JPH09137300A - ステンレス鋼からなる帯板製品を製造するための方法及び設備 - Google Patents
ステンレス鋼からなる帯板製品を製造するための方法及び設備Info
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Abstract
スケールをほぼ100%除去し、表面粗さを1〜2μm
Ra程度にする。 【解決手段】 a)送り込まれる焼なまししない熱間圧
延帯板のストレッチ兼ロール式矯正によってスケールを
破壊する工程、b)幾度か交互にアノード、カソードに
接続される帯板の極を有するアルカリ性電解質の中で電
解酸洗する工程、c)直接前後して設けられる複数のア
ノード接続電極と、それに対応した帯板のカソード極
と、それに続いて、カソード接続電極によって生成され
る帯板のアノード極とを有する前記電解質又は他の電解
質内で引き続き行われる酸洗工程、d)帯板表面の研磨
処理工程、e)専らカソードに接続される複数の電極と
帯板のアノード極とを有する少なくとも1つのアルカリ
性電解質内で再度行われる電解酸洗工程、f)帯板表面
の洗浄、ブラッシング、再洗浄、乾燥、等の再処理工
程。連続する上記工程の組合せ。
Description
とブラスト装置とブラシ等の研磨性表面清浄装置と電解
酸洗浴と洗浄機と再処理装置と場合によっては後続加工
装置とからなるスケール除去設備内で、ステンレス鋼、
特にクロム合金成分を多く含む鋼種AISI300、4
00のステンレス鋼、からなる焼なましする熱間圧延帯
板、及び焼なまししない熱間圧延帯板を連続的に処理す
るための方法及び装置に関するものである。
合金成分を多く含む鋼種AISI300、400の帯板
製品、を製造する場合、成形の点で及び結晶組織を形成
するうえで、製品の熱技術的処理が決定的役割を演じ
る。個々の生産段階において1200℃を超えるまでの
温度に達するこれらの熱処理では、生産及びプロセスに
制約されて無酸素雰囲気中で作業することができないの
で、スケーリング過程とも称される酸化過程が避けられ
ない。
成する酸化皮膜はその後の生産工程、特に成形する圧延
工程のときにきわめて望ましくなく邪魔になるだけでな
く、ごく微量のスケールが鋼帯表面上に残るだけでも生
産工程内で鋼の望ましい表面品質を達成するのを不可能
とするので、このような酸化皮膜は生産経過のなかで繰
り返し除去されねばならない。
が耐食性であることを思い浮かべるなら、ステンレス鋼
からのスケール層の除去は、応用されるべき技術及びそ
れに伴うプロセス制御に対して特別の要求を提起する。
空気、との物質移動が、対応する反応生成物、例えば
“錆”、を生成しながらステンレス鋼の表面を介して、
きわめて緩慢に経過し得るにすぎないことを意味する。
ん通常の雰囲気条件のもとでも、即ち空気の中でも、ご
く僅かな格子欠陥を有することを特徴とするいわゆる不
動態皮膜を生成する。この格子欠陥が少ないことによ
り、拡散過程(イオン輸送を介した物質移動)は非常に
緩慢に経過するだけであり、従ってきわめて緩慢な皮膜
成長が起き得るだけである。
ンレス鋼の不動態皮膜は、さまざまな混晶形状の厚さ数
原子層(1〜20nm)にすぎない酸化皮膜、水酸化物
及び、微量の鉄元素を含有し、主に、ここで問題とする
鋼に特徴的な合金元素クロム(Cr2 O3 )の化学的に
きわめて安定した酸素化合物からなる。鋼合金中のクロ
ム元素は、生産過程の途中の個々のスケーリング過程に
おいても、従って当然にスケール層除去技術において
も、後になお詳しく述べるように特別の役割を演じる。
殊鋼製品の表面品質−−技術的に表現するならその粗さ
−−が、かかる製品の利用範囲にとって大きな役割を演
じる。耐食性と表面品質は、純粋な材料パラメータと並
んで、特殊鋼製品の最も重要な特徴的特性である。
