JPH09148834A - 受信装置 - Google Patents

受信装置

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JPH09148834A
JPH09148834A JP32624895A JP32624895A JPH09148834A JP H09148834 A JPH09148834 A JP H09148834A JP 32624895 A JP32624895 A JP 32624895A JP 32624895 A JP32624895 A JP 32624895A JP H09148834 A JPH09148834 A JP H09148834A
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守 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電波が遮断されて再入力した時に、追従系を確
実にロックさせる。 【解決手段】電波が遮断されて再入力したことを検知し
た受信信号検知出力を微分して、この微分出力で可変分
周器のプリセットデータを切り換える。すると、第2局
部PLL発振器は微分出力がなくなった時にロックされ
るが、この時発振出力は(d)に示すように揺らぎなが
ら収束するようになる。この発振出力と同様に振る舞う
基準位相信号を追従系に供給することにより、追従系の
位相同期ループが確実にロックするようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放送局より送信さ
れる電波を自動追尾して受信する移動体に積載された受
信装置に関するものであり、特に衛星放送を受信する車
両用受信システムに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】車両等の移動体上において移動中に地上
テレビ放送を受信する際には、放送波がマルチパス伝搬
し易いことから、フリッカーやゴースト障害が発生し、
極端に画像の質が低下する場合がある。一方、BS放送
等の衛星放送を移動体が移動中に受信する場合は、放送
衛星を直視できる状態であれば放送波が伝搬の際の妨害
を受けにくく、良好な画像を得られ易いものである。さ
らに、衛星放送はサービス区域が広範囲とされているこ
とからも移動体の受信に適している。このように衛星放
送は、移動体受信に好適な放送媒体であって、すでにバ
ス、列車、船舶、航空機用の通信メディアとして実用化
されている。
【0003】ところで、移動体受信においては、移動に
伴い移動体の進行方向が変化することが頻繁に起こるた
め、そのままでは移動体に積載された受信アンテナのビ
ーム方向と放送波の到来方向とが、移動に伴ってずれて
しまうようになる。したがって、移動に伴い受信アンテ
ナのビームを放送波の到来方向に自動的に向けることが
要求される。この要求に応える受信アンテナとして、電
子的に受信アンテナの仰角を制御すると共に、受信アン
テナの方位角を機械的に制御することにより、受信アン
テナを放送波の到来方向に向けることのできる受信装置
が本出願人により特願平6−330379号、特願平6
−333809号として提案されている。
【0004】この受信装置に用いるアレーアンテナの構
成を図5に、受信装置の構成を示すブロック図の一例を
図6に示す。図5において、上側アンテナユニット1、
下側アンテナユニット6、左側アンテナユニット9およ
び右側アンテナユニット16は同一面上に配置されてい
ると共に、これらのアンテナユニットからなるアレーア
ンテナは基台50に対して回転される回転台51上に固
着されている。この回転台51は後述するモータ27に
より回転駆動される。また、各アンテナユニット1,
6,9,16は多数のパッチアンテナで構成された平面
アンテナで構成されているため、アレーアンテナの高さ
を低くすることができ、移動体に搭載するには好適なも
のとすることができる。なお、アレーアンテナの裏側に
は後述する同相合成装置30等の組まれた回路基板が配
置されている。
【0005】このようなアレーアンテナを図6に示す受
信装置は使用している。この図において、1,6,9,
16は図5に示すように上側,下側,左側,右側の4つ
に分割されて配置された各アンテナユニット、2,7,
10,17は各アンテナユニット1,6,9,16によ
りそれぞれ受信された受信信号の周波数を第1中間周波
数(1st IF)に変換する第1周波数変換器、3は
第1中間周波数を、基準位相信号とされる第2中間周波
数(2nd IF)に変換する基準系の第2周波数変換
器、8,13は第1中間周波数を変換すると共に、前記
基準位相信号と同相とされた第2中間周波数(2nd
IF)信号を出力する追従系1および追従系2の第2周
波数変換器である。
【0006】さらに、4は基準系の第2周波数変換器3
より出力される基準位相信号を分配して、追従系1,2
の第2周波数変換器8,13に供給する分配回路、5は
第2周波数変換器3,8,13より出力される同相の第
2中間周波数信号を合成する同相合成器、14は同相合
成器5の出力をBS−IF信号に変換するアップコンバ
ータ、115は基準系の第2周波数変換器3、アップコ
ンバータ14、モノパルス回路A、及びモノパルス回路
Bに第2局発信号を供給する第2局部PLL発振器であ
る。
【0007】また、11,19は第1周波数変換器1
0,17より出力される第1中間周波数信号を2つに分
配する分配回路、12は分配器11,19により分配さ
れた一方の出力同士を合成して第2中間周波数変換器1
3に供給する合成器、20は分配器11により分配され
た他方の出力を周波数変換するモノパルス回路A、21
は分配回路19により分配された他方の出力を周波数変
換するモノパルス回路B、22はモノパルス回路Aから
出力される信号を移相することなく2分配する分配器、
23はモノパルス回路Bから出力される信号を移相しな
い0°の信号と90°移相した信号とに2分配する分配
器である。
【0008】さらにまた、24は分配器22より出力さ
れる一方の0°の信号と、分配器23より出力される9
0°移相した信号とを乗算してsin信号を出力するダ
ブルバランスドミクサ(DBM)、25は分配器22よ
り出力される他方の0°の信号と分配器23より出力さ
