JP2006281507A - 積層構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコールガソリン透過防止性、層間接着性、低温耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性に優れた積層構造体を提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物(A)からなるA層と、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層との、少なくとも2層を有する積層構造体であって、該ポリアミド樹脂組成物(B)が、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含むジカルボン酸単位と、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含むジアミン単位とからなるポリアミド樹脂(X)を50〜97質量%、および、耐衝撃性改良剤(Y)を50〜3質量%含有すること、および積層構造体の全厚みに対する、該A層の厚さと該B層の厚さとの和の占める割合が、80〜100%であること、を特徴とする積層構造体。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも2層を有する積層構造体であって、その2層が、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなる層と、特定の構造単位を有するポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂組成物からなる層である、積層構造体に関し、特にアルコールガソリン透過防止性、層間接着性、低温耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性に優れた積層構造体に関する。
自動車関連の燃料チューブ、ホース、タンク等においては、道路の凍結防止剤による発錆の問題や、近年、省エネルギーの観点から、自動車の構成部品の軽量化が進められ、金属から樹脂への主要素材の代替が進みつつある。例えば、飽和ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂等が挙げられるが、これらを使用した単層成形品の場合、耐熱性、耐薬品性などが不十分なことから、適用可能な範囲が限定されていた。
さらに、近年、環境汚染防止の観点から、燃料チューブ、ホース、タンク隔壁を通じての揮発性炭化水素等の拡散による大気中への漏洩防止を含めた厳しい排ガス規制が実施されている。将来においては、益々厳しい法規制が課せられ、燃料チューブ、ホース、タンク隔壁から透過して蒸散する燃料を極限まで抑制することが望まれる。また、ガソリンの消費節約、高性能化の観点から、メタノール、エタノールなどの沸点の低いアルコール類、あるいはメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)などのエーテル類をブレンドした含酸素ガソリンが用いられるようになってきた。そのため、従来から使用されているポリアミド11(PA11)樹脂やポリアミド12(PA12)樹脂などでは上記の燃料に対する透過防止性は十分でなく、特にアルコールガソリン透過防止性に対する改良が求められている。
この為、アルコールガソリン透過防止性を向上させるために、肉厚を増加させる必要があるが、これにより、成形品の柔軟性が低下したり、重くなるという欠点、さらに材料や生産性の面でコスト高になるという問題があった。
この問題を解決する方法として、ポリアミド11やポリアミド12を外層もしくは最外層とし、アルコールガソリン透過防止性の良好な樹脂、例えばエチレン/酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(TFE/HFP、FEP)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(TFE/HFP/VDF、THV)といった燃料バリヤ性に優れた樹脂を最内層に配置した積層構造体が提案されてきた(例えば、特許文献1等参照)。
ポリアミド11やポリアミド12は必ずしもアルコールガソリン透過防止性に優れているわけではなく、道路凍結防止剤である塩化カルシウムに対する耐性を維持させる役割や内層に配置された燃料バリヤ層を保護する役割を担っている。これらの役割を有し、より低コストであり、かつ、内層樹脂に十分に接着される材料が望まれていた。
MXD6等のポリアミド樹脂を含む層とポリオレフィン系樹脂を含む層とを有する燃料移送用チューブや自動車部品用積層体は知られている(特許文献2または3参照)。しかし、これらの燃料移送用チューブや自動車部品用積層体は、より高い燃料バリヤ性の達成という観点からは、未だ不十分であった。
さらに、ナイロン11及び/又はナイロン12からなる層と、全ジカルボン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸であるジカルボン酸成分と、全ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンから選ばれるジアミン成分とからなるポリアミド樹脂からなる層とを含む積層構造体が提案されている(特許文献4参照)。しかし、より低コストで製造でき、かつ、アルコールガソリン透過防止性に優れる積層構造体を得るためには、さらなる検討の余地があった。
特表平7−507739号公報 特開平4−272592号公報 特開2003−1770号公報 特開2004−203012号公報
本発明の目的は、前記問題点を解決し、卓越したアルコールガソリン透過防止性を有し、層間接着性、低温耐衝撃性、耐熱性にも優れ、更に低コスト化が可能な積層構造体を提供することにある。
本発明者等は、上記問題点を解決するために、鋭意検討した結果、少なくとも2層を有する積層構造体であって、その2層が、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなる層と、特定の構造単位を有するポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂組成物からなる層であり、全厚みに対する該2層の厚さの和の占める割合が特定の範囲内である積層構造体が、優れたアルコールガソリン透過防止性を発現すると共に、層間接着性、低温耐衝撃性、耐熱性などの諸特性を満足し、さらに低コスト化を図れることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物(A)からなるA層と、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層との、少なくとも2層を有する積層構造体であって、
該ポリアミド樹脂組成物(B)が、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含むジカルボン酸単位と、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含むジアミン単位とからなるポリアミド樹脂(X)を50〜97質量%、および、耐衝撃性改良剤(Y)を50〜3質量%含有すること、および
積層構造体の全厚みに対する、該A層の厚さと該B層の厚さとの和の占める割合が、80〜100%であること、
を特徴とする積層構造体。
(2)A層とB層のみを有する、上記(1)に記載の積層構造体。
(3)1層のA層と1層のB層とからなる2層構造を有する、上記(1)または(2)に記載の積層構造体。
(4)炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位が、1,9−ノナンジアミン単位及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の積層構造体。
(5)ポリオレフィン系樹脂が酸変性ポリオレフィンである、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の積層構造体。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の積層構造体からなる成形品。