中で圧延操作にかけられ、そこでは帯板が板厚を強制的
に低減しながら圧延されて長くなり、従って面積も大き
くなる。
操作が区別される:素材、例えばスラブ、が圧延操作の
ために約1250℃の温度に加熱されるとき、得られる
製品は熱間圧延帯板と呼ばれる。しかし鋼帯が室温で圧
延操作にかけられとき、この製品は冷間圧延帯板と称さ
れる。
に熱間圧延帯板では比較的大きな板厚が処理され、冷間
圧延帯板では当然に比較的小さな板厚が処理される。個
々の生産ラインの厚さ範囲は多かれ少なかれ重なり合う
ことがある。
鋼製品としてのいわゆるスラブから出発して、まず、部
分的に何回かの熱間圧延パスにおいて、そして一定の板
厚以降は最終的冷間圧延パスにおいて、希望する板厚及
び表面品質を有する冷間圧延帯板が製造される。
配的条件のもとで、鋼表面上に明確なスケール層の生成
をもたらすだけでなく、更には鋼母材の望ましくない結
晶構造及び組織構造をもたらす。
によって、オーステナイト系ステンレス鋼(鋼種AIS
I300)からの変態によって完全再結晶組織が得られ
る。
れ、圧延操作の間及びそれに続く冷却のとき再結晶がコ
イル中で部分的に経過し得るにすぎないので、熱間圧延
帯板はその中心に、部分的には横断面全体にわたって
も、再結晶せずに長く延びている粒塊を有する。鋼種A
ISI400のフェライト系ステンレス鋼では、−−再
結晶と並んで−−焼なまし操作によって、圧延後の冷却
時に生成するマルテンサイト組織(=球状炭化物として
の溶解炭素の析出と高転位密度の減退)の球状化焼なま
しが達成されねばならない。
えばAISI409、439の安定化フェライト鋼(炭
素は炭化チタンTiCとして安定結合されている)に
は、球状化焼なましが必要でない。
するのに不可欠なこの焼なまし操作において連続したフ
ェライト若しくはオーステナイト組織構造を達成する場
合フェライトでは800〜900℃の材料温度、オース
テナイトでは1200℃までの材料温度が達成されねば
ならず、この焼なまし操作でも鋼表面のスケール化が進
む。酸化物生成の質は、及び量も、適切なプロセス制御
によって限界内で調節することができる。この点につい
ては後になお言及する。
は圧延スケールと称され、それに合わせて、前記焼なま
し操作時に鋼表面上に生じるスケールは焼なましスケー
ルと称される。前記2種類のスケールは特徴的に相違し
ており、この相違はスケール発生時の初期条件及び境界
条件にその起源がある。この点に以下なお詳しく言及す
る。
SI300、400のステンレス鋼、の製造中のスケー
リング過程に伴って、一方で帯板を後続の他の圧延操作
のために準備するために、他方で帯板を、従って当然に
帯板表面も、品質の点で期待された状態とするために、
前記スケール層を後続の他の工程において繰り返し完全
に除去するという課題が同時に且つ必然的に生じる。
でのスケール生成は確かに複雑で、一連のさまざまなパ
ラメータ及び条件に依存してはいるが、しかしこのスケ
ール生成の根底には基本的に以下の機構がある:
及び酸素圧に応じて、さまざまに生成する酸化物の皮
膜、ウスタイト(FeO)、マグネタイト(Fe
3 O4 )及び/又はヘマタイト(Fe2 O3 )、が生じ
る。いかなる酸化物が気相と平衡して安定しているの
か、酸化生成物の皮膜系列がいかなるものであるのかは
熱力学的法則性とデータとに基づいて予想することがで
きる。酸化皮膜の成長はさしあたり表面反応によって決
定されており、時間に線形に依存する。酸化皮膜の厚さ
が大きくなると、酸化物中での拡散過程が速度を決定す
るものとなり、放物線則が妥当する。酸化物中での拡散
はイオン格子の無秩序置換、空格子点又は中間格子原子
によって可能となる。
を有する酸化物は緩慢に成長するだけであり、高温腐食
に対する良好な保護層となることができる。保護性酸化
