JP3441197B2 - ろう接用ペースト状接合材 - Google Patents
ろう接用ペースト状接合材Info
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Description
材に関する。
いため機械加工性が悪く、また高温下に曝されると、金
属組織が変化するためそれに伴い磁気特性、特に保磁力
I H c (磁化の強さ=0)が低下する、といった性質を
有する。
製ロータに取付ける場合、あり差し構造、ねじ止め、溶
接等の取付手段を採用することができないので、従来は
接着剤が用いられている。
を用いると、永久磁石の濡れ性が悪いため接着強度が低
く、また温度上昇に伴いその接着強度が著しく低下す
る、といった問題を生ずる。このような状況下ではモー
タの高速回転化の要請に到底対応することはできない。
久磁石と異種金属部材とを、その永久磁石の保持力 I H
c を低下させることなく強固にろう接することが可能な
前記ペースト状接合材を提供することを目的とする。
ースト状接合材は、希土類元素を含む永久磁石と異種金
属部材とをろう接すべく、前記永久磁石の保磁力 I H c
の低下を回避し得る加熱温度で液相状態および固液共存
状態の一方の状態となる、希土類元素系合金より構成さ
れた合金粉末と、その合金粉末の粒子相互間を結合する
と共に加熱下で熱分解するバインダとより構成され、前
記希土類元素系合金は、合金元素AEと残部希土類元素
とからなり、前記合成元素AEはCu、Al、Ga、C
o、Fe、Ag、Ni、Au、Mn、Zn、Pd、S
n、Sb、Pb、Bi、GeおよびInから選択される
少なくとも一種であって、その含有量は5原子%≦AE
≦50原子%であり、前記希土類元素はY、La、C
e、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメタルおよびジ
ジムから選択される少なくとも一種であることを特徴と
する。
石の保磁力 I H c の低下を回避することができる。
磁石および異種金属部材の接合面が複雑であっても、そ
の接合材を接合面全体に均一に、且つ必要厚さに容易に
塗布することができ、その際、合金粉末は接合面の微細
な凹部内に進入してそこに固定される。加熱下では希土
類元素を主成分とする合金粉末より液相が生じ、その液
相は高活性であって、永久磁石等に対して優れた濡れ性
を発揮するので永久磁石等を広い接合面積を以て強固に
ろう接することができる。バインダの除去は前記加熱下
で行うか、または接合材を接合面に塗布した後加熱する
ことによって行われる。後者の場合は接合面上に合金粉
末層が形成される。
元素AEの含有量がAE<5原子%であるか、またはA
E>50原子%であると、固液共存状態における液相の
体積分率Vfが低くなるため接合強度が低下する。この
ことから、合金元素AEの含有量は、希土類元素との関
係において共晶組成またはそれに近い組成となるように
設定するのが望ましい。なお、二種以上の合金元素AE
を含有する場合には、それらの合計含有量が5原子%≦
AE≦50原子%となる。
合金よりなる合金粉末とバインダとより構成される。
主成分である希土類元素と、その希土類元素と共晶反応
を行う合金元素AEとから構成される。希土類元素は
Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメ
タルおよびジジムから選択される少なくとも一種であ
る。また合金元素AEは、Cu、Al、Ga、Co、F
e、Ag、Ni、Au、Mn、Zn、Pd、Sn、S
b、Pb、Bi、GeおよびInから選択される少なく
とも一種である。その合金元素AEの含有量は5原子%
≦AE≦50原子%に設定される。
すれば表1の通りである。
合金としては以下のものを挙げることができる。各化学