(7)ホース、チューブ、ボトル、タンク、フィルムおよびシートからなる群から選ばれる、上記(6)に記載の成形品。
(8)A層が最外層である、上記(6)または(7)に記載の成形品。
(9)燃料輸送チューブである、上記(6)〜(8)のいずれか1つに記載の成形品。
本発明の積層構造体は、アルコールガソリン透過防止性、耐熱性、耐薬品性、低温耐衝撃性、層間接着性に優れており、かつ低コストで製造できる。したがって、本発明の積層構造体は、フィルム、ホース、チューブ、ボトル、タンクとして、自動車部品、工業材料、産業資材、電気電子部品、機械部品、事務機器用部品、家庭用品、容器用途に有効であり、特に、自動車燃料配管用チューブ又はホースとして有用である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の積層構造体は、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物(A)からなるA層と、ポリアミド樹脂組成物(B)とからなるB層との、少なくとも2層を有する。該ポリアミド樹脂組成物(B)は、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含むジカルボン酸単位と、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含むジアミン単位とからなるポリアミド樹脂(X)を50〜97質量%含有し、かつ、耐衝撃性改良剤(Y)を50〜3質量%含有する。
ここで「ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する」とは、ポリオレフィン系樹脂組成物(A)中の全成分のうちでポリオレフィン系樹脂の含有量が最も多いことを意味する。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物(A)の主成分として用いられるポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリブタジエン(PB)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリメチルペンテン、スチレン/ブタジエンブロック共重合体(SBR)、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアクリル酸エステル、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、アクリル系エラストマー、ポリスチレンブロックと水素添加ポリイソプレンブロックとからなるジブロックもしくはトリブロック共重合体(たとえば、クラレ(株)製、商品名セプトン)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、水素化スチレン/ブタジエンブロック共重合体(H−SBR)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボネン共重合体、水添ポリスチレン/エチレン/ブチレン(SEBS)エラストマー(たとえば、シェル化学(株)製、商品名クレイトンG)、エチレン−αオレフィンコポリマーおよびプロピレン−αオレフィンコポリマー(たとえば、三井石油化学(株)製、商品名タフマー)、エチレンメタクリル酸系特殊エラストマー(たとえば、三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名タフリットT3000)が挙げられる。これらのなかでも、耐熱性と入手のし易さの点で、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)が好適に用いられる。またこれらは2種以上のブレンド物であってもよい。
また、本発明において使用されるポリオレフィン系樹脂は、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層との接着性を考慮した場合、酸などの官能基で変性されたものを用いるのが好ましい。該変性に使用される化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記の、酸などの官能基で変性されたポリオレフィン系樹脂の具体例としては、無水マレイン酸変性HDPE、HDPEと無水マレイン酸変性HDPEとのブレンド物、HDPEと無水マレイン酸変性PPとのブレンド物、無水マレイン酸変性HDPEとエチレン/ブテン共重合体とのブレンド物、無水マレイン酸変性HDPEとエチレン/プロピレン共重合体とのブレンド物、PPと無水マレイン酸変性HDPEとのブレンド物、無水マレイン酸変性PPとエチレン/ブテン共重合体とのブレンド物、無水マレイン酸変性PPとエチレン/プロピレン共重合体とのブレンド物などが挙げられる。これらのうちで、無水マレイン酸変性HDPE、HDPEと無水マレイン酸変性HDPEとのブレンド物、HDPEと無水マレイン酸変性PPとのブレンド物、無水マレイン酸変性HDPEとエチレン/ブテン共重合体とのブレンド物、無水マレイン酸変性HDPEとエチレン/プロピレン共重合体とのブレンド物等の酸変性ポリオレフィンを使用することが、コストや層間接着性などの観点から好ましい。
上記酸によるポリオレフィン系樹脂の酸変性率は、好ましくは約0.01〜5%、より好ましくは約0.03〜3%、さらに好ましくは約0.05〜1.5%とする。変性率が低すぎても高すぎても、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層に対する接着性を確保し難くなる傾向にあり、また、高すぎる場合は、酸変性したポリオレフィン系樹脂の耐熱性や滞留安定性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、酸変性率は、ポリオレフィン系樹脂100重量部あたりの、ポリオレフィン系樹脂を変性させるために使用した酸の重量部を百分率で表したものである。
さらに、本発明において使用されるポリオレフィン系樹脂は、メルトマスフローレート(MFR)値(190℃:JIS K 7210)が0.01〜100g/10分であるのが好ましく、0.05〜50g/10分であるのがより好ましく、0.1〜5g/10分であるのがさらに好ましい。MFRが0.01g/10分に満たない場合は、流動性が不足しすぎて、安定に成形できない可能性がある。一方、MFRが100g/10分を越える場合は、得られる積層構造体の耐衝撃性が不足する場合があるので好ましくない。
本発明において使用されるポリオレフィン系樹脂組成物(A)中のポリオレフィン系樹脂の含有量は、燃料バリヤ性や耐熱性の観点から、ポリオレフィン系樹脂組成物(A)の全質量に対する割合として、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましい。なお、本明細書においては、ポリオレフィン系樹脂組成物(A)中のポリオレフィン系樹脂の含有量が100質量%の場合(すなわち、上記A層がポリオレフィン系樹脂のみからなる場合)も、該ポリオレフィン系樹脂は、「ポリオレフィン系樹脂組成物(A)」という用語に含まれるものとする。
本発明において使用されるポリオレフィン系樹脂は、市販されているものをそのまま使用することが可能である。また、従来公知のポリオレフィン系樹脂の製造方法によって製造してもよい。
本発明において使用されるポリオレフィン系樹脂組成物(A)は、上記のポリオレフィン系樹脂以外の他の成分を含有していてもよい。該他の成分としては、ポリアセタール(POM)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、各種脂肪族ポリアミドおよび芳香族ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、液晶ポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などの他の熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらの他の成分の含有量は、ポリオレフィン系樹脂組成物(A)の全質量に対する割合として、0〜50質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましく、0〜20質量%であることがさらに好ましい。これらの他の成分の含有量が50質量%を超えると、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層との層間接着性が低下したり、得られる積層構造体のアルコールガソリン透過防止性が低下する場合がある。
