JPH09148922A - 高速同期型水晶発振回路 - Google Patents

高速同期型水晶発振回路

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JPH09148922A
JPH09148922A JP7300152A JP30015295A JPH09148922A JP H09148922 A JPH09148922 A JP H09148922A JP 7300152 A JP7300152 A JP 7300152A JP 30015295 A JP30015295 A JP 30015295A JP H09148922 A JPH09148922 A JP H09148922A
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circuit
output
input
signal
voltage
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JP7300152A
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Ichiro Maruyama
一郎 丸山
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は高速同期型水晶発振回路に関し、高
速引き込みを行なうことができる高速同期型水晶発振器
を提供することを目的としている。 【解決手段】 水晶発振器と電圧制御発振器を含む第1
のPLL回路と、該第1のPLL回路と接続され、バー
スト信号及び引き込み制御信号を受けて、前記第1のP
LL回路に基準電圧信号を与える第2のPLL回路より
なり、前記第1のPLL回路の電圧制御発振器の周波数
を水晶発振器に同期させると共に、外部から入力される
バースト信号に対して第2のPLL回路により位相を高
速に同期し保持するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高速同期型水晶発振
回路に関し、更に詳しくはディジタル網、特にピンポン
伝送(1本の双方向伝送路で交互に情報を伝送する方
式)において、回線信号よりクロックを抽出するPLL
回路に使用される電気機械振動子を使用した発振回路に
関する。
【0002】
【従来の技術】図46はPLL(Phase Lock
Loop)回路の従来構成例を示す図である。水晶発
振器1から発生された安定なパルス信号は、位相比較器
(PD:Phase Detector)2の+入力に
入る。該位相比較器2の−入力には出力が分周器5で1
/Mに分周された信号が入る。この位相比較器2は、+
入力信号と−入力信号との位相差に応じた信号を出力
し、その出力はループフィルタ3に入り、平滑化され
る。該ループフィルタ3の出力は、電圧制御発振器(V
CO:Voltage Controlled Osc
illator)4に入る。電圧制御発振器4は、入力
信号に応じた周波数の信号を出力する。この電圧制御発
振器4の出力がPLL回路の出力となる。一方、この出
力は前述したように分周器5で1/Mに分周された後、
位相比較器2の−入力に入る。回路が安定状態になった
時には、位相比較器2の出力は0になる。従って、水晶
発振器1の出力周波数をf0として、分周器5の出力周
波数もf0になっている。従って、PLL回路は出力周
波数M・f0の逓倍回路として機能する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のPLL回路に使
用される電気機械振動子を使用した発振回路としては、
前述したVCXO(電圧制御水晶発振器)が一般的であ
るが、VCXOを使用したPLL回路では、水晶発振器
の特徴である高Qや自走周波数安定度が高い等の長所が
ある反面、VCXOの周波数を変えることにより入力信
号とVCXOの位相を同期させる方式のため、位相が完
全に一致する(引き込む)までに長時間を要するという
問題があった。一方、前述のピンポン伝送では高速の引
き込みが要求されるため、水晶発振器を用いたPLL回
路は使用することが困難であった。
【0004】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであって、高速引き込みを行なうことができる高速
同期型水晶発振器を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理ブロ
ック図である。図において、100は水晶発振器と電圧
制御発振器を含む第1のPLL回路、200は該第1の
PLL回路100と接続され、バースト信号及び引き込
み制御信号を受けて、前記第1のPLL回路100に基
準電圧信号を与える第2のPLL回路である。第2のP
LL回路200にはバースト信号と引き込み制御信号が
入力されている。そして、第1のPLL回路100から
第2のPLL回路200には水晶発振器からのクロック
が与えられ、第2のPLL回路200から第1のPLL
回路100には基準電圧信号が与えられている。
【0006】この発明の構成によれば、前記第1のPL
L回路100の電圧制御発振器の周波数を水晶発振器に
同期させると共に、外部から入力されるバースト信号に
対して第2のPLL回路200により位相を高速に同期
し保持するように構成されることにより、高速引き込み
を可能とすることができる。
【0007】この場合において、前記第1のPLL回路
100は、水晶発振器と、該水晶発振器の出力と電圧制
御発振器の出力との位相比較を行なう第1の位相比較器
(PD1)と、該第1の位相比較器の出力を平滑化する
第1のループフィルタと、該第1のループフィルタの出
力と、前記第2のPLL回路200からの基準電圧信号
を受ける電圧加算器と、該電圧加算器の出力に応じた周
波数信号を出力する電圧制御発振器(VCO)と、該電
圧制御発振器の出力を分周して前記第1の比較器の一方
の入力に与える分周器とにより構成され、前記第2のP
LL回路200は、前記水晶発振器の出力をその一方の
入力に受け、前記バースト信号を他方の入力に受ける第
2の位相比較器(PD2)と、該第2の位相比較器の出
力を平滑化する第2のループフィルタと、該第2のルー
プフィルタ出力を引き込み制御信号(CONT)により
サンプリングするサンプルホールド回路とにより構成さ
れることを特徴としている。
【0008】この発明の構成によれば、前記第1のPL
L回路100の電圧制御発振器の出力周波数を水晶発振
器に同期させると共に、外部から入力されるバースト信
号に対して第2のPLL回路200により位相を高速に
同期し保持するように構成することにより、水晶発振器
の安定度で且つ高速の引き込みを可能とするPLL発振
回路を実現することができる。
【0009】また、前記第1及び第2の位相比較器はS
Rフリップフロップにより構成され、前記第1及び第2
のループフィルタはCRローパスフィルタにより構成さ
れ、前記電圧加算器はオペアンプにより構成され、前記
サンプルホールド回路はオペアンプとアナログスイッチ
とコンデンサを含んで構成されることを特徴としてい
る。
【0010】この発明の構成によれば、簡単な回路の組
み合わせによりPLL発振器を実現することができる。
また、前記引き込み制御信号を、バースト信号を分周す
る回路を用いて、バースト信号の入力と同時に立ち上が
るように作成することを特徴としている。
【0011】この発明の構成によれば、外部制御回路を
使用することなく、PLL発振器を実現することができ
る。また、前記引き込み制御信号を、バースト信号を分
周する回路を用いて、バースト信号の入力待ち受け時よ
り立ち上がるように作成することを特徴としている。
【0012】この発明の構成によれば、外部制御回路を
使用することなく、更に簡単な構成のPLL発振器を実
現することができる。また、前記電圧加算器にオペアン
プと抵抗による加算増幅器を用いるものにおいて、オペ
アンプの正入力に入力する基準電圧を可変する構成とし
たことを特徴としている。
【0013】この発明の構成によれば、電圧制御発振器
(VCO)の周波数偏差による位相誤差を補正すること
ができる。前記第1のPLL回路は、水晶発振器と、該
水晶発振器の出力と電圧制御発振器の出力との位相比較
を行なう第1の位相比較器と、該第1の位相比較器の出
力を平滑化する第1のループフィルタと、該第1のルー
プフィルタの出力と、前記第2のPLL回路からの基準
電圧信号を受ける電圧加算器と、該電圧加算器の出力に
応じた周波数信号を出力する電圧制御発振器と、該電圧
制御発振器の出力を分周して前記第1の比較器の一方の
入力に与える分周器とにより構成され、前記第2のPL
L回路は、前記電圧制御発振器の出力をその一方の入力
に受け、前記バースト信号を他方の入力に受ける第2の
位相比較器と、該第2の位相比較器の出力を平滑化する
第2のループフィルタと、該第2のループフィルタ出力
を第1の引き込み制御信号(CONT1)によりサンプ
リングするサンプルホールド回路と、その一方が該サン
プルホールド回路の出力又は基準電圧発生回路と接続さ
れ、他方が前記電圧加算器の一方の入力に接続され、第
2の引き込み制御信号(CONT2)により前記サンプ
ルホールド回路又は基準電圧発生回路のいずれか一方を
選択するスイッチとにより構成されることを特徴として
いる。
【0014】この発明の構成によれば、基準電圧発生回
路又はサンプルホールド回路の出力をスイッチにより切
り換えて第1のPLL回路100に与える構成とするこ
とにより、位相調整回路を必要とせずに、VCOの周波
数偏差による位相誤差を補正することができる。
【0015】この場合において、前記基準電圧を発生す
る回路として、抵抗による分圧回路を用いたことを特徴
としている。この発明の構成によれば、簡単な回路の組
み合わせによりPLL発振器を実現することができる。
【0016】また、前記第1及び第2の引き込み制御信
号を、バースト信号を分周する回路を用いて、バースト
信号の入力と同時に立ち上がるように作成することを特
徴としている。
【0017】この発明の構成によれば、外部制御回路を
使用することなくPLL発振器を実現することができ
る。また、前記第1及び第2の引き込み制御信号を、バ
ースト信号を分周する回路を用いて、バースト信号の入
力待ち受け時より立ち上がるように作成することを特徴
としている。
【0018】この発明の構成によれば、外部制御回路を
使用することなく、更に簡単な構成のPLL発振器を実
現することができる。また、前記位相比較器を、第1の
