JPH09144649A - ピストンポンプ - Google Patents

ピストンポンプ

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JPH09144649A
JPH09144649A JP30142695A JP30142695A JPH09144649A JP H09144649 A JPH09144649 A JP H09144649A JP 30142695 A JP30142695 A JP 30142695A JP 30142695 A JP30142695 A JP 30142695A JP H09144649 A JPH09144649 A JP H09144649A
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JP
Japan
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piston
discharge
motor
pump
piston pump
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JP30142695A
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Masashi Ito
政司 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はピストンポンプに関し、駆動モータ
の小型化が可能なピストンポンプを提供することを目的
とする。 【解決手段】 モータ14のシャフト15には、弾性体
18が偏心して固定され、更に弾性体18と同心にロー
タ19が固定されている。シャフト15が回転されると
ピストン28が往復運動されて作動液の吸入・吐出が行
われる。吐出圧に応じて弾性体18に生ずる弾性変形量
は、ピストン28が吐出側変位端にある場合と吸入側吐
出端にある場合とで異なる。このため、ピストン28の
ストロークは吐出圧に応じて減少される。吐出圧の上昇
に応じて吐出量を減少させることによりモータの負荷が
低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンポンプに
係わり、特に、駆動モータの小型化が可能なピストンポ
ンプを提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来より、流体の汲み上げを行うポンプ
としてピストンポンプが知られている。ピストンポンプ
はカム、ピストン、及びポンプ室を備えている。カムに
は、駆動源として駆動モータが連結されている。駆動モ
ータによりカムが回転されると、その回転に同期してピ
ストンに往復動が生ずる。ピストンに往復動が生ずると
ポンプ室が拡縮され、流体の吸入・吐出が行われる。か
かる構成を有するピストンポンプとしては、例えば、実
開昭62−64886号に開示されるピストンポンプが
知られている。上記実開昭62−64886号に開示さ
れるピストンポンプは、偏心カムを用いてピストンに往
復動を発生させている。また、上記のピストンポンプは
駆動モータのシャフトと偏心カムとの間に、シャフトと
同心に設けられた弾性体を備えている。偏心カムとシャ
フトとの間にかかる弾性体が介在していると、偏心カム
とピストンとの接触時に生ずる騒音等が低減され、ピス
トンポンプの動作音が低減される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば車両
用ブレーキ装置では、ホイールシリンダに供給すべきブ
レーキフルード量は、ホイールシリンダ圧が上昇するに
つれて減少する。従って、ホイールシリンダにブレーキ
フルードを供給するのに用いられるポンプに必要とされ
る吐出容量は、吐出圧が増加するにつれて少量となる。
これに対して、上記従来のピストンポンプにおいてはピ
ストンのストロークが一定に保たれるため、カムの一回
転当たりの吐出量も吐出圧に関わらず一定となる。この
ため、上記従来のピストンポンプを、例えば車両用ブレ
ーキ装置等、吐出圧の上昇に応じて必要な吐出量が減少
する油圧装置に適用した場合、吐出圧が高い場合もポン
プの吐出量が低圧時と同様に維持され、駆動モータの負
荷が不必要に上昇する事態を生ずる。上記従来のピスト
ンポンプを、常に円滑に駆動するためには、駆動モータ
に、かかる負荷に対抗し得る能力を付与することが必要
である。このため、上記従来の構成においては、モータ
を小型化することが困難であった。
