JPH0912715A - ポリアミドおよびその組成物 - Google Patents

ポリアミドおよびその組成物

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JPH0912715A
JPH0912715A JP16073695A JP16073695A JPH0912715A JP H0912715 A JPH0912715 A JP H0912715A JP 16073695 A JP16073695 A JP 16073695A JP 16073695 A JP16073695 A JP 16073695A JP H0912715 A JPH0912715 A JP H0912715A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジカルボン酸単位の60〜100モル%が
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなり、ジアミ
ン単位の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミン
単位(ND単位)からなるポリアミド(A)、または該
ジアミン単位がND単位および2−メチル−1,8−オ
クタンジアミン単位(MOD単位)(但し、ND単位:
MOD単位のモル比=60:40〜99:1)からなる
ポリアミド(B)であって、濃硫酸中30℃で測定した
極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gである(但
し、ポリアミド(A)は末端基の10%以上が封止され
ている)ポリアミド、該ポリアミド100重量部に充填
剤を0.1〜200重量部配合してなるポリアミド組成
物、これらのポリアミドまたはポリアミド組成物からな
る成形品。 【効果】 ポリアミドおよびポリアミド組成物は力学特
性、耐熱性、耐熱分解性、低吸水性に優れるともに、耐
熱水性、耐薬品性などの性能にも優れる。また成形品
は、上記のポリアミドおよびポリアミド組成物が有する
優れた諸性質をそのまま保持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な半芳香族ポリア
ミド、該ポリアミドに充填剤を配合してなる組成物、並
びにそれらの成形品に関する。本発明により提供される
ポリアミドおよびポリアミド組成物は、極めて優れた力
学特性、耐熱性、耐熱分解性、低吸水性を有するととも
に、耐熱水性、耐薬品性などに優れており、例えば、産
業資材、工業材料、家庭用品などの成形材料として好適
に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来からナイロン6、ナイロン66など
に代表される結晶性ポリアミドは、その優れた特性と溶
融成形の容易さから、衣料用や産業資材用の繊維、また
は汎用のエンジニアリングプラスチックとして広く用い
られているが、一方では、耐熱性不足、吸水による寸法
安定性不良などの問題点も指摘されている。特に近年の
表面実装技術(SMT)の進歩に伴うリフローハンダ耐
熱性を必要とする電気・電子分野、または年々耐熱性へ
の要求が高まる自動車のエンジンルーム部品などにおい
ては、従来のポリアミドの使用が困難となってきてお
り、耐熱性、寸法安定性、力学特性、物理的化学的特性
に優れたポリアミドの出現が望まれているのが実情であ
る。
【0003】このような状況下において、テレフタル酸
と1,6−ヘキサンジアミンからなるポリアミド(以
下、PA6−Tと略称する)を主成分とする半芳香族ポ
リアミドが種々提案されている。PA6−Tは、ポリマ
ーの分解温度を超える370℃付近に融点があるため、
溶融重合、溶融成形が困難であり、実用には供し得な
い。そのため、実際にはアジピン酸、イソフタル酸など
のジカルボン酸成分、またはナイロン6などの脂肪族ポ
リアミドを30〜40モル%共重合することにより、実
使用可能な温度領域、すなわち280〜320℃程度に
まで低融点化した組成で用いられているのが現状であ
る。このように多量の第3成分、場合によっては第4成
分を共重合することは、確かにポリマーの低融点化には
有効なものの、一方では結晶化速度、到達結晶化度の低
下を伴い、その結果、高温下での剛性、耐薬品性、寸法
安定性などの諸物性が低下するばかりでなく、成形サイ
クルの延長に伴う生産性の低下をも招く。また、吸水に
よる寸法安定性などの諸物性の変動に関しても、芳香族
基の導入により、従来の脂肪族ポリアミドに比べれば多
少改善されてはいるものの、実質的な問題解決のレベル
までには達していない。
【0004】特開昭50−67393号公報には、2,
6−ナフタレンジカルボン酸と炭素数9〜13の直鎖状
脂肪族ジアミンから得られる半芳香族ポリアミドは耐熱
性、耐薬品性、機械特性などに優れていること、上記の
直鎖状脂肪族ジアミンの代わりに側鎖を有する脂肪族ジ
アミンを用いて得られるポリアミドは結晶性が低下する
などして好ましくないことが記載されている。
【0005】特開昭59−126484号公報には、ジ
カルボン酸単位がナフタレンジカルボン酸単位とテレフ
タル酸単位などからなり、ジアミン単位が炭素数6〜1
2の脂肪族アルキレンジアミン単位からなるポリアミド
を含有するホットメルト型接着剤組成物が記載されてい
るが、該ポリアミドの成形性については一切言及されて
いない。
【0006】特開平5−310922号公報には、アル
キレン−2,6−ナフタレンジカルボキシルアミド成分
とアミノカルボン酸成分から形成され、前者と後者のモ
ル比が30対70〜90対10である共重合ポリアミド
は耐熱性、機械特性などに優れることが記載されてい
る。しかしながら、その公報の実施例では、ジアミン単
位として1,6−ヘキサンジアミン単位を有するポリア
ミドが得られているにすぎず、また、ジカルボン酸単位
として2,6−ナフタレンジカルボン酸単位は60モル
%以下が好ましいことが記載されている。
