JPH09124934A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH09124934A
JPH09124934A JP28472695A JP28472695A JPH09124934A JP H09124934 A JPH09124934 A JP H09124934A JP 28472695 A JP28472695 A JP 28472695A JP 28472695 A JP28472695 A JP 28472695A JP H09124934 A JPH09124934 A JP H09124934A
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JP
Japan
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resin composition
polyamide resin
polyamide
composition according
weight
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Application number
JP28472695A
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English (en)
Inventor
Shoichi Wakatake
昌一 若竹
Masato Sakai
正人 坂井
Akira Hirai
陽 平井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】衝撃強度、耐熱性、耐道路凍結防止剤、成形品
の外観、ヒンジ部の屈曲耐性にすぐれた成形品を与える
樹脂組成物を得ること。 【解決手段】炭素数4〜18の脂肪族ジアミンとテレフ
タル酸から形成される構造単位を含有するポリアミド
(A)、不飽和カルボン酸系化合物で変性された変性ポ
リオレフィン(B)およびエポキシ基を有する重合体
(C)からなるポリアミド樹脂組成物であって、組成物
に対して(A)成分が55〜85重量%、および(B)
成分と(C)成分との和が45〜15重量%、ならびに
(B)成分および(C)成分の総和に対して(B)成分
が20〜80重量%であるポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリアミド
樹脂組成物に関し、詳細には芳香族ポリアミド樹脂組成
物、不飽和カルボン酸化合物およびエポキシ基を含有す
る重合体からなり、塩化カルシウムなどを主剤とする路
面凍結防止剤に対する耐性が良好で、剛性、耐衝撃性、
耐熱性などが優れた自動車アンダーフード部品、コネク
ター、ヒンジ部を有する成形品に的した樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、優れた耐熱性、成形
性、剛性、強靭性などの特徴を有しているため、とくに
自動車の室内・外品例えばラジエタータンクのトップ及
びベース、シリンダヘッドカバー、キャニスタ、ギヤ、
バルブ、コネクタ−、スルーアンカー、各種タンク類、
ブレーキ配管、燃料配管用チューブ、ホイールキャップ
外装部品など種々の自動車アンダーフード部品に展開さ
れているが、最近ではこれらの部品もさらなる高機能化
の要求が高まっている。冬季の路面凍結防止剤として散
布される塩化カルシウム、塩化マグネシウムに対する耐
性がさらに高い材料が求められ、また部品の軽量化すな
わち部品の低比重化、薄肉短小化が積極的に検討されて
いる。
【0003】しかしながら、ポリアミド樹脂は他の樹脂
に比べて吸水し易く、吸水によって、材料剛性、耐熱性
の低下、さらに寸法が変動しやすいために、樹脂部品へ
の適用の妨げとなっている。そこでナイロン11、ナイ
ロン12、ナイロン6・10に代表されるいわゆる高級
(炭素数が多いことを意味する)ポリアミドは、低吸水
で寸法安定性、耐薬品性などが良好で、しかも塩化カル
シウム、塩化マグネシウムなどの道路凍結防止剤に対す
る耐性が優れているが、耐熱性、剛性の不足、製造コス
ト高などから、用途拡大が制限されている。また、ナイ
ロン6、ナイロン66は耐熱性、剛性が高いことから、
ナイロン6あるいはナイロン66等の低級ポリアミドと
ナイロン11,ナイロン12等の高級ポリアミドとをブ
レンドして、双方の欠点を補おうとする試みもなされて
いる。(特開昭57−212252号公報、特開昭57