また、本発明において使用されるポリオレフィン系樹脂組成物(A)は、さらに別の成分(例えば、導電性フィラー、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機質充填剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、可塑剤、着色剤、潤滑剤等)を含有していてもよい。
本発明において使用されるポリアミド樹脂(X)は、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含むジカルボン酸単位と、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含むジアミン単位とからなる。
ポリアミド樹脂(X)中のテレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位の含有量は、全ジカルボン酸単位に対して50〜100モル%であり、好ましくは60モル%〜100モル%、より好ましくは75モル%〜100モル%、さらに好ましくは90モル%〜100モル%である。テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位の含有量が50モル%未満の場合には、得られる積層構造体の耐熱性、耐薬品性、アルコールガソリン透過防止性等の諸物性が低下する。
ナフタレンジカルボン酸単位としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸から誘導される単位が挙げられる。上記ナフタレンジカルボン酸単位の中でも、2,6−ナフタレンジカルボン酸から誘導される単位が好ましい。
ポリアミド樹脂(X)中のジカルボン酸単位は、本発明の積層構造体の目的を達成しうる範囲内であれば、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位以外の他のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。該他のジカルボン酸単位としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、1,3/1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。上記単位の中でも、芳香族ジカルボン酸から誘導される単位が好ましい。これら他のジカルボン酸単位の含有量としては、全ジカルボン酸単位に対して50モル%〜0モル%であり、40モル%〜0モル%であるのが好ましく、25モル%〜0モル%であるのがより好ましく、10モル%〜0モル%であるのがさらに好ましい。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸から誘導される単位を溶融成形が可能な範囲内で含有することもできる。
ポリアミド樹脂(X)中の炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位の含有量は、全ジアミン単位に対して、60〜100モル%であり、好ましくは75〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%である。炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位の含有量が60モル%未満の場合には、得られる積層構造体の耐熱性、耐衝撃性が低下し、また低吸水性が損なわれる。
炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位としては、直鎖状脂肪族ジアミン単位、分岐鎖状脂肪族ジアミン単位のいずれでもよく、直鎖状脂肪族ジアミン単位としては、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミンから誘導される単位が挙げられる。分岐鎖状脂肪族ジアミン単位としては、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の分岐鎖状脂肪族ジアミンから誘導される単位が挙げられる。
上記に示した炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位の中でも、アルコールガソリン透過防止性、経済性の観点からは、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミンから誘導される単位が好ましく、低温耐衝撃性の観点からは、1,12−ドデカンジアミンから誘導される単位が好ましい。さらに、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とが並存することが好ましく、その際の両者のモル比は、成形性及び耐衝撃性、共押出成形性のバランスの観点から、前者と後者との割合が、30:70〜98:2モル%であることが好ましく、40:60〜95:5モル%の範囲内であることがさらに好ましい。
ポリアミド樹脂(X)中のジアミン単位は、本発明の積層構造体の目的を達成しうる範囲内であれば、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン以外の他のジアミンから誘導される単位を含んでいてもよい。該他のジアミン単位としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,19−ノナデカンジアミン、1,20−エイコサンジアミン、2/3−メチル−1,5−ペンタンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3/1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3/1,4−シクロヘキサンジメチルアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。これらのジアミン単位の含有量は、全ジアミン単位に対して40モル%〜0モル%であり、25モル%〜0モル%であるのが好ましく、10モル%〜0モル%であるのがより好ましい。
また、ポリアミド樹脂(X)は、その分子鎖の末端が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端基の40%以上が封止されていることがより好ましく、末端基の60%以上が封止されていることがさらに好ましく、末端基の70%以上が封止されていることが特に好ましい。
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基又はカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性及び封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸又はモノアミンが好ましく、取扱いの容易さなどの点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類なども使用できる。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、あるいはこれらの任意の混合物を挙げることができる。これらの内、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、安息香酸が特に好ましい。
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン、あるいはこれらの任意の混合物を挙げることができる。これらの内、反応性、沸点、封止末端の安定性及び価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが特に好ましい。