入力をそのクロック入力に受けるDタイプフリップフロ
ップと、第2の入力を受けて微分し、該Dタイプフリッ
プフロップのクリア入力に与える微分回路とにより構成
することを特徴としている。
【0019】この発明の構成によれば、SRフリップフ
ロップではなくDタイプフリップフロップを用いること
によりPLL発振回路を実現することができる。また、
前記電圧加算器を、オペアンプと抵抗を用いた差動増幅
器で構成し、該差動増幅器の第1の入力に、第1のルー
プフィルタの出力を、第2の入力に第2のPLL回路の
制御出力を接続することを特徴としている。
【0020】この発明の構成によれば、差動増幅器によ
りPLL発振回路を実現することができる。また、前記
電圧加算器を、第1の入力に第1のループフィルタの出
力を抵抗を介して、第2の入力に第2のPLL回路の制
御出力を抵抗を介して出力側で接続した構成とすること
を特徴としている。
【0021】この発明の構成によれば、抵抗を用いた簡
単な電圧加算器によりPLL発振回路を実現することが
できる。また、前記サンプルホールド回路を、第2のル
ープフィルタの出力を受けてディジタル信号に変換する
A/D変換器と、該A/D変換器の出力をコントロール
信号によりラッチするラッチ回路と、該ラッチ回路の出
力をアナログ信号に変換するD/A変換器とにより構成
することを特徴としている。
【0022】この発明の構成によれば、正確で変動の少
ないPLL発振回路を実現することができる。また、前
記サンプルホールド回路を、第2のループフィルタの出
力を受けてディジタル信号に変換するA/D変換器と、
該A/D変換器の出力を第1のコントロール信号により
ラッチするラッチ回路と、該ラッチ回路の出力又は固定
データを受けて何れか一方を第2のコントロール信号に
よりセレクトするセレクタと、該セレクタの出力をアナ
ログ信号に変換するD/A変換器とにより構成すること
を特徴としている。
【0023】この発明の構成によれば、正確で変動の少
ないPLL発振回路を実現することができる。また、前
記位相比較器を、第1の入力をそのクロック入力に受け
るDタイプフリップフロップと、第2の入力を受けて微
分し、該Dタイプフリップフロップのクリア入力に与え
る微分回路とにより構成し、前記サンプルホールド回路
を、第2のループフィルタの出力を受けてディジタル信
号に変換するA/D変換器と、該A/D変換器の出力を
コントロール信号によりラッチするラッチ回路と、該ラ
ッチ回路の出力をアナログ信号に変換するD/A変換器
とにより構成することを特徴としている。
【0024】この発明の構成によれば、簡略かつ高精度
なPLL発振回路を実現することができる。また、前記
サンプルホールド回路を、抵抗とコンデンサによる積分
回路と、該積分回路の出力をコントロール信号によりサ
ンプリングするスイッチと、該スイッチによりサンプリ
ングした信号を保持するコンデンサとにより構成するこ
とを特徴としている。
【0025】この発明の構成によれば、非常に簡略化し
たサンプルホールド回路によりPLL発振回路を実現す
ることができる。また、前記第1のループフィルタの出
力を切り換える時定数回路を、第1の抵抗と、コントロ
ール信号によりオン/オフされるスイッチが直列に接続
された第2の抵抗との並列回路と、該並列回路と接続さ
れるコンデンサとで構成することを特徴としている。
【0026】この発明の構成によれば、PLL引き込み
時には高速の引き込みを行ない、PLLロック後はジッ
タの少ない安定な動作を行なうPLL発振回路を実現す
ることができる。
【0027】また、前記第1のループフィルタの出力を
切り換える時定数回路を、第1の抵抗と第2の抵抗の直
列回路と、該第2の抵抗の両端をコントロール信号によ
り短絡するスイッチと、前記直列回路と接続されるコン
デンサとで構成することを特徴としている。
【0028】この発明の構成によれば、PLL引き込み
時には高速の引き込みを行ない、PLLロック後はジッ
タの少ない安定な動作を行なうPLL発振回路を実現す
ることができる。
【0029】また、前記水晶発振器の出力を1/N分周
器を介して第1の位相比較器の一方の入力に入力し、前
記電圧制御発振器の出力を1/M分周器を介して第1の
位相比較器の他方の入力に入力し、前記水晶発振器の出
力を1/N’分周器を介して第2の位相比較器の一方の
入力に入力し、バースト信号を1/M’分周器を介して
第2の位相比較器の他方の入力に入力する構成とし、 N’=n・N, 前記電圧加算器の第1のループフィルタ出力を受ける入
力抵抗の抵抗値をR3,前記サンプルホールド回路の出
力を受ける入力抵抗の抵抗値をR4とした場合に、 R
4=n・R3, M=m・M’(但し、M,m,N,n,M’,N’は整
数) とすることを特徴としている。
【0030】この発明の構成によれば、入力信号のn/
m倍の基準クロックを用いて、入力信号のm倍の出力ク
ロック信号を得ることができる。また、回路内に含まれ
る分周器の分周比を1とすることを特徴としている。
【0031】この発明の構成によれば、分周器を直結す
ることにより、入力信号と基準クロックと出力クロック
信号が等しい周波数の時に、分周器を省略した簡単な回
路のPLL発振回路を実現することができる。
【0032】また、前記水晶発振器の代わりに温度補償
型水晶発振器(TCXO)を用いることを特徴としてい
る。この発明の構成によれば、TCXOを基準にした高
い安定度のPLL発振回路を実現することができる。
【0033】更に、前記水晶発振器の代わりに、水晶振
動子と抵抗とコンデンサを用いた発振回路を用いること
を特徴としている。この発明の構成によれば、水晶振動
子による安価な回路によりIC化に適したPLL発振回
路を実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を詳細に説明する。図2は本発明の第1の実
施の形態例を示すブロック図である。第1のPLL回路
100において、10は水晶発振器、11は該水晶発振
器10の出力を1/Nに分周する第1の分周器、12は
該第1の分周器11の出力と電圧制御発振器の出力との
位相比較を行なう第1の位相比較器(PD)、13は該
第1の位相比較器12の出力を平滑化する第1のループ
フィルタ、14は該第1のループフィルタ13の出力
と、前記第2のPLL回路200からの基準電圧信号を
受ける電圧加算器、15は該電圧加算器14の出力に応
じた周波数信号を出力する電圧制御発振器(VCO)、
16は該電圧制御発振器15の出力を1/Mに分周して
前記第1の位相比較器12の一方の入力に与える第2の
分周器である。
【0035】第2のPLL回路200において、30は
前記水晶発振器10の出力を1/N’に分周する第3の
分周器、31は外部より入力されるバースト信号を1/
M’に分周する第4の分周器、32は前記第3の分周器
30の出力をその一方の入力に受け、前記第4の分周器
31の出力を他方の入力に受ける第2の位相比較器(P
D)、33は該第2の位相比較器32の出力を平滑化す
る第2のループフィルタ、34は該第2のループフィル
タ33の出力を引き込み制御信号によりサンプリングす
るサンプルホールド回路である。該サンプルホールド回
路34の出力は、第1のPLL回路100の電圧加算器
14に基準電圧信号として与えられている。なお、各分
周器の分周比を示すN,M,N’,M’は整数である。
このように構成された回路の動作を、図3〜図12を用
いて以下に説明する。
【0036】図3は入力信号(以下バースト信号と呼
ぶ)に対するPLL回路の動作と引き込み制御信号の関
係を示す図である。バースト信号はヘッダと呼ばれる同
期引き込み用の信号と、データ信号からなっているもの
とする。なお、バースト信号のキャリア周波数は、水晶
発振器10の出力のM’/N’信とほぼ等しい周波数で
ある。PLL回路は、ヘッダの部分でPLLの引き込み
を行ない、引き込んだクロックの周波数と位相を保持
し、データの部分でそのクロックを用いてデータの識別
再生を行なう。引き込み制御信号は、PLL回路の引き
込み動作とクロック保持動作を切り換える信号である。
【0037】以下、各ブロックについてその動作を説明
する。図4は第1の実施の形態例の第1のPLL回路1
00のブロック図である。図2と同一のものは、同一の
符号を付して示す。水晶発振器10の出力fXLは第1の
分周器11により1/Nに分周された後、第1の位相比
較器12の+入力端子に信号aとして入力される。第1
の位相比較器12の他方の−入力端子には、電圧制御発
振器(VCO)15の出力fOUT を第2の分周器16で
1/Mに分周した信号bが入力されており、位相比較器
12は入力aとbの位相差を電圧に変換して信号cとし
て出力する。
【0038】位相比較器12の出力cは、続くループフ
ィルタ13により平滑化された後、信号VPD1 として電
圧加算器14の一方の入力端子に入力される。該電圧加
算器14の他方の入力端子には、第2のPLL回路20
0から基準電圧信号VREF が入力されており、該電圧加
算器14は、前記2つの入力を加算した電圧信号VC を
出力する。VC はVCO15の制御電圧端子に制御電圧
信号として入力され、VCO15は入力信号VC の値に
比例した周波数の信号をfOUT として出力する。fOUT
は、前記第2の分周器16で1/Mに分周された後、第
1の位相比較器12の−入力端子に信号bとして入って
おり、フィードバックループを形成している。
【0039】本回路は、電圧加算器14の部分を除き、
一般的なPLL回路であり、位相比較器12の2つの入
力信号の周波数が一致するようにフィードバック制御が
かかるようになっている。
【0040】ここで、PLLがロックして安定している
時の各部の状態について考える。先ず、VCO15はそ
の出力fOUT の1/Mが水晶発振器10の出力fXLの1
/Nと一致するように制御がかかるので、 fOUT =(M/N)・fXL (1) となっている。VCO15の入力制御電圧VC と出力周
波数fOUT の関係を図5に示す。縦軸は出力周波数fOU
T 、横軸は制御電圧VC である。この時、制御電圧VC
はVCXとなっているものとする。一般に、VCO15は
周波数偏差を持っているため、制御電圧の中心値VCOで
は公称周波数(VCOの規格上の中心周波数)からずれ
た周波数fOUT0となっている。従って、VCO15の公
称周波数が(1)式で示されるものであった場合でも、 fOUT0=(M/N)・fXL とはならず、図に示すようにVCXもVCOからずれた電圧
となる。
【0041】今、電圧加算器14の基準電圧信号VREF
