JPH09155743A - 被加工物に付着した研掃材の除去方法 - Google Patents

被加工物に付着した研掃材の除去方法

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JPH09155743A
JPH09155743A JP7322019A JP32201995A JPH09155743A JP H09155743 A JPH09155743 A JP H09155743A JP 7322019 A JP7322019 A JP 7322019A JP 32201995 A JP32201995 A JP 32201995A JP H09155743 A JPH09155743 A JP H09155743A
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JP
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water
workpiece
polishing
cleaning material
soluble powder
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JP7322019A
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English (en)
Inventor
Keiji Mase
恵二 間瀬
Shinji Kanda
真治 神田
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Fuji Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Fuji Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 研掃材を噴射してブラスト加工した被加工物
の、特に加工面の凹部に入り込んだ研掃材を確実に除去
する方法を提供する。 【解決手段】 研掃材を噴射してブラスト加工した被加
工物としては、例えば、PDPの基板の片面の全表面に
ブラスト性を有する低融点ガラス層12を形成し、この
低融点ガラス層12の表面にレジスト層13をパターン
形成し、このレジスト層13側から研掃材を噴射してブ
ラスト加工することにより、レジスト層13下層以外の
低融点ガラス層12がすべて研掃材で研削され除去さ
れ、高精細なリブ14が形成される。リブ14の側の面
をエアーブローしてもリブ14の間隙に入り込んだ研掃
材を全て除去できないが、リブ14の側から水溶性の物
質で成る水溶性粉体23を噴射し、この水溶性粉体23
の衝突力で前記研掃材21を確実に除去し水溶性粉体2
3と入れ替える。このPDPを水洗いすることにより、
PDPに付着した水溶性粉体23が水に溶解して確実に
排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物に研掃材
を噴射してブラスト加工した後、この被加工物に付着し
た研掃材を除去する方法に関し、特に、プラズマディス
プレイパネル(以下、「PDP」という)のリブをブラ
スト加工により高精細にパターン形成したときに、研掃
材がPDPの高精細リブ間の間隙や高精細リブの隅部に
入り込むというような、狭い間隙を成す凹凸形状にブラ
スト加工した被加工物の凹部内や凹部の隅部に入り込ん
で付着した研掃材を除去する方法に関する。
【0002】プラズマディスプレイとは、内側にそれぞ
れ多数の縦電極と横電極をもった2枚のガラス基板でな
るPDPを約0.1mmの放電ガス空間を挟んで組み合
わせたもので、2枚のガラス基板間にネオン/キセノン
ガスでなる放電ガスを封入した構造である。電極相互間
に電圧を加えることにより、多数の縦電極と横電極の交
点がそれぞれ電気的に選択され、その点に生じた放電に
より発光し、文字や図形を表示する。より詳しく説明す
ると、例えば、前記2枚のガラス基板のうち一方はプラ
ズマディスプレイの放電部を成す前面ガラス基板であ
り、他方はプラズマディスプレイの発光部を成す背面ガ
ラス基板である。前面ガラス基板は内面に多数の縦電極
を備え、この縦電極を設けた面に誘電体層と該誘電体層
の表面に保護層を形成している。一方、背面ガラス基板
