JPH091383A - 被接合部材の接合方法およびろう材 - Google Patents

被接合部材の接合方法およびろう材

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JPH091383A
JPH091383A JP7144830A JP14483095A JPH091383A JP H091383 A JPH091383 A JP H091383A JP 7144830 A JP7144830 A JP 7144830A JP 14483095 A JP14483095 A JP 14483095A JP H091383 A JPH091383 A JP H091383A
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Katsutoshi Nozaki
勝敏 野崎
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光矢 細江
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直正 木村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 両被接合部材を強固に接合する。 【構成】 両被接合部材2,5間にろう材8を介在さ
せ、次いでろう材8を加熱して両被接合部材2,5を接
合する。ろう材8は、希土類元素REの含有量が33.
3原子%<RE<50原子%であり、また他の成分元素
L の含有量が50原子%≦EL ≦66.3原子%であ
る合金よりなる。成分元素EL はCu、Co、Feおよ
びNiから選択される少なくとも一種である。ろう材8
は前記加熱下で固液共存状態となる。ろう材8より生じ
た液相は、種々の材質の被接合部材2,5に対して優れ
た濡れ性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被接合部材の接合方法、
特に、両被接合部材間にろう材を介在させ、次いでその
ろう材を加熱して両被接合部材を接合する接合方法の改
良およびろう材にに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、希土類元素を含む永久磁石は、
非常に脆いため機械加工性が悪く、また高温下に曝され
ると、金属組織が変化するためそれに伴い磁気特性が影
響を受ける、といった性質を有する。
【0003】そのため、モータ用ロータにおいて、鋼製
ロータ本体に永久磁石を取付ける場合、あり差し構造、
ねじ止め、溶接等の取付手段を採用することができない
ので、従来は接着剤が用いられている(例えば、特公昭
61−33339号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、接着剤
を用いると、永久磁石の濡れ性が悪いため接合強度が低
く、また温度上昇に伴いその接合強度が著しく低下す
る、といった問題を生ずる。このような状況下ではモー
タの高速回転化の要請に到底対応することはできない。
【0005】本発明は前記に鑑み、両被接合部材を強固
に接合し、且つ後処理を不要にし得る前記接合方法およ
びろう材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、両被接合部材
間にろう材を介在させ、次いで前記ろう材を加熱して両
被接合部材を接合するに当り、前記ろう材は、希土類元
素REの含有量が33.3原子%<RE<50原子%で
あり、また他の成分元素EL の含有量が50原子%≦E
L ≦66.7原子%である合金よりなり、前記成分元素
L はCu、Co、FeおよびNiから選択される少な
くとも一種であり、前記加熱下で前記ろう材を固液共存
状態にすることを特徴とする。
【0007】本発明に係るろう材は、希土類元素REの
含有量が33.3原子%<RE<50原子%であり、ま
た他の成分元素EL の含有量が50原子%≦EL ≦6
6.7原子%である合金よりなり、前記成分元素EL
Cu、Co、FeおよびNiから選択される少なくとも
一種であることを特徴とする。
【0008】
【作用】前記接合方法において、前記組成のろう材を加
熱下で固相と液相とが共存する固液共存状態にすると、
希土類元素REを含む液相が高活性であることから、種
種の材質の被接合部材に対して優れた濡れ性を発揮し、
またろう材が優れた耐酸化性を有することもあって、ろ
う材よりなる接合層を介して両被接合部材が強固に接合
される。この場合、各被接合部材と接合層との間には相
互拡散が生じている。また前記組成のろう材は比較的低
い加熱温度で固液共存状態になるので、加熱による両被
接合部材の特性への影響は回避される。
【0009】さらに、ろう材は接合処理時に固液共存状
態にあって高粘度であるから、両被接合部材間から食出
すことがなく、これにより、食出し部分または食出して
垂下がった部分をグラインダ等を用いて除去する、とい
った後処理は不要となる。
【0010】例えば、一方の被接合部材が脆い場合、両
被接合部材間から食出したろう材が前記一方の被接合部
材の外面に玉状になって付着すると、その一方の被接合
部材にはろう材付着部を起点として割れが生じるが、こ
の問題は、前記のようにろう材の食出しが防止されるこ
とから回避される。
【0011】ただし、ろう材において、希土類元素RE
の含有量がRE<33.3原子%では、ろう材の液相発
生温度が高くなりすぎるため好ましくなく、一方、RE
>50原子%では、保管時および接合処理時ならびに接
合処理後において、ろう材およびそのろう材よりなる接
合層が酸化することがあるので好ましくない。その上、
高価な希土類元素REの含有量が多くなるので、ろう材
の製造コストの上昇を招く。
【0012】また成分元素EL の含有量がEL <50原
子%であるか、EL >66.7原子%であると、33.