れる0°の信号とを乗算してcos信号を出力するダブ
ルバランスドミクサ(DBM)、26はDBM23およ
びDBM24より出力されるsin信号とcos信号と
に応じてモータ27を駆動する方位角制御回路、27は
アンテナユニット1,6,9,16が設置されている基
台50を取付面(水平面)内で回転させるモータであ
る。
【0009】このように構成された受信装置において、
第2中間周波数変換器3から出力された基準位相信号を
受けて、追従系1の第2中間周波数変換器8、および追
従系2の第2中間周波数変換器13は、出力される第2
中間周波数信号の位相を制御している。これにより、第
2中間周波数変換器3より出力される第2中間周波数信
号の位相と、第2中間周波数変換器8より出力される第
2中間周波数信号、および第2中間周波数変換器13よ
り出力される第2中間周波数信号の位相が同相とされ
て、同相合成器5により同相合成されるようになる。
【0010】なお、第2中間周波数変換器3,8,13
より出力される第2中間周波数信号の相互の位相差は、
アレーアンテナのビーム方向と、電波の到来方向とのず
れに相当するので、第2中間周波数変換器3,8,13
より出力される第2中間周波数信号の位相が常に同相と
なるよう制御して同相合成することにより、電子的にア
レーアンテナのビーム方向を電波の到来方向に一致する
ように追尾することができる。
【0011】次に、受信装置の動作を説明すると、図5
に示すアレーアンテナは、例えば車両等の移動体の屋根
に設置される。そして、放送衛星等から送信された12
GHz帯の放送波は、同一面上に配置された上側アンテ
ナユニット1、下側アンテナユニット6、左側アンテナ
ユニット9および右側アンテナユニット16によりそれ
ぞれ受信され、それぞれ第1周波数変換器2,7,1
0,17において、例えば1GHz帯の第1中間周波数
(1st IF)にそれぞれ周波数変換される。この場
合、第1周波数変換器2,7,10,17には、共通第
1局部発振器18から共通に第1局発信号がそれぞれ供
給されている。
【0012】そして、第1周波数変換器2および第1周
波数変換器7により変換された第1中間周波数信号は、
基準系の第2周波数変換器3あるいは追従系1の第1周
波数変換器8において、例えば300〜600MHz帯
の第2中間周波数(2ndIF)にそれぞれ周波数変換
される。また、第1周波数変換器10および第1周波数
変換器17により変換された第1中間周波数信号は、分
配回路11および分配回路19を介して合成器12によ
り合成されて、追従系2の第2周波数変換器13によ
り、例えば300〜600MHz帯の第2中間周波数
(2nd IF)に周波数変換される。
【0013】そして、基準系の第2周波数変換器3より
出力される基準位相信号は、分配回路4により分配され
てそれぞれ追従系1の第2周波数変換器8、および追従
系2の第2周波数変換器13に供給される。そして、追
従系の第2周波数変換器8,13においては、供給され
た基準位相信号の位相と変換された第2中間周波数信号
との位相を検出して、両者の位相が同相となるように位
相制御している。これにより、基準系の第2周波数変換
器3より出力される第2中間周波数信号の位相と、追従
系の第2周波数変換器8,13より出力される第2中間
周波数信号の位相が同相とされる。従って、同相合成器
5において同相とされた第2中間周波数信号が合成され
るようになり、4つのアンテナユニット1,4,9,1
6により形成されたアレーアンテナのビームの方向が電
波の到来方向に一致することになる。
【0014】また、同相合成器5により同相合成された
信号は、アップコンバータ14によりBS−IF信号に
アップコンバートされて受信信号として出力される。な
お、基準系の第2周波数変換器3およびアップコンバー
タ14には、第2局部PLL発振器115より発生され
る第2局発信号が共通して供給されている。一方、分配
回路11および分配回路19により分配された左側アン
テナユニット9および右側アンテナユニット16により
受信された信号は、それぞれモノパルス回路A及びモノ
パルス回路Bに供給され、1チャンネル分の信号が周波
数変換されてそれぞれ出力される。そして、モノパルス
回路A20よりの1チャンネル分の信号は、分配器22
において2分配され、分配された一方の信号はDBM2
4に他方の信号はDBM25に供給される。
【0015】また、モノパルス回路Bよりの1チャンネ
ル分の信号は、分配器23において0°の信号と90°
移相した信号とに2分配され、90°の信号はDBM2
4に0°の信号はDBM25に供給される。この場合、
分配器22と分配器23に入力される信号間の位相差を
θとすると、DBM24からはsinθの信号が出力さ
れ、DBM25からはcosθの信号が出力されること
になる。このsinθの信号は、アンテナユニット1,
6,9,16からなるアレーアンテナと電波の到来方向
との方位角のずれに対応した信号であり、例えば一致し
た時は位相差θがゼロなりsin(0)=0 の信号が
出力される。そこで、方位角制御回路26においてsi
nθの信号を用いてモータ27を駆動するようにして、
アレーアンテナの方位角を電波の到来方向に一致するよ
う制御している。
【0016】さらに、cosθの信号はアレーアンテナ
が電波の到来方向である衛星の方向と一致している時に
最大値となるため、cosθの信号を観測することによ
りアレーアンテナが衛星の方向に向いているか否かを検
出することができる。この検出も方位角制御回路26が
行っている。なお、モノパルス回路A、モノパルス回路
Bに供給される第2局発信号は、第2局部PLL発振器
15から共通に供給されているため、モノパルス回路
A、モノパルス回路Bから出力される1チャンネル分の
信号の周波数は、互いに一致するようになり、DBM2
4,25により検出される位相検出信号に検出誤差が含
まれることはない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した受
信装置においては、衛星放送などのC/N比の低い広帯
域FM変調波を受信するものであるため、追従系の第2
周波数変換器に設けられている、基準位相信号と同相と
するためのPLL(位相同期ループ)の捕捉範囲を狭く
する必要がある。すなわち、PLLのループフィルタに