−80448号公報、特開昭57−80449号公報
等)。一方で、ポリアミド樹脂にポリアミド樹脂以外の
ポリマーを混合することで、低吸水化を図る試みもなさ
れている(特開平3−285951号報、特開平4−2
02560号公報)。また、高温雰囲気下での使用に耐
え得るポリアミド樹脂組成物として、芳香族ポリアミド
樹脂またはそれらの強化品が提案されている(特開昭5
9−161428、特開昭59−155426、特開昭
59−53536、特開昭62−156130)。ま
た、特開昭61−283653号報には上述の芳香族ポ
リアミド樹脂に変性ポリオレフィンを配合することによ
り耐衝撃性が改良されることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ナイロン6やナイロン
66にナイロン11、ナイロン12をブレンドする方法
あるいは、オレフィンを混合する方法は確かに低吸水化
の効果は得られるが組成物の耐熱性が低下してしまい、
高温雰囲気下で使用できない。
【0005】ナイロン6やナイロン66にオレフィンを
混合することで確かにそれなりの低吸水の効果は得られ
るが、単にポリオレフィン樹脂を混合するだけでは、組
成物の耐熱性が悪くなってしまう欠点がある。
【0006】テレフタル酸およびイソフタル酸を含有す
るポリアミド樹脂組成物は確かに低吸水であるが、高級
ナイロンに比べると吸水率は高く高温時の塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウムなどの道路凍結防止剤に対する耐
性が劣る。また、これらを含有するポリアミド樹脂のガ
ラス強化品は低吸水で吸水時の剛性に優れるが比重が高
く部品の軽量化をなしえない。
【0007】一方、自動車のアンダーフード部品の要求
性能をみるとエンジンによる高温雰囲気下での使用に耐
え得る高い剛性、高い熱変形温度、塩化カルシウム、塩
化マグネシウムなどの道路凍結防止剤に対する高い耐性
を有し、吸水時の剛性、靭性が高く、安価でかつコネク
ター、クリップ等の薄肉成形品が容易に成形でき成形後
の成形品の寸法変化が小さく重量が軽量化できるポリア
ミド樹脂組成物が必要となる。
【0008】したがって、このような機械特性と化学特
性の両方を兼備した樹脂組成物を提供することが課題と
なっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の状況に鑑み本発明
者らは、上記課題を解決すべく、樹脂組成物について鋭
意検討した結果、芳香族ポリアミドと特定のエチレン共
重合体を特定の比率で組み合わせることによって全ての
問題を解決できることをみいだし本発明に到達した。す
なわち「炭素数4〜18の脂肪族ジアミンとテレフタル
酸から形成される構造単位を含有するポリアミド
(A)、不飽和カルボン酸系化合物で変性された変性ポ
リオレフィン(B)およびエポキシ基を有する重合体
(C)からなるポリアミド樹脂組成物であって、組成物
に対して(A)成分が55〜85重量%、および(B)
成分と(C)成分との和が45〜15重量%、ならびに
(B)成分および(C)成分の総和に対して(B)成分
が20〜80重量%であるポリアミド樹脂組成物。」か
らなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味
する。
【0011】本発明のポリアミド(A)としては、炭素
数4〜18の脂肪族ジアミンとテレフタル酸から形成さ
れる構造単位を含有するポリアミドであれば任意である
が、ポリアミド(A)が、構造単位(I)
【化4】 および構造単位(II) 〜(IV) から選ばれる少なくとも
1種類の構造単位、
【化5】
【化6】 (式中Rは炭素数4〜18の2価の脂肪族基またはm−
フェニレン基、R´は炭素数4〜18の2価の脂肪族
基、R”は炭素数5〜17の2価の脂肪族基である。)
であるもの、さらに前記ポリアミドにおいて、構造単位
(I)がポリアミドAに対して、30〜65重量%であ
るもの、またさらに前記官能基Rが炭素数6の2価の脂
肪族基であり、官能基R´が炭素数4の脂肪族基、官能
基R”が炭素数4の脂肪族基であるものが好ましい。
【0012】またポリアミド(A)においては、前記化
学式(II)の構造単位が35〜70重量%であるものが
好ましく使用できる。
【0013】このようなポリアミドは、炭素数4〜18
の脂肪族アルキレンジアミン、炭素数6〜19のアミノ
カルボン酸またはラクタム、テレフタル酸、イソフタル