=0,ループフィルタ13の利得=1とすると、位相比
較器12の出力cはc=VCXとなっていることになる。
位相比較器12についても、入力a,bの位相が完全に
一致した時の出力電圧が、中心電圧VCOになるものとす
ると、出力がVCXとなるためには、aとbの位相が図6
に示すようにΔTだけずれた状態で安定することにな
る。
【0042】この時の、位相比較器12の入力位相差と
VCO15の制御電圧VC の関係を図7に示す。縦軸は
制御電圧VC 、横軸は位相φである。位相比較器12
は、入力の位相差φが0の時に中心電圧VCOを出力し、
φ=(ΔT/T).2π(RAD)がπの時、即ちΔT
=(1/2)・Tの時に最大電圧VCMAX,−πの時、即
ちΔT=−(1/2)・Tの時に最小電圧VCminを出力
する。図に示したように、VC =VCXの時には、φ=θ
となっていることになる。
【0043】以上、詳細に説明したように、第1のPL
L回路100では、出力周波数 fOUT =(M/N)・fXL となる制御電圧VC =VCXに位相比較器12の出力が一
致するように、入力a,bの位相差が制御されることに
なる。
【0044】ここまでの説明では、基準電圧信号VREF
=0として考えてきたが、次にVREF に電圧が印加され
た場合について考える。便宜的にVREF =0の時にVCX
=VCO,ΔT=0でPLL回路が安定しているものとす
る。図8に示すように、先ずVREF =0の状態で位相比
較器12の入力aとbの位相は一致しており、制御電圧
VC =VCXとなっている。今、時刻t0 においてVREF
に電圧VX が印加されると、電圧加算器14によりルー
プフィルタ13の出力VPD1 と基準電圧信号VREF が加
算され、その出力VC =VCX+VX となる。
【0045】すると、VCO15の制御信号が高くなり
出力周波数が高くなる。そこで、入力bの位相が進む。
この結果、位相比較電圧VPD1 は低くなり始める(引き
込み過程)。VPD1 とVREF とが電圧加算器14により
加算されてVCO15の制御電圧VC となるため、VC
もVCX+VX から徐々に減少する。入力bの位相が更に
進み、VPD1 =VCX−VX となると、VC =VCXとな
り、その結果VCO15の周波数が当初の値と同じにな
り、aとbの周波数が一致するため、その時刻t1 (図
8)にてPLL回路は再度ロック状態になり安定する。
この時の、aとbの位相差をθX とすると、本PLL回
路は基準電圧信号VREF にVX を印加することにより、
bの位相差をθX 進める動作をすることになる。
【0046】図9は基準電圧信号と位相の関係を示す図
である。縦軸が位相(θ)、横軸が基準電圧信号VREF
である。基準電圧信号VREF を大きくすると、それだけ
位相θも進むことになる。
【0047】一般に、CR発振器等を用いた電圧制御発
振器(VCO)の場合には、出力周波数可変幅は数10
%以上あり、位相を最大π(180゜)ずらす時でも、
数クロック以内で同期可能であり、基準電圧信号VREF
を少しずつ変動させた場合には、それに追従して位相を
変化させることができる。また、その時でも出力信号の
周波数fOUT は、水晶発振器10の周波数のM/Nに一
致した状態を保っている。従って、本PLL回路を使用
すれば、水晶発振器の周波数安定度を保ったまま、基準
電圧信号VREF により出力クロック信号の位相のみ自由
に制御できることになる。
【0048】図10は第1の実施の形態例の第2のPL
L回路200のブロック図である。図2と同一のもの
は、同一の符号を付して示す。図において、10は第1
のPLL回路100内の水晶発振器、30は該水晶発振
器10の出力を1/N’に分周する分周器(第3の分周
器)、31はバースト信号を1/M’に分周する分周器
(第4の分周器)、32は1/N’分周器30と1/
M’分周器31の出力を受けてこれら入力信号の位相を
比較し、位相差に応じた電圧信号を出力する第2の位相
比較器、33は該位相比較器32の出力を平滑化するル
ープフィルタ、34は該ループフィルタ33の出力を外
部からの引き込み制御信号によりサンプリングするサン
プルホールド回路である。このように構成された回路の
動作を説明すれば、以下の通りである。
【0049】図11は第2のPLL回路の動作を示すタ
イムチャートである。水晶発振器10の出力fXLは、第
3の分周器30で1/N’に分周されてe信号となり、
第2の位相比較器32の一方の入力端子に入る。一方、
バースト信号は、第4の分周器31で1/M’に分周さ
れてd信号となり、第2の位相比較器32の他方の入力
端子に入る。該位相比較器32は、入力信号eとdの位
相差を電圧信号に変換し、第2のループフィルタ33に
より平滑化される。このループフィルタ33の出力VPD
2 はサンプルホールド回路34に入力される。該サンプ
ルホールド回路34は、引き込み制御信号により制御さ
れ、図11に示すようにバースト信号のヘッダが入力さ
れている区間に電圧のサンプリングを行ない、ヘッダ期
間が終了すると、電圧VPD2 をホールドする。従って、
この第2のPLL回路は、入力eとdの位相差を電圧信
号に変換し、保持することができる。
【0050】図12は第1のPLL回路100と第2の
PLL回路200を接続した時の、即ち第1の実施の形
態例の動作を示すタイムチャートである。ここでは、前
記分周比を便宜上M=M’,N=N’としている。従っ
て、第3の分周器30の出力は、eの代わりにaとな
る。バースト信号が入力される時点T0 以前は、第1の
位相比較器12の入力aとbの位相は図に示すように一
致している。時刻T0 にてバースト信号が入力される
と、第2のPLL回路200が動作し、サンプルホール
ド回路34から出力される基準電圧信号VREF にaとd
の位相差φX に対応する電圧ΔVX が発生し保持され
る。
【0051】第1のPLL回路100では、基準電圧信
号VREF にΔVX が印加されることにより、前述した過
程を経てΔVX に対応する位相差φX ’だけbの位相が
進む。ここで、若し第1の位相比較器12と第2の位相
比較器32の変換利得(ΔV/Δφ)が等しいものとす
ると、φX =φX ’となり、bとdの位相は一致するこ
とになる。
【0052】以上説明したように、第1の実施の形態例
によれば、第1のPLL回路100の電圧制御発振器1
5の出力周波数を水晶発振器10に同期させると共に、
外部から入力されるバースト信号に対して第2のPLL
回路200により位相を高速に同期し保持するように構
成することにより、水晶発振器の安定度で且つ高速の引
き込みを可能とするPLL発振回路を実現することがで
きる。
【0053】図13は第1の実施の形態例の具体的構成
例を示す回路図である。図2と同一のものは、同一の符
号を付して示す。この実施の形態例では、4個の分周器
の分周比をM=M’,N=N’とした結果、第3の分周
器30を第1の分周器11で兼ねている。従って、第1
の分周器11の出力をそのまま第2の位相比較器32の
一方の入力端子に入力している。図2で第4の分周器3
1として説明した分周器は、第3の分周器となってい
る。以後、第1の分周器11をカウンタ1、第2の分周
器16をカウンタ2、第3の分周器31をカウンタ3と
呼ぶことにする。
【0054】この実施の形態例では、第1及び第2の位
相比較器12,32をSRフリップフロップで構成し、
第1及び第2のループフィルタ13,33をコンデンサ
Cと抵抗RによるCRフィルタで構成し、電圧加算器1
4をオペアンプで構成し、サンプルホールド回路34
を、オペアンプとアナログスイッチとコンデンサを含ん
で構成している。このような構成とすることにより、簡
単な回路の組み合わせによりPLL発振器を実現するこ
とができる。
【0055】第1の位相比較器12(位相比較器1),
第2の位相比較器32(位相比較器2)の機能を図1
4,図15を用いて説明する。(a)に示すように2個
のアンドゲートG1,G2とSRフリップフロップとで
構成されている。アンドゲートG1の入力をIN1、ア
ンドゲートG2の入力をIN2、SRフリップフロップ
の出力をQ,※Q(以下反転論理を※で示す)とする
と、その真理値表は(b)に示すようなものとなる。本
回路では、出力を入力側にフィードバックしているた
め、全体としては(c)に示すように、入力IN1,I
N2の立ち上がりエッジで出力がトリガされる特性とな
る。つまり、セット入力Sの立ち上がりでQ出力が
“1”になり、リセット入力Rの立ち上がりで※Q出力
が“1”になる。
【0056】位相比較器としての動作を(d)に示す。
出力QはIN1の立ち上がりで“1”にトリガされ、I
N2の立ち上がりで“0”にトリガされる。従って、出
力Qのデューティ(DUTY)は、IN1とIN2の立
ち上がりの位相差により変化し、IN2が180゜(π
RAD)遅れている時、デューティ=50%となり、遅
れが180゜よりも小さい時(位相が進んでいる時)は
デューティ<50%、180゜よりも大きい時(位相が
遅れている時)はデューティ>50%となる。
【0057】ここで、Qの“1”レベルをVOH,“0”
レベルをVOLとすると、Qの平均値電圧は VPD=VOL+(VOH−VOL)・(デューティ) (2) となり、デューティ(=位相差)に比例することにな
る。この関係を(e)に示す。また、反転出力※Qは
(f)に示すような特性となる。この位相比較器は、位
相差がπ(180゜)の時の出力電圧(VOH+VOL)/
2を中心値電圧として位相が0から2πにまで変動した
時にVOLからVOHまで出力が変化する位相比較器とな
る。なお、図13のように入力に1/Mの分周器31が
入った場合、分周器の入力側で見た場合、図16に示す
ように位相はM倍となる。
【0058】図13に戻り、第1及び第2のループフィ
ルタ13,33としては、ローパスフィルタを用いてい
る。第1のループフィルタ13は、抵抗R1とコンデン
サC1の組み合わせにより、第2のループフィルタ33
は抵抗R2とコンデンサC2の組み合わせによりRCフ
ィルタ(ローパスフィルタ)を構成している。これらロ
ーパスフィルタ13,33は、それぞれ前記位相比較器
12,32の出力信号の平均値電圧を抽出する働きをす
る。ここで、ローパスフィルタの時定数τ(=R・C)
が大きいとPLLの引き込み時間が遅くなるため、必要
な引き込み時間よりもτが短くなるように抵抗Rとコン
デンサCの値を選ぶ必要がある。
【0059】次に、電圧加算器14の動作について説明
する。オペアンプ1は加算増幅器として機能している。