広帯域のローパスフィルタを用いるようにすると、捕捉
範囲(キャプチャレンジ)が広くなると共に、ロックす
るまでのロック時間が短くなり迅速にロックするように
なるが、ロック後にノイズの影響を受け易く、ロックが
はずれたりするといった不安定な動作を行うようにな
る。したがって、PLLのローパスフィルタとして広帯
域のローパスフィルタは、衛星放送を受信する場合など
のC/Nの低い微弱な広帯域FM変調波を受信する場合
には適していない。
【0018】これに対し、PLLのループフィルタに狭
帯域のローパスフィルタを用いるようにすると、捕捉範
囲(キャプチャレンジ)が狭くなると共に、ロックする
までのロック時間が長くなるが、ノイズに強く安定な動
作を行うようになる。そこで、衛星放送などのC/N比
の低い微弱な広帯域FM変調波を受信する場合には、追
従系の第2周波数変換器のPLLのループフィルタとし
て好適な狭帯域のローパスフィルタを用いるようにして
いる。
【0019】ところで、受信装置においては、移動に伴
って障害物等により電波が遮断される場合が多く発生す
る。このような場合に、遮断された電波が再入力された
時に、確実に追従系の第2周波数変換器8,13内のP
LLが再ロックしないと受信することが不可能となる。
しかしながら、PLLのループフィルタが狭帯域とされ
て、その時定数が大きくされていると図4に示すように
PLLの捕捉範囲が狭く、さらにC/N比が低いほど捕
捉範囲が狭くなるため、追従系の第2周波数変換器のP
LLのループフィルタに狭帯域のローパスフィルタを用
いると、PLLが確実に再ロックしない恐れがあり、安
定した受信が行えないという問題点があった。
【0020】そこで、本発明は、衛星放送などのC/N
の低い微弱な広帯域FM変調波を受信する場合でも、ノ
イズに強く安定した同相合成を行える受信装置を提供す
ることを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の受信装置は、第1の受信信号を中間周波数
に変換する基準系の周波数変換器と、第2の受信信号を
中間周波数に変換する追従系の周波数変換器と、前記基
準系の周波数変換器に供給される局発信号を発振する局
部PLL発振器と、前記基準系の周波数変換器より出力
される中間周波数信号を受けて、該中間周波数信号の位
相に、前記追従系の周波数変換器が出力する中間周波数
信号の位相を合わせる位相制御手段とを備え、受信信号
検出手段が受信信号を検出した時に、前記局部PLL発
振器の発振周波数が揺らぎながら収束するように前記局
部PLL発振器を制御する制御手段を設けるようにした
ものである。
【0022】また、本発明の他の受信装置は、少なくと
も2つ以上のアンテナユニットからなるアレーアンテナ
と、前記各アンテナユニットにより受信されたそれぞれ
の受信信号を、中間周波数信号に変換する前記アンテナ
ユニットと同数設けられた周波数変換器と、前記周波数
変換器から出力される複数の前記中間周波数信号を合成
することにより受信信号を生成する合成器と、前記複数
の中間周波数変換器の一つとされた基準系の中間周波数
変換器に局発信号を供給する局部PLL発振器と、前記
受信信号の存在を検出する受信信号検出手段を備え、前
記基準系の周波数変換器より出力される中間周波数信号
の位相を基準として、残る追従系の中間周波数変換器の
それぞれに設けられている局部発振器の位相を制御する
ことにより、全ての中間周波数信号の位相を同相とし
て、前記合成器により同相合成するようにされ、前記受
信信号検出手段が受信信号を検出した時に、前記局部P
LL発振器の発振周波数が揺らぎながら収束するように
前記局部PLL発振器を制御する制御手段を設けるよう
にしたものである。
【0023】さらにまた、本発明のさらに他の受信装置
は、少なくとも2つ以上のアンテナユニットからなるア
レーアンテナと、前記各アンテナユニットにより受信さ
れたそれぞれの受信信号を中間周波数信号に変換する前
記アンテナユニットと同数設けられた周波数変換器と、
前記周波数変換器から出力される複数の前記中間周波数
信号を合成することにより受信信号を生成する合成器
と、前記アンテナユニットのうち左側と右側に設けられ
たアンテナユニットよりの受信信号を、それぞれ周波数
変換する第1モノパルス回路および第2モノパルス回路
と、前記第1モノパルス回路の出力と前記第2モノパル
ス回路の出力との位相差を検出する位相検出手段と、前
記位相検出手段の出力により、前記アレーアンテナを水
平面内で回転させる回転手段と、前記複数の周波数変換
器の一つとされた基準系の周波数変換器と、前記第1モ
ノパルス回路、および前記第2モノパルス回路に共通に
局発信号を供給する局部PLL発振器とを備え、基準系
の周波数変換器より出力される中間周波数信号の位相を
基準として、残る追従系の周波数変換器のそれぞれに設
けられている局部発振器の位相を制御することにより、
全ての中間周波数信号の位相を同相として、前記合成器
により同相合成するようにされ、前記アレーアンテナに
電波が入力された時に、前記位相検出手段から出力され
る受信信号検出出力を受けて、前記局部PLL発振器の
発振周波数が揺らぎながら収束するように前記局部PL
L発振器を制御する制御手段を設けるようにしたもので
ある。
【0024】さらにまた、上記受信装置において、前記
制御手段が、前記局部PLL発振器内の電圧制御発振器
より出力される局発信号を分周する分周器に、所定時間
正規の分周比と異なる分周比を設定するようにしたもの
であり、
【0025】さらにまた、前記局部PLL発振器の位相
制御ループの時定数が、前記追従系の周波数変換器の位
相制御ループの時定数より大きく設定されているように
したものである。
【0026】このような本発明によれば、同相とするた
めの位相制御を行う手段に、基準位相信号として供給さ
れる基準系の周波数変換器より出力される信号の中間周
波数を、受信信号が遮断されて再入力された時に揺らぎ
ながら収束するよう変化させている。このため、同相と
するために位相制御を行う手段のループフィルタが狭帯
域とされて、そのキャプチャレンジが狭くされていても
確実に再ロックすることができるようになる。したがっ
て、衛星放送などのC/Nの低い微弱な広帯域FM変調
波を受信する場合でも、ノイズに強く安定した同相合成