式において、数値の単位は原子%である(これは以下同
じ)。Nd60Cu40合金、Nd80Cu20合金、Nd50C
u50合金、Nd90Al10合金、Nd80Co20合金、Sm
75Cu25合金、Sm65Cu35合金、La85Ga15合金。
さらに三元系合金としては、Nd65Fe5 Cu30合金
(液相発生温度510℃)およびNd70Cu25Al5 合
金(液相発生温度474℃)を挙げることができる。
っては、それら部材をペースト状接合材、またはバイン
ダを熱分解除去された合金粉末層を介して重ね合せ、次
いでその重ね合せ物を真空加熱炉内に設置して、加熱下
で合金粉末を液相状態または固液共存状態にし、その後
炉冷する、といった方法が採用される。
って異なるが、前記組成の各種希土類元素系合金は比較
的低い加熱温度にて液相状態または固液共存状態となる
のでろう接時において永久磁石等の特性を変化させるよ
うなことはない。
磁石および異種金属部材の接合面が複雑であっても、そ
の接合材を接合面全体に均一に、且つ必要厚さに容易に
塗布することができ、その際、合金粉末は接合面の微細
な凹部内に進入してそこに固定される。加熱下で希土類
元素を主成分とする合金粉末より生じた液相は高活性で
あって、NbFeB系永久磁石等の希土類元素を含む永
久磁石(接着剤や通常のろう材に対して非常に濡れ性が
悪い)および種々の材質の異種金属部材、例えば鋼製部
材に対して優れた濡れ性を発揮するので、永久磁石等を
広い接合面積を以て強固にろう接することができる。ペ
ースト状接合材の塗布に引続いて加熱を行った場合に
は、その加熱下でバインダの熱分解除去が行われる。
久磁石等の特性変化を招来するので、h≦10時間であ
ることが望ましく、生産性向上の観点からはh≦1時間
である。
る接合層の通常の厚さt、即ち、10μm≦t≦100
μmを考慮すると、1μm≦D≦100μmが適当であ
る。この場合、D<1μmでは合金粉末の取扱い性およ
び生産性が低下し、一方、D>100μmでは前記接合
層の厚さ調整が難しくなる。
でもよいが、前記接合層の強度を一層増進させるために
は、合金粉末として、非晶質粒子の体積分率VfがVf
≧50%であるものを用いるとよい。
起点となるような粒界層が存在しないので、結晶質粒子
に比べて耐酸化性が著しく高く、また酸化物の混在も僅
少であり、その上、偏析がなく組成も均一であるからで
ある。
造に当っては、メカニカルグラインディング、ジェット
ミリング、メカニカルアロイング等が適用される。合金
粉末の平均粒径Dmは、条件によって異なるが、メカニ
カルグラインディングの場合通常20μm≦Dm≦50
μm、ジェットミリングの場合通常1μm≦Dm≦5μ
m、メカニカルアロイングの場合通常20μm≦Dm≦
50μmである。
fにてVf≧50%含む合金粉末の製造に当っては、液
体急冷法、例えば超音波ガスアトマイズ、遠心噴霧法が
適用される。この場合、合金粉末の平均粒径Dmは、条
件によって異なるが、通常40μm≦Dm≦50μmで
あり、一般に、粒径DがD≦32μmの粒子は非晶質粒
子である。
するために用いられるものであって、ろう接時の加熱温
度T以下の温度で熱分解するものでなければならない。
このことから、バインダとしては、基本的には合成樹脂
成分と溶剤とを含むものが用いられ、また必要に応じ
て、合金粉末の分散性を良好にすべく界面活性剤が添加
される。
ロース等よりなる。溶剤としては、トルエン、α−テル
ピネオール等が用いられる。界面活性剤としてはアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキルアミノ酸等が用いら
れる。
るが、通常、合成樹脂成分SRは10重量%≦SR≦2
0重量%、溶剤SOは10重量%≦SO≦20重量%、
界面活性剤SAは1重量%≦SA≦3重量%である。 〔実施例1〕 〔A〕ペースト状接合材の製造 純度99.9%のNdと純度99.9%のCuとを、図
