JP2006281507A - 積層構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物(A)からなるA層と、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層との、少なくとも2層を有する積層構造体であって、該ポリアミド樹脂組成物(B)が、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含むジカルボン酸単位と、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含むジアミン単位とからなるポリアミド樹脂(X)を50〜97質量%、および、耐衝撃性改良剤(Y)を50〜3質量%含有すること、および積層構造体の全厚みに対する、該A層の厚さと該B層の厚さとの和の占める割合が、80〜100%であること、を特徴とする積層構造体。
【選択図】なし
Description
この為、アルコールガソリン透過防止性を向上させるために、肉厚を増加させる必要があるが、これにより、成形品の柔軟性が低下したり、重くなるという欠点、さらに材料や生産性の面でコスト高になるという問題があった。
(1)ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物(A)からなるA層と、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層との、少なくとも2層を有する積層構造体であって、
該ポリアミド樹脂組成物(B)が、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含むジカルボン酸単位と、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含むジアミン単位とからなるポリアミド樹脂(X)を50〜97質量%、および、耐衝撃性改良剤(Y)を50〜3質量%含有すること、および
積層構造体の全厚みに対する、該A層の厚さと該B層の厚さとの和の占める割合が、80〜100%であること、
を特徴とする積層構造体。
(2)A層とB層のみを有する、上記(1)に記載の積層構造体。
(3)1層のA層と1層のB層とからなる2層構造を有する、上記(1)または(2)に記載の積層構造体。
(4)炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位が、1,9−ノナンジアミン単位及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の積層構造体。
(5)ポリオレフィン系樹脂が酸変性ポリオレフィンである、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の積層構造体。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の積層構造体からなる成形品。
(7)ホース、チューブ、ボトル、タンク、フィルムおよびシートからなる群から選ばれる、上記(6)に記載の成形品。
(8)A層が最外層である、上記(6)または(7)に記載の成形品。
(9)燃料輸送チューブである、上記(6)〜(8)のいずれか1つに記載の成形品。
本発明の積層構造体は、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物(A)からなるA層と、ポリアミド樹脂組成物(B)とからなるB層との、少なくとも2層を有する。該ポリアミド樹脂組成物(B)は、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含むジカルボン酸単位と、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含むジアミン単位とからなるポリアミド樹脂(X)を50〜97質量%含有し、かつ、耐衝撃性改良剤(Y)を50〜3質量%含有する。
ここで「ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する」とは、ポリオレフィン系樹脂組成物(A)中の全成分のうちでポリオレフィン系樹脂の含有量が最も多いことを意味する。
また、本発明において使用されるポリオレフィン系樹脂組成物(A)は、さらに別の成分(例えば、導電性フィラー、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機質充填剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、可塑剤、着色剤、潤滑剤等)を含有していてもよい。
ポリアミド樹脂(X)中のテレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位の含有量は、全ジカルボン酸単位に対して50〜100モル%であり、好ましくは60モル%〜100モル%、より好ましくは75モル%〜100モル%、さらに好ましくは90モル%〜100モル%である。テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位の含有量が50モル%未満の場合には、得られる積層構造体の耐熱性、耐薬品性、アルコールガソリン透過防止性等の諸物性が低下する。
ナフタレンジカルボン酸単位としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸から誘導される単位が挙げられる。上記ナフタレンジカルボン酸単位の中でも、2,6−ナフタレンジカルボン酸から誘導される単位が好ましい。
上記のポリオレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボネン共重合体、エチレン−αオレフィンコポリマーおよびプロピレン−αオレフィンコポリマー(たとえば、三井石油化学(株)製、商品名タフマー)等が挙げられる。
上記のポリスチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブテン共重合体(SBR)、水素化スチレン/ブタジエンブロック共重合体(H−SBR)、ポリスチレンブロックと水素添加ポリイソプレンブロックとからなるジブロックもしくはトリブロック共重合体(たとえば、クラレ(株)製、商品名セプトン)、水添ポリスチレン/エチレン/ブチレン(SEBS)エラストマー(たとえば、シェル化学(株)製、商品名クレイトンG)等が挙げられる。
