JP3959611B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、エンジンという)の排気系に設けられて、排ガス中のパティキュレート・マター(以下、PMと略す)を捕集するパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
ディーゼルエンジン等から排出される排ガスには、HC、CO、NOx等のほかにPMが多く含まれており、このPMを処理するための後処理装置としてパティキュレートフィルタが提案されている。当該フィルタは、排ガスの流れ方向に沿う多数の通路の上流側と下流側の開口部を交互に閉鎖して、通路を形成する多孔質の仕切壁を経て排ガスを流通させる所謂ウォールフロー式として構成されており、仕切壁を流通する際に排ガス中のPMを捕集している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記フィルタに堆積したPMは、排気温度が高い運転状態のときに自然着火により焼却除去されるが、この自然着火による連続再生作用が得られない運転状態が継続されて、フィルタ上のPMの堆積量が次第に増加することもある。このような場合、上記したウォールフロー式のフィルタでは仕切壁の目詰まりに直結し、排気抵抗の急増により正常なエンジンの運転を維持できなくなってしまう。
【0004】
そこで、PMの堆積量が許容値を越えたときに、堆積しているPMを強制的に焼却除去する強制再生処理を実施する必要がある。強制再生処理としては、例えば膨張行程或いは排気行程で追加燃料を噴射するポスト噴射、或いは排気系に設けた未燃燃料供給手段からの未燃燃料の供給等が挙げられ、供給した燃料を燃焼させてフィルタの昇温を図っているが、この強制再生処理の実施のために燃料消費量が増加したり、排ガス浄化装置の構成が複雑化したりするという弊害があった。
【0005】
本発明の目的は、強制再生処理の実施による弊害を回避した上で、目詰まりを生じることなく確実にPMの排出量を低減することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気系に設けられ、複数の仕切壁によって形成された排ガスの流れ方向に沿う複数の通路を有するフロースルー型のトラップ装置と、排気系のトラップ装置の上流に設けられ、排ガスに旋回流を付与する旋回流付与手段とを備え、トラップ装置に酸化機能を有する金属が担持されているものである。
【0007】
従って、内燃機関から排出される排ガスは旋回流付与手段により旋回流を生起し、下流側のトラップ手段の各通路の入口に対して角度をもって流入し、通路を形成する仕切壁に衝突する。PM(パティキュレート・マター)の主成分の一つであるスートは、排ガスが仕切壁に衝突すると仕切壁に付着し、これにより排ガス中のスートがトラップ装置に順次捕集される。
【0008】
内燃機関の高負荷域においては、排気温度の上昇に伴ってトラップ装置が十分に昇温されるため、トラップ装置の酸化機能により排ガス中のNOから生成されたNO2 を酸化剤として利用して、若しくはトラップ装置の触媒機能により酸素による酸化が促進され、トラップ装置上に堆積したスートが連続的に燃焼除去される(連続再生)。高負荷域ではPM中のスートの割合が増加するが、このようにスートが速やかに焼却除去されるため、結果としてPM排出量が確実に低減される。
【0009】
一方、内燃機関の低負荷域においては、トラップ装置の酸化機能によりPM中のSOF(可溶性有機成分)は浄化されるものの、排気温度が低いことからトラップ装置に堆積したスートの焼却除去は期待できない。しかしながら、低負荷域ではスートの発生量は少なく、PM中で大きな割合を占めるSOFが浄化されることにより、全体のPM排出量が確実に低減される。
【0010】
そして、例えば低負荷域での運転が継続されて上記連続再生作用が得られない場合には、トラップ装置でのスートの堆積量は次第に増加するが、堆積したスートが排ガスの流通を妨げるようになると、排ガスの圧力を受けてスートが仕切壁から適宜剥離されて下流側に排出される。よって、堆積したスートでトラップ装置が目詰まりする虞は皆無であり、目詰まりを防止するための強制再生処理を実施する必要がなくなる。
【0011】
請求項2の発明は、内燃機関の排気系に設けられ、複数の仕切壁によって形成された排ガスの流れ方向に沿う複数の通路を有するフロースルー型のトラップ装置と、排気系のトラップ装置の上流に設けられ、排ガスに旋回流を付与する旋回流付与手段と、排気系の旋回流付与手段の上流に設けられた酸化触媒とを備えたものである。
本発明では、請求項1の発明のトラップ装置による酸化機能に代えて、上流側の酸化触媒が同様の機能を奏し、低負荷域ではSOFを浄化し、高負荷域ではトラップ装置の連続再生に必要なNO2 を排ガス中のNOから生成する。よって、請求項1において記載のように、低負荷域では主にSOFの浄化が、高負荷域では主にスートに対する連続再生作用が奏され、全体のPM排出量を確実に低減可能となり、且つ、連続再生作用が得られないときにはトラップ装置に堆積したスートを適宜下流側に排出するため、トラップ装置の目詰まりを防止するための強制再生処理が不要となる。