1に示すように、共晶組成を有するNd70Cu30合金が
得られるように秤量し、次いでその秤量物を真空溶解炉
を用いて溶解し、その後鋳造を行ってインゴットを得
た。
を用い、次のような方法でメカニカルグラインディング
を行った。(a)インゴットをスタンプミルを用いて粗
粉砕した。(b)粗粉砕物と直径約9mm(3/8イン
チ)の鋼球(材質 JIS SUS316)とを、重量
比にて、粗粉砕物:鋼球=1:20の割合で遊星型ボー
ルミル(商品名Frish P5)の鋼製ポット(材質
JIS SUS316)内に投入した。(c)ポット
内を、真空度10-4Torrまで排気した後乾燥アルゴンガ
スで置換した。(d)公転回転数 150rpm 、ミリン
グ時間 1時間の条件で微粉砕を行った。(e)グロー
ブボックス内で合金粉末を乾式回収した。
の最小粒径が数μm、最大粒径が約100μmといった
ように粒度ばらつきの大きいものであった。
て、粒径DがD≦32μmの合金粉末を得た。この合金
粉末はNd70Cu30合金よりなり、且つ全部の粒子が結
晶質粒子であった。
合金粉末(D≦32μm)、15重量%のアクリル樹脂
および15重量%のトルエンを、グローブボックス内で
十分に攪拌し、これによりペースト状接合材を得た。 〔B〕 ろう接作業異種金属 部材として、図2に示すように厚さ0.3mmの
冷間圧延鋼板1を積層してなり、且つ縦10mm、横10
mm、長さ15mmの直方体状の積層体2を選定した。この
積層体2において、各鋼板1の接合にはかしめ手段3が
用いられている。また積層体2の貫通孔4は引張り試験
においてチャックとの連結に用いられる。
形成された接合面5に、ペースト状接合材を厚さ約70
μmに塗布し、次いで80℃、1時間の条件でペースト
状接合材に乾燥処理を施してトルエンを除去し、その後
ペースト状接合材に熱分解処理、即ち、アルゴンガス雰
囲気中、昇温速度10℃/min にて500℃まで昇温
し、引続きその温度下に30分間保持する処理を施して
アクリル樹脂を除去した。
の接合面5には、結晶質Nd70Cu30合金粉末の粒子相
互間に緩やかな拡散接合が生じていることから、厚さ約
50μmの結晶質Nd70Cu30合金粉末層6が形成され
た。この結晶質Nd70Cu30合金粉末層6は比較的緻密
であり、これは前記のように昇温速度を設定したのでア
クリル樹脂の熱分解が緩徐に行われたことに因る。
さ3mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属社製、商
品名NEOMAX−28UH)7を選定した。
質Nd70Cu30合金粉末層6の上に永久磁石7を、また
永久磁石7の上にもう一つの積層体2をその結晶質Nd
70Cu30合金粉末層6を下向きにしてそれぞれ重ね合せ
て重ね合せ物を作製した。次いで、その重ね合せ物を真
空加熱炉内に設置し、加熱温度T=530℃、加熱時間
h=30分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる冷却
工程を行って、図4に示すように二つの積層体2により
永久磁石7を挟むようにそれら2,7をNd70Cu30合
金よりなる接合層8を介しろう接した接合体9を得た。
このろう接処理においては、加熱温度TがT=530℃
であって、図1に示す共晶点520℃を超えているの
で、結晶質Nd70Cu30合金粉末は共晶組成を有するこ
とから液相状態となる。この場合、接合層8の厚さは2
0μmであった。
ッタによる切断加工を施して、Nd70Cu30合金よりな
り、且つ縦10mm、横10mm、厚さ0.25mmの薄板状
接合材を製作し、この薄板状接合材を用いて前記と同様
の方法で図4に示す接合体9と同一構造の接合体を得
た。この場合の接合層の厚さは60μmであった。
