JPH09157862A - クロメート処理亜鉛系メッキ鋼板およびその製造方法 - Google Patents

クロメート処理亜鉛系メッキ鋼板およびその製造方法

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JPH09157862A
JPH09157862A JP31903095A JP31903095A JPH09157862A JP H09157862 A JPH09157862 A JP H09157862A JP 31903095 A JP31903095 A JP 31903095A JP 31903095 A JP31903095 A JP 31903095A JP H09157862 A JPH09157862 A JP H09157862A
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zinc
chromate
steel sheet
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JP31903095A
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Takeshi Suzuki
威 鈴木
Takayuki Urakawa
隆之 浦川
Masaaki Yamashita
正明 山下
Kotaro Okamoto
幸太郎 岡本
Yoshiharu Sugimoto
芳春 杉本
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜鉛系メッキ鋼板に、優れた耐食性、耐指紋
性、塗装性および外観性を付与する。 【解決手段】 亜鉛系メッキ層の上にクロメート被膜が
形成されているクロメート処理亜鉛系メッキ鋼板におい
て、クロメート被膜は、CrおよびAlの酸化物または水酸
化物と、コロイダルシリカと、リン酸基とを主成分とし
ており、前記Crの酸化物または水酸化物の付着量は、Cr
換算で3〜100 mg/m2 の範囲内であり、Alの酸化物また
は水酸化物の付着量は、金属換算の重量比Al/Cr で0.2
〜10の範囲内であり、コロイダルシリカの付着量は、金
属換算の重量比Si/Cr で0.2 〜10の範囲内であり、そし
て、リン酸基の付着量は、P およびAlのモル比P/Alで1
〜2の範囲内である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、耐食性、耐指紋
性、塗装性および白色外観性に優れた、クロメート処理
亜鉛メッキ鋼板またはクロメート処理亜鉛合金メッキ鋼
板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】その少なくとも1つの表面上に、亜鉛メ
ッキ層または亜鉛合金メッキ層(以下、「亜鉛系メッキ
層」という)が形成された亜鉛メッキ鋼板または亜鉛合
金メッキ鋼板(以下、「亜鉛系メッキ鋼板」という)に
対し、その耐食性および耐指紋性の向上を図るためにク
ロメート処理を施し、亜鉛系メッキ被膜の上にクロメー
ト被膜を形成することが行われている。
【0003】クロメ−ト処理方法には、亜鉛系メッキ鋼
板に対し、クロメート処理液をスプレ−し、または、ク
ロメート処理液中に亜鉛系メッキ鋼板を浸漬することに
よって、亜鉛系メッキ層とクロメ−ト処理液とを反応さ
せ、亜鉛系メッキ層の表面上にクロメ−ト被膜を形成す
ることからなる反応型クロメ−ト処理、亜鉛系メッキ被
膜の表面上にクロメ−ト処理液を塗布し、水洗すること
なく乾燥することからなる塗布型クロメ−ト処理、およ
び、亜鉛系メッキ層の表面上に電解によってクロメ−ト
被膜を形成することからなる電解クロメ−ト処理があ
る。
【0004】反応型クロメート処理および塗布型クロメ
−ト処理には、鋼板の幅方向に付着ムラが生じて外観が
劣化し、また、ライン速度等の操業条件の変化によっ
て、クロメート被膜の付着量のコントロールが困難にな
る問題がある。
【0005】一方、電解クロメート処理は、Cr6+を主成
分とし、これにSO4 2- ,F- 等の陰イオンが添加された
水溶液中において、亜鉛系メッキ鋼板を陰極として陰極
電解処理を施すことにより、亜鉛系メッキ層の表面上に
クロメ−ト被膜を形成することからなっている。従っ
て、電解クロメート処理によれば、クロメート被膜の付
