JPH09125944A - ディーゼル機関の排気浄化方法及び装置 - Google Patents

ディーゼル機関の排気浄化方法及び装置

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JPH09125944A
JPH09125944A JP29000795A JP29000795A JPH09125944A JP H09125944 A JPH09125944 A JP H09125944A JP 29000795 A JP29000795 A JP 29000795A JP 29000795 A JP29000795 A JP 29000795A JP H09125944 A JPH09125944 A JP H09125944A
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exhaust
hydrocarbon
mist
catalyst
exhaust gas
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JP29000795A
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Toshiaki Tanaka
俊明 田中
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディーゼル機関の排気中の炭化水素ミストの
大気放出を防止する。 【解決手段】 ディーゼル機関の排気通路2に衝突捕集
部20と、その下流側に排気浄化触媒30とを配置す
る。機関燃焼室から排出された気体状の炭化水素は、排
気温度が低い場合には排気通路内で凝縮し炭化水素ミス
トとなる。この炭化水素ミストは衝突捕集部に衝突、付
着するとともに、付着したミストは衝突捕集部を通過す
る排気流により蒸発する。このため、下流側の排気浄化
触媒には、気体状の炭化水素が流入する。触媒30を通
過する排気流は、その大部分の区間では層流になってい
るため、排気中の炭化水素ミスト等の微粒子は触媒通過
時に壁面の触媒成分と接触しないまま触媒を通過する確
率が大きい。これに対して、再気化により気体状になっ
た炭化水素は、分子運動により壁面と衝突を繰り返すた
め、触媒との接触確率が高くなり触媒での浄化効率が向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼル機関の
排気浄化装置に関し、詳細にはディーゼル機関の燃焼室
から排出される未燃炭化水素ガスが排気通路内で凝縮、
液化することにより生成される炭化水素ミストを高い浄
化効率で浄化可能な排気浄化装置及び排気浄化方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】実開昭56−109617号公報には、
排気浄化触媒上流側の排気管に、上流側が開放端、下流
側が閉塞端となる筒状のトラップ室を設けた触媒焼損防
止装置が開示されている。同公報の装置は、内燃機関冷
間始動時のクランキング時に機関から排気管に排出さ
れ、排気管壁面を伝って流れる未燃液状燃料が触媒に流
入し、燃焼することにより触媒に焼損が生じることを目
的として、触媒上流側排気管の内周にトラップを設け、
この未燃液状燃料を捕集するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記実開昭
56−109617号公報の装置では、機関冷間始動時
の排気管壁面を伝う未燃燃料は捕集することができるも
のの、機関運転中の排気中の炭化水素ミストを除去する
ことはできない。すなわち、機関冷間始動時に燃焼室で
気化しないまま排気通路に排出される液状燃料は、液滴
径が大きく排気流に乗りにくいため排気管内壁を伝って
流れるようになり、上記公報のようにトラップを設ける
ことにより捕集することができる。しかし、機関始動完
了後の排気中に分散する液状の微粒子は、上記公報のよ
うなトラップで捕集することはできない問題がある。
【0004】例えば、ディーゼル機関では、燃焼室内で