前記同様の二つの積層体2とをエポキシ樹脂系接着剤
(日本チバガイギ社製、商品名アラルダイド)を介し重
ね合せて前記同様の重ね合せ物を作製した。次いで、そ
の重ね合せ物を乾燥炉内に設置して、加熱温度200
℃、加熱時間60分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷より
なる接合処理を行って、二つの積層体2と永久磁石1と
をエポキシ樹脂系接着剤を介して接合した接合体を得
た。
状接合材を用いた接合体およびエポキシ樹脂系接着剤を
用いた接合体について室温下および150℃の加熱下で
引張り試験を行ったところ、表2の結果を得た。
材を用いた接合体8は、室温下および150℃の加熱下
において、エポキシ樹脂系接着剤を用いた接合体に比べ
て接合強度が高く、その接合強度は両環境下において殆
ど変わらず、またそのばらつきも小さかった。接着剤を
用いた接合体は室温下における接合強度が低い上にその
ばらつきが大きく、また150℃の加熱下ではその接合
強度が室温下のそれの3分の1に低下する。
接合材を用いた接合体8は、室温下および150℃の加
熱下において、薄板状接合材を用いた接合体に比べて接
合強度が高い。これは、ペースト状接合材が、その塗布
状態で積層体2の接合面5において各鋼板1の端面に密
着するだけでなく、相隣る両鋼板1間の隙間に進入して
いるので、結晶質Nd70Cu30合金粉末から生じた液相
が接合面5に対して濡れを生じ易く、また液相の付着面
積も拡張されていること、結晶質Nd70Cu30合金粉末
がアクリル樹脂により覆われているので、その酸化の進
行が抑制され、その結果、接合層8において、接合強度
低下の原因となる酸化物の量が少ないこと等に起因す
る。また結晶質Nd70Cu30合金粉末層6の厚さが薄い
ので、ろう接処理後におけるNd70Cu30合金の食出し
量が少なく、したがって後処理が容易である、といった
利点もある。
石等の希土類元素を含む永久磁石7は、ろう接処理時の
加熱温度TがT>650℃になると、その磁気特性、特
に保磁力 IHc (磁化の強さ=0)が低下傾向となる。
ただし、残留磁束密度Brおよび保磁力 BHc (磁束密
度B=0)は殆ど変わらず、したがって最大磁気エネル
ギ積(BH)maxは略一定である。前記ペースト状接
合材を用いたろう接処理において、その加熱温度TはT
=530℃であってT≦650℃であるから、永久磁石
7の磁気特性を変化させるようなことはない。
の結晶粒界に希土類元素濃度、この実施例ではNd濃度
の高い相が存在していることに起因する。前記ペースト
状接合材を用いたろう接処理において、そのNd70Cu
30合金粉末は液相状態となっており、Ndを主成分とす
る液相は、高活性であると共に前記結晶粒界に存するN
d濃度の高い相と主成分を共通にすることから永久磁石
7に対して優れた濡れ性を発揮し、また前記高活性化に
伴い鋼板1よりなる積層体2に対する濡れ性も極めて良
好である。
材を用いることによって、永久磁石7の磁気特性を損う
ことなく、その永久磁石7と積層体2とを強固に接合す
ることができる。
において、ロータの成層鉄心に対する永久磁石7の接合
に適用され、回転数が10000rpm 以上である高速回
転モータの実現を可能にするものである。 〔実施例2〕 市販の粒径約15μmのCu粉末と市販の粒径約300
μmのNd粉末とを、共晶組成を有するNd70Cu30合
金が得られるようにグローブボックス内で秤量して、C
u粉末とNd粉末とよりなる原料粉を得た。
ニカルアロイングを行った。(a)原料粉および直径約
9mm(3/8インチ)の鋼球(材質 JIS SUS3
16)とを、重量比にて、原料粉:鋼球=1:20の割
合で遊星型ボールミル(商品名Frish P5)の鋼
製ポット(材質 JIS SUS316)内に投入し
た。(b)ポット内を、真空度10-4Torrまで排気した
