JPH09151884A - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイルポンプ効率を高めるとともに、組付け
形態の簡略化に伴う加工性を高め、コストダウン及び軽
量化を図る。 【解決手段】 内底面部を潤滑用オイルＯのオイル溜め
９とした密閉容器１内の上部に電動要素１０のクランク
軸１３にて駆動されるスクロール圧縮要素２０を収納す
る。このスクロール圧縮要素の圧縮室Ｐにオイル溜めか
らオイルポンプ機構５０にて上昇する潤滑用オイルを供
給する。このオイルポンプ機構は、ベアリングプレート
５１と、このベアリングプレート５１に形成したシリン
ダ室５３と、このシリンダ室に設けられるロータ５４
と、このロータに摺動自在に対接させたスラストプレー
ト５６と、このスラストプレートと共にシリンダ室を覆
うカバー部材５７とをボルト５９にて組付け一体化す
る。これらスラストプレートとカバー部材とを鋼板のプ
レス打抜き材でそれぞれ形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば空調機あ
るいは冷凍機等に搭載されるスクロール圧縮機に関し、
特に、ベアリングプレートに組付け一体化される容量型
のオイルポンプ機構の構造に改良を施すことにより、イ
ンバータ仕様による低速から高速までの可変速運転下に
おける流量の通路抵抗を小さくし、オイルポンプ効率を
高めるとともに、組付け形態の簡略化に伴う加工性を高
め、コストダウン及び軽量化を図るようにしたものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のスクロール圧縮機におい
ては、密閉容器内の上部に収納されたスクロール圧縮要
素を、電動要素のクランク軸にて駆動するとともに、こ
のクランク軸にて密閉容器の内底面部のオイル溜め貯溜
された潤滑用オイルをスクロール圧縮要素側に給油して
なる容量型のオイルポンプ機構を備えてなる構成を有す
るものがある。

【０００３】そして、従来の容量型のオイルポンプ機構
としては、図２５に示すように、ベアリングプレートａ
にシリンダ室ｂを一体形成し、このシリンダ室ｂにロー
タｃを組み込むとともに、このロータｃが揺動自在なシ
リンダ室ｂをスラストプレートｄ及びカバー部材ｅで覆
い、これらスラストプレートｄ及びカバー部材ｅをベア
リングプレートａにボルトｆにて締付け固定して組み付
ける一方、カバー部材ｅに設けたオイル吸込口ｇからシ
リンダ室ｂに吸い込まれる潤滑用オイルＯを電動要素
（図示せず）のクランク軸ｈの偏心軸部に連動するロー
タｃの公転による吸入・排出によって上昇させ、クラン
ク軸ｈのオイル通路ｉを通してスクロール圧縮要素（図
示せず）側に給油するようになっている。

【０００４】また、前記オイルポンプ機構には、高速運
転時の入力減として、カバー部材ｅに開放させてなるリ
リーフ溝ｊをリリーフバルブｋにて閉塞し、このリード
バルブｋをスプリングホルダｌにて保持されたスプリン
グｍにて付勢してなるフロート式のリリーフ機構を設
け、オイル供給過多の際に、一定負荷以上でリリーフバ
ルブｋを開弁させ、オイルを排出させることにより、オ
イル圧縮を防止するようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来構造のスクロール圧縮機におけるオイルポンプ機
構にあっては、オイルポンプの構成部品であるカバー部
材ｅがアルミダイカスト成形品からなるために、加工数
が多く、コスト高になるとともに、全体重量を増大化さ
せる。

【０００６】しかも、上記したようなフロート式のリリ
ーフ機構では、組立構成部品が多く、構造が複雑になる
ばかりでなく、また、単なるリードバルブの使用では、
リリーフ溝が円形であると、流量の通路抵抗が大きくな
る。

【０００７】さらに、前記ベアリングプレートａが中心
軸部ａ１から張出す複数本（例えば３本）の固定脚ａ２
を有する形態のものでは、カバー部材ｅをボルトｆにて
組み付ける場合にボルト孔を孔明けする際、ボルト孔位
置をリリーフ機構としてのリードバルブの取付けに兼用
することが可能であるが、ボルト孔位置と固定脚ａ２の
張出し方向とを無視すると、リードバルブの長さに制約
を受けるか、ベアリングプレートａの駄肉が増えて重量
の増加を招く。

【０００８】また、従来のオイルポンプ機構では、図２
６及び図２７（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）に示すように、
ロータｃに突出させたベーンｃ１の幅をシリンダ室ｂの
内周側壁に設けたベーンスロートｂ１の幅よりも狭くし
て、その付け根部ｃ２側に向け真っ直に延ばしたストレ
ートな形態にするとともに、ベーンスロートｂ１側もス
トレートな形態にして、それらの間に充分な隙間を持た
せ、この隙間により、ロータ公転によってオイル吸込口
ｎ１から吸い込まれた潤滑用オイルをオイル排出口ｎ２
から排出させる際のベーンｃ１の倒れを防止するように
なっている。

【０００９】ところが、このようなベーン形態では、図
２７（Ｄ）に示すオイル排出行程において、図２８に示
すように、ベーン付け根部ｃ２の角縁部ｃ３がシリンダ
室ｂと干渉し合い、ベーンｃ１のスイングが円滑に行な
えないばかりでなく、互いの干渉部の摩耗が激しいため
に、ベーン付け根部ｃ２の角縁部ｃ３側に逃げ部を切欠
き加工するか、ベーンスロートｂ１側エッジ部を面取り
加工する必要があり、これによって、オイルポンプ効率
が低下する

