JPH09142623A - ローラーコンベアの分岐構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送物の形状，材質，重量等によりスムーズ
且つ確実に分岐させることができなかったり、多数の連
結部材が必要になったりしていた。また、分岐ローラー
の揺動角度の微調節を行うことができなかった。 【解決手段】 長手方向の中央部に設けられた揺動軸を
中心に水平揺動自在な多数のローラー支持部材１０と、
複数のローラー支持部材１０の各揺動軸から等しい距離
上に枢着されて、それらのローラー支持部材１０を揺動
角が等しくなるように連結する２つの第１連結部材１
２，１２と、２つの支持部材群のそれぞれ少なくとも１
つのローラー支持部材１０の各揺動軸から異なる距離上
に枢着されて、それらの支持部材群の揺動角が異なるよ
うに連結する第２連結部材１３とを有している。ローラ
ー支持部材１０には４つの取付孔２６が設けられてお
り、第２連結部材１３の枢着位置を容易に変更できるよ
うになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、メインコンベアの
側方に接続された分岐コンベア等に搬送物を分岐させる
ローラーコンベアの分岐構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、メインコンベアの側方に接続され
た分岐コンベア等に搬送物を分岐させるローラーコンベ
アの分岐構造として、１本の連結部材で連動可能に連結
した分岐ローラーを全て同じ揺動角で一括して水平揺動
させるものは知られている。また、取付位置を工夫して
多数の連結部材をローラー支持部材間に渡すことによ
り、前方に向かって次第に大きな揺動角で水平揺動させ
るものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、全ての
分岐ローラーを同じ揺動角で一括して揺動させるものに
おいては、分岐される搬送物の進路方向と揺動した分岐
ローラーによる搬送方向とが大きく異なる部分が生じ、
搬送物の形状，材質，重量等によりスムーズ且つ確実に
分岐させることができない場合があった。また、多数の
連結部材により分岐ローラーを次第に大きな揺動角で揺
動させるものにおいては、揺動した分岐ローラーによる
搬送方向を分岐される搬送物の進行方向にほぼ一致させ
ることができるが、多数の連結部材が必要になりコンベ
ア組立作業が面倒である等の不都合があった。さらに、
これら両タイプの分岐構造においては、分岐ローラーの
揺動角度の微調節を行うことができず、組立後における
調整時の対応が困難であった。

【０００４】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、その目的は、少ない数の連結部材で搬送物のスムー
ズ且つ確実な分岐を実現するとともに、分岐ローラーの
揺動角度の微調節を容易に行うことができるローラーコ
ンベアの分岐構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明は、長手方向の中央部に設けら
れた揺動軸を中心に水平揺動自在な多数のローラー支持
部材と、連続する複数のローラー支持部材を揺動角が等
しくなるように連結する第１支持部材と、第１支持部材
で連結された隣り合う支持部材群同士を揺動角が異なる
ように連結する第２連結部材とを有するローラーコンベ
アの分岐構造とする。

【０００６】請求項２記載の発明は、前記第１連結部材
は支持部材群における各ローラー支持部材の各揺動軸か
ら等しい距離上に枢着され、第２連結部材は隣り合う２
つの支持部材群のそれぞれ少なくとも１つのローラー支
持部材の各揺動軸から異なる距離上に枢着されているも
のとする。

【０００７】請求項３記載の発明は、前記ローラー支持
部材には、第２連結部材枢着用の取付孔が揺動軸から異
なる距離となるように複数形成されているものとする。

【０００８】本発明は以下のような作用をなすものであ
る。請求項１記載の発明では、第１連結部材及び第２連
結部材を介して多数のローラー支持部材が連動して、長
手方向の中央部に設けられた揺動軸を中心に水平揺動す
る。同一の第１連結部材で連結された支持部材群は全て
等しい揺動角で揺動し、第２連結部材で連結された隣り
合う支持部材群同士は互いに異なる揺動角で揺動する。

【０００９】

【実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面を用い
て説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実
施の形態に限定されるものではない。尚、本明細書にお
いて、前とは図１右側、後とは同図左側をいい、右とは
図１下側、左とは同図上側をいう。

【００１０】図１において、１は搬送方向を前後方向と
するローラーコンベアであり、多数のローラー２が左右
の側枠３，３間に回動自在に渡されている。ローラー２
の駆動機構として、ローラー２の下方において搬送方向
に沿って設けられた駆動軸４と、ローラー２に下方から
接離自在な伝動ローラー５と、駆動軸４に嵌め止められ
たプーリー６と伝動ローラー５の同軸上に嵌め止められ
たプーリとに掛け渡された伝達ベルト８とを有し、駆動
軸４の回転が伝達ベルト８及び伝動ローラー５を介して
ローラー２に伝達するように構成されている。尚、駆動
軸４はローラーコンベア１のほぼ全長に渡って設けら
れ、モーター（図示略）によって回転させられる。

【００１１】ローラーコンベア１の左側には、ローラー
コンベア１の駆動機構とほぼ同様の駆動機構（図示略）
によって回転させられる多数のローラー３１を有し、搬
送方向を左斜め前方とする分岐コンベア３０が接続され
ている。