R3は第1のループフィルタ13の出力を受ける入力抵
抗、R4はサンプルホールド回路34の出力である基準
電圧信号の入力抵抗であり、これらはオペアンプ1の−
入力端子に接続されている。R5はオペアンプ1の入出
力間に接続される帰還抵抗である。オペアンプ1の+入
力には、基準電圧VREF2が入っている。この基準電圧V
REF2は、電源電圧Vccを抵抗R7とR8による分圧回
路で分圧したものであり、抵抗R6を介してオペアンプ
1の+入力に入っている。第1のループフィルタ13の
出力をVPD1 、基準電圧信号をVREF1とし、各抵抗の値
としてその識別符号をそのまま用いるものとすると、電
圧加算器14の出力VC は次式で表される。
【0060】
【数1】
【0061】ここで、R3=R4=2・R5とすると、
(3)式は簡単になり次式で表される。 VC =−{(VPD1 +VREF1)/2}+2・VREF2 (4) 従って、VPD1 ,VREF1の値が前記位相比較器12の中
心電圧(VOH+VOL)/2の時に制御電圧VC がVCO
15の中心値電圧となるようにVREF2の値を選ぶことに
より、前記位相差が180゜の時にPLLのロックがか
かるようにすることができる。なお、電圧加算器14が
反転増幅器であるので、第1の位相比較器12は反転出
力※Qから出力をとり、第2の位相比較器32は非反転
出力Qからとる構成としている。
【0062】次に、サンプルホールド回路34について
説明する。該サンプルホールド回路34は、オペアンプ
2と、該オペアンプ2と接続されるオン/オフスイッチ
SW1と、サンプリングした電圧を保持するコンデンサ
C3と、該コンデンサC3の保持電圧を出力するバッフ
ァとして機能するオペアンプ3より構成されている。オ
ペアンプ3の出力はオペアンプ2の−入力端子にフィー
ドバックされている。このように構成された回路におい
て、スイッチSW1が閉じた時に入力電圧をコンデンサ
C3に充電し、スイッチSW1が開いた時にはそのまま
電圧を保持する回路である。ここで、コンデンサC3に
よる電圧保持時間はコンデンサC3とオペアンプ3の入
力抵抗RINとして時定数τ=C3・RINで与えられる
が、この値は前記バースト信号の入力データの時間(期
間)よりも長くとる必要がある。
【0063】このようにして、VCO15の出力を水晶
発振器10の周波数fXLのM/Nにロックしたまま、バ
ースト信号が入力された時に高速で位相を一致させ保持
する発振回路を実現することができる。
【0064】上述の実施の形態例では、引き込み制御信
号は外部から与えられるものとして扱ってきたが、バー
スト信号から内部的に作成することもできる。図17は
制御信号発生回路の一実施の構成例を示す図である。該
制御信号発生回路は、N進カウンタ35,M進カウンタ
36,SRフリップフロップ37及びゲートG10〜G
13及びインバータG14より構成されている。バース
ト信号は、ゲートG10及びG12の一方の入力に入
り、基準クロック(水晶発振器又はVCO出力を用い
る)はM進カウンタ36のクロック入力端子に入ってい
る。ゲートG12の出力はN進カウンタ35のクロック
入力端子に入り、該ゲートG12の他方の入力には、N
進カウンタ35のQ出力をインバータG14により反転
した信号が入っている。
【0065】SRフリップフロップ37のゲートG10
の他方の入力にはその※Q出力がフィードバックされ、
ゲートG11の一方の入力にはそのQ出力がフィードバ
ックされている。フリップフロップ37のQ出力はM進
カウンタ36のイネーブル入力端子とN進カウンタ35
のイネーブル入力端子とゲートG13の一方の入力に入
っている。ゲートG13の他方の入力にはインバータG
14の出力が入っている。M進カウンタ36のQ出力は
自己のリセット入力端子,ゲートG11の他方の入力及
びN進カウンタ35のリセット入力端子に入っている。
そして、ゲートG13から引き込み制御信号が出力され
る構成となっている。
【0066】図18はこの回路の動作を示すタイムチャ
ートである。フリップフロップ37は、バースト信号が
入力されると、出力Qを“1”にセットし、N進カウン
タ35とM進カウンタ36とをイネーブル状態にする。
N進カウンタ35は、バースト信号のヘッダのNビット
をカウントし、カウント後出力hが“1”になることに
より、インバータG14で反転された“0”がゲートG
12を閉じ、クロック入力をオフにし、その状態を維持
する。
【0067】M進カウンタ36は、イネーブルがオンに
なると、基準クロック(水晶発振器又はVCOの出力)
をMビット分カウントし、カウント後出力jが“1”に
なることにより、2つのカウンタ35,36とフリップ
フロップ37をリセットし、次の入力に備える。図18
のタイムチャートより明らかなように、引き込み制御信
号gは、バースト入力と同時に“1”になり、ヘッダ部
の期間“1”を保持し、ヘッダ部が終わると、“0”に
なることになる。ここで、フリップフロップ37のQ出
力iのMビットの長さはデータの長さより長く、次のバ
ースト信号が来る時間よりは短く設定されている。
【0068】この制御信号発生回路によれば、外部制御
回路を使用することなく、PLL発振器を実現すること
ができる。図17の制御信号発生回路では、バースト信
号の入力と同時に制御信号gが立ち上がっていたが、こ
れをバースト信号の待ち受け時からオン(“1”)にし
ておくことにより回路を簡略化できる。図19は制御信
号発生回路の他の実施の構成例を示す図である。図17
と同一のものは、同一の符号を付して示す。図17の回
路との相違は、アンドゲートG13が省略され、インバ
ータG14の出力から引き込み制御信号gが取り出され
ていることである。その他の構成は、図17と同じであ
る。
【0069】図20はこの回路の動作を示すタイムチャ
ートである。N進カウンタ35はその前のバースト入力
時におけるリセット信号により“0”になっている。そ
こで、引き込み制御信号をN進カウンタ35の出力hの
インバータG14による反転信号から取り出すことによ
り、引き込み制御信号gは、バースト信号待ち受け時よ
り“1”になり、ヘッダ部の期間“1”を保持し、ヘッ
ダ部が終わると“0”となる。なお、この場合でも、引
き込み制御信号が“0”の区間、即ちPLLでのクロッ
ク保持期間は完全に保証されているため、実用上問題は
ない。
【0070】この制御信号発生回路によれば、外部制御
回路を使用することなく、更に簡単な構成のPLL発振
器を実現することができる。図2に示す第1の実施の形
態例では、VCO15の周波数偏差が無視できる場合を
例にとったが、実際にはVCO15は周波数偏差を持っ
ており、その結果、前述したように出力に位相誤差Δt
を発生してしまう。図21はこれを補正する電圧加算器
14の具体的構成例を示す図である。図13と同一のも
のは、同一の符号を付して示す。この回路は、図13に
おけるオペアンプ1の+入力端子に入力する基準電圧V
REF2を可変抵抗RV1により可変するようにしたもので
ある。
【0071】この回路は、電圧加算器14の+側入力V
REF2を、可変抵抗RV1により可変することにより、制
御信号VC が(4)式で表わされるものとして、制御信
号VC を変化させ、出力位相の調整を行なうことができ
る。
【0072】この電圧加算器によれば、電圧制御発振器
(VCO)の周波数偏差による位相誤差を補正すること
ができる。図21に示す実施の形態例では、位相誤差を
調整により補正する方法を示したが、回路方式により位
相誤差を防ぐことができる。図22は本発明の第2の実
施の形態例を示すブロック図である。図2と同一のもの
は、同一の符号を付して示す。第1の実施の形態例との
相違点は、第2のPLL回路200の入力の一方を、水
晶発振器10からではなく、VCO15の出力からとっ
ている点と、サンプルホールド回路34の出力にスイッ
チSW2を設け、第2の引き込み制御信号2により基準
電圧と切り換えるようになっている点である。
【0073】図において、38はVCO15の出力を1
/M’に分周する第3の分周器、39は基準電圧を発生
する基準電圧発生回路、SW2はサンプルホールド回路
34の出力又は基準電圧発生回路39の出力の何れか一
方を選択するスイッチである。サンプルホールド回路3
4に与える引き込み制御信号を第1の引き込み制御信号
とし、スイッチSW2に与える引き込み制御信号を第2
の引き込み制御信号とする。このように構成された回路
の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0074】基準電圧発生回路39の出力であるVREF3
は、予め第2の位相比較器32の入力位相差が0の時の
位相比較電圧と等しくしておく。ここで、スイッチSW
2を設けている理由は、スイッチSW2がなかった場
合、第2の位相比較器32で位相差を検出している間に
基準電圧信号VREF1がその位相差に対応して変動し、V
CO15の位相が動くため、位相を一致させることがで
きなくなるためである。そこで、バースト信号が入り第
2の位相比較器32が位相差を検出し、サンプルホール
ド回路34が位相差に相当する電圧を保持するまでの
間、スイッチSW2を基準電圧発生回路39側に接続
し、サンプルホールド回路34が電圧を保持した後で、
スイッチSW2をサンプルホールド回路34側に接続す
るようにしているものである。
【0075】ここで、スイッチSW2がサンプルホール
ド回路34側に接続された後、第2のPLL回路200
が位相同期するまでに若干の時間が必要なため、引き込
み制御信号1,引き込み制御信号2は図23のタイムチ
ャートに示すようにバースト信号のヘッダ部の途中で切
り換わるようにする必要がある。図のAの期間が、第2
の位相比較器32が位相差を検出するまでの区間で、B
の期間が第1のPLL回路100が位相同期するまでの
区間である。
【0076】この回路構成では、予め第2の位相比較器
32の入力位相差が0の時の位相比較電圧と等しい電圧
VREF3に設定してあるため、第2の位相比較器32の入
力に位相差φ0 があると、それに対応した電圧VREF3+
ΔV0 が発生し、第1のPLL回路100では、電圧増
加分ΔV0 に相当するだけ位相が動くことになる。ここ
で、第1の位相比較器12と第2の位相比較器32の感
度が等しく、ループフィルタ等のゲインが等しく、分周
比M=M’となっていれば、ΔV0 により変動する位相
差φ0 ’はφ0 ’=φ0 となり、VCO15の偏差によ
らず位相を一致させることができる。
【0077】この発明の構成によれば、基準電圧発生回
路39又はサンプルホールド回路34の出力をスイッチ