【００１０】この発明の目的は、オイルポンプ効率を高
めるとともに、組付け形態の簡略化に伴う加工性を高
め、コストダウン及び軽量化を図ることができるように
したスクロール圧縮機を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、内底面部を潤滑用オイルのオイル
溜めとした密閉容器内の上部に電動要素のクランク軸に
て駆動される固定スクロールと揺動スクロールとからな
るスクロール圧縮要素を収納し、このスクロール圧縮要
素の圧縮室にて吸入される冷媒ガスを圧縮させるととも
に、この圧縮室に前記オイル溜めからオイルポンプ機構
にて上昇する潤滑用オイルを前記クランク軸内の軸方向
に沿って貫通させたオイル通路を通して供給してなるス
クロール圧縮機において、前記オイルポンプ機構は、前
記密閉容器内の内底面部側の内周側面に固定されかつそ
の軸受孔に前記クランク軸の下端部が軸支されるベアリ
ングプレートと、このベアリングプレートに形成された
シリンダ室と、このシリンダ室に収納されかつ前記クラ
ンク軸の下端偏心軸部にて揺動自在に公転するロータ
と、このロータに摺動自在に対接させたスラストプレー
トと、このスラストプレートと共に前記シリンダ室を覆
うカバー部材とをボルトにて組付け一体化され、これら
スラストプレートとカバー部材とを鋼板のプレス打抜き
材でそれぞれ形成してなるとともに、前記スラストプレ
ートは、前記クランク軸のオイル通路に連通する第１の
孔と、前記シリンダ室の内周側壁面に形成したオイル吸
込口用切欠部とオイル排出口用切欠部とにそれぞれ連通
する第２及び第３の孔とを有する一方、前記カバー部材
は、前記スラストプレートの第２のオイル吸込口用孔に
連通するオイル吸込孔と、前記スラストプレートの第３
のオイル排出用孔と前記クランク軸のオイル通路に互い
に連通する長溝状のリリーフ溝とを設けてなる構成とし
たものである。

【００１２】この場合、前記カバー部材に設けたリリー
フ溝は、前記密閉容器内のオイル溜めに開放し、このリ
リーフ溝の開放部をリードバルブにて閉塞されるように
なっているものである。

【００１３】また、前記ベアリングプレートには、複数
本の固定脚が前記密閉容器内の内周側面に向け張出し形
成され、これらの中の１本の固定脚の張出し方向と同一
方向に前記ベアリングプレートに加工されるオイル排出
口用切欠部及びボルト孔が配置されるようになっている
ものである。

【００１４】さらに、前記スラストプレートとカバー部
材とにそれぞれ形成されるベアリングプレートのボルト
孔に対応する２つのボルト孔と、オイル排出用孔及びク
ランク軸のオイル通路に連通する第１の孔もしくはリリ
ーフ溝は、一直線上に配置されるようになっているもの
である。

【００１５】さらにまた、前記ベアリングプレートのシ
リンダ室の内周側壁面に設けたベーンスロットに係合す
るロータのベーンの先端部は、前記ベーンスロットの幅
寸法とほぼ同じの直径からなる円形に形成され、その付
け根部側を前記ベーンスロットの幅寸法よりも狭くした
形態を有するものである。

【００１６】また、この発明のオイルポンプ機構は、前
記密閉容器内の内底面部側の内周側面に固定されかつそ
の軸受孔に前記クランク軸の下端部が軸支されるベアリ
ングプレートと、このベアリングプレートに形成された
シリンダ室と、このシリンダ室に収納されかつ前記クラ
ンク軸の下端偏心軸部にて揺動自在に公転するトロコイ
ドギヤからなるロータと、このロータに摺動自在に対接
させたスラストプレートと、このスラストプレートと共
に前記シリンダ室を覆うカバー部材とをボルトにて組付
け一体化され、これらスラストプレートとカバー部材と
を鋼板のプレス打抜き材でそれぞれ形成してなるととも
に、前記スラストプレートは、前記クランク軸のオイル
通路に連通する第１の孔と、前記シリンダ室の内周側壁
面に形成したオイル吸込口用切欠部とオイル排出口用切
欠部とにそれぞれ連通する第２及び第３の孔とを有する
一方、前記カバー部材は、前記スラストプレートの第２
のオイル吸込口用孔に連通するオイル吸込孔と、前記ス
ラストプレートの第３のオイル排出用孔と前記クランク
軸のオイル通路に互いに連通するリリーフ溝とを設けて
なる構成としたものである。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
１から図２４に示す図面に基づいて詳細に説明すると、
図１はこの発明に係るスクロール圧縮機の全体構成を示
し、図中１は密閉容器で、この密閉容器１は、円筒状胴
部２と、この胴部２の上下両端部２ａ，２ｂをそれぞれ
被冠するエンドキャップ３，４とで形成されている。

【００１８】前記密閉容器１内の下部には、電動要素１
０が収納されていて、この電動要素１０の上部には、ス
クロール圧縮要素２０が収納されているとともに、前記
電動要素１０は、固定子１１と、この固定子１１の中心
軸部に回転自在に挿嵌される回転子１２とからなり、こ
の回転子１２の中心軸部には、前記スクロール圧縮要素
２０を駆動するクランク軸１３が圧入状態で固定されて
いる。

