JPH0912976A - 誘電体保護膜形成用ペースト - Google Patents

誘電体保護膜形成用ペースト

Info

Publication number
JPH0912976A
JPH0912976A JP7168515A JP16851595A JPH0912976A JP H0912976 A JPH0912976 A JP H0912976A JP 7168515 A JP7168515 A JP 7168515A JP 16851595 A JP16851595 A JP 16851595A JP H0912976 A JPH0912976 A JP H0912976A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mgo
paste
dielectric
protective film
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7168515A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Koiwa
一郎 小岩
Mitsuro Mita
充郎 見田
Takao Kanehara
隆雄 金原
Akira Hashimoto
晃 橋本
Yoshihiro Sawada
佳宏 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd, Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority to JP7168515A priority Critical patent/JPH0912976A/ja
Publication of JPH0912976A publication Critical patent/JPH0912976A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 PDPの誘電体保護膜を塗布加熱分解法によ
り形成するためのペーストとしてゲル化しにくいペース
トを提供する。 【構成】 PDPの誘電体保護膜形成用ペーストとし
て、気相法により形成したMgO粒子と焼成によりMg
Oバインダーを生じるMgO前駆体とを含有するペース
トを調製する。この際、MgO前駆体として、Mgアル
コラート:Mg(OR22 と無水カルボン酸とを反応
させて生成したモノエステルカルボン酸Mg塩:Mg
(OCOR1 COOR22 を、用いる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばプラズマディ
スプレイパネルの誘電体保護膜を形成する場合に、塗布
熱分解法により誘電体保護膜を形成するために用いるペ
ーストに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、直流型及び交流型のプラズマ
ディスプレイパネル(以下、PDP)において、放電の
ための電極を誘電体で覆い、さらに放電による誘電体の
損傷を防止するために、誘電体表面を誘電体保護膜で覆
うことが行なわれている。
【0003】高価で複雑な装置の必要がなくしかも簡単
な工程で誘電体保護膜を形成できる方法として、塗布熱
分解法がある。その一つとして例えば特開平6−162
920号公報に開示されているように、アルカリ土類金
属含有の金属アルコキシドを、誘電体表面に塗布して乾
燥させ然る後300〜700℃で熱分解(或は焼成)す
ることによって、アルカリ土類金属酸化物から成る誘電
体保護膜を形成する方法がある。
【0004】アルカリ土類金属酸化物から成る誘電体保
護膜は、PDPパネル特性の向上、例えば放電開始電圧
及び放電維持電圧の低減を図れるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来技術において誘電体保護膜の形成に用いる金属アル
コキシドはゲル化し易く、従って金属アルコキシドの生
成過程中或は生成終了後にゲル化して、金属アルコキシ
ドの印刷がしにくくなる。
【0006】この発明の目的は、例えばPDPパネル特
性の向上に適したMgO誘電体保護膜を形成できしかも
ゲル化しにくい誘電体保護膜形成用ペーストを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】この目的を達成
するため、請求項1の発明の誘電体保護膜形成用ペース
トは、MgO又はMg(OH)2 から成る粒子と焼成に
よりMgOバインダーを生じるMgO前駆体と有機物か
ら成る添加剤とを含有して成る誘電体保護膜形成用ペー
ストにおいて、MgO前駆体を、モノエステル2塩基酸
Mg塩 Mg(OCOR1 COOR22 (但し、R1
はアルキレン基又はアルキリデン基、R2 はアルキル基
を表す)としたことを特徴とする。添加剤としては、ペ
ーストの調製に通常用いられる添加剤例えば増粘剤及び
有機溶媒、或はこれらに加え消泡剤が用いられる。
【0008】請求項1の発明によれば、MgO前駆体及
び添加剤はそれぞれ有機物であり、これらの有機成分
は、ペーストを乾燥或は焼成させた際に気化して雰囲気