さらに、ポリアミド樹脂(X)は、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gであるのが好ましく、0.5〜2.5dl/gであるのがより好ましく、0.6〜2.0dl/gであるのがさらに好ましい。極限粘度[η]が上記の範囲内のものを使用すると、力学的特性、耐熱性などにより優れたものが得られる。前記の値より小さい場合、得られる積層構造体の機械的性質が不十分なことがあり、また、前記の値より大きくなると、押出圧力やトルクが高くなりすぎて、積層構造体の製造が困難となることがある。ポリアミド樹脂(X)の極限粘度[η]は、例えば、ジアミンとジカルボン酸との比率、末端封止剤の導入量、重合条件等を適宜調節することによって上記範囲に調整することができる。
ポリアミド樹脂(X)は、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている公知のポリアミドの重合方法を用いて製造することができる。製造装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機等の混練反応押出機等、公知のポリアミド製造装置を用いることができる。重合方法としては、溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法を用い、常圧、減圧、加圧操作を繰り返して重合することができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
また、ポリアミド樹脂(X)を製造する際には、上記で例示した末端封止剤を用いてもよく、その使用量は、最終的に得られるポリアミド樹脂の極限粘度及び末端基の封止率から決定される。具体的な使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって変化するが、通常、ジカルボン酸とジアミンの総モル数に対して0.3〜10モル%の範囲内で使用される。
本発明においては、B層を構成するポリアミド樹脂組成物(B)は、上記特定量のポリアミド樹脂(X)と、耐衝撃性改良剤(Y)とを含有し、耐衝撃性改良剤(Y)の含有量は、50〜3質量%であり、好ましくは40〜5質量%であり、より好ましくは30〜10質量%である。耐衝撃性改良剤(Y)の含有量が50質量%を超えると、積層構造体全体のアルコールガソリン透過防止性が低下し、一方、3質量%未満であると、積層構造体全体の耐衝撃性や伸度が低下する。
本発明において使用される耐衝撃性改良剤(Y)としては、ポリアミド樹脂(X)の耐衝撃性を改良するものであれば特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。これらのなかでも、ポリオレフィン、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーが好ましい。
上記のポリオレフィンとしては、例えば、ポリブタジエン(PB)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン等が挙げられる。
上記のポリオレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボネン共重合体、エチレン−αオレフィンコポリマーおよびプロピレン−αオレフィンコポリマー(たとえば、三井石油化学(株)製、商品名タフマー)等が挙げられる。
上記のポリスチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブテン共重合体(SBR)、水素化スチレン/ブタジエンブロック共重合体(H−SBR)、ポリスチレンブロックと水素添加ポリイソプレンブロックとからなるジブロックもしくはトリブロック共重合体(たとえば、クラレ(株)製、商品名セプトン)、水添ポリスチレン/エチレン/ブチレン(SEBS)エラストマー(たとえば、シェル化学(株)製、商品名クレイトンG)等が挙げられる。
上記のアクリル系エラストマーとしては、例えば、ポリアクリル酸エステル、エチレンメタクリル酸系特殊エラストマー(たとえば、三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名タフリットT3000)、アクリル系(反応タイプ)のエラストマー(たとえば、クレハ化学(株)製、商品名パラロイドEXL)、コアがシリコンゴム、シェルがアクリルゴムまたはアクリル系樹脂からなるコア・シェルタイプのエラストマー(たとえば、三菱レーヨン(株)製、グレード名S2001またはRK120)等が挙げられる。
これらの中でも、ポリプロピレン(PP)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、水素化スチレン/ブタジエンブロック共重合体(H−SBR)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、水添SEBSエラストマー、エチレン−αオレフィンコポリマー、プロピレン−αオレフィンコポリマーが好ましく使用され、ポリプロピレン(PP)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)がより好ましく使用される。
また、本発明において使用されるポリアミド樹脂組成物(B)は、上記のポリアミド樹脂(X)を50〜97質量%含有し、かつ、上記の耐衝撃性改良剤(Y)を50〜3質量%含有している限り、ポリアミド樹脂(X)および耐衝撃性改良剤(Y)以外の他の成分を含有していてもよい。該他の成分としては、例えば、POM、PMMA、各種脂肪族ポリアミドおよび芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、液晶ポリマー、ETFEなどの他の熱可塑性樹脂や、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機質充填剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、可塑剤、着色剤、潤滑剤、離型剤などが挙げられる。また、後述する導電性フィラーを含有していてもよい。
本発明の積層構造体は、上記したように、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物(A)からなるA層と、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層との、少なくとも2層を有する積層構造体である。ここで、積層構造体の全厚みに対する、該A層の厚さと該B層の厚さとの和の占める割合は、80〜100%であり、好ましくは90〜100%であり、より好ましくは95〜100%である。該割合が80%未満であると、積層構造体の生産性やアルコールガソリン透過防止性の観点から好ましくない。
本発明の好ましい態様においては、積層構造体はA層とB層のみを有する。本発明の積層構造体においては、上記の条件を満たすA層である限り、1層のA層のみを有していても、2層以上の同一、または、異なるA層を有していてもよい。また、上記の条件を満たすB層である限り、1層のB層のみを有していても、2層以上の同一、または、異なるB層を有していてもよい。本発明のより好ましい態様としては、1層のA層と1層のB層とからなる2層構造を有する積層構造体、1層のA層と2層の異なるB層とからなる3層構造を有する積層構造体などが挙げられる。これらの内で、1層のA層と1層のB層とからなる2層構造を有する積層構造体が、生産性、コスト、層間接着性などの面で特に好ましい。
なお、本明細書において、本発明の積層構造体が複数のA層及び/又は複数のB層を有する場合には、上記A層の厚さとは、積層構造体中の全A層の厚さの合計値を表し、上記B層の厚さとは、積層構造体中の全B層の厚さの合計値を表す。
本発明の積層構造体は、上記のA層とB層とを有し、かつ、積層構造体の全厚みに対する、該A層の厚さと該B層の厚さとの和の占める割合が、80〜100%である限り、A層、B層以外の他の層を有していてもよい。他の層を有することによって、本発明の積層構造体に更なる機能を付与すること、あるいはより経済的に有利な積層構造体を得ることが可能となる。該他の層としては、例えば、熱可塑性樹脂などからなる層が挙げられる。