【００１９】前記スクロール圧縮要素２０は、前記密閉
容器１内に固定された上側固定スクロール２１と、前記
密閉容器１内に固定されたメインフレーム５にオルダム
リング６を介して揺動自在に支持された下側揺動スクロ
ール３１とからなるとともに、前記固定スクロール２１
の鏡板２２の下面部に形成された渦巻き状のラップ２３
に、前記揺動スクロール３１の鏡板３２の上面部に形成
された渦巻き状のラップ３３を互いに歯合させることに
より圧縮室Ｐを形成している。

【００２０】また、図中７は前記密閉容器１の外側部に
設けた冷媒ガスＧの吸入管で、この吸入管７は、前記密
閉容器１内の低圧空間１Ａ側に臨み、この低圧空間１Ａ
に供給された冷媒ガスＧは、前記スクロール圧縮要素２
０の圧縮室Ｐ内の初期圧縮室Ｐ１側に吸入されるように
なっているとともに、前記スクロール圧縮要素２０の中
心軸部側の後期圧縮室Ｐ２側に向けて圧縮され、このス
クロール圧縮要素２０にて圧縮された冷媒ガスＧは、前
記固定スクロール２１の鏡板２２に開口させた後期圧縮
室Ｐ２に連通する吐出口２４から前記密閉容器１内上部
の高圧空間１Ｂ側に吐出され、前記密閉容器１の上部エ
ンドキャップ３に設けた吐出管８から図示しない外部の
冷媒ユニット回路に吐出させるようになっている。

【００２１】さらに、前記密閉容器１の内底面部は、潤
滑用オイルＯのオイル溜め９となっていて、このオイル
溜め９に貯溜された潤滑用オイルＯは、前記電動要素１
０のクランク軸１３の下端部１３ａに連動させて設けら
れた後述するオイルポンプ機構５０にて上昇し、前記ク
ランク軸１３内を貫通するオイル通路１４を通して前記
クランク軸１３の上端部である偏心軸部１３ｂ側に吐出
させるようになっているものである。

【００２２】そして、図２及び図３に示すように、前記
スクロール圧縮要素２０である揺動スクロール３１の鏡
板３２の下面中央軸部には、ブッシュ部３４が一体に突
出形成され、このブッシュ部３４に形成された嵌合穴３
５に、前記クランク軸１３の上端偏心軸部１３ｂを嵌合
することにより、前記揺動スクロール３１を駆動させる
ようになっているとともに、この嵌合穴３５と前記クラ
ンク軸１３の上端偏心軸部１３ｂとの間に形成される空
隙を段付き空間部３６に形成することによりオイル導入
口としている。

【００２３】すなわち、このオイル導入口３６には、前
記オイル溜め９に貯溜された潤滑用オイルＯが後述する
オイルポンプ機構５０にて前記オイル通路１４を通って
クランク軸１３の上端部である偏心軸部１３ｂ側に吐出
するように上昇して導入され、この潤滑用オイルＯは、
前記揺動スクロール３１の鏡板３２と前記メインフレー
ム５とのスラスト面に形成したオイル溝（図示せず）か
ら前記スクロール圧縮要素２０の圧縮室Ｐ内の初期圧縮
室Ｐ１に冷媒ガスＧと共に供給されるようになっている
ものである。

【００２４】また、前記揺動スクロール３１の鏡板３２
内には、前記中央軸部側のオイル導入口３６の段付き空
間部３６Ａから前記圧縮室Ｐ側に連通させてなるオイル
インジェクション機構を構成する２本のオイルインジェ
クション連通路３７，３８がそれぞれ形成され、これら
各々のオイルインジェクション連通路３７，３８は、前
記圧縮室Ｐ側の開口端３７ａ，３８ａを前記固定スクロ
ール２１と揺動スクロール３１とにそれぞれ形成してな
る渦巻き状ラップ２３，３３の終端部２３ａ，３３ａ側
近傍に開口させて、前記圧縮室Ｐ内の初期圧縮室Ｐ１に
臨ませるようになっているものである。

【００２５】さらに、前記密閉容器１内のスクロール圧
縮要素２０の上部背面側には、バッフル板４１が設けら
れ、このバッフル板４１は、その外周端縁部４１ａを円
筒状に立上り形成し、かつ、その内底面部４２の中央部
に前記スクロール圧縮要素２０の上側固定スクロール２
１に設けたボス部２５に嵌合される円筒状の嵌合口部４
３を立上り形成した二重円筒形態を有するプレス成形さ
れた鋼板からなり、前記内底面部４２は、下方に向け円
弧状に湾曲させたオイル溜めとなる受皿状の形態を有
し、その中央部には、円筒状の嵌合口部４３が立上り形
成されているとともに、この嵌合口部４３の上端内周縁
には、ストッパとなるフランジ部４４が形成してなる一
方、前記内底面部４２の中央部側近傍には、前記密閉容
器１内の低圧空間１Ａ側に連通するオイルリターン通路
４５が設けられている。

【００２６】前記バッフル板４１は、その外周端縁部４
１ａを前記密閉容器１の胴部２の上端部２ａに被冠され
るエンドキャップ３の外周端縁部３ａと共に溶接にて固
定されているとともに、図４に示すように、前記嵌合口
部４３を前記固定スクロール２１の鏡板２２の上部背面
側中心軸部に突出形成したボス部２５の外周側面にシー
ル溝２６を介して組み付けられる断面Ｕ字形のラジアル
シールリング４６を介して非接触状態で嵌合させてなる
組付構造を有するもので、前記ストッパとなるフランジ
部４４は、前記固定スクロール２１の鏡板２２に突出形
成したボス部２５の上面に係止可能になっている。