【0012】
請求項3の発明は、内燃機関の排気系に設けられ、複数の仕切壁によって形成された排ガスの流れ方向に沿う複数の通路を有するフロースルー型のトラップ装置と、排気系のトラップ装置の上流に設けられ、排ガスに旋回流を付与する旋回流付与手段と、排気系の旋回流付与手段の上流に設けられた酸化触媒とを備え、トラップ装置に酸化機能を有する金属が担持されているものである。
【0013】
本発明では、請求項1の発明のトラップ装置による酸化機能に加えて、上流側の酸化触媒が同様の機能を奏し、低負荷域ではSOFを浄化し、高負荷域では連続再生に必要なNO2 を排ガス中のNOから生成する。よって、請求項1において記載のように、低負荷域では主にSOFの浄化が、高負荷域では主にスートに対する連続再生作用が奏され、全体のPM排出量を確実に低減可能となり、且つ、連続再生作用が得られないときにはトラップ装置に堆積したスートを適宜下流側に排出するため、トラップ装置の目詰まりを防止するための強制再生処理が不要となる。
【0014】
請求項4の発明は、トラップ装置の通路断面積が旋回流付与手段の通路断面積より小さく形成されたものである。
従って、旋回流付与手段からの旋回流を伴う排ガスがトラップ装置に接近すると、通路断面積の縮小に伴って排ガスの流速が速められる。その結果、トラップ装置の仕切壁に対して排ガスがより強く衝突して、PMは仕切壁に一層強固に付着される。
【0015】
請求項5の発明は、トラップ装置がNOx選択還元機能を備え、旋回流付与手段の上流側の排気系に還元剤を供給するようにしたものである。
例えば、還元剤としては燃料に含まれるHC等が利用され、排気系に供給された燃料が還元剤として機能して、トラップ装置上で排ガス中のNOxを還元し、これによりNOx低減が達成される。又、このときの還元剤は、旋回流付与手段が生起した旋回流により均一に分散した状態でトラップ装置上に供給されるため、還元剤を有効に利用して最大限のNOx低減効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明をコモンレール式ディーゼルエンジン用の排気浄化装置に具体化した第1実施形態を説明する。
図1は第1実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図、図2は旋回流付与部の詳細を示す図1のII−II線断面図である。排気浄化装置1はエンジン2の排気通路3に設けられ、図示はしないが、排気浄化装置1の下流側には消音器が設けられている。排気浄化装置1は上流側の旋回流付与部4(旋回流付与手段)と、下流側のディーゼル・パティキュレート・フィルタ5(トラップ装置であり、以下、DPFと略す)とから構成され、両部材4,5は円筒状のケーシング6内に収納されている。
【0017】
ケーシング6内は旋回流付与部4の隔壁7により上流側と下流側とに区画され、以下、隔壁7の上流側の空間を上流空間8a、下流側の空間を下流空間8bと称する。ケーシング6の軸線Lを中心とした隔壁7上の180°対向する2位置には、それぞれ導風パイプ9が貫通配置され、これらの導風パイプ9は隔壁7に対して直角に溶接固定されている。
【0018】
両導風パイプ9は下流空間8b内に向けて延設されると共に、軸線Lを中心として同一周方向(図2に示すように反時計回り)に開口端を指向させるように湾曲形成されている。尚、導風パイプ9の数や形状は任意に変更可能であり、例えば軸線Lを中心として120°間隔で3本配置してもよい。
一方、DPF5は、例えばモノリス型のコージェライト担体からなり、仕切壁10によって排ガスの長手方向に沿う多数の通路11を有している。各通路11はハニカム状若しくは格子状の断面をなし、DPF5は、各通路11に沿って排ガスを流通させる所謂フロースルー式のハニカムとして機能する。DPF5の表面には、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属を主成分とした触媒が担持されている。尚、後述のようにDPF5はPMを捕集するが、PMの堆積が通路11の入口付近に集中することから、一般的なウォールフロー式DPFや酸化触媒の担体ほどの長さは必要なく、その全長はかなり短く設定されている。
【0019】
そして、以上のように構成された排気浄化装置1では、運転中のエンジン2から排出される排ガスが排気通路3を経てケーシング6内の上流空間8a内に導入される。導入された排ガスは導風パイプ9内を経て下流空間8bに案内されるが、導風パイプ9の開口端が軸線Lに対して偏心位置にあり、且つ、同一周方向に指向しているため、導風パイプ9から放出された排ガスは、図に矢印で示すように、下流空間8b内で軸線Lを中心とした反時計回りの旋回流を生起する。
【0020】
従って、下流空間8b内の排ガスはDPF5の各通路11の入口に対して角度をもって流入して、通路11を形成する仕切壁10に衝突し、その後は各通路11内を流通した後にケーシング6から排出され、消音器を経て大気中に排出される。