酸、および炭素数4〜18の脂肪族アルキレンジカルボ
ン酸から選択される組み合わせを原料として得ることが
できる。
【0014】炭素数4〜18の脂肪族アルキレンジアミ
ンの具体例としては1,4−ジアミノ1,1−ジメチル
ブタン、1,4−ジアミノ−1−エチルブタン、1,4
−ジアミノ−1,2−ジメチルブタン、1,4−ジアミ
ノ−1,3−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−1,
4−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−2,3−ジメ
チルブタン、1,2−ジアミノ−1−ブチルエタン、
1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノ−2−メ
チルペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジ
アミノオクタン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチル
ヘキサン、1,6−ジアミノ−2,4−ジメチルヘキサ
ン、1,6−ジアミノ−3,3−ジメチルヘキサン、
1,6−ジアミノ−2,2−ジメチルヘキサン、1,9
−ジアミノノナン、1,6−ジアミノ−2,2,4−ト
リメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,4,4−ト
リメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,3−ジメチ
ルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,4−ジメチルヘプ
タン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、
1,7−ジアミノ−2,2−ジメチルヘプタン、1,1
0−ジアミノデカン、1,8−ジアミノ−1,3−ジメ
チルオクタン1,8−ジアミノ−1,4−ジアミノオク
タン、1,8−ジアミノ−2,4−ジメチルオクタン、
1,8−ジアミノ−3,4−ジメチルオクタン、1,8
−ジアミノ−4,5−ジメチルオクタン、1,8−ジア
ミノ−2,2−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−
3,3−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,4
−ジメチルオクタン、1,6−ジアミノ−2,4−ジエ
チルヘキサン、1,9−ジアミノ−5−メチルノナン、
1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノド
デカンなどを例示することができる。これらのアルキレ
ンジアミン成分のうちでは、1,6−ジアミノヘキサ
ン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデ
カン、1,12−ジアミノドデカンまたはこれらの混合
物であることが好ましい。
【0015】また、炭素数4〜18の脂肪族アルキレン
ジカルボン酸成分単位の具体例としては、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸
が好ましい。
【0016】またラクタムとしてはε−カプロラクタ
ム、ξ−エナントラクタム、η−カプリルラクタム、ω
−ラウロラタムなどが使用できる。
【0017】本発明のポリアミドの製造法は特に限定さ
れないが、原料またはジアミンとジカルボン酸との塩の
水溶液を撹拌下、水蒸気圧20kg/cm2 以下、15
0〜320℃で加熱し、ηr=1.1〜1.6の低次縮
合物を作り、これを、さらに融点以下の温度で固相重合
する方法あるいはベント口付単軸スクリュ−または二軸
スクリュ−押出機を使用し高重合度化する方法などが簡
便で適している。本発明によれば、溶融押出し工程で良
好な高重合度化ペレットを得るにはリン系触媒の存在が
効果的であり、添加量は低次縮合物に対して0.02〜
2重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜1.2
重量%である。リン系化合物の具体例としてはH3 PO
4 、H3 PO3 、H3 PO2 、H4 2 7 、Na H2
PO4 2 2 O、Na 2 HPO4 ・12H2 O、Na
3 PO4 ・12H2 ONa H2 PO4 ・H2 O、Na 4