【0007】特開平5−310923号公報には、アル
キレン−2,6−ナフタレンジカルボキシルアミド成分
とアミノカルボン酸成分から形成され、前者と後者のモ
ル比が10対90〜30対70である共重合ポリアミド
が記載されており、また特開平6−65371号公報に
は、ジカルボン酸単位として2,6−ナフタレンジカル
ボン酸単位を5〜40モル%含有する半芳香族ポリアミ
ドが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの研究によ
れば、特開昭50−67393号公報および特開昭59
−126484号公報に記載されているポリアミドは、
その末端が封止されておらず、溶融成形時に粘度が不安
定となり、均一な成形品が得られないという問題がある
ことが明らかになっている。また、特開平5−3109
22号公報に記載されているポリアミドの場合、ジカル
ボン酸単位として2,6−ナフタレンジカルボン酸単位
が60モル%以上の場合、ポリマーの融点と熱分解温度
が極めて近く、溶融成形ができないという問題があるこ
とが明らかになっている。さらに、特開平5−3109
23号公報および特開平6−65371号公報に記載さ
れているポリアミドは非晶性であり、耐熱性に劣ること
が明らかになっている。
【0009】本発明の目的は、従来の半芳香族ポリアミ
ドに比較して、顕著に改善された力学特性、耐熱性、耐
熱分解性、低吸水性を有するとともに、耐熱水性、耐薬
品性などに優れたポリアミドを提供することにある。ま
た、本発明は力学特性、耐熱性、低吸水性に優れ、かつ
熱変形温度の高いポリアミド組成物を提供することを目
的としている。さらに、本発明は、上記の優れた性質を
有するポリアミドまたはポリアミド組成物からなる成形
品を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を主体とするジカルボン酸と1,9−
ノナンジアミンを主体とするジアミンから得られたポリ
アミドが、力学特性、耐熱性、耐熱分解性、低吸水性、
耐薬品性などに優れていること、ジアミンとして1,
9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジ
アミンを特定割合で使用して得られたポリアミドも、上
記のポリアミドと同様に優れた性質を有していること、
これらのポリアミドに充填剤を配合してなる組成物が
力学特性、耐熱性、耐熱分解性、低吸水性、耐薬品性な
どに優れた性質を有すること、かかるポリアミドまた
はポリアミド組成物から得られた種々の成形品が該ポリ
アミドまたはポリアミド組成物の優れた性質を保持して
いることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完
成した。
【0011】すなわち、本発明は、ジカルボン酸単位の
60〜100モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸
単位からなり、ジアミン単位の60〜100モル%が
1,9−ノナンジアミン単位からなるポリアミドであっ
て、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.4
〜3.0dl/gであり、かつ末端基の10%以上が封
止されているポリアミド[以下、これをポリアミド
(A)と称することがある]であり、またジカルボン酸
単位の60〜100モル%が2,6−ナフタレンジカル
ボン酸単位からなり、ジアミン単位の60〜100モル
%が1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−
1,8−オクタンジアミン単位からなり、かつ1,9−
ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジ
アミン単位のモル比が60対40〜99対1であるポリ
アミドであって、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度
[η]が0.4〜3.0dl/gであるポリアミド[以
下、これをポリアミド(B)と称することがある]であ
る。そして、本発明は、上記のポリアミド100重量部
に充填剤を0.1〜200重量部配合してなるポリアミ
ド組成物である。さらに、本発明は、上記のポリアミド
またはポリアミド組成物からなる成形品である。
【0012】本発明では、ポリアミドを構成するジカル
ボン酸単位の60モル%以上が2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸から誘導される単位であり、その割合は90モ
ル%以上であるのが好ましい。2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸単位が60モル%未満の場合には、得られるポ
リアミド組成物は力学特性、耐熱性、耐熱分解性などの
諸性質が劣ったものになる。
【0013】2,6−ナフタレンジカルボン酸単位以外
の他のジカルボン酸単位としては、例えばマロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジメチルマロン酸、
3,3−ジエチルコハク酸、2,2−ジメチルグルタル
酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸など
の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカル
ボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン
酸;テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレン
ジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,
3−フェニレンジオキシジ酢酸、1,4−フェニレンジ
オキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香
酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメ
タン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−
4,4’−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸など
から誘導される単位が挙げられ、これらの単位は1種ま
たは2種以上であってもよい。さらに、本発明のポリア
ミド組成物が有する上記した性質を損なわない範囲内に
おいて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸などの3価以上の多価カルボン酸から誘導される単位
を含ませることもできる。
【0014】本発明では、ポリアミドを構成するジアミ
ン単位の60モル%以上が1,9−ノナンジアミンから
誘導される単位であり、その割合は90モル%以上であ
るのが好ましい。1,9−ノナンジアミン単位が60モ
ル%未満の場合には、得られるポリアミド組成物の耐熱
分解性・低吸水性などの諸性質が劣ったものになる。
【0015】1,9−ノナンジアミン単位以外の他のジ
アミン単位としては、例えばエチレンジアミン、プロピ
レンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキ
サンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−
デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メ
チル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5
−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジ
アミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジ
アミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジ
アミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂
肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロ
ヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナン
ジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミンなど
の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェ
ニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリ
レンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどか
ら誘導される単位が挙げられ、これらの単位は1種また
は2種以上であってもよい。
【0016】上記の他のジアミン単位としては、2−メ
チル−1,8−オクタンジアミン単位が好ましい。ジア
ミン単位として、1,9−ノナンジアミン単位および2
−メチル−1,8−オクタンジアミン単位が併存する場
合、ジアミン単位の60〜100モル%が1,9−ノナ
ンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジ
アミン単位からなり、かつ1,9−ノナンジアミン単位
と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比
が60対40〜99対1の範囲にある場合には、得られ
るポリアミドは力学特性、耐熱分解性、低吸水性、耐薬
品性などに優れる。1,9−ノナンジアミン単位と2−
メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比は、7
0対30〜98対2の範囲にあることが好ましく、80
対20〜95対5の範囲にあることがより好ましい。
【0017】本発明のポリアミド(A)は、その分子鎖
の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されてい
る必要がある。その末端封止率は40%以上であるのが
好ましく、70%以上であるのがより好ましい。また、
ポリアミド(B)は、その分子鎖の末端基の10%以上
が末端封止剤により封止されているのが好ましい。その
末端封止率は40%以上であるのがより好ましく、70
%以上であるのがさらに好ましい。末端封止率が10%
以上であれば、ポリアミドの溶融成形時の粘度変化が少
なく、得られる成形品は本発明のポリアミドが有する優
れた諸性質をそのまま保持することができる。
【0018】末端の封止率は、ポリアミドに存在してい
るカルボキシル基末端、アミノ基末端および末端封止剤
によって封止された末端の数をそれぞれ測定し、下記の
式(I)により求めることができる。各末端基の数は、
1 H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナル
の積分値より求めるのが精度、簡便さの点で好ましい。
末端封止剤によって封止された末端の特性シグナルが同
定できない場合には、ポリアミドの極限粘度[η]を測
定し、 Mn=21900[η]−7900 (式中、Mnは数
平均分子量を表す。) 分子鎖末端基総数(eq/g)=2/Mn の関係式を用いて分子鎖末端基総数を算出する。さら
に、滴定によりポリアミドのカルボキシル基末端の数
(eq/g)[ポリアミドのベンジルアルコール溶液を
0.1N水酸化ナトリウムで滴定]およびアミノ基末端
の数(eq/g)[ポリアミドのフェノール溶液を0.
