JPH09149489A - 指向性マイクロホン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】風雑音等ランダムな周囲騒音の集音増大を防ぎ
送話者方向の音のみ取り上げそれ以外の音を減少して強
い指向性のある指向性マイクロホン装置を得る。 【解決手段】長手方向が送話者方向に向けて一直線上に
配置された２つの無指向性マイクロホン１、２の一方の
出力信号から音声パワーが卓越する高域成分と風雑音の
ようなランダム性の高い周囲騒音が卓越する低域成分と
を帯域分割器３において分割して取り出し、他方の無指
向性マイクロホンの出力信号から高域通過フィルタ４で
高域成分のみを取り出し、位相反転器５でその位相を逆
相にし他方の高域成分と加算器８で加算して一方及び他
方の無指向性マイクロホンの高域成分の位相差による差
信号を出力し、該差信号と分割して取り出された低域成
分とを加算器１０で加算することにより、騒音が少ない
強い指向性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は指向性マイクロホン
装置に関し、特に、送話者方向以外の音の出力を減少
し、周囲の騒音の集音量を低減することができる指向性
マイクロホン装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の指向性マイクロホン装置
としては、実開平２−２１９９７号公報に記載されてい
るようなものがあった。それは、２つの無指向性マイク
ロホンをその長手方向に延びる直線の延長方向に一直線
に配置する。そして、２つの無指向性マイクロホンの長
手方向に延びる直線方向を送話者方向とするように構成
すると、それぞれの無指向性マイクロホンに対しその遠
近の差により生じる音声伝播の時間差による遅延の異な
る音声が入力される。遅延の異なる音声が入力されたそ
れぞれの無指向性マイクロホンは遅延の差による位相差
を有する音声信号を出力して共通の出力手段に与えられ
る。その出力手段において、両無指向性マイクロホンの
出力の位相差による振幅の差が算出されて、その差信号
がスピーカ装置に対し出力されるよう構成される。

【０００３】上記従来の指向性マイクロホン装置につ
き、図５を参照して、更にその構成を詳細に説明する。
図５は２つの無指向性マイクロホンを長手方向に一直線
上に配置して指向性を持たせるようにした指向性マイク
ロホン装置の構成を示す図である。図５において、Ｍ１
及びＭ２は無指向性マイクロホン、１０２は無指向性マ
イクロホンＭ１、Ｍ２を長手方向に一直線に収容した筺
体、１０１は長手方向に配列した無指向性マイクロホン
Ｍ１、Ｍ２を通る軸線上にある指向軸、１０３は２つの
マイクロホンＭ１、Ｍ２の出力の位相差による差を算出
して出力する作動増幅器、１０４は作動増幅器の出力を
増幅するバッファアンプ、１０５は音声を発する送話
者、Ｐ１はバッファアンプ１０４の出力をスピーカ装置
（図示せず）に出力する出力端子である。

【０００４】次に、図５を参照して、上記従来の指向性
マイクロホン装置の動作について詳細に説明する。ま
ず、送話者１０５が発音すると、その音声は先ず最初無
指向性マイクロホンＭ２に捕獲され、次に無指向性マイ
クロホンＭ１に捕獲される。その際、無指向性マイクロ
ホンＭ２に捕獲された音声は無指向性マイクロホンＭ１
に捕獲された音声より僅か早く捕獲される。音声の伝播
による遅延差に対応する位相差をもって出力された無指
向性マイクロホンＭ１、Ｍ２の各出力はそれぞれ作動増
幅器１０３の入力に接続され、作動増幅器１０３におい
て２つの音声入力の差分が算出される。その音声入力の
差分はバッファアンプ１０４で増幅されて出力端子Ｐ１
を通してスピーカ装置に出力される。