皮膜を生成するのはクロム、アルミニウム及びケイ素の
合金元素である。
合金が、十分な遊離酸素含有量を有する雰囲気中で12
00℃までの温度で焼なましされると、気相と金属相と
の界面に、安定し連続した(Cr,Fe)2 O3 混合酸
化皮膜が自然に生成する。この連続皮膜は、気相の酸素
と鋼合金の元素とにとって、その下にある鋼合金元素の
それ以上の酸化を殆ど防止する拡散障壁である。金属母
材表面でのこの混合酸化皮膜の生成と同時に、金属母材
は深部に至るまでクロムが欠乏していく。
伴って同時にその下にある金属母材のクロムが欠乏する
ことは、酸素と結合して安定酸化物となるクロムの高い
親和力で説明することができる。熱力学的安定線図から
読み取ることができるように、アルミニウム、ケイ素、
マンガン及びクロムは酸素圧力がきわめて低い場合でも
既に酸化され、それ故に、低酸素含有量の雰囲気中で酸
化皮膜を生成する。鉄及びニッケル上に酸化皮膜を生成
するのに必要な酸素圧力は10桁程度だけ高い。酸化過
程は−−酸化物相との界面にかけて−−金属母材中でク
ロム成分の強い濃度勾配をもたらし、これにより、金属
母材の深部にある皮膜から界面方向へのクロムの拡散が
引き起こされ、またそこで酸化反応が引き起こされる。
個々の酸化物相及び熱処理中の外部雰囲気のなかで物
理、化学的に誘導されるこれらの過程によって、他の合
金成分に比べて強力にクロムが金属母材の表面近傍皮膜
から、生成するスケール層の方向に輸送され、こうし
て、生成する混合酸化皮膜の下方で金属母材の表面近傍
皮膜中で合金元素クロムの濃度低下が現れる。
のうちこの効果が起きた表面近傍皮膜は金属母材のクロ
ム欠乏域と称される。
金属母材のそれ以上の酸化はきわめて緩慢に経過し得る
だけである。しかしこの保護性皮膜の破壊が起きると、
その下にある金属母材の酸化はきわめて迅速に進展す
る。この箇所を再被覆する“治療的”混合酸化皮膜は、
その下にある金属のクロム含有量が特定濃度−−温度7
00℃のとき約18.5%;温度1000℃のとき約1
5.5%−−を下まわらないときにのみ生成可能であ
る。
膜を生成することができない場合、その他のプロセス経
過において酸化が起きて(Fe,Cr)3 O4 スピネル
構造が生成する。このスピネル構造は前記混合酸化皮膜
よりも劣る拡散障壁である。酸化速度は、その他の条件
が同じ場合、Cr16%〜8%のとき約10桁の数倍だ
け増加する。
に、焼もどし雰囲気中の不十分な遊離酸素成分に基づい
て、又は合金中のクロム含有量が過度に低すぎることに
基づいて、それ以上の酸化から保護する性質を有する安
定連続混合酸化皮膜を生成することができない場合、さ
しあたり金属表面に(Fe,Cr)3 O4 スピネル層が
生成する。Feイオンはこのスピネル層を比較的迅速に
拡散透過し、次に酸化物と気体との界面で酸化されて酸
化鉄、ウスタイトFeO、マグネタイトFe3O4 及び
/又はヘマタイトFe2 O3 となる。
−内層がFe−Cr酸化物、外層がFe酸化物−−から
なる。この顕著な二重構造の生成はFe、Cr酸化皮膜
中でCrに比べてFeの運動性がはるかに大きいことで
説明することができ、そのことから、Feとは異なりご
く僅かなCrが所定の条件のもとでこのFe、Cr酸化
皮膜を通過することができ、こうして殆ど純粋Fe酸化
物が外側スケール層中に生成することになる。
の相対運動性は下記の順番で表すことができる: Mn2+>Fe2+>Co2++>Ni2+>Cr2+ かかる条件のもとで金属の酸化は、保護性皮膜によって
妨げられることなく、一貫して持続する。
離酸素分圧と金属合金中に十分なクロム成分が存在する
ことに基づいて、金属母材のそれ以上の酸化から保護す
る(Cr,Fe)2 O3 層が生成する場合、スケール厚
は1.0μm前後である。この条件のもとでスケール厚
