JPH09152703A - 発色現像主薬、ハロゲン化銀写真感光材料および画像形成方法 - Google Patents

発色現像主薬、ハロゲン化銀写真感光材料および画像形成方法

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JPH09152703A
JPH09152703A JP33420595A JP33420595A JPH09152703A JP H09152703 A JPH09152703 A JP H09152703A JP 33420595 A JP33420595 A JP 33420595A JP 33420595 A JP33420595 A JP 33420595A JP H09152703 A JPH09152703 A JP H09152703A
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group
layer
silver
emulsion
developing agent
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JP33420595A
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English (en)
Inventor
Kensuke Morita
健介 森田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像時に、イエロー、マゼンタおよびシアン
の十分な濃度と良好な色相の発色が得られる新規な発色
現像主薬を提供する。 【解決方法】 下記一般式(I)で表される発色現像主
薬。 一般式(I) 【化1】 式中、Qは炭素原子とともに不飽和の環を形成する非金
属原子群を表す。Zはアシル基、カルバモイル基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ス
ルホニル基、スルファモイル基、アミジノ基またはイミ
ドイル基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な発色現像主薬
を使用するハロゲン化銀写真感光材料および新規な画像
形成法に関するものであり、特に現像時の発色性が良好
であるハロゲン化銀写真感光材料および画像形成法に関
する。
【0002】
【従来の技術】カラー写真感光材料においては、該材料
に露光を与えた後、発色現像することにより、酸化され
た発色現像主薬とカプラーとが反応し、画像が形成され
る。この方式においては減色法による色再現法が用いら
れ、青、緑および赤を再現するためにはそれぞれ補色の
関係にあるイエロー、マゼンタおよびシアンの色画像が
形成される。
【0003】発色現像は、露光されたカラー写真感光材
料を発色現像主薬を溶解したアルカリ水溶液(現像液)
中に浸漬することで達成される。しかし、アルカリ水溶
液とした発色現像主薬は不安定で経時劣化を起こしやす
く、安定した現像性能を維持するには現像液を頻繁に補
充する必要があるという問題がある。また、現像主薬を
含んだ使用済みの現像液は廃棄処理が必要であり、上述
の頻繁な補充とあいまって、大量に排出される使用済み
の現像液の処理は大きな問題となっている。このよう
に、現像液の低補充、低排出の達成が強く求められてい
る。
【0004】現像液の低補充、低排出を解決する有効な
手段の一つとしては、芳香族第一級アミン現像主薬また
はその前駆体を親水性コロイド層中に内蔵する方法があ
り、内蔵可能な現像主薬としては、例えば、米国特許第
803,783号、同3,342,597号、同3,7
19,492号、同4,060,418号、英国特許第
1,069,061号、***特許1,159,758
号、特公昭58−14,671号、同58−14,67
2号、特開昭57−76,543号、同59−81,6
43号等に記載の化合物が挙げられる。しかし、これら
の芳香族第一級アミン現像主薬またはその前駆体を内蔵
したカラー写真感光材料は発色現像時に十分な発色が得
られにくいという欠点を有している。今一つ有効な手段
はスルホニルヒドラジン型現像主薬を親水性コロイド中
に内蔵する方法であり、内蔵可能な現像主薬としては、
例えば、欧州特許第545,491A1号、同第56
5,165A1号等に記載の化合物が挙げられる。しか
し、ここで化合物例に挙げられている現像主薬でも、ま
だ発色現像時に十分な発色が得られず、また、このスル
ホニルヒドラジン型現像主薬は活性位置換型カプラーを
使用した場合にはほとんど発色しないという問題があっ
た。活性位置換型カプラーは活性位無置換型カプラーに
比べて、カプラー由来のステインを低減できる、カプラ
ーの活性調節が容易であるなどの長所がある。従って、
内蔵しても現像時に十分な発色が得られ、かつ、活性位
置換型カプラーを使用しても発色性の良好な画像が得ら
れる現像主薬が強く望まれていた。また前記特許の化合
物例に挙げられている現像主薬では、良好な色相を有す
るシアン色素を生成できないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は新規な
発色現像主薬を使用することにより、現像時に、イエロ
ー、マゼンタ、およびシアンの十分な濃度と良好な色相
の発色が得られ、かつ、活性位置換型カプラーを使用し
ても発色性が良好で堅牢性の良い画像が得られるハロゲ
ン化銀写真感光材料および画像形成方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
構成により達成できた。 (1)一般式(I)で表されることを特徴とする発色現
像主薬。 (2)支持体上に設けられた少なくとも1層の親水性コ
ロイド層中に下記一般式(I)で表される化合物を含有
することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。好ま
しくは、カプラーを含有している。 (3)(2)の感光材料を50〜200℃で加熱処理す
ることによって現像を行うことを特徴とする画像形成方
法。 (4)像露光されたハロゲン化銀写真感光材料を一般式
(I)で表される発色現像主薬の存在下に現像すること
を特徴とする画像形成方法。 (5)(2)の感光材料を溶液中で現像することを特徴
とする画像形成方法。 (6)感光材料を露光後、一般式(I)で表される発色
現像主薬を含有する処理液で処理することを特徴とする
画像形成方法。 一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】式中、Qは炭素原子とともに不飽和の環を
形成する非金属原子群を表す。Zはアシル基、カルバモ
イル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、スルホニル基、スルファモイル基、アミジノ
基またはイミドイル基を表す。
【0009】一般式(I)で表される発色現像主薬は、
好ましくは一般式(II)または一般式(III)で表され
る。 一般式(II)
【0010】
【化6】
【0011】式中、Qは炭素原子とともに不飽和の環を
形成する非金属原子群を表す。R1〜R2 は水素原子ま
たは置換基を表す。
【0012】一般式(III)
【0013】
【化7】
【0014】式中、X1 〜X4 は水素原子または置換基
を表す。Zはアシル基、カルバモイル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル
基、スルファモイル基、アミジノ基またはイミドイル基
を表す。
【0015】一般式(II)または一般式(III)で表され
る発色現像主薬は、さらに好ましくは一般式(IV)で表
される。 一般式(IV)
【0016】
【化8】
【0017】式中、X1 〜X4 は水素原子または置換基
を表す。R1 〜R2 は水素原子または置換基を表す。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る一般式(I)
で表される化合物について詳しく述べる。一般式(I)
において、Qは炭素原子とともに5〜8員の不飽和の環
を形成する非金属原子群であり、好ましくは5〜6員の
芳香族環を形成する非金属原子群である。Qおよび一般
式(I)に示されたイソチアゾリル環によって形成され
る縮合環の具体例としては、下記のものが挙げられる。
【0019】
【化9】
【0020】これらの縮合環のなかで、好ましいのは
(HC−1),(HC−8),(HC−5),(HC−
11)であり、さらに好ましいのは、(HC−1)であ
る。
【0021】Qおよび炭素原子で形成される環は置換基
を有していてもよく、ここで置換基の例としては、炭素
数1〜50の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルキ
ル基(例えば、トリフルオロメチル、メチル、エチル、
プロピル、ヘプタフルオロプロピル、イソプロピル、ブ
チル、t−ブチル、t−ペンチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシ
ル等)、炭素数2〜50の直鎖または分岐、鎖状または
環状のアルケニル基(例えばビニル、1−メチルビニ
ル、シクロヘキセン−1−イル等)、総炭素数2〜50
のアルキニル基(例えば、エチニル、1−プロピニル
等)、炭素数6〜50のアリール基(例えば、フェニ
ル、ナフチル、アントリル等)、炭素数1〜50のアシ
ルオキシ基(例えば、
【0022】アセトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベ
ンゾイルオキシ等)、炭素数1〜50のカルバモイルオ
キシ基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ
等)、炭素数1〜50のカルボンアミド基(例えば、ホ
ルムアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、
N−メチルホルムアミド、ベンツアミド等)、炭素数1
〜50のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンア
ミド、ドデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミ
ド、p−トルエンスルホンアミド等)、炭素数1〜50
のカルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル、
N,N−ジエチルカルバモイル、N−メシルカルバモイ
ル等)、炭素数0〜50のスルファモイル基(例えば、
N−ブチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファ
モイル、N−メチル−N−(4−メトキシフェニル)ス
ルファモイル等)、炭素数1〜50のアルコキシ基(例
えば、メトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、オクチ
ルオキシ、t−オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシ
等)、炭素数6〜50のアリールオキシ基(例えば、フ
ェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシ等)、
炭素数7〜50のアリールオキシカルボニル基(例え
ば、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル
等)、
【0023】炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基
(例えば、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル等)、炭素数1〜50のN−アシルスルファモイル基
(例えば、N−テトラデカノイルスルファモイル、N−
ベンゾイルスルファモイル等)、炭素数1〜50のアル
キルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクチ
ルスルホニル、2−メトキシエチルスルホニル、2−ヘ
キシルデシルスルホニル等)、炭素数6〜50のアリー
ルスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、p−ト
ルエンスルホニル、4−フェニルスルホニルフェニルス
ルホニル等)、炭素数2〜50のアルコキシカルボニル
アミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ等)、炭
素数7〜50のアリールオキシカルボニルアミノ基(例
えば、フェノキシカルボニルアミノ、ナフトキシカルボ
ニルアミノ等)、炭素数0〜50のアミノ基(例えばア
ミノ、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピル
アミノ、アニリノ、モルホリノ等)、シアノ基、ニトロ
基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、スルホ基、メルカ
プト基等)、炭素数1〜50のアルキルスルフィニル基
(例えば、メタンスルフィニル、オクタンスルフィニル
等)、炭素数6〜50のアリールスルフィニル基(例え
ば、ベンゼンスルフィニル、4−クロロフェニルスルフ
ィニル、p−トルエンスルフィニル等)、炭素数1〜5
0のアルキルチオ基(例えば、
【0024】メチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシ
ルチオ等)、炭素数6〜50のアリールチオ基(例え
ば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、炭素数1〜50
のウレイド基(例えば、3−メチルウレイド、3,3−
ジメチルウレイド、1,3−ジフェニルウレイド等)、
炭素数2〜50のヘテロ環基(ヘテロ原子としては例え
ば、窒素、酸素およびイオウ等を少なくとも1個以上含
み、3ないし12員環の単環、縮合環で、例えば、2−
フリル、2−ピラニル、2−ピリジル、2−チエニル、
2−イミダゾリル、モルホリノ、2−キノリル、2−ベ
ンツイミダゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ
オキサゾリル等)、炭素数1〜50のアシル基(例え
ば、アセチル、ベンゾイル、トルフルオロアセチル
等)、炭素数0〜50のスルファモイルアミノ基(例え
ば、N−ブチルスルファモイルアミノ、N−フェニルス
ルファモイルアミノ等)、炭素数3〜50のシリル基
(例えば、トリメチルシリル、ジメチル−t−ブチルシ
リル、トリフェニルシリル等)、ハロゲン原子(例え
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)が挙げられ
る。これらの置換基は互いに結合して縮合環を形成して
も良い。上記の置換基はさらに置換基を有していてもよ
く、その置換基の例としてはここで挙げた置換基が挙げ
られる。
【0025】置換基の炭素数に関しては50以下が好ま
しいが、より好ましくは42以下であり、最も好ましく
は34以下である。また、1以上が好ましい。
【0026】一般式(I)においてZはアシル基、カル
バモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基、スルホニル基、スルファモイル基、アミ
ジノ基またはイミドイル基を表す。このアシル基として
は、炭素数1〜50のアシル基が好ましく、より好まし
くは炭素数は2〜40である。具体的な例としては、ア
セチル基、2−メチルプロパノイル基、シクロヘキシル
カルボニル基、n−オクタノイル基、2−ヘキシルデカ
ノイル基、ドデカノイル基、クロロアセチル基、トリフ
ルオロアセチル基、ベンゾイル基、4−ドデシルオキシ
ベンゾイル基、2−ヒドロキシメチルベンゾイル基、3
−(N−ヒドロキシ−N−メチルアミノカルボニル)プ
ロパノイル基が挙げられる。Zがカルバモイル基である
場合に関しては一般式(II)で詳述する。
【0027】アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基としては炭素数2〜50のアルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基が好ましく、よ
り好ましくは炭素数は2〜40である。具体的な例とし
ては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
イソブチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシ
カルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、ベンジル
オキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、4−オ
クチルオキシフェノキシカルボニル基、2−ヒドロキシ
メチルフェノキシカルボニル基、2−ドデシルオキシフ
ェノキシカルボニル基などが挙げられる。
【0028】スルホニル基としては、炭素数1〜50の
スルホニル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4
0である。具体的な例としては、メタンスルホニル、ベ
ンゼンスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert
−オクチルフェニルスルホニル、ドデシルスルホニルな
どである。スルファモイル基としては炭素数0〜50の
スルファモイル基が好ましく、より好ましくは炭素数0
〜40のスルファモイル基である。
【0029】アミジノ基、イミドイル基としては、炭素
数1〜50のアミジノ基、イミドイル基が好ましく、よ
り好ましくは炭素数1〜40のアミジノ基、イミドイル
基である。Zがカルバモイル基の場合、一般式(I)の
現像主薬は一般式(II)で表すことができる。一般式
(II)のR1 、R2 は水素原子または置換基を表し、置
換基の具体例としては、前に環上の置換基について述べ
たものと同じ意味を表すが、好ましくは水素原子または
炭素数1〜50のアルキル基(置換もしくは無置換のも
の)、炭素数6〜50のアリール基(置換もしくは無置
換のもの)、炭素数1〜50のヘテロ環基(置換もしく
は無置換のもの)であり、さらに好ましくは炭素数1〜
50のアルキル基である。これらのアルキル基、アリー
ル基、ヘテロ環基は置換基を有していてもよく、置換基
の例としては前記の環上の置換基について述べたものと
同じものが挙げられる。また、好ましくはR1 、R2
少なくとも一方は水素原子である。
【0030】Zとして特に好ましいのはカルバモイル基
である。
【0031】本発明において、一般式(I)の主薬を感
光材料に内蔵させる場合には、QまたはZの少なくとも
1つの基にバラスト基つまりその現像主薬を易溶化(高
沸点有機溶剤に溶解しやすく、また乳化分散後も析出し
にくい)、不動化(親水性コロイド中を拡散しない)す
るための炭素数5〜50(好ましくは8〜40)の基を
有していることが好ましい。また、処理液中に含有させ
る場合には、QまたはZの少なくとも1つの基に親水基
つまりその現像主薬を処理液中に溶解しやすくするため
の極性基(例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
スルホンアミド基、イミド基、スルホ基)を有している
ことが好ましい。
【0032】本発明の好ましい態様としてはさらに下記
のものがある。 (1)一般式(I)で表される発色現像主薬を含有する
ことを特徴とする拡散転写型ハロゲン化銀カラー写真感
光材料。 (2)上記(1)の感光材料を熱現像することを特徴と
する画像形成方法。 (3)本発明に係る感光材料を処理液で処理する場合
に、処理液中に本発明の発色現像主薬を含有しない態
様。
【0033】つぎに本発明で用いられる新規な発色現像
主薬を具体的に示すが、本発明の範囲はこれら具体例に
限定されるものではない。
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】次に具体的合成例を示す。 合成例1 例示化合物(D−2)の合成 下記合成経路により合成した。