中へと散逸する。そしてMgO前駆体はペーストの焼成
によりMgと有機成分とに熱分解し、この熱分解された
Mgの酸化によりバインダーとなるMgOが生成され
る。従ってMgO又はMg(OH)2 から成る粒子とM
gOバインダーとから成る誘電体保護膜を形成でき、こ
の誘電体保護膜はMgOを主成分としているので、PD
Pのパネル特性例えば放電開始電圧、放電維持電圧或は
発光効率として、実用上望まれる特性を得るのに適して
いる。
【0009】さらに請求項1の発明によれば、加水分解
によるゲル化を生じにくいモノエステル2塩基酸Mg塩
Mg(OCOR1 COOR22 を、MgO前駆体と
したので、ゲル化しにくいペーストを得ることができ
る。
【0010】またPDPのパネル特性をより実用に適し
たものとするためには、結晶性の良好な(すなわち非晶
質部分の少ない)誘電体保護膜を形成することが望まれ
る。このためにはMgO粒子を用い、このMgO粒子を
種結晶としてMgOバインダーを結晶成長させるのが好
ましい。
【0011】MgO粒子のなかでも気相法により形成し
たMgO粒子を用いるのが特に好適である。気相法によ
り形成したMgO粒子は、純度が高く結晶性が良好であ
りしかも粒子表面が比較的に平滑であるという特性を有
し、このような特性を有するMgO粒子を種結晶とし
て、MgOバインダーを結晶成長させることにより、よ
り良好な結晶性を有するMgOバインダーを得ることが
できる。
【0012】
【実施例】この実施例の誘電体保護膜形成用ペースト
は、AC−PDPの誘電体保護膜をスクリーン印刷法に
より形成するためのものであって、MgO又はMg(O
H)2 から成る粒子と焼成によりMgOバインダーを生
じるMgO前駆体と有機物から成る添加剤とを含有して
成る。
【0013】粒子としては、気相法により形成した高純
度MgO微粉末(宇部興産社製、粒径1000Å)を用
いる。また添加剤としては、スクリーン印刷用ペースト
に添加される材料が用いられ、ここでは増粘剤(有機バ
インダーとも称す)及び有機溶媒を添加剤としてペース
ト中に混合する。増粘剤は、ペースト印刷パターンの形
状を保持し或はペースト印刷パターンの下地への付着を
保持するためのものである。増粘剤には例えばセルロー
ス系、ポリエステル系、ポリアクリル系、ポリビニル
系、或はポリエーテル系の樹脂を、有機溶媒には例えば
アルコール系、エステル系、ケトン系、或はエーテル系
の溶媒を用いる。
【0014】MgO前駆体は、焼成によりMgOバイン
ダーを生じる。MgOバインダーはMgO粒子をつなぎ
とめる役割を果たす。MgO前駆体としては、下記
(1)〜(3)の観点から、モノエステル2塩基酸Mg
塩 Mg(OCOR1 COOR22 (但し、R1 はア
ルキレン基又はアルキリデン基、R2 はアルキル基を表
す)を用いる。
【0015】(1)600℃以下の焼成温度でMgOを
生じるMgO前駆体であること(PDPの製造に用いる
ガラス基板の変形や変質を防止するためには600℃以
下の焼成温度が好ましい)。(2)ペースト調製中や印
刷前後において、空気中の水分を取り込み、加水分解に
よる変質を起こさないMgO前駆体であること(MgO
前駆体が加水分解によりMg(OH)2 を生じると、6
50℃程度の焼成温度では、PDPのパネル特性として
望ましい特性が得られるMgOバインダーを得ることが
難しくなる)。(3)MgOバインダーの純度を上げる
ため、増粘剤には、焼成により容易に燃焼気化する有機
樹脂例えばセルロース系、ポリエステル系、ポリアクリ
ル系、ポリメタクリル系、ポリビニル系或はポリエーテ
ル系の樹脂が一般に用いられるが、これら種々の増粘剤
を溶解させる溶媒に対して共通の溶解性を呈するMgO
前駆体であること。燃焼気化し易い樹脂としては、ここ
に例示したセルロース系等の樹脂のように、ポリマー構
造中にOを含有したものが好ましいが、Oを含有した樹
脂は、極性が高いので炭化水素系溶媒よりも、酸素を含
有したアルコール系、エステル系、ケトン系、エーテル
系の極性溶媒に解けやすい。従ってこれら極性溶媒に解
け易いMgO前駆体が望まれる。
【0016】上記(1)〜(3)の要求を満たすMgO
前駆体として、Mgアルコラート(Mg(OR32
及びMgカルボン酸化合物(Mg(OOCR42 )を
挙げることができる。但し、R3 、R4 はアルキル基を
表す。
【0017】しかしながらMgアルコラートは、Mg−
O−結合のイオン結合性が高いためか固体状態をとりや
すい、各種有機溶媒に対する溶解性が低い、さらには加
水分解性が高いといった欠点を有する。加水分解性につ
いては、Mg(OR32 +H2 O→Mg(OH)2
3 OHの如く、空気中の水分と反応してMg(OH)
2 を生成、析出し易く、従ってMgアルコラートをMg
O前駆体とした場合、実用上望まれるPDPパネル特性
を得るのに適したMgO結晶を生成することが難しい。
【0018】またMgカルボン酸化合物は加水分解性が
少ないが、Mgカルボン酸化合物のうち、アルキル基R
4 が短く結晶水を持ち易いものは、有機溶媒に対する溶
解性が限られ、焼成途中にMg(OH)2 を生成し易い
傾向がある。さらにMgカルボン酸化合物のうち、アル