SW2により切り換えて第1のPLL回路100に与え
る構成とすることにより、位相調整回路を必要とせず
に、VCO15の周波数偏差による位相誤差を補正する
ことができる。
【0078】図24は第2の実施の形態例の具体的構成
例を示す回路図である。図13,図22と同一のもの
は、同一の符号を付して示す。第2の位相比較器32の
一方の入力には、水晶発振器10ではなく1/M分周器
16の出力が入り、他方の入力には、バースト信号を分
周する1/M分周器31の出力が入っている。そして、
サンプルホールド回路34のスイッチSW1は、第1の
引き込み制御信号によりオン/オフ制御され、スイッチ
SW2は第2の引き込み制御信号により切り換え制御さ
れる。この実施例では、基準電圧発生回路39として、
電源電圧VccとVEE間に接続された抵抗R9とR10
の直列回路が用いられ、基準電圧VREF3は、抵抗R9と
抵抗R10の接続点から取り出している。
【0079】この実施の形態例によれば、基準電圧発生
回路39として抵抗による分圧回路を用いることによ
り、簡単な回路の組み合わせによりPLL発振回路を実
現することができる。
【0080】図22に示す第2の実施の形態例では、第
1及び第2の引き込み制御信号は外部から与えられる場
合を例にとったが、バースト信号から作成することもで
きる。図25は制御信号発生回路の一実施の構成例を示
す図である。この回路は、基本的には図17に示す回路
と同じであり、N進カウンタ35のQ出力を第2の引き
込み制御信号として利用するようにしたものである。第
1の引き込み制御信号は、図17の場合と同様にゲート
G13から取り出す。この回路のタイムチャートを図2
6に示す。このタイムチャートは、図18と似ている
が、スイッチSW2をバースト信号のヘッダ部の途中で
切り換えるようにしている点が異なる。
【0081】この実施の形態例によれば、外部制御回路
を使用することなくPLL発振器を実現することができ
る。図25の実施の形態例では、第1の引き込み制御信
号は、バースト信号の入力と同時に立ち上がっている場
合を示したが、これをバースト信号の待ち受け時から立
ち上がるようにしておくことにより回路を簡略化するこ
とができる。図27は制御信号発生回路の他の具体的構
成例を示す図である。この回路は、図19に示す回路と
基本的に同じ回路である。N進カウンタ35のQ出力を
第2の引き込み制御信号として利用するようにしたもの
である。第1の引き込み制御信号は、図19の場合と同
様にインバータG14から取り出す。この回路のタイム
チャートを図28に示す。このタイムチャートは、図2
0と似ているが、スイッチSW2をバースト信号のヘッ
ダ部の途中で切り換えるようにしている点が異なる。
【0082】この実施の形態例によれば、外部制御回路
を使用することなく、更に簡単な構成のPLL発振器を
実現することができる。図29は位相比較器の他の具体
的構成例を示す回路図である。この回路は、位相比較器
をDタイプフリップフロップ40と微分回路41とで構
成したものである。入力1はフリップフロップ40のク
ロック入力端子に入り、入力2は微分回路41を経てフ
リップフロップ40のクリア入力端子に入っている。フ
リップフロップ40のQ端子から出力信号が取り出さ
れ、※Q出力はD入力端子にフィードバックされてい
る。微分回路41は、ゲートG15,インバータG16
及びディレイ回路41aとで構成されている。入力2は
ゲートG15の一方の入力とディレイ回路41aに入
り、ディレイ回路41aの出力はインバータG16で反
転された後、ゲートG15の他方の入力に入っている。
【0083】この回路の動作タイムチャートを図30に
示す。図30に示すように入力1(CLK)の立ち上が
りでフリップフロップ40のQ出力が“1”になり、入
力2の微分信号をクリア信号(CLR)としてフリップ
フロップ40はリセットされ、Q出力が“0”になる動
作を繰り返す。全体として、入力1と入力2の位相差が
180゜の時にQ出力のデューティが50%となり、図
14に示すSRフリップフロップを用いた場合と同様な
動作をすることになる。また、この回路には、SRフリ
ップフロップにはない特徴として、入力2が無信号の場
合にもQ出力が反転動作を繰り返し、デューティ50%
の信号を出力することができる。
【0084】図31はディレイ回路の具体的構成例を示
す図である。(a)は、入力を抵抗RとコンデンサCに
よりディレイさせた信号をインバータG17により波形
成形したものと、元の入力とをゲートG18で論理積を
とるようにしたものである。(b)は、入力を2n+1
個のインバータG19を直列接続して、各ゲート間の遅
れを積み重ねて遅らせたものと、元の入力とをゲートG
18で論理積をとるようにしたものである。
【0085】この実施の形態例によれば、SRフリップ
フロップではなく、Dタイプフリップフロップを用いる
ことによりPLL発振回路を実現することができる。図
32は電圧加算器14の他の構成例を示す図で、前述の
加算増幅器ではなく、差動増幅器で実現したものであ
る。オペアンプ1の−入力端子には入力抵抗R3を介し
てループフィルタ13の出力VPD1 が入力され、オペア
ンプ1の+入力端子には基準電圧信号VREF1が抵抗R4
とR6により分圧されたものが入っている。オペアンプ
1の−入力端子と出力端子間には帰還抵抗R5が接続さ
れている。このように構成された回路において、R3=
R4,R5=R6となるように各抵抗値を選び、これら
抵抗値の値として識別符号をそのまま用いるものとする
と、出力VC は次式で表される。
【0086】 VC ={(VREF1−VPD1 )・R5/R3}+VREF2 (5) となる。なお、この場合にVREF1とVPD1 の極性が逆に
なることから、第2の位相比較器32の出力を※Qでは
なくQからとる必要がある。
【0087】この実施の形態例によれば、差動増幅器に
よりPLL発振回路を実現することができる。図33は
電圧加算器の他の構成例を示す図である。この回路は、
電圧加算器を受動素子のみで構成し、回路を簡略化した
ものである。即ち、この回路では、抵抗分圧器により実
現している。ループフィルタ13の出力VPD1 と、基準
電圧信号VREF1とがそれぞれ抵抗R3とR4を介して接
続されており、この接続点の電圧を抵抗R5を介してV
CO15に制御信号VC として入力する構成としてい
る。この時の制御信号VC は次式で表わされる。
【0088】 VC =(R4・VPD1 +R3・VREF1)/(R3+R4) (6) ここで、R3=R4となるように抵抗値を選ぶと(6)
式は以下のように簡略化される。
【0089】 VC =(VPD1 +VREF1)/2 (7) この実施の形態例によれば、抵抗を用いた簡単な電圧加
算器によりPLL発振回路を実現することができる。
【0090】図34はサンプルホールド回路34の他の
構成例を示す図である。この実施の形態例は図2に示す
第1の実施の形態例に用いるものであり、スイッチを用
いてコンデンサに電圧を保持させる方式ではなく、第2
のループフィルタ33の出力VPD2 を受けてディジタル
信号に変換するA/D変換器45と、該A/D変換器4
5の出力を引き込み制御信号(CONT)によりラッチ
するラッチ回路46と、該ラッチ回路46の出力をアナ
ログ信号に変換するD/A変換器47とにより構成して
いる。
【0091】第2のループフィルタ33の出力VPD2
は、A/D変換器45によりディジタル信号に変換され
た後、ラッチ回路46に保持される。次に、このラッチ
回路46の出力は、D/A変換器47によりアナログ電
圧信号に変換され、基準電圧信号VREF1として出力され
る。この回路の特徴は、ループフィルタ33の出力をラ
ッチ回路46により永久に保持できるという点である。
【0092】この実施の形態例によれば、正確で変動の
少ないPLL発振回路を実現することができる。図35
はサンプルホールド回路34の他の構成例を示す図であ
る。図34と同一のものは、同一の符号を付して示す。
この実施の形態例は、図22に示す基準電圧発生回路3
9の代わりにメモリ48に固定データとして記憶させる
ようにしたもので、図22に示す第2の実施の形態例に
用いるものである。メモリ48に記憶される固定データ
は、第2の位相比較器32の入力位相差が0の時の位相
比較電圧に等しい電圧値をディジタルデータとして記憶
している。49はラッチ回路46の出力又はメモリ48
の出力の何れかをセレクトするセレクタである。ラッチ
回路46は第1の引き込み制御信号によりラッチされ、
セレクタ49は第2の引き込み制御信号により制御され
る。
【0093】この実施の形態例によれば、正確で変動の
少ないPLL発振回路を実現することができる。図36
は第2の実施の形態例の要部の他の構成例を示すブロッ
ク図であり、図34に示すサンプルホールド回路と、図
29に示す位相比較器を組み合わせて、図24に示す第
2の実施の形態例を簡略化かつ高精度化する回路であ
る。図34及び図29と同一のものは、同一の符号を付
して示す。図24に示す回路では、基準電圧発生回路3
9とスイッチSW2とが必要であったが、ここでは入力
2が無信号の時にDタイプフリップフロップ40がデュ
ーティ50%の出力となることを利用して、その時の電
圧をサンプルホールド回路34により保持することによ
り、基準電圧発生回路39の出力VREF3とするものであ
る。
【0094】図37に引き込み制御信号の発生タイミン
グ例を示す。引き込み制御信号(CONT)は、図37
に示すタイミングで与えるものとする。この引き込み制
御信号は、図27のg信号の立ち上がりを微分した信号
kと、J信号とオアをとることにより実現することがで
きる。この回路では、先ずバースト信号がない状態で、
第2の位相比較器32はデューティ50%の波形、即ち
入力1と入力2の位相差が180゜の時と同じ平均値電
圧を持つ波形を出力する(但し周期は1/2)。
【0095】サンプルホールド回路34は、図37のJ
のタイミングで、この時の電圧(VREF3)をラッチ回路
46でラッチし、保持する。次に、バースト信号が印加
されると、第2の位相比較器32は入力1と入力2の位
相差に比例する平均値電圧を出力する。サンプルホール
ド回路34は、図のKのタイミングでこの時の電圧(=
VREF3+ΔV)をラッチ回路46でラッチし、保持す
る。このような動作により、図24と同じ機能の回路を
実現することができる。この実施の形態例では基準電圧
VREF3としてDタイプフリップフロップ40がデューテ
ィ50%の時の電圧を利用していることから、基準電圧