を行える受信装置とすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の受信装置の実施の形態の
構成を示すブロック図を図1および図2に分割して示
す。図1および図2に示す本発明の受信装置において使
用されている上側アンテナユニット1、下側アンテナユ
ニット6、左側アンテナユニット9および右側アンテナ
ユニット16は、前記した図5に示すように構成されて
いる。この上側アンテナユニット1、下側アンテナユニ
ット6、左側アンテナユニット9および右側アンテナユ
ニット16は、前記した図5に示すように同一面上に配
置された平面アンテナとされていると共に、これらのア
ンテナユニットからなるアレーアンテナは基台50に対
して回転される回転台51上に固着されている。この回
転台51は後述するモータ27により回転駆動される。
【0028】また、各アンテナユニット1,6,9,1
6は多数のパッチアンテナで構成された平面アンテナで
構成されているため、アレーアンテナの高さは低くする
ことができ、移動体に搭載するには好適なものとされて
いる。なお、アレーアンテナの裏側には後述する同相合
成装置30等の組まれた回路基板が配置されている。
【0029】図1および図2に示す本発明の受信装置に
おいて、2,7,10,17はこのような各アンテナユ
ニット1,6,9,16によりそれぞれ受信された受信
信号の周波数を第1中間周波数(1st IF)に変換
する第1周波数変換器、3は第1中間周波数を基準位相
信号とされる第2中間周波数(2nd IF)に変換す
る基準系の第2周波数変換器であり、ミキサ3−1と分
岐器3−2とバンドパスフィルタ(BPF)3−3から
構成されている。8,13は第1中間周波数を変換する
と共に、前記基準系の第2周波数変換器3から出力され
る中間周波数信号と同相とされた第2中間周波数(2n
d IF)信号を出力する追従系1および追従系2の第
2周波数変換器であり、電圧制御発振器(VCO)8−
6,13−6、ミキサ8−1,13−1、分岐器8−
2,13−2、BPF8−3,13−3、位相比較器8
−4,13−4、ローパスフィルタ(LPF)8−5,
13−5からなる位相同期ループから構成されている。
【0030】さらに、4は基準系の第2周波数変換器3
より出力される第2中間周波数の基準位相信号を分配し
て、追従系1,2の第2周波数変換器8,13に供給す
る分配回路、5は第2周波数変換器3,8,13より出
力される同相の第2中間周波数信号を合成する同相合成
器、14は同相合成器5の出力をBS−IF信号に変換
するアップコンバータ、15は第2局部PLL発振器6
0よりの第2局発信号を分配して基準系の第2周波数変
換器3、アップコンバータ14、モノパルス回路A、及
びモノパルス回路Bに第2局発信号を供給する分配器で
ある。
【0031】また、11,19は第1周波数変換器1
0,17より出力される第1中間周波数信号を2つに分
配する分配回路、12は分配器11,19により分配さ
れた一方の出力同士を合成して第2中間周波数変換器1
3に供給する合成器、20はミキサ20−1とBPF2
0−2からなり、分配器11により分配された他方の出
力を周波数変換するモノパルス回路A、21はミキサ2
1−1とBPF21−2からなり、分配回路19により
分配された他方の出力を周波数変換するモノパルス回路
B、22はモノパルス回路Aから出力される信号を2分
配する0°−0°分配器、23はモノパルス回路Bから
出力される信号を移相しない0°の信号と90°移相し
た信号とに2分配する0°−90°分配器である。
【0032】さらにまた、24は分配器22より出力さ
れる一方の0°の信号と、分配器23より出力される9
0°移相した信号とを乗算してsin信号を出力するダ
ブルバランスドミクサ(DBM)、25は分配器22よ
り出力される他方の0°の信号と分配器23より出力さ
れる0°の信号とを乗算してcos信号を出力するダブ
ルバランスドミクサ(DBM)、26はDBM23およ
びDBM24より出力されるsin信号とcos信号と
に応じてモータ27を駆動する方位角制御回路であり、
この回路の詳細は後述する。さらにまた、27はアンテ
ナユニット1,6,9,16が設置されている基台50
を取付面(水平面)内で回転させるモータである。
【0033】また、60は水晶発振器(X’tal O
SC)66と、水晶発振器66の発振周波数を分周する
固定分周器67と、VCO61の発振周波数を分周する
プリスケーラ62と、プリスケーラ62の出力をさらに
分周する可変分周器63と、可変分周器63の出力と固
定分周器67の出力とを位相比較する位相比較器65
と、位相比較器65の出力を濾波するLPF68と、L
PF68出力を増幅してVCO61に誤差電圧として供
給する直流アンプ(DC Amp)とからなる位相同期
ループ(PLL)で構成された第2局部PLL発振器で
ある。
【0034】このように構成された受信装置において、
第2中間周波数変換器3から出力された基準の第2中間
周波数信号が、追従系1の第2中間周波数変換器8の位
相比較器8−4、および追従系2の第2中間周波数変換
器13の位相比較器13−4に供給されることにより、
VCO8−6およびVCO13−6の位相が制御されて
いる。これにより、追従系1の第2中間周波数変換器
8、および追従系2の第2中間周波数変換器13から出
力される第2中間周波数信号の位相が制御されて、第2
中間周波数変換器3より出力される基準の第2中間周波
数信号の位相と、第2中間周波数変換器8より出力され
る第2中間周波数信号、および第2中間周波数変換器1
3より出力される第2中間周波数信号の位相が同相とさ
れる。同相とされた3つの系から出力される第2中間周
波数信号は、同相合成器5により同相合成される。
【0035】なお、第2中間周波数変換器3,8,13
より出力される第2中間周波数信号の相互の位相差は、
アレーアンテナのビーム方向と、電波の到来方向とのず
れに相当するので、第2中間周波数変換器3,8,13
より出力される第2中間周波数信号の位相が同相となる
よう制御されて同相合成されることは、電子的にアレー
アンテナのビームの方向を電波の到来方向に一致させる
ことに等しい。すなわち、移動体に搭載されたアレーア
ンテナは、この同相合成により衛星等の送信局を追尾し