キル基R4 が長いもの、すなわちMgセッケン化合物
は、極性溶媒に対して溶け難くなる。
【0019】このように鋭意追求の結果、上記(1)〜
(3)の条件を満たすMgO前駆体として、モノエステ
ル2塩基酸Mg塩 Mg(OCOR1 COOR22
にカルボン酸或は無水カルボン酸を用いて合成したモノ
エステルカルボン酸Mg塩が、有効であることを見出し
た。
【0020】次にモノエステルカルボン酸Mg塩の具体
的な製造方法について説明する。 (a)カルボン酸(塩基度2)を用いたモノエステルカ
ルボン酸Mg塩の合成。
【0021】下記反応式の如く、Mg化合物例えばMg
O、MgCO3 或はMg(OR32 と、モノエステル
カルボン酸 HOCOR1 COOR2 とを反応させて、
モノエステルカルボン酸Mg塩 Mg(OCOR1 CO
OR22 を合成する。
【0022】 Mg化合物+HOCOR1 COOR2 →Mg(OCOR1 COOR22 モノエステルカルボン酸としては、例えば、カルボン酸
(塩基度2)とアルコールとを反応させて合成したもの
を用いる。この際、カルボン酸(塩基度2)には、シュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、マ
レイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、α−メチルコハ
ク酸、α−メチルグルタル酸、α,α−ジメチルグルタ
ル酸、トリメチルグルタル酸或はそのほかのものを用い
ることができる。またアルコールには、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール或はそのほかのものを用いることができる。
【0023】(b)無水カルボン酸(塩基度2)を用い
たモノエステルカルボン酸Mg塩の合成。
【0024】下記反応式の如く、Mg化合物例えばMg
アルコラート Mg(OR22 と無水カルボン酸(塩
基度2)とを反応させて、モノエステルカルボン酸Mg
塩Mg(OCOR1 COOR22 を合成する。
【0025】
【化1】
【0026】Mgアルコラート Mg(OR22 とし
ては、Mg(OCH32 、Mg(OC252 、M
g(OC372 、Mg(OC492 或はそのほ
かのものを用いることができる。
【0027】また無水カルボン酸としては、無水マレイ
ン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水コハク
酸、無水メチルコハク酸、無水グルタル酸、無水α−メ
チルグルタル酸、無水α,α−ジメチルグルタル酸、無
水トリメチルコハク酸、或はそのほかを用いることがで
きる。
【0028】
【化2】
【0029】上記(a)及び(b)のいずれの場合も、
モノエステルカルボン酸Mg塩の合成時に用いる合成用
溶媒には水素活性基を有さない溶媒例えばエステル系、
ケトン系、エーテル系の溶媒を用いる。モノエステルカ
ルボン酸Mg塩の合成終了後は、水素活性基を有する溶
媒例えばアルコール系溶媒を用いても構わない。
【0030】この実施例の誘電体保護膜形成用ペースト
1を用いて誘電体保護膜を形成したAC−PDPにつ
き、パネル特性を実験的に調べたので、その点につき説
明する。ここで用いたペースト1は、以下のように作成
した。
【0031】まずMgO前駆体として、無水マレイン酸
を用いて合成したモノエステルカルボン酸Mg塩を次の
ように作成する。
【0032】(i)水素活性基を有さない合成用溶媒ジ
エチレングリコールジエチルエーテル 400gと無水
マレイン酸 196.12g(2.0mol)とを、5
0〜60℃で加温し、混合溶解しておく。
【0033】(ii)次にMgアルコラート Mg(OC
252 114.3g(1.0mol)を、(i)
で作成した混合液中へ徐々に加えて、無水マレイン酸と
Mgアルコラートとを70℃位で反応させ、モノエステ
ルカルボン酸Mg塩を合成する。
【0034】(iii)反応終了後、80℃で60分間加熱
してモノエステルカルボン酸Mg塩の合成を完結させ
る。
【0035】(iv)次に室温近くまで(50℃以下)冷
却したところへ、ペースト調製用溶媒ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル 200gを加え、均一攪拌を
行う。
【0036】上記(i)〜(iv)の操作により、下記の
反応式に従って、モノエステルカルボン酸Mg塩及び溶
媒の混合液Aを得ることができる。この混合液A100
重量%に対しMgOバインダー4.43重量%を生ずる
モノエステルカルボン酸Mg塩を、当該混合液Aは含有
する。
【0037】
【化3】
【0038】次に、気相法により形成したMgO微粉末
(宇部興産社製)25重量%、上記混合液A25重量
%、エチルセルロース5重量%、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル45重量%を、3本ロールミルで混
合して、誘電体保護膜形成用ペースト1を得る。
【0039】図1に、このペースト1を用いて作成した
AC−PDPの構造を概略的に斜視図で示す。同図に示
すAC−PDP10は面放電型のPDPであって、この