気化したものの燃焼しないまま排気とともに排気通路に
排出される未燃炭化水素ガスが存在する。一般にディー
ゼル機関の燃料の軽油は沸点が160〜300℃程度の
炭化水素成分を多く含むのに対してディーゼル機関は排
気温度が比較的低く、排気温度100〜300℃程度の
条件で運転される場合が多い。このため、これらの炭化
水素のうち沸点が高い成分は排気通路内で再度凝縮、液
化してしまい、排気中に炭化水素ミストとして分散する
ようになる。これらの炭化水素ミストは、排気浄化触媒
中の排気ガス流路を通過する際にも流路壁面に担持され
た触媒成分と接触する確率が低いため、大部分が触媒で
酸化されないまま排気浄化触媒を通過し、大気中に放出
されることになる。
【0005】すなわち、通常、排気浄化触媒担体中には
細径の排気流路が形成され、この流路壁面に触媒が担持
される。このため、担体中の細径の排気流路を通過する
排気の流れは層流になっている。この場合でも、排気中
の炭化水素ガス等の気体分子は分子運動によりランダム
な方向の速度成分を有しており、担体中の排気流路を通
過時に何度も流路壁面に衝突し、壁面に担持された触媒
成分と接触する機会が多くなっている。ところが、排気
中に炭化水素ミスト等の液状微粒子が含まれていると、
これらの微粒子は層流に乗って搬送され、流れ方向以外
の速度成分を殆ど有さない状態で流路を通過する。この
ため、これら炭化水素ミスト等の液状微粒子は壁面に担
持された触媒成分と接触することなく担体中の流路を通
過してしまう確率が大きくなり、未浄化のまま大気に放
出される割合が大きくなるのである。
【0006】本発明は、ディーゼル機関の通常運転中に
機関燃焼室から排出された未燃炭化水素ガスが排気管内
で凝縮、液化することにより生成される炭化水素ミスト
を効果的に浄化するための手段を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、排気中の炭化水素ガスが排気通路内で凝縮する
ことにより生成した炭化水素ミストを、再度気化させ、
次いで再気化後の炭化水素ガスを含む排気を排気浄化触
媒に接触させることにより、排気中の炭化水素ミストを
除去するディーゼル機関の排気浄化方法が提供される。
【0008】請求項1に記載の排気浄化方法では、炭化
水素ガスの凝縮により排気中に生成した炭化水素ミスト
は再度気化してガス状の炭化水素として排気中に拡散す
るようになるため、排気が排気浄化触媒を通過する際に
炭化水素成分が触媒と接触する機会が増加する。請求項
2に記載の発明によれば、排気中の炭化水素ガスが排気
通路内で凝縮することにより生成した炭化水素ミストを
含む排気を、排気通路内に配置された衝突部材に衝突さ
せ排気中の炭化水素ミストを前記衝突部材に付着させ、
次いで付着した炭化水素ミストを衝突部材を通過する排
気流と接触させることにより再度気化させ、気化により
生成した炭化水素ガスを含む排気を排気浄化触媒に接触
させることにより炭化水素ミストを除去するディーゼル
機関の排気浄化方法が提供される。
【0009】請求項2の排気浄化方法では、衝突部材に
付着した炭化水素ミストは衝突部材を通過する排気流に
曝されることになる。排気流は炭化水素ミストを含んで
いても全体として気体状の炭化水素成分の分圧は低くな
っている。従って、衝突部材に付着した炭化水素ミスト
は炭化水素成分蒸気圧の低い大量の排気と接触すること
になるため、排気温度が炭化水素ミストの沸点以下であ
っても衝突部材に付着した炭化水素ミストは速やかに蒸
発、気化する。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、ディーゼ
ル機関の排気通路に配置した排気浄化触媒と、該触媒上
流側の排気通路に配置された、排気中に分散した炭化水
素ミストが衝突、付着する衝突部材と、を備えたディー
ゼル機関の排気浄化装置が提供される。請求項3の排気
浄化装置では、衝突部材に付着した炭化水素ミストは排
気流により蒸発、気化するため、衝突部材下流側の排気
浄化触媒と接触する機会が増大する。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、前記衝突