は内面に多数の横電極を備え、各横電極間にリブを突設
している。このリブはガラス基板の表面上に平行(スト
ライプ状)あるいは格子状のパターン(絵又は模様をい
う)を成している。縦電極と横電極相互間に電圧を加え
ることにより、前記放電部の誘電体層、保護層の表面で
面放電が起こり、紫外線が発生する。この紫外線により
前記発光部に蛍光体を励起し、発光させて蛍光体の塗り
分けによりカラー表示を行なうものである。
【0003】現在、PDPは長寿命化、高輝度化、大型
化、高精細化の要求が高まり、この要求に対応するため
に、ブラスト加工によってガラス等の基板上に低融点ガ
ラスのリブを形成することにより、PDPのリブ幅を狭
くし且つ均一性を高め、蛍光体塗布面積を拡大するよう
開発されつつある。ちなみに、PDPは、一例としてリ
ブ幅が50μほどで、リブの高さが150〜200μ
で、リブ間の間隙が100μほどであり、全体の大きさ
が21インチのPDPが生産されており、今後40〜5
0インチほどの大きさのPDPを開発する方向にある。
【0004】これに伴って、ブラスト加工後の高精細リ
ブ間には細部に渡って研掃材がそれ自体あるいはPDP
の静電気により、あるいは高精細リブとガラス基板との
隅部に挟まれて付着しており、この研掃材は高精細リブ
間に残留するとPDPの性能に大きな悪影響を及ぼすこ
とになるので、確実に除去する必要がある。
【0005】
【従来の技術】従来、ブラスト加工後の被加工物に付着
した研掃材を除去する方法としては、ブラスト加工後の
被加工物にエアーブローや超音波洗浄等を行なって被加
工物に付着した研掃材を除去していた。あるいは、エア
ーブローを行なう前に、静電気除去装置を用いてブラス
ト加工時に発生した研掃材自体や被加工物の静電気を除
去することも行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、被加工物の
加工面が、特にPDPの高精細リブのように凹凸の間隙
が細かい形状を成す場合、研掃材が凹部に入り込んでい
るために、このブラスト加工面にエアーブローしても凹
部の細部に至るまで確実に研掃材を除去することはでき
ないという問題点があった。
【0007】また、被加工物の加工面に超音波洗浄を行
なっても、上記のエアーブローと同様に、凹部の細部に
至るまで確実に研掃材を除去することができなかった。
【0008】このことは研掃材自体や被加工物等の静電
気を除去した後にエアーブローを行った場合も同様であ
った。
【0009】なお、ブラスト加工した被加工物を水洗い
した場合、例えば、被加工物のブラスト加工面にノズル
からの水を噴射したとしても、単に水の噴射力では凹部
内の隅部等の狭い部分に挟まっている研掃材や、研掃材
自体や被加工物等の静電気で凹部の細部に付着している
研掃材等を除去することができなかった。
【0010】本発明は叙上の問題点を解決するために開
発されたもので、その目的は、研掃材を噴射してブラス
ト加工した後、被加工物の表面に付着した研掃材を、被
加工物の加工面の細部に至るまで確実に除去する方法を
提供することにある。特に、PDPの高精細リブを形成
するためにブラスト加工した場合のように、加工面の凹
部に入り込んだ研掃材を確実に除去する方法を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の被加工物に付着した研掃材の除去方法にあ
っては、ブラスト加工した被加工物Wに水溶性粉体23
を噴射することにより、水溶性粉体23の衝突力で被加
工物に付着した研掃材21を除去し、次いで当該被加工
物を水洗いすることにより、被加工物に付着した水溶性
粉体23を水に溶解せしめて排出し除去することを特徴
とする。
【0012】なお、前記被加工物は、基板上の全面に、
ブラスト性を有する低融点ガラス層12を形成し、該低
融点ガラス層12の表面にレシスト層13をパターン形
成し、前記低融点ガラス層12の表面側から研掃材21
を噴射してブラスト加工することにより、前記レジスト
層13下層の低融点ガラス層を除く低融点ガラス層12
を研削し除去してリブ14を形成したものとすることが
できる。
【0013】なお、前記水溶性粉体23は、硫酸ナトリ
ウム、硼酸、重曹等の水溶性の物質で成る粉体であるこ
とが好ましい。
【0014】また、前記水溶性粉体23は、当該水溶性