【０００５】上記のように、この２つの音声入力の差分
は主に送話者１０５から、指向軸に沿って、長手方向に
一直線に配置された２つの無指向性マイクロホンＭ１、
Ｍ２までの距離の差による到達または伝播の時間差（位
相差）によって生ずるものである。従って、指向軸方向
にいる送話者１０５以外の方向から発して無指向性マイ
クロホンＭ１、Ｍ２にそれぞれ到達した音は略同時に
（位相差なく）入力されるので、作動増幅器１０３にお
いて消去され、その出力は減少される結果、横方向から
発生した騒音等の集音量を低減することができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の指向性マイクロホン装置においては、方向性がな
く、発生源が定まらない風雑音のようなランダム性の高
い周囲騒音に対しては、２つの無指向性マイクロホンの
出力に大きな差が生じるため、作動増幅器からの雑音出
力が減少しないばかりか、かえって無指向性マイクロホ
ンの何れか１方で集音した場合より雑音出力が大幅に拡
大され、雑音の集音量が増大するという問題があった。

【０００７】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、風雑音のようなランダム性の高い周
囲騒音の集音量の増大を防ぐとともに、送話者方向から
の音のみを取り上げ、送話者方向以外の方向から発せら
れた音の出力を減少して、強い指向性を得ることができ
る指向性マイクロホン装置を提供することを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明による指向性マイ
クロホン装置は、長手方向が送話者方向に向けて一直線
上に配置された２つの無指向性マイクロホンの一方の出
力信号から音声パワーが卓越する高域成分と風雑音のよ
うなランダム性の高い周囲騒音が卓越する低域成分とを
分割して取り出し、他方の無指向性マイクロホンの出力
信号から高域成分のみを取り出して位相を反転し逆相に
して上記一方の高域成分と加算することにより、２つの
無指向性マイクロホンの両高域成分の位相差による差信
号を出力し、該両高域成分の位相差による差信号と上記
一方の無指向性マイクロホンの出力信号から分割して取
り出された低域成分とを加算して出力するようにしたも
のである。

【０００９】本発明によれば、風雑音のようなランダム
性の高い周囲騒音の集音量の増大を防ぐとともに、送話
者方向からの音のみを取り上げ、送話者方向以外の方向
から発せられた音の出力を減少して、強い指向性を得る
ことができる指向性マイクロホン装置が得られる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、長手方向が送話者方向に向けて一直線上に配置され
た２つの無指向性マイクロホンと、一方の無指向性マイ
クロホンの集音した出力信号を低域成分と高域成分とに
分割する帯域分割器と、他方の無指向性マイクロホンの
集音した出力信号の高域成分のみを通過して出力する高
域通過フィルタと、前記２つの無指向性マイクロホンの
集音した両出力信号の高域成分の位相差を算出して差信
号を出力する差信号出力手段と、前記一方の無指向性マ
イクロホンの出力信号の低域成分と前記一方及び他方の
無指向性マイクロホンから出力された高域成分の差信号
とを加算して出力する加算手段とを具備し、出力する低
域成分としては一方の無指向性マイクロホンにおいて集
音された出力信号のみを使用し、高域成分としては２つ
の無指向性マイクロホンにおいて集音された両出力信号
の位相差による差信号を使用して加算し出力信号とする
ようにしたものであり、送話者以外の方向から発生した
雑音を低減して、２つの無指向性マイクロホンを通る直
線上に強い指向性を発揮することができるとともに、風
雑音のようなランダム性の高い周囲騒音に対する集音量
の増大を防止することができるという作用を有する。

【００１１】本発明の請求項２に記載の発明は、前記指
向性マイクロホン装置が、更に、出力信号が高域で低く
なるような周波数特性を有する補正フィルタを含み、一
方の無指向性マイクロホンの集音による高域成分と該一
方の無指向性マイクロホンよりやや位相の遅れた他方の
無指向性マイクロホンの集音による高域成分の逆相信号
とを加算して得られた前記差信号出力手段の出力信号を
補正して平坦な周波数特性を有する高域成分の差信号を
出力するようにしたものであり、送話者以外の方向から
発生した雑音を低減して、２つの無指向性マイクロホン
を通る直線上に強い指向性を発揮することができるとと
もに、風雑音のようなランダム性の高い周囲騒音に対す
る集音量の増大を防止することができるほか、出力され
る音声信号の周波数特性が改善されて、安定した音声信
号を出力することができるという作用を有する。