3原子%<RE<50原子%の要件を満足することがで
きない。
【0013】前記ろう材において、その組成を前記のよ
うに設定する理由は既述の通りである。したがって、こ
のろう材は優れた濡れ性と耐酸化性を有する。
【0014】NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁
石等の希土類元素を含む永久磁石の濡れ性の悪さは、そ
の結晶粒界に希土類元素濃度の高い相が存在しているこ
とに起因する。前記ろう材より生じた液相は、高活性で
あると共に前記結晶粒界に存する希土類元素濃度の高い
相と同種の成分REを含有することから永久磁石に対し
て優れた濡れ性を発揮する。したがって、前記ろう材
は、希土類元素を含む永久磁石の接合に好適である。
【0015】
【実施例】図1に示す接合体1においては、一方の被接
合部材が、NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁石
等の希土類元素を含む永久磁石2であり、他方の被接合
部材が、冷間圧延鋼板3を積層してかしめ手段4により
一体化した2つの積層体5である。
【0016】永久磁石2と各積層体5との間に加熱工程
を経て形成された接合層6が存在する。各接合層6はろ
う材を前記加熱工程で固液共存状態にすることにより形
成される。なお、各積層体5に存する貫通孔7は引張り
試験においてチャックとの連結に用いられる。
【0017】ろう材は、希土類元素REの含有量が3
3.3原子%<RE<50原子%であり、また他の成分
元素EL の含有量が50原子%≦EL ≦66.7原子%
である合金よりなる。
【0018】希土類元素REには、Y、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一
種が該当し、それらは単体、または混合物であるMm
(ミッシュメタル)、Di(ジジミウム)の形態で用い
られる。また成分元素EL には、Cu、Co、Feおよ
びNiから選択される少なくとも一種が該当する。
【0019】前記組成を有するろう材は、金属組織上、
包晶組織および共晶組織の一方を有していてもよく、ま
たその組織には少なくとも一種の金属間化合物が含まれ
ていてもよい。
【0020】表1,2は、各種ろう材の合金系、組成、
液相発生温度Tmおよび液相発生反応を示す。両表中、
「L」は液相を意味し、これは以下同じである。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表1のNd−Co系合金よりなるろう材に
おいて、Nd含有量が40原子%であるものはCo3
2 単相組織を有する。
【0024】その他のろう材としては、例えばNd含有
量が33.3原子%<Nd<50原子%であるNd−C
u系合金よりなるものを挙げることができる。この場合
の液相発生温度TmはTm=675℃であり、また液相
発生反応は、CuNd→Cu 2 Nd+L(包晶タイプ)
である。
【0025】ろう材の製造に当っては、インゴットを鋳
造し、次いでそのインゴットから薄板状ろう材を切出す
方法、液体急冷法である単ロール法を適用して薄帯を製
造し、次いでその薄帯から箔状ろう材を切出す方法等が
適用される。ろう材の生産性向上の観点からは単ロール
法が優れている。この単ロール法によれば、耐酸化性の
良好な非晶質ろう材を得ることが可能であるが、前記組
成のろう材は、もともと優れた耐酸化性を有するので、
非晶質である必要はない。
【0026】永久磁石2と各積層体5との接合に当って
は、図2に示すように、1つの積層体5の上向きの接合
面b上に1つのろう材8を、またろう材8の上に一方の
接合面aを下向きにした永久磁石2を、さらに永久磁石
2の上向きの他方の接合面a上にもう1つのろう材8
を、さらにまたろう材8の上にもう1つの積層体5を、
その接合面bを下向きにしてそれぞれ重ね合せて重ね合
せ物を作製し、次いで、その重ね合せ物を真空加熱炉内
に設置して、加熱下でろう材8を固液共存状態にし、そ
の後炉冷する、といった方法が採用される。
【0027】前記接合方法において、前記組成のろう材
8を加熱下で固液共存状態にすると、希土類元素REを
含む液相が高活性であることから、永久磁石2および各
積層体5に対して優れた濡れ性を発揮し、またろう材8
が優れた耐酸化性を有することもあって、ろう材8より
なる接合層6を介して永久磁石2と各積層体5とが強固
に接合される。この場合、永久磁石2および各積層体5
と、接合層6との間には相互拡散が生じている。
【0028】NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁
石等の希土類元素を含む永久磁石2は、接合処理時の加
熱温度TがT>650℃になると、その磁気特性、特