が不要でかつ簡略かつ高精度の回路を実現することがで
きる。
【0096】図38はサンプルホールド回路の他の構成
例を示す図で、簡略化した回路である。この実施の形態
例は、図13のサンプルホールド回路をスイッチSW1
とコンデンサC3のみで構成したものである。オペアン
プを用いていない受動素子のみの回路であることから、
コンデンサC3の電圧保持特性が短く、精度も悪いこと
から、高速であまり精度のいらない回路に適している。
【0097】この実施の形態例によれば、非常に簡略化
したサンプルホールド回路によりPLL発振回路を実現
することができる。図39はループフィルタの時定数切
り換え回路の一例を示す図である。図において、第1の
位相比較器12の出力(PD1)は、抵抗R1とR10
1の並列回路に入力される。抵抗R101には直列にス
イッチSW3が接続されており、このスイッチSW3は
制御信号(CONT3)によりオン/オフ制御されるよ
うになっている。例えば、スイッチSW3がオンの時に
は、抵抗はR1とR101の並列となり、抵抗値が下が
る。これに対して、スイッチSW3がオフの時には、抵
抗はR1のみとなり抵抗値が上がる。これにより、抵抗
とコンデンサC1による時定数を切り換えることができ
る。
【0098】一般にループフィルタのカットオフ周波数
は、高い程引き込み時間が短くなる反面、VCOの出力
ジッタが増えたり、ノイズに弱くなる傾向がある。そこ
で、図39に示すように、スイッチSW3を設けて、フ
ィルタの時定数を変え、カットオフ周波数を切り換える
ことにより、PLL引き込み時にはカットオフ周波数の
高い高速の引き込みを行ない、PLLロック後はカット
オフ周波数の低いジッタの少ない安定な動作を行なうこ
とができるようになる。
【0099】図40は制御信号(CONT3)の動作の
一例を示すタイムチャート、図41はフィルタのカット
オフ特性例を示す図である。このようなローパスフィル
タは、時定数τ(RC)が大きい程、通過帯域が狭まる
特性を持つ。そこで、PLL引き込み時にはスイッチS
W3をオンにして時定数を小さくして、カットオフ周波
数の高い(fC1)高速の引き込みを行ない、PLLロッ
ク時にはスイッチSW3をオフにして時定数を大きく
し、カットオフ周波数の低い(fC2)ジッタの少ない安
定な動作を行なっている。
【0100】この実施の形態例によれば、PLL引き込
み時には高速の引き込みを行ない、PLLロック後はジ
ッタの少ない安定な動作を行なうPLL発振回路を実現
することができる。
【0101】図42はループフィルタの時定数切り換え
回路の他の例を示す図である。図において、第1の位相
比較器12の出力(PD1)は、抵抗R1とR101の
直列回路に入力される。抵抗R101には並列にスイッ
チSW3が接続されており、このスイッチSW3は制御
信号(CONT3)によりオン/オフ制御されるように
なっている。例えば、スイッチSW3がオンの時には、
抵抗はR101は短絡され、抵抗値が下がる。これに対
して、スイッチSW3がオフの時には、抵抗値はR1と
R101の和となり抵抗値が上がる。これにより、抵抗
とコンデンサC1による時定数を切り換えることができ
る。
【0102】この実施の形態例によれば、PLL引き込
み時には高速の引き込みを行ない、PLLロック後はジ
ッタの少ない安定な動作を行なうPLL発振回路を実現
することができる。
【0103】ここまでの実施の形態例では、第1のPL
L回路100と第2のPLL回路200の分周器の分周
比が等しい場合を例にとったが、異なった分周比で実現
することもできる。図43は本発明の第3の実施の形態
例の具体的構成例を示す回路図である。図13と同一の
ものは、同一の符号を付して示す。この実施の形態例
は、水晶発振器10の出力を1/N分周器11で1/N
分周して第1の位相比較器12の一方の入力端子に入力
し、前記電圧制御発振器15の出力を1/M分周器16
で1/M分周して第1の位相比較器12の他方の入力端
子に入力し、前記水晶発振器10の出力を1/N’分周
器31Aで1/N’分周して第2の位相比較器32の一
方の入力端子に入力し、バースト信号を1/M’分周器
31で1/M’分周して第2の位相比較器32の他方の
入力端子に入力する構成とし、 N’=n・N, 前記電圧加算器14の第1のループフィルタ13の出力
を受ける入力抵抗の抵抗値をR3,前記サンプルホール
ド回路34の出力を受ける入力抵抗の抵抗値をR4とし
た場合に、 R4=n・R3, M=m・M’(但し、M,m,N,n,M’,N’は整
数) とすることを特徴としている。
【0104】N’=n・N(n=2,3,4,…)と
し、R4=n・R3となるように抵抗値を選ぶことによ
り、図13に示す実施の形態例と同様の動作を行なうこ
とができる。
【0105】また、M=m・M’とすることにより、バ
ースト信号のm倍の出力クロックを得ることができる。
この実施の形態例によれば、入力信号のn/m倍の基準
クロックを用いて、入力信号のm倍の出力クロック信号
を得ることができる。
【0106】上述の実施の形態例(図13,図24,図
43)においては、それぞれの分周器の分周比を所定の
値に設定している場合について説明した。ここで、それ
ぞれの分周器の分周比を1、即ち入力と出力を直結する
構成とすることもできる。
【0107】この実施の形態例によれば、分周器を直結
することにより、入力信号と基準クロックと出力クロッ
ク信号が等しい周波数の時に、分周器を省略した簡単な
回路のPLL発振回路を実現することができる。
【0108】また、上述の実施の形態例(図13,図2
4,図43)において、水晶発振器10の代わりに、図
44に示すような温度補償型水晶発振器(TCXO)を
用いることができる。この実施の形態例によれば、TC
XOを基準にした高い安定度のPLL発振回路を実現す
ることができる。
【0109】次に、上述の実施の形態例(図13,図2
4,図43)において、水晶発振器を使用せず、図45
に示すような水晶振動子を直接回路に接続し、回路内で
発振回路を構成することができる。図において、Xは水
晶振動子、G20はこの振動子Xの両端に接続されたイ
ンバータ、R20は該インバータG20と並列接続され
た抵抗、C20,C21は水晶振動子Xの両端からそれ
ぞれコモンラインに接続されたコンデンサである。イン
バータG20の出力を、インバータG21で反転したも
のを基準クロックとして用いている。
【0110】この実施の形態例によれば、水晶振動子に
よる安価な回路によりIC化に適したPLL発振回路を
実現することができる。
【0111】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、水晶発振器と電圧制御発振器を含む第1のPL
L回路と、該第1のPLL回路と接続され、バースト信
号及び引き込み制御信号を受けて、前記第1のPLL回
路に基準電圧信号を与える第2のPLL回路よりなり、
前記第1のPLL回路の電圧制御発振器の周波数を水晶
発振器に同期させると共に、外部から入力されるバース
ト信号に対して第2のPLL回路により位相を高速に同
期し保持するように構成することにより、前記第1のP
LL回路の電圧制御発振器の周波数を水晶発振器に同期
させると共に、外部から入力されるバースト信号に対し
て第2のPLL回路により位相を高速に同期し保持する
ように構成されることにより、高速引き込みを可能とす
ることができる。
【0112】この場合において、前記第1のPLL回路
は、水晶発振器と、該水晶発振器の出力と電圧制御発振
器の出力との位相比較を行なう第1の位相比較器(PD
1)と、該第1の位相比較器の出力を平滑化する第1の
ループフィルタと、該第1のループフィルタの出力と、
前記第2のPLL回路からの基準電圧信号を受ける電圧
加算器と、該電圧加算器の出力に応じた周波数信号を出
力する電圧制御発振器(VCO)と、該電圧制御発振器
の出力を分周して前記第1の比較器の一方の入力に与え
る分周器とにより構成され、前記第2のPLL回路は、
前記水晶発振器の出力をその一方の入力に受け、前記バ
ースト信号を他方の入力に受ける第2の位相比較器(P
D2)と、該第2の位相比較器の出力を平滑化する第2
のループフィルタと、該第2のループフィルタ出力を引
き込み制御信号(CONT)によりサンプリングするサ
ンプルホールド回路とにより構成されることにより、前
記第1のPLL回路の電圧制御発振器の出力周波数を水
晶発振器に同期させると共に、外部から入力されるバー
スト信号に対して第2のPLL回路により位相を高速に
同期し保持するように構成することにより、水晶発振器
の安定度で且つ高速の引き込みを可能とするPLL発振
回路を実現することができる。
【0113】また、前記第1及び第2の位相比較器はS
Rフリップフロップにより構成され、前記第1及び第2
のループフィルタはCRローパスフィルタにより構成さ
れ、前記電圧加算器はオペアンプにより構成され、前記
サンプルホールド回路はオペアンプとアナログスイッチ
とコンデンサを含んで構成されることにより、簡単な回
路の組み合わせによりPLL発振器を実現することがで
きる。
【0114】また、前記引き込み制御信号を、バースト
信号を分周する回路を用いて、バースト信号の入力と同
時に立ち上がるように作成することにより、外部制御回
路を使用することなく、PLL発振器を実現することが
できる。
【0115】また、前記引き込み制御信号を、バースト
信号を分周する回路を用いて、バースト信号の入力待ち
受け時より立ち上がるように作成することにより、外部
制御回路を使用することなく、更に簡単な構成のPLL
発振器を実現することができる。
【0116】また、前記電圧加算器にオペアンプと抵抗
による加算増幅器を用いるものにおいて、オペアンプの
正入力に入力する基準電圧を可変する構成とすることに
より、電圧制御発振器(VCO)の周波数偏差による位
相誤差を補正することができる。
【0117】前記第1のPLL回路は、水晶発振器と、
該水晶発振器の出力と電圧制御発振器の出力との位相比
較を行なう第1の位相比較器と、該第1の位相比較器の
出力を平滑化する第1のループフィルタと、該第1のル
ープフィルタの出力と、前記第2のPLL回路からの基
準電圧信号を受ける電圧加算器と、該電圧加算器の出力
に応じた周波数信号を出力する電圧制御発振器と、該電
圧制御発振器の出力を分周して前記第1の比較器の一方
の入力に与える分周器とにより構成され、前記第2のP
LL回路は、前記電圧制御発振器の出力をその一方の入
力に受け、前記バースト信号を他方の入力に受ける第2
