JPH0912967A - フッ素系塗料組成物及びそれを用いた塗装ステンレス鋼板 - Google Patents

フッ素系塗料組成物及びそれを用いた塗装ステンレス鋼板

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JPH0912967A
JPH0912967A JP16231295A JP16231295A JPH0912967A JP H0912967 A JPH0912967 A JP H0912967A JP 16231295 A JP16231295 A JP 16231295A JP 16231295 A JP16231295 A JP 16231295A JP H0912967 A JPH0912967 A JP H0912967A
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JP
Japan
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stainless steel
weight
coating composition
resin
coating
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JP16231295A
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English (en)
Inventor
Kenji Ikishima
健司 壱岐島
Kazuhito Imai
和仁 今井
Kiwamu Yoshida
究 吉田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】樹脂成分の合計量に対して、エポキシ樹脂が5
〜20重量%、架橋剤が1〜10重量%、アクリル樹脂
が20〜80重量%及びフッ素樹脂が20〜80重量%
の範囲内で含有されているフッ素系塗料組成物、および
この塗料組成物を用いて塗装された塗装ステンレス鋼
板。前記塗料組成物に架橋反応触媒および/またはシラ
ン系カップリング剤が添加されると、塗膜密着性が向上
する。 【効果】本発明の塗装ステンレス鋼板は、耐候性に優
れ、建材用として極めて好適である。この鋼板は、通常
のコーティングラインを利用して1パス(下地処理+1
コート)で安価に製造することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、卓越した耐候性を示す
塗膜を形成するフッ素系樹脂塗料組成物、及びこの塗料
組成物による塗装をステンレス鋼板に施した塗装ステン
レス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、屋根、外壁等、屋外で使用される
建材用の鋼板としては、塗装を施した溶融亜鉛めっき鋼
板が主に使用されてきた。
【0003】溶融亜鉛めっきをベースとする耐候性に優
れた高耐久性製品としては、20年保証、あるいは30
年保証といったフッ素系樹脂を塗装した鋼板が既に市販
されている。また、高速道路の防音壁用化粧板を中心
に、フッ化ビニルやフッ化ビニリデンを主樹脂としたラ
ミネート鋼板も適用されており、このような技術に関し
ては、特公昭60−51423号公報や特公昭60−5
1424号公報に記載されている。また、フッ素系フィ
ルムのラミネート方法については、特開昭63−168
333号公報、及び特開平5−186757号公報に開
示されており、USP4314004(米国特許)には
フッ素系樹脂塗装金属板用の塗料組成物に関する技術が
記載されている。
【0004】一方、近年、人件費の高騰にともなうメン
テナンスフリー性の要求が強まるとともに屋外建材用と
しての塗装ステンレス鋼板の使用も徐々に増加しつつあ
り、主としてシリコンポリエステル樹脂系やフッ素樹脂
系等、耐候性に優れた樹脂系のものが塗膜構成樹脂とし
て用いられている。
【0005】しかし、このような塗装ステンレス鋼板を
製造するに際しては、リン酸亜鉛系下地処理を施すこと
ができず、ロールコート法によりクロメート系下地処理
(ロールコート前処理)をしなければならない。そのた
め、通常の二つのロールコーターを備えたコーティング
ラインで塗装ステンレス鋼板を製造しようとすると2パ
スの処理(下地処理、プライマーコートおよびトップコ
ート)が必要となり、製造コストの増大が避けられな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされたもので、その目的は、優れた耐候性を
示す塗膜を形成することができるフッ素系樹脂塗料組成
物(以下、「フッ素系塗料組成物」と略記する)、及び
この塗料組成物を用いて塗装された、耐久性に優れ、し
かも安価な塗装ステンレス鋼板(具体的には、フッ素系
樹脂塗料1コート型の塗装ステンレス鋼板)を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
〜のフッ素系塗料組成物、及び下記の塗装ステンレ
ス鋼板にある。
【0008】 樹脂成分の合計量に対して、エポキシ
樹脂が5〜20重量%、架橋剤が1〜10重量%、アク
リル樹脂が20〜80重量%及びフッ素樹脂が20〜8
