JPH09137138A - 光学フィルム粘着シートの製造方法 - Google Patents

光学フィルム粘着シートの製造方法

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JPH09137138A
JPH09137138A JP7298219A JP29821995A JPH09137138A JP H09137138 A JPH09137138 A JP H09137138A JP 7298219 A JP7298219 A JP 7298219A JP 29821995 A JP29821995 A JP 29821995A JP H09137138 A JPH09137138 A JP H09137138A
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pressure
meth
sensitive adhesive
acrylate
optical film
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JP7298219A
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English (en)
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Hajime Nosetani
元 野世渓
Manabu Suezawa
学 末沢
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学フィルムへの塗工が容易であり、生産工
程の簡略化及び短縮を図ることができ、高温下における
耐久接着性に優れた粘着剤層を有する光学フィルム粘着
シートの製造方法を提供する。 【解決手段】 (A)アルキル基中の炭素数が1〜12
のアルキル(メタ)アクリレート70〜100重量%及
び極性基を有するビニルモノマー0〜30重量%を含む
モノマー100重量部に対し、(B)多官能性ビニルモ
ノマー0.01〜1重量部とを(C)光重合開始剤とを
配合してなる光重合性組成物を位相差板シートの一面に
直接塗工し、不活性ガス雰囲気下で光照射することによ
り光重合して位相差板シートの一面に粘着剤層を形成す
る位相差板粘着シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相差板や偏光板
などの光学フィルムの一面に粘着剤層を設けてなる光学
フィルム粘着シートの製造方法に関し、例えば、液晶表
示装置の位相差板として用いるのに好適な光学フィルム
粘着シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置は、デジタル時計や
各種電化製品における簡単な表示装置の他、小型テレ
ビ、携帯型パソコン、ワープロ等の表示装置として幅広
く用いられてきており、液晶表示装置では、より一層の
高解像度が求められてきている。
【0003】他方、液晶表示装置では、通常、液晶高分
子を一対のガラス基板間に封入してなる液晶セルの外表
面に、すなわち上記ガラス板の外表面に偏光板や位相差
板などが貼り合わされている。これらの光学フィルムの
貼り合わせに際しては、貼り合わせが簡便であるため、
粘着剤が広く用いられている。なお、この粘着剤に対し
ては、高温高湿度条件下においても剥離が生じ難いこ
と、すなわち高温高湿度条件下における接着耐久性が強
く要求されている。
【0004】上記光学フィルムの中でも、液晶表示装置
の位相差板は、通常、液晶セルのガラス面に対し主に溶
剤型アクリル系粘着剤を用いて貼付されている。この場
合、高温下における位相差板の収縮による粘着剤層の発
泡及び剥離性のバランスをとるために、粘着剤層を高分
子量化しなければならなかった。しかしながら、高分子
量化すると、溶液粘度が上昇するため粘着剤の塗工性が
低下する。
【0005】また、上記粘着剤層が片面に設けられた位
相差板は、通常、剥離性の支持体上に粘着剤層を形成
し、該粘着剤層を位相差板に転写することにより得られ
ている。粘着剤層は上記工程を経て転写されるものであ
るため、粘着剤層の位相差板に対する接着性、すなわち
アンカー性が低く、位相差板と粘着剤層との界面で剥離
(以後アンカー破壊という)しがちであった。
【0006】また、上記粘着剤層の耐熱性を高めるため
に、通常、粘着剤層は架橋されているが、ゲル化を完全
に終了させるためには、十分な養生時間が必要であり、
従って生産性が低下するという問題もあった。
【0007】上記のような種々の問題を解決するため
に、光学フィルム粘着シートに用いられる粘着剤の改良
が種々試みられている。例えば、光重合性モノマー組成
物のアルコール溶液を位相差板や偏光板に直接塗布した
後、光重合する製造方法が提案されている(特開平2−
137922号公報など)。
【0008】しかしながら、上記先行技術に記載の方法
で得られた位相差板粘着シートや偏光板粘着シートで
は、最終段階で十分に加熱したとしても、残留溶剤を十
分に除去することができず、従って、高温条件下におい
て保存されたり、用いられたりした場合、粘着剤層にお
いて発泡が生じることがあった。当然のことながら、光
学フィルム粘着シートの粘着剤層において発泡が生じる
と、表示される画像の品位を大幅に低下させることにな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の光学フィルム粘着シートの種々の問題点に鑑み、な
されたものであり、その目的とするところは、製造に際
しての粘着剤の塗工性に優れており、粘着剤層の光学フ
ィルムに対するアンカー効果が十分であり、粘着剤層を