次に、上記のように構成されたディーゼルエンジン2の排気浄化装置1によるPMの浄化作用を説明する。
【0021】
周知のように排ガス中に含まれるPMは、未燃燃料やオイルからなるSOF、カーボン等からなるスート、触媒の酸化作用により発生するサルフェートの3種を主成分としており、これらの成分の総和によりPM排出量が評価される。ここで、SOFとスートの発生状況はエンジン2の負荷領域に応じて変化し、低負荷域ではSOFの割合が増加し、高負荷域ではスートの割合が増加することが確認されている。
【0022】
一般にPMは、図3中に拡大表示したように、スートの粒子の表面にSOFが付着した状態で存在する。ここで、上記のように旋回流により排ガスがDPF5の仕切壁10の入口に角度をもって衝突すると、排ガス中のPMは仕切壁10に付着し、これにより排ガス中のPMが順次DPF5に捕集される。
エンジン2の低負荷域においては排気温度が低いことから、スートを焼却除去する後述の連続再生作用は得られないため、スートに対する浄化作用はほとんど発揮されない。一方、SOFはスートの酸化よりも低い温度からDPF5の酸化機能により浄化される。従って、PM中で大きな割合を占めるSOFが浄化されることにより、全体のPM排出量が確実に低減される。
【0023】
又、高負荷域においては、上記低負荷域と同じくDPF5の酸化機能によるSOFの浄化作用が奏されると共に、エンジン2の排気温度の上昇に伴ってDPF5が十分に昇温されているため、一般的なウォールフロー式DPFと同様の連続再生作用が奏される。即ち、DPF5の酸化機能により排ガス中のNOからNO2 が生成され、このNO2 を酸化剤として利用してDPF5上に堆積したスートが燃焼する。又、DPF5上の触媒による酸化促進作用により酸素によるスート酸化が促進される。上記低負荷域でDPF5上には既にスートが捕集され、且つ、高負荷域への移行に伴ってPM中のスートの割合が増加するが、これらのスートは速やかに焼却除去され、且つ、低負荷域と同様に酸化機能によりSOFも浄化されるため、結果としてPM排出量が確実に低減される。
【0024】
そして、例えば低負荷域での運転が継続されて上記連続再生作用が得られない場合には、ウォールフロー式DPFと同じくDPF5でのスートの堆積量は次第に増加するが、本実施形態のフロースルー式DPF5では、スートの堆積量が増加して排ガスの流通を妨げるようになると、排ガスの圧力を受けてスートが仕切壁10から適宜剥離されて下流側に排出されるため、堆積したスートによりDPF5が目詰まりする虞は皆無である。よって、DPF5の目詰まりを防止するための強制再生処理を実施する必要がなくなり、当該処理の実施による弊害、例えば燃料消費量の増加や構成の複雑化等を未然に回避することができる。
【0025】
尚、スートの排出はPM排出量の増加に繋がるが、DPF5でのスートの堆積量が減少して排ガスが円滑に流通するようになれば、自ずとスートの剥離は中断されるため、剥離により排出されるスートの量は必要最小限となって、PM全体の発生量から比較すればごく僅かに抑制される。よって、トータルとしてのPM排出量を十分に抑制可能である。
【0026】
[第2実施形態]
次に、本発明を別のコモンレール式ディーゼルエンジン用の排気浄化装置に具体化した第2実施形態を説明する。尚、本実施形態は上記第1実施形態に比較して、排気浄化装置1の旋回流付与部4の上流側に酸化触媒21を付加した点が相違しており、その他の構成は同一である。よって、同一構成の部分の説明は省略し、相違点を重点的に説明する。
【0027】
図4は第2実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図であり、この図に示すように、排気浄化装置1のケーシング6内の上流空間8a、つまり旋回流付与部4より上流側には酸化触媒21が設置されている。当該酸化触媒21の構成は一般的な酸化触媒と同様であり、例えばコージェライト担体の表面にPt、Pd等の貴金属を主成分とした触媒が担持されている。
【0028】
このように構成された排気浄化装置1では、第1実施形態と同じく低負荷域では主にSOFの浄化が、高負荷域では主にスートに対する連続再生作用が奏されると共に、連続再生作用が得られないときにはDPF5に堆積したスートを適宜下流側に排出するため、DPF5の目詰まりを防止するための強制再生処理を不要とすることができる。加えて、上流側の酸化触媒21がDPF5の酸化作用を補助する役割を果たし、低負荷域ではSOFを浄化し、高負荷域では連続再生に必要なNO2 を排ガス中のNOから生成することから、第1実施形態のものに比較して、PM排出量をより一層低減することができる。
【0029】
又、上流側の酸化触媒21で生成されたNO2 は、旋回流付与部4が生起した旋回流により均一に分散した状態でDPF5上に供給されるため、DPF5上でのスートの燃え残りを防止して、より確実にDPF5を再生できるという利点もある。