A層、B層以外の他の層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリシクロへキシレンテレフタレート(PCT)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル(LCP)等のポリエステル系樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド(PPO)等のポリエーテル系樹脂、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)等のポリサルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリチオエーテルサルホン(PTES)等のポリチオエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリルエーテルケトン(PEAK)等のポリケトン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブダジエン/スチレン共重合体(ABS)、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)等のポリニトリル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)等のポリメタクリレート系樹脂、ポリ酢酸ビニル(PVAc)等のポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(TFE/HFP、FEP)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオライド共重合体(TFE/HFP/VDF、THV)、テトラフルオロエチレン/フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリカーボネート(PC)等のポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)等のポリイミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンアジパミド(ポリアミド26)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンアゼラアミド(ポリアミド69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンウンデカミド(ポリアミド611)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリノナメチレンドデカミド(ポリアミド912)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリドデカメチレンドデカミド(ポリアミド1212)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリノナメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド9T(H))、ポリデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド10T(H))、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド11T(H))、ポリドデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド12T(H))やこれらを形成するポリアミド原料モノマーを数種用いた共重合体などのポリアミド系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等を挙げることができる。
これらの中でも、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリチオエーテル系樹脂、フッ素系樹脂が好ましく使用され、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂がより好ましく使用される。
また、本発明の積層構造体は、上述のポリアミド樹脂(X)のみからなる層や、該ポリアミド樹脂(X)を含有するが上述のポリアミド樹脂組成物(B)の規定を満たさないような樹脂組成物からなる層を有していてもよい。
さらに、本発明の積層構造体には、A層、B層以外の他の層として、上記熱可塑性樹脂からなる層以外にも、任意の基材、例えば、紙、金属系材料、無延伸、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織布、金属綿状、木質等からなる層を積層することも可能である。金属系材料としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、金、銀、チタン、モリブデン、マグネシウム、マンガン、鉛、錫、クロム、ベリリウム、タングステン、コバルトなどの金属や金属化合物及びこれら2種類以上からなるステンレス鋼などの合金鋼、アルミニウム合金、黄銅、青銅などの銅合金、ニッケル合金等の合金類などが挙げられる。
なお、A層、B層以外の他の層は、1層のみであってもよいし、同一または異なる2層以上であってもよい。
本発明の積層構造体における全体の層数は、積層構造体が上記のA層とB層の少なくとも2層を有する限り、特に制限されない。
本発明の積層構造体では、積層構造体の全厚みに対する、該A層の厚さと該B層の厚さとの和の占める割合が80〜100%である限り、A層、B層の厚さは特に制限されず、各層を構成する重合体の種類、全体の層数、用途などに応じて調節し得るが、それぞれの層の厚みは、積層構造体のアルコールガソリン透過防止性、低温耐衝撃性、柔軟性等の特性を考慮して決定される。一般には、A層、B層の厚さは、積層構造体全体の厚みに対してそれぞれ3〜97%が好ましい。アルコールガソリン透過防止性を考慮すると、A層、B層の厚みは、積層構造体全体の厚みに対して、より好ましくはそれぞれ5〜95%、さらに好ましくはそれぞれ10〜90%である。
本発明の積層構造体は、ホース、チューブ、ボトル、タンクなどの成形品として有効に使用することができ、特に、卓越したアルコールガソリン透過防止性などの効果を有するので、燃料輸送チューブとして好適に使用することができる。また、本発明の積層構造体は、フィルムやシートなどの成形品としても有効に使用することが可能である。
本発明の積層構造体を、燃料輸送チューブを含む、ホース、チューブ、ボトル、タンクなどの成形品として使用する場合、A層とB層のどちらが外側に配置されていてもよいが、アルコールガソリン透過防止性や耐衝撃性の確保の観点からは、A層がB層よりも外側に配置されていることが好ましく、A層がこれらの成形品の最外層に配置されていることがより好ましい。また、層間接着性の観点からは、本発明の積層構造体の少なくとも一部分において、A層とB層とが直接積層されていることが好ましい。
本発明の積層構造体が燃料輸送チューブ等に使用される場合、配管内を循環する燃料の内部摩擦あるいは管壁との摩擦によって発生した静電気が蓄積して、燃料に引火することを防止するために、最内層に導電性フィラーを配合してこの層を導電層とすることが好ましい。これによって、燃料等の流体の搬送時に発生する静電気による爆発を防止することが可能となる。その際、導電性を有さない層を、前記導電層に対して外側に配置することによって、低温耐衝撃性、導電性を両立することが可能であり、また経済的にも有利である。
ここで、本発明でいう導電性フィラーには、導電性を付与するために添加されるすべての充填材が包含され、例えば、このような性質を有する粒状フィラー、フレーク状フィラー、繊維状フィラーなどが挙げられる。
粒状フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト等が好適に使用できる。フレーク状フィラーとしては、アルミフレーク、ニッケルフレーク、ニッケルコートマイカ等が好適に使用できる。また、繊維状フィラーとしては、炭素繊維、炭素被覆セラミック繊維、カーボンウィスカー、アルミ繊維や銅繊維や黄銅繊維やステンレス繊維といった金属繊維等が好適に使用できる。これらの導電性フィラーの中では、カーボンブラックが最も好適である。