【００２７】すなわち、前記バッフル板４１は、前記エ
ンドキャップ３との間に形成される前記嵌合口部４３上
方の空間４７が前記固定スクロール２１に設けた吐出口
２４を介して高圧側の後期圧縮室Ｐ２に連通する吐出マ
フラー部となるように前記密閉容器１内を仕切ってなる
ものであり、この高圧空間１Ｂを形成するマフラー空間
４７を通して、前記圧縮室Ｐにて圧縮された高圧な冷媒
ガスＧを前記吐出管８から吐出させてなるとともに、そ
の内底面部４２には、前記エンドキャップ３の内面に冷
媒ガスＧと共に吹き付けられて分離して滴下する潤滑用
オイルＯが貯溜され、この潤滑用オイルＯを前記オイル
リターン通路４５から前記密閉容器１内の低圧空間１Ａ
側に流出させることにより、前記密閉容器１の内底面部
のオイル溜め９に戻すようにしたオイルセパレータ機能
を備えている。

【００２８】また、前記オイルポンプ機構５０は、図５
から図１２に第１の実施の形態として示すように、前記
密閉容器１の内底面部側に固定されるアルミダイカスト
成形品などからなるベアリングプレート５１と、このベ
アリングプレート５１の下端面側に形成されかつその中
心軸部に貫通形成された軸受孔５２と、この軸受孔５２
に軸支された前記クランク軸１３の下端部１３ａ側の偏
心軸部１５が臨むシリンダ室５３と、このシリンダ室５
３の内側壁面にそれぞれ形成してなるベーンスロット５
３Ａ，オイル吸込口用切欠部５３Ｂ及びオイル排出口用
切欠部５３Ｃと、前記シリンダ５３内に前記クランク軸
１３の下端偏心軸部１５の回転にて揺動するように組み
込まれかつその外周側面に前記ベーンスロット５３Ａに
係合するベーン５５が一体に突出形成されたロータ５４
と、このロータ５４をスラスト自在に支持するスラスト
プレート５６と、このスラストプレート５６を介して前
記ロータ５４が組み込まれたシリンダ室５３を覆うカバ
ー部材５７とで構成されている。

【００２９】そして、前記スラストプレート５６は、前
記クランク軸１３の偏心軸部１５側に開口させたオイル
通路１４と連通する第１のオイル孔５６Ａと、前記シリ
ンダ室５３の内側壁面にそれぞれ形成したオイル吸込口
用切欠部５３Ｂ及びオイル排出口用切欠部５３Ｃに連通
する第２のオイル吸込孔５６Ｂ及び第３のオイル排出孔
５６Ｃが設けられた炭素鋼（バルブ鋼）などのプレス打
抜き材からなり、また、前記カバー部材５７は、前記ス
ラストプレート５６の第３のオイル排出用孔５６Ｃと前
記クランク軸１３のオイル通路１４に互いに連通する長
溝状のリリーフ溝５７Ａと、前記シリンダ室５３の内側
壁面に形成したオイル吸込口用切欠部５３Ｂに連通しか
つ前記スラストプレート５６の第２のオイル吸込孔５６
Ｂに連通するオイル吸込孔５７Ｂが設けられたプレス鋼
板からなり、前記リリーフ溝５７Ａは、前記オイル溜め
９側に開放し、この開放部をリードバルブ５８にて閉塞
してなるとともに、これら各々のスラストプレート５
６、カバー部材５７及びリードバルブ５８は、前記ベア
リングプレート５１の下端面側に形成したボルト孔５１
Ａ，５１Ａに螺合されるボルト５９，５９にて互いに締
付け固定することにより一体に組み付けられるようにな
っている。

【００３０】また、前記ベアリングプレート５１は、複
数本（図示の形態では３本）の固定脚５１Ｂが前記密閉
容器１内の内周側面に向け張出し形成され、この１本の
固定脚の張出し方向と同一方向に前記ベアリングプレー
ト５１に加工されるオイル排出口用切欠部５３Ｃ及びボ
ルト孔５１Ａ，５１Ａを配置してなる一方、前記スラス
トプレート５６とカバー部材５７とにそれぞれ形成され
る前記ベアリングプレート５１のボルト孔５１Ａ，５１
Ａに対応する２つのボルト孔５６Ｄ，５６Ｄ及び５７
Ｃ，５７Ｃと、前記クランク軸１３のオイル通路１４に
連通する第１の孔５６Ａ及びオイル排出用孔５６Ｃもし
くはリリーフ溝５７Ａとが一直線上に配置されている。

【００３１】図１３から図１６は、この発明に係るオイ
ルポンプ機構５０の第２の実施の形態を示すもので、前
記カバー部材５７のリリーフ溝５７Ａを前記オイル溜め
９側に開放させることなく前記スラストプレート５６の
第３のオイル排出用孔５６Ｃと前記クランク軸１３のオ
イル通路１４に互いに連通するような凹溝状に形成する
ことにより、リードバルブを不要にしてなる構成を有す
るものである。