粉体23の衝突力で被加工物に付着した研掃材21を除
去可能な硬度、重量、粒径等の特性を有する粉体で成る
ものである。
【0015】さらに、上述したようにブラスト加工した
被加工物に水溶性粉体23を噴射した後、この被加工物
をエアーブローして被加工物に付着した水溶性粉体23
の大部分を除去し、次いでこの被加工物を水洗いして被
加工物に残留した水溶性粉体23を水に溶解せしめて排
出し除去することもできる。
【0016】さらに、前記水溶性粉体を平均粒径10〜
35μとし、この水溶性粉体を噴射圧力1.0〜3.0
kg/cm2 で、噴射量5〜30g/minで噴射する
ことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の被加工物に付着し
た研掃材の除去方法の実施の形態を説明する。被加工物
Wに研掃材21を噴射してブラスト加工すると、被加工
物には凹凸形状のブラスト加工面が形成される。このブ
ラスト加工面の凹部には研掃材21が付着し、特に、凹
部の間隙が狭い場合には研掃材21が凹部内に入り込ん
だり、凹部の隅部に挟まれた状態になる。このようなブ
ラスト加工面にエアーブローすると、大部分の研掃材2
1が凹部の外方へ除去されるが、全てを除去することが
できず凹部内に残留する。しかし、この被加工物のブラ
スト加工面に好ましくは、前記研掃材以下の粒径から成
る水溶性粉体23を噴射することにより、水溶性粉体2
3が研掃材21に衝突し、その衝突力により研掃材21
が凹部外へ確実に弾き飛ばされて除去され、研掃材21
と入れ替えに水溶性粉体23が凹部内に付着する。この
ような状態の被加工物を水洗いすることにより、水溶性
粉体23が硫酸ナトリウム、硼酸、重曹等の水溶性の物
質で成る粉体であるので、凹部の間隙が狭い場合であっ
ても凹部内や他の面に付着した水溶性粉体23は全て水
に溶解し、水と共に排出される。また、研掃材が微量に
残留していたとしても、この研掃材は上記工程の水洗い
により溶けた粉体と共に流される。
【0018】以上のようにして、ブラスト加工により被
加工物に付着した研掃材21は容易にすべて確実に除去
される。
【0019】なお、前記被加工物としては、PDPのリ
ブをブラスト加工により高精細にパターン形成する場合
を一例として上げることができる。このPDPは基板上
の全面に、ブラスト性を有する低融点ガラス層12を形
成し、該低融点ガラス層12の表面にレシスト層13を
パターン形成し、前記低融点ガラス層12の表面側から
研掃材21を噴射してブラスト加工することにより、前
記レジスト層13下層の低融点ガラス層を除く低融点ガ
ラス層12を研削し除去してリブ14を形成し、上記除
去処理を行い、次いで、該リブ14の低融点ガラスを焼
成して高精細リブを形成するものである。本実施の形態
としては、前記リブ14の低融点ガラスを焼成する前の
状態、つまり前記低融点ガラス層12の表面側から研掃
材21を噴射してブラスト加工してリブ14を形成した
状態のPDPを被加工物とすることができ、本発明の被
加工物に付着した研掃材の除去方法はPDPのリブ14
のような凹凸の間隙が狭い形状を成す被加工物に対して
は特に有効な方法となる。
【0020】なお、水溶性粉体23は、研掃材21の硬
度、重量、粒径等の特性に応じて選定し、つまり当該水
溶性粉体23の衝突力で被加工物に付着した研掃材21
を除去可能な硬度、重量、粒径等の特性を有する粉体を
選定することが、被加工物に付着した研掃材21を確実
に除去するという点で好ましい。
【0021】さらに、上述したように被加工物をエアー
ブローして被加工物に付着した水溶性粉体23の大部分
を除去することは、被加工物に残留する水溶性粉体23
が少なくなるので、次工程では被加工物に残留した水溶
性粉体23が速やかに水に溶解され排出される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の被加工物に付着した研掃材の
除去方法の実施の形態を、ブラスト加工によりPDPの
基板上に高精細リブを形成した場合の被加工物に付着し
た研掃材の除去方法を例にとって、図面を参照して説明
する。
【0023】図1は、PDPの高精細リブをブラスト加
工により形成する工程を(a)〜(h)の順に示す。
【0024】図1(a)では、ガラス基板11が平面で