PDP10の背面板12上には、表示電極14、誘電体
16及び誘電体保護膜18を順次に形成してある。表示
電極14はAuペースト(エヌ・イー ケムキャット社
製 A−4615)を用いて形成したAu厚膜、誘電体
16は誘電体ペースト(奥野製薬工業社製 G−049
6)を用いて形成した誘電体厚膜、誘電体保護膜18
は、上述したペースト1により形成したMgO膜であ
る。
【0040】またPDP10の前面板20上には、蛍光
体層22及び隔壁(図示せず)を順次に形成してある。
蛍光体層22はZn2 SiO4 :Mnを含有する蛍光体
ペースト(化成オプトニクス社製 P1−G1)を用い
て形成した緑色蛍光体層、隔壁は誘電体ペースト(デュ
ポン社製 9741)を用いて形成した誘電体厚膜であ
る。
【0041】そしてこれら背面板12及び前面板20の
間の放電空間24に、放電ガスとしてHe−5%Xeガ
スを500Torr封入して、PDP10を20KHz
で駆動して行なった実験結果を表1に表にして示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1中、実施例A及びBの欄には上記ペー
スト1の印刷回数1回及び2回として誘電体保護膜18
を形成したPDP10のパネル特性を示してある。比較
例1の欄には、誘電体保護膜18を形成していないほか
は、実施例A、Bと同様の構造のAC−PDPのパネル
特性を示してある。また比較例2の欄には、混合液Aを
混合しないほかはペースト1と同様の成分のペーストを
用いて誘電体保護膜18を形成した(すなわちMgOバ
インダー無しの誘電体保護膜18を形成した)PDP1
0のパネル特性を示してある。いずれの場合も、パネル
特性として、放電開始電圧(Vf)、放電維持電圧(V
s)、輝度(cd/m2 )1セル当たりの放電電流(μ
A/cell)及び発光効率(lm/W)を実験的に調
べた。
【0044】実施例A(印刷1回、MgOバインダー有
り)の放電開始電圧Vf及び放電維持電圧Vsは、比較
例2(印刷1回、MgOバインダー無し)よりも低い。
しかも実施例Aでは、MgバインダーがMgO粒子の間
を埋めているので比較例2よりも緻密で均一なMgO誘
電体保護膜18を形成でき、その結果、放電の縮みや局
在化が生じないので、輝度は比較例2の2倍以上とな
る。また実施例Aでは、緻密なMgO誘電体保護膜18
を形成できるので、電流制限効果も高くなり1セル当た
りの放電電流も低くなる。このように実施例Aでは、放
電開始電圧Vf及び放電維持電圧Vsの低電圧化、高輝
度化、低電流化が得られ、結果として比較例2の3倍も
の高い発光効率が得られることになる。
【0045】実施例B(印刷2回、MgOバインダー有
り)では、比較例2と比較して、放電開始電圧Vfは同
程度であるが、放電維持電圧Vsは低く、輝度は高く、
1セル当たりの放電電流は低くなるので、結果として、
4.5倍もの高い発光効率が得らている。
【0046】また実施例A、Bいずれの場合も、保護膜
を形成しない比較例1と比較して、パネル特性は向上し
ており、誘電体保護膜18の効果は認められている。
【0047】このように実施例A、Bによれば、MgO
前駆体として用いたモノエステルカルボン酸Mg塩によ
り生成されたMgOバインダーが、MgO粒子の間を埋
めて緻密で均一なMgO誘電体保護膜18を形成できる
ので、放電開始電圧Vf及び放電維持電圧Vsの低電圧
化を図れ、さらに放電電流の制限効果も高くなるので放
電電流の低電流化を図れる。その結果、発光効率を高く
することができる。また緻密で均一なMgO誘電体保護
膜18を形成でき、さらに低電圧化及び低電流化を図れ
るので、PDPの長寿命化を期待できる。
【0048】ここでは、無水マレイン酸を用いて合成し
たモノエステルカルボン酸Mg塩を含有するペースト1
について、PDPのパネル特性を評価したが、これ以外
のモノエステル2塩基酸Mg塩特にモノエステルカルボ
ン酸Mg塩についても、無水マレイン酸の場合と同様の
効果を期待できる。
【0049】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、請
求項1の発明の誘電体保護膜形成用ペーストによれば、
モノエステル2塩基酸Mg塩 Mg(OCOR1 COO
22 を、MgO前駆体とするので、ゲル化しにくい
ペーストを得ることができる。しかもこのペーストは、
MgO又はMg(OH)2 から成る粒子とMgO前駆体
としてモノエステル2塩基酸Mg塩 Mg(OCOR1
COOR22 とを含有するので、PDPのパネル特性
として実用に適した特性を得ることができるMgO誘電
体保護膜を形成できる。
【0050】さらに請求項2の発明によれば、請求項1
の発明において、気相法により形成したMgO粒子を種
結晶として、MgO前駆体からMgOバインダーを生成
することによって、非晶質部分の少ない良好な結晶性を
有するMgOバインダーを生成することができる。これ
がため、より優れたパネル特性を得るのに適したMgO
誘電体保護膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るAC−PDPの構造を概略的に示