架橋させるための養生時間を必要とせず、かつ高温下に
おける粘着剤層の発泡・剥離が生じ難い光学フィルム粘
着シートの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記課
題を達成すべく鋭意検討した結果、光重合性組成物を光
学フィルムの一面に直接塗工し、光照射することにより
光学フィルム粘着シートを得る方法において、特定の光
重合性組成物を用い、かつ不活性ガス雰囲気下において
光照射すれば、上記課題を達成し得る光学フィルム粘着
シートを得ることができることを見い出し、本発明をな
すに至った。
【0011】すなわち、本発明の光学フィルム粘着シー
トの製造方法は、(A)アルキル基中の炭素数が1〜1
2のアルキル(メタ)アクリレート80〜100重量%
及び極性基を有するビニルモノマー0〜20重量%を含
むモノマー100重量部と、(B)多官能性ビニルモノ
マー0.01〜1重量部と、(C)光重合開始剤とを含
む光重合性組成物を光学フィルムの一面に直接塗工し、
不活性ガス雰囲気下で光照射することを特徴とする。
【0012】以下、本発明の詳細を説明する。光重合性組成物 本発明では、上記(A)モノマーと、(B)多官能性ビ
ニルモノマーと、(C)光重合開始剤とを含む光重合性
組成物が用いられる。
【0013】上記モノマー(A)は、アルキル基中の炭
素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレート70〜
100重量%と、極性基を有するビニルモノマー0〜3
0重量%を含む。すなわち、極性基を有するビニルモノ
マーについては、用いられずともよく、かつ用いられる
場合であっても、モノマー(A)中、30重量%以内の
範囲で用いられる。
【0014】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピ
ル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリ
レート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリ
レート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル
(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オ
クチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)ア
クリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノ
ニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができる。これらの
アクリレートは単独で用いられてもよく、2種以上併用
されてもよい。
【0015】好ましくは、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレートのような低沸点モ
ノマーよりも、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
トのような高沸点モノマーを用いることが望ましい。
【0016】上記極性基を有するビニルモノマーとして
は、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、カルボ
キシエチルアクリレートなどのカルボキシアルキル(メ
タ)アクリレート類などのカルボキシ基含有ビニルモノ
マー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変
性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレートなどの水酸基を有するビニルモノマー;
(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタ
ム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリ
ルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミドプロピル(メ
タ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)ア
クリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの窒素含
有ビニルモノマーなどを挙げることができる。これらの
極性基を有するビニルモノマーは、単独で用いられても
よく、2種以上併用されてもよい。好ましくは、アクリ
ル酸のような低沸点モノマーに比べて、カルボキシアル
キル(メタ)アクリレートのような高沸点モノマーを用
いることが望ましい。
【0017】上記(A)モノマー中には、さらに、本発
明の目的を阻害しない範囲で、酢酸ビニル、ピバリン酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、イソボルニル
(メタ)アクリレートなどのビニルモノマーが添加され
てもよい。
【0018】上記(A)モノマーにおいて、上記アルキ
ル(メタ)アクリレートの含有量が少なすぎると、粘着
性が低くなるため、アルキル(メタ)アクリレートは、
(A)モノマー中70〜100重量%を占めるように、
より好適には80重量%以上用いられる。
【0019】また、上記極性基を有するビニルモノマー
は、モノマー(A)において任意に用いられる成分であ
るが、極性基を有するビニルモノマーの含有量が多すぎ