尚、このように上流側に酸化触媒21を備えると、DPF5の酸化機能は必須ではなくなる。よって、DPF5に触媒を担持させずに、PMの捕集機能を奏するコージェライト担体のままとしてもよい。この場合であっても、上流側の酸化触媒21により低負荷域のSOFの浄化作用、及び高負荷域のNO2 の生成作用が奏されるため、PM排出量の低減は十分に達成することができる。
【0030】
[第3実施形態]
次に、本発明を別のコモンレール式ディーゼルエンジン用の排気浄化装置に具体化した第3実施形態を説明する。尚、本実施形態は上記第1実施形態に比較して、排ガスの流速を高めるべくケーシング6の形状を変更した点、及びDPF5にNOxの還元機能を付加した点が相違しており、その他の構成は同一である。よって、同一構成の部分の説明は省略し、相違点を重点的に説明する。
【0031】
図5は第3実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置の旋回流付与部を示す断面図である。本実施形態の排気浄化装置では、旋回流付与部4とDPF5との間でケーシング6が縮径しており、結果として旋回流付与部4側の通路断面積に対して、DPF5側の通路断面積が小さく設定されている。
又、DPF5には上記酸化触媒に加えて、例えばCu/ZSM5等の選択還元型NOx触媒が担持されており、一方、エンジン2の排気通路3には未燃燃料を任意に供給可能となっている。具体的には、例えば排気通路3に設けた噴射弁より軽油を噴射したり、或いはエンジン2の膨張行程或いは排気行程で追加燃料を噴射して、未燃燃料のまま排気通路3に供給するポスト噴射を実施したりする手法が考えられる。
【0032】
このように構成された排気浄化装置1では、第1実施形態で説明した作用に加えて、以下の作用を奏する。まず、旋回流付与部4からの旋回流を伴う排ガスがDPF5に接近すると、ケース外径の縮小に伴って角運動量が保存されることから、排ガスの旋回流速が速められる現象が生じる。従って、DPF5の仕切壁10に対して排ガスがより強く衝突することになり、PMを仕切壁10に一層強固に付着させて、DPF5のPM捕集機能を強化することができる。
【0033】
又、エンジン2のNOx排出量が多い運転状態では、上記噴射弁の作動、或いはポスト噴射の実施により排気通路3に未燃燃料を供給する。供給された未燃燃料中のHCはNOx触媒上で還元剤として機能して排ガス中のNOxを還元するため、特にディーゼルエンジンで問題となるNOxを効率的に低減できるという利点も得られる。
【0034】
しかも、供給された未燃燃料は、旋回流付与部4が生起した旋回流により均一に分散した状態でDPF5上に供給されるため、HCを有効に利用して最大限のNOx低減効果を得ることができる。ここで、装置の構成としては、第1及び第2実施形態と同様に、旋回流付与部4の上流側に酸化触媒21を設けてもよい。尚、その場合には、還元剤を供給する位置は酸化触媒21と旋回流付与部4の中間とする。
【0035】
一方、上記旋回流付与部4の構成は種々に変更可能であり、以下、その変形例を第4〜6実施形態として説明する。尚、旋回流付与部4以外の部分は、上記第1実施形態と同様であるため、相違点を重点的に説明する。
[第4実施形態]
図6は第4実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置の旋回流付与部を示す断面図、図7は旋回流付与部の詳細を示す図6のVII−VII線断面図である。これらの図に示すように、旋回流付与部4の隔壁31はプレス成形され、ケーシング6の軸線Lを中心とした180°対向する2位置に導風孔32が一体的に開口形成されている。これらの導風孔32は下流空間8b内において軸線Lを中心として同一周方向(反時計回り)に開口し、第1実施形態の導風パイプ9と同様の作用を奏する。
【0036】
即ち、上流空間8a内の排ガスが導風孔32から下流空間8b内に放出される際に旋回流を生起するため、排ガスをDPF5の仕切壁10に衝突させて、排ガス中のPMをDPF5に捕集でき、その結果、第1実施形態と同様の浄化作用を得ることができる。
[第5実施形態]
図8は第5実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置の旋回流付与部を示す断面図、図9は旋回流付与部の詳細を示す図8のIX−IX線断面図である。これらの図に示すように、ケーシング6内の軸線L上にはセンタパイプ41が配設され、このセンタパイプ41を中心として軸線L方向に螺旋状をなすように導風プレート42が配設されている。
【0037】
従って、上流空間8a内の排ガスは導風プレート42により螺旋状に案内されながら下流空間8b内に放出されて旋回流を生起し、これにより排ガス中のPMがDPF5に捕集される。
[第6実施形態]
図10は第6実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置の旋回流付与部を示す断面図、図11は旋回流付与部の詳細を示す図10のXI−XI線断面図である。これらの図に示すように、ケーシング6内の軸線L上にはセンタパイプ51が配設され、このセンタパイプ51を中心として4枚の導風プレート52が配設されている。各導風プレート52は同一方向に捻れており、これにより全体としてファン形状をなしている。
