JPH09157257A - 2−メチルキノリン類の製造方法 - Google Patents

2−メチルキノリン類の製造方法

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JPH09157257A
JPH09157257A JP31512095A JP31512095A JPH09157257A JP H09157257 A JPH09157257 A JP H09157257A JP 31512095 A JP31512095 A JP 31512095A JP 31512095 A JP31512095 A JP 31512095A JP H09157257 A JPH09157257 A JP H09157257A
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distillation
compound
methylquinoline
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methylquinolines
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JP31512095A
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Shigeji Yamada
茂治 山田
Hiromichi Yamaguchi
浩通 山口
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Sumikin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デーブナー・ミラー反応の合成法により得ら
れた反応生成物から目的物である2−メチルキノリン類
との分離が困難とされていた副生物を蒸留精製法により
分離し、高純度2−メチルキノリン類を製造する方法の
提供。 【解決手段】 アニリン類とクロトンアルデヒドを酸性
水溶液下、デーブナー・ミラー反応によって2−メチル
キノリン類を合成し、反応生成物をアルカリ性物質で中
和し、脱水処理した後、酸無水物、酸塩化物またはエポ
キシ化合物を添加して反応処理し、ついで蒸留精製し高
純度2−メチルキノリン類を製造する。上記のアルカリ
性物質で中和した反応生成物を、まず第1蒸留により蒸
留して得られた粗2−メチルキノリン類に酸無水物、酸
塩化物またはエポキシ化合物を添加して反応処理し、つ
いで第2蒸留により蒸留精製することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医農薬、染料中間体とし
て有用な2−メチルキノリン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−メチルキノリン類は、医薬品、染
料、殺虫剤、ゴム加硫促進剤などの製造原料として使用
される重要な化合物である。2−メチルキノリンは工業
的にはコールタールから蒸留等により得られているが、
一般に純度が低いものであり、またその製造量も限られ
ている。又、合成法による2−メチルキノリン類の調製
には専らアニリン類とクロトンアルデヒドの反応による
デーブナー・ミラー(Doebner−Miller)
反応が利用されてきたが、収率が低いことや、特に精製
が困難であることから一般的でない。精製上の問題は生
成する副生物の沸点が2−メチルキノリン類と極めて近
似していることに起因しており、例えば精密蒸留操作な
どでは99%以上を満足するような高純度に精製するこ
とが困難である。
【0003】上記合成法によって得られた粗2−メチル
キノリン類の精製法に関して、例えばアメリカ特許1,
750,082、アメリカ特許4,851,409及び
J.Org.Chem.,42,No.5.811(1
977)では2−メチルキノリン類をZnCl2 によっ
て処理して2−メチルキノリン塩酸・ZnCl2 錯体を
形成させ、それを単離後、アンモニア処理して2−メチ
ルキノリンを精製する方法が知られている。
【0004】一方、原料としてコールタールを用いて製
造した2−メチルキノリンの精製方法は尿素付加物を形
成させる分離精製する方法(特開昭57−11457
4)や、グリコールとの共沸蒸留方法(DE32277
59)、キシレノールとの共沸蒸留方法(特開平1−2
68678)が知られている。しかしながらこれらの精
製法は操作が繁雑であったり、大幅に歩留りが低下する
など必ずしも工業的に有利な方法とはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはアニリン
類とクロトンアルデヒドとを酸性水溶液下デーブナー・
ミラー反応により2−メチルキノリン類を合成し、収率
良く高純度に精製する方法について鋭意検討した。しか
しこの反応においては、目的の2−メチルキノリン類以
外の反応副生物は物理定数、特に沸点が2−メチルキノ
リン類と近似しており、そのまま精密蒸留したのでは高
純度に精製することができず、又、ZnCl2 やCaC
2 、尿素などとの錯体形成による分離法は、操作が繁
雑であり、廃水や廃液の増大やその処理等により工業的
に安価な精製法ではないことが判明した。
【0006】そこで、本発明者らは、反応生成物を簡単
な分離精製法である蒸留によって分離できる組成にする
ことが経済的に有利に高純度の2−メチルキノリン類を
製造する上での極めて重要な課題であることに着目し、
特定の化合物を添加することにより、蒸留による分離が
困難な副生物を分離し、蒸留により精製できる方法を見
出した。
【0007】従って本発明の目的は、デーブナー・ミラ
ー反応の合成法により得られた反応生成物から蒸留精製
法により、2−メチルキノリン類を高純度に精製する方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はアニリン類とク
ロトンアルデヒドを酸性水溶液下、デーブナー・ミラー
反応によって2−メチルキノリン類を合成し、反応生成
物をアルカリ性物質で中和し、脱水処理した後、酸無水
物、酸塩化物またはエポキシ化合物を添加して反応処理
し、ついで蒸留精製することを特徴とする高純度2−メ
チルキノリン類の製造方法である。
【0009】また本発明は他の実施態様としてアニリン
類とクロトンアルデヒドを酸性水溶液下、デーブナー・
ミラー反応によって2−メチルキノリン類を合成し、反
応生成物をアルカリ性物質で中和した後、第1蒸留によ
り蒸留して得られた粗2−メチルキノリン類に酸無水
物、酸塩化物またはエポキシ化合物を添加して反応処理
し、ついで第2蒸留により蒸留精製することを特徴とす
る高純度2−メチルキノリン類の製造方法を包含する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるアニリン類
は、式(1)に示されるアニリンおよび1又は2個の官
能基で置換されたアニリン類であり、置換基R1 及びR
2 は、水素,アルキル基,アリル基,ハロゲン基,水酸
基,アルコキシ基,スルホニル基,チオール基などであ
る。
【0011】
【化1】
【0012】デーブナー・ミラー反応は、アニリン類と
クロトンアルデヒドが反応し、縮合環化することによっ
て2−メチルキノリン類が合成されるが、原料としてア
セトアルデヒドを用いてもアセトアルデヒドが自己縮合
して、クロトンアルデヒドが生成し、上記の反応が起こ
るので、アセトアルデヒドを原料に用いてもよい。
【0013】デーブナー・ミラー反応は、プロトン受容
体としての酸化剤を使用することにより促進される。こ
のプロトン受容体としての酸化剤にはアニリン類の置換
基と同じ置換基をもつニトロベンゼン類を使用すれば、
ニトロベンゼン類もアニリンと同様、原料として反応に
寄与するので好ましい。
【0014】本発明の目的は、2−メチルキノリン類合
成の際に生成する副生物を別の化合物に変化させ、2−
メチルキノリン類との分離を容易にすることにある。と
ころで本発明の目的物質である2−メチルキノリン類
は、反応性に乏しい6π系芳香族化合物であり、環内窒
素原子のπ電子も6π系芳香族環に関与するため安定で
ある。それに対してデーブナー・ミラー反応により生成
する副生物は主としてN−アルキルアニリン類やテトラ
ヒドロ−2−メチルキノリン類などの2級アミンであ
り、又未反応物のアニリン類は一級アミンである。
【0015】これらの一,二級アミンの窒素原子は求核
能を有し、親電子試薬との反応性に富んでいることか
ら、2−メチルキノリン類と副生物及び未反応物が混在
する反応混合物中に親電子試薬を添加すると副生物だけ
が親電子試薬と反応して別の化合物に化学変化するため
に沸点が高くなり、2−メチルキノリン類との分離が容
易になることを見いだした。
【0016】例えば、副生物がN−アルキルアニリン類
である場合は、親電子試薬として、酸無水物の無水酢酸
で反応処理すれば、N−アセチル化物に変化し、また酸
塩化物のベンゾイルクロライドで反応処理すれば、N−
ベンゾイル化物に変化する。一方、副生物がテトラヒド
ロ−2−メチルキノリン類である場合も、N−アセチル
化物またはN−ベンゾイル化物に変化する。そのため副
生成物及び未反応物が目的物質の2−メチルキノリン類
との間で沸点差が生じて、簡単な蒸留により高純度に精
製できる。