ると、凝集力が大きくなり、貼付性が低下するため、極
性基を有するビニルモノマーは(A)モノマー全体の3
0重量%以下の割合で用いられる。なお、上述した酢酸
ビニルなどの他のビニルモノマーを用いる場合には、極
性基を有するビニルモノマーに加えて、他のビニルモノ
マーを合計した量が、(A)モノマー全体の30重量%
以下となるように用いられる。
【0020】本発明で用いられる上記多官能性ビニルモ
ノマー(B)は、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレートなどを挙げることができる。
【0021】本発明において、上記光重合性組成物中の
上記(B)多官能性ビニルモノマーの含有量が少なすぎ
ると、高温条件下における十分な凝集力を得ることがで
きなくなり、多すぎると、架橋密度が高くなり、剥離し
易くなるため、上記(B)多官能性ビニルモノマーは、
上記(A)モノマー100重量部に対し、0.01〜5
重量部、好ましくは、0.03〜1重量部の範囲で用い
られる。
【0022】上記(C)光重合開始剤としては、4−
(ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−
2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジ
メチル−アセトフェノン、メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなど
のアセトフェノン系開始剤、ベンジルケタールなどのケ
タール系開始剤、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノ
キシド、アシルフォスフォナートなどを挙げることがで
きる。
【0023】上記光重合開始剤の添加量は、使用するモ
ノマー成分の反応性を考慮して適宜調整され、一義的に
は定め得ないが、一般には、上記(A)モノマー及び
(B)多官能性ビニルモノマーの合計100重量部に対
し、0.01〜1.0重量部の範囲で添加する。光重合
開始剤の添加量が0.01重量部未満の場合には、光重
合が不十分となり、未反応物の割合が高くなり過ぎるこ
とがある。光重合開始剤の添加量が1.0重量部を超え
ると、ラジカル発生量が多くなり過ぎ、光重合が急激に
起こり過度に発熱したり、高分子量化が阻害されて分子
量分布が広くなるなどの不具合が生じるからである。
【0024】上記光重合開始剤によるラジカル発生量
は、照射する光の種類や強度、時間、モノマー及び溶剤
混合物中の溶存酸素量などによっても変化する。溶存酸
素が多い場合には、ラジカル発生量が抑制され、重合が
十分に進行せず、未反応物が多くなることがある。従っ
て、光照射前に、組成物中に窒素等の不活性ガスを吹き
込み、酸素を窒素で置換しておくことが好ましい。ま
た、光重合させる前の上記光重合性組成物は、予め部分
的に光重合が進行されて、粘度が高められたオリゴマー
組成物であってもよい。
【0025】製造工程 本発明に係る光学フィルム粘着シートの製造方法は、上
記光重合性組成物を、光学フィルムの一面に塗工し、不
活性ガス雰囲気下において光照射する工程を含む。
【0026】上記光学フィルムとしては、特に限定され
るものではなく、用途に応じて位相差板や偏光板を構成
する各種樹脂フィルムを用いることができる。このよう
な樹脂フィルムとしては、ポリカーボネートフィルム、
ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリスチレンフィ
ルム、もしくはポリサルフォンフィルムまたはこれらの
変性した樹脂よりなるフィルムを延伸したもの等が挙げ
られる。
【0027】なお、本発明の製造方法を、位相差板粘着
シートの製造に適用した場合、通常、液晶表示装置用位
相差板粘着シートには、外表面に、さらに他の光学フィ
ルムとして偏光板フィルムが貼り合わされる。このよう
な位相差板粘着シートに貼り合わされる偏光板フィルム
を構成する材料としては、ポリビニルアルコール系フィ
ルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィル
ム、エチレン−酢酸ビニル光重合体系ケン化フィルムの
ような親水性高分子系フィルムに、ヨウ素及び/または
二色性染料を吸着配向させたヨウ素及び/または二色性
染料系偏光フィルム;ポリビニルアルコール系フィルム
を脱水処理しポリエンを配向してポリエン系偏光フィル
ム;ポリ塩化ビニルを脱塩酸処理しポリエンを配向した
ポリエン系偏光フィルムなどの両面に、トリアセチルセ
ルロースフィルムを保護層として貼り合わせてなるもの
を例示することができる。
【0028】本発明において、上記光重合性組成物を光
学フィルムの一面に塗工する方法としては、特に限定さ
れるものではなく、一般に用いられているロールコータ
ー、ダイコーター、ナイフコーターなどを用いて行うこ
とができる。
【0029】また、本発明において、光重合に際しての
不活性ガス雰囲気とは、光照射ゾーン中の酸素を窒素な
どの不活性ガスにより置換した雰囲気をいうものとす
る。このような不活性ガス雰囲気下で光重合を行うの
は、光照射ゾーン中の酸素が重合阻害因子として働き、
得られるポリマーの重合率、分子量及び分子量分布に影
響するためである。従って、不活性ガス雰囲気において
は、できるだけ酸素が存在しないことが望ましく、酸素
濃度で5000ppm以下であることが好ましい。
【0030】また、光重合性組成物中の溶存酸素も重合
阻害因子として働き、得られる粘着剤ポリマーの重合
率、分子量及び分子量分布に影響するため、溶存酸素は
窒素置換などにより予め除去しておくことが望ましい。
【0031】本発明の製造方法では、上記光重合性組成