部材は、排気温度低温時には、前記衝突により捕集した
炭化水素ミストを液状のまま保持する請求項3に記載の
ディーゼル機関の排気浄化装置が提供される。請求項4
の排気浄化装置では、排気温度低温時に衝突部材に付着
した炭化水素ミストは排気温度が低い間は液状のままで
衝突部材に保持される。また、衝突部材に保持された炭
化水素ミストは排気温度が上昇し、付着した炭化水素ミ
ストの沸点以上になると気化し、気体状の炭化水素とし
て排気浄化触媒に流入する。
【0012】請求項5に記載の発明によれば、ディーゼ
ル機関の排気通路に配置された、モノリス担体を有する
排気浄化触媒と、該モノリス担体中の排気流路を通過す
る排気の乱流を増大させる乱流増大手段と、を備えたデ
ィーゼル機関の排気浄化装置が提供される。請求項5の
排気浄化装置では、乱流増大手段により担体中の排気流
路を通過する排気流の乱流が増大するため、排気流路中
の排気流が層流の場合に較べて排気中の炭化水素ミスト
と流路壁面に担持された触媒との接触の機会が増大す
る。
【0013】請求項6に記載の発明によれば、前記乱流
増大手段は、前記モノリス担体中の排気流路に設けた流
路の急拡大部と急縮小部とを含む請求項5に記載の排気
浄化装置が提供される。請求項6の排気浄化装置では、
乱流増大手段は、排気流路の急拡大部と急縮小部とを含
んでいる。担体を通過する排気流は、流路の急拡大部と
急縮小部とを通過する際に流れの乱れが増加し、層流か
ら乱流に変化する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は本発明を適用したデ
ィーゼルエンジンの排気浄化装置の一実施形態の構成を
示す概略図である。図1において、その全体を10で示
すのは排気浄化装置である。排気浄化装置10は、ディ
ーゼル機関(図示せず)の排気通路2に接続されたケー
シング11を備えており、ケーシング11内には排気ガ
ス入口12側から後述する衝突捕集部20と排気浄化触
媒30とが配置されている。ディーゼル機関の排気は、
ケーシング11の入口12から排気浄化装置10内に流
入し、まず衝突捕集部20を通過し、次いで触媒30を
通過した後、排気出口13から出口側排気通路3に流出
する。また、排気は出口側排気通路3から図示しないマ
フラーを経て大気に放出される。
【0015】排気浄化触媒30は、例えばコージェライ
ト等のセラミック製担体を使用した、いわゆるモノリス
形触媒とされる。すなわち、触媒30の担体中には、排
気流れ方向に沿って細径の直管状の排気流路が多数(例
えば1cm2 当たり50〜100個)形成されており、
この排気流路壁面に形成されたアルミナ等のウォッシュ
コート層に白金Pt、ロジウムRh、パラジウムPd等
の触媒成分が担持されている。排気中の炭化水素等の分
子は、排気流路通過時に流路壁面に担持された触媒成分
に接触し浄化される。
【0016】ところが、前述したように、モノリス担体
中の各々の排気流路の径は極めて小さいため、排気流路
を流れる排気流は排気流路入口部分を除いてその大部分
が層流になっている。このため、流路内の排気流にはほ
とんど乱れが生じておらず、排気中に分散する炭化水素
ミスト等の微粒子は流路内を排気流とともに直線的に移
動するようになる。従って、排気中の炭化水素ミストの
大部分は壁面に担持された触媒成分と接触しないまま排
気浄化触媒30を通過してしまうことになる。
【0017】一方、排気中に含まれるガス状の炭化水素
成分は、全体を平均すると排気流方向の速度成分を有す
るものの、個々の炭化水素分子は分子運動によりランダ
ムな方向の速度成分を有しており、排気流路壁面と衝突
を繰り返す。このため、排気流路内の流れが層流であっ
ても、ガス状の炭化水素成分は触媒と接触する確率が高
くなり、触媒30により高い効率で浄化される。
【0018】本実施形態では、触媒30上流側に衝突捕
集部20を設け排気中の炭化水素ミストを捕集するとと
もに、捕集した炭化水素ミストを再度気化させて、ガス
状の炭化水素として触媒30に供給するようにしてい