【００３２】前記ロータ５４は、合成樹脂の成形品ある
いは焼結材などからなり、図１７に示すように、前記シ
リンダ室５３のベーンスロット５３Ａに係合するベーン
５５の先端部５５ａは、前記ベーンスロット５３Ａの幅
寸法とほぼ同じの直径からなる円形に形成されていると
ともに、その付け根部５５ｂ側を前記ベーンスロット５
３Ａの幅寸法よりも狭くし、この付け根部５５ｂをＲに
形成してなる形態を有するもので、これによって、図１
８（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）に示す運転時におけるオイ
ル吸込・排出行程において、所謂ベーン倒れ（スイン
グ）を少なくしてなる一方、図１９に示すように、前記
ベーン５５の付け根部５５ｂが前記ベーンスロット５３
Ａに干渉しないようにし、前記ベーン５５のスイングを
円滑にすることにより、オイルポンプ効率の低下を防止
するようになっているものである。

【００３３】図２０から図２４は、この発明に係るオイ
ルポンプ機構５０の第３の実施の形態を示すもので、前
記ロータ５４を第１の外歯ギヤ５４Ａと、この第１の外
歯ギヤ５４Ａが歯合される第２の内歯ギヤ５４Ｂとの組
み合わせからなるトロコイドギヤにて構成してなるもの
である。

【００３４】すなわち、この発明は、上記の構成を採用
することにより、密閉容器１内の上部に収納される電動
要素１０のクランク軸１３にて駆動するスクロール圧縮
要素２０の圧縮室Ｐを、固定スクロール２１と揺動スク
ロールと３１との互いの鏡板２２，３２に設けた渦巻き
状のラップ２３，３３を歯合させることにより形成し、
この揺動スクロール３１の鏡板３２の下面中央軸部に、
クランク軸１３の上端部１３ｂが嵌合される嵌合穴３５
を有するブッシュ部３４を設けるとともに、このブッシ
ュ部３４の嵌合穴３５とクランク軸１３の上端部１３ａ
との間に形成される空隙をオイル導入口３６として、こ
のオイル導入口３６からオイルポンプ機構５０にて上昇
する密閉容器１の内底面部のオイル溜め９に貯溜された
潤滑用オイルＯをクランク軸１３内に設けたオイル通路
１４を介して圧縮室Ｐ内に供給する一方、揺動スクロー
ル３１の鏡板３２内にオイル導入口３６から圧縮室Ｐに
連通するオイルインジェクション連通路３７，３８を設
け、このオイルインジェクション連通路３７，３８の圧
縮室側の開口端３７ａ，３８ａを固定スクロール２１と
揺動スクロール３１に形成される初期圧縮室Ｐ１の渦巻
き状ラップ２３，３３の終端部２３ａ，３３ａ近傍に開
口させる。

【００３５】このために、オイルポンプ機構２０にて上
昇する潤滑用オイルＯが、オイル導入口３６からオイル
インジェクション連通路３７，３８を通って圧縮室Ｐの
初期圧縮室Ｐ１内に強制的に供給され、これによって、
圧縮室Ｐのシール性が高められ、圧縮途中における冷媒
ガスＧのリーク量が低減する。

【００３６】また、前記オイルインジェクション連通路
３７，３８の開口端３７ａ，３８ａが臨むオイル導入口
３６を段付き空間部３６Ａに形成してなるために、高速
回転による運転時に、オイル導入口３６内に導入された
潤滑用オイルＯの遠心力が大きくなるとともに、通路抵
抗が大きくなるために、オイルインジェクション連通路
３７，３８への流入量が減少し、これによって、周波数
が６０Ｈｚ以上の高速回転域でのオイルインジェクショ
ン量が大幅に減少し、冷媒ガスの循環量が増えても、従
前のようなオイル溜め９に貯溜された潤滑用オイルの急
激な減少によるオイルレベルの低下が防止される。

【００３７】さらに、前記スクロール圧縮要素２０の上
部背面側にバッフル板４１を設け、このバッフル板４１
と密閉容器１内の上面部であるエンドキャップ３の内面
との間に形成される空間４７を、圧縮室Ｐの高圧側であ
る後期圧縮室Ｐ２に連通する吐出マフラー部とし、この
マフラー空間４７を通して、圧縮室Ｐにて圧縮された高
圧な冷媒ガスＧを密閉容器１の外部に吐出させてなると
ともに、吐出マフラー部のマフラー空間４７を形成する
バッフル板４１に、密閉容器１内の低圧空間１Ａ側に連
通するオイルリターン通路４５を設ける。

【００３８】このために、エンドキャップ３の内面に冷
媒ガスＧと共に吹き付けられて分離して滴下する潤滑用
オイルＯが、バッフル板４１の内底面部４２に貯溜さ
れ、オイルリターン通路４４から密閉容器１内の低圧空
間１Ａ側に流出し、密閉容器１の内底面部のオイル溜め
９に戻すことが可能になり、これによって、冷媒ガスＧ
の循環量が増えても、従前のようなオイル溜め９に貯溜
された潤滑用オイルＯの急激な減少によるオイルレベル
の低下が防止される。

【００３９】さらにまた、前記バッフル板４１の外周端
縁部４１ａを密閉容器１側に固定し、スクロール圧縮要
素２０の上側固定スクロール２１に対してラジアルシー
ルリング４６を介して非接触状態で支持させてなるため
に、ラジアルシールリング４６が常に低圧空間側に押し
付けられ、シール性を高めることが可能になり、ラジア
ルシールリング４６のダレやヘタリ等が防止される。