【0038】
この導風プレート52は第4実施形態の導風プレート42と同様の作用を奏し、排ガスを螺旋状に案内しながら下流空間8b内に旋回流を生起し、これにより排ガス中のPMをDPF5に捕集させる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態では、コモンレール式ディーゼルエンジン用の排気浄化装置に具体化したが、エンジン2の形式等はこれに限ることはなく、例えば、通常のディーゼルエンジン用の排気浄化装置として具体化してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1乃至3の発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、強制再生処理の実施による弊害を回避した上で、目詰まりを生じることなく確実にPMの排出量を低減することができる。
請求項4の発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1乃至3の発明に加えて、トラップ装置の仕切壁に対してPMを一層強固に付着させて、トラップ装置のPM捕集機能を強化することができる。
【0040】
請求項5の発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1乃至4の発明に加えて、排ガス中のNOxをトラップ装置上で還元して、NOx低減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。
【図2】旋回流付与部の詳細を示す図1のII−II線断面図である。
【図3】DPF上でのPMの堆積状態を示す部分拡大断面図である。
【図4】第2実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。
【図5】第3実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置の旋回流付与部を示す断面図である。
【図6】第4実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置の旋回流付与部を示す断面図である。
【図7】旋回流付与部の詳細を示す図6のVII−VII線断面図である。
【図8】第5実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置の旋回流付与部を示す断面図である。
【図9】旋回流付与部の詳細を示す図8のIX−IX線断面図である。
【図10】第6実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置の旋回流付与部を示す断面図である。
【図11】旋回流付与部の詳細を示す図10のXI−XI線断面図である。
【符号の説明】
2 エンジン(内燃機関)
3 排気通路
4 旋回流付与部(旋回流付与手段)
5 DPF(トラップ装置)
10 仕切壁
11 通路
21 酸化触媒
Claims (5)
- 内燃機関の排気系に設けられ、複数の仕切壁によって形成された排ガスの流れ方向に沿う複数の通路を有するフロースルー型のトラップ装置と、
上記排気系の上記トラップ装置の上流に設けられ、排ガスに旋回流を付与する旋回流付与手段とを備え、
上記トラップ装置は、酸化機能を有する金属が担持されていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 内燃機関の排気系に設けられ、複数の仕切壁によって形成された排ガスの流れ方向に沿う複数の通路を有するフロースルー型のトラップ装置と、
上記排気系の上記トラップ装置の上流に設けられ、排ガスに旋回流を付与する旋回流付与手段と、
上記排気系の上記旋回流付与手段の上流に設けられた酸化触媒と
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 内燃機関の排気系に設けられ、複数の仕切壁によって形成された排ガスの流れ方向に沿う複数の通路を有するフロースルー型のトラップ装置と、
上記排気系の上記トラップ装置の上流に設けられ、排ガスに旋回流を付与する旋回流付与手段と、
上記排気系の上記旋回流付与手段の上流に設けられた酸化触媒とを備え、
上記トラップ装置は、酸化機能を有する金属が担持されていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 上記トラップ装置は、通路断面積が上記旋回流付与手段の通路断面積より小さく形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 上記トラップ装置は、NOx選択還元機能を備え、上記旋回流付与手段の上流側の排気系に還元剤を供給することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
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