る。以下、本実施形態の衝突捕集部20による排気中の
炭化水素ミストの捕集と再気化のメカニズムについて説
明する。
【0019】本実施形態では衝突捕集部20内で、排気
流の方向を急変させることにより、炭化水素ミストの慣
性を利用してミストの捕集を行う。すなわち、衝突捕集
部20内には曲折した排気流路が形成されており、排気
はこの流路中を通過する際に流れ方向が急変する。とこ
ろが、排気中の炭化水素ミスト等の微粒子は気体分子に
較べてはるかに質量が大きいため、排気流れ方向が急変
しても追随することができず、慣性により直進を続け
る。このため、流れ方向が急変する部分で炭化水素ミス
トは流路壁面に衝突して壁面に付着することになる。
【0020】一方、上記により、壁面に衝突、付着した
炭化水素ミストは、流路中を通過する排気流に接触する
ことになる。このため、壁面に付着した炭化水素ミスト
周囲に形成される炭化水素の飽和蒸気層は排気により連
続的に運び去られ、壁面に付着した炭化水素ミストは炭
化水素成分の蒸気圧の低い排気と直接接触するようにな
る。このため、排気温度が炭化水素ミストの沸点より低
い状態であっても付着した壁面の炭化水素ミストの蒸発
が活発になり、捕集されたミストは短時間で気化するこ
とになる。
【0021】排気中の炭化水素ミストを捕集する方法と
しては、本実施形態の衝突捕集部20のようにミストの
慣性を利用した捕集方法の他にフィルタ(濾過)による
捕集方法が考えられる。しかし、フィルタはミスト粒子
の径より小さい細孔に排気を通過させてミスト粒子を補
足するため、粒子を補足した細孔には排気が流れなくな
る。従って、フィルタではミスト粒子を捕集することは
できても低温時に炭化水素ミストを気化させることはで
きない。そこで、本実施形態では、上述した衝突捕集に
より炭化水素ミストを捕集し、同時に気化させる構成を
取っている。
【0022】衝突捕集部20は、例えばセラミックフォ
ーム、衝突板、或いは耐熱繊維クロス、焼結金属等が使
用される。図2(A) 、(B) はこれらのうち、セラミック
フォーム(図2(A) )、衝突板(図2(B) )の流路構造
を模式的に示したものである。図2(A) 示すように、セ
ラミックフォームはコージェライト等のセラミック粒子
を焼結し、内部に三次元網目構造の曲折した排気流路
(図2(A) に20aで示す)を多数形成している。セラ
ミックフォームは通常、ディーゼルエンジンのパティキ
ュレートフィルタとして、濾過により排気中の煤を捕集
するために用いられる。しかし、本実施形態に使用する
セラミックフォームは、排気中の炭化水素ミストの径よ
り大幅に大きい流路径を有している。すなわち、本実施
形態のセラミックフォームは、流路20aの曲折部で排
気中の炭化水素ミストを衝突捕集した際に、付着した炭
化水素ミストにより流路が閉塞されないだけの充分に大
きな流路径を有するようにして、付着した炭化水素ミス
トが流路を通過する排気流により直ちに気化するように
している点が通常のセラミックフォームフィルタと相違
している。
【0023】図2(B) に、衝突板を使用した衝突捕集部
の構成を示す。衝突板式の捕集部は、多数の孔またはス
リットを有する複数の金属板(衝突板)(図2(B) で
は、2枚の衝突板25a、25bを示す)を排気流に直
角に配置した構成であり、隣接した衝突板の孔またはス
リット24a、24bが排気流方向から見て重ならない
ようにそれぞれの衝突板が配置されている。このため、
上流側の衝突板25aの孔またはスリット24aを通過
した排気は、図2(B) に示すように衝突板25aと25
bとの間で流れ方向を急激に変えて下流側の衝突板25
bの孔またはスリット24bから下流側に流れる。排気
中の炭化水素ミストは排気流れの急変に追随できず、慣
性により直進して下流側の衝突板25bに衝突、付着す
ることとなる。また、この場合も衝突板25a、25b
の間隔、及び孔またはスリット24a、24bのサイズ
は炭化水素ミストの粒子径より大幅に大きく設定してあ
り、付着した炭化水素ミストにより排気流路が閉塞され
ることのないようにしている。
【0024】なお、図示していないが、金属繊維、ガラ
