JPH09144659A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は吸入リード弁の弁座板への衝撃を緩
和する緩衝機能を持たせた冷媒圧縮機を提供することを
課題とするものである。 【解決手段】 弁座板の吸入孔に対向し吸入マフラに連
通する通路管の開口に、コイルバネ設け、吸入孔に挿通
させる。コイルバネは吸入リード弁が吸入孔を閉じる際
に、吸入リード弁の蓋部に当接して弁座板に衝突する衝
撃を緩和し、その際に発生する衝撃音を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は冷蔵庫等に使用され
る冷媒圧縮機に関し、特にレシプロ式の冷媒圧縮機にお
いて弁装置を改良するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のレシプロ式の冷媒圧縮機は例えば
特開平５−１４９２５６号公報に開示されている。この
圧縮機において、冷媒を外部冷媒回路から吸入して圧縮
する圧縮要素及びそのピストンを駆動する電動要素が密
閉容器内に収納されている。圧縮要素は吸入孔及び吐出
孔が形成された弁座板をシリンダの端部に取り付け、さ
らにシリンダヘッドを取り付けて構成されている。弁座
板のシリンダ側には吸入リード弁が設けられ、反対側に
は吐出リード弁が設けられている。吸入リード弁および
吐出リード弁は、シリンダ内のピストンの往復運動に応
じてそれぞれ弁座板の吸入孔および吐出孔の開口を開閉
する。吸入リード弁は金属製の薄板からなる弁板にリー
ド弁形状にスリットを設けて形成される。

【０００３】吸入マフラに連通する通路管が、その開口
が弁座板の吸入孔に対向するように配置される。外部冷
凍回路からの冷媒は、密閉容器に設けられた吸入管から
吸い込まれた後、吸入マフラ、通路管、吸入孔を介して
シリンダ内へ導かれる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述の冷媒圧縮機にお
いては、弁座板および吸入リード弁は共に金属製である
ため、動作時に吸入リード弁が弁座板に衝突して衝撃音
が発生し、冷媒圧縮機から高周波音が発せられるという
問題がある。

【０００５】この問題を解決するものとして、例えば特
公昭５４−８５号（Ｆ１６Ｋ１５／１６）公報に開示さ
れているように、上方に湾曲した舌片と下方に湾曲した
舌片を設けたリード弁が公知である。このリード弁は弁
座板に衝突する際の衝撃を舌片の緩衝作用により緩和
し、衝撃音を抑制している。しかしながら、リード弁自
体に緩衝機能をもたせるための舌片を設けるためにリー
ド弁の形状が複雑となり、それを形成する製造行程が必
要となる。

【０００６】そこで、本発明は吸入リード弁自体には改
良を施さずに、従来の平板状の吸入リード弁を用いて、
大幅な改良を施すことなく吸入リード弁の弁座板への衝
撃を緩和する緩衝機能を持たせた冷媒圧縮機を提供する
ことを課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、密閉容器内に
設けられた電動要素と、この電動要素により駆動されて
往復運動するピストンが配されるシリンダを有し密閉容
器内に設けられた圧縮要素と、吸入孔が形成されシリン
ダの端部に取り付けられる弁座板と、シリンダの端部と
弁座板との間に配され吸入孔を開閉する吸入リード弁
と、弁座板の吸入孔に端部開口が対向し吸入マフラに連
通する通路管とを備えた冷媒圧縮機において、通路管の
開口に弁座板の吸入孔に挿通されるコイルバネを設けた
ことを特徴とする。

【０００８】通路管の開口に設けられたコイルバネは、
吸入リード弁が弁座板の吸入孔を閉じる際に衝撃を緩和
する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。

【００１０】図１は本発明の冷媒圧縮機の側断面図、図
２はその上側容器を外した平面図である。図において、
１は上側容器１Ａと下側容器１Ｂとで構成される密閉容
器であり、２部品からなる枠体２、３と、この枠体２、
３の上側に配置された圧縮要素４と、下側に配置された
電動要素５とが収納されている。圧縮要素４と電動要素
５とは密閉容器１の内壁に支持装置６を介して弾性的に
取り付けられている。

【００１１】電動要素５は内部に巻線７を巻回した固定
子８と、この固定子８の内側に配置された回転子９と、
この回転子９の中央に装着され、枠体２の軸受け１０で
回転可能に支持された回転軸１１とで構成されている。