上記のアクリル系エラストマーとしては、例えば、ポリアクリル酸エステル、エチレンメタクリル酸系特殊エラストマー(たとえば、三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名タフリットT3000)、アクリル系(反応タイプ)のエラストマー(たとえば、クレハ化学(株)製、商品名パラロイドEXL)、コアがシリコンゴム、シェルがアクリルゴムまたはアクリル系樹脂からなるコア・シェルタイプのエラストマー(たとえば、三菱レーヨン(株)製、グレード名S2001またはRK120)等が挙げられる。
本発明の好ましい態様においては、積層構造体はA層とB層のみを有する。本発明の積層構造体においては、上記の条件を満たすA層である限り、1層のA層のみを有していても、2層以上の同一、または、異なるA層を有していてもよい。また、上記の条件を満たすB層である限り、1層のB層のみを有していても、2層以上の同一、または、異なるB層を有していてもよい。本発明のより好ましい態様としては、1層のA層と1層のB層とからなる2層構造を有する積層構造体、1層のA層と2層の異なるB層とからなる3層構造を有する積層構造体などが挙げられる。これらの内で、1層のA層と1層のB層とからなる2層構造を有する積層構造体が、生産性、コスト、層間接着性などの面で特に好ましい。
なお、本明細書において、本発明の積層構造体が複数のA層及び/又は複数のB層を有する場合には、上記A層の厚さとは、積層構造体中の全A層の厚さの合計値を表し、上記B層の厚さとは、積層構造体中の全B層の厚さの合計値を表す。
さらに、本発明の積層構造体には、A層、B層以外の他の層として、上記熱可塑性樹脂からなる層以外にも、任意の基材、例えば、紙、金属系材料、無延伸、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織布、金属綿状、木質等からなる層を積層することも可能である。金属系材料としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、金、銀、チタン、モリブデン、マグネシウム、マンガン、鉛、錫、クロム、ベリリウム、タングステン、コバルトなどの金属や金属化合物及びこれら2種類以上からなるステンレス鋼などの合金鋼、アルミニウム合金、黄銅、青銅などの銅合金、ニッケル合金等の合金類などが挙げられる。
なお、A層、B層以外の他の層は、1層のみであってもよいし、同一または異なる2層以上であってもよい。
本発明の積層構造体を、燃料輸送チューブを含む、ホース、チューブ、ボトル、タンクなどの成形品として使用する場合、A層とB層のどちらが外側に配置されていてもよいが、アルコールガソリン透過防止性や耐衝撃性の確保の観点からは、A層がB層よりも外側に配置されていることが好ましく、A層がこれらの成形品の最外層に配置されていることがより好ましい。また、層間接着性の観点からは、本発明の積層構造体の少なくとも一部分において、A層とB層とが直接積層されていることが好ましい。
また、かかる導電性フィラーは、十分な帯電防止性能を得るという意味で、それを配合した層を有する成形品において、表面固有抵抗値が、108Ω/square以下、特に106Ω/square以下であることが好ましい。但し、上記導電性フィラーの配合は、強度、流動性の悪化を招きやすい。そのため、目標とする導電レベルが得られれば、上記導電性フィラーの配合量はできるだけ少ない方が望ましい。
また、本発明の積層構造体は、アルコールガソリン透過防止性に優れるため、薬液搬送配管に好適である。薬液としては、例えば、ガソリン、灯油、ディーゼルガソリン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、含アルコールガソリン、メチル−t−ブチルエーテル、含酸素ガソリン、含アミンガソリン、サワーガソリン、ひまし油ベースブレーキ液、グリコールエーテル系ブレーキ液、ホウ酸エステル系ブレーキ液、極寒地用ブレーキ液、シリコーン油系ブレーキ液、鉱油系ブレーキ液、パワーステアリングオイル、ウインドウォッシャー液、エンジン冷却液、医薬剤、インク、塗料等が挙げられる。本発明の積層構造体は、上記薬液を搬送するチューブとして好適であり、具体的には、フィードチューブ、リターンチューブ、エバポチューブ、フューエルフィラーチューブ、ORVRチューブ、リザーブチューブ、ベントチューブ等の燃料輸送チューブ、オイルチューブ、ブレーキチューブ、ウインドウォッシャー液用チューブ、ラジエーターチューブ、冷却水、冷媒等用クーラーチューブ、エアコン冷媒用チューブ、床暖房チューブ、消火器及び消火設備用チューブ、医療用冷却機材用チューブ、インク、塗料散布チューブ、その他薬液チューブが挙げられる。特に、燃料輸送チューブとして好適である。
なお、実施例及び比較例における分析及び物性の測定は次のように行った。
濃硫酸中にポリアミドを溶解して、濃度が0.05g/dl、0.1g/dl、0.2g/dlおよび0.4g/dlの試料溶液を調製し、30℃における固有粘度ηinhを測定し、これを0に外挿した値を極限粘度[η]とした。
(低温耐衝撃性)
SAE J2260に記載の方法で評価した。
(アルコールガソリン透過防止性)
200mmにカットしたチューブの片端を密栓し、内部にFuelC(イソオクタン/トルエン=50/50体積比)とメタノールとを85/15体積比で混合したアルコール/ガソリンを入れ、残りの端部も密栓した。その後、全体の重量を測定し、次いで試験チューブを60℃のオーブンに入れ、一日毎に重量変化を測定した。一日あたりの重量変化を、チューブの内層表面積で除してアルコールガソリン透過係数(g/m2・day)を算出した。
200mmにカットしたチューブをさらに縦方向に半分にカットし、テストピースを作製した。テンシロン万能試験機を用い、50mm/minの引張速度にて180°剥離試験を実施した。S−Sカーブの極大点から剥離強度を読み取り、層間接着性を評価した。
200mmにカットしたチューブの片端を密栓し、内部にFuelC(イソオクタン/トルエン=50/50体積比)とメタノ−ルとを85/15体積比で混合したアルコール/ガソリンを入れ、残りの端部も密栓した。次いで試験チューブを60℃のオーブンに入れ、500時間後に取り出して、上記方法で層間接着性を評価した。
ポリアミド樹脂(X):
以下の手法により製造したポリアミド樹脂を使用した。
(a−1)ポリアミド9Tの製造
テレフタル酸32960g(198.4モル)、1,9−ノナンジアミン26909g(170モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン4748.7g(30モル)、安息香酸390.8g(3.2モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物60g(原料に対して0.1重量%)及び蒸留水40Lをオートクレーブに入れ、窒素置換した。