【0017】このような目的で、副生物と反応させるた
めの親電子試薬として、本発明においては酸無水物,酸
塩化物またはエポキシ化合物が用いられる。
【0018】酸無水物としては例えば無水酢酸,無水プ
ロピオン酸,無水コハク酸,無水マレイン酸,無水フタ
ル酸,無水安息香酸などが好ましい。これら酸無水物の
添加量は脱水処理した反応生成物の重量に対して1/2
0〜2重量倍が適当であり、好ましくは1/10〜1/
2重量倍である。一方、後記する別の実施態様での方法
で第一蒸留して得られた粗2−メチルキノリン類に添加
する場合は、同様に1/50〜1重量倍が適当であり、
好ましくは1/30〜1/10重量倍である。
【0019】酸塩化物としては例えばアセチルクロライ
ド,ベンゾイルクロライド,プロピオン酸塩化物,フタ
ル酸塩化物などのカルボン酸塩化物,ベンゼンスルホニ
ルクロライド,p−トルエンスルホニルクロライド,ナ
フタレンスルホニルクロライドなどスルホン酸塩化物等
が挙げられる。酸塩化物の添加量は、脱水処理した反応
生成物の重量に対して1/20〜2重量倍が適当であ
り、好ましくは1/10〜1/2重量倍である。又、第
一蒸留して得られた粗2−メチルキノリン類に添加する
場合は、同様に1/50〜1重量倍が適当であり、好ま
しくは1/30〜1/10重量倍である。
【0020】エポキシ化合物の種類としては、エポキシ
基を分子内に1個以上有する化合物であれば使用するこ
とができ、例えば、エチレンオキサイド,スチレンオキ
シド,シクロヘキサンオキシド,エポキシブタン,エピ
クロルヒドリン,エポキシプロパン,エポキシブテンや
アリルグリシジルエーテル,ブチルグリシジルエーテ
ル,フェニルグリシジルエーテル,2−エチルヘキシル
グリシジルエーテル,sec−ブチルフェノールグリシ
ジルエーテル,2−メチルオクチルグリシジルエーテル
あるいはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェ
ニール等のグリシジルエーテルやグリシドールなどが挙
げられる。エポキシ化合物の添加量は脱水処理した反応
生成物の重量に対して1/20〜2重量倍が適当であ
り、好ましくは1/10〜1/2重量倍である。一方第
一蒸留して得られた粗2−メチルキノリン類を対象とす
る場合には、同様に1/50〜1重量倍が適当であり、
好ましくは1/30〜1/10重量倍である。
【0021】本発明においては、2−メチルキノリン類
の合成反応後に水層と分離、分液して得られた2−メチ
ルキノリン含有油層は、水分を多く含有し、これをその
まま次工程で親電子試薬と反応させると親電子試薬が消
費され、副生物との反応に効率よく利用されないので、
親電子試薬との反応前に脱水処理を施すのが好ましい。
【0022】脱水処理として、水と目的物質の2−メチ
ルキノリン類の大きな沸点差を利用して蒸留によって行
うことが出来る。蒸留によって脱水処理を行う場合、蒸
留によって水を留出させた後、その蒸留塔のボトム内
で、酸無水物、酸塩化物またはエポキシ化合物を用いて
副生物との反応を行わせ、ついで、その蒸留搭を用いて
そのまま精密蒸留することができるので、ワンポットで
脱水処理、親電子試薬処理及び精製蒸留を行うことが可
能である。ワンポット方式で行う場合の蒸留塔は最後の
精製蒸留において、目的物質の蒸留歩留りを向上させる
ため高い性能が要求され、理論段数が5段以上、好まし
くは10〜30段の蒸留塔を用いる。最初の脱水処理で
は、水を除去することが目的であるから全留出(還流比
=0)で可能である。酸無水物、酸塩化物またはエポキ
シ化合物との反応処理後の精製蒸留では、還流比0.5
以上、好ましくは1〜10の条件で蒸留する。この時、
減圧度は200mmHg以下、好ましくは50mmHg
以下であり、例として50mmHgでは留出温度15
0.7〜151.8℃の留分を得ることにより純度99
%以上の2−メチルキノリンを得ることが出来る。この
場合に、蒸留釜温度は220〜240℃になるが、反応
混合物のピッチ化や熱分解が起こる問題は特に発生しな
い。
【0023】本発明はまた、別の実施態様として、合成
によって得られた2−メチルキノリン類を、アルカリ物
質で中和した後、一旦反応生成物を蒸留し、得られた粗
2−メチルキノリン類を酸無水物、酸塩素化物またはエ
ポキシ化合物を用いて反応処理し、ついで蒸留精製する
ことにより高純度2−メチルキノリン類を製造すること
もできる。
【0024】上記実施態様では2−メチルキノリン類の
蒸留精製が2回行われるが、第1の蒸留塔で蒸留する際
に、アルカリ中和された反応生成物から先ず水を初留と
して留出させ、次いで反応生成物の留分を分取し、大量
に存在するタール状の高沸点物質を蒸留残渣として除去