【0046】
【化21】
【0047】(2−a)の合成 o−トルイジン80.1g(0.75モル)とキシレン
360mlを反応容器に入れ、攪はんしながら、塩化チ
オニル192ml(2.63モル)を滴下した。140
℃のオイルバス中で20時間攪はんした後、塩化チオニ
ル300ml(4.11モル)を加え、140℃のオイ
ルバス中でさらに24時間加熱した。室温まで放冷し、
濃塩酸1.2リットルを加え1時間攪はんした後、分液
して水層を得た。水層をヘキサン300mlで洗浄した
後、氷水4.8リットルを加え、酢酸エチル1.5リッ
トルで2回抽出した。有機層を1リットルの水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮した。メ
タノールから晶析し(2−a)16.5g(11%)を
得た。
【0048】(2−b)の合成 (2−a)9.5g(46.6ミリモル)をエタノール
25mlに溶解し、ヒドラジン一水和物9.3g(18
6ミリモル)を加えた。内温70℃で1時間攪はんした
後、氷水100mlに注ぎ、析出した結晶をろ取した。
結晶を水洗いして、乾燥させ、(2−b)6.9g(7
4%)を得た。
【0049】例示化合物(D−2)の合成 (2−b)5.0g(25.0ミリモル)をテトラヒド
ロフラン40mlに溶解させ、オクタデシルイソシアネ
ート11.3g(37.6ミリモル)を加え、1時間加
熱還流した。反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムク
ロマトで精製し、例示化合物(D−2)6.4g(51
%)を得た。
【0050】合成例2 例示化合物(D−11)の合成 下記合成経路により合成した。
【0051】
【化22】
【0052】(11−b)の合成 米国特許第4081435号に記載の方法で合成した
(11−a)10g(66.1ミリモル)を30mlの
リン酸に溶解し、氷冷しながら亜硝酸ナトリウム9.1
g(132ミリモル)を加え、氷冷しながら20分間攪
はんした。5規定塩酸100mlに塩化第一銅650m
g(6.6ミリモル)を溶解させた水溶液を室温で攪は
んしている所へ反応液を注いだ。室温で1時間攪はんし
た後、2規定水酸化ナトリウムで弱アルカリ性にし、酢
酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで脱水した後、減圧濃縮した。カラムクロマ
トで精製した後に濃縮して、油状物として(11−b)
6.2g(55%)を得た。
【0053】(11−c)の合成 (11−b)6.0g(35.2ミリモル)をエタノー
ル25mlに溶解し、ヒドラジン一水和物7.0g(1
41ミリモル)を加えた。内温70℃で1時間攪はんし
た後、氷水100mlに注ぎ、析出した結晶をろ取し
た。結晶を水洗いして、乾燥させ、(11−c)4.1
g(70%)を得た。
【0054】例示化合物(D−11)の合成 (11−c)4.0g(23.9ミリモル)をテトラヒ
ドロフラン40mlに溶解させ、イソシアネート(11
−d)11.4g(35.9ミリモル)を加え、1時間
加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラム
クロマトで精製し、例示化合物(D−11)6.7g
(58%)を得た。
【0055】本発明の発色現像主薬は酸化カップリング
反応によって色素を形成する化合物(カプラー)ととも
に使用する。このカプラーは4当量カプラーであっても
2当量カプラーであっても良いが、本発明では2当量カ
プラーが好ましい。カプラーの具体例は、4当量、2当
量の両者ともセオリー・オブ・フォトグラフィック・プ
ロセス(4th.Ed.,T.H.James編集,M
acmillan,1977)291〜334頁、およ
び354〜361頁、特開昭58−12353号、同5
8−149046号、同58−149047号、同59
−11114号、同59−124399号、同59−1
74835号、同59−231539号、同59−23
1540号、同60−2951号、同60−14242
号、同60−23474号、同60−66249号など
に詳しく記載されている。
【0056】本発明に好ましく用いられるカプラーの例
を以下に列挙する。
【0057】本発明に好ましく使用されるカプラーとし
ては、以下の一般式(1)〜(12)に記載するような
構造の化合物がある。これらはそれぞれ一般に活性メチ
レン、ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、ナ
フトール、ピロロトリアゾールと総称される化合物であ
り、写真工業分野で公知の化合物である。
【0058】
【化23】
【0059】
【化24】
【0060】
【化25】
【0061】一般式(1)〜(4)は活性メチレン系カ
プラーと称されるカプラーを表し、式中R14は置換基を
有しても良いアシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール
基、ヘテロ環残基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基であ
る。
【0062】一般式(1)〜(3)において、R15は置
換基を有しても良いアルキル基、アリール基またはヘテ
ロ環残基である。一般式(4)においてR16は置換基を
有しても良いアリール基またはヘテロ環残基である。R
14、R15、R16が有しても良い置換基としては、一般式
(I)の環上の置換基の例として述べたものが挙げられ
る。
【0063】一般式(1)〜(4)において、Yは水素
原子または前述の一般式(I)〜(IV)で表される化
合物の酸化体とのカップリング反応により脱離可能な基
である。Yの例として、ヘテロ環基(ヘテロ原子として
は窒素、酸素、イオウ等を少なくとも一個含み、飽和ま
たは不飽和の5〜7員環の単環もしくは縮合環であり、
例としては、スクシンイミド、マレインイミド、フタル
イミド、ジグリコールイミド、ピロール、ピラゾール、
イミダゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾー
ル、インドール、ベンゾピラゾール、ベンツイミダゾー
ル、ベンゾトリアゾール、イミダゾリン−2,4−ジオ
ン、オキサゾリジン−2,4−ジオン、チアゾリジン−
2,4−ジオン、イミダゾリジン−2−オン、オキサゾ
リン−2−オン、チアゾリン−2−オン、ベンツイミダ
ゾリン−2−オン、ベンゾオキサゾリン−2−オン、ベ
ンゾチアゾリン−2−オン、2−ピロリン−5−オン、
2−イミダゾリン−5−オン、インドリン−2,3−ジ
オン、2,6−ジオキシプリン、パラバン酸、1,2,
4−トリアゾリジン−3,5−ジオン、2−ピリドン、
4−ピリドン、2−ピリミドン、6−ピリダゾン、2−
ピラゾン、2−アミノ−1,3,4−チアゾリジン、2
−イミノ−1,3,4−チアゾリジン−4−オン等)、
ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子等)、アリ
ールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ
等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、ピリジルオキシ、ピ
ラゾリルオキシ等)、アシルオキシ基(例えば、アセト
キシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシ基(例えば、
メトキシ、ドデシルオキシ等)、カルバモイルオキシ基
(例えば、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モル
ホリノカルボニルオキシ等)、アリールオキシカルボニ
ルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ
等)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキ
シカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ等)モ
アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ
等)、ヘテロ環チオ基(例えば、テトラゾリルチオ、
1,3,4−チアジアゾリルチオ、1,3,4−オキサ
ジアゾリルチオ、ベンツイミダゾリルチオ等)、アルキ
ルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、ヘキサ
デシルチオ等)、アルキルスルホニルオキシ基(例え
ば、メタンスルホニルオキシ等)、アリールスルホニル
オキシ基(例えば、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエ
ンスルホニルオキシ等)、カルボンアミド基(例えば、
アセタミド、トリフルオロアセタミド等)、スルホンア
ミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスル
ホンアミド等)、アルキルスルホニル基(例えば、メタ
ンスルホニル等)、アリールスルホニル基(例えば、ベ
ンゼンスルホニル等)、アルキルスルフィニル基(例え
ば、メタンスルフィニル等)、アリールスルフィニル基
(例えば、ベンゼンスルフィニル等)、アリールアゾ基
(例えば、フェニルアゾ、ナフチルアゾ等)、カルバモ
イルアミノ基(例えば、N−メチルカルバモイルアミノ
等)などである。
【0064】Yは置換基により置換されていても良く、
Yを置換する置換基の例としては一般式(I)の環上の
置換基の例で述べたものが挙げられる。
【0065】Yは好ましくは、水素原子、ハロゲン原
子、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキ
シ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシ
カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基である。
【0066】一般式(1)〜(4)において、R14とR
15、R14とR16は互いに結合して環を形成しても良い。
【0067】一般式(5)は5−ピラゾロン系カプラー
と称されるカプラーを表し、式中、R17はアルキル基、
アリール基、アシル基またはカルバモイル基を示す。R
18はフェニル基または1個以上のハロゲン原子、アルキ
ル基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル
基またはアシルアミノ基が置換したフェニル基を表す。
【0068】一般式(5)で表される5−ピラゾロン系
カプラーの中でもR17がアリール基またはアシル基、R
18が1個以上のハロゲン原子が置換したフェニル基のも
のが好ましい。
【0069】これらの好ましい基について詳しく述べる
と、R17はフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メ
トキシフェニル基、2−クロロ−5−テトラデカンアミ
ドフェニル基、2−クロロ−5−(3−オクタデセニル
−1−スクシンイミド)フェニル基、2−クロロ−5−
オクタデシルスルホンアミドフェニル基または2−クロ
ロ−5−〔2−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェ
ノキシ)テトラデカンアミド〕フェニル基等のアリール
基またはアセチル基、2−(2,4−ジ−t−ペンチル
フェノキシ)ブタノイル基、ベンゾイル基、3−(2,
4−ジ−t−アミルフェノキシアセトアミド)ベンゾイ
ル基等のアシル基であり、これらの基はさらに置換基を
有しても良く、それらは炭素原子、酸素原子、窒素原子
またはイオウ原子で連結する有機置換基またはハロゲン
原子である。Yについては前述したものと同じ意味であ
る。
【0070】R18は2,4,6−トリクロロフェニル
基、2,5−ジクロロフェニル基、2−クロロフェニル
基等の置換フェニル基が好ましい。
【0071】一般式(6)はピラゾロアゾール系カプラ
ーと称されるカプラーを表し、式中、R19は水素原子ま
たは置換基を表す。Q3 は窒素原子を2〜4個含む5員
のアゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を表
し、該アゾール環は置換基(縮合環を含む)を有しても
良い。
【0072】一般式(6)で表されるピラゾロアゾール
系カプラーの中でも、発色色素の分光吸収特性の点で、
米国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ
〔1,2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,500,
654号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕−1,2,4
−トリアゾール類、米国特許第3,725,067号に
記載のピラゾロ〔5,1−c〕−1,2,4−トリアゾ
ール類が好ましい。
【0073】置換基R19、Q3 で表されるアゾール環の
置換基の詳細については、例えば、米国特許第4,54
0,654号明細書中の第2カラム第41行〜第8カラ
ム第27行に記載されている。好ましくは特開昭61−
65245号に記載されているような分岐アルキル基が
ピラゾロトリアゾール基の2、3または6位に直結した
ピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−65245号
に記載されている分子内にスルホンアミド基を含んだピ
ラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254号
に記載されているアルコキシフェニルスルホンアミドバ
ラスト基を持つピラゾロアゾールカプラー、特開昭62
−209457号もしくは同63−307453号に記
載されている6位にアルコキシ基やアリールオキシ基を
持つピラゾロトリアゾールカプラー、および特願平1−
22279号に記載されている分子内にカルボンアミド
基を持つピラゾロトリアゾールカプラーである。Yに関
しては前述したものと同じ意味を表す。
【0074】一般式(7)、(8)はそれぞれフェノー
ル系カプラー、ナフトール系カプラーと称されるカプラ
ーであり、式中、R20は水素原子または−CONR22
23、−SO2 NR2223、−NHCOR22、−NHCO
NR2223、−NHSO2 NR2223から選ばれる基を
表す。R22、R23は水素原子または置換基を表す。一般
式(7)、(8)において、R21は置換基を表し、1は
0〜2から選ばれる整数、mは0〜4から選ばれる整数
を表す。1、mが2以上の時にはR21はそれぞれ異なっ
ていても良い。R21〜R23の置換基としては前記一般式
(I)の環上の置換基の例として述べたものが挙げられ
る。Yに関しては前述のものと同じ意味を表す。
【0075】一般式(7)で表されるフェノール系カプ
ラーの好ましい例としては、米国特許第2,369,9
29号、同第2,801,171号、同第2,772,
162号、同第2,895,826号、同第3,77
2,002号等に記載の2−アシルアミノ−5−アルキ
ルフェノール系、米国特許第2,772,162号、同
第3,758,308号、同第4,126,396号、
同第4,334,011号、同第4,327,173
号、***特許公開第3,329,729号、特開昭59
−166956号等に記載の2,5−ジアシルアミノフ
ェノール系、米国特許第3,446,622号、同第
4,333,999号、同第4,451,559号、同
第4,427,767号等に記載の2−フェニルウレイ
ド−5−アシルアミノフェノール系を挙げることができ
る。Yに関しては前述したものと同じである。
【0076】一般式(8)で表されるナフトールカプラ
ーの好ましい例としては、米国特許第2,474,29
3号、同第4,052,212号、同第4,146,3
96号、同第4,282,233号、同第4,296,
200号等に記載の2−カルバモイル−1−ナフトール
系および米国特許第4,690,889号等に記載の2
−カルバモイル−5−アミド−1−ナフトール系等を挙
げることができる。Yに関しては前述したものと同じで
ある。
【0077】一般式(9)〜(12)はピロロトリアゾ
ールと称されるカプラーであり、R32、R33、R34は水
素原子または置換基を表す。Yについては前述したとお
りである。R32、R33、R34の置換基としては、前記一
般式(I)の環上の置換基の例として述べたものが挙げ
られる。一般式(9)〜(12)で表されるピロロトリ
アゾール系カプラーの好ましい例としては、欧州特許第
488,248A1号、同第491,197A1号、同
第545,300号に記載のR32、R33の少なくとも一
方が電子吸引性基であるカプラーが挙げられる。Yに関
しては前述したものと同じである。
【0078】その他縮環フェノール、イミダゾール、ピ
ロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチレン、活性
メチン、5,5−縮環複素環、5,6−縮環複素環とい
った構造を有するカプラーが使用できる。
【0079】縮環フェノール系カプラーとしては米国特
許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーを使
用できる。
【0080】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0081】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0082】活性メチレン、活性メチン系カプラーとし
ては米国特許第5,104,783号、同第5,16
2,196号等に記載のカプラーが使用できる。
【0083】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0084】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0085】本発明には前述のカプラー以外に、***特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同64−32261号、特
開平2−297547号、同2−44340号、同2−
110555号、同3−7938号、同3−16044
0号、同3−172839号、同4−172447号、
同4−179949号、同4−182645号、同4−
184437号、同4−188138号、同4−188
139号、同4−194847号、同4−204532
号、同4−204731号、同4−204732号等に
記載されているカプラーも使用できる。
【0086】本発明に使用できるカプラーの具体例を以
下に示すが、本発明はもちろんこれによって限定される
わけではない。
【0087】
【化26】
【0088】
【化27】
【0089】
【化28】
【0090】
【化29】
【0091】
【化30】
【0092】
【化31】
【0093】
【化32】
【0094】
【化33】
【0095】
【化34】
【0096】
【化35】
【0097】
【化36】
【0098】
【化37】
【0099】
【化38】
【0100】
【化39】
【0101】
【化40】
【0102】
【化41】
【0103】本発明で使用するカプラーの添加量は、そ
のモル吸光係数(ε)にもよるが、反射濃度で1.0以
上の画像濃度を得るためには、カップリングにより生成
する色素のεが5000〜500000程度のカプラー
の場合、塗布量として0.001〜100ミリモル/m
2 、好ましくは0.01〜10ミリモル/m2 、さらに
好ましくは0.05〜5ミリモル/m2 程度が適当であ
る。
【0104】本発明の発色現像主薬を感光材料中に含有
させる場合は、いずれの層(例、乳剤層、中間層など)
でもよい。好ましくは、乳剤層に含有させる。また、乳
剤層が複数ある場合には、すべての層に含有させること
が好ましい。本発明の発色現像主薬の添加量としては、
カプラーに対して0.01〜100倍、好ましくは0.