1N塩酸で滴定]を測定し、下記の式(I)により末端
の封止率を求める。
【0019】 封止率(%)=[(A−B)÷A]×100 (I) [式中、Aは分子鎖末端基総数(これは通常、ポリアミ
ド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bはカルボキシル
基末端およびアミノ基末端の合計数を表す。]
【0020】末端封止剤としては、ポリアミド末端のア
ミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性
の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止
末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノ
アミンを使用するのが好ましく、取扱いの容易さなどの
点から、モノカルボン酸を使用するのがより好ましい。
その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネ
ート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアル
コール類なども使用できる。
【0021】末端封止剤として使用されるモノカルボン
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ト
リデシル酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン
酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボ
ン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカル
ボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボ
ン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカ
ルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸;
またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。こ
れらのうち、反応性、封止末端の安定性、価格などの点
から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン
酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が特に好
ましい。
【0022】本発明で用いられるポリアミドのアミノ基
末端は、これらのモノカルボン酸で封止されることによ
り、下記の一般式(II)で示される封止末端を形成す
る。
【0023】
【化1】 (式中、Rは上記のモノカルボン酸からカルボキシル基
を除いた残基を表し、例えばアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基を表す。)
【0024】末端封止剤として使用されるモノアミンと
しては、カルボキシル基との反応性を有するものであれ
ば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘ
キシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モ
ノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、
ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン;またはこれら
の任意の混合物を挙げることができる。これらのうち、
反応性、沸点、封止末端の安定性、価格などの点から、
ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシ
ルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、
アニリンが特に好ましい。
【0025】本発明で用いられるポリアミドのカルボキ
シル基末端は、これらのモノアミンで封止されることに
より、下記の一般式 (III)で示される封止末端を形成す
る。
【0026】
【化2】 (式中、R1 は上記のモノアミンからアミノ基を除いた
残基を表し、例えばアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アラルキル基を表す。R2 は水素原子または
上記のモノアミンからアミノ基を除いた残基を表し、例
えば水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基を表す。)
【0027】上記の末端封止剤の使用量は、用いる末端
封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによっ
て変化するが、通常、ポリアミドを製造する際の原料で
あるジカルボン酸とジアミンの総モル数に対して0.1
〜15モル%の範囲内で使用される。
【0028】本発明で用いられるポリアミドは、結晶性
ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方
法を用いて製造することができる。本発明者らの研究に
よれば、触媒および場合により末端封止剤を、最初にジ
アミンおよびジカルボン酸に一括して添加し、ナイロン
塩を製造した後、一旦200〜250℃の温度において
濃硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.1〜0.
6dl/gのプレポリマーとし、次いでこれを固相重合
するか、または溶融押出機を用いて重合することによ
り、容易に本発明で用いられるポリアミドを得ることが
できる。プレポリマーの極限粘度[η]が0.1〜0.