することができるので、酸無水物、酸塩素化物またはエ
ポキシ化合物との反応処理の実施の前処理として必要な
脱水処理を同時に行うことができ、また高沸点物質等も
除去されているので親電子試薬のロスが少なく効率的で
ある。
【0025】この第1の蒸留操作により分取された2−
メチルキノリン類を80%含有する留分(以下、粗2−
メチルキノリン類と称す)を次いで親電子試薬を用いて
反応処理し、次に第2の蒸留塔を用いて精密蒸留する。
【0026】この方法における第1の蒸留塔では、主目
的が次ステップの親電子試薬と反応する水分と高沸点タ
ール状物を蒸留残渣として除去することであるから、塔
の理論段数が1段以上あればよい。第1蒸留は、全留出
でも可能であるが、好ましくは、還流比0.5以上さら
に好ましくは還流比1〜10の条件で蒸留する。この
時、減圧度は200mmHg以下、好ましくは50mm
Hg以下であり、例として50mmHgでは留出温度1
30〜170℃の2−メチルキノリン留分を得る。
【0027】又、第2蒸留は、粗2−メチルキノリン類
から2−メチルキノリン類を99%以上の高純度かつ高
収率で回収することが目的であるから蒸留塔の高性能が
要求される。この第2の蒸留塔は理論段数が5段以上、
好ましくは10〜30段の蒸留塔を用い、還流比0.5
以上、好ましくは1〜10の条件で蒸留する。この時、
減圧度は200mmHg以下、好ましくは50mmHg
以下であり、例として、50mmHgでは留出温度15
0.7〜151.8℃の留分を回収することにより純度
99%以上の2−メチルキノリンを得ることが出来る。
【0028】本発明は上記2種の実施態様のいずれでも
実施可能であるが、第1の発明の方法では1つの蒸留塔
を用いてワンポット方式で精製することもできるので、
工程の削減が可能であり、一方、第2の発明、すなわち
2−メチルキノリン類の蒸留を2度行う方法では、添加
する親電子試薬がより少量で目的を達成できるのでそれ
ぞれ目的、状況に応じて利点を考えて選択することが出
来る。
【0029】本発明で酸無水物、酸塩化物またはエポキ
シ化合物を用いて反応処理する時の温度、時間等の反応
条件は、反応自体が簡単に進行するため、温度コントロ
ールや添加速度コントロール等には特に厳密な管理を要
しない。例えば、蒸留塔内の2−メチルキノリン類生成
物に親電子試薬を添加しておくだけで、蒸留時の加熱に
より反応は進行し、(例えば蒸留塔ボトム温度240℃
以下である)、そのまま蒸留精製できるものでありこの
ような簡便さも、本発明の大きな特徴となっている。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は
これらに限定されるものではない。なお、分析方法は、
ガスクロマトグラフ法により、以下の条件で行った。 キャピラリーカラム:CBP−1 0.25φmm×5
0m カラムオーブン温度:120℃〜300℃,7℃/mi
n(昇温速度) 検出器 :FID 定量法 :面積百分率法
【0031】[実施例1]50リットル反応釜内にアニ
リン9kg、35%塩酸水溶液12kg、ニトロベンゼ
ン3kgを加え、80〜90℃に加熱後、クロトンアル
デヒド9.3kgを徐々に滴下し、滴下後2時間還流し
て反応させた。室温まで冷却後25%NaOH水溶液で
生成混合物をアルカリ性(pH=10)として、静置分
液して下層の水層を除いた。上層の油層を以下の条件1
で、粗蒸留により脱水処理をした。
【0032】脱水した蒸留残渣に無水酢酸4kgを添加
した後、以下の条件2で蒸留精製した。留出温度15
0.7℃〜151.8℃の留分を取り、純度99.0%
の2−メチルキノリン8.0kg(収率46モル%;ア
ニリン+ニトロベンゼンのモル数を基準とする)を得
た。
【0033】蒸留条件−1(脱水蒸留) 蒸留塔の理論段数 :10段 還流比 :全留出 圧力 :50mmHg カット留分 :129℃以下をカット
【0034】蒸留条件−2(精製蒸留) 蒸留塔の理論段数 :10段 還流比 :1〜5 圧力 :50mmHg 留出温度 :150.7℃〜151.8℃
【0035】[実施例2]50リットル反応釜内にアニ
リン9kg、35%塩酸水溶液12kgを添加し、80
〜90℃にまで加熱した。一方、ニトロベンゼン3kg
をクロトンアルデヒド9.3kgを混合溶液として、上
記アニリン塩酸塩水溶液中に徐々に滴下し、滴下後2時
間還流した。次に、室温まで冷却後25%NaOH水溶
液で反応混合物をアルカリ性(pH=10)にして、静
置分液して下層の水層を除いた。上層の油層を理論段数
10段の蒸留塔を用いて50mmHgの減圧下、還流比
0〜1で留出温度145〜172℃で留取して、純度8
8%の粗2−メチルキノリンを9.2kg得た。