0重量%の範囲内で含有されていることを特徴とするフ
ッ素系塗料組成物。
【0009】 架橋反応触媒が樹脂成分の合計量10
0重量部に対して0.05〜5重量部含有されているこ
とを特徴とする上記記載のフッ素系塗料組成物。
【0010】 シラン系カップリング剤が樹脂成分の
合計量100重量部に対して0.01〜5重量部含有さ
れていることを特徴とする上記または記載のフッ素
系塗料組成物。
【0011】 上記、またはのいずれかに記載
の塗料組成物による塗装が下地処理したステンレス鋼板
の上に施されていることを特徴とする塗装ステンレス鋼
板。
【0012】前記の樹脂成分とは、ここでは、エポキシ
樹脂、架橋剤、アクリル樹脂及びフッ素樹脂を意味し、
架橋反応触媒及びシラン系カップリング剤は含めないも
のとする。また、塗料組成物とは、これを被塗装物に塗
布する際に用いる溶剤(シンナー)を除いた皮膜構成成
分、すなわち塗料中の固形分をいう。
【0013】
【作用】以下、本発明の構成及び作用効果について詳細
に説明する。
【0014】前記〜の発明は、ステンレス鋼板上に
耐久性に優れた塗膜を形成することができるフッ素系塗
料組成物である。なお、この塗料組成物を塗装する際に
用いるシンナーとしては、後述するように、汎用の一般
シンナーが利用できる。
【0015】の塗料組成物は、エポキシ樹脂を5〜2
0重量%、架橋剤を1〜10重量%、アクリル樹脂を2
0〜80重量%及びフッ素樹脂を20〜80重量%(い
ずれも樹脂成分の合計量に対する重量百分率)の範囲内
で含むフッ素系塗料組成物である。の塗料組成物は更
に架橋反応触媒を、また、の塗料組成物は、これら
またはの塗料組成物に更にシラン系カップリング剤を
含むものである。
【0016】エポキシ樹脂は、後述する塗装前のステン
レス鋼板に施される下地処理層と塗膜の密着性を確保す
るために有効な樹脂で、次に述べる架橋剤を併用してエ
ポキシ樹脂を硬化させることにより、一次密着性(接着
直後の密着性)および二次密着性(耐水密着性)が向上
する。エポキシ樹脂の含有量が5重量%未満では良好な
密着性が得られず、20重量%を超えて添加されると、
塗膜の加工性が損なわれる。
【0017】エポキシ樹脂としては、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフ
ェノール類とエピハロヒドリンあるいはβ−メチルエピ
ハロヒドリンとからなるエポキシ化合物、またはこれら
の共重合物が挙げられる。さらに、これらのエポキシ化
合物のモノカルボン酸あるいはジカルボン酸変性物、モ
ノ、ジもしくはポリアルコール変性物、モノもしくはジ
アミン変性物、モノ、ジもしくはポリフェノール変性物
もエポキシ樹脂として使用できる。
【0018】架橋剤(硬化剤)としてはポリイソシアネ
ート樹脂及びアミノ樹脂が挙げられる。これらの架橋剤
のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上の混合系
として使用してもよい。
【0019】架橋剤は、エポキシ樹脂5〜20重量%に
対して1〜10重量%の範囲内で使用する。1重量%未
満では架橋反応が起こりにくく、下地処理層と塗膜の十
分な密着性が得られず、10重量%を超えると架橋剤の
自己縮合によると考えられる塗膜の加工性低下が生じ
る。
【0020】前記のポリイソシアネート樹脂としては、
キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのよ
うな芳香族ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
トのような脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイ
ソシアネートのような脂環族ジイソシアネート類、更に
これらのジイソシアネート類の多量体、あるいは多価ア
ルコールとの付加物などのポリイソシアネート化合物、
ならびにこれらのポリイソシアネート化合物とブロック
剤(例えば、フェノール系、ラクタム系、アルコール
系、活性メチレン系、メルカプタン系、イミン系、アミ
ン系、イミダゾール系、オキシム系、あるいは亜硫酸系
ブロック剤等)を反応させてイソシアネート基をブロッ
クしたブロック化ポリイソシアネート樹脂が挙げられ
る。このようなブロック化イソシアネート樹脂が使用さ
れる場合には、その解離触媒としてジブチルチンジラル
レートのような有機スズ化合物等の慣用のものが使用で
きる。
【0021】前記のアミノ樹脂としては、例えば炭素数
1〜4のアルコールによりアルキルエーテル化されたホ
ルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデヒドなどと尿
素、N,N’−エチレン尿素、ジシアンジアミド、アミ
ノトリアジンなどととの縮合物があり、具体的にはメト
キシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロール−N,
N’−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジ
アミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メ
チロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラ
ミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミン等が挙げ
られる。
【0022】上記の架橋剤に加えて、更に塗膜の下地処
理層との密着性の向上を図るために、エポキシ樹脂と架
橋剤との反応を促進させる触媒やシラン系カップリング
剤の添加が有効である。架橋反応触媒を添加する場合
(前記の発明)は、その含有量を樹脂成分の合計量1
00重量部に対して0.05〜5重量部とする。0.0
5重量%に満たない場合は、架橋剤の反応を促進させる
作用が十分発揮されず、5重量%を超えると、過多な架
橋反応によりやはり塗膜の加工性が著しく低下する。
【0023】また、シラン系カップリング剤を添加する
場合(前記の発明)は、その含有量を樹脂成分の合計
量100重量部に対して0.01〜5重量部とする。
0.01重量%未満の場合はその効果が十分発揮され
ず、一方、5重量%を超えると効果がみられず、しかも
経済的に不利となる。
【0024】架橋反応触媒の例としては、酸触媒、チタ
ンキレート剤、チタネート系カップリング剤が挙げられ
る。
【0025】このうち、酸触媒としては、燐酸、燐酸ブ
チルエステル、パラトルエンスルホン酸、ジノニルナフ
タレンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸等が
あり、チタンキレート剤としては、チタンアセチルアセ
テート、テトラノルマルブチルチタネート等が使用でき
る。また、チタネート系カップリング剤としては、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプ
ロピルトリス(ジオクチルバイロホスフェート)チタネ
ート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイ
ト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホ
スファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオ
キシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホス
ファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチル
パイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピ
ルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタク
リルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソス
テアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ
(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピル
トリクミルフェニールチタネート、イソプロピルトリ
(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジク
ミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステ
アロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
【0026】一方、シランカップリング剤としては、ビ
ニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチ
ルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0027】フッ素樹脂は、塗膜に優れた耐候性を付与
するために必要な樹脂で、その含有量は20〜80重量
%である。20重量%未満では耐候性が不十分であり、
80重量%を超えて含有される場合はその他の樹脂が少
なすぎて、鋼板との密着性が保たれない。
【0028】フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチ
レン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプ
ロピレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、およ
びフッ化ビニリデン等の含フッ素モノマーの単独重合、
あるいは他のモノマーとの共重合によって得られる含フ
ッ素ポリマーの全てが含まれる。例えば、ポリフッ化ビ
ニル、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。具体的
には、熱可塑性フッ素樹脂としては、例えばカイナー5
00(アトケムノースアメリカ製ポリフッ化ビニリデ
ン)があり、また、熱硬化性フッ素樹脂としては、例え
ばルミフロン200(旭ガラス製)がある。
【0029】熱硬化性フッ素樹脂を使用するときには、