6dl/gの範囲内であると、後重合の段階においてカ
ルボキシル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速
度の低下が少なく、さらに分子量分布の小さな、各種性
能や成形性に優れたポリアミドが得られる。上記の固相
重合は、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好ま
しく、その重合温度が200〜280℃の範囲内であれ
ば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を
有効に抑えることができる。溶融押出機により重合を行
う場合、重合温度が370℃以下であれば、ポリアミド
の分解が殆どなく、劣化の無いポリアミドが得られる。
【0029】上記の触媒としては、例えばリン酸、亜リ
ン酸、次亜リン酸またはそれらの塩またはエステル、具
体的には、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナ
ジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、
タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなど
の金属塩やアンモニウム塩;エチルエステル、イソプロ
ピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、デ
シルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエス
テル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどが使
用できる。
【0030】その他、必要に応じて、銅化合物などの安
定剤;着色剤;紫外線吸収剤;光安定化剤;ヒンダード
フェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、硫黄系な
どの酸化防止剤;帯電防止剤;臭素化ポリマー、酸化ア
ンチモン、金属水酸化物などの難燃剤;結晶核剤;可塑
剤;潤滑剤などをポリアミドの重合前、重合中または重
合後に適宜添加することもできる。
【0031】本発明で用いられるポリアミドは、濃硫酸
中30℃で測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0d
l/gの範囲のものであり、0.6〜2.0dl/gの
範囲のものが好ましく、0.8〜1.8dl/gの範囲
のものがより好ましい。ポリアミドの極限粘度[η]が
上記の範囲内であれば、本発明のポリアミドおよびポリ
アミド組成物は成形性に優れ、得られる成形品は上記し
た諸性質に優れる。
【0032】本発明では、充填剤として、従来より知ら
れている粉末状、繊維状、クロス状などの各種形態を有
する充填剤を用いることができる。
【0033】粉末状充填剤としては、例えばシリカ、シ
リカアルミナ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化
ホウ素、タルク、マイカ、チタン酸カリウム、ケイ酸カ
ルシウム、硫酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、ア
スベスト、ガラスビーズ、カーボンブラック、グラファ
イト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン
などを挙げることができる。これらの粉末状充填剤は、
平均粒径が0.1〜200μmの範囲にあるものが好ま
しく、1〜100μmの範囲にあるものがより好まし
い。粉末状充填剤を使用する場合には、ポリアミド組成
物から得られる成形品は寸法安定性、耐熱特性、化学的
物理的特性、摺動特性などに優れる。
【0034】繊維状充填剤としては、例えばポリパラフ
ェニレンテレフタルアミド繊維、ポリメタフェニレンテ
レフタルアミド繊維、ポリパラフェニレンイソフタルア
ミド繊維、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維、
ジアミノジフェニルエーテルとテレフタル酸もしくはイ
ソフタル酸からの縮合物から得られる繊維などの全芳香
族ポリアミド繊維、または全芳香族液晶ポリエステル繊
維、ビニロン繊維などの有機系の繊維状充填剤;ガラス
繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維、ホウ素繊維
などの無機系の繊維状充填剤が挙げられる。これらの繊
維状充填剤は、平均長が0.05〜50mmの範囲にあ
るものが好ましく、平均長が1〜10mmの範囲にある
ものがより好ましい。これらの繊維状充填剤はクロス状
などに2次加工されていてもよい。このような繊維状充
填剤を使用する場合には、ポリアミド組成物から得られ
る成形品は摺動特性に顕著に優れるうえに、力学特性、
耐熱特性、化学的物理的特性などにも優れる。
【0035】上記の充填剤は1種または2種以上の組合
わせで用いることができる。充填剤の配合量は、ポリア
ミド100重量部に対して0.1〜200重量部であ
る。この配合量の範囲であれば、得られるポリアミド組
成物は本発明の上記の優れた性質を発現することができ
る。充填剤の配合量は、ポリアミド100重量部に対し
て0.1〜150重量部であるのが好ましく、0.5〜
100重量部であるのがより好ましい。なお、上記の充
填剤はシランカップラー、チタンカップラーなどで処理
されていてもよい。
【0036】本発明のポリアミドおよびポリアミド組成
物は成形性が良好であり、射出成形法、ブロー成形法、
押出し成形法、圧縮成形法、延伸成形法、真空成形法な
どの各種方法により成形が可能である。具体的にはシー
ト、フィルム、ボトル、繊維などの各種形状の成形品に
することができる。かかる成形品としては、例えば電動
工具、一般工業用部品、ギア、カムなどの機械部品、コ
ネクタ、スイッチ、リレー、MID、プリント配線板、
電子部品のハウジングなどのような電子部品、フィル
ム、シート、繊維などの種々の形態の成形品を挙げるこ
とができる。特に、自動車用途の成形品、例えば自動車
の内外装部品、エンジンルーム内の部品、電装部品など
に好適に使用することができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら制限されるものでは