物を光学フィルムの一面に塗工した後、上記不活性ガス
雰囲気下で光照射が行われる。この場合、光照射に用い
る光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトラ
ンプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタハライドラン
プなどを挙げることができる。
【0032】光重合に際しては、光の種類、照射強度、
照射時間により、得られるポリマーの分子量や分子量分
布が影響される。照射する光としては、光重合性開始剤
分子を励起するのに十分なエネルギーを有するものであ
ることが必要である。従って、短波長の電磁波、あるい
は電子線を用いることが多い。短波長の電磁波として
は、紫外線(UV)、γ線などを挙げることができる
が、発生させるのが容易であり、装置を小型化すること
ができ、分子の切断やポリマーの水素引き抜き等による
架橋を引き起こし難い紫外線を用いることが好ましい。
紫外線を照射する場合は、波長400nm以下に発光分
布を有するランプを用いて紫外線を照射することが好ま
しい。これは、このような波長分布はラジカル発生剤を
分解させるのに十分であり、装置を簡易とすることがで
き、かつランニングコストが低いからである。
【0033】なお、超高圧水銀灯は、光重合性開始剤の
活性波長領域の光を発光し、得られるポリマーの粘着性
を低下させないため、特に好ましい。また、超高圧水銀
灯を用いた場合には、照射される光の波長分布が鋭敏で
あり、より短波長の光が含まれないので、架橋剤によら
ない分子同士の架橋反応が生じ難く、得られるポリマー
の分子量及び架橋量を容易に制御し得ると共に、さら
に、長波長の光も有さないため、反応組成物を加熱蒸発
させ難い。
【0034】上述した各種ランプを用いて光照射するに
際しての光照射強度は、目的とする粘着剤ポリマーの分
子量や分子量分布によって適宜決められるが、一般に
は、アセトフェノン基を有する開裂型光重合性開始剤を
用いた場合には、0.1〜100mW/cm2 の範囲と
することが好ましい。照射強度が0.1mW/cm2
り低い場合には、反応が十分起きず、未反応物が多くな
ることがあり、100mW/cm2 を超えると、重合が
急激に起こり、発熱や暴走による爆発等の危険性がある
からである。
【0035】本発明の光学フィルム粘着シートの製造方
法は、液晶表示装置の位相差板、偏光板などの他、液晶
表示装置以外の位相差板や各種偏光板を含む光学フィル
ムに粘着剤層を設けてなる光学フィルム粘着シートの製
造方法一般に適用することができる。
【0036】作用 本発明の光学フィルム粘着シートの製造方法では、上記
特定のモノマー組成を光学フィルムの一面に塗工した後
に、光重合により該モノマー組成を重合して粘着剤層が
形成される。光重合を用いているため、用いる光の照射
強度や照射時間等を制御することにより、容易に高分子
量体の粘着剤層を形成することができ、かつ初期にゲル
化率が飽和するため、架橋のための養生時間を必要とし
ない。
【0037】しかも、重合に先立ち上記モノマー組成物
を塗工しているため、塗工性に優れており、かつ塗工さ
れたモノマー組成物は光学フィルム表面の微小な凹凸に
追従して光学フィルム表面に確実に付与される。よっ
て、光学フィルム表面の微小な凹凸に追従して付与され
たモノマー組成物が光重合によりポリマー化されるの
で、粘着剤層と光学フィルムとの間のアンカー効果が高
まり、粘着剤層の光学フィルム表面に対する密着性が効
果的に高められ、ひいては高温下における耐久接着性も
高められる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を明らかにする。
【0039】実施例1〜4 下記の表1に示す配合に従って、(A)モノマー、
(B)多官能性ビニルモノマー及び(C)光重合開始剤
として下記の成分を添加した。
【0040】(A)モノマー…2−エチルヘキシルアク
リレート(以下、2EHAと略す。)、極性基を有する
ビニルモノマーとしてのカルボキシエチルアクリレート
(以下、CEAと略す。)及びビニルピロリドン(以
下、Vpと略す。)。 (B)多官能性ビニルモノマー…1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート(以下、HDDAと略す。)。 (C)光重合開始剤…ベンジルジメチルケタール(日本
チバガイギー社製、商品名:イルガキュア651、以
下、I−651と略す。)。
【0041】上記モノマー成分及び光重合開始剤並びに
アエロジル200(日本アエロジル社製)を下記の表1
に示す配合で容器内に添加した後、攪拌して均一に混合
し、窒素ガスで30分間窒素置換し、系内の溶存酸素を
除去して、光重合性組成物を得た。
【0042】厚さ60μmの延伸ポリカーボネート製位
相差板に上記光重合性組成物を直接塗工し、不活性ガス
気流中(残存酸素濃度1000ppm)で365nmの
紫外線を照射強度10mW/cm2 で10分照射し、厚
さ25μmの粘着剤層が一面に形成されている位相差板
粘着シートを得た。
【0043】比較例1〜5 下記の表1に示す比較例の配合組成に従い、温度計、攪
拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備
えた5つ口セパラブルフラスコ中に、2EHA、Vp、
n−ドデシルメルカプタン(以下、DDMと略す。)及
び酢酸エチル100重量部を添加し、攪拌することによ
り均一に混合した。しかる後、系を昇温しつつ、窒素ガ
スで30分間パージし、系内の溶存酸素を除去した。
【0044】次に、70℃に系を保持した状態で、0.
