えば、曲げ強さなどを付与できる点で特
に好ましい繊維である。また、シートが形成される工程
で、緻密に異形断面繊維として、この様な高ヤング率の
繊維を使用すれば、吸水性シートの力学的特性を向上さ
せることができる。
【0021】異形断面繊維の繊度は、0.1〜15デニ
ール(以下、dと略す。)が好ましい。0.1d未満で
は、吸水性シートが緻密になり、吸水性シート内におけ
る繊維間の通水経路が減少するので好ましくない。ま
た、15dを超えて大きいと、空隙は確保されるが、繊
維間隔が広くなり、複数の繊維による細孔形成が抑制さ
れ、毛細管現象により水が進行することが阻害されるた
め吸水が低下し、好ましくない。
【0022】本発明において、異形断面繊維は、吸水性
シート重量の50%以上が好ましく、さらに好ましくは
60重量%以上である。50%未満では、バインダー繊
維の配合量が多くなり、吸水性シート自体の濡れ性が低
下し、吸水性が劣るため好ましくない。
【0023】次に、バインダー繊維について説明する。
本発明で用いられるバインダー繊維としては、熱溶融性
繊維あるいは熱水溶解性繊維が例示される。熱溶融性繊
維は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなど
の合成樹脂から選ばれた繊維状のもので、合成樹脂の融
点以上の温度で処理することによって合成樹脂が溶融
し、接着し、強度を発現するものである。熱水溶解性繊
維は、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコー
ルなどの合成樹脂から選ばれた繊維状のもので、加熱に
より含水状態のウェブを乾燥させる工程で水温の上昇に
よって溶解し、ウェブが乾燥することで接する繊維と接
着し、強度を発現するものである。
【0024】バインダー繊維の繊度は、3デニール以上
が好ましく、さらに好ましくは、3〜15デニールであ
る。3デニール未満の場合、吸水性シートが緻密になる
だけでなく、シート内に占めるバインダー繊維の表面積
が大きくなり、吸水性が低下するため好ましくない。
【0025】15dを超えて大きいと、吸水性シート内
のバインダー繊維の本数が少なくなり、接着力が低下を
補うべくバインダー繊維の配合量を増やさねばならず、
吸水性に寄与する繊維の含有量が低下するため好ましく
ない。
【0026】バインダー繊維の配合量は、吸水性シート
重量の15〜25%が好ましい。15%未満では、接着
力が不足し、他の構成繊維を固定することが困難で、吸
水性シートの力学的特性の低下、毛羽立ちの発生、寸法
安定性の低下を招く。25%を超えると、接着力は大き
いが、バインダー繊維の表面積が大きくなること、バイ
ンダー繊維表面の溶融可塑化によって吸水性シートの吸
水性が低下してしまう。また、バインダー繊維が、他の
吸水性に寄与する繊維の表面を覆う面積が大きくなり、
吸水性が低下してしまう。
【0027】本発明の吸水性シートの密度は0.25〜
0.4g/cm3の範囲が好ましい。0.25g/cm3
満の場合、吸水性は大きいが、吸水性シートの曲げ強度
が小さくなり、打ち抜き加工時にしわが入ったり、うま
く打ち抜けないことがあり好ましくない。0.4g/c
3を超えると、吸水性シートが緻密になり、通水経路
が閉塞され吸水性が低下するため好ましくない。
【0028】また、本発明においては、高弾性繊維を含
有させることがさらに好ましい。高弾性繊維は、剛性が
大きく、単に吸水性シートに曲げ強さを付与できるだけ
でなく、圧縮に対する反発も強いので、吸水性シート製
造時の加熱加圧に対して、バインダー繊維が過剰に融着
することで、吸水性シートが高密度化し、通水経路を閉
塞するのを防ぎ、吸水性が低下するのを防ぐことができ
る。
【0029】このような、高弾性繊維としては、親水性
を有するものが特に好ましい。親水性の高弾性繊維とは
繊維自体に親水性を有するもの、高弾性繊維に親水化処
理したものが挙げられる。具体的には、ガラス、炭素繊
維などの無機繊維、銅繊維、ステンレス繊維などの金属
繊維、フェノール繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリイ
ミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、芳香族ポ
リエステル繊維などのエンプラ繊維などである。高弾性
繊維の繊維長、繊度は、本発明で用いる異形断面繊維、
バインダー繊維と同じ範囲のものを使用することができ