【００１２】本発明の請求項３に記載の発明は、前記差
信号出力手段が前記他方の無指向性マイクロホンの集音
した出力信号の高域成分の位相を反転して逆相信号を出
力する位相反転器と、前記一方の無指向性マイクロホン
の集音した出力信号の高域成分と前記他方の無指向性マ
イクロホンの集音した出力信号の高域成分の逆相信号と
を加算して前記一方の及び他方の無指向性マイクロホン
の集音した両出力信号の位相差による差信号を出力する
加算手段とからなるようにしたものであり、一方及び他
方の無指向性マイクロホンの集音した出力信号の高域成
分のみの位相差による差信号を出力することにより更に
強い音声信号の指向性を得ることができるという作用を
有する。

【００１３】以下、添付図面、図１乃至図４に基づき本
発明の実施の形態を詳細に説明する。図１は本発明の第
１の実施の形態における２つの無指向性マイクロホンを
長手方向に一直線上に配置して指向性を持たせるように
した指向性マイクロホン装置の構成を示すブロック図、
図２は本発明の第２の実施の形態における２つの無指向
性マイクロホンを長手方向に一直線上に配置して指向性
を持たせるようにした指向性マイクロホン装置の構成を
示すブロック図、図３は図２に示す第２の実施の形態に
おける指向性マイクロホン装置の周波数対相対音圧レベ
ル特性を示すグラフ図、図４は図３に示す指向性マイク
ロホン装置の周波数対相対音圧レベル特性を補正する周
波数対相対音圧レベル特性を示すグラフ図である。

【００１４】まず、図１を参照して、本発明の第１の実
施の形態における指向性マイクロホン装置の構成につい
て説明する。図１において、１及び２は長手方向に一直
線上に配置されその直線の延長方向が送話者方向となる
ように構成したことにより指向性を持たせるようにし、
受けた空気振動を電気音響信号（以下、無指向性マイク
ロホン１、２の出力信号若しくは集音信号ともいう）に
変換して出力する無指向性マイクロホン、３は無指向性
マイクロホン１から入力した集音信号を風雑音のような
ランダム性の高い周囲騒音のパワーが卓越する低域成分
（または低域信号）と音声のパワーが卓越する高域成分
（または高域信号）とに帯域を分割する帯域分割器であ
る。

【００１５】また、６は帯域分割器３からの低域成分を
増幅する増幅器、４は無指向性マイクロホン２から入力
した集音信号を音声のパワーが卓越する高域成分のみを
取り出して位相反転器５に出力する高域通過フィルタ、
５は高域通過フィルタ４によりその高域成分のみを取り
出した無指向性マイクロホン２の集音信号の位相を反転
して逆位相にした逆相信号を出力する位相反転器、７は
位相反転器からの逆相信号を増幅する増幅器である。

【００１６】また、８は帯域分割器３から入力した無指
向性マイクロホン１の集音信号の高域成分と増幅器７か
ら入力した無指向性マイクロホン２の集音信号の高域成
分の逆相信号とを加算して両高域成分の位相差による振
幅差からなる差信号を出力する加算手段としての加算
器、９は加算器８の出力を増幅する増幅器、１０は増幅
器６から入力した無指向性マイクロホン１の集音信号の
低域成分と増幅器９から入力した無指向性マイクロホン
１及び２の集音信号の高域成分の差信号とを加算する加
算手段としての加算器である。尚、無指向性マイクロホ
ン２から集音した高域成分の位相を反転して逆相信号を
出力する位相反転器５と、その逆相信号と無指向性マイ
クロホン１からの高域成分とを加算して位相差による差
信号を出力する加算器８とを含み、差信号出力手段を構
成する。