ない。以下の例において、極限粘度、末端封止率、熱分
解温度、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後の
強度保持率、アルコール処理後の強度保持率の測定を下
記の方法により行った。
【0038】〈極限粘度[η]〉濃硫酸中、30℃に
て、0.05、0.1、0.2、0.4g/dlの濃度
の試料の固有粘度(ηinh )を測定し、これを濃度0に
外挿した値を極限粘度[η]とした。 ηinh =[ln(t1 /t0 )]/c [式中、ηinh は固有粘度(dl/g)を表し、t0
溶媒の流下時間(秒)を表し、t1 は試料溶液の流下時
間(秒)を表し、cは溶液中の試料の濃度(g/dl)
を表す。]
【0039】〈末端封止率〉1H−NMR(500MH
z、重水素化トリフルオロ酢酸中、50℃で測定)を用
い、各末端基ごとの特性シグナルの積分値よりカルボキ
シル基末端、アミノ基末端および封止末端の数をそれぞ
れ測定し、前記の式(I)より末端封止率を求めた。測
定に用いた代表的なシグナルの化学シフト値を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】〈熱分解温度〉熱重量分析計(メトラー社
製、TG−50)を用いて、窒素気流下で測定した。昇
温速度10℃/分での10%重量損失時の温度を熱分解
温度とした。
【0042】〈引張強度、熱変形温度〉融点より約20
℃高い温度で射出成形した絶乾状態の試料片を、以下の
方法で測定した。
【0043】
【表2】
【0044】〈吸水率〉JIS1号ダンベル型射出成形
片を秤量し、次いで23℃の水中に1日間浸漬した後、
秤量して、増量分の浸漬前の重量に対する割合(%)と
して求めた。
【0045】〈熱水処理後の強度保持率〉JIS1号ダ
ンベル型射出成形片を、耐圧オートクレーブ中で、12
0℃、2気圧下で、240時間スチーム処理した。処理
後の成形片の引張強度の処理前の値に対する保持率
(%)を求めた。
【0046】〈アルコール処理後の強度保持率〉JIS
1号ダンベル型射出成形片を、メタノール中に23℃で
1週間浸漬した。成形片の引張強度の浸漬前の値に対す
る保持率(%)を求めた。
【0047】[実施例1]2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸の4237.3g(19.6モル)、1,9−ノナ
ンジアミンの3165.8g(20.0モル)、安息香
酸の97.7g(0.8モル)、次亜リン酸ナトリウム
一水和物の7.5g(原料に対して0.1重量%)およ
び蒸留水の2.2リットルを内容積20リットルのオー
トクレーブに入れ、窒素置換した。100℃で30分間
攪拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温した。
この時、オートクレーブは22kg/cm2 まで昇圧し
た。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温
し、その後、2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を
徐々に抜いて圧力を22kg/cm2 に保ちながら反応
させた。次いで、30分かけて圧力を10kg/cm2
まで下げ、さらに1時間反応させて、極限粘度[η]が
0.25dl/gのプレポリマーを得た。このプレポリ
マーを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以
下の大きさまで粉砕した。これを230℃、0.1mm
Hg下に、10時間固相重合し、極限粘度[η]が1.
11dl/g、末端封止率が91%である白色のポリア
ミドを得た。得られたポリアミドの熱分解温度を測定
し、その値を表3に示した。
【0048】上記のポリアミドをシリンダー温度330
℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた成形片
について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後
の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を測定
し、それらの結果を下記の表3に示した。
【0049】[実施例2]実施例1において、ジアミン
として1,9−ノナンジアミンの2690.9g(1
7.0モル)および2−メチル−1,8−オクタンジア
ミンの474.87g(3.0モル)を使用した以外
は、実施例1に記載した方法により、極限粘度[η]が
1.10dl/g、末端封止率が92%である白色のポ
リアミドを得た。得られたポリアミドの熱分解温度を測
定し、その値を表3に示した。
【0050】上記のポリアミドをシリンダー温度320
℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた成形片
について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後
の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を測定
し、それらの値を下記の表3に示した。
【0051】[実施例3]実施例1において、2,6−
ナフタレンジカルボン酸の4254.6g(19.68
モル)および安息香酸の8.2g(0.64モル)を使
用し、かつジアミンとして1,9−ノナンジアミンの2
690.9g(17.0モル)および2−メチル−1,
8−オクタンジアミンの474.87g(3.0モル)
を使用した以外は、実施例1に記載した方法により、極
限粘度[η]が1.08dl/g、末端封止率が71%
である白色のポリアミドを得た。得られたポリアミドの
熱分解温度を測定し、その値を表3に示した。
【0052】上記のポリアミドをシリンダー温度320
℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた成形片
について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後
の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を測定
し、それらの値を下記の表3に示した。