す斜視図である。
【符号の説明】
10:AC−PDP 12:背面板 14:表示電極 16:誘電体 18:保護膜 20:前面板 22:蛍光体層 24:放電空間
フロントページの続き (72)発明者 金原 隆雄 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 橋本 晃 神奈川県川崎市中原区中丸子150番地 東 京応化工業株式会社内 (72)発明者 澤田 佳宏 神奈川県川崎市中原区中丸子150番地 東 京応化工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MgO又はMg(OH)2 から成る粒子
    と焼成によりMgOバインダーを生じるMgO前駆体と
    有機物から成る添加剤とを含有して成る誘電体保護膜形
    成用ペーストにおいて、 MgO前駆体を、モノエステル2塩基酸Mg塩 Mg
    (OCOR1 COOR22 (但し、R1 はアルキレン
    基又はアルキリデン基を、R2 はアルキル基を表す)と
    したことを特徴とする誘電体保護膜形成用ペースト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘電体保護膜形成用ペー
    ストにおいて、 MgO粒子を、気相法により形成したMgO粒子として
    成ることを特徴とする誘電体保護膜形成用ペースト。
JP7168515A 1995-07-04 1995-07-04 誘電体保護膜形成用ペースト Withdrawn JPH0912976A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7168515A JPH0912976A (ja) 1995-07-04 1995-07-04 誘電体保護膜形成用ペースト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7168515A JPH0912976A (ja) 1995-07-04 1995-07-04 誘電体保護膜形成用ペースト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0912976A true JPH0912976A (ja) 1997-01-14

Family

ID=15869475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7168515A Withdrawn JPH0912976A (ja) 1995-07-04 1995-07-04 誘電体保護膜形成用ペースト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0912976A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990008979A (ko) * 1997-07-05 1999-02-05 엄길용 교류형 플라즈마 표시소자의 보호층 형성방법
WO2004049375A1 (ja) * 2002-11-22 2004-06-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. プラズマディスプレイパネルとその製造方法
JP2007109597A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Ube Material Industries Ltd 酸化マグネシウム薄膜及びその製造方法
US7264528B2 (en) 2002-07-23 2007-09-04 Hitachi, Ltd. Substrate assembly for gas discharge panel, process for manufacturing the same, and gas discharge panel
US20100181909A1 (en) * 2007-07-13 2010-07-22 Takuji Tsujita Plasma display panel
WO2011036730A1 (ja) 2009-09-28 2011-03-31 第一工業製薬株式会社 金属塩含有組成物、基板、基板の製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990008979A (ko) * 1997-07-05 1999-02-05 엄길용 교류형 플라즈마 표시소자의 보호층 형성방법
US7264528B2 (en) 2002-07-23 2007-09-04 Hitachi, Ltd. Substrate assembly for gas discharge panel, process for manufacturing the same, and gas discharge panel