本発明において導電性フィラーとして使用することのできるカーボンブラックには、導電性を付与するために一般的に使用されているカーボンブラックの少なくとも1種が包含される。好ましいカーボンブラックとしては、アセチレンガスを不完全燃焼して得られるアセチレンブラックや、原油を原料としてファーネス式不完全燃焼によって製造されるケッチェンブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちで、アセチレンブラック及びファーネスブラック(ケッチェンブラック)が特に好適に用いられる。
また、カーボンブラックは、その粒子径、表面積、ジブチルフタレート(DBP)吸油量、灰分などの特性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。本発明で用いることのできるカーボンブラックは、これら特性に特に制限は無いが、良好な鎖状構造を有し、凝集密度の大きいものが好ましい。カーボンブラックの多量配合は耐衝撃性の面で好ましくなく、より少量の配合で優れた電気伝導度を得るという意味から、平均粒径は500nm以下、さらには5〜100nm、特に10〜70nmであることが好ましく、また表面積(BET法)は10m/g以上、さらには300m/g以上、特に500〜1500m/gであることが好ましく、DBP吸油量は50ml/100g以上、さらには100ml/100g以上、特に300ml/100g以上であることが好ましい。また灰分は0.5重量%以下、さらには0.3%重量以下であることが好ましい。なお、ここでいうDBP吸油量とは、ASTM−D2414に定められた方法で測定した値である。また、カーボンブラックは、揮発分含量が1.0重量%未満のものが好ましい。
上記導電性フィラーは、チタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていても良い。また、溶融混練作業性を向上させるために、造粒されたものを用いることも可能である。
導電性フィラーの配合量は、用いる導電性フィラーの種類により異なるため、一概に規定はできないが、上記したような本発明の積層構造体の構成をとる限りにおいて、導電性と流動性、機械的強度などとのバランスの点から、導電性フィラーを配合する層の全質量に対して、一般に3〜30質量%であることが好ましい。
また、かかる導電性フィラーは、十分な帯電防止性能を得るという意味で、それを配合した層を有する成形品において、表面固有抵抗値が、10Ω/square以下、特に10Ω/square以下であることが好ましい。但し、上記導電性フィラーの配合は、強度、流動性の悪化を招きやすい。そのため、目標とする導電レベルが得られれば、上記導電性フィラーの配合量はできるだけ少ない方が望ましい。
積層構造体の製造法としては、層の数もしくは材料の数に対応する押出機を用いて、溶融押出しし、ダイ内あるいは外において同時に積層する方法(共押出法)、あるいは、一旦、単層構造体あるいは、上記の方法により製造された積層構造体を予め製造しておき、外側に順次、必要に応じて接着剤を使用し、樹脂を一体化せしめ積層する方法(コーティング法)を挙げることができる。
また、得られる積層構造体が複雑な形状である場合や、成形後に加熱曲げ加工を施して成形品とする場合には、成形品の残留歪みを除去するために、上記の積層構造体を形成した後、前記構造体を構成する樹脂の融点のうち最も低い融点未満の温度で、0.01〜10時間熱処理して目的の成形品を得る事も可能である。
積層構造体は、波形領域を有するものであってもよい。波形領域とは、波形形状、蛇腹形状、アコーディオン形状、又はコルゲート形状等に形成した領域である。積層構造体は、その全長にわたって波形領域を有するものだけではなく、途中の適宜の領域に部分的に波形領域を有するものであってもよい。波形領域は、例えば、積層チューブの場合、まず直管状のチューブを成形した後に、引き続いてモールド成形し、所定の波形形状等とすることにより容易に形成することができる。かかる波形領域を有することにより、衝撃吸収性を有し、取り付け性が容易となる。さらに、例えば、コネクター等の必要な部品を付加したり、曲げ加工によりL字、U字の形状等にする事が可能である。
このように成形した積層構造体の外周の全部又は一部には、石ハネ、他部品との摩耗、耐炎性を考慮して、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、NBRとポリ塩化ビニルとの混合物、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン/プロピレンゴム(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、NBRとEPDMとの混合物ゴム、塩化ビニル系、オレフィン系、エステル系、アミド系等の熱可塑性エラストマー等から構成するソリッド又はスポンジ状の保護部材(プロテクター)を配設することができる。保護部材は、既知の手法によりスポンジ状の多孔体としてもよい。多孔体とすることにより、軽量で断熱性に優れた保護部を形成できる。また、材料コストも低減できる。あるいは、ガラス繊維等を添加してその強度を改善してもよい。保護部材の形状は特に限定されないが、積層構造体が例えば積層チューブの場合、通常は、積層チューブを受け入れる凹部を有するブロック状部材、積層チューブを後で挿入可能な筒状部材などである。また、積層チューブの上に筒状部材を被覆押出しして両者を密着することにより形成した保護部材であってもよい。両者を接着させるには、保護部材内面あるいは前記凹面に必要に応じて接着剤を塗布し、これに積層チューブを挿入又は嵌着し、両者を密着することにより、積層チューブと保護部材とが一体化された構造体を形成する。また、金属等で補強する事が可能である。
積層構造体がチューブの形態である場合、その外径は、例えば燃料(例えばガソリン)等の流量を考慮し、肉厚はガソリンの透過性が増大せず、また、通常のチューブの破壊圧力を維持できる厚さで、かつ、チューブの組み付け作業容易性及び使用時の耐振動性が良好な程度の柔軟性を維持することができる厚さに設計されるが、限定されるものではない。好ましくは、外径は4〜30mm、内径3〜25mm、肉厚は0.5〜5mmである。
本発明の積層構造体の用途は、自動車部品、内燃機関用途、電動工具ハウジング類等の機械部品を始め、工業材料、産業資材、電気・電子部品、医療、食品、家庭・事務用品、建材関係部品、家具用部品、家庭用品等各種用途が挙げられる。
また、本発明の積層構造体は、アルコールガソリン透過防止性に優れるため、薬液搬送配管に好適である。薬液としては、例えば、ガソリン、灯油、ディーゼルガソリン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、含アルコールガソリン、メチル−t−ブチルエーテル、含酸素ガソリン、含アミンガソリン、サワーガソリン、ひまし油ベースブレーキ液、グリコールエーテル系ブレーキ液、ホウ酸エステル系ブレーキ液、極寒地用ブレーキ液、シリコーン油系ブレーキ液、鉱油系ブレーキ液、パワーステアリングオイル、ウインドウォッシャー液、エンジン冷却液、医薬剤、インク、塗料等が挙げられる。本発明の積層構造体は、上記薬液を搬送するチューブとして好適であり、具体的には、フィードチューブ、リターンチューブ、エバポチューブ、フューエルフィラーチューブ、ORVRチューブ、リザーブチューブ、ベントチューブ等の燃料輸送チューブ、オイルチューブ、ブレーキチューブ、ウインドウォッシャー液用チューブ、ラジエーターチューブ、冷却水、冷媒等用クーラーチューブ、エアコン冷媒用チューブ、床暖房チューブ、消火器及び消火設備用チューブ、医療用冷却機材用チューブ、インク、塗料散布チューブ、その他薬液チューブが挙げられる。特に、燃料輸送チューブとして好適である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における分析及び物性の測定は次のように行った。
[極限粘度]
濃硫酸中にポリアミドを溶解して、濃度が0.05g/dl、0.1g/dl、0.2g/dlおよび0.4g/dlの試料溶液を調製し、30℃における固有粘度ηinhを測定し、これを0に外挿した値を極限粘度[η]とした。