1〜10倍、さらに好ましくは0.2〜5倍である。ま
た、感光材料に含有させる代りに処理液中に含有させて
用いることもできる。この場合、好ましくは1リットル
当り0.1g〜100g、より好ましくは1g〜20g
含有させる。
【0105】本発明においては補助現像主薬を好ましく
用いることができる。ここで補助現像主薬とはハロゲン
化銀現像の現像過程において、発色現像主薬からハロゲ
ン化銀への電子の移動を促進する作用を有する物質を意
味し、本発明における補助現像主薬は好ましくは一般式
(B−1)または一般式(B−2)で表されるケンダー
ル−ペルツ則に従う電子放出性の化合物である。この中
で(B−1)で表されるものが特に好ましい。
【0106】
【化42】
【0107】一般式(B−1)、(B−2)において、
51〜R54は水素原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。
【0108】R55〜R59は水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、シクロア
ルキルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アニ
リノ基、ヘテロ環アミノ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、ヘテロ環チオ基、シリル基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、アルコキシカルボニルオキシ基、シクロアル
キルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボ
ニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイル
オキシ基、アルカンスルホニルオキシ基、アレーンスル
ホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、ウレ
イド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア
リールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、
スルファモイルアミノ基、アルキルスルフィニル基、ア
レーンスルフィニル基、アルカンスルホニル基、アレー
ンスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、ホスフ
ィノイル基、ホスフィノイルアミノ基を表す。
【0109】qは0〜5の整数を表し、qが2以上のと
きにはR55はそれぞれ異なっていても良い。R60はアル
キル基、アリール基を表す。
【0110】一般式(B−1)または(B−2)で表さ
れる化合物を具体的に示すが、本発明に用いられる補助
現像主薬はこれら具体例に限定されるものではない。
【0111】
【化43】
【0112】
【化44】
【0113】
【化45】
【0114】本発明においては一般式(A)で表される
ような処理時に写真的に有用な基を放出するブロックさ
れた写真用試薬を用いることができる。
【0115】一般式(A) A−(L)n−PUG
【0116】Aは現像処理時に(L)n−PUGとの結
合が開裂するブロック基を表し、Lは一般式(A)にお
けるLの左側の結合が開裂した後、Lの右側の結合が開
裂する連結基を表し、nは0〜3の整数を表し、PUG
は写真有用基を表す。
【0117】以下に一般式(A)で表される基について
説明する。Aで表されるブロック基としては、すでに知
られている以下のものを適用できる。すなわち、特公昭
48−9968号、特開昭52−8828号、同57−
82834号、米国特許第3,311,476号、およ
び特公昭47−44805号(米国特許第3,615,
617号)等に記載されているアシル基、スルホニル基
等のブロック基、特公昭55−17369号(米国特許
第3,888,677号)、同55−9696号(米国
特許第3,791,830号)、同55−34927号
(米国特許第4,009,029号)、特開昭56−7
7842号(米国特許第4,307,175号)、同5
9−105640号、同59−105641号、および
同59−105642号等に記載されている逆マイケル
反応を利用するブロック基、特公昭54−39727
号、米国特許第3,674,478号、同3,932,
480号、同3,993,661号、特開昭57−13
5944号、同57−135,945号(米国特許第
4,420,554号)、同57−136640号、同
61−196239号、同61−196240号(米国
特許第4,702,999号)、同61−185743
号、同61−124941号(米国特許第4,639,
408号)および特開平2−280140号等に記載さ
れている分子内電子移動によりキノンメチドまたはキノ
ンメチド類似の化合物の生成を利用するブロック基、米
国特許第4,358,525号、同4,330,617
号、特開昭55−53330号(米国特許第4,31
0,612号)、同59−121328号、同59−2
18439号、および同63−318555号(欧州公
開特許第0295729号)等に記載されている分子内
求核置換反応を利用するブロック基、特開昭57−76
541号(米国特許第4,335,200号)、同57
−135949号(米国特許第4,350,752
号)、同57−179842号、同59−137945
号、同59−140445号、同59−219741
号、同59−202459号、同60−41034号
(米国特許第4,618,563号)、同62−599
45号(米国特許第4,888,268号)、同62−
65039号(米国特許第4,772,537号)、同
62−80647号、特開平3−236047号および
同3−238445号等に記載されている5員または6
員環の環開裂を利用するブロック基、特開昭59−20
1057号(米国特許第4,518,685号)、同6
1−95346号(米国特許第4,690,885
号)、同61−95347号(米国特許第4,892,
811号)、特開昭64−7035号、特開昭64−4
2650号(米国特許第5,066,573号)、特開
平1−245255号、同2−207249号、同2−
235055号(米国特許第5,118,596号)お
よび同4−186344号等に記載されている共役不飽
和結合への求核剤の付加反応を利用するブロック基、
【0118】特開昭59−93442号、同61−32
839号、同62−163051号および特公平5−3
7299号等に記載されているβ−脱離反応を利用する
ブロック基、特開昭61−188540号に記載されて
いるジアリールメタン類の求核置換反応を利用したブロ
ック基、特開昭62−187850号に記載されている
ロッセン転位反応を利用したブロック基、特開昭62−
80646号、同62−144163号および同62−
147457号に記載されているチアゾリジン−2−チ
オンのN−アシル体とアミン類との反応を利用したブロ
ック基、特開平2−296240号(米国特許第5,0
19,492号)、同4−177243号、同4−17
7244号、同4−177245号、同4−17724
6号、同4−177247号、同4−177248号、
同4−177249号、同4−179948号、同4−
184337号、同4−184338号、国際公開特許
92/21064号、特開平4−330438号、国際
公開特許93/03419号および特開平5−4581
6号に記載されている、2個の求電子基を有して二求核
剤と反応するブロック基、特開平3−236047号お
よび同3−238445号を挙げることができる。
【0119】一般式(A)で表される化合物においてL
で表される基は現像処理時Aで表される基より離脱した
後、(L)n−1−PUGを開裂することが可能な連結
基であればどんなものであっても良い。例えば、米国特
許第4,146,396号、同第4,652,516号
または同4,698,297号に記載のあるヘミアセチ
ルタール環の開裂を利用する基、米国特許第4,24
8,962号、同第4,847,185号または同第
4,857,440号に記載のある分子内求核置換反応
を起こさせるタイミング基、米国特許第4,409,3
23号もしくは同第4,421,845号に記載のある
電子移動反応を利用して開裂反応を起こさせるタイミン
グ基、米国特許第4,546,073号に記載のあるイ
ミノケタールの加水分解反応を利用して開裂反応を起こ
させる基、***公開特許第2,626,317号に記載
のあるエステルの加水分解反応を利用して開裂反応を起
こさせる基、または欧州特許第0572084号に記載
の亜硫酸イオンとの反応を利用して開裂反応を起こさせ
る基が挙げられる。
【0120】次に、一般式(A)におけるPUGについ
て説明する。一般式(A)におけるPUGはカブリ防止
剤、写真用染料などの写真的に有用な基を表すが、本発
明においては一般式(B−1)、(B−2)で表される
補助現像主薬がPUGに関して特に好ましく用いられ
る。
【0121】一般式(B−1)、(B−2)で表される
補助現像主薬は一般式(A)のPUGに相当する場合に
は、その結合位置は補助現像主薬の酸素原子または窒素
原子である。
【0122】本発明のカラー感光材料は、基本的には支
持体に少なくとも1層の親水性コロイド層からなる写真
構成層を塗布して成り、この写真構成層のいずれかに感
光性ハロゲン化銀、色素形成用カプラー、発色用還元剤
を含有する。なお銀塩と直接反応する主薬を発色現像主
薬と、補助現像主薬のようなメディエーターを介して銀
塩と間接的に反応する主薬を発色用還元剤と呼び、本発
明の化合物はいずれにも用いることができる。本明細書
において両方の用語が用いられているがそれらは厳密に
使い分けられているものではなく、多くの場合同意であ
ると考えても支障がない。本発明に用いる色素形成カプ
ラーおよび発色用還元剤は、同一層に添加することが最
も一般的な態様であるが、反応可能な状態であれば分割
して別層に添加することができる。これらの成分は、感
光材料中のハロゲン化銀乳剤層又はその隣接層に添加さ
れることが好ましく、特にハロゲン化銀乳剤層にともに
添加することが好ましい。
【0123】本発明の発色用還元剤、及びカプラーは米
国特許第2,322,027号記載の方法等種々の公知
分散方法により感光材料に導入でき、高沸点有機溶媒
(必要に応じて低沸点有機溶媒を併用)に溶解し、ゼラ
チン水溶液に乳化分散してハロゲン化銀乳剤に添加する
水中油滴分散法が好ましい。また、必要に応じて沸点5
0〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して用いることが
できる。またこれら色素供与性化合物、耐拡散性還元
剤、高沸点有機溶媒などは2種以上併用することができ
る。本発明に用い得る高沸点有機溶媒としては、融点が
100℃以下、沸点が140℃以上の水と非混和性の化
合物で、発色用還元剤、及びカプラーの良溶媒である事
が好ましい。高沸点有機溶媒の融点としてより好ましく
は80℃以下である。但し熱現像系感光材料の場合、高
沸点有機溶媒の融点は100℃を越えてもよい。高沸点
有機溶媒の沸点として、より好ましくは160℃以上で
あり、更に好ましくは170℃以上である。これらの高
沸点有機溶媒の詳細については、特開昭62−2152
72号公開明細書の第137頁右下欄〜144頁右上欄
に記載されている。本発明において、高沸点有機溶媒の
使用量はいかなる量であっても良いが、好ましくは発色
用還元剤に対して、重量比で高沸点有機溶媒/発色用還
元剤比が20以下が好ましく、0.02〜5が更に好ま
しく、0.2〜4が特に好ましい。また本発明には公知
のポリマー分散法を用いても良い。ポリマー分散法の一
つとしてのラテックス分散法の工程、効果、含浸用のラ
テックスの具体例は、米国特許4,199,363号、
***特許出願第(OLS)2,541,274号、同第
2,541,230号、特公昭53−41091号及
び、欧州特許公開第029104号等に記載されてお
り、また有機溶媒可溶性ポリマーによる分散法について
PCT国際公開番号WO88/00723号明細書に記
載されている。
【0124】本発明の発色用還元剤を含有する親油性微
粒子の平均粒子サイズはいかなる粒子サイズであっても
よい。発色性の観点で0.05〜0.3μにすることが
好ましい。また0.05μ〜0.2μが更に好ましい。
【0125】一般的に親油性微粒子の平均粒子サイズを
小さくするためには、界面活性剤の種類の選択、界面活
性剤の使用量を増やすこと、親水性コロイド溶液の粘度
を上げること、親油性有機層の粘度を低沸点有機溶媒の
併用などで低下させること、あるいは乳化装置の攪拌羽
根の回転を上げる等の剪断力を強くしたり、乳化時間を
長くすること等によって達成される。親油性微粒子の粒
子サイズは例えば英国コールター社製ナノサイザー等の
装置によって測定できる。
【0126】本発明において発色用還元剤と色素形成カ
プラーから生成する色素が拡散性色素である場合、感光
材料と共に色素固定要素が用いられる。色素固定要素は
感光材料とは別々の支持体上に別個に塗設される形態で
も、感光材料と同一の支持体上に塗設される形態であっ
てもよい。感光材料と色素固定要素相互の関係、支持体
との関係、白色反射層との関係は米国特許第4,50
0,626号等に記載されている。本発明に好ましく用
いられる色素固定要素は媒染剤とバインダーを含む層を
少なくとも一層有する。本発明をこの様な形態に適応し
た場合、アルカリに浸漬して発色させる必要が無くな
り、そのため処理後の画像安定性が著しく改良される。
本発明の媒染剤はいずれの層に用いても良いが、本発明
の発色用還元剤が含有されている層に添加すると、発色
用還元剤の安定性が悪化するために、本発明の発色用還
元剤を含まない層に用いることが好ましい。更に、発色
用還元剤とカプラーから生成する色素は処理中膨潤した
ゼラチン膜中を拡散して媒染剤に染色する。その為、良
好な鮮鋭度を得るためには拡散距離が短い方が好まし
い。従って、媒染剤が添加される層は発色用還元剤が含
有されている層の隣接層に添加することが好ましい。又
本発明の発色用還元剤と、本発明のカプラーから生成す
る色素は水溶性色素であるので、処理液中に流出してし
まう可能性がある。従って、これを阻止するために媒染
剤が添加される層は発色用還元剤が含有されている層に
対して、支持体と反対側にあることが好ましい。ただ
し、特開平7−168335に記載されているようなバ
リアー層を媒染剤を添加する層に対して支持体と反対側
に設ける場合には、媒染剤が添加される層が発色用還元
剤が含有されている層に対して支持体と同じ側にあるの
も好ましい。
【0127】また、本発明の媒染剤は複数の層に添加さ
れてもよく、特に、発色用還元剤が含有されている層が
複数である場合にはそれぞれの隣接層に、媒染剤を添加
することも好ましい。
【0128】また拡散性色素を形成するカプラーは本発
明の発色用還元剤とカップリングして形成される拡散性
色素が媒染剤まで到達するものであれば如何なるカプラ
ーでも良いが、形成される拡散性色素がpKa(酸解離
定数)12以下の解離基を1つ以上持つことが好まし
く、pKa8以下の解離基を1つ以上持つことがさらに
好ましく、特に好ましくはpKa6以下の解離基を1つ
以上持つものである。形成される拡散性色素の分子量は
200以上2000以下が好ましい。さらに(形成され
る色素の分子量/pKa12以下の解離基の数)は10
0以上2000以下が好ましく、100以上1000以
下であることが更に好ましい。ここでpKaの値はジメ
チルホルムアミド:水=1:1を溶媒として測定した値
を用いる。
【0129】拡散性色素を形成するカプラーは本発明の
発色用還元剤とカップリングして形成される拡散性色素
の溶解度が25℃でpH11のアルカリ液に1×10-6
モル/リットル以上溶けることが好ましく、1×10-5
モル/リットル以上溶けることが更に好ましく、1×1
-4モル/リットル以上溶けることが特に好ましい。ま
た拡散性色素を形成するカプラーは本発明の発色用還元
剤とカップリングして形成される拡散性色素の拡散定数
が25℃、pH11のアルカリ液中、10-4モル/リッ
トルの濃度で溶かしたときに1×10-82 /s-1以上
であることが好ましく、1×10-72 /s-1以上であ
ることが更に好ましく、1×10-62/s-1以上であ
ることが特に好ましい。
【0130】本発明で用いることの出来る媒染剤は通常
使用される媒染剤の中から任意に選ぶことが出来るが、
それらの中でも特にポリマー媒染剤が好ましい。ここで
ポリマー媒染剤とは、3級アミノ基を含むポリマー、含
窒素複素環部分を有するポリマー、及びこれらの4級カ
チオン基を含むポリマー等である。
【0131】3級イミダゾール基を有するビニルモノマ
ー単位を含むホモポリマーやコポリマーの具体例として
は、米国特許第4,282,305号、同第4,11
5,124号、同第3,148,061号、特開昭60
−118834号、同60−122941号、同62−
244043号、同62−244036号等に記載され
ている。
【0132】4級イミダゾリウム塩を有するビニルモノ
マー単位を含むホモポリマーやコポリマーの好ましい具
体例としては、英国特許第2,056,101号、同第
2,093,041号、同第1,594,961号、米
国特許第4,124,386号、同第4,115,12
4号、同第4,450,224号、特開昭48−283
25号等に記載されている。
【0133】その他、4級アンモニウム塩を有するビニ
ルモノマー単位を有するホモポリマーやコポリマーの好
ましい具体例としては、米国特許第3,709,690
号、同第3,898,088号、同第3,958,99
5号、特開昭60−57836号、同60−60643
号、同60−122940号、同60−122942
号、同60−235134号等に記載されている。
【0134】その他、米国特許第2,548,564
号、同第2,484,430号、同第3,148,16
1号、同第3,756,814号明細書等に開示されて
いるビニルピリジンポリマー、およびビニルピリジニウ
ムカチオンポリマー;米国特許第3,625,694
号、同第3,859,096号、同第4,128,53
8号、英国特許第1,277,453号明細書等に開示
されているゼラチン等と架橋可能なポリマー媒染剤;米
国特許3,958,995号、同第2,721,852
号、同第2,798,063号、特開昭54−1152
28号、同54−145529号、同54−26027
号明細書等に開示されている水性ゾル型媒染剤;米国特
許第3,898,088号明細書に開示されている水不
溶性媒染剤;米国特許第4,168,976号(特開昭
54−137333号)明細書等に開示の染料と共有結
合を行うことのできる反応性媒染剤;更に米国特許第
3,709,690号、同第3,788,855号、同
第3,642,482号、同第3,488,706号、
同第3,557,066号、同第3,271,147
号、特開昭50−71332号、同53−30328
号、同52−155528号、同53−125号、同5
3−1024号明細書に開示してある媒染剤を挙げるこ
とができる。その他、米国特許第2,675,316
号、同第2,882,156号明細書に記載の媒染剤も
挙げることができる。
【0135】本発明のポリマー媒染剤の分子量は1,0
00〜1,000,000が適当であり、特に10,0
00〜200,000が好ましい。上記のポリマー媒染
剤は通常親水性コロイドと混合されて用いられる。親水
性コロイドとしては親水性コロイド、高吸湿性ポリマー
あるいはそれらの両方が使用できるが、ゼラチンが最も
代表的である。ポリマー媒染剤と親水性コロイドの混合
比、及びポリマー媒染剤の塗布量は、媒染されるべき色
素の量、ポリマー媒染剤の種類や組成、さらに用いられ
る画像形成過程などに応じて、当業者が容易に定めるこ
とができるが、媒染剤/親水性コロイド比が20/80
〜80/20(重量比)、媒染剤塗布量は0.2〜15
g/m2 が適当であり、好ましくは0.5〜8g/m2
で使用するのが好ましい。
【0136】本発明に使用する支持体には、ガラス、
紙、プラスチックフィルムなど写真乳剤層を塗布できる
透過型または反射型支持体ならいかなる支持体も使用で
きる。本発明に使用するプラスチックフィルムには、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、三酢酸セルロースあるいは硝酸セルロースなどのポ
リエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボ
ネート、ポリスチレンフィルム等を用いることができ
る。本発明に使用しうる「反射型支持体」とは、反射性
を高めてハロゲン化銀乳剤層に形成された色素画像を鮮
明にするものをいい、このような反射型支持体には、支
持体上に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、硫酸
カルシウム等の光反射物質を分散含有する疎水性樹脂を
被覆したものや、光反射性物質を分散含有する疎水性樹
脂そのものを支持体として用いたものが含まれる。例え
ばポリエチレン被覆紙、ポリエステル被覆紙、ポリプロ
ピレン系合成紙、反射層を併設した、或いは反射性物質
を併用する支持体、例えばガラス板、ポリエチレンテレ
フタレート、三酢酸セルロース或いは硝酸セルロースな
どのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ
カーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビ
ニル樹脂がある。ポリエチレン被覆紙については、特に
欧州特許EP0,507,489号に記載されているポ
リエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル
被覆紙が好ましく用いられる。
【0137】本発明に使用する反射性支持体は、耐水性
樹脂層で両面を被覆された紙支持体で耐水性樹脂の少な
くとも一方が白色顔料微粒子を含有するものが好まし
い。この白色顔料粒子は12重量%以上の密度で含有さ
れていることが好ましく、より好ましくは14重量%以
上である。光反射性白色顔料としては、界面活性剤の存
在下に白色顔料を十分に混練するのがよく、また顔料粒
子の表面を2〜4価のアルコールで処理したものが好ま
しい。本発明においては、第二種拡散反射性の表面をも
つ支持体が好ましく用いうる。第二種拡散反射性とは、
鏡面を有する表面に凹凸を与えて微細な異なった方向を
向く鏡面に分割して、分割された微細な表面(鏡面)向
きを分散化させることによって得た拡散反射性のことを
いう。第二種拡散反射性の表面の凹凸は、中心面に対す
る三次元平均粗さが0.1〜2μm、好ましくは0.1
〜1.2μmである。このような支持体の詳細について
は、特開平2−239244号に記載されている。
【0138】イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用
いて色度図上の広範囲の色を得るためには、少なくとも
3層のそれぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つハ
ロゲン化銀乳剤層が組み合わせて用いられる。たとえば
前記の支持体上に青感層、緑感層、赤感層の3層や、緑
感層、赤感層、赤外感層の3層などが組み合わせて塗布
される。各感光層は通常のカラー感光材料で知られてい
る種々の配列順序を採ることができる。またこれらの各
感光層は必要に応じて2層以上に分割してもよい。感光
材料には、前記の感光層と保護層、下塗り層、中間層、
アンチハレーション層、バック層等の種々の保護層から
なる写真構成層を設けることができる。更にいろ分離性
を改良するために種々のフィルター染料を写真構成層に
添加することもできる。具体的には、上記特許記載のよ
うな層構成、米国特許第5,051,335号記載のよ
うな下塗り層、特開平1−167,838号、特開昭6
1−20,943号記載のような固体顔料を有する中間
層、特開平1−120,553号、同5−34,884
号、同2−64,634号記載のような還元剤やDIR
化合物を有する中間層、米国特許第5,017,454
号、同5,139,919号、特開平2−235,04
4号記載のような電子伝達剤を有する中間層、特開平4
−249,245号記載のような還元剤を有する保護層
またはこれらを組み合わせた層などを設けることができ
る。
【0139】黄色フィルター層、アンチハレーション層
に用いる事の出来る染料としては、現像時に消色、ある
いは溶出し、処理後の濃度に寄与しないものが好まし
い。黄色フィルター層、アンチハレーション層の染料が
現像時に消色あるいは除去されるとは、処理後に残存す
る染料の量が、塗布直前の1/3以下、好ましくは1/
10以下となることであり、現像時に染料の成分が感材
から溶出あるいは処理材料中に転写しても良いし、現像
時に反応して無色の化合物に変わっても良い。
【0140】本発明の感光材料中に使用できる染料とし
ては、公知の染料を用いることができる。例えば、現像
液のアルカリに溶解する染料や、現像液中の成分、亜硫
酸イオンや主薬、アルカリと反応して消色するタイプの
染料も用いることができる。具体的には、欧州特許出願
EP549,489A号記載の染料や、特開平7−15
2129号のExF2〜6の染料が挙げられる。特願平
6−259805号に記載されているような、固体分散
した染料を用いることもできる。この染料は、感光材料
が、処理液で現像される場合にも用いることができる
が、感光材料が後述する処理シートを用いて熱現像する
場合に特に好ましい。また、媒染剤とバインダーに染料
を媒染させておくことも出来る。この場合媒染剤と染料
は写真分野で公知のものを用いることが出来、US4,
500,626号第58〜59欄や、特開昭61−88
256号32〜41頁、特開昭62−244043号、
特開昭62−244036号等に記載の媒染剤を上げる
ことができる。また、還元剤と反応して拡散性色素を放
出する化合物と還元剤を用い、現像時のアルカリで可動
性色素を放出させ、処理液に溶出あるいは、処理シート
に転写除去させることもできる。具体的には、米国特許
第4,559,290号、同4,783,396号、欧
州特許第220,746A2号、公開技報87−611
9号に記載されている他、特願平6−259805号の
段落番号0080〜0081に記載されている。
【0141】消色するロイコ染料などを用いることもで
き、具体的には特開平1−150,132号に有機酸金
属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイコ
色素を含むハロゲン化銀感光材料が開示されている。ロ
イコ色素と顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応し
て消色するため、本発明において感光材料が熱現像を行
う場合には、このロイコ色素と顕色剤の組み合わせが好
ましい。ロイコ色素は、公知のものが利用でき、森賀、
吉田「染料と薬品」9、84頁(化成品工業協会)、
「新版染料便覧」242頁(丸善、1970)、R.G
arner「Reports on the Prog
ress of Appl.Chem」56、199頁
(1971)、「染料と薬品」19、230頁(化成品
工業協会、1974)、「色材」62、288頁(19
89)、「染色工業」32、208等に記載がある。顕
色剤としては、酸性白土系顕色剤、フェノールホルムア
ルデヒドレジンの他、有機酸の金属塩が好ましく用いら
れる。有機酸の金属塩としてはサリチル酸類の金属塩、
フェノール−サリチル酸−ホルムアルデヒドレジンの金
属塩、ロダン塩、キサントゲン酸塩の金属塩等が有用で
あり、金属としては特に亜鉛が好ましい。上記の顕色剤
のうち、油溶性のサリチル酸亜鉛塩については、米国特
許第3,864,146号、同4,046,941号各
明細書、及び特公昭52−1327号公報等に記載され
たものを用いることができる。
【0142】本発明の感光材料は硬膜剤で硬膜されてい
ることが好ましい。硬膜剤の例としては米国特許第4,
678,739号第41欄、同4,791,042号、
特開昭59−116,655号、同62−245,26
1号、同61−18,942号、特開平4−218,0
44号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、ア
ジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン
系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニ
ルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤
(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるい
は高分子硬膜剤(特開昭62−234,157号などに
記載の化合物)が挙げられる。これらの硬膜剤は、親水
性バインダー1gあたり0.001〜1g、好ましくは
0.005〜0.5gが用いられる。
【0143】感光材料には、種々のカブリ防止剤または
写真安定剤およびそれらのプレカーサーを使用すること
ができる。その具体例としては、前記リサーチ・ディス
クロージャー、米国特許第5,089,378号、同
4,500,627号、同4,617,702号、特開
昭64−13,564号(7)〜(9)頁、(57)〜
(71)頁および(81)〜(97)頁、米国特許第
4,775,610号、同4,626,500号、同
4,983,494号、特開昭62−174,747
号、同62−239,148号、特開平1−150,1
35号、同2−110,557号、同2−178,65
0号、RD17,643号(1978年)(24)〜
(25)頁等記載の化合物が挙げられる。これらの化合
物は、銀1モルあたり5×10-6〜1×10-1モルが好
ましく、さらに1×10-5〜1×10-2モルが好ましく
用いられる。
【0144】本発明に係わる感光材料に用いることので
きる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用い
ることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単
独あるいはゼラチンとともに用いることができる。ゼラ
チンのカルシウム含有量は800ppm以下が好まし
く、200ppm以下がより好ましく、ゼラチンの鉄含
有量は5ppm以下が好ましく、3ppm以下がより好
ましい。また親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化
させる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63−27
1247号公報に記載のような妨黴剤を添加するのが好
ましい。
【0145】本発明の感光材料をプリンター露光する
際、米国特許第4,880,726号に記載のバンドス
トップフィルターを用いることが好ましい。これによっ
て光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。ま
た本発明の感光材料を撮影感光材料として用い、現像を
現像温度が60℃以上150℃以下である熱現像方式で
行ない、得られたカラーネガの画像情報をデジタル信号
に変換し、上記の熱現像感光材料でプリントすると、コ
ンベンショナルカラー写真で使用する処理液は一切使用
することなく、撮影から、プリントまで行える。また、
富士写真フィルム(株)のPICTROSTAT330
を用い、そのNSEユニットで画像情報を光学的に読み
取って出力しても、処理液を一切使用することなく、撮
影から、プリントまで行える。
【0146】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は臭化
銀、塩化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化銀、
塩沃臭化銀である。それ以外の銀塩、例えばロダン銀、
硫化銀、セレン化銀、炭酸銀、リン酸銀、有機酸銀が別
粒子として、あるいはハロゲン化銀粒子の一部分として
含まれていてもよい。現像・脱銀(漂白、定着および漂
白定着)工程の迅速化が望まれるときには塩化銀含有量
が多いハロゲン化銀粒子が望ましい。また適度に現像を
抑制させる場合には沃化銀を含有することが好ましい。
好ましい沃化銀含量は目的の感光材料によって異なる。
【0147】本発明のハロゲン化銀乳剤はその粒子中
に、ハロゲン組成に関して分布あるいは構造を有するこ
とが好ましい。その典型的なものは特公昭43−131
62号、特開昭61−215540号、特開昭60−2
22845号、特開昭60−143331号、特開昭6
1−75337号、特開昭60−222844号に開示
されている。
【0148】粒子の内部に構造を持たせるには上述のよ
うな包み込む構造だけでなく、いわゆる接合構造を有す
る粒子をつくることができる。これらの例は特開昭59
−133540号、特開昭58−108526号、欧州
特許第199,290A2号、特公昭58−24772
号、特開昭59−16254号などに開示されている。
【0149】接合構造の場合にはハロゲン化銀同士の組
み合せは当然可能であるが、ロダン銀、炭酸銀などの岩
塩構造でない銀塩化合物をハロゲン化銀と組み合せ接合
構造をとることができる。
【0150】これらの構造を有する沃臭化銀等の粒子の
場合、コア部がシェル部よりも沃化銀含有量を高くさせ
ることは好ましい態様である。逆にコア部の沃化銀含有
量が低く、シェル部が高い粒子が好ましい場合もある。
同様に接合構造を有する粒子についてもホスト結晶の沃
化銀含有率が高く、接合結晶の沃化銀含有率が相対的に
低い粒子であっても、その逆の粒子であってもよい。ま
た、これらの構造を有する粒子のハロゲン組成の異なる
境界部分は、明確な境界であっても、不明確な境界であ
ってもよい。また積極的に連続的な組成変化をつけたも
のも好ましい態様である。
【0151】2つ以上のハロゲン化銀が混晶として、あ
るいは構造をもって存在するハロゲン化銀粒子の場合に
粒子間のハロゲン組成分布を制御することが重要であ
る。粒子間のハロゲン組成分布の測定法に関しては特開
昭60−254032号に記載されている。特に変動係
数20%以下の均一性の高い乳剤は好ましい。
【0152】粒子の表面近傍のハロゲン組成を制御する
ことは重要である。表面近傍の沃化銀含量を高くする、
あるいは塩化銀含量を高くすることは、色素の吸着性や
現像速度を変えるので目的に応じて選ぶことができる。
【0153】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は双晶面
を含まない正常晶でも、日本写真学会編、写真工業の基
礎、銀塩写真編(コロナ社)、P.163に解説されて
いるような例、平行な双晶面を2つ以上含む平行多重双
晶、非平行な双晶面を2つ以上含む非平行多重双晶など
から目的に応じて選んで用いることができる。また形状
の異なる粒子を混合させる例は米国特許第4,865,
964号に開示されている。正常晶の場合には(10
0)面からなる立方体、(111)面からなる八面体、
特公昭55−42737号、特開昭60−222842
号に開示されている(110)面からなる12面体粒子
を用いることができる。さらに、Journal of
Imaging Science 30巻 247ペ
ージ 1986年に報告されているような(hlm)面
を有する粒子を目的に応じて選んで用いることができ
る。(100)面と(111)面が一つの粒子に共存す
る14面体粒子、(100)面と(110)面が共存す
る粒子、あるいは(111)面と(110)面が共存す
る粒子など、2つの面あるいは多数の面が共存する粒子
も目的に応じて選んで用いることができる。
【0154】投影面積の円相当直径を粒子厚みで割った
値をアスペクト比と呼び、平板状粒子の形状を規定して
いる。アスペクト比が1より大きい平板状粒子は本発明
に使用できる。平板状粒子は、クリーブ著「写真の理論
と実際」(Cleve,Photography Th
eory and Practice(1930)),
131頁;ガトフ著、フォトグラフィク・サイエンス・
アンド・エンジニアリング(Gutoff,Photo
graphic Science and Engin
eering),第14巻,248〜257頁(197
0年);米国特許第4,434,226号、同4,41
4,310号、同4,433,048号、同4,43
9,520号および英国特許第2,112,157号な
どに記載の方法により調製することができる。平板状粒
子を用いた場合、被覆力が上がること、増感色素による
色増感効率が上がることなどの利点があり、先に引用し
た米国特許第4,434,226号に詳しく述べられて
いる。粒子の全投影面積の80%以上の平均アスペクト
比として、1以上100未満が望ましい。より好ましく
は2以上20未満であり、特に好ましくは3以上10未
満である。平板粒子の形状として三角形、六角形、円形
などを選ぶことができる。米国特許第4,797,35
4号に記載されているような六辺の長さがほぼ等しい正
六角形は好ましい形態である。
【0155】平板粒子の粒子サイズとして投影面積の円
相当直径を用いることが多いが、米国特許第4,74
8,106号に記載されているような平均直径が0.6
ミクロン以下の粒子は高画質化にとって好ましい。ま
た、米国特許第4,775,617号に記載されている
ような粒子サイズ分布の狭い乳剤も好ましい。平板粒子
の形状として粒子厚みを0.5ミクロン以下、より好ま
しくは0.3ミクロン以下に限定するのは鮮鋭度を高め
て上で好ましい。さらに粒子厚みの変動係数が30%以
下の厚みの均一性が高い乳剤も好ましい。さらに特開昭
63−163451号に記載されている粒子の厚みと双
晶面の面間距離を規定した粒子も好ましいものである。
【0156】転位線を全く含まない粒子、数本の転位を
含む粒子あるいは多数の転位を含む粒子を目的に応じて
選ぶことは好ましい。また粒子の結晶方位の特定の方向
に対して直線的に導入された転位あるいは曲った転位を
選ぶこともできるし、粒子全体に渡って導入する、ある
いは粒子の特定の部分にのみ導入する、例えば粒子のフ
リンジ部に限定して転位を導入する、などのなかから選
ぶことができる。転位線の導入は平板粒子の場合だけで
なく正常晶粒子あるいはジャガイモ粒子に代表される不
定型粒子の場合にも好ましい。
【0157】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は欧州特
許第96,727B1号、同64,412B1号などに
開示されているような粒子に丸みをもたらす処理、ある
いは***特許第2,306,447C2号、特開昭60
−221320号に開示されているような表面の改質を
行ってもよい。
【0158】粒子表面が平坦な構造が一般的であるが、
意図して凹凸を形成することは場合によって好ましい。
特開昭58−106532号、特開昭60−22132
0号、あるいは米国特許第4,643,966号に記載
されている。
【0159】本発明に用いる乳剤の粒子サイズは電子顕
微鏡を用いた投影面積の円相当直径、投影面積と粒子厚
みから算出する粒子体積の球相当直径あるいはコールタ
ーカウンター法による体積の球相当直径などにより評価
できる。球相当直径として0.01ミクロン以下の超微
粒子から、10ミクロンを越える粗大粒子のなかから選
んで用いることができる。好ましくは0.1ミクロン以
上3ミクロン以下の粒子を感光性ハロゲン化銀粒子とし
て用いることである。
【0160】本発明に用いる乳剤は粒子サイズ分布の広
い、いわゆる多分散乳剤でも、サイズ分布の狭い単分散
乳剤でも目的に応じて選んで用いることができる。サイ
ズ分布を表わす尺度として粒子の投影面積円相当直径あ
るいは体積の球相当直径の変動係数を用いる場合があ
る。単分散乳剤を用いる場合、変動係数が25%以下、
より好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以
下のサイズ分布の乳剤を用いるのがよい。
【0161】また感光材料が目標とする階調を満足させ
るために、実質的に同一の感色性を有する乳剤層におい
て粒子サイズの異なる2種以上の単分散ハロゲン化銀乳
剤を同一層に混合または別層に重層塗布することができ
る。さらに2種類以上の多分散ハロゲン化銀乳剤あるい
は単分散乳剤と多分散乳剤との組合わせを混合あるいは
重層して使用することもできる。
【0162】本発明に用いられる写真乳剤は、グラフキ
デ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P.