03重量部のベンゾイルパーオキサイド(以下、BPO
と略す。)を3重量部の酢酸エチルに溶解した開始剤溶
液を、滴下ロートから滴下し、窒素雰囲気中で10時間
反応(但し、比較例5では、20時間反応)させること
により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)による重量平均分子量(Mw)がそれぞれ下記の
表1に示す値となるように重合を行った。さらに、反応
後、酢酸エチルにより稀釈し、固形分40重量%の溶剤
型アクリル系共重合体を得た。
【0045】さらに、上記のようにして得た比較例1〜
5の各溶剤型アクリル系共重合体の固形分100重量部
に対し、N,N´−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1
−アジリジンカルボキシアミド)(日本触媒社製、商品
名:HDU)を添加することにより、溶剤型アクリル系
粘着剤1〜5を得た。
【0046】上記溶剤型アクリル系粘着剤を、表面が離
型処理された38μmの厚みのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(以下、離型PETフィルムと略す。)に
塗工し、110℃のオーブン中で5分間乾燥し、厚さ2
5μmの溶剤型アクリル系粘着剤フィルムを得た。さら
に、上記溶剤型アクリル系粘着剤フィルムと、厚さ60
μmのポリカーボネート製位相差板とをラミネーターで
貼り合わせ、転写することにより位相差板粘着シートを
得た。
【0047】液晶表示用積層体の作製 上記実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた各位相差
板粘着シートと、上記比較例1〜5と同様の重合方法に
より得られた粘着剤層を片面に有する偏光板粘着シート
とを、偏光板シート側の粘着剤層を利用して間に気泡が
入らないようにラミネーターで貼り合わせた。このよう
にして、位相差板粘着シートの粘着剤層が露出されてい
る位相差板−偏光板積層体を得、これを75mm×15
0mmの大きさに切断した。次に、下記のガラス板表面
に、上記位相差板−偏光板積層体の位相差板の粘着剤層
を利用して、かつ位相差板とガラス板との間に気泡が入
らないようにラミネーターで貼り合わせ、液晶表示用積
層体を得た。
【0048】使用したガラス板…上記ガラス板として
は、実際に液晶表示用ガラスセルに用いられているガラ
ス板(旭硝子社製、商品名:ソーダライムガラス、10
0mm×200mm×厚さ2mm)を液晶表示用ガラス
セルの代わりに用いた。また、上記ガラス板について
は、界面活性剤水溶液中で予め洗浄した後、純水に浸漬
し、さらに110℃のオーブン中で10分間加熱乾燥
し、水分を除去することにより、洗浄しておいた。
【0049】評価 重量平均分子量及び数平均分子量の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を
用い、上記アクリル系粘着剤のポリスチレン換算重量平
均分子量(Mw)を求めた。なお、光重合型の粘着剤に
ついては、HDDA無添加品を同条件にて光重合して得
たものについてのMwを求めて代用し、溶液重合型粘着
剤については架橋剤添加前のMwを求めた。使用したG
PC測定装置は、島津製作所社製、示差屈折計検出器で
ある。
【0050】耐熱接着性試験 上記のようにして得た各液晶表示用積層体をガラススタ
ンドに立て、105℃の恒温槽中に500時間放置した
後、発泡及び剥がれによる外観変化を顕微鏡で観察し
た。発泡及び剥離の評価記号の意味は以下の通りであ
る。
【0051】発泡: 1…粘着剤層中に10μm以上の気泡が認められない場
合。 2…粘着剤層中に20〜40μmの気泡が少量認められ
る場合。 3…20〜40μmの気泡が多量に認められる場合。
【0052】剥離: 1…ガラスからの剥離が認められない場合。 2…端部近傍において0.5mm以下の剥離が認められ
る場合。 3…端部近傍において0.5mmを超える大きな剥離が
認められる場合。 上述した評価結果を、下記の表1に併せて示す。
【0053】アンカー力の測定 上記で得た偏光板粘着シートの粘着剤層側に、プライマ
ー処理を施した25μmのポリエチレンテレフタレート