【００１２】ローラーコンベア１における分岐コンベア
３０との接続部付近（分岐部）は、搬送方向を前後ある
いは左斜め前方に切り換え自在となされている。この分
岐部には、長手方向（左右方向）の中央部に設けられた
揺動軸を中心に水平揺動自在な多数のローラー支持部材
１０と、ローラー支持部材１０に回動自在に支持された
分岐ローラー１１と、ローラー支持部材１０を連結する
２つの第１連結部材１２，１２及び第２連結部材１３
と、ローラー支持部材１０を水平揺動させる揺動機構
と、分岐ローラー１１を回動させる駆動機構とが設けら
れている。

【００１３】ローラー支持部材１０を水平揺動させるた
めの揺動機構は、水平揺動自在なシリンダ１４と、一端
部を軸に水平揺動自在な揺動アーム１５とを有し、揺動
アーム１５の所定箇所にシリンダ１４のシリンダロッド
先端部が枢着され、揺動アーム１５の他端部が１つ（最
前部）のローラー支持部材１０の所定箇所に枢着されて
いる。この揺動アーム１５には多数のシリンダロッド先
端部枢着用の孔が形成されており、別の孔を利用して揺
動アーム１５とシリンダロッド先端部との枢着点を変更
することにより、容易に分岐ローラー１１の揺動角を変
更することができる。また、揺動アーム１５の他端部に
は回動軸が垂直なガイドローラー１６が設けられ、ロー
ラー支持部材１０にはガイドローラー１６を水平案内す
るガイド部１７が設けられることにより、揺動アーム１
５の揺動がスムーズにローラー支持部材１０に伝達され
るようになっている。このような構成によって、シリン
ダ１４の作動によるシリンダロッドの進退動作に伴っ
て、揺動アーム１５を介してローラー支持部材１０が水
平揺動する。

【００１４】分岐ローラー１１を回動させる駆動機構
は、ローラー支持部材１０の左右中央部下方に前後方向
に沿って設けられた回転軸１８と、前記駆動軸４の駆動
を回転軸１８に伝達する駆動伝達手段１９と、回転軸１
８に所定間隔で嵌め止められたプーリー２０と、このプ
ーリー２０と分岐ローラー１１とに掛け渡された伝達ベ
ルト２１とを有し、これらの駆動伝達手段１９，回転軸
１８（プーリー２０）及び伝達ベルト２１を介して駆動
軸４の駆動が伝達することにより、分岐ローラー１１は
常時回転するような構成となっている。尚、分岐ローラ
ー１１の伝達ベルト２１を掛ける部分（長手方向中央
部）には溝が設けられて、ベルトの掛け位置がずれない
ようにすると共に、ベルトが搬送面上に突出しないよう
になされている。

【００１５】前記回転軸１８の上方に位置するように、
前後に所定間隔で多数（分岐ローラー１１と同数）の円
形開口を有する支持板２２が固定されている。この支持
板２２の上面には開口縁部に沿ってリング部材２３が設
けられている。一方、ローラー支持部材１０において
も、長手方向の中央部に円形開口が設けられると共に、
下面には開口縁部に沿ってリング部材２４が設けられて
おり、両リング部材２３，２４を係合させることによ
り、各ローラー支持部材１０は独立して水平揺動自在に
支持されている。尚、前記伝達ベルト２１は、これらの
両リング部材２３，２４内を貫通して回転軸１８と分岐
ローラー１１とに掛け渡されている。

【００１６】左右の側枠３の分岐部全域に渡って、ロー
ラー支持部材１０の左右両端部を下方から受けて撓みを
防止する受け部材２７が設けられている。この受け部材
２７において、ローラー支持部材１０を受ける部分は樹
脂製となっており、揺動によるローラー支持部材１０の
損傷を軽減している。

【００１７】以上のような構成によって、ローラーコン
ベア１の分岐部における分岐ローラー１１の回転を維持
しつつ、揺動機構の作用により最前部のローラー支持部
材１０を揺動させることにより、第１連結部材１２，１
２及び第２連結部材１３を介して全てのローラー支持部
材１０（分岐ローラー１１）を揺動させることができ
る。

【００１８】ローラーコンベア１の分岐部入口付近に
は、搬送面に対して突出・退入自在なストッパ２８が設
けられている。分岐部を含むローラーコンベア１及び分
岐コンベア３０の所要箇所には搬送物の存否を検出する
センサ（図示略）が設けられており、その検出結果に応
じてストッパ２８を動作させることにより、搬送物同士
の衝突を回避しつつ効率のよい搬送を行うことができ
る。

【００１９】次に、ローラー支持部材１０の連結構造及
び揺動角度について説明する。ローラー支持部材１０
は、長手方向中央部から所定距離上に設けられた取付孔
２５と、長手方向中央部と取付孔２５との間において長
手方向に所定間隔で設けられた４つの取付孔２６とを有
している。但し、本実施の形態では、最前部のローラー
支持部材１０には取付孔２６は設けられていない。