は焼なまし時間には僅かに依存するだけである。スケー
ルは実質的に混合酸化物(Cr,Fe)2 O3 からな
る。
い場合、又はそれが破壊される場合、その下にある材料
は更に酸化することになる。
のに十分なクロム成分がこの材料中に存在する場合、そ
れ以上の酸化からやはり保護する“治療的”混合酸化皮
膜が生成することになる。この場合スケール厚は数μm
程度であり、障害の度合いに依存する。スケールはこの
場合にも殆ど混合酸化物(Cr,Fe)2 O3 からな
る。
ない場合、又は焼なまし条件−−焼なまし雰囲気中の過
度に低い遊離酸素分圧−−に基づいて前記混合酸化皮膜
を生成することができない場合、金属の酸化は一貫して
持続する。この場合実質的にまず(Fe,Cr)3 O4
スピネル構造が生成し、次にきわめて厚い酸化鉄層が生
成する。この場合スケール厚は焼なまし時間の関数であ
り、数101 μm〜103 μm程度のことがある。
又はウォーキングビーム式加熱炉内で約1200〜12
50℃の温度に加熱される場合、これらの条件のもとで
は安定連続混合酸化皮膜を生成することができない。む
しろ、金属との相境界に(Fe,Cr)3 O4 スピネル
層が生成し、その上に酸化鉄からなる表層が生成する。
メートルである。このスケール層は、第1ロールスタン
ドに進入する前に、スケール洗浄機において100〜2
00barの高圧水を吹付けて除去される。スラブ上に
残存するスケールは圧延時に材料表面に圧着されて、い
わゆるスケール疵を残すことになろう。そのことから完
成品が排除されることになる。しかし熱間圧延の間に持
続的に新たなスケールが生じ、このスケールは圧延操作
時の機械的応力を受けてさまざまに割れ、広幅熱延帯鋼
圧延機のスタンドの前及びスタンドの間で繰り返し高圧
水を吹付けて除去される。仕上圧延機の最終スタンドか
ら帯板は900〜1000℃の温度で進出する。帯板表
面はきわめて薄い酸化皮膜(<1mym)で覆われてい
る。
び巻取りコイルとして冷却するとき、スケール層は5〜
10μmの厚さに成長する。スケールは金属との相境界
の(Fe,Cr)3 O4 スピネルと酸化鉄表層とからな
る。560℃より上では酸化鉄は主としてウスタイトF
eOからなる。比較的低い温度においてウスタイトはマ
グネタイトFe3 O4 とそのなかに埋封される鉄粒子と
に分解する。更に、強酸化性条件のもとで主に帯板の縁
に、そしてコイルの外壁と内壁に、ヘマタイトFe2 O
3 表層が生成することがある。冷却の間にスケールに割
れが生じる。
mであり、Cr濃縮スケール層は厚さが約2μmであ
る。リール温度の低下に伴って金属表面のCr濃縮スケ
ール層の厚さとCr欠乏層の厚さは低下する。
面がベル形焼なまし炉内で長時間焼なまし(>20h)
にかけられると、拡散過程によって、金属との相境界で
Cr濃縮スピネル層が増大し又金属表面でCrが著しく
欠乏することになる。スピネル層は厚さが約3μmであ
り、そのCr含有量は焼なまし処理以前よりもかなり高
い。Cr欠乏域は5μmまでの幅になることがある。全
スケール層は厚さが10〜15μmである。酸化皮膜上
にしばしば薄い鉄層(還元酸化鉄)がある。
焼なまし時間と制御可能な酸素分圧とでもって熱間圧延
帯板の焼なましを行うと、全スケール層厚がやはり10
〜15μmに上昇する。しかしCr欠乏は焼なまし時間
が短いので僅かな範囲で起き得るだけであり、Cr欠乏
域は厚さが約2μmであり、母材金属との相境界の酸化
皮膜中のCr濃縮度も小さい。熱間圧延帯板上のかかる
焼なましスケール層の除去に関して付言するなら、適切
に焼なましされた冷間圧延帯板の場合のような連続混合
酸化皮膜を焼なましスケール層は備えていない。それ故
に、これらのスケール層も冷間圧延帯板上の匹敵するス
ケール層よりも因数10だけ厚い。