大きさ1000×600mm、厚さ3mmを成し、ガラ
ス基板11の片面の表面には150μの間隔で平行なス
トライプ状をなす多数の電極15を印刷形成している。
このガラス基板11の電極15側の全表面に、セルロー
ス系又はアクリル系樹脂をバインダーとした低融点ガラ
スペーストをコータでコーティングし乾燥、固化して低
融点ガラス層12を形成する。
【0025】低融点ガラス層12は、基板上にスクリー
ン印刷法で低融点ガラスペーストを塗布し、乾燥後15
分放置し、脱法後に150℃出15分乾燥させ、本実施
例では、12回刷り重ねして印刷形成した。
【0026】低融点ガラス層12はセルロース系樹脂ま
たはアクリル系樹脂をバインダーとした低融点ガラスペ
ーストから形成したので、ブラスト加工による研削性
(以下、本明細書では「ブラスト性」という)が極めて
良好である。
【0027】図1(b)では、低融点ガラス層12の全
表面に、デキストリンで成る水溶性樹脂層18を厚さ3
μで塗布、乾燥する。この水溶性樹脂層18の全表面
に、アクリル系樹脂をバインダーとした耐ブラスト性低
融点ガラスペーストに感光材(フォトレジスト)を混入
した感光性を有する耐ブラスト性低融点ガラスペースト
16を厚さ27μで塗布し乾燥した後、ネガフィルム1
7を当て露光する。
【0028】前記低融点ガラスペースト及び耐ブラスト
性低融点ガラスペーストは共に後述する工程で焼成して
も各バインダーのカーボン、タールがリブ14に残渣し
ない、完全燃焼するものを用いる。
【0029】もしくは、水溶性樹脂層18を用いずに、
耐ブラスト性低融点ガラスペースト16に東京応化工業
(株)製オーデイルBF603をラミネートし、露光、
現像を行いガラスペースト上にパターンを形成した。現
像液は、炭酸ナトリウム0.2%水溶液を使用する〔図
1(c)〕。
【0030】なお、本実施例のレジスト層13のパター
ンは幅50μで間隔100μの平行なストライプ状をな
しており、ガラス基板11の表面上の電極15がレジス
ト層13の間隔100μ間のほぼ中央に位置するように
配置している。
【0031】図1(d)では、上記のガラス基板11の
低融点ガラス層12及びレジスト層13の表面側から、
ブラスト加工装置を用いてガラス基板11より低硬度の
研掃材21を噴射してレジスト層13の下層の低融点ガ
ラス層12以外の部分の低融点ガラス層12を研削して
除去し、リブ14を形成する。リブ14は幅50μ、高
さ200μで、各リブ14間の間隔は100μである。
ちなみに、研掃材は本実施例ではガラスビーズを使用し
ているが、炭酸カルシウムも研掃材として好ましい。
【0032】ブラスト加工後のPDPは、多数の研掃材
21がリブ14間に入り込んでいる。つまり、研掃材2
1はリブ14の壁面や、リブ14とガラス基板11との
隅部や、ガラス基板11及び電極15上に多数付着して
いる。本実施例では後述するように研掃材21の平均粒
径が20μであるのに対してリブ14間の間隔が100
μであるので、このように幅狭のリブ14間には研掃材
21が入り込みやすい状態にある。一般に、ブラスト加
工後の被加工物の表面をエアーブローすることにより、
被加工物の表面に付着した研掃材は殆ど除去されるので
あるが、上記のPDPの高精細リブのように幅狭の凹凸
に形成したブラスト加工面にあっては、エアーブローに
より凹部内に入り込んだ研掃材を完全に除去することは
難しい。
【0033】以下に、本実施例で使用するブラスト加工
装置40を図面を参照して説明する。
【0034】図2において、41はブラスト加工装置の
本体で、本体41の上面に被加工物を図2の紙面上右か
ら左へ搬送する多数の搬送ローラ42を設け、下部には
図示せざるホッパを設け、該ホッパの最下端は導管51
を介して分離タンク52の上部に連通している。
【0035】前記本体41上には密閉式のブラスト加工
室43を設け、このブラスト加工室43内には研掃材を
搬送ローラ42で搬送された被加工物、すなわちガラス
基板11の表面に低融点ガラス層12とレジスト層13
を形成した被加工物の低融点ガラス層12とレジスト層
13の表面側に向けて噴射し且つ被加工物の搬送方向に
直交する方向に往復移動する噴射ノズル44を6本設け
ている。各噴射ノズル44は拡散型の噴射ノズルで、研
掃材の噴射形状を通常の2.5倍に拡散するもので、被
加工物の搬送速度及び各噴射ノズル44の移動速度の組