2 7 ・10H2 O、Na 2 2 2 7 ・6H
2 O、Na 5 3 10、C6 5 P(OH)2 、C6
5 PO(ONa)2 、C6 5PO(OH)2 、Mn
(H2 PO2 2 、(C6 5 O)3 Pなどを挙げるこ
とができる。好ましくはH3 PO4 、H4 2 7 であ
る。リン化合物の添加方法については特に制限がなく、
低次縮合物を作るとき、あるいは低次縮合物に予めブレ
ンドし溶融押出しする方法などが簡便で適している。
【0018】本発明のポリアミドの分子量としては特に
限定されないが、JIS K6810の方法による相対
粘度が1.5〜4.0の範囲のものが好ましい。
【0019】不飽和カルボン酸系化合物で変性された変
性ポリオレフィン(B)を与える不飽和カルボン酸系化
合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸
およびこれらの無水物、エステル化合物などが、例示さ
れる。そのうちマレイン酸またはマレイン酸誘導体が好
ましく、マレイン酸、メチルマレイン酸、マレイン酸金
属塩、マレイン酸水素メチル、マレイン酸ジメチル、無
水マレイン酸が例示され、さらに無水マレイン酸が好ま
しく用いられる。
【0020】変性ポリオレフィン(B)を与えるオレフ
ィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1、ヘキセン−1,4−メチルペンテン−1な
どが例示され、これら単独もしくは組み合わせて使用で
きる。
【0021】変性ポリオレフィン(B)の化学構造とし
ては、オレフィンと不飽和カルボン酸系化合物との共重
合体、ポリオレフィンへの不飽和カルボン酸系化合物の
グラフト体が例示される。前者共重合体ではランダムま
たはブロックいずれの構造でもよい。
【0022】変性ポリオレフィン(B)を製造する方法
は、特に制限なく、公知の各種方法を採用できるる。例
えば、未変性ポリオレフィンにラジカル開始剤を用いて
溶融混練りしグラフト導入する方法、未変性ポリオレフ
ィンを溶媒に溶解させラジカル開始剤を添加してグラフ
ト導入する方法、あるいは主成分の未変性ポリオレフィ
ン類と混合して共重合せしめたりすることができる。
【0023】上記のポリオレフィンのうちでは、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、エチレンにプロピレンもしく
は他のα−オレフィンを共重合させたランダムまたはブ
ロック共重合体などが好ましい。不飽和カルボン酸系化
合物の導入量は、得られる変性ポリオレフィン100重
量部に対して0.3〜5重量部、好ましくは0.5〜3
重量部の範囲内であるのが適当である。導入量が0.3
重量部未満では十分な耐衝撃性が得られない。一方、導
入量が5重量部をこえると、成形時に製品が著しく着色
して好ましくない。
【0024】(B)成分の分子量としては任意である
が、JIS7210,230℃、2.16kgf荷重で
のMFRが0.5〜25の範囲のものが好ましく用いら
れる。
【0025】本発明で用いられる(C)成分としては、
エポキシ基を有する変性ポリオレフィン(C´)が好ま
しく用いられる。エポキシ基を与える化合物としては不
飽和エポキシ化合物が使用される。
【0026】不飽和エポキシ化合物としては分子中にエ
チレン系不飽和化合物と共重合しうる不飽和基と、それ
にエポキシ基をそれぞれ有する化合物で、不飽和グリシ
ジルエステル類、不飽和グリシジルエーテル類等が挙げ
られる。具体的にはグリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、グリシジルエステル類、2−メチル
アリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジル
エーテル等が例示される。不飽和エポキシ化合物の量は
1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%が導入され
たものが望ましい。オレフィンは、変性ポリオレフィン
(B)の説明の欄で説明したものと同様のものが使用で
きる。
【0027】変性ポリオレフィン(C´)は種々の方法
でつくることができる。例えば不飽和エポキシ化合物と
オレフィンとの共重合、あるいはポリオレフィンに対し
て、不飽和エポキシ化合物を側鎖として導入するグラフ
ト共重合による方法いずれでもよい。
【0028】本発明における熱可塑性樹脂組成物におい