ているのである。
【0036】次に、図1および図2に示す本発明の受信
装置の動作を説明すると、アンテナユニット1,6,
9,16からなるアレーアンテナは、例えば車両等の移
動体の屋根に設置される。そして、放送衛星等から送信
された12GHz帯の信号は、同一面上に配置された上
側アンテナユニット1、下側アンテナユニット6、左側
アンテナユニット9および右側アンテナユニット16に
よりそれぞれ受信され、それぞれ第1周波数変換器2,
7,10,17において、1GHz帯、例えば1241
MHzの第1間周波数(1st IF)にそれぞれ周波
数変換される。この場合、第1周波数変換器2,7,1
0,17には、共通第1局部発振器18から共通に第1
局発信号がそれぞれ供給されている。
【0037】そして、第1周波数変換器2および第1周
波数変換器7により変換された1241MHzの第1中
間周波数信号は、基準系の第2周波数変換器3あるいは
追従系1の第1周波数変換器8において、例えば403
MHzの第2中間周波数(2nd IF)にそれぞれ周
波数変換される。また、第1周波数変換器10および第
1周波数変換器17により変換された1241MHzの
第1中間周波数信号は、分配回路11および分配回路1
9を介して合成器12により合成されて、追従系2の第
2周波数変換器13により、例えば403MHzの第2
中間周波数(2nd IF)に周波数変換される。
【0038】そして、基準系の第2周波数変換器3より
出力される基準の第2中間周波数信号は、分配回路4に
より分配されて追従系1の第2周波数変換器8の位相比
較器8−4に供給されて、分岐されたミキサ8−1より
の第2中間周波信号と位相比較される。位相比較器8−
4からは両者の位相差に応じた位相比較信号が出力され
て、LPF8−5により濾波されてVCO8−6に供給
される。VCO8−6の位相はこの濾波された誤差電圧
により制御され、この結果位相比較器8−6に入力され
る両者の信号の位相が同相となる。また、基準の第2中
間周波数信号は追従系2の第2周波数変換器13にも供
給されて、同様の動作が行われることにより基準の第2
中間周波数信号と、第2中間周波数変換器13より出力
される第2中間周波数信号とが同相とされる。
【0039】すなわち、基準系の第2周波数変換器3よ
り出力される第2中間周波数信号の位相に対し、追従系
の第2周波数変換器8,13より出力される第2中間周
波数信号の位相が同相となるよう制御される。従って、
同相合成器5において常に同相とされた第2中間周波数
信号が合成されるようになり、4つのアンテナユニット
1,6,9,16により形成されたアレーアンテナのビ
ームが電波の到来方向を追尾することになる。また、同
相合成器5により同相合成された信号は、アップコンバ
ータ14によりBS−IF信号にアップコンバートされ
て受信信号として出力される。
【0040】なお、基準系の第2周波数変換器3および
アップコンバータ14には、分配器15より分配された
第2局発信号が供給されている。この分配器15には、
第2局部PLL発振器60により発振された第2局発信
号が供給されている。以下に本発明の受信装置において
特徴的な動作を行う図2に示される第2局部PLL発振
器60の動作の説明を行う。第2局部PLL発振器60
が、前記したように403MHzの第2中間周波数を得
るために1644MHzの第2局発信号を出力するもの
とする。この1644MHzの第2局発信号はVCO6
1により発生されているが、この第2局発信号の一部が
分岐されてプリスケーラ62により512分周され、
3.2109375MHzの第1分周信号とされる。こ
の第1分周信号は、可変分周器63により411分周さ
れて7.8125kHzの第2分周信号とされ、位相比
較器65の位相比較入力信号となる。
【0041】一方、水晶発振器66により発振された8
MHzの発振周波数信号は、固定分周器67により10
24分周されて、7.8125kHzの第3分周信号と
され、位相比較器65に基準位相信号として入力され
る。位相比較器65は、この基準位相信号と位相比較入
力信号とを位相比較して、その位相差信号を出力する。
この位相差信号は、LPF68により濾波され、DCA
mp69により増幅されて誤差電圧とされる。この誤差
電圧はVCO61に供給され、VCO61の発振周波数
を制御する。この場合、水晶発振器66は温度等の影響
を受けず安定な発振を行うので、VCO61は1644
MHzの第2局発信号を安定して発振するようになる。
【0042】なお、水晶発振器66の周波数をfOSC
VCO61の発振周波数をfVCO 、プリスケーラ62の
分周比をm、可変分周器63の分周比をn、固定分周器
67の分周比をkとした時、周波数fVCO は、 fVCO =fOSC ・mn/k ・・・(1) と表される。
【0043】ここで、可変分周器63はプリセットカウ
ンタにより構成されており、可変分周器63にプリセッ
トされた2進データに応じた任意の分周を行うことがで
きる。すなわち、411分周を行う場合は、10進の4
11を2進化した”110011011”の2進データ
を可変分周器63にプリセットしている。このプリセッ
トデータは分周比切換回路64により設定されており、
分周比切換回路64は2つのプリセット値のいずれかを
可変分周器63にプリセットして分周比の切り換えを行
っている。本発明の受信装置は、このように可変分周器
63の分周比が任意の分周比に切り替えられることを利
用して、前記した目的を達成している。
【0044】すなわち、障害物等により受信装置に到来
する電波が遮断された時は、前記した基準系の第2周波
数変換器3および追従系1,2の第2周波数変換器8,
13に入力する受信信号が遮断されることになり、追従
系1,2の第2周波数変換器8,13の位相同期ループ
のロックがはずれることになる。そして、移動体が移動
して障害物等がなくなると、遮断された電波が受信装置
に再入力されて、追従系1,2の第2周波数変換器8,
13の位相同期ループが基準系の第2周波数変換器3よ
り出力される基準の第2中間周波数信号と同相とするた
めのロック動作を開始することになる。
【0045】しかしながら、前記したようにLPF8−
5およびLPF13−5が狭帯域とされているので、追
従系1,2の第2周波数変換器8,13の位相同期ルー