合せによるブラスト加工速度を上げてもブラスト加工の
均一性を維持できる。
【0036】被加工物の搬送方向でブラスト加工室43
の前後には静電気除去装置45、45を設け、且つ被加
工物の搬送方向上流側には被加工物に付着した研掃材を
エアを吹き付けて除去する所謂アフターブローのための
エアーブロー室46を設けている。
【0037】56は研掃材噴射量制御機構で、研掃材の
噴射量をデジタル化したもので、所望の研掃材噴射量を
デジタルで自在に設定できる。各噴射ノズル44に圧縮
空気を供給すると各噴射ノズル44と研掃材タンク55
に連通する管内が負圧になるため、研掃材タンク55内
の研掃材は研掃材タンク55の下端に連通する研掃材自
動供給装置57を経て異物除去装置58へ送られ、この
異物除去装置58内で50μ以上の大きさの異物が除去
され、噴射ノズル44へ供給され噴射する。なお、前記
異物除去装置58と噴射ノズル44間に研掃材量検知セ
ンサー59を設け、この研掃材量検知センサー59では
通過する研掃材の量を検知し、研掃材の噴射量が表示さ
れる。
【0038】ガラス基板11の表面に低融点ガラス層1
2とレジスト層13を形成した被加工物を本体41上の
搬送装置の搬送ローラ42に載置し、前記被加工物を図
2の紙面上右から左へ搬送し、静電気除去装置45で被
加工物の静電気が除去され、ブラスト加工室43内へ搬
送される。このブラスト加工室43内で噴射ノズル44
から被加工物の低融点ガラス層12とレジスト層13の
表面側から研掃材を噴射することにより、レジスト層1
3の下層の低融点ガラス層12はレジスト層13で保護
されるので研掃材で研削ないし彫刻されないが、レジス
ト層13の下層の低融点ガラス層12以外の部分の低融
点ガラス層12はすべて研削され除去される。しかし、
研掃材がガラス基板11の材料より低硬度のガラスピー
ズであるので、ガラス基板11は研掃材によって研削さ
れない。したがって、結果としてレジスト層13のパタ
ーンの通り、幅50μ、高さ200μの複数のリブ14
が、各リブ14間の間隔100μで平行なストライプ状
に形成される。
【0039】上記のブラスト加工条件は下表のようにな
る。
【0040】
【表1】
【0041】噴射ノズル44から被加工物へ噴射した研
掃材は下方のホッパへ落下し、ホッパの下端から導管5
1内に生じている気流に乗って分離タンク52へ運ば
れ、この分離タンク52内で研掃材の中に混入した10
0μ以上の大きさの異物が除去され、次いで連通管53
を介してサイクロン54へ送給される。なお、ブラスト
加工装置40内の気流は集塵装置62内の排風機により
空気が吸引されて生じる。すなわち、気流は順にホッ
パ、導管51、分離タンク52、連通管53、サイクロ
ン54、ダクト61、集塵装置62へ流れる。前記サイ
クロン54で再使用可能な研掃材と、破砕された研掃材
及び被加工物から研削された低融点ガラス層12の破片
でなる粉塵とを分級する。再使用可能な研掃材はサイク
ロン54の下部に滞留し、一方、前記粉塵はサイクロン
54内の中央を気流に乗って上昇し上部中央に連通する
ダクト61を介して集塵装置62へ送給され、集塵装置
62で集塵され清浄なエアが大気中へ排出される。な
お、サイクロン54の下部に滞留した研掃材はサイクロ
ン54の下端に連結する研掃材タンク55内へ落下す
る。研掃材タンク55内の研掃材は前述したように噴射
ノズル44へ再び供給され噴射される。研掃材は以上の
工程を繰り返して噴射ノズル44から被加工物へ噴射さ
れる。
【0042】図1(e)では、ブラスト加工後の被加工
物の表面に水溶性粉体23を噴射ノズル47から噴射
し、研掃材21を除去する。図1(e)は、被加工物の
表面の上方に配置した2本の噴射ノズル47を横方向へ
走行させている状態を図示しており、水溶性粉体23の
衝突力によりPDPのリブ14間の研掃材21が確実に
はじき出されて除去され、その代わりに噴射された水溶
性粉体23がリブ14間に入り込んだ状態になる。つま
り、研掃材21が水溶性粉体23に入れ替わる。ちなみ
に、水溶性粉体23は本実施例では無水硫酸ナトリウム
を使用しているが、水溶性の物質で成り、被加工物の表
面に付着した研掃材21を除去できる硬度、重量、粒径
等の特性を有する粉体であればよく、硫酸ナトリウム、
硼酸、重曹等の水溶性の物質で成る粉体を水溶性粉体2