に、着磁後の保磁力 IC (磁化の強さI=0)が低下
傾向となる。ただし、残留磁束密度Brおよび保磁力 B
C (磁束密度B=0)は殆ど変わらず、したがって最
大磁気エネルギ積(BH)maxは略一定である。表
1,2に示したろう材8はその液相発生温度TmがTm
≦650℃であって加熱温度T≦650℃で液相を発生
して固液共存状態になるので、接合処理時において永久
磁石2の磁気特性に影響を及ぼすことはない。これは積
層体5の特性についても同様である。
【0029】またろう材8は接合処理時に固液共存状態
にあって高粘度であるから、永久磁石2および各積層体
5間から食出すことがなく、これにより、食出し部分ま
たは食出して垂下がった部分をグラインダ等を用いて除
去する、といった後処理は不要となり、またろう材8の
食出しに起因した永久磁石2の割れ発生を回避すること
ができる。
【0030】接合処理における加熱時間hは、それが長
過ぎる場合には永久磁石2等の特性に影響を与えるの
で、h≦10時間であることが望ましく、生産性向上の
観点からはh≦1時間である。
【0031】なお、永久磁石2に対する着磁処理は前記
接合処理後に行われる。 〔実施例1〕純度99.9%のCeと純度99.9%の
Cuとを、Ce40Cu60合金(数値の単位は原子%、こ
れは、ろう材組成において以下同じである。)が得られ
るように秤量し、次いでその秤量物を真空溶解炉を用い
て溶解し、その後、縦10mm、横10mm、長さ50mmの
インゴットを鋳造した。このインゴットにマイクロカッ
タによる切断加工を施して、Ce40Cu60合金よりな
り、且つ縦10mm、横10mm、厚さ0.5mmの薄板状ろ
う材8を得た。図3に示すように、Ce40Cu60合金は
包晶組織を備え、その包晶組織はCu2 Ce相をCuC
e相で包んだ形態を有する。この場合、包晶点は516
℃である。このろう材8は、大気中に放置しても変色せ
ず、したがって優れた耐酸化性を有する。
【0032】一方の被接合部材として、縦10mm、横1
0mm、厚さ3mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属
社製、商品名NEOMAX−28UH、キュリー点31
0℃)2を選定し、また他方の被接合部材として、厚さ
0.3mmの冷間圧延鋼板3を積層してなり、且つ縦10
mm、横10mm、長さ15mmの積層体5を選定した。
【0033】図2に示すように、1つの永久磁石2と、
2つの積層体5と、2つのろう材8とを重ね合せて重ね
合せ物を作製し、同様の方法で合計20個の重ね合せ物
を作製した。
【0034】次いで、これら重ね合せ物を、真空度10
-5Torrの真空加熱炉内に設置して、加熱温度T=5
30℃、加熱時間h=30分間の加熱工程、それに次ぐ
炉冷よりなる接合処理を行って、図1に示すように各積
層体5と永久磁石2とをそれぞれ接合層6を介して接合
した20個の接合体1を得た。これらの接合体1を例1
とする。
【0035】この接合処理においては、加熱温度TがT
=530℃であって、図3に示す包晶点(液相発生温度
Tm)516℃を超えているので、ろう材8は液相発生
反応、即ち、表1に示したように、CuCe→Cu2
e+Lを生じて固液共存状態となる。
【0036】この加熱温度T=530℃における固相と
液相との割合は、図3に示すようにCu2 Ce:L=
d:cであり、また液相の組成はCe59Cu41であっ
て、Ce濃度が高いことから高活性である。
【0037】各接合体1において、永久磁石2および各
積層体5間からのろう材8の食出しは生じていなかっ
た。また接合体1を大気中に放置しても接合層6の変
色、したがって酸化は認められなかった。
【0038】前記Ce40Cu60合金よりなるろう材8を
用いた場合、図3に示すように包晶点516℃で液相を
生じるので、加熱温度TをT≧516℃に設定すること
により、永久磁石2と各積層体5との接合が可能であ
る。このときの液相の組成はCe60Cu40である。
【0039】加熱温度Tの上昇に伴い液相量が増し、例
えば加熱温度Tの上限値であるT=650℃では液相量
は全ろう材量の略3分の1となる。このときの液相の組
成はCe52Cu48である。
【0040】比較のため、前記同様の1つのNdFeB
系永久磁石2と、前記同様の2つの積層体5と、2層の
エポキシ樹脂系接着剤(日本チバガイギ社製、商品名ア
ラルダイト)とよりなる前記同様の重ね合せ物を合計1
0個作製した。次いで、これら重ね合せ物を乾燥炉内に
設置して、加熱温度200℃、加熱時間60分間の加熱
工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行って、各積
層体5と永久磁石2とをそれぞれエポキシ樹脂系接着剤
を介して接合した前記同様の10個の接合体を得た。こ