【0053】[実施例4]実施例1において、2,6−
ナフタレンジカルボン酸の4323.8g(20.0モ
ル)および安息香酸の48.8g(0.4モル)を使用
し、かつジアミンとして1,9−ノナンジアミンの26
90.9g(17.0モル)および2−メチル−1,8
−オクタンジアミンの474.87g(3.0モル)を
使用した以外は、実施例1に記載した方法により、極限
粘度[η]が1.12dl/g、末端封止率が43%で
ある白色のポリアミドを得た。得られたポリアミドの熱
分解温度を測定し、その値を表3に示した。
【0054】上記のポリアミドをシリンダー温度320
℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた成形片
について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後
の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を測定
し、それらの値を下記の表3に示した。
【0055】[実施例5]実施例1において、2,6−
ナフタレンジカルボン酸の4375.7g(20.24
モル)および安息香酸の19.5g(0.16モル)を
使用し、ジアミンとして1,9−ノナンジアミンの26
90.9g(17.0モル)および2−メチル−1,8
−オクタンジアミンの474.87g(3.0モル)を
使用し、かつ次亜リン酸ナトリウムの7.6gを使用し
た以外は、実施例1に記載した方法により、極限粘度
[η]が1.16dl/g、末端封止率が22%である
白色のポリアミドを得た。得られたポリアミドの熱分解
温度を測定し、その値を表4に示した。
【0056】上記のポリアミドをシリンダー温度320
℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた成形片
について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後
の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を測定
し、それらの値を下記の表4に示した。
【0057】[比較例1]実施例1において、2,6−
ナフタレンジカルボン酸の4410.3g(20.4モ
ル)および次亜リン酸ナトリウムの7.4gを使用し、
かつ安息香酸を使用しなかった以外は、実施例1に記載
した方法により、極限粘度[η]が1.13dl/g、
末端封止率が0%である白色のポリアミドを得た。得ら
れたポリアミドの熱分解温度を測定し、その値を表4に
示した。
【0058】上記のポリアミドをシリンダー温度330
℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた成形片
について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後
の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を測定
し、それらの値を下記の表4に示した。
【0059】[比較例2]実施例1において、2,6−
ナフタレンジカルボン酸の4107.6g(19.0モ
ル)および安息香酸の366.4g(3.0モル)を使
用し、ジアミンとして1,9−ノナンジアミンの269
0.9g(17.0モル)および2−メチル−1,8−
オクタンジアミンの474.87g(3.0モル)を使
用し、かつ次亜リン酸ナトリウムの7.6gを使用した
以外は、実施例1に記載した方法により、極限粘度
[η]が0.38dl/g、末端封止率が70%である
白色のポリアミドを得た。得られたポリアミドの熱分解
温度を測定し、その値を表4に示した。
【0060】上記のポリアミドをシリンダー温度320
℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた成形片
について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後
の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を測定
し、それらの値を下記の表4に示した。
【0061】[比較例3]実施例1において、ジカルボ
ン酸として2,6−ナフタレンジカルボン酸の229
1.6g(10.6モル)およびテレフタル酸の162
8.1g(9.8モル)使用し、ジアミンとして1,1
0−デカンジアミンの3446.4g(20.0モル)
を使用し、かつ次亜リン酸ナトリウムの7.4gを使用
して、安息香酸を使用しなかった以外は、実施例1に記
載した方法により、極限粘度[η]が1.16dl/
g、末端封止率が0%である白色のポリアミドを得た。
得られたポリアミドの熱分解温度を測定し、その値を表
4に示した。
【0062】上記のポリアミドをシリンダー温度320
℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた成形片
について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後
の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を測定
し、それらの値を下記の表4に示した。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】上記の表3および表4で用いた化合物に関
する略号とその化合物内容は、下記の表7に示すとおり
である。
【0066】[実施例6]実施例1で得られたポリアミ
ドを減圧下に120℃で24時間乾燥し、得られた乾燥
ポリアミド100重量部と平均長6mmのガラス繊維
(ピーピージー社製、PPG3540)50重量部をド
ライブレンドした。このブレンド物を1軸押出機(スク
リュー径40mm、L/D=28、シリンダー温度=3
20〜350℃、回転数=60rpm)を用いて溶融混
練し、ペレット化することによってポリアミド組成物を
得た。この組成物をシリンダー温度330℃、金型温度
100℃で射出成形した。得られた成形片について、引
張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後の強度保持
率、アルコール処理後の強度保持率を測定し、それらの