【0004】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、吐出圧が高い場合におけるカム駆動モータの負
荷を低減することにより、モータの小型化が可能なピス
トンポンプを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
記載の如く、モータと、該モータにより回転されるカム
と、該カムの回転により往復動されるピストンと、該ピ
ストンの往復動により拡張・収縮されるポンプ室とを有
するピストンポンプにおいて、前記ポンプ室の圧力に応
じて前記ピストンの往復動量を減少させる往復動量減少
手段を備えたピストンポンプにより達成される。
【0006】本発明において、ピストンの往復動量は往
復動量減少手段によりポンプ室の圧力に応じて減少され
る。ピストンの往復動量が減少されると、モータ1回転
当たりのポンプの吐出量が減少される。ポンプ室の圧力
はポンプの吐出側の圧力に一致する。従って、ポンプの
吐出側の圧力に応じてモータ1回転当たりの吐出量が減
少される。モータの負荷はポンプの吐出側の圧力と吐出
量との積に一致する。従って、モータ回転数が一定の場
合、ポンプ室の圧力に応じてモータの負荷は低減され
る。
【0007】また、上記の目的は、請求項1記載の発明
において、前記往復動量減少手段が前記カムと前記モー
タのシャフトとの間に配設される偏心した弾性体を備え
ると共に、前記カムが該カムの外周回りを回動すること
ができ、かつ、前記ピストンに当接する環状体を備える
ピストンポンプによっても達成される。
【0008】本発明において、ピストンはポンプ室の圧
力に応じた力でカムを押圧する。弾性体はカムとモータ
のシャフトとの間に設けられている。このため、ピスト
ンによる押圧力によって弾性体には径方向の収縮変形が
生ずる。弾性体はモータのシャフトに対して偏心されて
いる。従って、弾性体に生ずる収縮変形量は、カムの回
転角度により変化する。このため、ピストンが吐出側変
位端にある場合と、吸入側変位端にある場合とで、かか
る収縮変形量は異なる。弾性体の収縮変形量に応じてピ
ストンの位置は吸入側へ移動される。従って、ピストン
の吐出側変位端の位置と吸入側変位端の位置とで、弾性
体の収縮変形によるピストンの移動量は異なる。この結
果、ピストンの吐出側変位端と吸入側変位端との間の変
位量、すなわち往復動量が変化される。
【0009】ピストンは環状体に当接されている。環状
体とピストンとの間の摩擦力により、ピストンと環状体
との間の相対的な摺動運動は規制される。一方、環状体
は偏心カムの外周回りを回動することができる。従っ
て、カムに回転が生ずると、カムと環状体との間に相対
回転運動が生じて、環状体の回転運動はピストンと環状
体との間の摩擦力により拘束される。このため、環状体
には、ピストンに対する相対的な摺動運動は規制された
状態でその中心がモータのシャフトの回りを回転するよ
うな運動が生ずる。従って、環状体にはピストンに対す
る往復運動のみが生ずる。この結果、ピストンと環状体
との間に作用する摩擦力が低減される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例であるピ
ストンポンプ10の断面図を示す。ハウジング11は直
方体の金属製部材であり、ロータ受容部12及びシリン
ダ部13を備えている。ロータ受容部12はハウジング
11の一面(図1中左面)に2段の段差を有する円筒状
の凹部が形成されることにより設けられており、底部側
(図1中右側)から順に、小径部12a、中径部12
b、及び、大径部12cを備えている。
【0011】モータ14は、モータ14のフランジ部1
4aがロータ受容部12の大径部12cに嵌着されるこ
とによりハウジング11に装着されている。大径部12
cにはオイルシール16が装着されている。オイルシー
ル16によりモータ14のフランジ部14aと大径部1
2cとの間のシール性が確保されている。
【0012】モータ14のシャフト15は大径部15a
及び小径部15bを備えている。大径部15aはシャフ
ト15のモータ14側(図1中左側)に設けられてい
る。大径部15aはベアリング17のインナレースに嵌
着されている。また、ベアリング17のアウタレースは
ロータ受容部12の中径部12bに嵌着されている。
【0013】シャフト15の小径部15bの外周面には
弾性体18が装着されている。弾性体18は円筒状の弾
性部材であり、その中心軸がシャフト15の中心軸に対
してαだけ偏心されるようにシャフト15に固定されて
いる。弾性体18の外周面にはロータ19が装着されて
いる。ロータ19は円筒状の剛性部材であり、弾性体1