プのキャプチャレンジが狭いことから、なかなかロック
せず受信不能時間が長くなる。そこで、本発明の受信装
置では、追従系1,2の第2周波数変換器8,13の位
相同期ループに供給される基準系の第2中間周波数変換
器3から出力される基準の第2中間周波数の周波数を、
電波が再入力された時に揺らぎながら収束するように変
化させている。
【0046】この様子を図3を参照しながら説明する
と、受信装置には図2に示すように受信信号検知回路7
0が設けられており、電波の遮断および再入力を示す検
出出力を受信信号検知回路70が出力している。例え
ば、この受信信号検知回路70の出力は、図3(a)に
示すように電波が遮断された時にローレベルとなり、電
波が再入力された時に立ち上がってハイレベルに復帰す
る。この受信信号検知回路70に微分回路71が接続さ
れて、受信信号検知出力の立ち上がりを微分して、図3
(b)に示す微分出力を出力している。この微分出力は
シュミットトリガ回路(S.T)72にて波形整形され
て、微分出力に対応した幅のパルスとされ分周比切換回
路64に供給されている。
【0047】シュミットトリガ回路72から出力される
ハイレベル(”1”)のパルス信号は、例えば9ビット
のプリセットデータのうちMSBから3ビット目の桁の
データに用いられる。すなわち、微分出力がある場合
は、シュミットトリガ回路72からパルス信号(”
1”)が出力されるので、分周比切換回路64のプリセ
ットデータは、図3(c)に示すように”110011
011”から”111011011”(10進数で47
5)となる。すると、位相比較器65に入力される位相
比較入力信号の周波数は、411分周された7.812
5kHzから475分周された6.7599kHzに変
化するため、第2局部PLL発振器60のロック範囲が
越えられてロックはずれ状態となる。
【0048】そして、微分出力がなくなり、シュミット
トリガ回路72の出力がローレベル(”0”)となる
と、プリセットデータは再び”110011011”と
なり、第2局部PLL発振器60がロックするようにな
る。この場合、LPF68の時定数が大きくされている
ので、VCO61の発振周波数はターゲット周波数に、
図3(d)に示すように揺らぎながらゆっくり収束され
るようになる。これにより、第2局部PLL発振器60
よりの第2局発信号が供給されている基準系の第2中間
周波数変換器3から出力される基準の第2中間周波数の
周波数が、電波が再入力された時に揺らぎながら収束す
るように変化するようになる。このように基準とされる
周波数が揺らぎながら収束するよう変化して、追従系
1,2の第2周波数変換器8,13に供給されるので、
その位相同期ループのキャプチャレンジに入った時に、
位相同期ループは迅速にかつ確実にロックするようにな
る。
【0049】そして、ロックした後は図3(d)に示す
ようにVCO61の発振周波数が揺らいでもロックした
まま揺らぎに追従するようになる。これは、図4に示す
ようにロックする前のキャプチャレンジ(捕捉範囲)よ
りロックした後のロックレンジ(ロック範囲)の方が格
段に広くされていると共に、LPF8−5,13−5の
時定数はLPF68の時定数より小さくされて、その応
答性が迅速とされているからである。また、VCO61
の周波数が揺らいで変化する周波数範囲Δfが、追従系
1,2の第2周波数変換器8,13の位相同期ループの
ロックレンジの周波数範囲内とされている。なお、分周
比切換回路64はMSBより3ビット目の桁を反転させ
るようにしていたが、より上位の桁、あるいはロックレ
ンジ外となるような桁のデータを反転させるようにして
もよい。また、シュミットトリガ回路72は、必ずしも
必要なものではなく微分回路71出力をそのまま分周器
切換回路64に供給してもよい。
【0050】ところで、上記受信信号検出回路70は方
位角制御回路26により検出された受信信号検出出力を
利用している。この方位角制御回路26はアレーアンテ
ナが載置されている回転台51を回転制御して、衛星等
の送信局の方位角にアレーアンテナのビームの方位角を
追尾させる機能を有する制御回路である。そこで、次に
アレーアンテナの方位角制御手段について説明する。方
位角制御には左側アンテナユニット9および右側アンテ
ナユニット16により受信された信号の位相差を利用し
ている。このために、分配回路11および分配回路19
により分配された左側アンテナユニット9および右側ア
ンテナユニット16により受信された信号は、それぞれ
モノパルス回路A及びモノパルス回路Bのミキサ20−
1,ミキサ21−1に供給され、1チャンネル分の信号
が周波数変換されてそれぞれ出力される。この場合の局
発信号は、分配器15よりの第2局発信号が用いられて
いる。
【0051】そして、モノパルス回路Aよりの1チャン
ネル分の信号は、0°−0°分配器22において2分配
され、分配された一方の信号はDBM24に他方の信号
はDBM25に供給される。また、モノパルス回路Bよ
りの1チャンネル分の信号は、0°−90°分配器23
において0°の信号と90°移相した信号とに2分配さ
れ、90°位相された信号はDBM24に0°の信号は
DBM25に供給される。この場合、分配器22と分配
器23に入力される信号間の位相差をθとすると、DB
M24からはsinθの信号が出力され、DBM25か
らはcosθの信号が出力されることになる。
【0052】このsinθの信号は、アンテナユニット
1,6,9,16からなるアレーアンテナビーム方向と
電波の到来方向との方位角のずれに対応した信号であ
り、例えば一致した時は位相差θがゼロなり、sin
(0)=0 となる。そこで、方位角制御回路26にお
いてsinθの信号を用いてモータ27を駆動するよう
にして、アレーアンテナのビームの方位角を電波の到来
方向に一致するよう制御している。さらに、cosθの
信号はアレーアンテナが電波の到来方向である衛星の方
向と一致している時に最大値となるため、cosθの信
号を観測することによりアレーアンテナが衛星の方向に
向いているか否かを検出することができる。この検出も
方位角制御回路26が行っている。
【0053】なお、モノパルス回路A、モノパルス回路
Bには、局発信号が分配器15から共通に供給されてい
るため、モノパルス回路A、モノパルス回路Bから出力