着量が、亜鉛系メッキ鋼板の種類によって左右されるこ
とはなく、陰極電解処理時の電流密度および電気量によ
って、クロメート被膜の付着量を容易に且つ安定して制
御することができ、付着むらの生ずることが少ない等の
利点がある。
【0006】近年、このような電解クロメート処理が施
された亜鉛系メッキ鋼板の耐食性に関する要求が一段と
高まっており、従来のクロメート処理によって形成され
たクロメート被膜では、このような耐食性の要求を満足
させることができない。また、メッキ鋼板の表面に付着
する指紋が、最終製品の商品価値を大きく左右すること
から、亜鉛系メッキ鋼板に対する耐指紋性の要求が強く
なってきた。
【0007】クロメート処理亜鉛系メッキ鋼板の耐食性
を向上させる手段として、例えば、特公昭61-54880号公
報には、亜鉛系メッキ鋼板に対し、カチオン系コロイダ
ルシリカを含有する溶液中において、30クーロン/dm2
上の電気量で陰極電解を施し、亜鉛系メッキ層の表面上
にCrおよびSiを含有するクロメート被膜を形成する方法
(以下、先行技術1という)が開示されている。
【0008】また、特公平4−30475 号公報には、亜鉛
系メッキ層の上に金属Cr被膜が形成され、前記金属Cr被
膜の上にCr3+を主体とする酸化被膜が形成され、そし
て、前記酸化被膜の上にシリカとアルミナおよびCr3+
主体とする適量のCr6+を含む酸化物および水和酸化物被
膜からなるクロメート被膜が形成された亜鉛系メッキ鋼
板(以下、先行技術2という)が開示されている。
【0009】更に、特公平2−14436 号公報には、Cr6+
を主成分とし、PO4 3- および弗素化合物の1種又は2種
と、シリカおよびケイ酸塩の1種又は2種とを含有し、
さらに、Zn,Ni, Co, Al, Mg, Sn, Mn, Pbイオンの少な
くとも1種を含有するクロメート処理液を使用し、亜鉛
系メッキ鋼板に対し陰極電解処理を施して、亜鉛系メッ
キ層の上にクロメート被膜を形成し、次いで、直ちに陽
極電解処理を施す方法(以下、先行技術3という)が開
示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術に
は、次の様な問題がある。即ち、先行技術1によれば、
シリカが含有されていることにより、ある程度の耐食性
向上効果は認められるが、塗装性に関しては満足すべき
向上は認められない。
【0011】先行技術2によれば、シリカゾルおよびア
ルミナゾルが含有されていることにより、耐食性の向上
は認められるが、耐食性を高めるためには、Crの付着量
を多くする必要があるため、処理ムラが発生しやすく、
また、クロメート被膜もその白色度が低下する等、表面
外観が劣っている。
【0012】先行技術3によれば、陰極電解のみによっ
て生成するクロメート被膜よりも、被膜付着量が著しく
多いために、耐食性は良好であるが、付着ムラにより外
観が不均一になる上、塗装性については全く改善されな
い。更に、陰極電解処理に加え陽極電解処理を施すの
で、そのための設備が必要になり、不経済である。
【0013】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、耐食性、耐指紋性、塗装性および外観性に優
れた、安定したクロメート被膜を有するクロメート処理
亜鉛系電気メッキ鋼板、および、このようなクロメート
処理亜鉛系電気メッキ鋼板を工業的に安定して製造する
ことができる方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決すべく鋭意研究を重ねた。本発明者等は、ク
ロメート被膜の耐食性および耐指紋性の向上に効果があ
るコロイダルシリカに加えて、Alの酸化物または水酸化
物が耐食性の向上に効果のあることに着目し、研究を行
った。その結果、クロメート処理液中にAl3+およびPO4
3- が存在している場合には、Al3+およびPO4 3- は錯イ
オンを形成しており、Al3+が酸化物または水酸化物を形
成して沈澱析出する際に、リン酸基を一部配位したまま
共析し、酸化物層にアニオン性の酸化物であるリン酸基
が効果的に導入されることを見出した。
【0015】更に、クロメート被膜中に導入されたAlに
配位したリン酸基が、Cr酸化物やシリカ等の酸化物間の
ネットワークを強化して、被膜の耐食性を高め、更に、
被膜の耐食性が高められることにより、クロメート被膜
の付着量を少なくすることができ、外観の均一性を保つ