の位相比較器と、該第2の位相比較器の出力を平滑化す
る第2のループフィルタと、該第2のループフィルタ出
力を第1の引き込み制御信号(CONT1)によりサン
プリングするサンプルホールド回路と、その一方が該サ
ンプルホールド回路の出力又は基準電圧発生回路と接続
され、他方が前記電圧加算器の一方の入力に接続され、
第2の引き込み制御信号(CONT2)により前記サン
プルホールド回路又は基準電圧発生回路のいずれか一方
を選択するスイッチとにより構成されることにより、基
準電圧発生回路又はサンプルホールド回路の出力をスイ
ッチにより切り換えて第1のPLL回路に与える構成と
することにより、位相調整回路を必要とせずに、VCO
の周波数偏差による位相誤差を補正することができる。
【0118】この場合において、前記基準電圧を発生す
る回路として、抵抗による分圧回路を用いたことによ
り、簡単な回路の組み合わせによりPLL発振器を実現
することができる。
【0119】また、前記第1及び第2の引き込み制御信
号を、バースト信号を分周する回路を用いて、バースト
信号の入力と同時に立ち上がるように作成することによ
り、外部制御回路を使用することなくPLL発振器を実
現することができる。
【0120】また、前記第1及び第2の引き込み制御信
号を、バースト信号を分周する回路を用いて、バースト
信号の入力待ち受け時より立ち上がるように作成するこ
とにより、外部制御回路を使用することなく、更に簡単
な構成のPLL発振器を実現することができる。
【0121】また、前記位相比較器を、第1の入力をそ
のクロック入力に受けるDタイプフリップフロップと、
第2の入力を受けて微分し、該Dタイプフリップフロッ
プのクリア入力に与える微分回路とにより構成すること
により、SRフリップフロップではなくDタイプフリッ
プフロップを用いることによりPLL発振回路を実現す
ることができる。
【0122】また、前記電圧加算器を、オペアンプと抵
抗を用いた差動増幅器で構成し、該差動増幅器の第1の
入力に、第1のループフィルタの出力を、第2の入力に
第2のPLL回路の制御出力を接続することにより、差
動増幅器によりPLL発振回路を実現することができ
る。
【0123】また、前記電圧加算器を、第1の入力に第
1のループフィルタの出力を抵抗を介して、第2の入力
に第2のPLL回路の制御出力を抵抗を介して出力側で
接続した構成とすることにより、抵抗を用いた簡単な電
圧加算器によりPLL発振回路を実現することができ
る。
【0124】また、前記サンプルホールド回路を、第2
のループフィルタの出力を受けてディジタル信号に変換
するA/D変換器と、該A/D変換器の出力をコントロ
ール信号によりラッチするラッチ回路と、該ラッチ回路
の出力をアナログ信号に変換するD/A変換器とにより
構成することにより、正確で変動の少ないPLL発振回
路を実現することができる。
【0125】また、前記サンプルホールド回路を、第2
のループフィルタの出力を受けてディジタル信号に変換
するA/D変換器と、該A/D変換器の出力を第1のコ
ントロール信号によりラッチするラッチ回路と、該ラッ
チ回路の出力又は固定データを受けて何れか一方を第2
のコントロール信号によりセレクトするセレクタと、該
セレクタの出力をアナログ信号に変換するD/A変換器
とにより構成することにより、正確で変動の少ないPL
L発振回路を実現することができる。
【0126】また、前記位相比較器を、第1の入力をそ
のクロック入力に受けるDタイプフリップフロップと、
第2の入力を受けて微分し、該Dタイプフリップフロッ
プのクリア入力に与える微分回路とにより構成し、前記
サンプルホールド回路を、第2のループフィルタの出力
を受けてディジタル信号に変換するA/D変換器と、該
A/D変換器の出力をコントロール信号によりラッチす
るラッチ回路と、該ラッチ回路の出力をアナログ信号に
変換するD/A変換器とにより構成することにより、簡
略かつ高精度なPLL発振回路を実現することができ
る。
【0127】また、前記サンプルホールド回路を、抵抗
とコンデンサによる積分回路と、該積分回路の出力をコ
ントロール信号によりサンプリングするスイッチと、該
スイッチによりサンプリングした信号を保持するコンデ
ンサとにより構成することにより、非常に簡略化したサ
ンプルホールド回路によりPLL発振回路を実現するこ
とができる。
【0128】また、前記第1のループフィルタの出力を
切り換える時定数回路を、第1の抵抗と、コントロール
信号によりオン/オフされるスイッチが直列に接続され
た第2の抵抗との並列回路と、該並列回路と接続される
コンデンサとで構成することにより、PLL引き込み時
には高速の引き込みを行ない、PLLロック後はジッタ
の少ない安定な動作を行なうPLL発振回路を実現する
ことができる。
【0129】また、前記第1のループフィルタの出力を
切り換える時定数回路を、第1の抵抗と第2の抵抗の直
列回路と、該第2の抵抗の両端をコントロール信号によ
り短絡するスイッチと、前記直列回路と接続されるコン
デンサとで構成することにより、PLL引き込み時には
高速の引き込みを行ない、PLLロック後はジッタの少
ない安定な動作を行なうPLL発振回路を実現すること
ができる。
【0130】また、前記水晶発振器の出力を1/N分周
器を介して第1の位相比較器の一方の入力に入力し、前
記電圧制御発振器の出力を1/M分周器を介して第1の
位相比較器の他方の入力に入力し、前記水晶発振器の出
力を1/N’分周器を介して第2の位相比較器の一方の
入力に入力し、バースト信号を1/M’分周器を介して
第2の位相比較器の他方の入力に入力する構成とし、 N’=n・N, 前記電圧加算器の第1のループフィルタ出力を受ける入
力抵抗の抵抗値をR3,前記サンプルホールド回路の出
力を受ける入力抵抗の抵抗値をR4とした場合に、 R
4=n・R3, M=m・M’(但し、M,m,N,n,M’,N’は整
数) とすることにより、入力信号のn/m倍の基準クロック
を用いて、入力信号のm倍の出力クロック信号を得るこ
とができる。
【0131】また、回路内に含まれる分周器の分周比を
1とすることにより、分周器を直結することにより、入
力信号と基準クロックと出力クロック信号が等しい周波
数の時に、分周器を省略した簡単な回路のPLL発振回
路を実現することができる。
【0132】また、前記水晶発振器の代わりに温度補償
型水晶発振器(TCXO)を用いることにより、TCX
Oを基準にした高い安定度のPLL発振回路を実現する
ことができる。
【0133】更に、前記水晶発振器の代わりに、水晶振
動子と抵抗とコンデンサを用いた発振回路を用いること
を特徴としている。この発明の構成によれば、水晶振動
子による安価な回路によりIC化に適したPLL発振回
路を実現することができる。
【0134】このように、本発明によれば高速引き込み
を行なうことができる高速同期型水晶発振器を提供する
ことができ、実用上の効果が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態例を示すブロック図
である。
【図3】バースト信号に対するPLLの動作と引き込み
制御信号との関係を示す図である。
【図4】第1の実施の形態例の第1のPLL回路のブロ
ック図である。
【図5】VCOの制御電圧と出力周波数の関係を示す図
である。
【図6】出力aとbの位相関係を示す図である。
【図7】位相比較器の入力位相差とVCOの制御電圧と
の関係を示す図である。
【図8】第1の実施の形態例の動作を示すタイムチャー
トである。
【図9】基準電圧と位相の関係を示す図である。
【図10】第1の実施の形態例の第2のPLL回路のブ
ロック図である。
【図11】第2のPLL回路の動作を示すタイムチャー
トである。
【図12】第1の実施の形態例の動作を示すタイムチャ
ートである。
【図13】第1の実施の形態例の具体的構成例を示す回
路図である。
【図14】位相比較器1,2の機能説明図である。
【図15】位相比較器1,2の機能説明図である。
【図16】位相変化の説明図である。
【図17】制御信号発生回路の一実施の構成例を示す図
である。
【図18】制御信号発生回路の動作を示すタイムチャー
トである。
【図19】制御信号発生回路の他の具体的構成例を示す
図である。
【図20】制御信号発生回路の他の動作を示すタイムチ
ャートである。
【図21】周波数偏差を補正する電圧加算器の具体的構
成例を示す図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態例を示すブロック
図である。
【図23】第2の実施の形態例の動作を示すタイムチャ
ートである。
【図24】第2の実施の形態例の具体的構成例を示す回
路図である。
【図25】制御信号発生回路の具体的構成例を示す図で
ある。
【図26】制御信号発生回路の動作を示すタイムチャー
トである。
【図27】制御信号発生回路の他の具体的構成例を示す
図である。
【図28】制御信号発生回路の動作を示すタイムチャー
トである。
【図29】位相比較器の他の具体的構成例を示す回路図
である。
【図30】位相比較器の動作を示すタイムチャートであ
る。
【図31】ディレイ回路の具体的構成例を示す図であ
る。
【図32】電圧加算器の他の構成例を示す図である。
【図33】電圧加算器の他の具体的構成例を示す図であ
る。
【図34】サンプルホールド回路の他の構成例を示す図
である。
【図35】サンプルホールド回路の他の構成例を示す図
である。
【図36】第2の実施の形態例の要部の他の構成例を示
すブロック図である。
【図37】制御信号の発生タイミング例を示す図であ
る。
【図38】サンプルホールド回路の他の構成例を示す図
である。
【図39】ループフィルタの時定数切り換え回路の一例
を示す図である。
【図40】CONT3の動作の一例を示すタイムチャー
トである。
【図41】フィルタのカットオフ特性例を示す図であ
る。
【図42】ループフィルタの時定数切り換え回路の他の
例を示す図である。
【図43】本発明の第3の実施の形態例の具体的構成例
を示す回路図である。
【図44】温度補償型水晶発振器を用いた発振回路例を
示す図である。
【図45】水晶発振回路の構成例を示す図である。
【図46】PLL回路の従来構成例を示す図である。
【符号の説明】
100 第1のPLL回路 200 第2のPLL回路

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶発振器と電圧制御発振器を含む第1
    のPLL回路と、 該第1のPLL回路と接続され、バースト信号及び引き