される1チャンネル分の信号の周波数は、互いに一致す
るようになり、DBM24,25により検出される位相
検出信号に検出誤差が含まれることはない。
【0054】次に、図2に示す方位角制御回路26の動
作を説明すると、sin信号はsin信号オフセット回
路31を介してsin信号増幅回路32により増幅され
て第1スイッチ(SW1)に供給され、SW1を介して
モータ制御信号として出力される。ここで、電源等を投
入した時にアレーアンテナが衛星の方向を向いていたと
すると、cos信号オフセット回路34を介してcos
信号増幅回路35により増幅されたcos信号はモード
切替回路36に供給されるが、このモード切替回路36
が、cos信号のレベルを検出することにより、アレー
アンテナが衛星を向いていると判断して、SW1を閉じ
るようにする。すると、sin信号増幅回路32の出力
がモータ制御回路43を介してモータ27に供給され
て、モータ27を制御できるようになる。
【0055】また、モード切替回路36が、障害物によ
り、あるいはアレーアンテナが衛星を向いておらず電波
が遮断されていると判断すると、SW1を開くようにす
る。同時に、タイマ回路1がトリガされて、タイマ回路
1は第2スイッチ(SW2)を、タイマ回路1のタイマ
時間だけオフする。なお、sin信号オフセット回路3
1およびcos信号オフセット回路34は、アレーアン
テナの方位角が電波の到来方向に一致した時に、DBM
24から出力されるsin信号がゼロになるよう調整す
ると共に、この時にcos信号が最大になるよう調整す
る回路である。
【0056】ここで、このタイマ回路1のタイマ時間内
にモード切替回路36が所定レベル以上のcos信号を
検出した場合は、遮断された電波の状態が復帰されたこ
とになるので、再度SW1が閉じられるようになる。ま
た、タイマ回路1の動作時間内に電波を捕捉できない時
は、探知モードとされてタイマ回路1は第2スイッチ
(SW2)を閉じるようにすると共に、タイマ回路2を
トリガする。この時、第3スイッチ(SW3)が方形波
発生回路42側へ接続されているため、モータ制御信号
として方形波発生回路42により発生された方形波がモ
ータ制御回路43に供給される。
【0057】従って、探知モードとされるとモータ27
は方形波により駆動されてアレーアンテナは所定方位角
度範囲内を首振り運動することにより、電波を探知する
ようになる。そして、アレーアンテナが首振り運動され
ても電波を探知できない場合は、タイマ回路2のタイマ
時間後にSW3をDC電圧発生回路39側に切り替え
る。すると、モータ27は一定レベルのDC電圧により
駆動されるようになるので、アレーアンテナは、例えば
連続して右回転するようにされて電波を探知するように
なる。これにより、電波を探知することができると、モ
ード切替回路36が電波が受信されたことを検出してS
W2を開くと共に、SW1を閉じるよう制御を行う。
【0058】このように、電波が遮断されてもすぐに探
知モードとされるのではなく、一定時間電波が再捕捉さ
れるのを待つようにしている。従って、電波の遮断が一
定時間内で復旧する場合には、瞬時に再捕捉することが
できるようになる。なお、タイマ回路1のタイマ時間
は、例えば約2秒とされるが、このタイマ時間は障害物
による電波の遮断は一般に2秒以上連続することがない
との認識に基づいているため、2秒に限定する必要はな
く任意に決定することができる。また、タイマ回路2の
タイマ時間も、例えば約4秒とされるが、これに限定さ
れるものではなく、さらに長い時間電波の遮断状態が連
続する場合は、右回転をし続けることになるため、タイ
マ回路をさらに設けるようにして一定サイクルでモータ
27を駆動するようDC電圧のオン/オフを行うように
する。これにより、省電力化できる待機モードを設ける
こともできる。
【0059】このように、モード切換回路36よりの出
力を見ることにより、アレーアンテナで電波が受信され
たか否かを検知することができるため、モード切換回路
36の出力を前記した受信信号検知出力として用いるこ
とができる。図2においては、モード切換回路36の出
力を受信信号検知回路70に供給しているが、この受信
信号検知回路70は、波形整形や出力レベルの設定を行
う回路であるので、必ずしも必要ではなく実施の態様に
応じて省略することもできる。また、以上の説明では衛
星放送を受信する受信装置を例に挙げて説明したが、本
発明はこれに限られるものではなく、地上放送を受信す
る受信装置にも適用することができるものである。
【0060】以上、本発明の受信装置を説明したが、上
記で挙げた第1中間周波数、第2中間周波数、第2局発
信号、および水晶発振器の各周波数は、一例を示したも
ので本発明はこの周波数に限られるものではない。した
がって、上記説明した分周比も上記の分周比に限られる
ものではない。
【0061】
【発明の効果】本発明は以上のように、同相とするため
の位相制御を行う手段に基準信号として供給される基準
系の周波数変換器より出力される基準信号の周波数を、
受信信号が遮断されて再入力された時に揺らぎながら収
束するよう変化させている。このため、同相とするため
に位相制御を行う手段のループフィルタが狭帯域とされ
て、そのキャプチャレンジが狭くされていても確実に再
ロックすることができるようになる。したがって、衛星
放送などのC/Nの低い微弱な広帯域FM変調波を受信
する場合でも、ノイズに強く安定した同相合成を行える
受信装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受信装置の構成の一部を示すブロック
図である。
【図2】本発明の受信装置の構成の他の一部を示すブロ
ック図である。
【図3】本発明の受信装置の動作を説明するための波形
図である。
【図4】PLL回路のCN比に対する捕捉範囲とロック
範囲を、ループフィルタの帯域をパラメータとして示し
た図である。
【図5】受信装置が使用する平面型のアレーアンテナの
構成を示す図である。