てポリアミド(A)は55〜85重量%であることが必
要であり、さらに60〜85重量%、さらには65〜8
0重量%の範囲が好ましい。それに応じて(B)成分と
(C)成分の和が、45〜15重量%であることが必要
であり、さらに40〜15重量%、さらには35〜20
重量%の範囲が好ましい。ポリアミド(A)が少ない場
合、耐熱性、剛性の不足、溶融粘度の上昇にともなう成
形流動性の劣化、薄肉部を有する成形品を成形するとフ
ローマークが発生するなどの傾向があり、一方耐衝撃
性、耐道路凍結防止剤性が不足する傾向がある。
【0029】(C)成分の分子量としては任意である
が、JIS7210,230℃、2.16kgf荷重で
のMFRが0.5〜25の範囲のものが好ましく用いら
れる。
【0030】また(B)成分および(C)成分の総和に
対して(B)成分が20〜80重量%であることが必要
である。これをはずれると成形品のウエルドが目立ち、
特に薄肉成形品の製造が困難となる。
【0031】(A)成分、(B)成分および(C)成分
の混合方法は、特に限定されず通常の方法を採用するこ
とができる。例えばこれらのを成分を高速撹拌機で均一
混合した後、十分な混練能力のある押出機で溶融混練す
る方法、これらの成分をドライブレンドした後、射出成
形または押出成形する方法など、いずれの方法も採用で
きる。
【0032】本発明の樹脂組成物は、射出成形、押出成
形、ブロー成形、トランスファー成形、真空成形など一
般に熱可塑性樹脂の公知の成形方法により成形される。
また、本発明の樹脂組成物にはその成形性や物性を損な
わない限りにおいて、任意の工程において他の成分、例
えば顔料、染料、耐熱剤、酸化防止剤、耐候材、滑剤、
結晶核剤などを添加導入することができる。
【0033】本発明の樹脂組成物は、その効果から、自
動車アンダーフード部品、コネクター、厚さ0.5mm
以下のヒンジ部を有する成形品に最適である。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これを
限定されるものではない。
【0035】なお実施例および比較例に記した成形品お
よび対応する試験片の物性は次の方法で測定評価した。 (1)ポリアミドの相対粘度 :JIS K6810 (2)熱変形温度 :ASTM D648 (荷重4.6kgf/cm2 (約0.45MPa)) (3)曲げ特性 :ASTM D790 (4)Izod衝撃強度:ASTM D256 (5)融点(Tm) DSC(PERKIN−ELMER7型)を用い、サン
プル8〜10mgを昇温速度20℃/minで測定して
得られた融解曲線の最大値を示す温度を(T)とする。
サンプルを8〜10mgを昇温速度20℃/minで加
熱しT+20℃で5分間保持し、次に20℃/minの
降温速度で30℃まで冷却し、30℃で5分間保持した
後、再び20℃/minの昇温速度でT+20℃まで加
熱する。この時の融解曲線の最大値を融点(Tm)とし
た。 (6)成形品外観 図1のピンゲートタイプのコネクタを成形し、成形品の
肌荒れ、フローマーク発生状況について目視で観察し
た。 ○:表面が平滑でフローマークもなくウエルドの存在が
見られない。 ×:フローマークが発生または、さらにウエルドの存在
が見られる。 (7)ヒンジ屈曲耐性 図2のように本体部分を連結し、本体部分より肉薄の連
結ヒンジをもつ成形品を成形した。成形品の連結ヒンジ
部分の幅は30mm、長さ3mm、厚み0.5mmであった。
ヒンジ部を支点に本体部の面が重なるように180°屈
曲させる処理を、1サイクルとして、ヒンジ部が折れる
までのサイクル数を測定した。 (8)耐道路凍結防止剤性 上記図1の成形品を90℃の水に24時間浸漬した後、
100℃のギヤーオーブン中に放置し、1時間毎に1回
の頻度で、50%塩化カルシウム水溶液を水滴状態で、
吹き付ける。その処理を1サイクルとして、成形品にひ
び割れが発生するまでのサイクル数を測定した。 (9)MFR JIS K7210にしたがい,230℃、2.16k
gf/cm 2 の荷重で測定した。
【0036】実施例に用いたポリアミド(A)を表1
に、変性ポリオレフィン(B)を表2に、エポキシ基を
有する重合体(C)の性質を表3に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】表1のポリアミドはヘキサメチレンアジパ
ミド構造単位(66単位)およびヘキサメチレンテレフ
タラミド構造単位(6T単位)を有するものである。