【００１７】次に、図１を参照して、本実施の形態にお
ける指向性マイクロホン装置の動作について詳細に説明
する。まず、無指向性マイクロホン１において空気振動
から変換され出力された集音信号を帯域分割器３を通し
て風雑音のようなランダム性の高い周囲騒音のパワーが
卓越する低域成分と音声のパワーが卓越する高域成分と
に分割される。その低域成分は増幅器６で増幅されて加
算器１０の一方の入力に入力され、高域成分は加算器８
の一方の入力に入力される。

【００１８】他方、音源が無指向性マイクロホン１及び
２を通る直線上の無指向性マイクロホン１側にあるとす
れば、無指向性マイクロホン２において空気振動から変
換され出力された遅延により無指向性マイクロホン１の
集音信号よりやや位相の遅れた電気音響信号（集音信
号）は高域通過フィルタ４を通して音声のパワーが卓越
するその高域成分のみを出力する。その高域成分は位相
反転器５で反転され無指向性マイクロホン１から出力さ
れた高域成分とは逆位相の逆相信号として増幅器７に出
力され、増幅されて加算器８の他方の入力に入力され
る。

【００１９】加算器８は、無指向性マイクロホン１の集
音信号の高域成分と無指向性マイクロホン１よりやや位
相の遅れた無指向性マイクロホン２の集音信号の高域成
分の逆相信号とを加算して、両信号の位相差による差信
号を出力する。その差信号は増幅器９を通して増幅され
加算器１０の他方の入力に入力される。加算器１０の一
方の入力には、増幅器６から無指向性マイクロホン１の
集音信号の低域成分が入力されているので、加算器１０
は、無指向性マイクロホン１からの風雑音のようなラン
ダム性の高い周囲騒音とともに、音声の低域成分を含む
適当に増幅された低域成分と、無指向性マイクロホン１
及び２からの音声パワーが卓越する高域成分の位相差に
よる差信号とを加算して、指向性の高い音声信号として
出力することができる。

【００２０】このように構成することにより、風雑音の
ようなランダム性の高い周囲騒音のパワーが卓越せず音
声パワーが卓越する高域帯域においては、無指向性マイ
クロホン１及び２の集音信号の差信号を使用して無指向
性マイクロホン１及び２を通る直線上に強い指向性を持
たせるとともに、風雑音のようなランダム性の高い周囲
騒音のパワーが卓越する低域帯域に対しては、一方の無
指向性マイクロホンの集音信号のみを使用することによ
り、２つの無指向性マイクロホンから騒音を集音するこ
とによる騒音の集音量の増大を防止することができる。

【００２１】次に、図２を参照して、本発明の第２の実
施の形態における指向性マイクロホン装置の構成につい
て説明する。図２において、無指向性マイクロホン１及
び２、帯域分割器３、高域通過フィルタ４、位相反転器
５、増幅器６、増幅器７、加算器８、増幅器９、加算器
１０は上記第１の実施の形態におけるものと同様のた
め、重複する説明は省略する。

【００２２】本実施の形態においては、加算器８の後に
補正フィルタ１１を接続する。加算器８の出力信号は図
３の周波数対相対音圧レベルグラフに示すように、６ｄ
Ｂ／ｏｃｔ．（ｏｃｔ．＝オクターブ）で高域が持ち上
がった周波数特性を示すため、図４の周波数対相対音圧
レベルグラフに示すように、６ｄＢ／ｏｃｔ．で高域が
下がるような周波数特性を有する補正フィルタ１１を通
してその出力信号が周波数に対し平坦となるよう補正す
る。