架橋剤としてメラミン樹脂、イソシアネート樹脂および
尿素樹脂の1種以上をフッ素樹脂100重量部に対して
5〜30重量部含有させる。
【0030】アクリル樹脂はフッ素樹脂と相溶性があ
り、後述するように、フッ素系塗料組成物が塗装された
本発明の塗装ステンレス鋼板において、塗膜の下層側に
濃化するエポキシ樹脂と上層側に濃化するフッ素樹脂と
の密着性を確保するために添加される。しかし、その含
有量が20重量%未満ではフッ素樹脂とエポキシ樹脂を
密着させる効果が小さく、一方、80重量%を超えると
その他の樹脂が少なく、フッ素樹脂が少ないと耐候性が
悪く、エポキシ樹脂が少ないと密着性が悪い。従って、
アクリル樹脂の含有量は20〜80重量%の範囲内とす
る。
【0031】アクリル樹脂としては、使用されるフッ素
樹脂と相溶性の高いものがよく、例えばフッ素樹脂とし
てフッ化ビニリデン樹脂が用いられた場合、メチルメタ
クリレートの重合物などが好適な例として挙げられる。
【0032】フッ素樹脂に併用できる他のアクリル樹脂
は、熱可塑性、熱硬化性のいずれでもよい。熱可塑性ア
クリル樹脂としては、アクリル酸エステル及びメタクリ
ル酸エステルの重合体あるいはこられの共重合体があ
る。この場合、エステル基としてはメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、ラウリ
ル、ステアリル等が挙げられる。共重合体中にこれらの
エステル基が1種ではなく、2種以上含まれていてもよ
い。
【0033】熱硬化性アクリル樹脂としては、分子中に
橋かけ構造を作るような官能基(カルボキシル基、水酸
基、アミノ基、メチロール基、エポキシ基等)を持った
モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリ
レートの群と、スチレン、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルの群の2つの群から選ばれた2種以上の
モノマーを共重合して得られるポリマーが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0034】本発明のフッ素系塗料組成物中には公知の
顔料が添加されていてもよい。このような顔料として
は、例えば、チタンホワイトやシリカ、酸化鉄、タル
ク、クレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0035】顔料の添加量は、樹脂成分と架橋反応触媒
及びシラン系カップリング剤を合わせたもの(樹脂成分
等の総量)100重量部に対して20〜200重量部程
度であるのが好ましく、この範囲を超えて含有される場
合は、塗膜の加工性が著しく低下する。
【0036】前記の発明は、上記のフッ素系塗料組成
物による塗装が下地処理したステンレス鋼板の上に施さ
れている塗装ステンレス鋼板である。
【0037】ステンレス鋼板は、下地処理として通常の
溶融亜鉛めっき鋼板等の製造時に使用されるリン酸亜鉛
系処理は適用できないので、ロールコート法により塗布
型クロメート処理が施されたものとする。この前処理
(ロールコート前処理)により、2次密着性(耐水密着
性)が著しく向上する。なお、塗布型クロメート処理と
しては、シリカ等の体質顔料やリン酸等を含有したクロ
ム固定率30〜70%のクロム系処理が例示され、アク
リル系等の樹脂が一部添加されたものであってもよい。
【0038】上記のフッ素系塗料組成物の塗装の際に用
いられるシンナーは、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、
メラミン樹脂を溶解できるものであればよく、汎用の一
般シンナーが利用できる。具体的には、トルエン、キシ
レン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤等である。
【0039】本発明のフッ素系塗料組成物は耐候性に優
れており、従って、この塗料組成物を塗装した本発明の
塗装ステンレス鋼板は良好な耐候性を有している。
【0040】上記本発明の塗装ステンレス鋼板にあって
は、従来の溶融亜鉛めっき綱板をベースとした塗装鋼
板、あるいはラミネート鋼板において、端面耐食性を高
めるために必要とされていたクロム系防錆顔料が大量に
含有されたプライマー塗装を施す必要がない。
【0041】また、本発明の塗装ステンレス鋼板におい
ては、塗膜のステンレス鋼板側(下層側)にエポキシ樹
脂が、表面(上層側)にフッ素樹脂が濃化するので、こ
れを利用して塗装を1コートで行い、製造コストを大幅
に低減させることができる。
【0042】すなわち、前記のように、塗装ステンレス
鋼板の製造においてはロールコート前処理をしなければ
ならず、二つのロールコーターを備えた通常のコーティ
ングラインでは2パスの処理(下地処理、プライマー、
トップコート)が必要であり、製造コストの増加が避け
られないのに対し、本発明の塗装ステンレス鋼板では塗
装を1コートで行うことができるので、通常のコーティ
ングラインを利用して1パス(下地処理+1コート)で
製造できる。
【0043】
【実施例】母材金属板として、クロメート系下地処理
(クロム付着量:50mg/m2 )を施したオーステナ