スケール表面は高い割合の酸化鉄と埋封されたCr濃縮
酸化物とを示す。クロム欠乏域又は母材との電解結合に
よって、化学的酸洗に不可欠な局部電池をスケール層と
ともに生成することができ、そして並行して現れる酸化
物薄膜の下に潜入し、これを飛散する機構によって酸中
でクロム欠乏域又は母材を迅速に溶かすための適切な電
位を発生することができるとき、酸化鉄がこの面積割合
のときの混合酸化皮膜は、化学的にきわめて安定であ
り、酸洗剤にとって透過性であり(しかし酸化物は酸又
は酸混合物中できわめて緩慢に溶ける)、経済的に関心
のある酸洗率で酸によってスケール薄膜を除去する。し
かし前記局部電池の発生はきわめて緩慢に起きるだけで
あり、かかる熱間圧延帯板スケールの場合酸中で経済的
な酸洗率を達成することはできない。
ようなスケール層は、経済的酸洗率を達成するためにク
ロム欠乏層、又は母材の十分な自由面が露出するよう
に、その部分がブラスト及び/又はブラッシング等の物
理的操作によって除去される。
スケール除去操作においてクロム欠乏層若しくは母材の
臨界的な面積割合だけでなくきわめて大きな面積割合も
露出するので−−しかもクロム欠乏層は冷間圧延帯板の
場合ほどに顕著ではなく、それ故にこの層の厚さは過度
に大きくもないので−−混合酸中の個々の成分の濃度を
適切に選択した場合、高い酸洗率で酸洗することができ
る。
冷却後に金属組織の再結晶をさせるために行われる。こ
れは、熱間圧延と冷却とによって起きる強度値の上昇が
減退することと同意である。しかし鋼種AISI300
の材料と鋼種AISI400の材料の80%とにおいて
強度上昇は10〜20%にすぎない。これらの材料は焼
なまし操作なしに(50〜80%)冷間加工することが
できよう。しかし鋼種AISI400の材料の残りの2
0%は冷間加工前に焼なましされねばならない。
個々の処理段階が下記の設備構成で行われた: あらゆる材料の熱間圧延帯板処理 −焼なまし、 −ブラスト、 −酸化性酸中での酸洗、 しばしば電解酸洗を前段に設ける(しかし材料ブラスト
時の効率は20〜30%にすぎない)。その後、希望す
る仕上厚で冷間圧延帯板を製造するために、13パスま
での可逆圧延機において冷間加工が行われる。
合、この設備構成でもって粗さ度4〜6Raμmの帯板
が作製される。
度に応じて、下記処理段を有する冷間圧延帯板焼なまし
・酸洗ラインにおいて1回又は2回の操業で行われる: −焼なまし、 −電解酸洗、 −酸化性酸中での酸洗。
材料固有の経済的、生態学的下記パラメータに関して次
の重大な欠点が生じる。 1.酸洗最終製品としての熱間圧延帯板は4〜6Raμ
mの表面粗さで作製される。 2.冷間圧延帯板は3つの独立した工程 −熱間圧延帯板の焼なましと酸洗、 −冷間加工、 −冷間圧延帯板の焼なましと酸洗、 において作製される。これは高いエネルギ費、人件費、
輸送経費及び高い環境負荷と結び付いている。
延帯板から仕上冷間圧延帯板に至る操作系列を1ライン
において可能とする方法が既に開発された。そこでは下
記工程が1生産ラインに設けられる。つまり −(焼なましをせず又は焼なましをする)熱間圧延帯板
の機械的スケール除去、 −2〜5スタンド内での冷間圧延、 −焼なまし、 −酸洗。
去によってスケールの100%除去が可能ではなく、依
然として、表面粗さ値の高い酸洗熱間圧延帯板が作製さ
れる。後続の工程である冷間圧延において完璧な表面を
生成することができるようにするために、冷間圧延帯板
の最適な表面品質用にスケールの100%除去が必要で
あるとの最も重量な条件は守ることができない。
技術の前記問題点及び欠点から出発して、経済的な方式
で1ラインにおいて酸洗ステンレス熱間圧延帯板(ステ
ンレス鋼種AISI300、400)を−−他の処理前
に熱間圧延帯板として焼なましされねばならない例えば