ス繊維等の耐熱繊維クロス、焼結金属等を使用する場合
も、内部に形成する排気流路径を炭化水素ミスト粒子径
より大きく設定することはセラミックフォーム、衝突板
の場合と同様である。図3は本発明の排気浄化装置の別
の実施形態を示す。本実施形態では、図1の排気浄化触
媒30、衝突捕集部20に加えて、衝突捕集部20上流
側に酸化触媒40が配置されている点が図1の実施形態
と相違する。酸化触媒40は、例えば下流側の触媒30
と同様モノリス担体を用いた構成とされ、白金Pt等の
酸化力の強い触媒成分を流路壁面に担持させている。
【0025】ディーゼル機関の排気中には、炭化水素ミ
スト以外にもSOF(SOLUBLE ORGANIC FRACTION)、煤
等の微粒子がふくまれているため、衝突捕集部で炭化水
素ミストを捕集すると捕集された炭化水素ミストにこれ
らの微粒子が付着するようになる。このため、衝突捕集
部には炭化水素ミスト以外にもSOF、煤などの微粒子
が捕集される。本実施形態では、衝突捕集部上流側に酸
化触媒40を配置することにより、衝突捕集部に捕集さ
れたSOF、煤等を炭化水素ミストとともに浄化するよ
うにしている。ディーゼル機関の排気は、酸素濃度が高
く且つ比較的多量のNO(一酸化窒素成分)を含んでい
る。衝突捕集部20上流側の酸化触媒40は、このNO
成分を酸化してNO2 (二酸化窒素)に転換する。
【0026】このため、衝突捕集部20には、NO2
含む排気が流入し捕集部20に捕集されたSOF、煤等
の微粒子と接触することになる。周知のように、NO2
は強い酸化力を有し比較的低温でSOF、煤等を酸化す
ることができる。従って、捕集部20に捕集されたSO
F、煤等はNO2 により酸化され、捕集部20にこれら
の微粒子が蓄積されることが防止される。
【0027】なお、図3では排気浄化触媒30と衝突捕
集部20とを別々に設けているが、例えばセラミックフ
ォーム等で衝突捕集部を構成した場合には、触媒30を
別体に設ける代わりに衝突捕集部30の一部(下流側部
分)に触媒成分を担持させるようにしても良い。また、
図2の実施形態では衝突捕集部20と触媒30との組を
1つだけ設けた場合を示したが、衝突捕集部20と排気
浄化触媒30とを複数組設けることも可能である。図4
は、ケーシング11内に衝突捕集部20と排気浄化触媒
30との組を3つ配置した例を示している。このよう
に、衝突捕集部20と排気浄化触媒30との組を複数組
配置することにより、上流側の衝突捕集部で捕集されず
に触媒を通過した炭化水素ミストを下流側の衝突捕集部
で捕集、再気化することが可能となるため、より炭化水
素ミストの浄化効率を向上させることができる利点があ
る。
【0028】次に、本発明の別の実施形態について図5
を用いて説明する。図5の実施形態では、衝突捕集部2
0と排気浄化触媒30とは、それぞれ別のケーシング2
1と31内に分離して配置されており、捕集部20のケ
ーシング21と触媒30の31とは排気通路2aで接続
されている。また、本実施形態では、捕集部20のケー
シング21をバイパスしてケーシング21の上流側の排
気通路2と触媒30のケーシング31入口部とを接続す
るバイパス通路2b、および機関(図示せず)からの排
気を捕集部20のケーシング31側とバイパス通路2b
側とに切り換えるバイパス弁2cがそれぞれ設けられて
いる。
【0029】前述の各実施形態では、ディーゼル機関の
排気温度にかかわらず排気は常に衝突捕集部と触媒との
両方を通過するようになっていた。しかし、本実施形態
では、排気温度に応じてバイパス弁2cを切り換えて排
気を衝突捕集部20側とバイパス通路2b側に切り換え
るようにする点が相違している。例えば、本実施形態で
は、機関排気温度が低い運転状態では、バイパス弁2c
は衝突捕集部20側を切り換えて排気を衝突捕集部20
のケーシング21に排気を導く。また、排気温度が上昇
して中程度の温度になった場合には、バイパス弁2cは
バイパス通路2b側に切り換えられ、機関からの排気は
衝突捕集部20を通過することなく直接触媒30に供給
される。
【0030】更に、機関負荷の増大などにより、排気温