【００４０】また、前記バッフル板４１は、その外周端
縁部４１ａを円筒状に立上り形成し、かつ、その中央部
に上側固定スクロール２１に設けたボス部２５にラジア
ルシールリング４６を介して嵌合される円筒状の嵌合口
部４３を立上り形成した二重円筒形態を有するプレス成
形された鋼板からなるとともに、この嵌合口部４３の上
端内周縁に上側固定スクロール２１に設けたボス部２５
上面に係止可能なストッパとなるフランジ部４４を形成
してなるために、軽量化が可能になり、しかも、プレス
絞り加工するのみで、機械加工が不要になるとともに、
バッフル板４１の内底面部４２が差圧で撓んでも、円筒
状嵌合口部４３はスラスト方向に多少移動するが、寸法
変化はほとんどなく、これによって、シール性への影響
は少ない。

【００４１】しかも、バッフル板４１の内底面部４２が
下方に向け円弧状に湾曲させたオイル溜めとなる受皿状
の形態を有するために、マフラー空間４７の吐出容積を
大きくすることが可能になり、これによって、圧力脈動
の低減化が図れる。

【００４２】一方、オイルポンプ機構５０は、密閉容器
１内の内底面部側の内周側面に固定されるベアリングプ
レート５１にシリンダ室５３を形成し、このシリンダ室
５３に電動要素１０のクランク軸１３にて駆動されるロ
ータ５４を鋼板のプレス打抜き材でそれぞれ形成してな
るスラストプレート５６及びカバー部材５７を介してボ
ルト５９にて組付け一体化してなるために、特に、カバ
ー部材５７の製作費が安価になるとともに、軽量化が図
れる。

【００４３】また、カバー部材５７に設けたリリーフ溝
５７Ａを密閉容器１内のオイル溜めに開放させ、このリ
リーフ溝５７Ａの開放部をリードバルブ５８にて閉塞し
てなるために、リリーフ機構の構成部品の簡略化が図
れ、しかも、リリーフ溝５７Ａが長溝状になっているた
めに、リードバルブ５８の開放により円滑にオイルのリ
リーフが行なえるとともに、小さなリフトで充分な入力
低減化が可能になる。

【００４４】さらに、ベアリングプレート５１に複数本
の固定脚５１Ｂを密閉容器１内の内周側面に向け張出し
形成し、これらの中の１本の固定脚５１Ｂの張出し方向
と同一方向に、ベアリングプレート５１に加工されるボ
ルト孔５１Ａ及びシリンダ室５３内周側壁面のオイル排
出口用切欠部５３Ｃが配置されるようになっているため
に、リードバルブの長さの設計の自由度が大きくなる。

【００４５】さらにまた、スラストプレート５６とカバ
ー部材５７とにそれぞれ形成されるベアリングプレート
５１のボルト孔５１Ａ，５１Ａに対応する２つのボルト
孔５６Ｄ，５６Ｄ及び５７Ｃ，５７Ｃと、オイル排出用
孔５６Ｃ及びクランク軸１３のオイル通路１４に連通す
る第１の孔５６Ａもしくはリリーフ溝５７Ａは、一直線
上に配置されるようになっているために、リードバルブ
５８でのカバーが容易になる。

【００４６】また、ベアリングプレート５１のシリンダ
室５３の内周側壁面に設けたベーンスロット５３Ａに係
合するロータ５４のベーン５５の先端部５５ａが、ベー
ンスロット５３Ａの幅寸法とほぼ同じの直径からなる円
形に形成され、その付け根部５５ｂ側をベーンスロット
５３Ａの幅寸法よりも狭くした形態を有するために、従
前のように互いに干渉することがなく、これによって、
ベーン５５を自由にスイングさせることが可能になり、
耐摩耗性も良好になるとともに、オイルポンプ効率の向
上が図れ、しかも、ロータ５４及びベーン５５として合
成樹脂の成形品あるいは焼結材などを使用することによ
り、自由な形状が選定可能になる。

【００４７】さらに、オイルポンプ機構５０のロータ５
４として、トロコイドギヤ５４Ａ，５４Ｂを採用するこ
とにより、オイルの吸込・排出がより効率良く行なえ
る。

【００４８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、内底面部を潤滑用オイルのオイル溜めとした密閉
容器内の上部に電動要素のクランク軸にて駆動されるス
クロール圧縮要素を収納し、このスクロール圧縮要素の
圧縮室にオイル溜めから潤滑用オイルを上昇させて供給
されるオイルポンプ機構を、ベアリングプレートと、こ
のベアリングプレートに形成したシリンダ室と、このシ
リンダ室に設けられるロータと、このロータに摺動自在
に対接させたスラストプレートと、このスラストプレー
トと共にシリンダ室を覆うカバー部材とをボルトにて組
付け一体化して形成するとともに、これらスラストプレ
ートとカバー部材とを鋼板のプレス打抜き材でそれぞれ
形成してなることから、特に、カバー部材の製作費が安
価となり、コストダウンを図ることができ、軽量化を図
ることができる。

【００４９】また、請求項２において、カバー部材に設
けたリリーフ溝を密閉容器内のオイル溜めに開放させ、
このリリーフ溝の開放部をリードバルブにて閉塞してな
るために、リリーフ機構の構成部品の簡略化を図ること
ができ、しかも、リリーフ溝が長溝状になっているため
に、リードバルブの開放により円滑にオイルのリリーフ
を行なうことができるとともに、小さなリフトで充分な
入力の低減化を図ることができる。