    込み制御信号を受けて、前記第1のPLL回路に基準電
    圧信号を与える第2のPLL回路よりなり、 前記第1のPLL回路の電圧制御発振器の周波数を水晶
    発振器に同期させると共に、外部から入力されるバース
    ト信号に対して第2のPLL回路により位相を高速に同
    期し保持するように構成された高速同期型水晶発振回
    路。
  2. 【請求項2】 前記第1のPLL回路は、 水晶発振器と、 該水晶発振器の出力と電圧制御発振器の出力との位相比
    較を行なう第1の位相比較器と、 該第1の位相比較器の出力を平滑化する第1のループフ
    ィルタと、 該第1のループフィルタの出力と、前記第2のPLL回
    路からの基準電圧信号を受ける電圧加算器と、 該電圧加算器の出力に応じた周波数信号を出力する電圧
    制御発振器と、 該電圧制御発振器の出力を分周して前記第1の比較器の
    一方の入力に与える分周器とにより構成され、 前記第2のPLL回路は、 前記水晶発振器の出力をその一方の入力に受け、前記バ
    ースト信号を他方の入力に受ける第2の位相比較器と、 該第2の位相比較器の出力を平滑化する第2のループフ
    ィルタと、 該第2のループフィルタ出力を引き込み制御信号により
    サンプリングするサンプルホールド回路とにより構成さ
    れることを特徴とする請求項1記載の高速同期型水晶発
    振回路。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の位相比較器はSRフ
    リップフロップにより構成され、 前記第1及び第2のループフィルタはCRローパスフィ
    ルタにより構成され、 前記電圧加算器はオペアンプにより構成され、 前記サンプルホールド回路はオペアンプとアナログスイ
    ッチとコンデンサを含んで構成されることを特徴とする
    請求項2記載の高速同期型水晶発振回路。
  4. 【請求項4】 前記引き込み制御信号を、バースト信号
    を分周する回路を用いて、バースト信号の入力と同時に
    立ち上がるように作成することを特徴とする請求項2記
    載の高速同期型水晶発振回路。
  5. 【請求項5】 前記引き込み制御信号を、バースト信号
    を分周する回路を用いて、バースト信号の入力待ち受け
    時より立ち上がるように作成することを特徴とする請求
    項2記載の高速同期型水晶発振回路。
  6. 【請求項6】 前記電圧加算器にオペアンプと抵抗によ
    る加算増幅器を用いるものにおいて、オペアンプの正入
    力に入力する基準電圧を可変する構成としたことを特徴
    とする請求項2記載の高速同期型水晶発振回路。
  7. 【請求項7】 前記第1のPLL回路は、 水晶発振器と、 該水晶発振器の出力と電圧制御発振器の出力との位相比
    較を行なう第1の位相比較器と、 該第1の位相比較器の出力を平滑化する第1のループフ
    ィルタと、 該第1のループフィルタの出力と、前記第2のPLL回
    路からの基準電圧信号を受ける電圧加算器と、 該電圧加算器の出力に応じた周波数信号を出力する電圧
    制御発振器と、 該電圧制御発振器の出力を分周して前記第1の比較器の
    一方の入力に与える分周器とにより構成され、 前記第2のPLL回路は、 前記電圧制御発振器の出力をその一方の入力に受け、前
    記バースト信号を他方の入力に受ける第2の位相比較器
    と、 該第2の位相比較器の出力を平滑化する第2のループフ
    ィルタと、 該第2のループフィルタ出力を第1の引き込み制御信号
    によりサンプリングするサンプルホールド回路と、 その一方が該サンプルホールド回路の出力又は基準電圧
    発生回路と接続され、他方が前記電圧加算器の一方の入
    力に接続され、第2の引き込み制御信号により前記サン
    プルホールド回路又は基準電圧発生回路のいずれか一方
    を選択するスイッチとにより構成されることを特徴とす
    る請求項1記載の高速同期型水晶発振回路。
  8. 【請求項8】 前記基準電圧を発生する回路として、抵
    抗による分圧回路を用いたことを特徴とする請求項7記
    載の高速同期型水晶発振回路。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2の引き込み制御信号
    を、バースト信号を分周する回路を用いて、バースト信
    号の入力と同時に立ち上がるように作成することを特徴
    とする請求項2記載の高速同期型水晶発振回路。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2の引き込み制御信号
    を、バースト信号を分周する回路を用いて、バースト信
    号の入力待ち受け時より立ち上がるように作成すること
    を特徴とする請求項2記載の高速同期型水晶発振回路。
  11. 【請求項11】 前記位相比較器を、 第1の入力をそのクロック入力に受けるDタイプフリッ
    プフロップと、 第2の入力を受けて微分し、該Dタイプフリップフロッ
    プのクリア入力に与える微分回路とにより構成すること
    を特徴とする請求項2又は請求項7のいずれかに記載の
    高速同期型水晶発振回路。
  12. 【請求項12】 前記電圧加算器を、オペアンプと抵抗
    を用いた差動増幅器で構成し、 該差動増幅器の第1の入力に、第1のループフィルタの
    出力を、第2の入力に第2のPLL回路の制御出力を接
    続することを特徴とする請求項2又は請求項7のいずれ
    かに記載の高速同期型水晶発振回路。
  13. 【請求項13】 前記電圧加算器を、第1の入力に第1
    のループフィルタの出力を抵抗を介して、第2の入力に
    第2のPLL回路の制御出力を抵抗を介して出力側で接
    続した構成とすることを特徴とする請求項2又は請求項
    7のいずれかに記載の高速同期型水晶発振回路。
  14. 【請求項14】 前記サンプルホールド回路を、 第2のループフィルタの出力を受けてディジタル信号に
    変換するA/D変換器と、 該A/D変換器の出力をコントロール信号によりラッチ
    するラッチ回路と、 該ラッチ回路の出力をアナログ信号に変換するD/A変
    換器とにより構成することを特徴とする請求項2記載の
    高速同期型水晶発振回路。
  15. 【請求項15】 前記サンプルホールド回路を、 第2のループフィルタの出力を受けてディジタル信号に
    変換するA/D変換器と、 該A/D変換器の出力を第1のコントロール信号により
    ラッチするラッチ回路と、 該ラッチ回路の出力又は固定データを受けて何れか一方
    を第2のコントロール信号によりセレクトするセレクタ
    と、 該セレクタの出力をアナログ信号に変換するD/A変換
    器とにより構成することを特徴とする請求項7記載の高
    速同期型水晶発振回路。
  16. 【請求項16】 前記位相比較器を、 第1の入力をそのクロック入力に受けるDタイプフリッ
    プフロップと、 第2の入力を受けて微分し、該Dタイプフリップフロッ
    プのクリア入力に与える微分回路とにより構成し、前記
    サンプルホールド回路を、 第2のループフィルタの出力を受けてディジタル信号に
    変換するA/D変換器と、 該A/D変換器の出力をコントロール信号によりラッチ
    するラッチ回路と、 該ラッチ回路の出力をアナログ信号に変換するD/A変
    換器とにより構成することを特徴とする請求項7記載の
    高速同期型水晶発振回路。
  17. 【請求項17】 前記サンプルホールド回路を、 抵抗とコンデンサによる積分回路と、 該積分回路の出力をコントロール信号によりサンプリン
    グするスイッチと、 該スイッチによりサンプリングした信号を保持するコン
    デンサとにより構成することを特徴とする請求項2記載
    の高速同期型水晶発振回路。
  18. 【請求項18】 前記第1のループフィルタの出力を切
    り換える時定数回路を、 第1の抵抗と、コントロール信号によりオン/オフされ
    るスイッチが直列に接続された第2の抵抗との並列回路
    と、 該並列回路と接続されるコンデンサとで構成することを
    特徴とする請求項2又は請求項7のいずれかに記載の高
    速同期型水晶発振回路。
  19. 【請求項19】 前記第1のループフィルタの出力を切
    り換える時定数回路を、 第1の抵抗と第2の抵抗の直列回路と、 該第2の抵抗の両端をコントロール信号により短絡する
    スイッチと、 前記直列回路と接続されるコンデンサとで構成すること
    を特徴とする請求項2又は請求項7のいずれかに記載の
    高速同期型水晶発振回路。
  20. 【請求項20】 前記水晶発振器の出力を1/N分周器
    を介して第1の位相比較器の一方の入力に入力し、 前記電圧制御発振器の出力を1/M分周器を介して第1
    の位相比較器の他方の入力に入力し、 前記水晶発振器の出力を1/N’分周器を介して第2の
    位相比較器の一方の入力に入力し、 バースト信号を1/M’分周器を介して第2の位相比較
    器の他方の入力に入力する構成とし、 N’=n・N, 前記電圧加算器の第1のループフィルタ出力を受ける入
    力抵抗の抵抗値をR3,前記サンプルホールド回路の出
    力を受ける入力抵抗の抵抗値をR4とした場合に、 R
    4=n・R3, M=m・M’(但し、M,m,N,n,M’,N’は整
    数) とすることを特徴とする請求項2記載の高速同期型水晶
    発振回路。
  21. 【請求項21】 回路内に含まれる分周器の分周比を1
    とすることを特徴とする請求項2又は請求項7又は請求
    項20のいずれかに記載の高速同期型水晶発振回路。
  22. 【請求項22】 前記水晶発振器の代わりに温度補償型
    水晶発振器(TCXO)を用いることを特徴とする請求
    項2又は請求項7又は請求項20のいずれかに記載の高
    速同期型水晶発振回路。
  23. 【請求項23】 前記水晶発振器の代わりに、水晶振動
    子と抵抗とコンデンサを用いた発振回路を用いることを
    特徴とする請求項2又は請求項7又は請求項20のいず
    れかに記載の高速同期型水晶発振回路。
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