度が高温になった場合にはバイパス弁2cは再度衝突捕
集部20側に切り換えられる。すなわち、実際の運転時
に燃焼室からの未燃炭化水素ガスが排気通路内で凝縮し
て炭化水素ミストを生成するようになるのは排気温度が
低い場合だけであり、この排気温度低温時を除けば未燃
炭化水素ガスの凝縮による炭化水素ミストの発生は殆ど
生じない。このため、本実施形態では、排気温度が中程
度の温度領域では排気を衝突捕集部を通過させることな
く直接排気浄化触媒30に供給するようにして、衝突捕
集部20の通過による排気背圧の上昇を防止している。
【0031】一方、排気温度が特に低いような運転条件
では、排気通路で凝縮する炭化水素ミストの量が多いこ
と、および衝突捕集部に捕集された炭化水素ミストの再
気化が進まないこと等により、捕集部20には炭化水素
ミストが蓄積されてしまう場合がある。このため、排気
温度が低い場合にのみ排気を衝突捕集部20に供給する
ようにしていると、衝突捕集部20に蓄積された炭化水
素ミストの量が増大してしまう可能性がある。
【0032】そこで、本実施形態では、排気温度が高温
(例えば、排気温度が炭化水素ミストを構成する高沸点
成分の沸点以上になる領域)になった場合には、高温の
排気を衝突捕集部20に通過させることにより、衝突捕
集部に蓄積された炭化水素ミストの全量を蒸発させるよ
うにしている。これにより、衝突捕集部20への炭化水
素ミストの蓄積を防止するとともに、中温度領域での排
気抵抗を低減し、機関燃費を向上することが可能とな
る。
【0033】次に、本発明の別の実施形態について説明
する。上述の各実施形態では排気中の炭化水素ミストを
衝突捕集部に捕集、再気化してガス状の炭化水素として
下流側の排気浄化触媒に供給することにより炭化水素分
子と触媒成分との接触の機会を増大させている。しか
し、上記実施形態のように炭化水素ミストを再気化させ
ないでも排気浄化触媒を通過する際に炭化水素ミストと
触媒成分との直接接触の機会を増加させれば炭化水素ミ
ストの浄化効率を向上させることが可能である。
【0034】本実施形態では、炭化水素ミストを捕集、
再気化する工程を経ずに、炭化水素ミストと触媒成分と
の接触の機会を増大させることにより、排気中の炭化水
素ミストの浄化効率を向上させている。図6は、本実施
形態の排気浄化装置の概略構成を示す図である。図6に
おいて、10は排気浄化装置全体、2は図示しないディ
ーゼル機関の排気通路、11は排気通路2に接続された
ケーシング、30は排気浄化触媒をそれぞれ示す。排気
浄化触媒30は、図1から図5の実施形態と同様、モノ
リス担体を使用し、担体中の排気流路壁面に触媒成分を
担持させた構成とされている。また、本実施形態では、
図1から図5の衝突捕集部20は設けられておらず、そ
の代わりに触媒30担体は流れ方向に複数個に分割さ
れ、それぞれの分割担体30aが流れ方向に間隔を明け
て配置され、担体中の排気流路の急拡大部51を形成し
ている。
【0035】前述のように、通常の担体中の排気流路は
細径であるため流路内の排気流は流路入口部分を除き、
乱れのない層流状態になっている。このため、排気中の
炭化水素ミストと流路壁面の触媒成分との接触の機会が
少なくなる問題が生じる。本実施形態では、上述のよう
に急拡大部51を設けたことにより各分割担体の流路を
流れる排気は、次の分割担体の排気流路に流入する前に
一旦急拡大部51を通過することになる。このとき、排
気流は流路の急拡大、急縮小により乱れが大きい状態で
各分割担体の流路に流入する。このため、各分割担体内
の流路で排気流の乱れが減衰して流れ状態が乱流から層
流に変化するのに距離を要するようになる。各分割担体
の流路内で排気流が乱流状態になっている区間では、排
気流が乱れており、流れが層流の場合に較べて排気中の
炭化水素ミストと流路壁面とが接触する機会が大幅に増
大する。
【0036】図1から図5の排気浄化触媒30では、モ
ノリス担体中の排気流路に流入した排気は、流路入口か
らの短い区間内では乱流となっているものの、残りの区
間では層流になっており、排気中の炭化水素ミストと触