る。
【0030】次に、本発明の吸水性シートの製造方法に
ついて説明する。
【0031】まず、異形断面繊維およびバインダー繊維
を均一に混合しウェブ化する。ウェブ化する方法には特
に制限はなく、湿式抄造法、乾式法などの方法によりウ
ェブ化することができる。
【0032】この様にして形成されたウェブを単層ある
いは複数層積層し、熱プレス、熱カレンダーなどを用
い、加熱加圧処理を行い、バインダー繊維を溶融させ、
接する繊維と融着させ、所望の厚みに調製することで、
本発明の吸水性シートを得ることができる。
【作用】本発明は、異形断面繊維を、特定の割合で、特
定繊度のバインダー繊維を用いた、一定の密度を有する
の吸水性シートである。さらに、高弾性繊維を含有する
吸水性シートである。本発明の吸水性シートは、吸水
性、力学的特性、寸法安定性および加工性などに優れ、
加湿器用吸水材、結露吸水材、調湿板、濾過材、水蒸散
板などの広範な分野で活用することができる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例中の「部」および「%」は、各々「重量部」およ
び「重量%」であることを意味する。なお、実施例およ
び比較例における、目付け、厚み、吸水時間、曲げ強
さ、加工性、脱落性、寸法安定性は、以下の方法で測定
した。なお、実施例、比較例にて製造した試料は、20
℃、相対湿度65%の条件にて24時間放置した後、測
定に用いた。
【0034】<目付け>20×20cm角にトリミング
し、5サンプルを計量した平均値より、1m2当たりの
重量を求めた。単位は、g/m2である。
【0035】<厚み>20×20cm角にトリミング
し、1サンプル当たり4点、5サンプルをマイクロメー
ターを用い測定した平均値を厚みとした。単位は、mm
である。
【0036】<吸水時間>吸水性シートを縦方向および
横方向について、幅20mm、長さ150mmに裁断し
た後、試験片の一端30mmを20℃の純水に浸漬し、
水が試験片中を水面より40mm上昇するのに要する時
間を吸水時間(秒)とし、吸水性の指標とした。単位
は、秒である。なお、吸水時間が25秒以内であれば、
吸水性は良好とした。
【0037】<曲げ強さ>曲げ強さは、JIS K−7
203に従い、吸水性シートを、幅25mm、長さ12
5mmに裁断し、加圧くさびおよび支持台(オリエンテ
ック社製)を用いて、テンシロン測定機(オリエンテッ
ク社製、HTM−100)で測定した。単位は、kg/
cm2である。なお、曲げ強さが50kg/cm2以上で
あれば、力学的特性は良好であるとした。
【0038】<加工性>JIS K−6301の2号型
ダンベル形状の試料の打ち抜き加工を行った。加工性と
して打ち抜きが良好なものを○、打ち抜き時に試料に皺
が入ったり変形するもの、うまく打ち抜けないものを×
とした。
【0039】<脱落性>吸水性シートを10×10cm
にトリミングした後、トリミング面を下にして、該シー
トを軽く叩いたとき、粉体、繊維が脱落するか否かを目
視により調べた。脱落性として、脱落がないものを○、
少し脱落があるものを△、脱落が多いものを×とした。
○のみを良好であるとした。
【0040】<寸法変化>吸水性シートを20℃の純水
に十分に浸漬し、浸漬前後の該シートの厚みを測定し
た。単位は、%である。なお、浸漬前後の厚みの変化率
の絶対値が10%以内であれば、寸法安定性は良好であ
るとした。
【0041】実施例1〜3、比較例1〜2 親水性異形断面繊維として、繊度2d、繊維長6mmの
Y型断面を有するビニニロン繊維(クラレ社製、VPY
202)、バインダー繊維として、鞘部の融点が110
℃の繊度4d、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステルバイ
ンダー繊維(ユニチカ社製、メルティー4080)を表
1の水準で、水中に順次添加混合し、0.3%濃度の水
性スラリーを調製した。ついで、該水性スラリーを用い
て乾燥重量で約100g/m2のウェブを抄造し、該ウェ
ブを7枚積層し、積層ウェブとした。さらに、熱プレス
装置にて、該積層ウェブを用いて、厚み2mmのスペー
サーを挿入した後、140℃、面圧15kg/cm2で1
5分間加圧加熱処理して、吸水性シートとした。
【0042】実施例4〜5、比較例3〜4 厚み3mm(比較例3)、厚み2.7mm(実施例
4)、厚み1.8mm(実施例5)、厚み1.7mm
(比較例4)のスペーサーを用いる以外は、実施例2と
同じ方法で行った。