Glafkides,Chimie et Physi
que PhotographiquePaul Mo
ntel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、
フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Pho
tographic Emulsion Chemis
try(FocalPress,1966)、ゼリクマ
ン等著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社
刊(V.L.Zelikman et al,Maki
ng andCoating Photographi
c Emulsion FocalPress,196
4)などに記載された方法を用いて調製することができ
る。粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法
(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合
法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成する液相中の
pAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロー
ルド、ダブルジェット法を用いることもできる。この方
法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近い
ハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0163】乳剤調製用の反応容器にあらかじめ沈澱形
成したハロゲン化銀粒子を添加する方法、米国特許第
4,334,012号、同4,301,241号、同
4,150,994号は場合により好ましい。これらは
種結晶として用いることもできるし、成長用のハロゲン
化銀として供給する場合も有効である。また表面を改質
させるために種々のハロゲン組成の微粒子を添加するこ
とも場合により有効である。
【0164】ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成の大部分
あるいはごく一部分をハロゲン変換法によって変換させ
る方法は米国特許第3,477,852号、同4,14
2,900号、欧州特許273,429号、同273,
430号、***公開特許第3,819,241号などに
開示されている。より難溶性の銀塩に変換するのに可溶
性ハロゲンの溶液あるいはハロゲン化銀粒子を添加する
ことができる。
【0165】粒子成長を一定濃度、一定流速で可溶性銀
塩とハロゲン塩を添加する方法以外に、英国特許第1,
469,480号、米国特許第3,650,757号、
同4,242,445号に記載されているように濃度を
変化させる、あるいは流速を変化させる粒子形成法は好
ましい方法である。濃度を増加させる、あるいは流速を
増加させることにより、供給するハロゲン化銀量を添加
時間の一次関数、二次関数、あるいはより複雑な関数で
変化させることができる。
【0166】可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩の溶液を反
応させる時の混合器は米国特許第2,996,287
号、同3,342,605号、同3,415,650
号、同3,785,777号、***公開特許2,55
6,885号、同2,555,364号に記載されてい
る方法のなかから選んで用いることができる。
【0167】熟成を促進する目的に対してハロゲン化銀
溶剤が有用である。例えば熟成を促進するのに過剰量の
ハロゲンイオンを反応器中に存在せしめることが知られ
ている。また他の熟成剤を用いることもできる。これら
の熟成剤は銀およびハロゲン化物塩を添加する前に反応
器中の分散媒中に全量を配合しておくことができるし、
ハロゲン化物塩、銀塩または解膠剤を加えると共に反応
器中に導入することもできる。
【0168】これらの例としては、アンモニア、チオシ
アン酸塩(ロダンカリ、ロダンアンモニウム等)、有機
チオエーテル化合物(例えば、米国特許第3,574,
628号、同3,021,215号、同3,057,7
24号、同3,038,805号、同4,276,37
4号、同4,297,439号、同3,704,130
号、同4,782,013号、特開昭57−10492
6号などに記載の化合物。)、チオン化合物(例えば特
開昭53−82408号、同55−77737号、米国
特許第4,221,863号などに記載されている四置
換チオウレアや、特開昭53−144319号に記載さ
れている化合物)や、特開昭57−202531号に記
載されているハロゲン化銀粒子の成長を促進しうるメル
カプト化合物、アミン化合物(例えば特開昭54−10
0717号など)等があげられる。
【0169】本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとして、及びその他の親水性コロイド層のバイン
ダーとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そ
れ以外の親水性コロイドも用いることができる。
【0170】例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高
分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖
誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一
あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を
用いることができる。
【0171】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Ph
oto.Japan.No.16.P30(1966)
に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、
また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いること
ができる。特開平1−158426号に記載の低分子量
ゼラチンを用いることは平板状粒子の調製に好ましい。
【0172】本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新し
く用意した保護コロイド分散にすることが好ましい。水
洗の温度は目的に応じて選べるが、5°〜50℃の範囲
で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選
べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ま
しくは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に応
じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗
の方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、
遠心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選ん
で用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を
用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを
用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶ
ことができる。
【0173】本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、
脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在
させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする
場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感
剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加
することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子
のコア一部のみ、あるいはシェル部のみ、あるいはエピ
タキシャル部分にのみ、あるいは基盤粒子にのみドープ
する方法も選べる。Mg、Ca、Sr、Ba、Al、S
c、Y、LaCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、P
t、Au、Cd、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Bi
などを用いることができる。これらの金属はアンモニウ
ム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるい
は6配位錯塩、4配位錯塩など粒子形成時に溶解させる
ことができる塩の形であれば添加できる。例えばCdB
2、CdCl2 、Cd(NO3 2 、Pb(NO3
2 、Pb(CH3 COO)2、K3 〔Fe(C
N)6 〕、(NH4 4 〔Fe(CN)6 〕、K3 Ir
Cl6、(NH4 3 RhCl6 、K4 Ru(CN)6
などがあげられる。配位化合物のリガンドとしてハロ、
アコ、シアノ、シアネート、チオシアネート、ニトロシ
ル、チオニトロシル、オキソ、カルボニルのなかから選
ぶことができる。これらは金属化合物を1種類のみ用い
てもよいが2種あるいは3種以上を組み合せて用いてよ
い。
【0174】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲン化合物を乳剤調製中に添加す
る方法も有用な場合がある。S、Se、Te以外にもシ
アン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、炭酸塩、リン
酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0175】本発明のハロゲン化銀粒子は硫黄増感、セ
レン増感、テルル増感(これら3種はカルコゲン増感と
総称される。)、貴金属増感、又は還元増感の少なくと
も1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程の任意の工程で施
こすことができる。2種以上の増感法を組み合せること
は好ましい。どの工程で化学増感するかによって種々の
タイプの乳剤を調製することができる。粒子の内部に化
学増感核をうめ込むタイプ、粒子表面から浅い位置にう
め込むタイプ、あるいは表面に化学増感核を作るタイプ
がある。本発明の乳剤は目的に応じて化学増感核の場所
を選ぶことができる。本発明で好ましく実施しうる化学
増感はカルコゲン増感と貴金属増感の単独又はそれらの
組合せであり、ジェームス(T.H.James)著、
ザ・フォトグラフィック・プロセス、第4版、マクミラ
ン社刊、1977年、(T.H.James、The
Theory of the Photographi
c Process,4th ed,Macmilla
n,1977)67−76頁に記載されるように活性ゼ
ラチンを用いて行うことができるし、またリサーチ・デ
ィスクロージャーItem 12008(1974年4
月);同Item 13452(1975年6月);同
Item 307105(1989年11月)、米国特
許第2,642,361号、同3,297,446号、
同3,772,031号、同3,857,711号、同
3,901,714号、同4,266,018号、およ
び同3,904,415号、並びに英国特許第1,31
5,755号に記載されるようにpAg5〜10、pH
5〜8および温度30〜80℃において硫黄、セレン、
テルル、金、白金、パラジウム、イリジウムまたはこれ
ら増感剤の複数の組合せで行なうことができる。
【0176】硫黄増感においては、不安定イオウ化合物
を用い、具体的には、チオ硫酸塩(例えば、ハイポ)、
チオ尿素類(例えば、ジフェニルチオ尿素、トリエチル
チオ尿素、アリルチオ尿素等)、ローダニン類、メルカ
プト類、チオアミド類、チオヒダントイン類、4−オキ
ソ−オキサゾリジン−2−チオン類、ジあるいはポリス
ルフィド類、ポリチオン酸塩および元素状イオウ、なら
びに米国特許第3,857,711号、同4,266,
018号および同4,054,457号に記載されてい
る公知の硫黄含有化合物を用いることができる。硫黄増
感は貴金属増感と組み合せて用いられる場合が多い。
【0177】本発明のハロゲン化銀粒子に対して使用す
る好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×
10-7〜1×10-3モルであり、さらに好ましいのは5
×10-7〜1×10-4モルである。
【0178】セレン増感においては、公知の不安定セレ
ン化合物を用い、例えば、米国特許第3,297,44
6号、同3,297,447号等に記載のセレン化合物
を用いることができ、具体的には、コロイド状金属セレ
ニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレ
ノ尿素、テトラメチルセレノ尿素等)、セレノケトン類
(例えば、セレノアセトン)、セレノアミド類(例え
ば、セレノアセトアミド)、セレノカルボン酸およびエ
ステル類、イソセレノシアネート類、セレナイド類(例
えば、ジエチルセレナイド、トリフェニルフォスフィン
セレナイド)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ
−p−トリルセレノフォスフェート)等のセレン化合物
を用いることができる。セレン増感は硫黄増感あるいは
貴金属増感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好
ましい場合がある。
【0179】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わ
るが、一般にハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-4
ル、好ましくは10-7〜10-5モル程度を用いる。
【0180】本発明で用いられるテルル増感剤として
は、カナダ特許第800,958号、英国特許第1,2
95,462号、同1,396,696号、特願平2−
333819号、同3−131598号等に記載の化合
物を用いることができる。
【0181】貴金属増感においては、金、白金、パラジ
ウム、イリジウム等の貴金属塩を用いることができ、中
でも特に金増感、パラジウム増感および両者の併用が好
ましい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロ
オーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、
金セレナイド等の公知の化合物を用いることができる。
パラジウム化合物はパラジウム2価塩または4価の塩を
意味する。好ましいパラジウム化合物は、R2 PdX6
またはR2 PdX4 で表わされる。ここでRは水素原
子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わす。
Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素またはヨウ素原子
を表わす。
【0182】具体的には、K2 PdCl4 、(NH4
2 PdCl6 、Na2 PdCl4 、(NH4 2 PdC
4 、Li2 PdCl4 、Na2 PdCl6 またはK2
PdBr4 が好ましい。金化合物およびパラジウム化合
物はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用す
ることが好ましい。
【0183】本発明の乳剤は金増感を併用することが好
ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モ
ル当り1×10-7〜1×10-3モルであり、さらに好ま
しいのは5×10-7〜5×10-4モルである。パラジウ
ム化合物の好ましい範囲は5×10-7〜1×10-3モル
である。チオシアン化合物あるいはセレノシアン化合物
の好ましい範囲は1×10-6〜5×10-2モルである。
【0184】本発明のハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、
粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、ある
いは化学増感後に還元増感することは好ましい。
【0185】ここで還元増感とはハロゲン化銀乳剤に還
元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜
7の低pAgの雰囲気で成長させるあるいは、熟成させ
る方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの
雰囲気で成長させるあるいは熟成させる方法のいずれを
選ぶことができる。また2つ以上の方法を併用すること
もできる。
【0186】還元増感剤としては第一錫塩、アスコルビ
ン酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒ
ドラジンおよびその誘導体、ホルムアミジンスルフィン
酸、シラン化合物、ボラン化合物などの公知の還元増感
剤を選んで用いることができ、また2種以上の化合物を
併用することもできる。還元増感剤として塩化第一錫、
アミノイミノメタンスルフィン酸(俗称、二酸化チオ尿
素)、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸およびそ
の誘導体が好ましい化合物である。
【0187】いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増感
することもできる。有用な化学増感助剤には、アザイン
デン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化学
増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大するもの
として知られた化合物が用いられる。化学増感助剤改質
剤の例は、米国特許第2,131,038号、同3,4
11,914号、同3,554,757号、特開昭58
−126526号および前述ダフィン著「写真乳剤化
学」、138〜143頁に記載されている。
【0188】本発明の乳剤の製造工程中に銀に対する酸
化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、
金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する
化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および
化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子
を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここ
で生成する銀イオンは、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン
化銀等の水に難溶の銀塩を形成してもよく、又、硝酸銀
等の水に易溶の銀塩を形成してもよい。銀に対する酸化
剤は、無機物であっても、有機物であってもよい。無機
の酸化剤としては、オゾン、過酸化水素およびその付加
物(例えば、NaBO2 ・H2 2 ・3H2 O、2Na
CO3 ・3H2 2 、Na4 2 7 ・2H2 2 、2
Na2 SO4 ・H2 2 ・2H2 O)、ペルオキシ酸塩
(例えばK2 2 8 、K2 2 6 、K2
2 8 )、ペルオキシ錯体化合物(例えば、K2 〔Ti
(O2 )C24 〕・3H2 O、4K2 SO4 ・Ti
(O2 )OH・SO4 ・2H2 O、Na3 〔VO
(O2 )(C2 4 2 ・6H2 O)、過マンガン酸塩
(例えば、KMnO4 )、クロム酸塩(例えば、K2
2 7 )などの酸素酸塩、沃素や臭素などのハロゲン
元素、過ハロゲン酸塩(例えば過沃素酸カリウム)高原
子価の金属の塩(例えば、ヘキサシアノ第二鉄酸カリウ
ム)およびチオスルフォン酸塩などがある。
【0189】また、有機の酸化剤としては、p−キノン
などのキノン類、過酢酸や過安息香酸などの有機過酸化
物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−ブロ
ムサクシイミド、クロラミンT、クロラミンB)が例と
して挙げられる。
【0190】前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用
するのは好ましい態様である。
【0191】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール
類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール
類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチ
アゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプ
トベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニ
トロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類
(特に、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)
など;メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン
類;たとえばオキサドリンチオンのようなチオケト化合
物;アザインデン類、たとえばトリアザインデン類、テ
トラアザインデン類(特に、4−ヒドロキシ−6−メチ
ル(1,3,3a,7)テトラアザインデン)、ペンタ
アザインデン類などのようなカブリ防止剤または安定剤
として知られた、多くの化合物を加えることができる。
たとえば米国特許第3,954,474号、同3,98
2,947号、特公昭52−28660号に記載された
ものを用いることができる。好ましい化合物の一つに特
願昭62−47225号に記載された化合物がある。か
ぶり防止剤および安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒
子形成後、水洗工程、水洗後の分散時、化学増感前、化
学増感中、化学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的
に応じて添加することができる。
【0192】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類その他によって分光増感されることが本発明の効果
を発揮するのに好ましい。用いられる色素には、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メ
ロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシア
ニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が
包含される。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシ
アニン色素、および複合メロシアニン色素に属する色素
である。これらの色素類には、塩基性異節環核としてシ
アニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用でき
る。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チオゾリ
ン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セ
レナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリ
ジン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した
核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、
即ち、インドレニン核、ベンズインドレニン核、インド
ール核、ベンズオキサドール核、ナフトオキサゾール
核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾ
セレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核な
どが適用できる。これらの核は炭素原子上に置換されて
いてもよい。
【0193】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−
ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの
5〜6員異節環核を適用することができる。
【0194】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同2,97
7,229号、同3,397,060号、同3,52
2,052号、同3,527,641号、同3,61
7,293号、同3,628,964号、同3,66
6,480号、同3,672,898号、同3,67
9,428号、同3,703,377号、同3,76
9,301号、同3,814,609号、同3,83
7,862号、同4,026,707号、英国特許第
1,344,281号、同1,507,803号、特公
昭43−4936号、同53−12,375号、特開昭
52−110,618号、同52−109,925号に
記載されている。
【0195】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。
【0196】増感色素を乳剤中に添加する時期は、これ
まで有用であると知られている乳剤調製の如何なる段階
であってもよい。もっとも普通には化学増感の完了後塗
布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3,62
8,969号、および同第4,225,666号に記載
されているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感
を化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−11
3,928号に記載されているように化学増感に先立っ
て行なうことも出来、またハロゲン化銀粒子沈澱生成の
完了前に添加し分光増感を開始することも出来る。更に
また米国特許第4,225,666号に教示されている
ようにこれらの前記化合物を分けて添加すること、即ち
これらの化合物の一部を化学増感に先立って添加し、残
部を化学増感の後で添加することも可能であり、米国特
許第4,183,756号に開示されている方法を始め
としてハロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよ
い。
【0197】添加量は、ハロゲン化銀1モル当り、4×
10-6〜8×10-3モルで用いることができるが、より
好ましいハロゲン化銀粒子サイズ0.2〜1.2μmの
場合は約5×10-5〜2×10-3モルがより有効であ
る。
【0198】本技術に関する感光材料には、前記の種々
の添加剤が用いられるが、それ以外にも目的に応じて種
々の添加剤を用いることができる。
【0199】これらの添加剤は、より詳しくはリサーチ
ディスクロージャーItem17643(1978年1
2月)、同Item18716(1979年11月)お
よび同Item307105(1989年11月)に記
載されており、その該当個所を以下にまとめて示した。
【0200】 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD307105 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 996頁 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、強 23〜24頁 648頁右欄〜 996右〜998 右 色増感剤 649頁右欄 4 増白剤 24頁 998右 5 かぶり防止お 24〜25頁 649頁右欄 998右〜1000右 よび安定剤 6 光吸収剤、フィ 25〜26頁 649頁右欄〜 1003左〜1003右 ルター染料、 650頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬膜剤 26頁 651頁左欄 1004右〜1005左 10 バインダー 26頁 同上 1003右〜1004右 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 1006左〜1006右 12 塗布助剤、表面 26〜27頁 同上 1005左〜1006左 活性剤 13 スタチック防止 27頁 同上 1006右〜1007左 剤
【0201】本発明においては、感光性ハロゲン化銀と
共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもでき
る。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、特に好
ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成するの
に使用し得る有機化合物としては、米国特許第4,50
0,626号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾ
ール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米国特許第
4,775,613号記載のアセチレン銀も有用であ
る。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以上の有
機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり0.01〜
10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用すること
ができる。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計
は銀換算で0.05〜10g/m2 、好ましくは0.1
〜4g/m2 が適当である。
【0202】本発明の感光材料を、露光後、現像する方
法としては、熱現像、現像主薬を感光材料に内蔵してア
ルカリ処理液で現像するアクチベーター法、および現像
主薬/塩基を含む処理液で現像する方法がある。
【0203】感光材料の加熱処理は当該技術分野では公
知であり、熱現像感光材料とそのプロセスについては、
例えば、写真工学の基礎(1979年、コロナ社発行)
の553頁〜555頁、1978年4月発行映像情報4
0頁、Nebletts Handbook of P
hotography and Reprograph
y 7th Ed.(Van Nostrand an
d ReinholdCompany)の32〜33
頁、米国特許第3,152,904号、同第3,30
1,678号、同第3,392,020号、同第3,4
57,075号、英国特許第1,131,108号、同
第1,167,777号およびリサーチ・ディスクロー
ジャー誌1978年6月号9〜15頁(RD−1702
9)に記載されている。
【0204】アクチベーター処理とは、発色現像主薬を
感光材料の中に内蔵させておき、発色現像主薬を含まな
い処理液で現像処理を行う処理方法をさしている。この
場合の処理液は通常の現像処理液成分に含まれている発
色現像主薬を含まないことが特徴で、その他の成分(例
えばアルカリ、補助現像主薬など)を含んでいても良
い。アクチベーター処理については欧州特許第545,
491A1号、同第565,165A1号などの公知文
献に例示されている。
【0205】現像主薬/塩基を含む処理液で現像する方
法は、RD.No.17643の28〜29頁、同N
o.18716の651左欄〜右欄、および同No.3
07105の880〜881頁に記載されている。本発
明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、好まし
くは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とする
アルカリ性水溶液である。この発色現像主薬としては、
アミノフェノール系化合物も有用であるが、p−フェニ
レンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代表例
及び好ましい例としてはEP556700Aの28頁4
3〜52行目に記載の化合物が挙げられる。これらの化
合物は目的に応じ2種以上併用することもできる。発色
現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリ
ン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化
物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もし
くはメルカプト化合物のような現像抑制剤またはカブリ
防止剤などを含むのが一般的である。また必要に応じ
て、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミ
ン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキシメチルヒドラジ
ンの如きヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、ト
リメタノールアミン、カテコールスルホン酸類の如き各
種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール
のような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレン
グリコール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現
像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付
与剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、
アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表される
ような各種キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢
酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シ
クロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ
ジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
ン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン
酸、エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラメチレ
ンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシ
フェニル酢酸)及びそれらの塩を添加する。発色現像液
のpHは9〜12であることが一般的である。またこれ
らの現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料に
もよるが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リッ
トル以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減さ
せておくことにより500ml以下にすることもでき
る。補充量を低減する場合には処理槽の空気と接触面積
を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防止す
ることが好ましい。処理槽での写真処理液と空気との接
触による処理効果は、開口率(=〔処理液と空気との接
触面積cm2 〕÷〔処理液の容量cm3 〕)で評価する
ことができる。この開口率は、0.1以下であることが
好ましく、より好ましくは0.001〜0.05であ
る。開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処
理液面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−
82032号に記載された可動蓋を設ける方法、特開昭
63−216050号に記載されたスリット現像処理方
法を挙げることができる。開口率は、発色現像及び黒白
現像の両工程のみならず、後続の諸工程、例えば、漂
白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全ての工程に
おいて低減することが好ましい。また、現像液中の臭化
物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより補充量
を低減することもできる。発色現像処理の時間は、通常
2〜5分の間で設定されるが、高温、高pHとし、かつ
発色現像主薬を高濃度に使用することにより、更に処理
時間の短縮を図ることもできる。
【0206】次に本発明においてアクチベーター処理の
場合に用いられる処理素材および処理方法について詳細
に説明する。
【0207】本発明に用いられる処理素材および処理方
法について詳細に説明する。本発明において、感光材料
は現像(銀現像/内蔵還元剤のクロス酸化)、脱銀、お
よび水洗または安定化処理される。また水洗または安定
化処理後、アルカリ付与などの発色増強のための処理も
施される場合がある。
【0208】本発明で感光材料を現像処理する際、現像
液にはハロゲン化銀の現像主薬として機能し、および/
または銀現像で生じる現像主薬酸化体が感光材料中に内
蔵してある発色用の還元剤をクロス酸化する機能を有す
る化合物が用いられる。好ましくはピラゾリドン類、ジ
ヒドロキシベンゼン類、レダクトン類およびアミノフェ
ノール類が用いられ、特に好ましくはピラゾリドン類が
用いられる。
【0209】ピラゾリドン類としては1−フェニル−3
−ピラゾリドン類が好ましく、1−フェニル−3−ピラ
ゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラ
ゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシ
メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジ
ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
5−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−フ
ェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4−メチ
ル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−p
−クロロフェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル
−3−ピラゾリドン、1−フェニル−2−ヒドロキシメ
チル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェ
ニル−2−アセチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル
−2−ヒドロキシメチル−5−フェニル−3−ピラゾリ
ドンなどがある。
【0210】ジヒドロキシベンゼン類としては、ハイド
ロキノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイドロキノ
ン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−ジクロ
ロハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、
ハイドロキノンモノスルフォン酸カリウム等がある。
【0211】レダクトン類としては、アスコルビン酸ま
たはその誘導体が好ましく、特開平6−148822号
3頁〜10頁に記載の化合物が用いられる。特にL−ア
スコルビン酸ナトリウムやエリソルビン酸ナトリウムが
好ましい。
【0212】p−アミノフェノール類としては、N−メ
チル−p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエ
チル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシ
フェニル)グリシン、2−メチル−P−アミノフェノー
ル、などがある。
【0213】これら化合物は通常単独で用いるが、現像
およびクロス酸化活性を高めるために2種以上併用して
用いることも好ましい。これら化合物の現像液中での使
用量は、2.5×10-4モル/リットル〜0.2モル/
リットル、好ましくは0.0025モル/リットル〜
0.1モル/リットル、更に好ましくは0.001モル
/リットル〜0.05モル/リットルである。
【0214】本発明の現像液に用いられる保恒剤として
は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウ
ム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重
亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウ
ム、ヒドロキシアミン・硫酸塩があり、使用量としては
0.1モル/リットル以下、好ましくは0.001〜
0.02モル/リットルの範囲で用いられる場合があ
る。感光材料に高塩化銀乳剤を使用する場合には、上記
化合物は0.001モル/リットル以下、好ましくは全
く含有されないこともある。本発明では、前記ヒドロキ
シアミンや亜硫酸イオンに替えてジエチルヒドロキシル
アミンや特開平4−97355記載のジアルキルヒドロ
キシルアミン類等の有機保恒剤を含有することが好まし
い。
【0215】本発明において現像液中に塩素イオン、臭
素イオンや沃素イオンなどのハロゲンイオンが含有され
る。ここでハライドは現像液中に直接添加されてもよ
く、現像処理中に感光材料から現像液に溶出してもよ
い。
【0216】本発明に使用される現像液は、好ましくは
pH8〜13、より好ましくは9〜12である。上記p
Hを保持するために、各種緩衝液を用いるのが好まし
い。炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香
酸塩を用いることが好ましい。
【0217】該緩衝剤の現像液への添加量は、0.05
モル/リットル以上であることが好ましく、特に0.1
モル〜0.4モル/リットルであることが特に好まし
い。
【0218】その他、現像液中にはカルシウムやマグネ
シウムの沈殿防止剤として、あるいは現像液の安定性向
上のために、各種キレート剤を用いることができる。こ
れらのキレート剤の添加量は、現像液中の金属イオンを
隠蔽するのに十分な量あればよく、例えば1リットル当
たり0.1g〜10g程度である。
【0219】本発明においては、必要に応じて任意のカ
ブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤としては、塩化
ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリウムの如きアルカ
リ金属ハロゲン化物および含窒素ヘテロ環化合物が用い
られる。含窒素ヘテロ環化合物の添加量は、1×10-5
〜1×10-2モル/リットル、好ましくは、2.5×1
-5〜1×10-3モル/リットルである。
【0220】現像液には、必要により任意の現像促進剤
を添加できる。
【0221】現像液には、蛍光増白剤を含有するのが好
ましい。特に4,4′−ジアミノ−2,2′−ジスルホ
スチルベン系化合物を用いるのが好ましい。
【0222】本発明に適用される現像液の処理温度は2
0〜50℃、好ましくは30〜45℃である。処理時間
は5秒〜2分、好ましくは10秒〜1分である。補充量
は少ない方が好ましいが、感光材料1m2 当たり15〜
600ml、好ましくは25〜200ml、更に好まし
くは35〜100mlである。
【0223】現像の後は脱銀処理される。脱銀処理に
は、定着処理する場合と漂白および定着処理する場合が
ある。漂白および定着処理する場合、漂白処理と定着処
理を個別に行なってもよいし、同時に行なってもよい
(漂白定着処理)。更に二槽の連続した漂白定着浴で処
理すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、ま
たは漂白定着処理後に漂白処理することも目的に応じて
任意に実施できる。また現像の後に脱銀処理を施さず、
安定化処理し、銀塩や色像を安定化処理することも場合
によっては好ましい。
【0224】また現像の後に、***特許(OLS)1,
813,920号、同2,044,993号、同2,7
35,262号、特開昭48−9728号、同49−8
4240号、同49−102314号、同51−538
26号、同52−13336号、同52−73731号
等に記載の過酸化物、亜ハロゲン酸類、ヨードソ化合物
およびコバルト(III)錯化合物を用いた画像補強処理
(補力)を施すことができる。更に画像補強を強めるた
めに、前記現像液に上記画像補強のための酸化剤を添加
し、一浴で現像と画像補力を同時に施すこともできる。
特に過酸化水素が、増幅率が高く好ましい。これら画像
補力法は、感光材料の銀量を大幅に低減できるため、漂
白処理が不用で、かつ安定化処理等で銀(や銀塩)の排
出しないですむこと等が可能になり環境保全上好ましい
処理方法である。
【0225】漂白液や漂白定着液に用いられる漂白剤と
しては、例えば鉄(III)、コバルト(III)、クロム(I
V)、銅(II)等の多価金属の化合物、過酸類、キノン
類やニトロ化合物等が挙げられる。これらのうちエチレ
ンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩、1,3−ジアミノプロ
パン四酢酸鉄(III)錯塩のアミノポリカルボン酸鉄(II
I)や過酸化水素、過硫酸塩等は迅速処理および環境汚染
防止の観点から好ましい。これらのアミノポリカルボン
酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液または漂白定着液のpH
は3〜8で用いられ、好ましくは5〜7である。過硫酸
塩や過酸化水素を用いた漂白液のpHは、4〜11で用
いられ、好ましくは5〜10である。
【0226】漂白液、漂白定着液およびそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
【0227】漂白液、漂白定着液や定着液には、従来か
ら知られている再ハロゲン化剤やpH緩衝剤や金属腐食
防止剤等の添加剤を用いることができる。特に漂白ステ
インを防止するためにも酸解離定数(pKa)が2〜7
の有機酸を含有させることが好ましい。
【0228】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
してはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオ尿素類、多量
の沃化物塩および特開平4−365037号11頁〜2
1頁や同5−66540号1088頁〜1092頁に記
載のスルフィド基を有する含窒素ヘテロ環系化合物、メ
ソイオン系化合物、チオエーテル系化合物を挙げること
ができる。定着液や漂白定着液の保恒剤としては、亜硫
酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸付加物あるいは
欧州特許第294769A号に記載のスルフィン酸化合
物が好ましい。
【0229】定着液や漂白定着液には、さらに各種の蛍
光増白剤;消泡剤;界面活性剤;ポリビニルピロリド
ン;メタノール等を含有させることができる。
【0230】脱銀工程の処理温度は20〜50℃、好ま
しくは30〜45℃である。処理時間は5秒〜2分、好
ましくは10秒〜1分である。補充量は少ない方が好ま
しいが、感光材料1m2 当たり15〜600ml、好ま
しくは25〜200ml、更に好ましくは35〜100
mlである。蒸発分量を水で補う程度で、無補充で処理
することも好ましい。
【0231】本発明の感光材料は、脱銀処理後に水洗工
程を経るのが一般的である。安定化処理を施した場合に
は、水洗工程を省いてもよい。このような安定化処理に
おいては、特開昭57−8543号、同58−1483
4号、同60−220345号に記載の方法や特開昭5
8−127926号、同58−137837号、同58
−140741号に記載の公知の方法すべて用いること
ができる。また、撮影用カラー感光材料の処理に代表さ
れる色素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を最終
浴として使用するような水洗工程−安定化工程をおこな
ってもよい。水洗液および安定化液には、亜硫酸塩;無
機リン酸、ポリアミノカルボン酸、有機アミノホスホン
酸のような硬水軟化剤;Mg塩、Al塩、Bi塩のよう
な金属塩;界面活性剤;硬膜剤;pH緩衝剤;蛍光増加
白剤;含窒素ヘテロ環化合物のような銀塩形成剤などを
使用できる。安定化液の色素安定化剤としては、ホルマ
リンやグルタルアルデヒドなどのアルデヒド類、N−メ
チロール化合物、ヘキサメチレンテトラミンあるいはア
ルデヒド亜硫酸付加物などを挙げることができる。
【0232】水洗や安定化液のpHは4〜9であり、好
ましくは5〜8である。処理温度は15〜45℃であ
り、好ましくは25℃〜40℃である。処理時間は5秒
〜2分、好ましくは10秒〜40秒である。上記水洗お
よび/または安定化液の補充に伴うオーバーフロー液は
脱銀工程等他の工程において再利用できる。
【0233】水洗水および/または安定化液量は種々の
条件によって広範囲に設定しうるが、補充量は感光材料
1m2 当たり15〜360mlが好ましく、25〜12
0mlが更に好ましい。この補充水量の低減のために複
数のタンクを用い、多段向流方式で実施することが好ま
しい。
【0234】本発明においては、節水のためにオーバー
フロー液やタンク内液を逆浸透膜で処理した水を有用で
きる。例えば逆浸透による処理は、多段向流水洗および
/または安定化の第2タンク以降の水に対して行なうの
が好ましい。
【0235】本発明においては、攪拌はできるだけ強化
されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法と
しては特開昭62−183460号、同62−1834
61号に記載の感光材料の乳剤面に処理液のジェット噴
流を衝突させる方法、特開昭62−183461号の回
転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には液中に設
けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感
光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化することによって
攪拌効果を向上させる方法や、処理液全体の循環流量を
増加させる方法が挙げられる。このような攪拌向上手段
は、現像液、漂白液、定着液、漂白定着液、安定化液、
水洗いずれにおいても有用である。これら方法は、液中
の有効成分の感光材料中への供給や感光材料の不要成分
の拡散を促進する点で有効である。
【0236】本発明においては、いずれの浴の液開口率
〔空気接触面積(cm2 )/液体積(cm3 )〕がいか
なる状態でも優れた性能を示すが、液成分の安定性の点
から液開口率としては0〜0.1cm-1が好ましい。連
続処理においては、実用的にも0.001cm-1〜0.
05cm-1の範囲が好ましく、更に好ましくは0.00
-1〜0.03cm-1である。
【0237】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手
段を有していることが好ましい。このような搬送手段は
前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処
理液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果
は、各工程の処理時間の短縮や処理液補充量の低減に特
に有効である。また処理時間の短縮化のためにはクロス
オーバー時間(空中時間)を短くすることが好ましく、
例えば特開平4−86659号の図4,5、または図
6、および特開平5−66540号の図4または図5に
記載の各処理間を遮蔽効果のあるブレードを介して搬送
する方法が好ましい。また連続処理で各処理液が蒸発に
より濃縮する場合には、水を加えて濃縮補正することが
好ましい。
【0238】本発明における工程の処理時間とは、ある
工程での感光材料の処理が開始してから次の工程での処
理が開始されるまでの所要時間を意味する。自動現像機
での実際の処理時間は通常線速度と処理浴の容量によっ
て決まるが、本発明では線速度の目安として500〜4
000mm/分が挙げられる。特に小型現像機の場合に
は500〜2500mm/分が好ましい。全処理工程つ
まり、現像工程から乾燥工程までの処理時間は、360
秒以下が好ましく、120秒以下がさらに好ましく、特
に90〜30秒で使用することが好ましい。ここで処理
時間とは、感光材料が現像液に浸せきしてから、処理機
乾燥部から出るまでの時間である。
【0239】本技術に関する処理剤には種々の添加剤が
用いられ、より詳しくはリサーチ・ディスクロージャー
Item36544(1994年9月)に記載されてお
り、その該当個所を以下にまとめて示した。
【0240】 処理剤種類 頁 現像主薬 536 現像主薬の保恒剤 537左欄 カブリ防止剤 537 キレート剤 537右欄 緩衝剤 537右欄 界面活性剤 538左欄および539左欄 漂白剤 538 漂白促進剤 538右欄〜539左欄 漂白用キレート剤 539左欄 再ハロゲン化剤 539左欄 定着剤 539右欄 定着剤の保恒剤 539右欄 定着用キレート剤 540左欄 安定化用界面活性剤 540左側 安定化用スカム防止剤 540右側 安定用キレート剤 540右側 防菌防ばい剤 540右側 色像安定化剤 540右側
【0241】本技術での節水技術としては、詳しくはリ
サーチ・ディスクロージャーItem36544(19
94年9月)540頁右欄〜541頁左欄に記載されて
いる。
【0242】次に、本発明において、熱現像処理の場合
に用いられる処理素材及び処理方法について詳細に説明
する。
【0243】本発明の感光材料には銀現像及び色素形成
反応を促進する目的で塩基又は塩基プレカーサーを用い
ることが好ましい。塩基プレカーサーとしては、熱によ
り脱炭酸する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、
ロッセン転移またはベックマン転移によりアミン類を放
出する化合物などがある。その具体例は、米国特許第
4,514,493号、同4,657,848号および
公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有
限会社発行)の55頁から86頁等に記載されている。
また、後述する欧州特許公開210,660号、米国特
許第4,740,445号に記載されているような、水
に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩基性金属化合物
を構成する金属イオンと水を媒体として錯形成反応しう
る化合物(錯形成化合物という)の組合せで塩基を発生
させる方法でも良い。塩基又は塩基プレカーサーの使用
量は0.1〜20g/m2 、好ましくは1〜10g/m
2 である。
【0244】本発明の感光材料には、熱現像を促進する
目的で熱溶剤を添加しても良い。その例としては、米国
特許第3,347,675号および同第3,667,9
59号に記載されているような極性を有する有機化合物
が挙げられる。具体的にはアミド誘導体(ベンズアミド
等)、尿素誘導体(メチル尿素、エチレン尿素等)、ス
ルホンアミド誘導体(特公平1−40974号および特
公平4−13701号に記載されている化合物等)、ポ
リオール化合物ソルビトール類)、およびポリエチレン
グリコール類が挙げられる。熱溶剤が水不溶性の場合
は、固体分散物として用いることが好ましい。添加する
層は目的に応じ、感光層、非感光性層のいずれでも良
い。熱溶剤の添加量は、添加する層のバインダーの10
重量%〜500重量%、好ましくは20重量%〜300
重量%である。
【0245】熱現像工程の加熱温度は、約50℃から2
00℃であるが、特に60℃から150℃が有用であ
る。
【0246】熱現像工程において、加熱現像時に空気を
遮断したり、感材からの素材の揮散を防止したり、処理
用の素材を感光材料に供給したり、現像後に不要になる
感光材料中の素材(YF染料、AH染料等)あるいは現
像時に生成する不要成分を除去したりするために、感光
材料とは別の材料を感光材料の感材面に重ねて加熱して
も良い。この場合に用いる処理シートの支持体とバイン
ダーには、感光材料と同様のものを用いることが出来
る。処理シートには、前述の染料の除去その他の目的
で、媒染剤を添加しても良い。媒染剤は写真分野で公知
のものを用いることが出来、US4,50,626号第
58〜59欄や、特開昭61−88256号32〜41
頁、特開昭62−244043号、特開昭62−244
036号等に記載の媒染剤を挙げることが出来る。ま
た、US4,463,079号記載の色素受容性の高分
子化合物を用いても良い。
【0247】処理シートを用いる場合には、塩基又は塩
基プレカーサーは、別シートに含有させるのが感光材料
の生保存性を高める意味で好ましい。また、熱溶剤につ
いては、目的に応じ、感光材料、処理シートのいずれに
入れても良いし、両方に入れても良い。
【0248】処理シートを用いて熱現像する場合には、
現像促進あるいは、処理用素材の転写促進、不要物の拡
散促進の目的で、溶媒を用いても良い。具体的には、米
国特許第4,704,245号、同4,470,445
号、特開昭61−238056号等に記載されている。
この方式においては、加熱温度は、用いる溶媒の沸点以
下が好ましい。例えば溶媒が水の場合は、50℃〜10
0℃が好ましい。現像の促進および/または処理用素材
の拡散転写のために用いる溶媒の例としては、水、無機
のアルカリ金属塩や有機の塩基を含む塩基性の水溶液
(これらの塩基としては画像形成促進剤の項で記載した
ものが用いられる)、低沸点溶媒または低沸点溶媒と水
もしくは前記塩基性水溶液との混合溶液が挙げられる。
また界面活性剤、かぶり防止剤、難溶性金属塩との錯形
成化合物、防黴剤、防菌剤を溶媒中に含ませてもよい。
これらの熱現像工程で用いられる溶媒としては、水が好
ましく用いられるが、水としては一般に用いられる水で
あれば何を用いても良い。具体的には蒸留水、水道水、
井戸水、ミネラルウォーター等を用いることができる。
また本発明の感光材料および受像要素を用いる熱現像装
置においては水を使い切りで使用しても良いし、循環し
繰り返し使用してもよい。後者の場合材料から溶出した
成分を含む水を使用することになる。また特開昭63−
144,354号、同63−144,355号、同62
−38,460号、特開平3−210,555号等に記
載の装置や水を用いても良い。これらの溶媒は感光材
料、処理シートまたはその両者に付与する方法を用いる
ことができる。その使用量は全塗布膜の最大膨潤体積に
相当する溶媒の重量以下でよい。この水を付与する方法
としては、例えば特開昭62−253,159号(5)
頁、特開昭63−85,544号等に記載の方法が好ま
しく用いられる。また、溶媒をマイクロカプセルに閉じ
込めたり、水和物の形で予め感光材料もしくは処理シー
トまたはその両者に内蔵させて用いることもできる。付
与する水の温度は前記特開昭63−85,544号等に
記載のように30℃〜60℃であれば良い。
【0249】少量の水あるいは溶媒の存在下に熱現像を
行う場合、欧州特許公開210,660号、米国特許第
4,740,445号に記載されているように、水に難
溶な塩基性金属化合物およびこの塩基性金属化合物を構
成する金属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる化
合物(錯形成化合物という)の組合せで塩基を発生させ
る方法を採用するのが効果的である。この場合、水に難
溶な塩基性金属化合物は感光材料に、錯形成化合物は処
理シートに添加するのが、生保存性の点で望ましい。
【0250】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触
させたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。
感光材料と処理シートを重ね合わせる方法は特開昭62
−253,159号、特開昭61−147,244号
(27)頁記載の方法が適用できる。
【0251】本発明の写真要素の処理には種々の熱現像
装置のいずれもが使用できる。例えば、特開昭59−7
5,247号、同59−177,547号、同59−1
81,353号、同60−18,951号、実開昭62
−25,944号、特願平4−277,517号、同4
−243,072号、同4−244,693号、同6−
164,421号、同6−164,422号等に記載さ
れている装置などが好ましく用いられる。また市販の装
置としては富士写真フイルム(株)製ピクトロスタット
100、同ピクトロスタット200、同ピクトロスタッ
ト300、同ピクトロスタット330、同ピクトロスタ
ット50、同ピクトログラフィー3000、同ピクトロ
グリフィー2000などが使用できる。
【0252】本発明の感光材料およびまたは処理シート
は加熱現像のための加熱手段としての導電性の発熱体層
を有する形態であっても良い。この発明の発熱要素に
は、特開昭61−145,544号等に記載のものを利
用できる。
【0253】感光材料には、塗布助剤、剥離性改良、ス
ベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面
活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体例は
公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有
限会社発行)の136〜138頁、特開昭62−17
3,463号、同62−183,457号等に記載され
ている。感光材料には、スベリ性防止、帯電防止、剥離
性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよ
い。有機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57
−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944
号、同62−135826号等に記載されているフッ素
系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系
化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ
素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
【0254】感材には滑り性がある事が好ましい。滑り
剤含有層は感光層面、バック面ともに用いることが好ま
しい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.25以
下0.01以上である。この時の測定は直径5mmのス
テンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表
す(25℃、60%RH)。この評価において相手材と
して感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、
高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高
級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキ
サンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチル
シロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチ
ルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層
としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポ
リジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステ
ルが好ましい。
【0255】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、Z
nO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2 3
SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2 5 の中か
ら選ばれた少くとも1種の体積抵抗率が107 Ω・cm
以下、より好ましくは105Ω・cm以下である粒子サ
イズ0.001〜1.0μm結晶性の金属酸化物あるい
はこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,S
i,Cなど)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物ある
いはこれらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有
量としては5〜500mg/m2 が好ましく、特に好ま
しくは10〜350mg/m2 である。導電性の結晶性
酸化物又はその複合酸化物とバインダーの量の比は1/
300〜100/1が好ましく、より好ましくは1/1
00〜100/5である。
【0256】感光材料または処理シートの構成(バック
層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接着防止、
膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良の目
的で種々のポリマーラテックスを含有させることができ
る。具体的には、特開昭62−245258号、同62
−136648号、同62−110066号等に記載の
ポリマーラテックスのいずれも使用できる。特に、ガラ
ス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテックスを媒
染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止することがで
き、またガラス転移点が高いポリマーラテックスをバッ
ク層を用いるとカール防止効果が得られる。
【0257】本発明の感材にマット剤を用いる場合、マ
ット剤としては乳剤面、バック面とどちらでもよいが、
乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤
は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好ましくは
両者を併用することである。例えばポリメチルメタクリ
レート、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=
9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子など
が好ましい。粒径としては0.8〜10μmが好まし
く、その粒径分布も狭い方が好ましく、平均粒径の0.