ことが可能になることを見出した。
【0016】上述したことから、Crの水和酸化物被膜
に、リン酸基を部分的に配位したAlの酸化物または水酸
化物とコロイダルシリカとを適量配置させ、CrおよびAl
の酸化物およびシリカ間のネットワークを強化した複合
酸化被膜を、亜鉛系メッキ被膜の表面上に形成すれば、
耐食性、耐指紋性、塗装性および外観性の優れたクロメ
ート処理鋼板が得られることを知見した。
【0017】この発明は、上述した知見に基づいてなさ
れたものであって、この発明のクロメート処理亜鉛系メ
ッキ鋼板は、鋼板と、前記鋼板の少なくとも1つの表面
上に形成された亜鉛または亜鉛合金メッキ層と、前記亜
鉛または亜鉛合金メッキ層の上に形成されたクロメート
被膜とからなるクロメート処理亜鉛系メッキ鋼板におい
て、前記クロメート被膜は、CrおよびAlの酸化物または
水酸化物、コロイダルシリカおよびリン酸基を主成分と
しており、前記Crの酸化物または水酸化物の付着量は、
Cr換算で3〜100 mg/m2 の範囲内であり、前記Alの酸化
物または水酸化物の付着量は、金属換算の重量比Al/Cr
で、0.2 〜10の範囲内であり、前記コロイダルシリカの
付着量は、金属換算の重量比Si/Crで、0.2 〜10の範囲
内であり、そして、前記リン酸基の付着量は、Pおよび
Alのモル比 P/Alで、1〜2の範囲内であることに特徴
を有するものである。
【0018】また、この発明のクロメート処理亜鉛系メ
ッキ鋼板の製造方法は、クロメート処理液として、5〜
75g/lの量のCr6+と、1〜20g/l の量のAl3+と、2〜10
0g/lの量のコロイダルシリカと、そして、3.5 〜200 g/
l の量のPO4 3- とを含有し、pH値が1.5 〜4.0 の範囲内
であるクロメート処理液を使用し、亜鉛または亜鉛合金
メッキ鋼板に対し陰極電解処理を施すことに特徴を有す
るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、この発明において、クロメ
−ト被膜の成分組成を上述したように限定した理由につ
いて説明する。
【0020】(1) Cr の酸化物または水酸化物:酸化物
層を構成するCrの酸化物または水酸化物の量は、Cr換算
で3〜100mg/m2の範囲内に限定すべきである。Crの酸化
物または水酸化物の量が、Cr換算で3mg/m2 未満では、
耐食性を向上させることができず、一方、Crの酸化物ま
たは水酸化物の量が、Cr換算で 100mg/m2 を超えると、
塗装性が劣化する。
【0021】(2) Al の酸化物または水酸化物:Alの酸
化物または水酸化物は、被膜に優れた耐食性を付与する
ほか、リン酸基と共析して酸化物ネットワークを強化
し、更に、クロメート被膜の白色度を向上させ、外観を
良好にする作用を有している。酸化物層を構成するAlの
酸化物または水酸化物の付着量は、金属換算の重量比Al
/Crで、 0.2〜10の範囲内に限定すべきである。Crに対
するAlの重量比が 0.2未満では、耐食性を向上させるこ
とができない。一方、Crに対するAlの重量比が10を超え
ると、酸化物ネットワークを構成する上での、Crの酸化
物または水酸化物の相対量が不足し耐食性が劣化する。
【0022】(3) コロイダルシリカ:酸化物層を構成す
るコロイダルシリカの付着量は、金属換算の重量比Si/
Crで、 0.2〜10の範囲内に限定すべきである。Crに対す
るSiの重量比が 0.2未満では耐食性および耐指紋性を向
上させることができない。一方、Crに対するSiの重量比
が10を超えると、酸化物ネットワークを構成する上での
Cr酸化物の相対量が不足し、耐食性が劣化すると共に、
コロイダルシリカ粒子がクロメート被膜から剥離しやす
くなり、塗装性が劣化する。
【0023】(4) リン酸基:リン酸基は、Alの酸化物と
共析し、被膜中の他の酸化物と結合し、酸化物間のネッ
トワークを強化し、耐食性を向上させる作用を有してい
る。リン酸基とAl酸化物の共析挙動を調べたところ、図
1に示すように、Al原子1に対しPが1〜2の比率で共
析していることがわかった。従って、酸化物層を構成す
るリン酸基の付着量は、P換算のモル比 P/Alで、1〜
2の範囲内に限定すべきである。
【0024】次に、この発明においてクロメート処理液
の成分組成を、上述したように限定した理由について説
明する。