【００２０】分岐部におけるローラー支持部材１０は第
１連結部材１２により２つの支持部材群（前６つと後ろ
５つ）に分割されている。各支持部材群におけるローラ
ー支持部材１０は、取付孔２５を利用して揺動軸（長手
方向中央部）から等しい距離上に第１連結部材１２が枢
着されることにより、揺動時の揺動角が等しくなるよう
に連結されている。

【００２１】第２連結部材１３は、前から６つ目のロー
ラー支持部材１０における内側から２つ目の取付孔２６
と、前から７つ目のローラー支持部材１０における内側
から３つ目の取付孔２６とを利用して、その両端が各ロ
ーラー支持部材１０に枢着されている。このように、各
支持部材群のそれぞれ少なくとも１つのローラー支持部
材１０において、第２連結部材１３の枢着点と各揺動軸
との距離が前方側の方が小さくなっているので、前方側
の支持部材群の方が大きな揺動角で揺動し、揺動した分
岐ローラー１１による搬送方向を分岐される搬送物の進
行方向に近いものにすることができる。

【００２２】ローラー支持部材１０には４つの取付孔２
６が設けられているので、シリンダ１４及び揺動アーム
１５より構成される揺動機構はそのままであっても、別
の取付孔２６を利用して各ローラー支持部材１０に対す
る第２連結部材１３の枢着位置を変更するだけで、容易
に各支持部材群の揺動角を変更することができる。尚、
第２連結部材１３は長さ調節自在となっているので、各
支持部材の枢着点間の距離が変更する場合でも長さを調
節して対応することができる。また、異なる長さの第１
連結部材１２を使用することにより、各支持部材群にお
けるローラー支持部材１０の数を変更して、搬送物の形
状，材質，重量等の違いに容易に対応することができ
る。さらに、ローラー支持部材１０の揺動軸が長手方向
中央部にあるので、揺動機構を含めた周辺構造を少し異
なるものとするだけで、同じような条件で搬送物をロー
ラーコンベア１から右側に分岐させることもできる。

【００２３】

【変形例等】 分岐コンベア３０はローラーコンベア１の横に並行
に並べたコンベアでもよい。 本実施の形態における分岐構造は、分岐コンベア３
０からローラーコンベア１に搬送物を合流させる構造と
して使用することもできる。

【００２４】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されるので、
以下のような効果を奏する。 請求項１記載の発明によれば、同一の第１連結部材
で連結された支持部材群は全て等しい揺動角で揺動し、
第２連結部材で連結された隣り合う支持部材群同士は互
いに異なる揺動角で揺動するので、少ない数の連結部材
にて搬送物のスムーズ且つ確実な分岐を実現することが
できる。 請求項２記載の発明によれば、各支持部材群におけ
る全てのローラー支持部材は等しい揺動角で揺動し、隣
り合う２つの支持部材群同士は異なる揺動角で揺動する
ので、例えば、分岐部における入口側の支持部材群を小
さな揺動角で、出口側の支持部材群を大きな揺動角で揺
動させることにより、ローラー支持部材に回動自在に支
持された分岐ローラーによる搬送方向を分岐される搬送
物の進行方向に近いものにして、少ない数の連結部材で
簡単な構成にて搬送物のスムーズ且つ確実な分岐を実現
することができる。 請求項３記載の発明によれば、前記ローラー支持部
材には、第２連結部材枢着用の取付孔が揺動軸から異な
る距離となるように複数形成されているので、別の取付
孔を利用することにより、各支持部材群の揺動角を容易
に微調節することができ、組立後における調整等を容易
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態に係るローラーコンベアの分岐部
付近の平面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】図１の分岐部における断面図である。

【図４】分岐ローラーの揺動時を示す簡略平面図であ
る。

【符号の説明】

１ ローラーコンベア １０ ローラー支持部材 １１ 分岐ローラー １２ 第１連結部材 １３ 第２連結部材 １４ シリンダ １５ 揺動アーム １８ 回転軸 １９ 駆動伝達手段 ２０ プーリー ２１ 伝達ベルト ２２ 支持板 ２５ 取付孔 ２６ 取付孔 ２７ 受け部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向の中央部に設けられた揺動軸を
   中心に水平揺動自在な多数のローラー支持部材と、連続
   する複数のローラー支持部材を揺動角が等しくなるよう
   に連結する第１支持部材と、第１支持部材で連結された
   隣り合う支持部材群同士を揺動角が異なるように連結す
   る第２連結部材とを有するローラーコンベアの分岐構
   造。
2. 【請求項２】 前記第１連結部材は支持部材群における
   各ローラー支持部材の各揺動軸から等しい距離上に枢着
   され、第２連結部材は隣り合う２つの支持部材群のそれ
   ぞれ少なくとも１つのローラー支持部材の各揺動軸から
   異なる距離上に枢着されている請求項１記載のローラー
   コンベアの分岐構造。
3. 【請求項３】 前記ローラー支持部材には、第２連結部
   材枢着用の取付孔が揺動軸から異なる距離となるように
   複数形成されている請求項２記載のローラーコンベアの
   分岐構造。