【0036】この粗2−メチルキノリンを20リットル
ガラス釜に移し、無水酢酸1kgを添加し、80〜10
0℃で反応後、その反応混合液を理論段数10段の蒸留
塔を用いて、還流比1〜5、50mmHgの減圧下で精
留して留出温度150.7℃〜151.8℃で留取し
て、純度99.0%の2−メチルキノリン8.8kgを
得た。(収率51モル%;アニリン+ニトロベンゼンの
モル数を基準とする)。
【0037】[比較例1]50リットルの反応釜内にア
ニリン9kg、35%塩酸水溶液12kgを添加し、8
0〜90℃まで加熱した。一方、ニトロベンゼン3kg
とクロトンアルデヒド9.3kgを混合溶液とし、上記
アニリン塩酸塩水溶液中に徐々に滴下した。滴下後2時
間還流して反応させた。
【0038】次に、室温まで冷却後25%NaOH水溶
液で反応混合物をアルカリ性(pH=10)にし、静置
分液して下層の水層を除いた。上層の油層を親電子試薬
による処理を行わず、そのまま理論段数50段の蒸留塔
を用いて50mmHgの減圧下、還流比10〜20で留
出温度150〜152℃の留分を9.5kg得た。この
留分はガスクロマトグラフ分析の結果、純度は、92%
で収率54.6モル%であった。親電子試薬処理をする
ことなく純度を92%以上に上げるのは困難であった。
【0039】[実施例3〜8]実施例2において、2−
メチルキノリンの代わりに表1記載の各種の2−メチル
キノリン誘導体を製造する目的で、原料として表1記載
のアニリン類及びそれに対応するニトロベンゼン類を用
い(アニリン類、ニトロベンゼン類およびクロトンアル
デヒドの使用量はモル数で実施例2と同じく0.97モル、
0.24モル、及び1.33モル)、実施例2と同様にして各種
の2−メチルキノリン類を合成し、その後実施例2と同
様に蒸留、無水酢酸添加および精製蒸留を行い、高純度
2−メチルキノリン類を得た。実施例2の結果とともに
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】[実施例9〜16]実施例2において、親
電子試薬を無水酢酸の代わりに表2記載の化合物(添加
量も実施例と同じく、1Kg)に代えた以外は実施例2
と同様にして、高純度2−メチルキノリンを得た。実施
例2の結果とともに結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】アニリン類とクロトンアルデヒドからデ
ーブナー・ミラー反応により得られた2−メチルキノリ
ン類を含む反応生成物に親電子試薬を添加した後、精製
蒸留することにより、従来2−メチルキノリン類との分
離が困難とされていた副生物との分離、精製が効率よく
行われ、特別な設備や複雑な工程を付加することなく高
純度の2−メチルキノリン類を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニリン類とクロトンアルデヒドを酸性
    水溶液下、デーブナー・ミラー反応によって2−メチル
    キノリン類を合成し、反応生成物をアルカリ性物質で中
    和し、脱水処理した後、酸無水物、酸塩化物またはエポ
    キシ化合物を添加して反応処理し、ついで蒸留精製する
    ことを特徴とする高純度2−メチルキノリン類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 アニリン類とクロトンアルデヒドを酸性
    水溶液下、デーブナー・ミラー反応によって2−メチル
    キノリン類を合成し、反応生成物をアルカリ性物質で中
    和した後、第1蒸留により蒸留して得られた粗2−メチ
    ルキノリン類に酸無水物、酸塩化物またはエポキシ化合
    物を添加して反応処理し、ついで第2蒸留により蒸留精
    製することを特徴とする高純度2−メチルキノリン類の
    製造方法。
JP31512095A 1995-12-04 1995-12-04 2−メチルキノリン類の製造方法 Pending JPH09157257A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102898366A (zh) * 2012-03-30 2013-01-30 浙江工业大学 一种一步制备2-甲基喹啉的方法

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CN102898366A (zh) * 2012-03-30 2013-01-30 浙江工业大学 一种一步制备2-甲基喹啉的方法

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