【0025】(1) Cr6+ :Cr6+の含有量は、5〜75g/l
の範囲内に限定すべきである。Cr6+の含有量が5g/l 未
満では、クロメ−ト被膜を長期にわたって均一に安定し
て形成することができない。一方、Cr6+の含有量が75g/
l を超えると、メッキ表面の亜鉛が溶出しやすくなり、
クロメート処理液中の濃度バランスが崩れて、耐食性お
よび塗装性を安定して向上させることができない。この
ようなCr6+としては、無水クロム酸、重クロム酸アンモ
ニウム、重クロム酸アルカリ金属塩類のうちの1種また
は2種以上を任意に使用することができる。
【0026】(2) Al3+:Al3+の含有量は、1〜20g/l の
範囲内に限定すべきである。Al3+の含有量が1g/l 未満
または20g/l 超では、クロメート被膜中のAl酸化物の量
を、金属換算の重量比Al/Crで、 0.2〜10の範囲内にす
ることができず、耐食性を向上させることができない。
このようなAl3+としては、Al(H2PO4)3, Al( 0H)3, Al
2(SO4)3,AlCl3 および Al(NO3)3 のうちの1種または2
種以上を任意に使用することができる。
【0027】(3) コロイダルシリカ:コロイダルシリカ
の含有量は、2〜100 g/l の範囲内に限定すべきであ
る。コロイダルシリカの含有量が2g/l 未満または100
g/l 超では、クロメート被膜中のシリカの量を、金属換
算の重量比Si/Crで、 0.2〜10の範囲内にすることがで
きず、耐食性、耐指紋性および塗装性の向上を達成する
ことができない。
【0028】(4) PO4 3- :クロメート処理液中のPO4 3-
の含有量は、3.5 〜200 g/l の範囲内に限定すべきであ
る。PO4 3- の含有量が3.5 g/l 未満では、酸化物を構成
するリン酸基の付着量を、P換算のモル比P/Alで1〜2
の範囲内にすることができず、複合酸化物層のネットワ
ーク強化が不十分になる結果、耐食性の向上効果が得ら
れない。一方、PO4 3- の含有量が200 g/l を超えても、
クロメート被膜中へのリン酸基の含有量を増加させるこ
とができず、不経済である。しかも、PO4 3- の含有量が
200g/l を超えると、陰極電解後、クロメート被膜が水
洗されるまでの間に、エッチング作用によって表面にム
ラが生じ、外観を劣化させる原因となる。このようなPO
4 3- としては、H3PO4, Al(H2PO4)3 、リン酸のアルカリ
金属塩、リン酸アンモニウムのうちの1種または2種以
上を使用することができる。
【0029】(5) SO4 2- , NO3-, Cl- , F - :SO4 2- ,
NO3-, Cl- , F - のうちの少なくとも1種からなる陰イ
オンは、クロメート被膜の弱い部分を溶解し、そして、
被膜を成長させるためのエッチング剤としての作用を有
している。従って、必要に応じてこれをクロメート処理
液中に添加する。上記陰イオンの含有量は、クロメート
被膜の品質に影響を及ぼし、少なすぎてもまた多すぎて
も、耐食性、耐指紋性、塗装性、白色外観性の向上を図
ることができない。上記陰イオンの好ましい含有量は、
総量で0.1 〜100 g/l の範囲内である。
【0030】クロメート処理液のpH値は、1.5 〜4.0 の
範囲内に限定すべきである。クロメート処理液のpH値が
1.5 未満では、メッキ表面の亜鉛が溶出して、クロメー
ト処理液中のCr6+の濃度バランスが崩れ、かつ、シリカ
の析出効率が低下するため、耐食性および耐指紋性を向
上させることができない。一方、クロメート処理液のpH
値が4.0 を超えると、クロメート処理液中に沈澱物が発
生し、安定した処理を行うことができなくなる。安定し
た処理を行うための、より好ましいpH値は 1.8〜2.5 の
範囲内である。
【0031】この発明のクロメ−ト処理が施される亜鉛
系メッキ鋼板としては、電気亜鉛メッキ鋼板、Zn-Fe 、
Zn-Ni 等の電気亜鉛合金メッキ鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼
板、または、加熱亜鉛合金メッキ鋼板等を使用すること
ができる。
【0032】
【実施例】次に、この発明を、実施例により、比較例と
対比しながら更に詳述する。公知の方法により、その表
面上に20g/m2の量の亜鉛メッキ被膜が形成された電気亜
鉛メッキ鋼板に対し、この発明の方法により、下記No.