[物性評価]
(低温耐衝撃性)
SAE J2260に記載の方法で評価した。
(アルコールガソリン透過防止性)
200mmにカットしたチューブの片端を密栓し、内部にFuelC(イソオクタン/トルエン=50/50体積比)とメタノールとを85/15体積比で混合したアルコール/ガソリンを入れ、残りの端部も密栓した。その後、全体の重量を測定し、次いで試験チューブを60℃のオーブンに入れ、一日毎に重量変化を測定した。一日あたりの重量変化を、チューブの内層表面積で除してアルコールガソリン透過係数(g/m・day)を算出した。
(層間接着性)
200mmにカットしたチューブをさらに縦方向に半分にカットし、テストピースを作製した。テンシロン万能試験機を用い、50mm/minの引張速度にて180°剥離試験を実施した。S−Sカーブの極大点から剥離強度を読み取り、層間接着性を評価した。
(アルコールガソリン浸漬後の層間接着性)
200mmにカットしたチューブの片端を密栓し、内部にFuelC(イソオクタン/トルエン=50/50体積比)とメタノ−ルとを85/15体積比で混合したアルコール/ガソリンを入れ、残りの端部も密栓した。次いで試験チューブを60℃のオーブンに入れ、500時間後に取り出して、上記方法で層間接着性を評価した。
[実施例及び比較例で用いた材料]
ポリアミド樹脂(X):
以下の手法により製造したポリアミド樹脂を使用した。
(a−1)ポリアミド9Tの製造
テレフタル酸32960g(198.4モル)、1,9−ノナンジアミン26909g(170モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン4748.7g(30モル)、安息香酸390.8g(3.2モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物60g(原料に対して0.1重量%)及び蒸留水40Lをオートクレーブに入れ、窒素置換した。
上記混合物を100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、更に1時間反応させて、プレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。これを230℃、0.013kPa下にて、10時間固相重合し、融点が300℃、極限粘度が1.92dl/gのポリアミド9Tを得た(以下、このポリアミドを(a−1)という場合がある)。
(a−2)ポリアミド9Tの製造
(a−1)ポリアミド9Tの製造において、1,9−ノナンジアミン26909g(170モル)を15829g(100モル)に、2−メチル−1,8−オクタンジアミン4748.7g(30モル)を15829g(100モル)に変えたこと以外は、(a−1)ポリアミド9Tの製造法と同様の方法で、融点が275℃、極限粘度が1.85dl/gのポリアミド9Tを得た(以下、このポリアミドを(a−2)という場合がある)。
(b)ポリアミド9Nの製造
2,6−ナフタレンジカルボン酸42892g(198.4モル)、1,9−ノナンジアミン26909g(170モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン4748.7g(30モル)、安息香酸390.8g(3.2モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物60g(原料に対して0.1重量%)及び蒸留水40Lをオートクレーブに入れ、窒素置換した。
上記混合物を100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後240℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、更に1時間反応させてプレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。これを240℃、0.013kPa下にて、10時間固相重合し、融点が302℃、極限粘度が1.90dl/gのポリアミド9Nを得た(以下、このポリアミドを(b)という場合がある)。
ポリアミド樹脂組成物(B):
以下の方法により製造したポリアミド樹脂組成物を使用した。
(A−1)ポリアミド9T樹脂組成物の製造
ポリアミド9T(a−1)に耐衝撃性改良剤(Y)としてJSR T7761P(JSR(株)製、エチレン−プロピレン共重合体)を予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度320℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、ポリアミド9T樹脂80重量部、耐衝撃性改良剤20重量部からなるポリアミド9T樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド9T樹脂組成物をA−1と略称する場合がある)。
(A−2)ポリアミド9T樹脂組成物の製造
ポリアミド9Tを(a−1)から(a−2)に変えたこと以外は上記(A−1)の製造法と同様にして、ポリアミド9T樹脂90重量部、耐衝撃性改良剤(Y)10重量部からなるポリアミド9T樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド9T樹脂組成物をA−2と略称する場合がある)。
(B)ポリアミド9N樹脂組成物の製造
ポリアミド9N(b)に耐衝撃性改良剤(Y)としてJSR T7761P(JSR(株)製、エチレン−プロピレン共重合体)を予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度320℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、ポリアミド9N樹脂85重量部、耐衝撃性改良剤15重量部からなるポリアミド9T樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド9N樹脂組成物をBと略称する場合がある)。
(C)ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
HDPE樹脂[ハイゼックス 6300M](三井化学社製、MFR値(190℃):0.11g/10min)と無水マレイン酸変性HDPE樹脂[アドマーHF500](三井化学社製、MFR値(190℃):1.0g/10min)とをあらかじめ予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度210℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、HDPE樹脂80重量部、無水マレイン酸変性HDPE樹脂20重量部からなるポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリオレフィン系樹脂組成物をCと略称する場合がある)。
(D)ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
HDPE樹脂[ハイゼックス 6300M](三井化学社製、MFR値(190℃):0.11g/10min)と無水マレイン酸変性HDPE樹脂[アドマーHF500](三井化学社製、MFR値(190℃):1.0g/10min)とエチレン−αオレフィン共重合体[タフマー P−0775](三井化学社製)とをあらかじめ予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度210℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、HDPE樹脂80重量部、無水マレイン酸変性HDPE樹脂10重量部、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂10重量部からなるポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリオレフィン系樹脂組成物をDと略称する場合がある)。
(E)ポリアミド系樹脂組成物の製造