れらの接合体を例2とする。
【0041】接合処理直後において、接合体の例1,2
の各10個について室温下で引張り試験を行い、また接
合処理から1ケ月経過後において、接合体の例1の残り
の10個について室温下で引張り試験を行ったところ、
表3の結果を得た。なお、表3の引張強さは平均値であ
り、これは以下同じである。
【0042】
【表3】
【0043】表3から明らかなように、ろう材8を用い
た例1は、エポキシ樹脂系接着剤を用いた例2に比べて
接合強度が高く、その接合強度は150℃の加熱下にお
いても殆ど変わらず、またそのばらつきも小さかった。
例2は室温下における接合強度が低い上にそのばらつき
が大きく、また150℃の加熱下ではその接合強度が室
温下のそれの3分の1に低下することが判明した。
【0044】さらに例1の場合、1ケ月経過後において
も、その接合強度に変化は見られない。これは接合層
6、したがってろう材8が優れた耐酸化性を有すること
に起因する。
【0045】次に、接合処理における真空加熱炉の真空
度を10-1Torrに設定した以外は前記と同様の方法
で、前記接合体の例1に対応する接合体1の例1aを得
た。例1aの総数は10個である。
【0046】接合処理直後において、接合体1の例1a
について室温下で引張り試験を行ったところ、その引張
強さは2.7kgf/mm2 であって、例1aは表3の例1
に示した、真空度10-5Torrの場合と略同等の接合
強度を有することが判明した。これは、ろう材8が優れ
た耐酸化性を有することに起因する。 〔実施例2〕純度99.9%のCeと純度99.9%の
Coとを、Ce40Co60合金が得られるように秤量し、
次いでその秤量物を真空溶解炉を用いて溶解し、その
後、縦10mm、横10mm、長さ50mmのインゴットを鋳
造した。このインゴットにマイクロカッタによる切断加
工を施して、Ce40Co60合金よりなり、且つ縦10m
m、横10mm、厚さ0.5mmの薄板状ろう材8を得た。
図4に示すように、Ce40Co60合金は共晶組織を有
し、その共晶組織はCo2 Ce相とCoCe3 相とより
なる。この場合、共晶点は440℃である。このろう材
8は、大気中に放置しても変色せず、したがって優れた
耐酸化性を有する。
【0047】一方の被接合部材として、縦10mm、横1
0mm、厚さ3mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属
社製、商品名NEOMAX−28UH、キュリー点31
0℃)2を選定し、また他方の被接合部材として、厚さ
0.3mmの冷間圧延鋼板3を積層してなり、且つ縦10
mm、横10mm、長さ15mmの積層体5を選定した。
【0048】図2に示すように、1つの永久磁石2と、
2つの積層体5と、2つのろう材8とを重ね合せて重ね
合せ物を作製し、同様の方法で合計20個の重ね合せ物
を作製した。
【0049】次いで、これら重ね合せ物を、真空度10
-5Torrの真空加熱炉内に設置して、加熱温度T=4
60℃、加熱時間h=30分間の加熱工程、それに次ぐ
炉冷よりなる接合処理を行って、図1に示すように各積
層体5と永久磁石2とをそれぞれ接合層6を介して接合
した20個の接合体1を得た。これらの接合体1を例1
とする。
【0050】この接合処理においては、加熱温度TがT
=460℃であって、図4に示す共晶点(液相発生温度
Tm)440℃を超えているので、ろう材8は液相発生
反応、即ち、表2に示したようにCo2 Ce+CoCe
3 →Lを生じて固液共存状態となる。
【0051】この加熱温度T=460℃における固相と
液相との割合は、図4に示すようにCo2 Ce:L=
d:cであり、また液相の組成はCe67Co33であっ
て、Ce濃度が高いことから高活性である。
【0052】各接合体1において、永久磁石2および各
積層体5間からのろう材8の食出しは生じていなかっ
た。また接合体1を大気中に放置しても接合層6の変
色、したがって酸化は認められなかった。
【0053】前記Ce40Co60合金よりなるろう材8を
用いた場合、図4に示すように共晶点440℃で液相を
生じるので、加熱温度TをT≧440℃に設定すること
により永久磁石2と各積層体5との接合が可能である。
このときの液相の組成はCe 68Co32である。
【0054】加熱温度Tの上昇に伴い液相量が増し、例
えば加熱温度Tの上限値であるT=650℃は液相量は
全ろう材量の略4分の1となる。このときの液相の組成
はCe59Co41である。
【0055】接合処理直後において、接合体の例1の1
0個について室温下で引張り試験を行い、また接合処理
から1ケ月経過後において、残りの10個について室温
下で引張り試験を行ったところ、表4の結果を得た。
【0056】
【表4】
【0057】例1の場合、1ケ月経過後においても、そ