【0043】実施例6〜8 親水性異形断面繊維として、繊度2d、繊維長6mmの
Y型断面を有するビニロン繊維(クラレ社製、VPY2
02)、バインダー繊維として、鞘部の融点が110℃
の繊度4d、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステルバイン
ダー繊維(ユニチカ社製、メルティー4080)、さら
に高弾性繊維として繊維径9μm、繊維長6mmのガラ
ス繊維(旭ファイバーガラス社製、グラスロン)を水中
に表1の水準で、順次添加混合し、0.3%濃度の水性
スラリーを調製した。ついで、該水性スラリーを用いて
乾燥重量で約100g/m2のウェブを抄造し、該ウェブ
を7枚積層し、積層ウェブとした。さらに、熱プレス装
置にて、該積層ウェブを用いて、厚み2mmのスペーサ
ーを挿入した後、140℃、面圧20kg/cm2で15
分間加圧加熱処理して、本発明の吸水性シートを得た。
【0044】
【表1】
【0045】実施例9 親水性異形断面繊維として、繊度2d、繊維長51mm
のY型断面を有するビニロン繊維(クラレ社製、VPY
202)80重量%、バインダー繊維として、鞘部の融
点が110℃の繊度4d、繊維長51mmの芯鞘型ポリ
エステルバインダー繊維(ユニチカ社製、メルティー4
080)20重量%を混綿、開繊した後、カードにてウ
ェブ化した。ついで、クロスラッパーにて積層後、ニー
ドルパンチにて厚みを抑えた、乾燥重量で約700g/
2の積層ウェブとした。さらに、熱プレス装置にて、
該積層ウェブを用いて、厚み2mmのスペーサーを挿入
した後、140℃、140℃、面圧20kg/cm2で1
0分間加圧加熱処理して、本発明の吸水シートを得た。
【0046】比較例5 バインダー繊維として、鞘部の融点が110℃の繊度2
d、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステルバインダー繊維
(ユニチカ社製、メルティー4080)を用いる以外は
実施例2と同様の方法で行った。
【0047】実施例10 バインダー繊維として、鞘部の融点が110℃の繊度3
d、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステルバインダー繊維
(帝人社製、テピルス)を用いる以外は実施例2と同様
の方法で行った。
【0048】比較例6 異形断面繊維の代わりに、繊度2d、繊維長6mmのレ
ギュラー形状のビニロン繊維用いる以外は、実施例2と
同様の方法にて吸水性シートを得た。
【0049】比較例7 異型断面繊維として、繊度2d、繊維長5mmの非親水
性のT型断面ポリエステル繊維を用いる以外は、実施例
2と同様の方法にて吸水性シートを得た。
【0050】比較例8 繊度2d、繊維長51mmで鞘部の融点が130℃の芯
鞘型ポリエステル熱融着繊維50重量%、繊度4d、繊
維長51mmで鞘部の融点が130℃の芯鞘型ポリエス
テル繊維50重量%をカーディングマシンにてウェブ化
し、ウェブAを得た。一方、平均粒子径100μmのフ
ェノール樹脂(ユニチカ社製、UA−100)を水中に
て濃度5%で分散させ、これを分散液Aとした。さら
に、粒径0.1μmの微粉末無水珪酸を水中にて、濃度
10%で分散させた。これを分散液Bとした。
【0051】ウェブAに分散液Aを含浸し、フェノール
樹脂の付着量が全ウェブ重量に対し、35%となるよう
マングルにて分散液Aを絞った後、100℃で20分乾
燥し、未硬化のフェノール樹脂が付着した目付け920
g/m2のウェブBを得た。ウェブBを熱プレス装置を用
いて、160℃、面圧1.0kg/cm2で、5分間加圧
加熱処理した。さらに、分散液Bを含浸し、100℃で
20分乾燥し、微粉末無水珪酸が添着した吸水性シート
を得た。この時、微粉末無水珪酸の添着量は吸水性シー
ト重量に対し1.5%であった。
【0052】比較例9 平均粒子径の100μmフェノール樹脂(ユニチカ社
製、UA−100)100部、平均繊度4d、平均繊維
長5mmのポリエステル繊維をカーディングマシンで混
合し、ウェブ化し、150℃に設定されたカレンダーロ
ールを通し、厚さ10mm、目付け800g/m2のマッ
トを得た。該マットを熱プレス装置を用いて、160
℃、面圧1.0kg/cm2で、5分間加圧加熱処理し
て、フェノール樹脂を硬化させた。さらに、比較例8で
用いた分散液Bを含浸した後、100℃で20分乾燥
し、微粉末無水珪酸が添着した吸水性シートを得た。こ
の時、微粉末無水珪酸の添着量は吸水性シート重量に対