8と同心に固定されている。従って、ロータ19はシャ
フト15に対して、弾性体18のシャフト15に対する
偏心方向と同じ方向に、αだけ偏心されている。
【0014】ハウジング11のシリンダ部13は、その
一端(図1中上端)がロータ受容部12の小径部12a
側面の図1中下部に開口し、他端(図1中下端)がハウ
ジング11の底面に開口するように設けられている。シ
リンダ部13のハウジング11の底面への開口部近傍の
内周面にはネジ山13aが形成されている。ネジ山13
aにはプラグ22が螺着されている。プラグ22とシリ
ンダ部13との間はオイルシール23によりシールされ
ている。プラグ22の図1中上面にはシリンダベース2
4が配設されている。また、シリンダベース24の図1
中上面にはスプリング26を介してピストン28が配設
されている。ピストン28はスプリング26によりロー
タ19に向けて押圧されている。シリンダ部13内部の
シリンダベース24とピストン28との間にはポンプ室
40が形成されている。
【0015】図2は図1に示す直線II−IIに沿って切断
した際の断面図を示す。図2に示す如く、ハウジング1
1には、シリンダ部13とハウジング11の図2中左側
面及び右側面とを、それぞれ連通する吸入部42及び吐
出部44が形成されている。吸入部42は円筒状の部位
である。吸入部42にはシリンダ部13側(図2中右
側)から順に、小径部42a、中径部42b、及び、大
径部42cが形成されている。小径部42aはシリンダ
部13内に開口し、大径部42cはハウジング11の図
2中左側表面に開口している。大径部42cの開口部近
傍の内周面にはねじ山42dが形成されている。ねじ山
42dにはコネクタ45が螺着されている。コネクタ4
5と吸入部42の大径部42cとの間はオイルシール4
6によりシールされている。コネクタ45のホース接続
口(以下、吸入口と称す)45aには給油ホースを介し
てリザーバ(図示せず)が接続される。
【0016】吸入部42の中径部42bには、シート4
7、ボール48、及び、スプリング49が配設されてい
る。シート47は円筒状の部材であり、その一端(図2
中左端)側の底面がコネクタ45の底面に接するように
配設されている。シート47の他端(図2中右端)の内
周部にはボール係合面47aが形成されている。ボール
係合面47aにはボール48が係合している。ボール4
8と中径部42bの図2中右側端面との間にはスプリン
グ49が配設されている。スプリング49はボール48
をボール係合面47aに向けて付勢している。シート4
7、ボール48、及び、スプリング49は吸入口45a
からシリンダ部13へ向かう方向の流れのみを許容する
吸入バルブ50を構成している。
【0017】吐出部44は円筒状の部位である。吐出部
44にはシリンダ部13側(図2中左側)から順に、小
径部44a、中径部44b、及び、大径部44cが形成
されている。小径部44aは、ポンプ室40に開口し、
大径部44cはハウジング11の図2中右側表面に開口
している。大径部44cのハウジング11表面への開口
部近傍の内周面にはねじ山44dが形成されている。ね
じ山44dにはコネクタ52が螺着されている。コネク
タ52と吐出部44の大径部44cとの間はオイルシー
ル54によりシールされている。コネクタ52のホース
接続口(以下、吐出口と称す)52aにはホースを介し
てホイールシリンダ等の油圧装置(図示せず)が接続さ
れる。
【0018】吐出部44の中径部44bにはシート5
6、ボール58、及び、スプリング60が配設されてい
る。シート56は円筒状の部材であり、その一端(図2
中左端)側の底面が中径部44bの図2中左側端面と係
合している。シート56の他端(図2中右端)の内周部
にはボール係合面56aが形成されている。ボール係合
面56aにはボール58が係合している。ボール58
と、コネクタ52の底面との間にはスプリング60が配
設されている。スプリング60はボール58をボール係
合面56aに向けて付勢している。シート56、ボール
58、及び、スプリング60はシリンダ部13から吐出
口52aへ向かう方向の流れのみを許容する吐出バルブ
62を構成している。
【0019】上述したピストンポンプの構成によれば、
モータ14が駆動されると、シャフト15が回転運動す
る。上述の如く、ロータ19はシャフト15にαだけ偏
心して固定されている。シャフト15が回転するとロー
タ19は偏心状態を維持したままで回転する(以下、か
かる回転を偏心回転と称す)。かかる偏心回転が生ずる
と、ピストン28には図1における上下方向の往復運動
が生ずる。