【００２３】次に、図２乃至図４を参照して、本実施の
形態における指向性マイクロホン装置の動作について詳
細に説明する。まず、無指向性マイクロホン１において
空気振動から変換され出力された集音信号を帯域分割器
３を通して風雑音のようなランダム性の高い周囲騒音の
パワーが卓越する低域成分と音声のパワーが卓越する高
域成分とに分割される。その低域成分は増幅器６で増幅
されて加算器１０の一方の入力に入力され、高域成分は
加算器８の一方の入力に入力される。

【００２４】他方、音源が無指向性マイクロホン１及び
２を通る直線上の無指向性マイクロホン１側にあるとす
れば、無指向性マイクロホン２において空気振動から変
換され出力された遅延により無指向性マイクロホン１の
集音信号よりやや位相の遅れた電気音響信号（集音信
号）は高域通過フィルタ４を通して音声のパワーが卓越
するその高域成分のみを出力する。その高域成分は位相
反転器５で反転され無指向性マイクロホン１から出力さ
れた高域成分とは逆位相の逆相信号として増幅器７に出
力され、増幅されて加算器８の他方の入力に入力され
る。

【００２５】加算器８は、無指向性マイクロホン１の集
音信号の高域成分と無指向性マイクロホン１よりやや位
相の遅れた無指向性マイクロホン２の集音信号の高域成
分の逆相信号とを加算して、両信号の位相差による差信
号を出力する。加算器８の出力信号は、その周波数特性
が、図３の周波数対相対音圧レベルグラフに示すよう
に、６ｄＢ／ｏｃｔ．の値で高域が高くなるという特性
を有する。この信号は、図４に示すような、６ｄＢ／ｏ
ｃｔ．の値で高域が低くなるような周波数特性を有する
補正フィルタ１１に入力されて平坦な周波数特性を有す
る信号に補正され出力される。

【００２６】加算器８から出力された、無指向性マイク
ロホン１及び２においてそれぞれ集音された両高域成分
の差信号は増幅器９を通して増幅され加算器１０の他方
の入力に入力される。加算器１０の一方の入力には、増
幅器６から無指向性マイクロホン１の集音信号の低域成
分が入力されているので、加算器１０は、無指向性マイ
クロホン１からの風雑音のようなランダム性の高い周囲
騒音とともに音声の低域成分を含む適当に増幅された低
域成分と、無指向性マイクロホン１及び２からの音声パ
ワーが卓越する高域成分の位相差による差信号とを加算
して指向性の高い音声信号として出力する。

【００２７】このように構成することにより、風雑音の
ようなランダム性の高い周囲騒音のパワーが卓越せず音
声パワーが卓越する高域帯域においては、無指向性マイ
クロホン１及び２の集音信号の差信号を使用して無指向
性マイクロホン１及び２を通る直線上に強い指向性を持
たせるとともに、風雑音のようなランダム性の高い周囲
騒音のパワーが卓越する低域帯域に対しては、一方の無
指向性マイクロホンの集音信号のみを使用することによ
り、２つの無指向性マイクロホンから騒音を集音するこ
とによる騒音の集音量の増大を防止することができる。
また、第２の実施の形態に示すように、指向性を有し出
力される音声信号の周波数特性が改善されて、安定した
音声信号を出力することができる。

【００２８】以上説明した本発明の実施の形態において
は、位相反転器及び加算器を使用して、２つの無指向性
マイクロホンによる集音信号の一方の高域成分を逆相に
したのち、他方の無指向性マイクロホンの集音信号の高
域成分と加算して２つの集音信号の高域成分の差を出力
するようにしたが、位相反転器及び加算器を使用せず、
その代わりに差動増幅器を使用して２つの無指向性マイ
クロホンの集音信号の高域成分の差を出力するようにし
てもよい。