【００５０】さらに、請求項３において、ベアリングプ
レートに複数本の固定脚を密閉容器内の周側面に向け張
出し形成し、これらの中の１本の固定脚の張出し方向と
同一方向に、ベアリングプレートに加工されるボルト孔
及びシリンダ室内周側壁面のオイル排出口用切欠部が配
置されるようになっているために、リードバルブの長さ
の設計の自由度を大きくすることができる。

【００５１】さらにまた、請求項４において、スラスト
プレートとカバー部材とにそれぞれ形成されるベアリン
グプレートのボルト孔に対応する２つのボルト孔と、オ
イル排出用孔及びクランク軸のオイル通路に連通する孔
もしくはリリーフ溝とを、一直線上に配置されるように
なっているために、リードバルブでのカバーを容易に行
なうことができる。

【００５２】また、請求項５において、ベアリングプレ
ートのシリンダ室の内周側壁面に設けたベーンスロット
に係合するロータのベーンの先端部が、ベーンスロット
の幅寸法とほぼ同じの直径からなる円形に形成され、そ
の付け根部側をベーンスロットの幅寸法よりも狭くした
形態を有するために、従前のように互いに干渉すること
がなく、これによって、ベーンを自由にスイングさせる
ことができ、耐摩耗性が良好になるとともに、オイルポ
ンプ効率の向上が図れ、しかも、ロータ及びベーンとし
て合成樹脂の成形品あるいは焼結材などを使用すること
により、自由な形状の選定を行なうことができる。

【００５３】さらに、請求項６において、オイルポンプ
機構のロータとして、トロコイドギヤを採用することに
より、オイルの吸込・排出をより効率良く行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るスクロール圧縮機の実施の形態
を示す断面図。

【図２】同じくスクロール圧縮要素における揺動スクロ
ールの平面図。

【図３】同じく図２のＡ−Ａ線における断面図。

【図４】同じく図１のＢ部における拡大断面図。

【図５】同じくオイルポンプ機構の第１の実施の形態を
示す断面図。

【図６】同じくオイルポンプ機構の底面図。

【図７】同じくオイルポンプ機構の分解図。

【図８】同じくオイルポンプ機構を形成するベアリング
プレートの底面図。

【図９】同じくオイルポンプ機構を形成するロータの底
面図。

【図１０】同じくオイルポンプ機構を形成するスラスト
プレートの底面図。

【図１１】同じくオイルポンプ機構を形成するカバー部
材の底面図。

【図１２】同じくオイルポンプ機構を形成するリードバ
ルブの底面図。

【図１３】同じくオイルポンプ機構の第２の実施の形態
を示す分解図。

【図１４】同じくオイルポンプ機構の第２の実施の形態
を形成するロータの底面図。

【図１５】同じくオイルポンプ機構の第２の実施の形態
を形成するスラストプレートの底面図。

【図１６】同じくオイルポンプ機構の第２の実施の形態
を形成するカバー部材の底面図。

【図１７】同じくオイルポンプ機構のロータのベーン形
態を示す説明図。

【図１８】図１８の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）はオイル
ポンプ機構の吸入・排出行程を示す説明図。

【図１９】図１８（Ｄ）のＣ部におけるシリンダのベー
ンスロットに対するロータのベーンの動作を拡大して示
す説明図。

【図２０】同じくオイルポンプ機構の第３の実施の形態
を示す分解図。

【図２１】同じくオイルポンプ機構の第３の実施の形態
を形成するスラストプレートの底面図。

【図２２】同じくオイルポンプ機構の第３の実施の形態
を形成するロータの第１のトロコイドギャの底面図。

【図２３】同じくオイルポンプ機構の第３の実施の形態
を形成するロータの第１のトロコイドギャが歯合する第
２のトロコイドギャの底面図。

【図２４】同じくオイルポンプ機構の第３の実施の形態
を形成するカバー部材の底面図。

【図２５】従来のオイルポンプ機構の一例を示す拡大断
面図。

【図２６】同じく従来のオイルポンプ機構のロータのベ
ーン形態を示す説明図。

【図２７】図２７の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）は従来の
オイルポンプ機構の吸入・排出行程を示す説明図。