値を下記の表5に示した。
【0067】[実施例7]実施例6において、実施例2
で得られたポリアミドを用いた以外は、実施例6に記載
した方法で組成物とし、次いで組成物をシリンダー温度
320℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた
成形片について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水
処理後の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を
測定し、それらの値を下記の表5に示した。
【0068】[実施例8]実施例6において、実施例2
で得られたポリアミドを用い、かつ平均長6mmのガラ
ス繊維(前記のとおり)40重量部および平均粒径5〜
6mmのタルク(土屋カオリン工業株式会社製、PKP
−80)10重量部を用いた以外は、実施例6に記載し
た方法で組成物とし、次いで組成物をシリンダー温度3
20℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた成
形片について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水処
理後の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を測
定し、それらの値を下記の表5に示した。
【0069】[実施例9]実施例6において、実施例2
で得られたポリアミドを用い、かつ平均長3mmのカー
ボン繊維(東レ株式会社製、T008A)50重量部を
用いた以外は、実施例6に記載した方法で組成物とし、
次いで組成物をシリンダー温度320℃、金型温度10
0℃で射出成形した。得られた成形片について、引張強
度、熱変形温度、吸水率、熱水処理後の強度保持率、ア
ルコール処理後の強度保持率を測定し、それらの値を下
記の表5に示した。
【0070】[実施例10]実施例6において、実施例
2で得られたポリアミドを用い、かつ平均粒径5〜6m
mのタルク(前記のとおり)50重量部を用いた以外
は、実施例6に記載した方法で組成物とし、次いで組成
物をシリンダー温度320℃、金型温度100℃で射出
成形した。得られた成形片について、引張強度、熱変形
温度、吸水率、熱水処理後の強度保持率、アルコール処
理後の強度保持率を測定し、それらの値を下記の表6に
示した。
【0071】[比較例4]実施例6において、実施例2
で得られたポリアミド100重量部を用い、かつ平均長
6mmのガラス繊維(前記のとおり)300重量部を用
いた以外は、実施例6に記載した方法で配合したが、得
られた組成物は不均一な混練物であり、射出成形を行う
ことは不可能であった。
【0072】[比較例5]実施例6において、比較例3
で得られたポリアミドを用いた以外は、実施例6に記載
した方法で組成物とし、次いで組成物をシリンダー温度
320℃、金型温度100℃で射出成形した。得られた
成形片について、引張強度、熱変形温度、吸水率、熱水
処理後の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率を
測定し、それらの値を下記の表6に示した。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】上記の表5および表6で用いた化合物に関
する略号とその化合物内容は、下記の表7に示すとおり
である。
【0076】
【表7】
【0077】
【発明の効果】本発明のポリアミドおよびポリアミド組
成物は力学特性、耐熱性、耐熱分解性、低吸水性に優れ
るともに、耐熱水性、耐薬品性などの性能にも優れる。
また本発明の成形品は、上記のポリアミドおよびポリア
ミド組成物が有する優れた諸性質をそのまま保持するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 77:00 (72)発明者 柏村 次史 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸単位の60〜100モル%
    が2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなり、ジア
    ミン単位の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミ
    ン単位からなるポリアミドであって、濃硫酸中30℃で
    測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gであ
    り、かつ末端基の10%以上が封止されているポリアミ
    ド。
  2. 【請求項2】 ジカルボン酸単位の60〜100モル%
    が2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなり、ジア
    ミン単位の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミ
    ン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単
    位からなり、かつ1,9−ノナンジアミン単位と2−メ
    チル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比が60対
    40〜99対1であるポリアミドであって、濃硫酸中3
    0℃で測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/
    gであるポリアミド。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のポリア
    ミド100重量部に、充填剤を0.1〜200重量部配
    合してなるポリアミド組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のポリア
    ミドからなる成形品。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のポリアミド組成物からな
    る成形品。
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