フェライト430等の材料品質でも−−僅かに1〜2μ
mRaの表面粗さで製造し、1回の操業で100%スケ
ールを除去し、圧延操作に応じて厚さを50〜80%減
少させ、焼なましし、スケール除去し仕上げることを可
能とする方法及び設備を提供することである。同時に、
反射率が著しく低下することを表面の良好な暗色化によ
って確保するために、冷間加工前に100%スケールの
ない帯板が不動態皮膜を有することが確保されねばなら
ない。
に、請求項1、4の特徴によって述べられた2つの方法
が、それぞれ焼なましする熱間圧延帯板若しくは焼なま
ししない熱間圧延帯板用に、提案される。
請求項7で保護されている。本発明によって、帯板の表
面粗さを大きくすることなく、若しくは、所要のスケー
ル除去操作が表面粗さを高めた割には帯板の表面粗さを
低減しながら、冷間加工前に熱間圧延帯板の100%ス
ケール除去を確保することに成功した。
て焼なましされねばならない例えばフェライト430等
の材料品質にとって特に重要である。冒頭に述べたよう
にその際に発生するスケールは従来は酸洗技術では経済
的には除去することができなかった。スケールを除去す
るために、例えばブラスト装置、ブラシ、研磨粉等の機
械的装置によってクロム欠乏層又は母材の十分な自由面
を露出させねばならない。
表面のブラストが最も効率的、最も経済的な解決策であ
ることが判明した。しかしこれは表面粗さが6μmRa
にまで上昇する欠点と結び付いている。本発明による方
法及び設備は、これらの材料に関しても研削ブラシを利
用して1.0〜2μmRaへの表面粗さの低減を実行す
る技術的可能性を有する。
他の利点はスケール除去帯板の反射率に現れる。冷間圧
延ステンレス鋼帯は知られているように反射率が高く、
この高い反射率は引き続き焼なましするとき比較的高い
装置費及びエネルギ費を必要とする。この理由から、帯
板が冷間加工前に100%スケール除去され、但し不動
態皮膜を有するように、スケール除去設備を設計するこ
とが経済的理由から有利である。この不動態皮膜は、冷
間圧延時に表面欠陥を生じないように最大で100ナノ
メートルの膜厚を有すべきであり、しかし反射率を著し
く下げるために表面の良好な暗色化も確保すべきであろ
う。
発明は考慮しており、本発明は多機能技術ユニットとし
て構想されて、以下のことを可能とする: 1.ステンレス鋼種AISI300、400のあらゆる
材料の焼なまししない熱間圧延帯板も焼なましする熱間
圧延帯板も100%スケール除去、 2.ブラストによって熱間圧延帯板の表面粗さを高める
ことなく焼なまししない熱間圧延帯板の100%スケー
ル除去、 3.ブラスト装置によって高くなった焼なましする熱間
圧延帯板の表面粗さを研削ブラシによって下げる可能性
を有してこの帯板の100%スケール除去。 4.後続の圧延操作を妨げない不動態皮膜をすべての帯
板に備えることができ、但し、あらゆる酸化物を取り除
かれた熱間圧延帯板の表面は帯板の反射率が著しく低下
するように着色される。
ル除去設備は、まったく新規な構想の電解酸洗機と、そ
れと対にされたそれ自体公知の個別の装置からなる。
ール除去を可能とし若しくは容易とするために、そして
良好な扁平帯板を作製するために、このスケール除去設
備は、スケールブレーカ及びストレッチ式矯正機として
働く装置からなる。
迅速な発生と経済的酸洗とのために必要な露出酸化物面
を生成するために、ブラスト装置(帯板速度に応じて1
〜n個の装置)が後段に設けられる。それに続く電解酸
洗機は、公知の電解酸洗システムに従った電解槽内で、
その新規な構想において、電流の流れをアノード長1/
3、カソード長2/3に接続して作動することを提供す
る。電解槽の数(n)は帯板通過速度に合わせられる。
これらの電解槽の後段に、2を超える数のアノードを給
電部として含む電解槽が設置される。それに続く電解槽