US7327082B2 (en) 2002-07-23 2008-02-05 Hitachi, Ltd. Substrate assembly for gas discharge panel having dielectric layer comprising laminate of organic dielectric layer and inorganic dielectric layer, and gas discharge panel
WO2004049375A1 (ja) * 2002-11-22 2004-06-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. プラズマディスプレイパネルとその製造方法
US7432656B2 (en) 2002-11-22 2008-10-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Plasma display panel and method for manufacturing same
US7816869B2 (en) 2002-11-22 2010-10-19 Panasonic Corporation Plasma display panel and manufacturing method for the same
JP2007109597A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Ube Material Industries Ltd 酸化マグネシウム薄膜及びその製造方法
JP4703355B2 (ja) * 2005-10-17 2011-06-15 宇部マテリアルズ株式会社 交流型プラズマディスプレイパネルの誘電体層保護膜の製造方法
US20100181909A1 (en) * 2007-07-13 2010-07-22 Takuji Tsujita Plasma display panel
WO2011036730A1 (ja) 2009-09-28 2011-03-31 第一工業製薬株式会社 金属塩含有組成物、基板、基板の製造方法
US8999450B2 (en) 2009-09-28 2015-04-07 Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. Metal salt-containing composition, substrate, manufacturing method of substrate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3339554B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP4516457B2 (ja) 酸化マグネシウム薄膜の改質方法
JP3812751B2 (ja) コーティング組成物及びその製造方法、並びに機能性膜及びその製造方法
JP4703355B2 (ja) 交流型プラズマディスプレイパネルの誘電体層保護膜の製造方法
JPH0912976A (ja) 誘電体保護膜形成用ペースト
KR20050095597A (ko) 플라즈마 디스플레이 장치
JP3267247B2 (ja) Fpd保護膜用コーティング液及びその調製方法
JPH09208851A (ja) 誘電体保護膜形成用ペースト
JP3991504B2 (ja) Pdp又はpalc用保護膜の製造方法及びそのpdp又はpalc用保護膜並びにこれを用いたpdp又はpalc
JP3988615B2 (ja) プラズマディスプレイ装置
CN100421205C (zh) 等离子体显示装置以及在其中使用的荧光体的制造方法
JP2005025956A (ja) プラズマディスプレイ装置
JPH0912940A (ja) 誘電体保護膜形成用ペースト
CN100394531C (zh) 等离子体显示装置以及在其中使用的荧光体的制造方法
JP2001279239A (ja) 発光素子用蛍光体の製造方法および蛍光体ペースト
JP4222099B2 (ja) 真空紫外線励起発光素子用蛍光体
JP2002511047A (ja) マグネシアを基礎とする付着層の製造方法
JP2003261868A (ja) ケイ酸塩蛍光体の製造方法
JP4672231B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3522867B2 (ja) 交流型プラズマディスプレイ及びその製造方法
US6335393B1 (en) Precursor composition for metal oxide and preparation method therefor
JP2006140000A (ja) 保護膜形成用塗布液
JPH08329844A (ja) 交流型プラズマディスプレイ及びその製造方法
JP2007280691A (ja) 酸化マグネシウム薄膜製造用液体組成物
US20060124901A1 (en) Method for preparing high brightness luminescent material and high brightness luminescent material

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021001