後乾燥アルゴンガスで置換した。(c)公転回転数 1
50rpm 、ミリング時間 200時間の条件で粉砕と圧
着を繰返し行った。この場合、ミリング時間が短いとN
dとCuとが反応しない。100時間程度でNdCu相
が生成され始めるが、Cu相が消失して、共晶反応を生
じるNd相とNdCu相との混相を生成させるためには
ミリング時間は200時間必要である。(d)グローブ
ボックス内で合金粉末を乾式回収した。
の最小粒径が数μm、最大粒径が約100μmといった
ように粒度ばらつきの大きいものであった。
て、粒径DがD≦32μmの合金粉末を得た。この合金
粉末はNd70Cu30合金よりなり、且つ全部の粒子が結
晶質粒子であった。
≦32μm)を用い、実施例1と同様の方法で実施例1
と同一組成のペースト状接合材を得た。
1と同様の積層体2および永久磁石7を用い、実施例1
と同一条件でろう接作業を行って、図4に示す接合体9
と同一構造の接合体を得た。
て引張り試験を行ったところ、表3の結果を得た。表3
には、比較のため実施例1の結晶質Nd70Cu30合金粉
末を含むペースト状接合材を使用した場合のデータも掲
載されている。
イングによる結晶質Nd70Cu30合金粉末を用いた場合
にも、メカニカルグラインディングの場合と同等の接合
強度が得られる。〔実施例3〕 実施例1のNd70Cu30合金よりなるインゴットを用い
次のような方法で超音波ガスアトマイズを行った。
(a)インゴットをグラファイト製るつぼに投入し、不
活性ガス雰囲気下で高周波溶解を行うことにより溶湯を
調製した。(b)石英ノズルの、直径1.5mmのノズル
孔より溶湯を流下させ、その流下する溶湯に、圧力10
0kgf/cm2 の冷却用ヘリウムガスを噴射してNd70C
u30合金粉末を得ると同時にそれを急冷凝固した。
粉末はその平均粒径Dmが40μm≦Dm≦50μmで
あった。そこで、Nd70Cu30合金粉末に篩別処理を施
して、粒径DがD≦32μmのNd70Cu30合金粉末を
得た。
金粉末およびNd70Cu30合金インゴットのX線回折結
果を示し、Nd70Cu30合金粉末においては2θ≒30
°に幅広のハローパターンが観察され、このことから、
Nd70Cu30合金粉末は非晶質単相組織を有し、したが
って非晶質粒子の体積分率VfがVf=100%である
ことが判明した。
(D≦32μm)を用い、実施例1と同様の方法で実施
例1と同一組成のペースト状接合材を得た。
1と同様の積層体2および永久磁石7を用い、実施例1
と同一条件でろう接作業を行って、図4に示す積層体9
と同一構造の接合体を得た。
て引張り試験を行ったところ、表4の結果を得た。表4
には、比較のため実施例1の結晶質Nd70Cu30合金粉
末を含むペースト状接合材を使用した場合のデータも掲
載されている。
u30合金粉末を含むペースト状接合材を用いた接合体
は、室温下および150℃の加熱下において、結晶質N
d70Cu30合金粉末を含むペースト状接合材を用いた接
合体に比べて接合強度が高い。これは、非晶質Nd70C
u30合金粉末の場合、耐酸化性が著しく高く、また酸化
物の混在が僅少であり、その上組成が均一であるからで
ある。 〔実施例4〕 実施例1のNd70Cu30合金よりなるインゴットを用い
次のような方法で遠心噴霧法を行った。(a)インゴッ
トをグラファイト製るつぼに投入し、不活性ガス雰囲気
下で高周波溶解を行うことにより溶湯を調製した。
(b)石英ノズルのノズル孔より、その下方で回転する
略円錐台形をなす円盤のテーパ外周面上に溶湯を噴出さ
せ、その溶湯を円盤の遠心力により飛散させることによ
って滴状物を形成し、その滴状物を冷却用ヘリウムガス
により急冷凝固してNd70Cu30合金粉末を得た。
である。即ち、ノズル孔の直径 0.3mm、ノズル孔か
らの溶湯の噴出圧 1kgf/cm2 、円盤の構造 カーボ