は1つのカソードを含むだけである。このカソードは整
流器を介してアノード電解槽のアノードの1つに接続さ
れている。
圧液体噴射装置又はブラシ装置はその働きにおいて、 1.焼なまししない熱間圧延帯板の場合、電解酸洗部に
よって酸化された溶解スケールを除去し、又は、 2.焼なましする熱間圧延帯板の場合付加的に、ブラス
トによって生成した高い帯板表面粗さを下げる。
べた技術では帯板は、焼なまし酸洗熱間圧延帯板の冷間
加工又は最適な表面品質にとって望まれるようにはまだ
スケール除去されていない。そのためには、研磨性表面
清浄後に他の再処理が必要である。本発明によれば、カ
ソード回路を有する電解酸洗機の2つの電解槽が最終清
浄(残留スケールの100%除去)を実行する。
点は以下の条件に基づいている:アノードの下で帯板は
カソード的であり、必然的に帯板表面に約14のpH値
を有する。これは、この場合ガス発生のみがスケール除
去のための破裂因子として有効となることを意味する。
しかしカソード側では帯板がアノード的であり、帯板表
面に約0のpH値が生じる。これは帯板で1モル濃度の
H2 SO4 に相当する。電解酸洗機のこの部分のみが、
孔深くのスケール除去も保証することができる。
る材料部の場合、スケール除去効果の勾配を高めるため
に全電解部は、電解質としてのNa2 SO4 の代わりに
又はそれを補足して、約3モル濃度を含有するH2 SO
4 で操業される。
濃度のH2 SO4 の使用が、研磨性装置の後段に設けら
れる電解槽内でのみ、孔深く残留スケールを除去し、暗
色化不動態皮膜を生成することである。この不動態皮膜
は膜厚が50〜100nmである。この不動態皮膜は、
帯板の表面品質に関して圧延操作を乱さないが、しかし
焼なまし用反射率に肯定的に作用する。
らかにされている。
Claims (10)
- 【請求項1】 スケールブレーカとブラスト装置とブラ
シ等の研磨性表面清浄装置と電解酸洗浴と洗浄機と再処
理装置と場合によっては後続加工装置とからなるスケー
ル除去設備内でステンレス鋼、特にクロム合金成分を多
く含む鋼種AISI300、400のステンレス鋼、か
らなる焼なまししない熱間圧延帯板を連続的に処理する
ための方法において、連続する下記工程の組合せを特徴
とする、ステンレス鋼からなる焼なまししない熱間圧延
帯板の連続処理方法。 a)送り込まれる焼なまししない熱間圧延帯板のスケー
ルをストレッチ兼ロール式矯正によって破壊する工程、 b)幾度か交互にアノード、カソードに接続して帯板を
分極させるアルカリ性電解質のなかで電解酸洗する工
程、 c)直接前後して設けられる複数のアノード接続電極
と、それに対応した帯板のカソード極と、それに続い
て、カソード接続電極によって生成される帯板のアノー
ド極とを有する前記電解質又は他の電解質内で引き続き
行われる酸洗工程、 d)帯板表面の研磨処理工程、 e)専らカソードに接続される複数の電極と帯板のアノ
ード極とを有する少なくとも1つのアルカリ性電解質内
で再度行われる電解酸洗工程、 f)帯板表面の洗浄、ブラッシング、再洗浄、乾燥、等
の再処理工程。 - 【請求項2】 工程b)、c)において電解質としてN
a2 SO4 が使用されることを特徴とする、請求項1に
記載のステンレス鋼からなる焼なまししない熱間圧延帯
板の連続処理方法。 - 【請求項3】 工程e)において電解質としてNa2 S
O4 が使用され、及び/又は帯板表面を不動態化するた
めにH2 SO4 が、好ましくは3モル濃度、使用される
ことを特徴とする、請求項1、2に記載のステンレス鋼
からなる焼なまししない熱間圧延帯板の連続処理方法。 - 【請求項4】 工程d)が高圧液体噴射によって行われ
ることを特徴とする、請求項1、2に記載のステンレス
鋼からなる焼なまししない熱間圧延帯板の連続処理方