上記混合物を100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、更に1時間反応させて、プレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。これを230℃、0.013kPa下にて、10時間固相重合し、融点が300℃、極限粘度が1.92dl/gのポリアミド9Tを得た(以下、このポリアミドを(a−1)という場合がある)。
(a−1)ポリアミド9Tの製造において、1,9−ノナンジアミン26909g(170モル)を15829g(100モル)に、2−メチル−1,8−オクタンジアミン4748.7g(30モル)を15829g(100モル)に変えたこと以外は、(a−1)ポリアミド9Tの製造法と同様の方法で、融点が275℃、極限粘度が1.85dl/gのポリアミド9Tを得た(以下、このポリアミドを(a−2)という場合がある)。
2,6−ナフタレンジカルボン酸42892g(198.4モル)、1,9−ノナンジアミン26909g(170モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン4748.7g(30モル)、安息香酸390.8g(3.2モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物60g(原料に対して0.1重量%)及び蒸留水40Lをオートクレーブに入れ、窒素置換した。
上記混合物を100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後240℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、更に1時間反応させてプレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。これを240℃、0.013kPa下にて、10時間固相重合し、融点が302℃、極限粘度が1.90dl/gのポリアミド9Nを得た(以下、このポリアミドを(b)という場合がある)。
以下の方法により製造したポリアミド樹脂組成物を使用した。
(A−1)ポリアミド9T樹脂組成物の製造
ポリアミド9T(a−1)に耐衝撃性改良剤(Y)としてJSR T7761P(JSR(株)製、エチレン−プロピレン共重合体)を予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度320℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、ポリアミド9T樹脂80重量部、耐衝撃性改良剤20重量部からなるポリアミド9T樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド9T樹脂組成物をA−1と略称する場合がある)。
ポリアミド9Tを(a−1)から(a−2)に変えたこと以外は上記(A−1)の製造法と同様にして、ポリアミド9T樹脂90重量部、耐衝撃性改良剤(Y)10重量部からなるポリアミド9T樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド9T樹脂組成物をA−2と略称する場合がある)。
ポリアミド9N(b)に耐衝撃性改良剤(Y)としてJSR T7761P(JSR(株)製、エチレン−プロピレン共重合体)を予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度320℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、ポリアミド9N樹脂85重量部、耐衝撃性改良剤15重量部からなるポリアミド9T樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド9N樹脂組成物をBと略称する場合がある)。
HDPE樹脂[ハイゼックス 6300M](三井化学社製、MFR値(190℃):0.11g/10min)と無水マレイン酸変性HDPE樹脂[アドマーHF500](三井化学社製、MFR値(190℃):1.0g/10min)とをあらかじめ予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度210℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、HDPE樹脂80重量部、無水マレイン酸変性HDPE樹脂20重量部からなるポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリオレフィン系樹脂組成物をCと略称する場合がある)。
HDPE樹脂[ハイゼックス 6300M](三井化学社製、MFR値(190℃):0.11g/10min)と無水マレイン酸変性HDPE樹脂[アドマーHF500](三井化学社製、MFR値(190℃):1.0g/10min)とエチレン−αオレフィン共重合体[タフマー P−0775](三井化学社製)とをあらかじめ予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度210℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、HDPE樹脂80重量部、無水マレイン酸変性HDPE樹脂10重量部、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂10重量部からなるポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリオレフィン系樹脂組成物をDと略称する場合がある)。
MXD−6(東洋紡績(株)製ナイロンT−600)とエチレン−αオレフィン共重合体[タフマー P−0775](三井化学社製)とをあらかじめ予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度270℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、MXD−6樹脂85重量部、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂15重量部からなるポリアミド系樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド系樹脂組成物をEと略称する場合がある)。