【0020】図3は、ピストンが最もシャフト15から
離間した位置(図3中に実線で示す位置)に変位した状
態、および、もっともシャフト15に近接した状態(図
3中に破線で示す位置)に変位した状態を示す。以下、
図3中に実線で示す位置をピストン28の吐出側変位
端、図3中に破線で示す位置をピストンの吸入側変位端
と称す。図3に示す如く、本実施例のピストンポンプ1
0においては、ピストン28に、最大でロータ19の偏
心量αの2倍のストロークが生ずる。
【0021】ピストン28が図1中上方へ向けて運動す
る際には、ポンプ室40は減圧状態となる。このため、
吸入弁50が開状態となると共に吐出弁62が閉状態と
なり、作動液が吸入口45aからポンプ室40へ吸入さ
れる。かかるピストンポンプ10の動作状態を以下、吸
入過程と称す。一方、ピストン28が図1中下方へ向け
て運動する際には、ポンプ室40は加圧状態となる。こ
のため、吐出弁62が開状態となると共に吸入弁51が
閉状態となり、作動液がポンプ室40から吐出口52a
へ吐出される。かかるピストンポンプ10の動作状態を
以下、吐出過程と称す。ピストンポンプ10は、ピスト
ン28の往復運動によって吸入過程と吐出過程とを交互
に繰り返すことにより、吸入口45aに接続されたリザ
ーバから吐出口52aに接続された油圧装置へ作動液を
圧送する。
【0022】上述の如く、シャフト15とロータ19と
の間には弾性体18が設けられている。このため、ピス
トン28のロータ19への押圧力により、弾性体18に
は径方向の収縮変形が生ずる。ピストンポンプが吐出過
程にある場合、ピストン28のロータ19への押圧力は
ポンプ室40の内圧に比例して変化する。ポンプ室40
の内圧は吐出口52aに接続される油圧装置の圧力(以
下、吐出圧と称す)に一致するため、ロータ19への押
圧力は吐出圧に比例することになる。かかる押圧力によ
り、弾性体18のピストン28との接触部位には、押圧
力に比例した大きさの径方向の弾性収縮変形δが生ず
る。この結果、ピストン28の位置は、かかる収縮変形
が生じていない状態(以下、通常状態と称す)に比して
δだけ吸入側変位端側へ移動する。
【0023】弾性体18に生ずる径方向の弾性収縮変形
は、押圧力が作用する方向の弾性体18の厚さtが厚い
ほど生じ易く、tが薄いほど生じ難い。ロータ19と弾
性体18とは同心に設けられているため、ピストン28
が吐出側変位端にある場合には厚さtは最大となる。ま
た、その厚さtは、ピストン28が吸入側変位端にある
場合に最小となる.このため、ピストン28が吐出側変
位端にある場合、弾性体18には、ピストン28が吸入
側変位端にある場合に弾性体18に生ずる弾性収縮変形
量δ2に比して大きな弾性収縮変形量δ1が生ずる。こ
の場合、ピストン28が吐出側変位端と吸入側変位端と
の間を変位する際のストローク長は通常状態に比して
(δ1−δ2)だけ減少されることになる。
【0024】上述の如く、弾性体18の収縮変形量はピ
ストン28による押圧力、すなわち、ピストンシリンダ
10の吐出圧に比例する。このため、ストロークの減少
量はピストンシリンダ10の吐出圧に比例する。ロータ
19の1回転当たりの吐出量は、ピストン28のストロ
ークとシリンダ部13の断面積との積に一致する。図4
は、ピストンポンプ28の吐出圧とロータ1回転当たり
の吐出量との関係を、従来のピストンポンプの場合と共
に示す。図4に破線で示す如く、従来のピストンポンプ
においては、吐出圧の変化に関わらずロータ1回転当た
りの吐出量は一定に維持される。これに対して、本実施
例のピストンポンプ10においては、上述の如く吐出圧
の上昇に応じてストロークが減少するため、図4に実線
で示す如く、吐出圧の上昇に応じてロータ1回転当たり
の吐出量が減少することになる。
【0025】ところで、ピストンポンプの摺動部等にお
いて摩擦損失がないとすると、モータの負荷はピストン
ポンプのなす仕事の量に一致する。従って、モータの負
荷は吐出圧と吐出量の積に一致する。従来のピストンポ
ンプにおいては、ピストンのストロークは常に一定であ
るため、吐出圧に関わらずモータ1回転当たりの吐出量
は一定である。このため、モータの回転数が一定に保た
れる通常の運転条件の下ではモータの負荷は吐出圧に比
例する。これに対して、本実施例のピストンポンプ10
においては、上述の如く、吐出圧の上昇に応じて吐出量
が減少されるため、吐出圧が高くなるにつれてモータ負
荷の増加の度合いが低下する。図5はピストンポンプ1
0の吐出圧とモータ負荷との関係を従来のピストンポン
プの場合と共に示す。図5中に実線で示す如く、本実施