法。 - 【請求項5】 高圧液体として水又は電解質が使用され
ることを特徴とする、請求項4に記載のステンレス鋼か
らなる焼なまししない熱間圧延帯板の連続処理方法。 - 【請求項6】 スケールブレーカとブラスト装置とブラ
シ等の研磨性表面清浄装置と電解酸洗浴と洗浄機と再処
理装置と場合によっては後続加工装置とからなるスケー
ル除去設備内でステンレス鋼、特にクロム合金成分を多
く含む鋼種AISI300、400のステンレス鋼、か
らなる焼なましする熱間圧延帯板を連続的に処理するた
めの方法において、連続する下記工程の組合せを特徴と
する、ステンレス鋼からなる焼なましする熱間圧延帯板
の連続処理方法。 a)送り込まれる焼なましする熱間圧延帯板のスケール
をストレッチ兼ロール式矯正によって破壊する工程、 b)帯板表面に1回又は数回ブラストする工程、 c)交互にアノード、カソードに接続される複数の電極
を有するアルカリ性電解質のなかで電解酸洗する工程、 d)直接前後して設けられる複数のアノード接続電極
と、それに続いて、1つのカソード接続電極とを有する
前記電解質又は他の電解質内で引き続き行われる酸洗工
程、 e)帯板表面の研削工程、 f)専らカソードに接続される複数の電極と帯板のアノ
ード極とを有する少なくとも1つのアルカリ性電解質内
で再度行われる電解酸洗工程、 g)帯板表面の洗浄、ブラッシング、再洗浄、乾燥、等
の再処理工程。 - 【請求項7】 工程c)、d)において電解質としてH
2 SO4 が使用されることを特徴とする、請求項6に記
載のステンレス鋼からなる焼なましする熱間圧延帯板の
連続処理方法。 - 【請求項8】 工程f)において電解質としてNa2 S
O4 が使用され、及び/又は帯板表面を不動態化するた
めにH2 SO4 が、好ましくは3モル濃度で使用される
ことを特徴とする、請求項6に記載のステンレス鋼から
なる焼なましする熱間圧延帯板の連続処理方法。 - 【請求項9】 スケールブレーカとブラスト装置と研磨
性表面清浄装置と電解酸洗浴と洗浄機と再処理装置と場
合によっては後続加工装置とからなるスケール除去設備
内でステンレス鋼、特にクロム合金成分を多く含む鋼種
AISI300、400のステンレス鋼、からなる焼な
ましする熱間圧延帯板と、焼なまししない熱間圧延帯板
を連続的に処理するための設備において、相前後して設
けられる下記設備部分を備えることを特徴とする、ステ
ンレス鋼からなる焼なましする熱間圧延帯板、焼なまし
しない熱間圧延帯板の連続処理設備。 a)送り込まれる熱間圧延帯板用のスケールブレーカと
してのストレッチ兼ロール式矯正機、 b)帯板表面を清浄するための単数又は複数のブラスト
装置、 c)単数又は複数のアルカリ性酸洗浴と、1/3対2/
3の公知のアノード/カソード長において交互にアノー
ド、カソードに接続される電極を有するn個の電解槽と
を備えた電解酸洗機、 d)その直後に、2つ以上の専らアノードの電極を有す
る少なくとも1つの電解槽と、整流器を介してアノード
電極の1つに接続される1つのカソード電極を含むだけ
の、上記電解槽に直接接続されている電解槽、 e)帯板表面を選択的に表面研磨加工又は表面研削加工
する装置、 f)整流器を介して第1酸洗浴のアノード電極に接続さ
れる少なくとも2つの専らカソード接続電極を有する少
なくとも1つのアルカリ性電解質を備えた他の電解酸洗
浴、 g)帯板表面の洗浄機、ブラシ、再洗浄機、帯板乾燥
機、等の再処理装置。 - 【請求項10】 帯板表面を表面研磨加工するための装
置が水又は電解質用高圧液体噴射装置であることを特徴
とする、請求項9に記載のステンレス鋼からなる焼なま
ししない熱間圧延帯板の連続処理設備。
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