3として用いることができる。つまり、水溶性粉体23
が研掃材21に衝突した時に、研掃材21をはじき飛ば
すだけの硬さ、重量、大きさ等の特性を有する水溶性粉
体である。例えば、水溶性粉体23が研掃材21より硬
度が低いものであっても、粒径あるいは重量が大きくて
水溶性粉体23をはじき飛ばすだけの衝突力があればよ
い。したがって、水溶性粉体は研掃材の粒径、重量、硬
度等の特性に応じて選定することができる。
【0043】本実施例では噴射ノズル47は前述したブ
ラスト加工装置40の噴射ノズル44より被加工物の搬
送方向の前方に設けており、噴射ノズル47の下方には
図示せざるホッパを設けている。水溶性粉体23の噴射
及び回収機構は、基本的には前述したブラスト加工装置
40と同様の機構であるが、ホッパ、導管、サイクロン
等の回収タンク、この回収タンクから水溶性粉体23を
噴射ノズル47へ送給する機構、回収タンクから粉塵を
集塵装置へ排出する機構等の基本的な機構で構成され、
前述したブラスト加工装置40より簡単な機構でよい。
【0044】なお、水溶性粉体23の噴射及び回収機構
としては、前述したブラスト加工装置40を併用するこ
ともできるがPDPの生産ラインでは生産効率を上げる
ため上記のようにブラスト加工装置40とは別途設ける
ことが望ましく、また、所謂他のブラスト装置を水溶性
粉体23の噴射及び回収機構として流用して設置するこ
とができ、特に限定されるものではない。
【0045】本実施例では、水溶性粉体23の噴射条件
は下表のようになる。
【0046】
【表2】
【0047】図1(f)では、被加工物はエアーブロー
室46(図2)へ送られる。本実施例ではエアーブロー
室46へ送られる途中、静電気除去装置45で被加工物
の静電気が除去される。エアーブロー室46内では被加
工物の表面に付着した水溶性粉体23を除去するために
ノズルからエアが被加工物に吹き付けられるが、実際に
はエアーブローでは図1(f)に示すようにリブ14間
に入り込んだ水溶性粉体23は残留してしまう状態であ
る。
【0048】このエアーブローの工程では水溶性粉体2
3が被加工物の表面から完全に除去されないが、水溶性
粉体23が少なくなるので次工程の水洗いで水溶性粉体
23を除去するのに容易になるという点で、このエアー
ブローの工程を設けることは好ましい。
【0049】図1(g)では、エアーブロー室46(図
2)を通過して搬送されたPDPは、エアーブロー室4
6より被加工物の搬送方向の前方に設けた洗浄室48
(図2)内で、PDPの表面に水をノズルから噴射して
水洗いをする。リブ14間の水溶性粉体23は全て水に
溶解し水と共に排出される。これにより、PDPに付着
した水溶性粉体23は確実に除去される。
【0050】なお、本実施例ではPDPの生産ライン上
に設けた洗浄室48内で水をノズルから噴射するように
したが、単に流水でPDPの表面上を洗浄したり、ある
いは洗浄室48内に水槽を設け、この水槽内にPDPを
水没して水洗いをするなど、他の方法で水洗することが
できる。また、水溶性粉体23を噴射して研掃材21を
除去した後のPDP〔図1(e)〕、あるいはエアーブ
ロー後のPDP〔図1(f)〕は、別途に設けたノズル
からの噴射流や流水あるいは水槽等の洗浄装置で水洗し
てPDPから水溶性粉体23を溶解し除去することもで
きる。
【0051】図1(h)では、以上のように、ガラス基
板11の表面にリブ14を形成した被加工物は、低融点
ガラスの鉛ガラスが完全に溶融してバインダーが焼却す
る温度まで徐々に加熱することにより、リブ14を構成
する低融点ガラス層12とレジスト層13の各バインダ
ーを完全に燃焼し且つ低融点ガラスを溶解して焼成しリ
ブ14が形成される。なお、リブ14間の間隙に研掃材
が残留していると、この焼成工程の加熱により研掃材が
溶解するなどしてPDPの表面に付着し、製品の性能に
悪影響を及ぼすという事態が生じるが、本発明の除去方
法により研掃材がリブ14間に残留していないので高品
質のPDPが形成される。
【0052】なお、上記の例はPDPの高精細リブをブ
ラスト加工により形成する場合を例にとって、被加工物
のブラスト加工面に付着した研掃材を確実に除去する方
法を説明したが、本発明の被加工物の付着した研掃材の
除去方法はブラスト加工した成品全般に対して広く適用
されるものである。