【００１２】圧縮要素４はシリンダ１２と、回転軸１１
のクランクピン１３の偏心回転により、シリンダ１２内
を往復運動するピストン１４と、シリンダ１２の端面に
設けられた燒結金属からなる弁座板１５と、この弁座板
１５を介してシリンダ１２に取り付けられたシリンダヘ
ッド１６とで構成されている。シリンダヘッド１６には
吸入マフラ１７に連通する通路管１８と、吐出マフラ１
９を設けている。吸入マフラ１７および吐出マフラ１９
はそれぞれ吸入管２０および吐出管２１に連通し、圧縮
機は吸入管２０および吐出管２１を介してＲ１２、Ｒ１
３４ａ等の冷媒を循環させる冷凍サイクル内に接続され
る。

【００１３】図３はシリンダ１２の端部に構成された弁
装置を示す要部断面図である。弁座板１５には吸入孔２
２及び吐出孔２３が形成されており、夫々の開口を開閉
する吸入リード弁２４及び吐出リード弁２５が設けられ
ている。吸入リード弁２４及び吐出リード弁２５は弁座
板１５の外形と同じ寸法の金属製の薄板をスリットによ
り舌状に形成して構成される。シリンダ１２の端部には
吸入リード弁２４、弁座板１５、吐出リード弁２５、シ
リンダヘッド２７の順にボルトにて各構成部品が取り付
けられる。

【００１４】シリンダヘッド２７には、吸入孔２２に対
応する位置に通路管１８の端部が挿通される挿通孔が設
けられている。通路管１８端部の開口１８ａには、開口
１８ａから延出したコイルバネ２８が適宜固定されて設
けられている。通路管１８端部はその開口１８ａが吸入
孔２２と対向するよう配設され、コイルバネ２８が吸入
孔２２に挿通され、コイルバネ２８の先端部がシリンダ
１２側へ弁座板１５の表面から０．１〜０．２ｍｍ程度
突出する。

【００１５】圧縮要素４の圧縮行程時、すなわちシリン
ダ１２内をピストン１４が上死点に向かうに伴って、吸
入リード弁２４が吸入孔２２を閉じる際には、吸入孔２
２の開口を塞ぐ蓋部２４ａは、先ずコイルバネ２８の先
端部に当接し、コイルバネ２８が縮んで弁座板１５に着
座する。コイルバネ２８の弾性力により吸入リード弁２
４が弁座板１５に衝突する際の衝撃が緩和され、衝撃音
の発生が抑制される。

【００１６】また、吸入リード弁２４の蓋部２４ａがコ
イルバネ２８と接触している際には、コイルバネ２８よ
り弾性力を受けるので、吸入リード弁２４の弁座板１５
へのオイルによる張り付きを防止し、吸入リード弁２４
の開き遅れを防ぐことができる。

【００１７】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、弁座板の吸入孔に対向し吸入マフラに連通する通路
管の開口にコイルバネ設け、吸入孔に挿通させたので、
吸入リード弁が吸入孔を閉じる際に、弁座板に衝突する
衝撃を緩和し、その際に発生する衝撃音を低減できる。
これにより、従来の冷媒圧縮機で生じていた高周波音の
発生が低減された冷媒圧縮機が実現される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の冷媒圧縮機を示す断面図である。

【図２】本発明の冷媒圧縮機を示す平面図である。

【図３】本発明の冷媒圧縮機の要部断面図である。

【符号の説明】

１ 密閉容器 ４ 圧縮要素 ５ 電動要素 １２ シリンダ １４ ピストン １５ 弁座板 １７ 吸入マフラ １８ 通路管 ２２ 吸入孔 ２４ 吸入リード弁 ２８ コイルバネ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 密閉容器内に設けられた電動要素と、こ
   の電動要素により駆動されて往復運動するピストンが配
   されるシリンダを有し前記密閉容器内に設けられた圧縮
   要素と、吸入孔が形成され前記シリンダの端部に取り付
   けられる弁座板と、前記シリンダの端部と前記弁座板と
   の間に配され前記吸入孔を開閉する吸入リード弁と、前
   記弁座板の吸入孔に端部開口が対向し吸入マフラに連通
   する通路管とを備えた冷媒圧縮機において、前記通路管
   の開口に前記弁座板の吸入孔に挿通されるコイルバネを
   設けたことを特徴とする冷媒圧縮機。