上記に示したポリオレフィン系樹脂組成物(C)およびポリアミド9T樹脂組成物(A−1)を使用して、プラスチック工学研究所(株)製チューブ成形機にて、(C)を押出温度210℃、(A−1)を押出温度320℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、ポリオレフィン系樹脂組成物(C)からなる(I)層(最外層)、ポリアミド9T樹脂組成物(A−1)からなる(III)層(最内層)としたときの、層構成が厚さ(I)/(III)=0.80/0.20mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、(A−1)を(A−2)に変え、(A−2)を押出温度300℃にて溶融させたこと以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、(C)をポリオレフィン系樹脂組成物(D)に変え、(A−1)をポリアミド9N樹脂組成物(B)に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、(C)をポリオレフィン系樹脂組成物(D)に変え、層構成を厚さ(I)/(III)=0.70/0.30mmに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
上記に示したポリオレフィン系樹脂組成物(D)、ポリアミド9T樹脂組成物(A−2)およびポリアミド9N樹脂組成物(B)を使用して、プラスチック工学研究所(株)製チューブ成形機にて、(D)を押出温度210℃、(A−2)を押出温度300℃、(B)を320℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、ポリオレフィン系樹脂組成物(D)からなる(I)層(最外層)、ポリアミド9T樹脂組成物(A−2)からなる(II)層(中間層)、ポリアミド9N樹脂組成物(B)からなる(III)層(最内層)としたときの、層構成が厚さ(I)/(II)/(III)=0.70/0.15/0.15mmで内径6mm、外径8mmの積層チュ−ブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
上記に示したポリオレフィン系樹脂組成物(C)およびポリアミド系樹脂組成物(E)を使用して、プラスチック工学研究所(株)製チューブ成形機にて、(C)を押出温度210℃、(E)を押出温度270℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、ポリオレフィン系樹脂組成物(C)からなる(I)層(最外層)、ポリアミド系樹脂組成物(E)からなる(III)層(最内層)としたときの、層構成が厚さ(I)/(III)=0.80/0.20mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例1において、(C)をポリオレフィン系樹脂組成物(D)に変え、ポリオレフィン系樹脂組成物(D)からなる(I)層(最外層)、ポリアミド系樹脂組成物(E)からなる(III)層(最内層)としたときの、層構成を厚さ(I)/(III)=0.70/0.30mmとしたこと以外は、比較例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
上記に示したポリオレフィン系樹脂組成物(C)を使用して、プラスチック工学研究所(株)製チューブ成形機にて、(C)を押出温度210℃にて溶融させ、吐出された溶融樹脂を管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、ポリオレフィン系樹脂組成物(C)からなる内径6mm、外径8mmの単層チューブを得た。当該単層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例3において、(C)をポリオレフィン系樹脂組成物(D)に変えたこと以外は、比較例3と同様の方法にて、表1に示す層構成の単層チューブを得た。当該単層チューブの物性測定結果を表1に示す。
一方、最内層としてポリアミド樹脂(X)を用いないポリアミド樹脂組成物からなる層を用いた比較例1および2の積層チューブは、アルコールガソリン透過係数が顕著に大きく(すなわち、アルコールガソリン透過防止性に劣る)、層間接着性がアルコールガソリン浸漬後に顕著に低下し、さらに低温耐衝撃性に劣っていた。また、比較例3および4の単層チューブは、アルコールガソリン透過係数が異常に大きかった(すなわち、アルコールガソリン透過防止性に著しく劣る)。
Claims (9)
- ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物(A)からなるA層と、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層との、少なくとも2層を有する積層構造体であって、
該ポリアミド樹脂組成物(B)が、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含むジカルボン酸単位と、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含むジアミン単位とからなるポリアミド樹脂(X)を50〜97質量%、および、耐衝撃性改良剤(Y)を50〜3質量%含有すること、および
積層構造体の全厚みに対する、該A層の厚さと該B層の厚さとの和の占める割合が、80〜100%であること、
を特徴とする積層構造体。 - A層とB層のみを有する、請求項1に記載の積層構造体。
- 1層のA層と1層のB層とからなる2層構造を有する、請求項1または2に記載の積層構造体。
- 炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位が、1,9−ノナンジアミン単位及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層構造体。
- ポリオレフィン系樹脂が酸変性ポリオレフィンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層構造体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層構造体からなる成形品。
- ホース、チューブ、ボトル、タンク、フィルムおよびシートからなる群から選ばれる、請求項6に記載の成形品。
- A層が最外層である、請求項6または7に記載の成形品。
- 燃料輸送チューブである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の成形品。
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