MXD−6(東洋紡績(株)製ナイロンT−600)とエチレン−αオレフィン共重合体[タフマー P−0775](三井化学社製)とをあらかじめ予備混合しておき、これを二軸押出機(BT−30、プラスチック工学研究所(株)製)に供給してシリンダー温度270℃の条件下に溶融混錬して押出し、冷却、切断して、MXD−6樹脂85重量部、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂15重量部からなるポリアミド系樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド系樹脂組成物をEと略称する場合がある)。
実施例1
上記に示したポリオレフィン系樹脂組成物(C)およびポリアミド9T樹脂組成物(A−1)を使用して、プラスチック工学研究所(株)製チューブ成形機にて、(C)を押出温度210℃、(A−1)を押出温度320℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、ポリオレフィン系樹脂組成物(C)からなる(I)層(最外層)、ポリアミド9T樹脂組成物(A−1)からなる(III)層(最内層)としたときの、層構成が厚さ(I)/(III)=0.80/0.20mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、(A−1)を(A−2)に変え、(A−2)を押出温度300℃にて溶融させたこと以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、(C)をポリオレフィン系樹脂組成物(D)に変え、(A−1)をポリアミド9N樹脂組成物(B)に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、(C)をポリオレフィン系樹脂組成物(D)に変え、層構成を厚さ(I)/(III)=0.70/0.30mmに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例5
上記に示したポリオレフィン系樹脂組成物(D)、ポリアミド9T樹脂組成物(A−2)およびポリアミド9N樹脂組成物(B)を使用して、プラスチック工学研究所(株)製チューブ成形機にて、(D)を押出温度210℃、(A−2)を押出温度300℃、(B)を320℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、ポリオレフィン系樹脂組成物(D)からなる(I)層(最外層)、ポリアミド9T樹脂組成物(A−2)からなる(II)層(中間層)、ポリアミド9N樹脂組成物(B)からなる(III)層(最内層)としたときの、層構成が厚さ(I)/(II)/(III)=0.70/0.15/0.15mmで内径6mm、外径8mmの積層チュ−ブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例1
上記に示したポリオレフィン系樹脂組成物(C)およびポリアミド系樹脂組成物(E)を使用して、プラスチック工学研究所(株)製チューブ成形機にて、(C)を押出温度210℃、(E)を押出温度270℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、ポリオレフィン系樹脂組成物(C)からなる(I)層(最外層)、ポリアミド系樹脂組成物(E)からなる(III)層(最内層)としたときの、層構成が厚さ(I)/(III)=0.80/0.20mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例2
比較例1において、(C)をポリオレフィン系樹脂組成物(D)に変え、ポリオレフィン系樹脂組成物(D)からなる(I)層(最外層)、ポリアミド系樹脂組成物(E)からなる(III)層(最内層)としたときの、層構成を厚さ(I)/(III)=0.70/0.30mmとしたこと以外は、比較例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例3
上記に示したポリオレフィン系樹脂組成物(C)を使用して、プラスチック工学研究所(株)製チューブ成形機にて、(C)を押出温度210℃にて溶融させ、吐出された溶融樹脂を管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、ポリオレフィン系樹脂組成物(C)からなる内径6mm、外径8mmの単層チューブを得た。当該単層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例4
比較例3において、(C)をポリオレフィン系樹脂組成物(D)に変えたこと以外は、比較例3と同様の方法にて、表1に示す層構成の単層チューブを得た。当該単層チューブの物性測定結果を表1に示す。
Figure 2006281507
表1から、実施例1〜5の積層チューブは、アルコールガソリン透過係数が顕著に小さく(すなわち、アルコールガソリン透過防止性に優れる)、層間接着性がアルコールガソリン浸漬後でも顕著に低下することなく保持され、かつ、低温耐衝撃性に優れていることが分かる。
一方、最内層としてポリアミド樹脂(X)を用いないポリアミド樹脂組成物からなる層を用いた比較例1および2の積層チューブは、アルコールガソリン透過係数が顕著に大きく(すなわち、アルコールガソリン透過防止性に劣る)、層間接着性がアルコールガソリン浸漬後に顕著に低下し、さらに低温耐衝撃性に劣っていた。また、比較例3および4の単層チューブは、アルコールガソリン透過係数が異常に大きかった(すなわち、アルコールガソリン透過防止性に著しく劣る)。
本発明の積層構造体は、アルコールガソリン透過防止性、耐熱性、耐薬品性、低温耐衝撃性、層間接着性に優れている。したがって、本発明の積層構造体は、フィルム、ホース、チューブ、ボトル、タンクとして、自動車部品、工業材料、産業資材、電気電子部品、機械部品、事務機器用部品、家庭用品、容器用途に有効であり、特に、自動車燃料輸送チューブ又はホースとして有用である。

Claims (9)

  1. ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有するポリオレフィン系樹脂組成物(A)からなるA層と、ポリアミド樹脂組成物(B)からなるB層との、少なくとも2層を有する積層構造体であって、
    該ポリアミド樹脂組成物(B)が、テレフタル酸単位及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含むジカルボン酸単位と、炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含むジアミン単位とからなるポリアミド樹脂(X)を50〜97質量%、および、耐衝撃性改良剤(Y)を50〜3質量%含有すること、および
    積層構造体の全厚みに対する、該A層の厚さと該B層の厚さとの和の占める割合が、80〜100%であること、
    を特徴とする積層構造体。
  2. A層とB層のみを有する、請求項1に記載の積層構造体。
  3. 1層のA層と1層のB層とからなる2層構造を有する、請求項1または2に記載の積層構造体。
  4. 炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位が、1,9−ノナンジアミン単位及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層構造体。
  5. ポリオレフィン系樹脂が酸変性ポリオレフィンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層構造体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層構造体からなる成形品。
  7. ホース、チューブ、ボトル、タンク、フィルムおよびシートからなる群から選ばれる、請求項6に記載の成形品。
  8. A層が最外層である、請求項6または7に記載の成形品。
  9. 燃料輸送チューブである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の成形品。
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