フィルムを貼り合わせ、25℃×相対湿度65%の雰囲
気下に1日放置した後、25mm幅に切断し、引張速度
300mm/分で180度剥離粘着力を測定した。
【0054】
【表1】
【0055】なお、表1の配合割合は、全て重量部であ
る。表1から明らかなように、比較例1〜4の溶剤型ア
クリル系粘着剤では、高温下におかれた際に、発泡がか
なりの割合で生じていた。また、比較例1〜3の溶剤型
アクリル系粘着剤では、端部において比較的大きな剥離
も認められた。さらに、比較例4の溶剤型アクリル系粘
着剤では、発泡は少なかったものの、高温下において放
置した際に、端部近傍において大きな剥離が認められ
た。
【0056】これに対して、実施例1〜4の光重合性粘
着剤を用いた場合には、高温下におかれた場合において
も、粘着剤層中にほとんど発泡が認められず、また端部
近傍における剥離も認められなかった。
【0057】さらに、実施例1〜4では、光重合により
高分子量化していたため、重合後に養生時間を必要とし
ないのに対し、比較例1,3〜5では、7日間もの長期
間の養生時間を必要とした。
【0058】また、比較例1〜4では、位相差板の表面
に対する粘着剤層のアンカー力が976g以下と低いの
に対し、実施例1〜4では、位相差板に対する粘着剤層
のアンカー力が2100g以上と非常に大きくなってい
ることがわかる。これは、低粘度の光重合性組成物を位
相差板の表面に塗工することが容易であり、位相差板の
表面の凹凸に光重合性組成物が追随して確実に塗工され
た後に高分子量化されているためと考えられる。
【0059】
【発明の効果】本発明の光学フィルム粘着シートの製造
方法では、上記特定の光重合性組成物を光学フィルムの
一面に直接塗工した後に、光重合により粘着剤層が光学
フィルムの一面に直接形成される。従って、光重合性組
成物は、粘度が低いため光学フィルムの表面に容易に塗
工することができ、かつ光学フィルムの表面の凹凸に確
実に追随した状態で光学フィルム表面に粘着する。その
結果、光重合により形成された粘着剤層は光学フィルム
の一面に強固に密着される。
【0060】また、光重合により粘着剤層を形成してい
るため、架橋のための養生時間を必要としないので、生
産工程を簡略化し、かつ短縮することができる。加え
て、光重合により粘着剤層を構成しており、光の照射条
件等を制御することにより、容易に高分子量化し得るた
め、高温下における発泡や剥離が生じ難い、高温耐久接
着性に優れた粘着剤層を有する光学フィルム粘着シート
を容易に提供することが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルキル基中の炭素数が2〜12
    のアルキル(メタ)アクリレート70〜100重量%及
    び極性基を有するビニルモノマー0〜30重量%を含む
    モノマー100重量部と、 (B)多官能性ビニルモノマー0.01〜5重量部と、 (C)光重合開始剤とを含む光重合性組成物を光学フィ
    ルムの一面に直接塗工し、不活性ガス雰囲気下で光照射
    することを特徴とする光学フィルム粘着シートの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004125868A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Hitachi Chem Co Ltd 液晶表示装置用シート及びそれを用いた液晶表示装置の製造方法
JP2009108175A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Tama Tlo Kk 導電性高分子からなる微小立体構造物の製造方法及び導電性高分子からなる微小構造物を含む機能素子。

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JP2009108175A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Tama Tlo Kk 導電性高分子からなる微小立体構造物の製造方法及び導電性高分子からなる微小構造物を含む機能素子。

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