し1.5%であった。
【0053】以上、実施例1〜10、比較例1〜9の吸
水性シートについて、各種物性および性能評価を行なっ
た結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】実施例より、本発明の吸水性シートは、吸
水性、力学特性、寸法安定性、加工性に優れた特性を示
し、粉体の脱落もなく取り扱い性に優れていることが判
明した。
【0056】ただし、バインダー繊維の配合量が多い
と、曲げ強度などの性能は良好であるが、吸水速度が劣
ることが判る。バインダー繊維による接着部分が多く、
他の繊維表面を覆ったことが、原因と考えられる。逆に
バインダー繊維の配合量が少ないと、吸水速度は良好で
あるが、接着部分が少なく、接着力が弱いため、曲げ強
度、加工性、寸法安定性が劣り、繊維の脱落も見られ
る。
【0057】一方、低密度のものは、吸水速度は良好で
あるが、曲げ強度、加工性、寸法安定性が劣り、繊維の
脱落も見られる。繊維同士の交点が少なく、即ち、バイ
ンダー繊維による接着が少ないことが原因と考えられ
る。逆に、高密度のものは、接着部分が多くなり、他の
繊維表面を覆うことが原因で、曲げ強度などの性能は良
好であるが、吸水速度が劣ることが判る。
【0058】また、繊度が3デニールより小さいバイン
ダー繊維を用いたものは、吸水性が低下する。バインダ
ー繊維本数が多くなり、接着部分が多くなり、他の繊維
表面を覆うこと、比表面積が大きくなったことで、親水
性の繊維の表面積の割合が相対的に小さくなったことが
原因と考えられる。
【0059】さらには、異形断面形状の繊維を使用しな
いもの、親水性の繊維を使用しないものは、いずれも吸
水性が劣ったものとなった。
【0060】最後に、バインダー繊維と親水性微粉末を
用いたものは、粉末の脱落が多く、取扱いの点で問題点
がある。即ち、フェノール樹脂の微粒子を用いたもの
は、吸水性、曲げ強度、寸法安定性は良好であったが、
トリミング後にフェノール樹脂の脱落が見られた。
【0061】
【発明の効果】以上の結果から、本発明の吸水性シート
は、曲げ強さなどの力学的特性や寸法安定性、加工性に
優れるものであることが明かとなった。親水性異形断面
繊維によって、吸水性シート内に多数の細孔が形成さ
れ、少量かつ特定の繊維径のバインダー繊維を用い、特
定の密度に制御することで、該吸水性シート内に多くの
通水経路を確保できる上、極めて良好な吸水性を有する
吸水性シートを得ることができる。さらに、高弾性繊維
により通水経路の閉塞が抑制できる。また、熱可塑性樹
脂の微粒体を使用している従来の多孔性シートとは異な
り、2次加工時の樹脂の脱落などの問題は皆無である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に1つ以上の連続あるいは不連続の
    溝を有する親水性異形断面繊維、バインダー繊維を含有
    し、密度が0.25〜0.4g/m3、全固形分に対する
    該バインダー繊維の含有量が15〜25重量%、該バイ
    ンダー繊維の繊度が3デニール以上である吸水性シー
    ト。
  2. 【請求項2】 表面に1つ以上の連続あるいは不連続の
    溝を有する親水性異形断面繊維、バインダー繊維および
    高弾性繊維を含有し、密度が0.25〜0.4g/m3
    全固形分に対する該バインダー繊維の含有量が15〜2
    5重量%、該バインダー繊維の繊度が3デニール以上で
    ある吸水性シート。
  3. 【請求項3】 親水性異形断面繊維がポリビニルアルコ
    ール系繊維である請求項1または2記載の吸水性シー
    ト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013209777A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Teijin Ltd 湿式不織布および繊維製品
JP2016019673A (ja) * 2014-07-15 2016-02-04 株式会社リブドゥコーポレーション 吸水層の製造方法、吸水層およびこれを備えた吸収性物品
CN114009858A (zh) * 2021-12-03 2022-02-08 厦门悠派无纺布制品有限公司 一种具有高透气性能的一次性棉内裤及其制备方法

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