【００２９】

【発明の効果】本発明による指向性マイクロホン装置
は、以上説明したように構成し、特に、２つの無指向性
マイクロホンの両出力信号から音声パワーが卓越する高
域成分を取り出し、その一方を逆相にして増幅し加算す
るようにしたことにより、送話者以外の方向から発生し
た雑音を低減するとともに、２つの無指向性マイクロホ
ンを通る直線上に強い指向性を発揮することができ、ま
た、一方の無指向性マイクロホンの出力信号のみから風
雑音のようなランダム性の高い周囲騒音を含む低域成分
を取り出して、２つの高域成分の一方を逆相にして加算
して発生した差信号と加算するようにしたことにより、
風雑音のようなランダム性の高い周囲騒音に対する集音
量の増大を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態における２つの無指
向性マイクロホンにより構成した指向性マイクロホン装
置の構成を示すブロック図

【図２】本発明の第２の実施の形態における２つの無指
向性マイクロホンにより構成した指向性マイクロホン装
置の構成を示すブロック図

【図３】図２に示す第２の実施の形態における指向性マ
イクロホン装置の周波数対相対音圧レベル特性を示すグ
ラフ図

【図４】図３に示す指向性マイクロホン装置の周波数対
相対音圧レベル特性を補正する周波数対相対音圧レベル
特性を示すグラフ図

【図５】従来の２つの無指向性マイクロホンにより構成
した指向性マイクロホン装置の構成を示すブロック図

【符号の説明】

１ 無指向性マイクロホン ２ 無指向性マイクロホン ３ 帯域分割器 ４ 高域通過フィルタ ５ 位相反転器 ６ 増幅器 ７ 増幅器 ８ 加算器 ９ 増幅器 １０ 加算器 １１ 補正フィルタ Ｍ１ 無指向性マイクロホン Ｍ２ 無指向性マイクロホン １０１ 指向軸 １０２ 筺体 １０３ 差動増幅器 １０４ バッファアンプ １０５ 送話者

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】長手方向が送話者方向に向けて一直線上に
   配置された２つの無指向性マイクロホンと、一方の無指
   向性マイクロホンの集音した出力信号を低域成分と高域
   成分とに分割する帯域分割器と、他方の無指向性マイク
   ロホンの集音した出力信号の高域成分のみを通過して出
   力する高域通過フィルタと、前記２つの無指向性マイク
   ロホンの集音した両出力信号の高域成分の位相差を算出
   して差信号を出力する差信号出力手段と、前記一方の無
   指向性マイクロホンの出力信号の低域成分と前記一方及
   び他方の無指向性マイクロホンから出力された高域成分
   の差信号とを加算して出力する加算手段とを具備し、出
   力する低域成分としては一方の無指向性マイクロホンに
   おいて集音された出力信号のみを使用し、高域成分とし
   ては２つの無指向性マイクロホンにおいて集音された両
   出力信号の位相差による差信号を使用して加算し出力信
   号とすることを特徴とする指向性マイクロホン装置。
2. 【請求項２】前記指向性マイクロホン装置は、更に、 出力信号が高域で低くなるような周波数特性を有する補
   正フィルタを含み、一方の無指向性マイクロホンの集音
   による高域成分と該一方の無指向性マイクロホンよりや
   や位相の遅れた他方の無指向性マイクロホンの集音によ
   る高域成分の逆相信号とを加算して得られた前記差信号
   出力手段の出力信号を補正して平坦な周波数特性を有す
   る高域成分の差信号を出力することを特徴とする請求項
   １記載の指向性マイクロホン装置。
3. 【請求項３】前記差信号出力手段は前記他方の無指向性
   マイクロホンの集音した出力信号の高域成分の位相を反
   転して逆相信号を出力する位相反転器と、前記一方の無
   指向性マイクロホンの集音した出力信号の高域成分と前
   記他方の無指向性マイクロホンの集音した出力信号の高
   域成分の逆相信号とを加算して前記一方の及び他方の無
   指向性マイクロホンの集音した両出力信号の位相差によ
   る差信号を出力する加算手段とからなることを特徴とす
   る請求項１または２記載の指向性マイクロホン装置。