媒の接触の機会は極めて低くなっている。これに対し
て、本実施形態のように流路の急拡大部51を設けたこ
とにより、各分割担体の排気流路には乱れの大きい排気
が流入することになり、各分割担体の流路入口から流れ
が乱流を維持する区間の長さが長くなる。しかも、この
乱流区間は各分割担体の各流路入口に生じるため、全体
として排気流が乱流になっている区間は図1から図5の
排気浄化触媒に較べて大幅に増加することになる。従っ
て、本実施形態では、排気流が乱流となる区間を長くす
ることにより、排気中の炭化水素ミストを再気化させる
ことなく、炭化水素ミストの浄化効率を大幅に向上する
ことが可能となっている。
【0037】なお、上記の説明から明らかなように、本
実施形態では、分割担体の数を増やして、流路の急拡大
部の数を増大させるほど、排気流が乱流となる区間の合
計が長くなるため炭化水素ミストの浄化効率が向上す
る。
【0038】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、ディー
ゼル機関の燃焼室から排出される気体状炭化水素が排気
通路内で凝縮することにより生成される炭化水素ミスト
の大気への放出を効果的に防止することが可能となると
いう共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した排気浄化装置の実施形態の概
略構成を説明する図である。
【図2】衝突捕集部の構成例を説明する図である。
【図3】本発明を適用した排気浄化装置の別の実施形態
の概略構成を説明する図である。
【図4】本発明を適用した排気浄化装置の別の実施形態
の概略構成を説明する図である。
【図5】本発明を適用した排気浄化装置の別の実施形態
の概略構成を説明する図である。
【図6】本発明を適用した排気浄化装置の別の実施形態
の概略構成を説明する図である。
【符号の説明】
10…排気浄化装置 20…衝突捕集部 30…排気浄化触媒 51…流路急拡大部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気中の炭化水素ガスが排気通路内で凝
    縮することにより生成した炭化水素ミストを、再度気化
    させ、次いで再気化後の炭化水素ガスを含む排気を排気
    浄化触媒に接触させることにより、排気中の炭化水素ミ
    ストを除去するディーゼル機関の排気浄化方法。
  2. 【請求項2】 排気中の炭化水素ガスが排気通路内で凝
    縮することにより生成した炭化水素ミストを含む排気
    を、排気通路内に配置された衝突部材に衝突させ排気中
    の炭化水素ミストを前記衝突部材に付着させ、次いで付
    着した炭化水素ミストを衝突部材を通過する排気流と接
    触させることにより再度気化させ、気化により生成した
    炭化水素ガスを含む排気を排気浄化触媒に接触させるこ
    とにより排気中の炭化水素ミストを除去するディーゼル
    機関の排気浄化方法。
  3. 【請求項3】 ディーゼル機関の排気通路に配置した排
    気浄化触媒と、該触媒上流側の排気通路に配置された、
    排気中に分散した炭化水素ミストが衝突、付着する衝突
    部材と、を備えたディーゼル機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記衝突部材は、排気温度低温時には、
    前記衝突により捕集した炭化水素ミストを液状のまま保
    持する請求項3に記載のディーゼル機関の排気浄化装
    置。
  5. 【請求項5】 ディーゼル機関の排気通路に配置され
    た、モノリス担体を有する排気浄化触媒と、該モノリス
    担体中の排気流路を通過する排気の乱流を増大させる乱
    流増大手段と、を備えたディーゼル機関の排気浄化装
    置。
  6. 【請求項6】 前記乱流増大手段は、前記モノリス担体
    中の排気流路に設けた流路の急拡大部と急縮小部とを含
    む請求項5に記載の排気浄化装置。
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