1〜6の電解条件で陰極電解処理を施し、亜鉛メッキ被
膜の上にクロメ−ト被膜を形成した。次いで、これを水
洗したのち乾燥して、表1に示す本発明鋼板No. 1〜6
を調製した。
【0033】No. 1 クロメート処理液: Cr6+ :13.0 g/l(Cr03 を使用) 、 Al3+ : 1.7 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SiO2 :10.0 g/l( スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :18.0 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SO4 2- :11.2 g/l(Na2SO4 を使用) 、 pH値 :2.0 。 陰極電解条件: 電流密度:10 A/dm2、 処理時間:1.0 秒。
【0034】No. 2 クロメート処理液: Cr6+ :19.5 g/l(Cr03 を使用) 、 Al3+ : 3.4 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SiO2 :20.0 g/l( スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :36.0 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SO4 2- :11.2 g/l(Na2SO4 を使用) 、 pH値 :2.3 。 陰極電解条件: 電流密度:10 A/dm2、 処理時間:1.0 秒。
【0035】No. 3 クロメート処理液: Cr6+ :13.0 g/l(Na2Cr2O7・2H2Oを使用) 、 Al3+ : 8.5 g/l (Al2(SO4)2 ・18H2O を使用) 、 SiO2 :10.0 g/l(スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :40.0 g/l (H3PO4 を使用) 、 SO4 2- :45.3 g/l (Al2(SO4)2 ・18H2O を使用) 、 pH値 :2.3 。 陰極電解条件: 電流密度:10 A/dm2、 処理時間:2.0 秒。
【0036】No. 4 クロメート処理液: Cr6+ :70.0 g/l(CrO3 を使用) 、 Al3+ : 8.5 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SiO2 :20.0 g/l( スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :90.0 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SO4 2- :22.4 g/l(Na2SO4 を使用) 、 pH値 :1.8 。 陰極電解条件: 電流密度:10 A/dm2、 処理時間:1.0 秒。
【0037】No. 5 クロメート処理液: Cr6+ : 70.0 g/l(CrO3を使用) 、 Al3+ : 18.0 g/l(Al(H2PO4)3を使用) 、 SiO2 : 30.0 g/l(スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :190.5g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SO4 2- : 22.4 g/l(Na2SO4を使用) 、 NO3- : 14.5 g/l(HNO3を使用) 、 pH値 : 1.8 。 陰極電解条件: 電流密度:20 A/dm2、 処理時間:1.5 秒。
【0038】No. 6 クロメート処理液: Cr6+ : 7.0 g/l(Na2Cr2O7・2H2Oを使用) 、 Al3+ : 1.7 g/l (Al(H2PO4)3を使用) 、 SiO2 : 5.0 g/l(スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :18.0 g/l (Al(H2PO4)3を使用) 、 pH値 :2.0 。 陰極電解条件: 電流密度:2.5 A/dm2 、 処理時間:2.0 秒。
【0039】比較のために、上述した電気亜鉛メッキ鋼
板に対し、この発明の範囲外の方法により、下記No. 1
〜6の電解条件で陰極電解処理を施して、比較鋼板No.