【0053】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0054】被加工物に研掃材を噴射してブラスト加工
し、この被加工物に水溶性粉体を噴射することにより、
水溶性粉体の衝突力で被加工物に付着した研掃材を除去
し、当該被加工物を水洗いすることにより、被加工物に
付着した水溶性粉体を水に溶解せしめて排出し除去する
ことを特徴とするので、被加工物の加工面が凹凸の間隙
が狭い形状を成す場合であっても、凹部に入り込んで付
着した研掃材を確実に除去する方法を提供できた。
【0055】また、ブラスト加工した被加工物に水溶性
粉体を噴射した後、この被加工物をエアーブローするこ
とにより、被加工物に付着した水溶性粉体の大部分を除
去するため、被加工物に残留した水溶性粉体が少なくな
る。したがって、この被加工物を水洗いすることによ
り、被加工物に残留した水溶性粉体を容易に水に溶解せ
しめて排出し効率よく除去することができた。
【0056】加えて、上述の様に、きわめて高品質のP
DPを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のPDPの製造工程を示す説明
図である。
【図2】本発明の実施例に使用するブラスト加工装置等
を含むPDPの生産ラインを示す正面図である。
【符号の説明】
11 ガラス基板 12 低融点ガラス層 13 レジスト層 14 リブ 15 電極 16 耐ブラスト性低融点ガラスペースト(感光性を有
する) 17 ネガフィルム 18 水溶性樹脂層 21 研掃材21 23 水溶性粉体23 40 ブラスト加工装置 41 本体 42 搬送ローラ 43 ブラスト加工室 44 噴射ノズル 45 静電気除去装置 46 エアーブロー室 47 噴射ノズル47 48 洗浄室48 51 導管 52 分離タンク 53 連通管 54 サイクロン 55 研掃材タンク 56 研掃材噴射量制御機構 57 研掃材自動供給装置 58 異物除去装置 59 研掃材量検知センサー 61 ダクト 62 集塵装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラスト加工した被加工物に水溶性粉体
    を噴射することにより、水溶性粉体の衝突力で被加工物
    に付着した研掃材を除去し、次いで当該被加工物を水洗
    いすることにより、被加工物に付着した水溶性粉体を水
    に溶解せしめて排出し除去することを特徴とする被加工
    物に付着した研掃材の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記被加工物は、基板上の全面に、ブラ
    スト性を有する低融点ガラス層を形成し、該低融点ガラ
    ス層の表面にレシスト層をパターン形成し、前記低融点
    ガラス層の表面側から研掃材を噴射してブラスト加工す
    ることにより、前記レジスト層下層の低融点ガラス層を
    除く低融点ガラス層を研削し除去してリブを形成したも
    のである請求項1記載の被加工物に付着した研掃材の除
    去方法。
  3. 【請求項3】 前記水溶性粉体は、硫酸ナトリウム、硼
    酸、重曹等の水溶性の物質で成る粉体である請求項1又
    は2記載の被加工物に付着した研掃材の除去方法。
  4. 【請求項4】 前記水溶性粉体は、当該水溶性粉体の衝
    突力で被加工物に付着した研掃材を除去可能な硬度、重
    量、粒径等の特性を有する粉体で成る請求項1,2又は
    3記載の被加工物に付着した研掃材の除去方法。
  5. 【請求項5】 ブラスト加工した被加工物に水溶性粉体
    を噴射した後、この被加工物をエアーブローして被加工
    物に付着した水溶性粉体の大部分を除去し、次いでこの
    被加工物を水洗いした請求項1,2,3又は4記載の被
    加工物に付着した研掃材の除去方法。
  6. 【請求項6】 前記水溶性粉体は平均粒径10〜35μ
    であり、この水溶性粉体を噴射圧力1.0〜3.0kg
    /cm2 で、噴射量5〜30g/minで噴射した請求
    項1,2,3,4又は5記載の被加工物に付着した研掃
    材の除去方法。
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