例のピストンポンプ10においては、図5中に破線で示
す従来のピストンポンプの場合に比して、吐出圧が高圧
となった際のモータ負荷が低減されている。
【0026】図6は、車両用のブレーキ装置におけるホ
イールシリンダ内の油圧と、その油圧に達するまでにホ
イールシリンダで消費される液量との関係を示す。図6
に示す如く、油圧が低い領域では油圧の上昇に対して消
費液量が急激に増加するため、ポンプにより多量のブレ
ーキフルードをホイールシリンダに供給する必要があ
る。一方、油圧が高い領域では油圧の上昇に対する消費
液量の変化が緩やかになるため、ポンプにより供給すべ
きブレーキフルード量は減少する。従って、ポンプ吐出
圧が低圧の場合には大きな吐出量が必要とされるのに対
して、吐出圧が高圧の場合には小さな吐出量しか必要と
されない。
【0027】このため、本実施例のピストンポンプ10
を、上述したブレーキ装置の如く吐出圧が高圧の場合に
小さな吐出量しか必要とされない油圧装置に適用するこ
とにより、従来のピストンポンプに比してモータの負荷
を低減することができる。従って、本実施例のピストン
ポンプ10によれば、モータを低出力化することがで
き、従って、モータの小型化を実現することができる。
【0028】ピストンポンプ10の吐出圧に対する吐出
量の関係は、弾性体18の径あるいは、その構成材料の
弾性定数を変更することにより任意に設定することがで
きる。従って、本実施例のピストンシリンダ10が適用
される油圧装置の油圧−消費液量特性に応じて、吐出圧
と吐出量との関係を最適に設定することにより、モータ
小型化の効果を最大限に得ることができる。
【0029】ところで、一般にモータのトルクと回転数
との間には図7に示す如き関係がある。従来のピストン
ポンプにおいては、吐出圧の変動に応じてモータ負荷ト
ルクが変動すると、図7に示す関係に従って、モータ回
転数が変動する。モータ回転数が変動すると、ピストン
ポンプから吐出される油圧の脈動周波数が変動する。油
圧の脈動は油圧装置の動作に悪影響を与えるため、アキ
ュムレータ等の脈動除去装置を用いて脈動の除去が図ら
れる。この場合、脈動除去装置は脈動周波数に応じて設
計されるため、上述の如く脈動周波数が変動すると脈動
の除去を効果的に行うことができない。
【0030】これに対して、本実施例のピストンポンプ
10においては、吐出圧に応じて吐出量が減少されるた
め、吐出圧が変動した際のモータ負荷トルクの変動が抑
制され、従って、モータ回転数の変動が抑制される。こ
のため、ピストンポンプから吐出される油圧の脈動周波
数の変動を抑制させることができる。この結果、本実施
例のピストンポンプ10によれば、脈動除去装置による
脈動の除去を効果的に行うことが可能とされている。
【0031】なお、ピストンが吐出側変位端にある際の
ポンプ室の圧力は、ピストンが吸入側変位端にある際に
比して高くなる。従って、モータシャフトと同心に十分
な厚みを有する弾性体を設けた構成によっても、ピスト
ンが吐出側変位端にある場合と吸入側変位端にある場合
とで弾性体の収縮量に変化が生じ、吐出圧の上昇に伴う
吐出量の減少の効果を得ることができる。しかしなが
ら、弾性体の厚みを十分大きく設けた場合、ロータの剛
性が低下してロータに振動が発生し易くなる。この結
果、ロータの回転が不安定となって、吐出圧の立ち上が
りに遅延が生ずるなどの問題が生ずることになる。
【0032】これに対して、本実施例のピストンポンプ
10においては、弾性体18をモータシャフトに対して
偏心させることにより吐出量減少の効果を得ているた
め、弾性体の厚みを上記従来のピストンポンプの場合に
比して小さくすることができる。このため、弾性体の配
設に伴うロータ19の剛性低下が抑制される。この結
果、本実施例のピストンポンプ10によれば、上述の如
きロータ回転の不安定化による吐出圧の立ち上がりの遅
延等の問題が生ずることが防止される。なお上記実施例
において、ロータ19が上記したカムに相当している。
【0033】次に、図8を参照して、本発明の第2の実
施例であるピストンポンプ80について説明する。図8
において、図1に示すピストンポンプ11と同一の構成
部分については同一の符号を付してその説明を省略す
る。本実施例は、ロータとしてベアリング82を用いる
ことにより、ロータとピストンとの間に生ずる摺動摩擦
を低減した点に特徴を有している。
【0034】図8において、ベアリング82のインナレ
ース84は、弾性体18の外周面に嵌着されている。ベ
アリング82のアウタレース86にはスプリング26に
よりピストン28が押圧されている。シャフト15が回
転すると、インナレース84は弾性体18と一体となっ