【図6】従来提案されている受信装置の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1,6,9,16 アンテナユニット 2,7,10,17 第1周波数変換器 3,8,13 第2周波数変換器 4,11,19 分配回路 5 同相合成器 12 合成器 14 アップコンバータ 15,22,23 分配器 20,21 モノパルス回路 24,25 ダブルバランスドミクサ(DBM) 26 方位角制御回路 27 モータ 31 sin信号オフセット回路 32 sin信号増幅回路 34 cos信号オフセット回路 35 cos信号増幅回路 36 モード切替回路 37 タイマ回路1 38 タイマ回路2 39 DC電圧発生回路 42 方形波発生回路 43 モータ制御回路 50 基台 51 回転台 60,115 第2局部PLL発振器 61 VCO 62 プリスケーラ 63 可変分周器 64 分周比切換回路 65 位相比較器 66 水晶発振器 67 固定分周器 68 LPF 69 DCAmp 70 受信信号検知回路 71 微分回路 72 シュミットトリガ回路 SW1,SW2,SW3 スイッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の受信信号を中間周波数に変換す
    る基準系の周波数変換器と、 第2の受信信号を中間周波数に変換する追従系の周波数
    変換器と、 前記基準系の周波数変換器に供給される局発信号を発振
    する局部PLL発振器と、 前記基準系の周波数変換器より出力される中間周波数信
    号を受けて、該中間周波数信号の位相に、前記追従系の
    周波数変換器が出力する中間周波数信号の位相を合わせ
    る位相制御手段とを備え、 受信信号検出手段が受信信号を検出した時に、前記局部
    PLL発振器の発振周波数が揺らぎながら収束するよう
    に前記局部PLL発振器を制御する制御手段を設けるよ
    うにしたことを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも2つ以上のアンテナユニッ
    トからなるアレーアンテナと、 前記各アンテナユニットにより受信されたそれぞれの受
    信信号を、中間周波数信号に変換する前記アンテナユニ
    ットと同数設けられた周波数変換器と、 前記周波数変換器から出力される複数の前記中間周波数
    信号を合成することにより受信信号を生成する合成器
    と、 前記複数の中間周波数変換器の一つとされた基準系の中
    間周波数変換器に局発信号を供給する局部PLL発振器
    と、 前記受信信号の存在を検出する受信信号検出手段を備
    え、 前記基準系の周波数変換器より出力される中間周波数信
    号の位相を基準として、残る追従系の中間周波数変換器
    のそれぞれに設けられている局部発振器の位相を制御す
    ることにより、全ての中間周波数信号の位相を同相とし
    て、前記合成器により同相合成するようにされ、 前記受信信号検出手段が受信信号を検出した時に、前記
    局部PLL発振器の発振周波数が揺らぎながら収束する
    ように前記局部PLL発振器を制御する制御手段を設け
    るようにしたことを特徴とする受信装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも2つ以上のアンテナユニッ
    トからなるアレーアンテナと、 前記各アンテナユニットにより受信されたそれぞれの受
    信信号を中間周波数信号に変換する前記アンテナユニッ
    トと同数設けられた周波数変換器と、 前記周波数変換器から出力される複数の前記中間周波数
    信号を合成することにより受信信号を生成する合成器
    と、 前記アンテナユニットのうち左側と右側に設けられたア
    ンテナユニットよりの受信信号を、それぞれ周波数変換
    する第1モノパルス回路および第2モノパルス回路と、 前記第1モノパルス回路の出力と前記第2モノパルス回
    路の出力との位相差を検出する位相検出手段と、 前記位相検出手段の出力により、前記アレーアンテナを
    水平面内で回転させる回転手段と、 前記複数の周波数変換器の一つとされた基準系の周波数
    変換器と、前記第1モノパルス回路、および前記第2モ
    ノパルス回路に共通に局発信号を供給する局部PLL発
    振器とを備え、 基準系の周波数変換器より出力される中間周波数信号の
    位相を基準として、残る追従系の周波数変換器のそれぞ
    れに設けられている局部発振器の位相を制御することに
    より、全ての中間周波数信号の位相を同相として、前記
    合成器により同相合成するようにされ、 前記アレーアンテナに電波が入力された時に、前記位相
    検出手段から出力される受信信号検出出力を受けて、前
    記局部PLL発振器の発振周波数が揺らぎながら収束す
    るように前記局部PLL発振器を制御する制御手段を設
    けるようにしたことを特徴とする受信装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、前記局部PLL発振
    器内の電圧制御発振器より出力される局発信号を分周す
    る分周器に、所定時間正規の分周比と異なる分周比を設
    定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の受信装置。
  5. 【請求項5】 前記局部PLL発振器の位相制御ルー
    プの時定数が、前記追従系の周波数変換器の位相制御ル
    ープの時定数より大きく設定されていることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の受信装置。
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JP2001305171A (ja) * 2000-04-20 2001-10-31 Maspro Denkoh Corp 受信信号のc/n検出装置及び衛星追尾システム
WO2017170906A1 (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 日本電気株式会社 アンテナ装置
JP2022135374A (ja) * 2021-03-05 2022-09-15 株式会社光電製作所 移動体

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