1〜6を調製した。
【0040】No. 1 クロメート処理液: Cr6+ :13.0 g/l(Cr03 を使用) 、 SiO2 :10.0 g/l( スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :20.0 g/l(H3PO4を使用) 、 SO4 2- :11.2 g/l(Na2SO4 を使用) 、 pH値 :2.0 。 陰極電解条件: 電流密度:10 A/dm2、 処理時間:1.0 秒。
【0041】No. 2 クロメート処理液: Cr6+ : 3.0 g/l( Na2Cr2O7・2H2Oを使用) 、 Al3+ : 1.7 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SiO2 :10.0 g/l( スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :18.0 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SO4 2- :11.2 g/l(Na2SO4 を使用) 、 pH値 :2.0 。 陰極電解条件: 電流密度:10 A/dm2、 処理時間:1.0 秒。
【0042】No. 3 クロメート処理液: Cr6+ :13.0 g/l(CrO3 を使用) 、 Al3+ : 5.4 g/l(Al2(SO4)2・18H2O を使用) 、 SiO2 :10.0 g/l( スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- : 3.0 g/l(H3PO4を使用) 、 SO4 2- :28.8 g/l(Al2(SO4)2・18H2O を使用) 、 pH値 : 2.0。 陰極電解条件: 電流密度:10 A/dm2、 処理時間:1.0 秒。
【0043】No. 4 クロメート処理液: Cr6+ :13.0 g/l(CrO3 を使用) 、 Al3+ : 1.7 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 PO4 3- :18.0 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SO4 2- :11.2 g/l(Na2SO4 を使用) 、 pH値 : 2.0。 陰極電解条件: 電流密度:10 A/dm2、 処理時間:1.0 秒。
【0044】No. 5 クロメート処理液: Cr6+ : 6.5 g/l(CrO3 を使用) 、 Al3+ :25.0 g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SiO2 :20.0 g/l( スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :264.0g/l(Al(H2PO4)3 を使用) 、 SO4 2- :11.2 g/l(Na2SO4 を使用) 、 pH値 :2.3 。 陰極電解条件: 電流密度:10 A/dm2、 処理時間:1.0 秒。
【0045】No. 6 クロメート処理液: Cr6+ : 6.5 g/l (CrO3を使用) 、 Al3+ :18.0 g/l (Al(H2PO4)3を使用) 、 SiO2 :120.0g/l (スノーテックスーOを使用)、 PO4 3- :190.0g/l (Al(H2PO4)3を使用) 、 SO4 2- :11.2 g/l (Na2SO4を使用) 、 pH値 : 2.3。 陰極電解条件: 電流密度:20 A/dm2、 処理時間:1.0 秒。
【0046】このようにして調製した各供試体に対し、
以下に述べる試験を行った。 (1) 耐食性試験 供試体に対し、JIS-Z-2371 に規定された塩水噴霧試験
を施し、168 時間経過後における白錆の発生面積を測定
して、その結果を%によって示した。また、168 時間経
過した時点での表面における黒点錆の発生状態を目視に
よって調べ、下記によりこれを評価した。 ◎:黒点発生せず、 ○:僅かに黒点錆の発生が認められる、 △:一面に黒点錆の発生が認められる、 ×:白錆に覆われており判別不能。
【0047】(2) 耐指紋性試験 供試体の表面を汗の出た手で触り、付着した指紋の状態
を目視によって観察し下記により評価した。 ◎:極めて良好、 ○:良好、 △:不良、 ×:極めて不良。
【0048】(3) 塗装性試験 供試体の表面上に、市販のアルキッドメラミン系の白色
塗料を約30μm塗装して塗膜を形成した。次いで、塗装
直後の塗膜に1mm間隔で100 個の碁盤目状の刻み目を入
れた後、エリクセン試験機で7mm押し出し、次いで、押
し出し部の表面上に接着テ−プを貼りそして剥がした。
そのときの、塗装の剥離状態によって評価した。
【0049】(4) 外観性試験 供試体の外観の均一性および白色度を目視によって観察
し、下記によって評価した。 ◎:極めて良好、 ○:良好、 △:不良、 ×:極めて不良。