9〜1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有される
ことが好ましい。又、マット性を高めるために0.8μ
m以下の微粒子を同時に添加することも好ましく、例え
ばポリメチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メ
チルメタクリレート/メタクリル酸=9/1(モル
比)、0.3μm))、ポリスチレン粒子(0.25μ
m)、コロイダルシリカ(0.03μm)が挙げられ
る。具体的には、特開昭61−88256号(29)頁
に記載されている。その他、ベンゾグアナミン樹脂ビー
ズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなど
の特開昭63−274944号、同63−274952
号記載の化合物がある。その他前記リサーチ・ディスク
ロージャー記載の化合物が使用できる。
【0258】熱現像系で用いる場合の感光材料および処
理シートの支持体としては、処理温度に耐えることので
きるものが用いられる。一般的には、日本写真学会編
「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊
(昭和54年)(223)〜(240)頁記載の紙、合
成高分子(フィルム)等の写真用支持体が挙げられる。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロー
ス類(例えばトリアセチルセルロース)等が挙げられ
る。これらは、単独で用いることもできるし、ポリエチ
レン等の合成高分子で片面または両面をラミネートされ
た支持体として用いることもできる。この他に、特開昭
62−253,159号(29)〜(31)頁、特開平
1−161,236号(14)〜(17)頁、特開昭6
3−316,848号、特開平2−22,651号、同
3−56,955号、米国特許第5,001,033号
等に記載の支持体を用いることができる。
【0259】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光材料用の支持体として特開平6−41281
号、同6−43581号、同6−51426号、同6−
51437号、同6−51442号、特願平4−251
845号、同4−231825号、同4−253545
号、同4−258828号、同4−240122号、同
4−221538号、同5−21625号、同5−15
926号、同4−331928号、同5−199704
号、同6−13455号、同6−14666号各公報に
記載の支持体が好ましく用いることができる。また、主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体である支持体も好ましく用いることができる。
【0260】また、支持体と感材構成層を接着させるた
めに、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的
処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線
照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗法について述べると、単層でもよく2層以上で
もよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル
酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた
単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエ
チレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニ
トロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体を膨潤
させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノール
がある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩
(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒ
ド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、
活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキ
シ−s−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、
活性ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。
SiO2 、TiO2 、無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマ
ット剤として含有させてもよい。
【0261】また、支持体として例えば、特開平4−1
24645号、同5−40321号、同6−35092
号、特願平5−58221号、同5−106979号記
載の磁気記録層を有する支持体を用い、撮影情報などを
記録することができるようにしてもよい。
【0262】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上
に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe2 3
どの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2 3 、Co被着マ
グネタイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロ
ム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライ
ト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライト
などを使用できる。Co被複Fe2 2 などのCo被着
強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒状、
球状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積では
BET で20m2 /g以上が好ましく、30m2 /g以
上がが特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、
好ましくは3.0×104〜3.0×105 A/mであ
り、特に好ましくは4.0×104 〜2.5×1005
A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよび/または
アルミナや有機素材による表面処理を施してもよい。さ
らに、磁性体粒子は特開平6−161032号に記載さ
れた如くその表面にシランカップリング剤またはチタン
カップリング剤で処理されてもよい。又特開平4−25
9911号、同5−81652号に記載の表面に無機、
有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0263】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ
又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導
体、糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用するこ
とができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、
重量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビ
ニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルローストリ
プロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼ
ラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテー
トが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン
系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理する
ことができる。イソシアネート系の架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート
類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反
応生成物(例えば、トリレンジイソシアナ−ト3mol
とトリメチロールプロパン1molの反応生成物)、及
びこれらのイソシアネート類の縮合により生成したポリ
イソシアネートなどが挙げられ、例えば特開平6−59
357号に記載されている。
【0264】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−08828
3号記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好まし
くは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜
3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ま
しくは0.5:100〜60:100からなり、より好
ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子
の塗布量は0.005〜3g/m2 、好ましくは0.0
1〜2g/m2 、さらに好ましくは0.02〜0.5g
/m2 である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.
01〜0.50が好ましく、0.03〜0.20がより
好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記
録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全
面またはストライプ状に設けることができる。磁気記録
層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、
エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トラン
スファロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、
ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、
特開平5−341436号等に記載の塗布液が好まし
い。
【0265】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US5,336,589号、同
5,250,404号、同5,229,259号、同
5,215,874号、EP466,130号に記載さ
れている。
【0266】上述の磁気記録層を有する感材に好ましく
用いられるポリエステル支持体について更に記すが、感
材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細につ
いては、公開技報、公技番号94−6023(発明協
会;1994.3.15)に記載されている。ポリエス
テルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として
形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5
−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとし
てジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等
のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいの
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜10
0モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましい
のはポリエチレン 2,6−ナフタレートである。平均
分子量の範囲は約5,000ないし200,000であ
る。ポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに9
0℃以上が好ましい。
【0267】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えば
SnO2 やSb2 5 等)の導電性無機微粒子を塗布す
る)、面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを
付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写り
を防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの
熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後
(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階
で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後であ
る。このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも
良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製のD
iaresin、日本化薬製のKayaset等ポリエ
ステル用として市販されている染料または顔料を練り込
むことにより目的を達成することが可能である。
【0268】次に、撮影感材として用いる場合に感光材
料を装填することのできるフィルムパトローネについて
記す。本発明で使用されるパトローネの主材料は金属で
も合成プラスチックでもよい。好ましいプラスチック材
料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リフェニルエーテルなどである。更にパトローネは、各
種の帯電防止剤を含有してもよくカーボンブラック、金
属酸化物粒子、ノニオン、アニオン、カチオン及びベタ
イン系界面活性剤又はポリマー等を好ましく用いること
ができる。これらの帯電防止されたパトローネは特開平
1−312537号、同1−312538号に記載され
ている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以
下が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性
を付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込
んだプラスチックを使って製作される。パトローネのサ
イズは現在135サイズのままでもよいし、カメラの小
型化には、現在の135サイズの25mmのカートリッ
ジの径を22mm以下とすることも有効である。パトロ
ーネのケースの容積は、30cm3 以下好ましくは25
cm3 以下とすることが好ましい。パトローネおよびパ
トロートケースに使用されるプラスチックの重量は5g
〜15gが好ましい。
【0269】更にスプールを回転してフィルムを送り出
すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ
本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向
に回転させることによってフィルム先端をパトローネの
ポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはU
S4,834,306号、同5,226,613号に開
示されている。
【0270】このカラー撮影材料を用いてカラーペーパ
ーや熱現像感光材料にプリントを作製する方法として、
特開平5−241251号、同5−19364号、同5
−19363号記載の方法を用いることができる。
【0271】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コ
ロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを含むゼラチン下塗り層を設け、さらに3種の
写真構成層を塗布して、以下に表す3層構成の印画紙
(100)を作製した。塗布液は以下のようにして調製
した。 第二層塗布液 カプラー(ExY)17g、発色現像主薬(R−1)20
g、溶媒(Solv−1)80gを酢酸エチルに溶解
し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム及びクエン酸を含む16%ゼラチン溶液400g
に乳化分散させて乳化分散物Aを調製した。一方、塩臭
化銀乳剤A(立方体、平均粒子サイズ0.10μmの大
サイズ乳剤Aと0.08μmの小サイズ乳剤Aとの3:
7混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそ
れぞれ0.08と0.10、各サイズ乳剤とも臭化銀
0.3モル%を、塩化銀を基体とする粒子表面の一部に
極在含有させた)を調製した。この乳剤には下記に示す
青感性増感色素A、B、Cが銀一モル当たり大サイズ乳
剤Aに対しては、それぞれ7.0×10-4モル、また小
サイズ乳剤Aに対しては、それぞれ8.5×10-4モル
添加されている。また、この乳剤の化学熟成は硫黄増感
剤と金増感剤が添加して行なわれた。前記の乳化分散物
Aとこの塩臭化銀乳剤Aとを混合溶解し、以下に示す組
成となるように第二層塗布液を調製した。乳剤塗布量は
銀換算塗布量を示す。
【0272】第一層及び第三層の塗布液も第二層塗布液
と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬膜剤として
は、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナ
トリウム塩を用いた。また各層にCpd−2、Cpd−
3、Cpd−4とCpd−5をそれぞれ全量が15.0
mg/m2 、60.0mg/m2 、50.0mg/m2
および10.0mg/m2 となるように添加した。第二
層の塩臭化銀乳剤には下記の分光増感色素を用いた。
【0273】
【化46】
【0274】また1−(5−メチルウレイドフェニル)
−5−メルカプトテトラゾールをハロゲン化銀1モル当
たり3.0×10-3モル添加した。 (層構成)以下に各層の組成を示す。数字は塗布量(g
/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算塗布量を表
す。なお、第一層に添加した補助現像主薬である1,5
−ジフェニル−3−ピラゾリドンの微粒子固体分散物は
特開平2−235044号の20頁に記載されている方
法で調製した。
【0275】支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2 )と青
味染料(群青)を含む〕
【0276】第一層 ゼラチン 1.12 1,5−ジフェニル−3−ピラゾリドン 0.02 (微粒子固体分散状態)
【0277】第二層 前記の塩臭化銀乳剤A 0.01 ゼラチン 1.40 イエローカプラー(ExY) 0.16 発色現像主薬(R−1) 0.18 溶媒(Solv−1) 0.80
【0278】 第三層(保護層) ゼラチン 1.01 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.02 界面活性剤(Cpd−1) 0.01
【0279】第二層の塗布液中のイエローカプラー、発
色現像主薬とを表1に示したイエローカプラー、発色現
像主薬に等モルで置き換えた以外は試料(100)の作
製と全く同様にして試料(101)〜(105)を作製
した。
【0280】また第二層の塗布液中の塩臭化銀乳剤Aを
以下に示す塩臭化銀乳剤Bに等銀量で置き換え、カプラ
ー、発色現像主薬を表2に示すマゼンタカプラー、発色
現像主薬に等モルで置き換えた以外は試料(100)と
全く同様にして、試料(201)〜(206)を作製し
た。
【0281】塩臭化銀乳剤B:立方体、平均粒子サイズ
0.10μmの大サイズ乳剤Bと、0.08μmの小サ
イズ乳剤Bとの1:3混合物(Agモル比)。粒子サイ
ズ分布の変動係数はそれぞれ0.10と0.08、各サ
イズ乳剤ともAgBr0.8モル%を、塩化銀を基体と
する粒子表面の一部に含有させた。
【0282】塩臭化銀乳剤Bには下記の分光増感色素を
それぞれ用いた。
【0283】
【化47】
【0284】(増感色素Dをハロゲン化銀1モル当た
り、大サイズ乳剤に対しては1.5×10-3モル、小サ
イズ乳剤に対しては1.8×10-3モル、また増感色素
Eをハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤に対して
は2.0×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては3.5
×10-4モル、また増感色素Fをハロゲン化銀1モル当
たり、大サイズ乳剤に対しては1.0×10-3モル、小
サイズ乳剤に対しては1.4×10-3モル添加した)
【0285】また第二層の塗布液中の塩臭化銀乳剤Aを
以下に示す塩臭化銀乳剤Cに等銀量で置き換え、カプラ
ーと発色現像主薬を表3に示すシアンカプラー、発色現
像主薬に等モルで置き換えた以外は試料(100)と全
く同様にして、試料(300)〜(305)を作製し
た。
【0286】塩臭化銀乳剤C:立方体、平均粒子サイズ
0.10μmの大サイズ乳剤Cと、0.08μmの小サ
イズ乳剤との1:4混合物(Agモル比)。粒子サイズ
分布の変動係数は0.09と0.11、各サイズ乳剤と
もAgBr0.8モル%を、塩化銀を基体とする粒子表
面の一部に極在含有させた。
【0287】塩臭化銀乳剤Cには下記の分光増感色素を
それぞれ用いた。
【0288】
【化48】
【0289】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤に対しては各々2.5×10-4モル、また小サイズ乳
剤に対しては4.0×10-4モル添加した。)
【0290】
【化49】
【0291】
【化50】
【0292】
【化51】
【0293】
【化52】
【0294】富士フィルム株式会社製FWH型感光計
(光源の色温度3200°K)を使用して上記のように
作製した試料(100)〜(105)に対してはセンシ
トメトリー用青色フィルターで、試料(200)〜(2
06)にはセンシトメトリー用緑色フィルターで、試料
(300)〜(305)にはセンシトメトリー用赤色フ
ィルターで階調露光を与えた。
【0295】露光後の試料を下記の処理液を用い、下記
の処理工程にて処理を行なった。 処理工程1処理工程 温 度 時 間 現 像 40℃ 50秒 リンス 室 温 45秒
【0296】 現像液(過酸化水素含有アルカリ活性化液) 水 600 ml リン酸カリウム 40 g KCl 5 g ヒドロキシエチリデン−1、1− ジホスホン酸(30%) 4 ml H2 2 10 ml 水を加えて 1000 ml pH(25℃/水酸化カリウムにて) 11.5