【図２８】図２７（Ｄ）のＤ部における従来のシリンダ
のベーンスロットに対するロータのベーンの動作を拡大
して示す説明図。

【符号の説明】

１・・・密閉容器、 ９・・・オイル溜め、 １０・・・電動要素、 １３・・・クランク軸、 １４・・・オイル通路、 １５・・・下端偏心軸部、 ２０・・・スクロール圧縮要素、 ５０・・・オイルポンプ機構、 ５１・・・ベアリングプレート、 ５１Ａ，５１Ａ・・・ボルト孔、 ５１Ｂ，５１Ｂ，５１Ｂ・・・固定脚、 ５２・・・軸受孔、 ５３・・・シリンダ室、 ５３Ａ・・・ベーンスロット、 ５３Ｂ・・・オイル吸込口用切欠部、 ５３Ｃ・・・オイル排出口用切欠部、 ５４・・・ロータ、 ５５・・・ベーン、 ５５ａ・・・先端部、 ５５ｂ・・・付け根部、 ５６・・・スラストプレート、 ５６Ａ・・・第１のオイル孔、 ５６Ｂ・・・第２のオイル吸込孔、 ５６Ｃ・・・第３のオイル排出孔、 ５７・・・カバー部材、 ５７Ａ・・・・リリーフ溝、 ５７Ｂ・・・オイル吸込孔、 ５８・・・リードバルブ、 ５９，５９・・・ボルト、 Ｐ・・・圧縮室、 Ｏ・・・潤滑用オイル。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内底面部を潤滑用オイルのオイル溜めと
   した密閉容器内の上部に電動要素のクランク軸にて駆動
   される固定スクロールと揺動スクロールとからなるスク
   ロール圧縮要素を収納し、このスクロール圧縮要素の圧
   縮室にて吸入される冷媒ガスを圧縮させるとともに、こ
   の圧縮室に前記オイル溜めからオイルポンプ機構にて上
   昇する潤滑用オイルを前記クランク軸内の軸方向に沿っ
   て貫通させたオイル通路を通して供給してなるスクロー
   ル圧縮機において、 前記オイルポンプ機構は、前記密閉容器内の内底面部側
   の内周側面に固定されかつその軸受孔に前記クランク軸
   の下端部が軸支されるベアリングプレートと、このベア
   リングプレートに形成されたシリンダ室と、このシリン
   ダ室に収納されかつ前記クランク軸の下端偏心軸部にて
   揺動自在に公転するロータと、このロータに摺動自在に
   対接させたスラストプレートと、このスラストプレート
   と共に前記シリンダ室を覆うカバー部材とをボルトにて
   組付け一体化され、 これらスラストプレートとカバー部材とを鋼板のプレス
   打抜き材でそれぞれ形成してなるとともに、 前記スラストプレートは、前記クランク軸のオイル通路
   に連通する第１の孔と、前記シリンダ室の内周側壁面に
   形成したオイル吸込口用切欠部とオイル排出口用切欠部
   とにそれぞれ連通する第２及び第３の孔とを有する一
   方、 前記カバー部材は、前記スラストプレートの第２のオイ
   ル吸込口用孔に連通するオイル吸込孔と、前記スラスト
   プレートの第３のオイル排出用孔と前記クランク軸のオ
   イル通路に互いに連通する長溝状のリリーフ溝とを設け
   たことを特徴とするスクロール圧縮機。
2. 【請求項２】 カバー部材に設けたリリーフ溝を密閉容
   器内のオイル溜めに開放させ、このリリーフ溝の開放部
   をリードバルブにて閉塞したことを特徴とする請求項１
   に記載のスクロール圧縮機。
3. 【請求項３】 ベアリングプレートは、複数本の固定脚
   が密閉容器内の内周側面に向け張出し形成され、これら
   の中の１本の固定脚の張出し方向と同一方向に前記ベア
   リングプレートに加工されるオイル排出口用切欠部及び
   ボルト孔を配置したことを特徴とする請求項１に記載の
   スクロール圧縮機。
4. 【請求項４】 スラストプレートとカバー部材とにそれ
   ぞれ形成されるベアリングプレートのボルト孔に対応す
   る２つのボルト孔と、オイル排出用孔及びクランク軸の
   オイル通路に連通する第１の孔もしくはリリーフ溝を一
   直線上に配置したことを特徴とする請求項１，２または
   ３に記載のスクロール圧縮機。
5. 【請求項５】 ベアリングプレートのシリンダ室の内周
   側壁面に設けたベーンスロットに係合するロータのベー
   ンの先端部を、前記ベーンスロットの幅寸法とほぼ同じ
   の直径からなる円形に形成し、その付け根部側を前記ベ
   ーンスロットの幅寸法よりも狭くした形態を有すること
   を特徴とする請求項１，２，３または４に記載のスクロ
   ール圧縮機。
6. 【請求項６】 内底面部を潤滑用オイルのオイル溜めと
   した密閉容器内の上部に電動要素のクランク軸にて駆動
   される固定スクロールと揺動スクロールとからなるスク
   ロール圧縮要素を収納し、このスクロール圧縮要素の圧
   縮室にて吸入される冷媒ガスを圧縮させるとともに、こ
   の圧縮室に前記オイル溜めからオイルポンプ機構にて上
   昇する潤滑用オイルを前記クランク軸内の軸方向に沿っ
   て貫通させたオイル通路を通して供給してなるスクロー
   ル圧縮機において、 前記オイルポンプ機構は、前記密閉容器内の内底面部側
   の内周側面に固定されかつその軸受孔に前記クランク軸
   の下端部が軸支されるベアリングプレートと、このベア
   リングプレートに形成されたシリンダ室と、このシリン
   ダ室に収納されかつ前記クランク軸の下端偏心軸部にて
   揺動自在に公転するトロコイドギヤからなるロータと、
   このロータに摺動自在に対接させたスラストプレート
   と、このスラストプレートと共に前記シリンダ室を覆う
   カバー部材とをボルトにて組付け一体化され、 これらスラストプレートとカバー部材とを鋼板のプレス
   打抜き材でそれぞれ形成してなるとともに、 前記スラストプレートは、前記クランク軸のオイル通路
   に連通する第１の孔と、前記シリンダ室の内周側壁面に
   形成したオイル吸込口用切欠部とオイル排出口用切欠部
   とにそれぞれ連通する第２及び第３の孔とを有する一
   方、 前記カバー部材は、前記スラストプレートの第２のオイ
   ル吸込口用孔に連通するオイル吸込孔と、前記スラスト
   プレートの第３のオイル排出用孔と前記クランク軸のオ
   イル通路に互いに連通するリリーフ溝とを設けたことを
   特徴とするスクロール圧縮機。