【0050】表1に、上記本発明鋼板および比較鋼板の
各々のクロメート被膜の組成および上記各試験結果を示
す。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、クロメート被膜
中にAlの酸化物が含まれていない比較鋼板No. 1は、耐
食性が劣り且つ外観の白色度も不良であった。クロメー
ト被膜中のCr量が本発明の範囲を外れて少ない比較鋼板
No. 2は、耐食性が悪かった。クロメート被膜中のリン
酸基の量が本発明の範囲を外れて少ない比較鋼板No.3
は酸化物間のネットワーク強化が不十分なために、黒点
錆が発生した。
【0053】クロメート被膜中にシリカが含有されてい
ない比較鋼板No. 4は、耐食性および耐指紋性が共に悪
かった。クロメート被膜中のCrに対するAlの重量比が本
発明の範囲を超えて多い比較鋼板No. 5は、耐食性が悪
く且つ処理液中のPO4 3- 量が本発明の範囲を外れて多か
ったために、被膜表面にムラが生じ外観が不良であっ
た。そして、コロイダルシリカの量が本発明の範囲を超
えて多い比較鋼板No. 6は塗装性が不良であった。
【0054】これに対し、本発明鋼板No. 1〜6は、何
れも、耐食性、耐指紋性、塗装性および外観性に優れて
いた。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
耐食性、耐指紋性、塗装性および外観性に優れた、安定
したクロメート被膜を有するクロメート処理亜鉛系電気
メッキ鋼板を、工業的に安定して製造することができ
る、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al酸化物とリン酸基の共析状態を示した図であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 岡本 幸太郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 杉本 芳春 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板と、前記鋼板の少なくとも1つの表
    面上に形成された亜鉛または亜鉛合金メッキ層と、前記
    亜鉛または亜鉛合金メッキ層の上に形成されたクロメー
    ト被膜とからなるクロメート処理亜鉛系メッキ鋼板にお
    いて、 前記クロメート被膜は、CrおよびAlの酸化物または水酸
    化物と、コロイダルシリカと、そして、リン酸基とを主
    成分としており、 前記Crの酸化物または水酸化物の付着量は、Cr換算で3
    〜100 mg/m2 の範囲内であり、 前記Alの酸化物または水酸化物の付着量は、金属換算の
    重量比Al/Crで、0.2〜10の範囲内であり、 前記コロイダルシリカの付着量は、金属換算の重量比Si
    /Crで、0.2 〜10の範囲内であり、そして、 前記リン酸基の付着量は、PおよびAlのモル比 P/Al
    で、1〜2の範囲内であることを特徴とする、クロメー
    ト処理亜鉛系メッキ鋼板。
  2. 【請求項2】 その少なくとも1つの表面上に亜鉛メッ
    キ層または亜鉛合金メッキ層が形成された、亜鉛または
    亜鉛合金メッキ鋼板に対し、クロメート処理液中におい
    て陰極電解処理を施すことにより、前記亜鉛または亜鉛
    合金メッキ層の上にクロメート被膜を形成することから
    なる、クロメート処理亜鉛系メッキ鋼板の製造方法にお
    いて、 前記クロメート処理液として、5〜 75g/lの量のCr
    6+と、1〜20g/l の量のAl 3+と、2〜100 g/l の量のコ
    ロイダルシリカと、3.5 〜200 g/l の量のPO4 3- とを含
    有し、そして、pH値が1.5 〜4.0 の範囲内である処理液
    を使用し、前記亜鉛または亜鉛合金メッキ鋼板に対し陰
    極電解処理を施すことを特徴とする、亜鉛系メッキ鋼板
    のクロメート処理方法。
  3. 【請求項3】 前記クロメート処理液は、更に、S
    04 2- , NO3 - ,Cl - およびF - のうちの少なくとも1
    種を、総量で0.1 〜100 g/l 含有している、請求項2記
    載の方法。
JP31903095A 1995-12-07 1995-12-07 クロメート処理亜鉛系メッキ鋼板およびその製造方法 Pending JPH09157862A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009299183A (ja) * 2008-05-12 2009-12-24 Jfe Steel Corp 錫めっき鋼板の製造方法および錫めっき鋼板ならびに化成処理液

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