【0297】 リンス液 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02 g 脱イオン水(導電率5μS/cm以下) 1000 ml pH 6.5
【0298】処理後のサンプルの最大発色濃度部を試料
(100)〜(105)に対しては、青色光、試料(2
00)〜(206)に対しては緑色光、試料(300)
〜(305)に対しては赤色光にて測定した。結果をそ
れぞれ表1、表2、表3に示す。
【0299】
【表1】
【0300】
【表2】
【0301】
【表3】
【0302】表1、2、3から明らかなように、本発明
の発色現像主薬を用いることにより、補助現像主薬を感
光材料中に内蔵し、過酸化水素によって補力処理した場
合でも高い発色濃度が得られることが分かる。
【0303】実施例2 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コ
ロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを含むゼラチン下塗り層を設け、さらに種々の
写真構成層を塗布して、以下に表す層構成の多層カラー
印画紙(400)を作製した。塗布液は以下のようにし
て調製した。
【0304】第一層塗布液 カプラー(ExY)17g、発色現像主薬(R−1)2
0g、溶媒(Solv−2)80gを酢酸エチルに溶解
し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム及びクエン酸を含む16%ゼラチン溶液400g
に乳化分散させて乳化分散物Aを調製した。一方、塩臭
化銀乳剤D(立方体、平均粒子サイズ0.88μmの大
サイズ乳剤Dと0.70μmの小サイズ乳剤Dとの3:
7混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそ
れぞれ0.08と0.10、各サイズ乳剤とも臭化銀
0.3モル%を、塩化銀を基体とする粒子表面の一部に
極在含有させた)を調製した。この乳剤には実施例1で
用いた青感性増感色素A、B、Cが銀一モル当たり大サ
イズ乳剤Dに対しては、それぞれ1.4×10-4モル、
また小サイズ乳剤Dに対しては、それぞれ1.7×10
-4モル添加されている。また、この乳剤の化学熟成は硫
黄増感剤と金増感剤が添加して行なわれた。前記の乳化
分散物Aとこの塩臭化銀乳剤Dとを混合溶解し、以下に
示す組成となるように第一層塗布液を調製した。乳剤塗
布量は銀換算塗布量を示す。
【0305】第二層から第七層の塗布液も第一層塗布液
と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬膜剤として
は、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナ
トリウム塩を用いた。また各層にCpd−2、Cpd−
3、Cpd−4とCpd−5をそれぞれ全量が15.0
mg/m2 、60.0mg/m2 、50.0mg/m2
および10.0mg/m2 となるように添加した。各感
光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には下記の分光増感色素をそ
れぞれ用いた。
【0306】青感性乳剤層 実施例1で用いた青色増感色素A、B、Cを以下の量用
いた。(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤に対
しては各々1.4×10-4モル、また小サイズ乳剤に対
しては各々1.7×10-4モル添加した。)
【0307】緑感性乳剤層 実施例1で用いた緑色増感色素D、E、Fを以下の量用
いた。(増感色素Dをハロゲン化銀1モル当たり、大サ
イズ乳剤に対しては3.0×10-4モル、小サイズ乳剤
に対しては3.6×10-4モル、また増感色素Eをハロ
ゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤に対しては4.0
×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては7.0×10-5
モル、また増感色素Fをハロゲン化銀1モル当たり、大
サイズ乳剤に対しては2.0×10-4モル、小サイズ乳
剤に対しては2.8×10-4モル添加した。)
【0308】赤感性乳剤層 実施例1で用いた赤色増感色素G、Hを以下の量用い
た。(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤に対し
ては各々5.0×10-5モル、また小サイズ乳剤に対し
ては8.0×10-5モル添加した。)
【0309】第五層(赤感層)には更に、下記の化合物
をハロゲン化銀1モル当たり2.6×10-2モル添加し
た。
【0310】
【化53】
【0311】また青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性
乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフェニル)−
5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1
モル当たり3.5×10-4モル、3.0×10-3モル、
2.5×10-4モル添加した。また、青感性乳剤層と緑
感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデンをそれぞれハロゲン化
銀1モル当たり、1×10-4モルと2×10-4モル添加
した。また、イラジエーション防止のために、乳剤層に
下記の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加した。
【0312】
【化54】
【0313】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換
算塗布量を表す。
【0314】支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2 )と青
味染料(群青)を含む〕
【0315】第一層(青感性乳剤層) 前記の塩臭化銀乳剤D 0.20 ゼラチン 1.50 イエローカプラー(ExY) 0.17 発色現像主薬(R−1) 0.20 溶媒(Solv−1) 0.80
【0316】第二層(混色防止層) ゼラチン 1.09 混色防止剤(Cpd−6) 0.11 溶媒(Solv−2) 0.19 溶媒(Solv−3) 0.07 溶媒(Solv−4) 0.25 溶媒(Solv−5) 0.09 1,5−ジフェニル−3−ピラゾリドン 0.03 (微粒子固体分散状態)
【0317】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤E(立方体、平均粒子サイズ0.55μmの大サイズ乳剤E と、0.39μmの小サイズ乳剤Eとの1:3混合物(Agモル比)。粒 子サイズ分布の変動係数はそれぞれ0.10と0.08、各サイズ乳剤と もAgBr0.8モル%を、塩化銀を基体とする粒子表面の一部に含有さ せた。) 0.20 ゼラチン 1.50 マゼンタカプラー(ExM) 0.24 発色現像主薬(R−1) 0.20 溶媒(Solv−1) 0.80
【0318】第四層(混色防止層) ゼラチン 0.77 混色防止剤(Cpd−6) 0.08 溶媒(Solv−2) 0.14 溶媒(Solv−3) 0.05 溶媒(Solv−4) 0.14 溶媒(Solv−5) 0.06 1,5−ジフェニル−3−ピラゾリドン 0.02 (微粒子固体分散状態)
【0319】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤F(立方体、平均粒子サイズ0.5μmの大サイズ乳剤Fと 、0.41μmの小サイズ乳剤Fとの1:4混合物(Agモル比)。粒子 サイズ分布の変動係数は0.09と0.11、各サイズ乳剤ともAgBr 0.8モル%を、塩化銀を基体とする粒子表面の一部に極在含有させた。) 0.20 ゼラチン 1.50 シアンカプラー(ExC) 0.21 発色現像主薬(R−1) 0.20 溶媒(Solv−1) 0.80
【0320】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.64 紫外線吸収剤(UV−1) 0.39 色像安定剤(Cpd−7) 0.05 溶媒(Solv−6) 0.05
【0321】 第七層(保護層) ゼラチン 1.01 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.02 界面活性剤(Cpd−1) 0.01
【0322】
【化55】
【0323】
【化56】
【0324】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換
算塗布量を表す。
【0325】試料(400)に対してカプラー、発色現
像主薬を表4に示したカプラー、発色現像主薬に等モル
で置き換えた以外は試料(400)の作製と全く同様に
して試料(401)〜(403)を作製した。
【0326】
【表4】
【0327】上記のように作製した全試料に対して、富
士フィルム株式会社製FWH型感光計(光源の色温度3
200°K)を使用してセンシトメトリー用3色分解フ
ィルターの階調露光を与えた。
【0328】露光後の試料を下記の処理液を用い、下記
の処理工程にて処理を行なった。処理工程 温 度 時 間 現 像 35℃ 45秒 漂白定着 40℃ 45秒 リンス 室 温 90秒
【0329】 現像液(アルカリ活性化液) 水 600 ml リン酸カリウム 40 g KCl 5 g ヒドロキシエチリデン−1,1− ジホスホン酸(30%) 4 ml 水を加えて 1000 ml pH(25℃/水酸化カリウムにて) 12
【0330】 漂白定着液 水 600 ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 93 ml 亜硫酸アンモニウム 40 g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 55 g エチレンジアミン四酢酸 2 g 硝酸(67%) 30 g 水を加えて 1000 ml pH(25℃/酢酸及びアンモニア水にて) 5.8
【0331】リンス液は実施例1で用いたリンス液を用
いた。
【0332】処理後のサンプルの最大発色濃度部を赤色
光、緑色光、青色光にて測定した。結果を表5に示す。
【0333】
【表5】
【0334】表5から明らかなように、補助現像主薬を
感光材料内に内蔵した重層の感光材料の場合にも高い発
色濃度が得られることが分かる。また本発明の感光材料
は色相、光堅牢性の点で優れていた。
【0335】実施例3 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コ
ロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを含むゼラチン下塗り層を設け、さらに3種の
写真構成層を塗布して、以下に表す3層構成の印画紙
(500)を作製した。塗布液は以下のようにして調製
した。
【0336】第一層塗布液 カプラー(ExY2)17g、発色現像主薬(R−1)2
0g、溶媒(Solv−2)80gを酢酸エチルに溶解
し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム及びクエン酸を含む16%ゼラチン溶液に乳化分
散させて乳化分散物Dを調製した。乳化分散物Aと実施
例2で用いた塩臭化銀乳剤Dとを混合溶解し、以下に示
す組成となるように第一層塗布液を調製した。乳剤塗布
量は銀換算塗布量を示す。
【0337】第二層及び第三層の塗布液も第一層塗布液
と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬膜剤として
は、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナ
トリウム塩を用いた。また各層にCpd−2、Cpd−
3、Cpd−4とCpd−5をそれぞれ全量が15.0
mg/m2 、60.0mg/m2 、50.0mg/m2
および10.0mg/m2 となるように添加した。第一
層の塩臭化銀乳剤には実施例2で用いた青色増感色素
A、BおよびCを実施例2で用いた量と同量用いた。
【0338】また1−(5−メチルウレイドフェニル)
−5−メルカプトテトラゾールをハロゲン化銀1モル当
たり3.0×10-3モル添加した。 (層構成)以下に各層の組成を示す。数字は塗布量(g
/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算塗布量を表
す。
【0339】支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2 )と青
味染料(群青)を含む〕
【0340】第一層 前記の塩臭化銀乳剤D 0.20 ゼラチン 1.60 イエローカプラー(ExY2) 0.19 発色現像主薬(R−1) 0.22 溶媒(Solv−2) 0.90
【0341】 第二層 ゼラチン 3.17 媒染剤(Cpd−8) 3.21 第三層(保護層) ゼラチン 1.01 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.02 界面活性剤(Cpd−1) 0.01
【0342】
【化57】
【0343】第一層の塗布液中のイエローカプラー、発
色現像主薬とを表6に示したイエローカプラー、発色現
像主薬に等モルで置き換えた以外は試料(500)の作
製と全く同様にして試料(501)〜(503)を作製
した。
【0344】また第一層の塗布液中の塩臭化銀乳剤Dを
実施例2で用いた塩臭化銀乳剤Eに等銀量で置き換え、
カプラー、発色現像主薬を表7に示すマゼンタカプラ
ー、発色現像主薬に等モルで置き換えた以外は試料(5
00)と全く同様にして、試料(600)〜(603)
を作製した。塩臭化銀乳剤Eには実施例2で用いた緑色
増感色素D、E、Fを実施例2で用いた量と同量用い
た。
【0345】第一層の塗布液中の塩臭化銀乳剤Dを実施
例2で用いた塩臭化銀乳剤Fに等銀量で置き換え、カプ
ラーと発色現像主薬を表8に示すシアンカプラー、発色
現像主薬に等モルで置き換えた以外は試料(500)と
全く同様にして、試料(700)〜(703)を作製し
た。塩臭化銀乳剤Fには実施例2で用いた赤色増感色素
G、Hを実施例2で用いた量と同量用いた。
【0346】富士フィルム株式会社製FWH型感光計
(光源の色温度3200°K)を使用して上記のように
作製した試料(500)〜(503)に対してはセンシ
トメトリー用青色フィルターで、試料(600)〜(6
03)にはセンシトメトリー用緑色フィルターで、試料
(700)〜(703)にはセンシトメトリー用赤色フ
ィルターで階調露光を与えた。
【0347】露光後の試料を下記の処理液を用い、下記
の処理工程にて処理を行なった。処理工程 温 度 時 間 現 像 40℃ 25秒 漂白定着 40℃ 45秒 リンス 室 温 45秒
【0348】 現像液 水 600 ml リン酸カリウム 40 g ジナトリウム−N,N−ビス (スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 10 g KCl 5 g ヒドロキシエチリデン−1,1− ジホスホン酸(30%) 4 ml 1−フェニル−4−メチル−4 −ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン 1 g 水を加えて 1000 ml pH(25℃/水酸化カリウムにて) 12
【0349】漂白定着液及びリンス液は実施例2で用い
た現像液、漂白定着液及びリンス液を用いた。
【0350】処理後のサンプルの最大発色濃度部を試料
(500)〜(503)に対しては、青色光、試料(6
00)〜(603)に対しては緑色光、試料(700)
〜(703)に対しては赤色光にて測定した。結果をそ
れぞれ表6、表7、表8に示す。
【0351】
【表6】
【0352】
【表7】
【0353】
【表8】
【0354】表6、7、8から明らかなように、本発明
の発色現像主薬を用いることにより、媒染剤を感光材料
中に含有させた場合でも高い発色濃度が得られることが
分かる。また、本発明の感光材料によって、色相および
光堅牢性の点でも大幅に改良しえた。
【0355】実施例4 <感光性ハロゲン化銀乳剤の調製方法>良く攪拌してい
るゼラチン水溶液(水1000ml中に不活性ゼラチン
30g、臭化カリウム2g)に、溶剤としてアンモニア
・硝酸アンモニウムを溶剤として加えて75℃に保温
し、ここに硝酸銀1モルを含む水溶液1000mlと、
臭化カリウム1モルと沃化カリウム0.03モルを含む
水溶液1000mlを78分かけて同時に添加した。水
洗、脱塩の後、不活性ゼラチンを加えて再分散し、球相
当径0.76μのヨード含有率3モル%の沃臭化銀乳剤
を調製した。球相当径は、コールターカウンター社のモ
デルTA−IIで測定した。上記乳剤に、56℃でチオシ
アン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウムを添加
し、最適に化学増感した。この乳剤に各分光感度に相当
する増感色素を、塗布液調液時に添加して感色性を与え
た。
【0356】<水酸化亜鉛分散物の調製方法>一次粒子
の粒子サイズが0.2μmの水酸化亜鉛の粉末31g、
分散剤としてカルボキシメチルセルロース1.6gおよ
びポリアクリル酸ソーダ0.4g、石灰処理オセインゼ
ラチン8.5g、水158.5mlを混合し、この混合
物をガラスビーズを用いたミルで1時間分散した。分散
後、ガラスビーズを濾別し、水酸化亜鉛の分散物188
gを得た。
【0357】<カプラーの乳化分散物の調製方法>表9
に示す組成の油相成分、水相成分をそれぞれ溶解し、6
0℃の均一な溶液とする。油相成分と水相成分を合わ
せ、1リットルのステンレス容器中で、直径5cmのデ
ィスパーサーのついたディゾルバーにより、10000
rpmで20分間分散した。これに、後加水として、表
9に示す量の温水を加え、2000rpmで10分間混
合した。このようにして、シアン、マゼンタ、イエロー
3色のカプラーの乳化分散物を調製した。
【0358】
【表9】
【0359】
【化58】
【0360】
【化59】
【0361】このようにして得られた素材を用いて、表
10、11に示す多層構成の熱現像カラー感光材料80
1を作製した。
【0362】
【表10】
【0363】
【表11】
【0364】
【化60】
【0365】
【化61】
【0366】
【化62】
【0367】さらに、表12、13、14に示す内容の
処理材料R−1を作製した。
【0368】
【表12】
【0369】
【表13】
【0370】
【表14】
【0371】
【化63】
【0372】
【化64】
【0373】次に、表15に示すとおりに、現像主薬を
変更した以外は801と全く同じ組成の感光材料802
〜810をそれぞれ作製した。このようにしてできた感
光材料801〜810に連続的に濃度の変化したB、
G、Rのフィルターを通して2500ルクスで0.01
秒露光した。この露光済の感材面に40℃の温水を15
ml/m2 付与し、処理シートと互いの膜面同志を重ね
合わせた後、ヒートドラムを用いて83℃で30秒間熱
現像した。処理後受像材料を剥離すると、感材側に露光
したフィルターに対応して、シアン、マゼンタ、イエロ
ーのカラー画像が鮮明に得られた。処理直後にこのサン
プルの最高濃度部(Dmax )と最低濃度部(Dmin )を
X−rite濃測機で測定した結果を表16に示す。
【0374】
【表15】
【0375】
【表16】
【0376】
【化65】
【0377】
【化66】
【0378】表16の結果をまとめると、まず、比較例
の現像主薬を用いたサンプル(801〜804)では、
ほとんど色素画像が得られない。これに対して本発明の
現像主薬を用いたサンプル(805〜810)では、デ
ィスクリミネーションに優れた画像が得られていること
がわかる。以上より本発明の効果は明らかである。ま
た、本発明の感光材料は、色相および光堅牢性の点でも
著しく改良された。
【0379】
【発明の効果】本発明に係る発色現像主薬を使用するこ
とにより、現像時に、イエロー、マゼンタおよびシアン
の十分な濃度と良好な色相の発色が得られる。本発明の
ハロゲン化銀写真感光材料においては活性位置換型カプ
ラーを使用しても発色性が良好であり、本発明の画像形
成方法によれば高品質の画像を形成することができる。
本発明の現像主薬を用いると、更に堅牢性(特に、光堅
牢性)を著しく改良することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【化9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 8/40 505 G03C 8/40 505

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表される発色現像主薬。 一般式(I) 【化1】 式中、Qは炭素原子とともに不飽和の環を形成する非金
    属原子群を表す。Zはアシル基、カルバモイル基、アル
    コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ス
    ルホニル基、スルファモイル基、アミジノ基またはイミ
    ドイル基を表す。
  2. 【請求項2】 前記の一般式(I)で表される発色現像
    主薬が一般式(II)で表される化合物であることを特徴
    とする請求項1に記載の発色現像主薬。 一般式(II) 【化2】 式中、Qは炭素原子とともに不飽和の環を形成する非金
    属原子群を表す。R1〜R2 は水素原子または置換基を
    表す。
  3. 【請求項3】 一般式(I)が一般式(III)であること
    を特徴とする請求項1に記載の発色現像主薬。 一般式(III) 【化3】 式中、X1 〜X4 は水素原子または置換基を表す。Zは
    アシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、
    アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、スルファ
    モイル基、アミジノ基またはイミドイル基を表す。
  4. 【請求項4】 一般式(I)が一般式(IV)であること
    を特徴とする請求項1に記載の発色現像主薬。 一般式(IV) 【化4】 式中、X1 〜X4 は水素原子または置換基を表す。R1
    〜R2 は水素原子または置換基を表す。
  5. 【請求項5】 支持体上に設けられた少なくとも1層の
    親水性コロイド層中に請求項1記載の一般式(I)で表
    される化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料を50℃以上、200℃以下で加熱処理することに
    より現像をおこなうことを特徴とする画像形成方法。
  7. 【請求項7】 像露光されたハロゲン化銀写真感光材料
    を、請求項1記載の一般式(I)で表される発色現像主
    薬の存在下に現像することを特徴とする画像形成方法。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料を溶液中で現像することを特徴とする画像形成方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の一般式(I)で表され
    る発色現像主薬を含有する処理液にてハロゲン化銀感光
    材料を現像することを特徴とする画像形成方法。
JP33420595A 1995-11-30 1995-11-30 発色現像主薬、ハロゲン化銀写真感光材料および画像形成方法 Pending JPH09152703A (ja)

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