てシャフト15の中心軸回りに偏心回転する。一方、ア
ウタレース86には、ピストン28による押圧力に伴う
摩擦力により、ピストン28との当接面における相対的
な摺動運動が規制された状態で、その中心がシャフト1
5の回りを回動するような運動が生ずる。この結果、ア
ウタレース86はインナレース84に対する相対的な転
がり運動を行いつつ、ピストン28を図8における上下
方向に往復運動させることになる。かかるピストンの往
復運動によって、ピストンポンプ80は、上記した第1
の実施例のピストンポンプ10と同様にして流体の吸入
・吐出を行う。そして、弾性体18の弾性変形により、
上記した第1の実施例のピストンポンプ10と同様に、
吐出圧の上昇に伴う吐出量減少の効果を得ることができ
る。
【0035】上述の如く、本実施例のピストンポンプ8
0においては、ベアリング82のアウタレース86とピ
ストン28との間には摺動は生じず、相対的な転がり運
動のみが生ずる。このため、アウタレース86とピスト
ン28との間に生ずる摩擦力が低減されている。従っ
て、本実施例のピストンポンプ80によれば、モータ1
4のシャフト15に作用する回転抵抗が低減されること
によりモータ負荷が低減され、モータの小型化が可能と
されている。更に、アウタレース86及びピストン28
の当接面における摩耗が低減され、これら部品の寿命を
向上させることができる。
【0036】なお、上記第2の実施例において、ロータ
19が上記したカムに、ベアリング82のアウタレース
86が請求項2記載の環状体に、それぞれ相当してい
る。
【0037】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ポンプ室の圧力に応じてピストンの往復動量を減少
させることにより、ポンプの吐出圧の上昇に応じて吐出
量を減少させることができる。これにより、モータの負
荷を低減させて、モータを小型化することができる。
【0038】また、請求項2記載の発明によれば、モー
タのシャフトに対して偏心された弾性体により、往復動
量減少手段を実現することができる。このため、簡単な
構成で上記した請求項1記載の発明の効果を得るこがで
きる。更に、偏心カムに回動可能な環状体にピストンを
当接させることにより、カムとピストンとの間の摩擦力
を低減させることができる。このため、モータの負荷を
低減させることができ、従って、モータを更に小型化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるピストンポンプの断面
図である。
【図2】本実施例のピストンポンプを図1に示す直線A
−Aに沿って切断した際の断面図である。
【図3】ロータの偏心量とピストンのストロークとの関
係を説明する図である。
【図4】本実施例のピストンポンプの吐出圧と吐出量と
の関係を従来のピストンポンプの場合と共に示す図であ
る。
【図5】本実施例のピストンポンプの吐出圧とモータ負
荷との関係を従来のピストンポンプの場合と共に示す図
である。
【図6】ブレーキ装置における油圧とトータル消費液量
との関係を示す図である。
【図7】モータの負荷トルクと回転数との関係を示す図
である。
【図8】本発明の第2の実施例のピストンポンプの断面
図である。
【符号の説明】
10、80 ピストンポンプ 14 モータ 15 シャフト 18 弾性体 19 ロータ 28 ピストン 40 ポンプ室 82 ベアリング 84 インナレース 86 アウタレース

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータと、該モータにより回転されるカ
    ムと、該カムの回転により往復動されるピストンと、該
    ピストンの往復動により拡張・収縮されるポンプ室とを
    有するピストンポンプにおいて、 前記ポンプ室の圧力に応じて前記ピストンの往復動量を
    減少させる往復動量減少手段を備えたことを特徴とする
    ピストンポンプ。
  2. 【請求項2】 前記往復動量減少手段が前記カムと前記
    モータのシャフトとの間に配設される偏心した弾性体を
    備えると共に、 前記カムが該カムの外周回りを回動することができ、か
    つ、前記ピストンに当接する環状体を備えることを特徴
    とする請求項1記載のピストンポンプ。
JP30142695A 1995-11-20 1995-11-20 ピストンポンプ Pending JPH09144649A (ja)

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