の接合強度は接合処理直後と略同じである。これは接合
層6、したがってろう材8が優れた耐酸化性を有するこ
とに起因する。
【0058】次に、接合処理における真空加熱炉の真空
度を10-1Torrに設定した以外は前記と同様の方法
で、前記接合体1の例1に対応する接合体1の例1aを
得た。例1aの総数は10個である。
【0059】接合処理直後において、接合体1の例1a
について室温下で引張り試験を行ったところ、その引張
強さは2.8kgf/mm2 であって、例1aは表4の例1
に示した、真空度10-5Torrの場合に近似する接合
強度を有することが判明した。これは、ろう材8が優れ
た耐酸化性を有することに起因する。
【0060】図5,6は接合体1としてのモータ用ロー
タを示す。このロータ1は、成層鉄心よりなるロータ本
体(被接合部材)9に、Ce40Cu60合金製ろう材を用
いて複数のNdFeB系永久磁石2を接合したものであ
る。回転軸10のスプライン軸部11はロータ本体9の
スプライン孔12に圧入され、そのロータ本体9の一端
部が回転軸10に溶接部13を介して接合される。
【0061】このロータ1においては、それが1000
0rpm 以上で高速回転してもロータ本体9からの永久磁
石2の脱落は皆無であった。
【0062】なお、本発明は、希土類元素を含む永久磁
石相互の接合にも適用される。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ろう材の
組成および接合処理時におけるろう材の状態を前記のよ
うに特定することによって、両被接合部材を強固に接合
することができる。また両被接合部材間からろう材が食
出すことがないので、食出し部分等の除去、といった後
処理は不要である。さらに、例えば一方の被接合部材が
脆い場合、前記食出し部分がその部材に付着することに
起因したその部材の割れ発生、といった不具合も回避す
ることができる。
【0064】請求項4記載の発明によれば、希土類元素
を含む永久磁石の接合に好適なろう材を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合体の斜視図である。
【図2】永久磁石、ろう材および積層体の重ね合せ関係
を示す斜視図である。
【図3】Cu−Ce系状態図を示す。
【図4】Co−Ce系状態図を示す。
【図5】モータ用ロータの断面図で、図6の5−5線断
面図に相当する。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【符号の説明】
1 接合体 2 永久磁石(被接合部材) 5 積層体(被接合部材) 8 ろう材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両被接合部材(2,5)間にろう材
    (8)を介在させ、次いで前記ろう材(8)を加熱して
    両被接合部材(2,5)を接合するに当り、前記ろう材
    (8)は、希土類元素REの含有量が33.3原子%<
    RE<50原子%であり、また他の成分元素EL の含有
    量が50原子%≦EL ≦66.7原子%である合金より
    なり、前記成分元素EL はCu、Co、FeおよびNi
    から選択される少なくとも一種であり、前記加熱下で前
    記ろう材(8)を固液共存状態にすることを特徴とす
    る、被接合部材の接合方法。
  2. 【請求項2】 前記両被接合部材(2,5)の少なくと
    も一方が希土類元素を含む永久磁石である、請求項1記
    載の被接合部材の接合方法。
  3. 【請求項3】 接合処理時の加熱温度TがT≦650℃
    である、請求項1または2記載の被接合部材の接合方
    法。
  4. 【請求項4】 希土類元素REの含有量が33.3原子
    %<RE<50原子%であり、また他の成分元素EL
    含有量が50原子%≦EL ≦66.7原子%である合金
    よりなり、前記成分元素EL はCu、Co、Feおよび
    Niから選択される少なくとも一種であることを特徴と
    するろう材。
  5. 【請求項5】 包晶組織および共晶組織の一方の金属組
    織を有し、その金属組織は少なくとも一種の金属間化合
    物を有する、請求項4記載のろう材。
  6. 【請求項6】 液相発生温度TmがTm≦650℃であ
    る、請求項4または5記載のろう材。
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CN105057918A (zh) * 2015-09-09 2015-11-18 钢铁研究总院 一种稀土铁基永磁体用带状钎焊料及其制备方法

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