イト系ステンレス鋼板(SUS304、板厚み0.5m
m)を使用し、その表面に、表1に示す組成(固形分重
量部)となるように各樹脂を採取し、ペイントコンディ
ショナーで混合、分散させて調製した塗料を塗布して塗
装ステンレス鋼板を作製した。
【0044】使用した樹脂は、エポキシ樹脂(商品名:
エピクロン7050、大日本インキ化学(株)製)、架
橋剤としてのアミノ樹脂(スーパーベッカミンJ−82
0、大日本インキ化学(株)製)、アクリル樹脂(ハイ
ペットHPS、三菱レーヨン(株)製)及びフッ素樹脂
(カイナー500(フッカビニリデン樹脂)、アムケム
ノースアメリカ製)であり、触媒としては和光純薬
(株)製のp−トルエンスルホン酸、カップリング剤と
しては東芝シリコーン製TSL8303(ビニルトリク
ロロシラン)を使用した。
【0045】また、顔料としては、石原産業製タイペー
クR820(酸化チタン)を使用し、白系塗料に調整し
た。
【0046】塗料の塗布は、バーコータで乾燥後付着量
が30g/m2 となるように行い、コンベア型熱風オー
ブンで約1分間で焼き付けした後、水冷した。
【0047】上記のように作製した塗装ステンレス鋼板
について、試験片表面に1mm幅の碁盤目を入れた後、
5mmのエリクセン張り出しを行い、塗膜の密着性(一
次密着性)を調査した。また、試験片を沸騰水中で2時
間または24時間浸漬した後同様の張り出しを行い、二
次密着性を調べた。評価基準は、碁盤目(100個)の
剥離が全く認められない場合、良好(○印で表示)と
し、碁盤目の1個でも剥離した場合は不良(×印で表
示)とした。
【0048】また、加工性についてはT曲げ加工試験
(23℃)により評価した。すなわち、試験片と同じ板
厚みのステンレス鋼板を挟んで密着曲げを行ったときの
塗装面にクラックを生じない最低の板挟み枚数で表示
し、2T(板挟み枚数2枚)以下であれば良好とした。
【0049】鉛筆硬度は、JIS K5400に規定さ
れる方法に準拠して傷のつかない最も硬い鉛筆の硬度で
表示し、Hであれば良好とした。
【0050】塗膜の耐候性については、サンシャインウ
ェザーメータによる試験の前後における光沢保持率と色
変化(ΔE)を測定し、評価した。光沢保持率は、10
00時間試験を行った後の「試験後光沢/初期光沢」で
あり、90(%)以上であれば良好とした。また、ΔE
は1.5以下であれば良好とした。
【0051】試験結果を表2に示す。この結果から明ら
かなように、本発明例では、塗膜の一次密着性、沸騰水
中で2時間浸漬後の二次密着性、加工性および耐候性の
いずれについても良好な結果が得られた。また、塗膜組
成No.5〜14と塗膜組成No.3および4との比較
から、潤滑処理皮膜中に架橋反応触媒および/またはシ
ラン系カップリング剤が含まれると、沸騰水中で24時
間浸漬後の二次密着性も良好になることがわかる。
【0052】これに対して、皮膜中にエポキシ樹脂およ
び架橋剤が含まれない比較例では密着性が不良で、実用
に供し得る塗装ステンレス鋼板は得られなかった。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明のフッ素系塗料組成物を用いて塗
装された本発明の塗装ステンレス鋼板は、良好な塗膜密
着性を有し、耐候性に優れ、建材用として極めて好適で
ある。
【0056】この塗装ステンレス鋼板は、製造に際して
塗装を1コートで行うことができるので、通常のコーテ
ィングラインを利用して1パス(下地処理+1コート)
で安価に製造することが可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂成分の合計量に対して、エポキシ樹脂
    が5〜20重量%、架橋剤が1〜10重量%、アクリル
    樹脂が20〜80重量%及びフッ素樹脂が20〜80重
    量%の範囲内で含有されていることを特徴とするフッ素
    系塗料組成物。
  2. 【請求項2】架橋反応触媒が樹脂成分の合計量100重
    量部に対して0.05〜5重量部含有されていることを
    特徴とする請求項1記載のフッ素系塗料組成物。
  3. 【請求項3】シラン系カップリング剤が樹脂成分の合計
    量100重量部に対して0.01〜5重量部含有されて
    いることを特徴とする請求項1または2記載のフッ素系
    塗料組成物。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3のいずれかに記載の
    塗料組成物による塗装が下地処理したステンレス鋼板の
    上に施されていることを特徴とする塗装ステンレス鋼
    板。
JP16231295A 1995-06-28 1995-06-28 フッ素系塗料組成物及びそれを用いた塗装ステンレス鋼板 Pending JPH0912967A (ja)

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JP (1) JPH0912967A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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