ン製本体の表面にZrO2 を低温溶射したもの、円盤の
大端径 70mm、円盤のテーパ角度 150°、円盤の
回転数 15000rpm 、ヘリウムガスの噴出圧 10
kgf/cm2 である。
粉末には、ガスアトマイズと異なり、球形をしたものの
外に偏平なものも含まれており、その偏平なもののアス
ペクト比は2〜3であった。このアスペクト比は偏平な
ものの平面において、縦の長さをx、横の長さをy、ま
たx<yとしたとき、y/xとして求められた。Nd70
Cu30合金粉末の平均粒径(偏平なものについては横の
長さyの平均値)Dmは70μm≦Dm≦80μmであ
り、そこで、Nd70Cu30合金粉末に篩別処理を施し
て、粒径DがD≦32μmのNd70Cu30合金粉末を得
た。
粉末についてX線回折を行ったところ、実施例3同様に
非晶質単相組織を有することが判明した。
(D≦32μm)を用い、実施例1と同様の方法で実施
例1と同一組成のペースト状接合材を得た。
1と同様の積層体2および永久磁石7を用い、実施例1
と同一条件でろう接作業を行って、図4に示す接合体9
と同一構造の接合体を得た。
て引張り試験を行ったところ、表5の結果を得た。表5
には、比較のため、実施例3の非晶質Nd70Cu30合金
粉末を含むペースト状接合材を使用した場合のデータも
掲載されている。
る非晶質Nd70Cu30合金粉末を用いた場合にも、超音
波ガスアトマイズの場合と同等の接合強度が得られる。
リル樹脂等の合成樹脂成分の除去は、前記のようにろう
接処理に先立って行うことは必須要件ではなく、ろう接
処理中において前記除去を行うことも可能である。
て、その接合強度向上の観点からは、前記実施例のよう
に永久磁石に含まれる希土類元素と、ペースト状接合材
における合金粉末の主成分である希土類元素とを一致さ
せるのが望ましいが、例えば、Ndを含む永久磁石の接
合に当り、Laを主成分とする合金粉末を用いたり、ま
たSmを含む永久磁石の接合に当り、Smを主成分とす
る合金粉末の外にLa、Ce、Nd、Pr等を主成分と
する合金粉末を用いても前記と略同等の接合強度を得る
ことができる。
ことによって、希土類元素を含む永久磁石と異種金属部
材との接合において、永久磁石の保磁力 I H c を低下さ
せることなく接合強度を高めることが可能なペースト状
接合材を提供することができる。
図である。
ゴットのX線回折図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 希土類元素を含む永久磁石(7)と異種
金属部材(2)とをろう接すべく、前記永久磁石(7)
の保磁力 I H c の低下を回避し得る加熱温度で液相状態
および固液共存状態の一方の状態となる、希土類元素系
合金より構成された合金粉末と、その合金粉末の粒子相
互間を結合すると共に加熱下で熱分解するバインダとよ
り構成され、前記希土類元素系合金は、合金元素AEと
残部希土類元素とからなり、前記合成元素AEはCu、
Al、Ga、Co、Fe、Ag、Ni、Au、Mn、Z
n、Pd、Sn、Sb、Pb、Bi、GeおよびInか
ら選択される少なくとも一種であって、その含有量は5
原子%≦AE≦50原子%であり、前記希土類元素は
Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメ
タルおよびジジムから選択される少なくとも一種である
ことを特徴とするろう接用ペースト状接合材。 - 【請求項2】 前記合金粉末の粒径Dが1μm≦D≦1
00μmである、請求項1記載のろう接用ペースト状接
合材。 - 【請求項3】 前記合金粉末において、非晶質粒子の体
積分率VfがVf≧50%である、請求項1または2記
載のろう接用ペースト状接合材。
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