【0041】変性ポリオレフィン(B)の製造 表2に示した割合で、ポリプロピレン(PP)、ポリエ
チレン(PE)およびエチレンプロピレン共重合体(E
PM)から選ばれるポリマー、無水マレイン酸(ML
A)および過酸化物である日本油脂製パーヘキサ25B
−40(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサンの混合物を310℃に設定した30
mmφの2軸スクリューを有した押出機に供給して溶融
混練してペレットとして、無水マレイン酸で変性された
ポリオレフィンを得た。
【0042】実施例1〜6 表4に示した配合割合の材料を、撹拌機で均一に分散さ
せたものを45mmφの2軸スクリューをもつ押出機に
供給して溶融混練して、ペレットとした。ここで得られ
たペレットを80℃(18時間)で真空乾燥した後、射
出成形機により、シリンダ温度310℃、金型温度10
0℃条件でASTM試験片およびコネクタ成形品(図
1)および連結ヒンジを有する成形品(図2)を成形し
た。
【0043】得られた試験片の物性測定結果は表4のと
おりであり、剛性、耐熱性、耐衝撃性のバランスのとれ
た組成物であることが判明した。
【0044】コネクタ成形品の外観にはフローマークも
なく、ウエルドも目立たず良好であった。耐道路凍結防
止剤性は50サイクルを越えても成形品表面には全くひ
び割れの発生はなく、極めてすぐれた耐道路凍結防止性
を有するものであった。
【0045】ヒンジ屈曲耐性も10サイクルまで折れは
発生せず、ヒンジ構造を有する部品に適することが確認
できた。
【0046】
【表4】
【0047】比較例1、2 表5に示した配合割合に配合して実施例と同様の方法に
て、ペレットを得た。実施例と同様にペレットを真空乾
燥した後、コネクタを成形すると、ウェルドが目立ちコ
ネクター製品として使用できないことが判明した。ま
た、ヒンジ屈曲耐性も表5のように低サイクルで折れ
る。
【0048】
【表5】
【0049】比較例3 表5に示した配合割合に配合して実施例と同様の方法で
溶融混練し、ペレットを得た。実施例と同様にペレット
を真空乾燥した後、試験片を成形した。得られた試験片
の物性結果は表5のとおりであるが、耐熱性、剛性に劣
ることが判明した。
【0050】コネクタの外観はフローマークが発生し、
ウエルドが目立つ。ヒンジ屈曲耐性試験も1サイクルの
屈曲でヒンジが折れる。
【0051】比較例4 表5に示した配合割合に配合して実施例と同様の方法で
溶融混練し、ペレットを得た。実施例と同様にペレット
を真空乾燥した後、試験片を成形した。得られた試験片
の物性結果は表5のとおりであるが、比重が重くまた耐
衝撃性に劣ることが判明した。
【0052】比較例5〜8 表5に示した配合割合に配合して実施例と同様の方法で
溶融混練し、ペレットを得た。実施例と同様にペレット
を真空乾燥した後、コネクタを成形すると、ウェルドが
目立ちコネクター製品として使用できないことが判明し
た。また、ヒンジ屈曲耐性試験でも表5のように2ない
し3サイクルで折れ、ヒンジ構造を有するアンダーフー
ド部品としては実用に耐えれないことが判明した。
【0053】
【発明の効果】特に不飽和カルボン酸系化合物からなる
変性ポリオレフィンとエポキシ基をゆうするポリオレフ
ィンを組み合わせて芳香族ポリアミドに配合することに
よって、衝撃強度、耐熱性、耐道路凍結防止剤、成形品
の外観、ヒンジ部の屈曲耐性にすぐれた成形品を与える
樹脂組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で成形したコネクタ成形品の概略図。
(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図。
【図2】実施例で成形したヒンジ付き成形品の斜視図。
【符号の説明】
1,2:ヒンジ付き成形品の本体部 3:ヒンジ付き成形品のヒンジ部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数4〜18の脂肪族ジアミンとテレフ
    タル酸から形成される構造単位を含有するポリアミド
    (A)、不飽和カルボン酸系化合物で変性された変性ポ
    リオレフィン(B)およびエポキシ基を有する重合体
    (C)からなるポリアミド樹脂組成物であって、組成物
    に対して(A)成分が55〜85重量%、および(B)
    成分と(C)成分との和が45〜15重量%、ならびに
    (B)成分および(C)成分の総和に対して(B)成分
    が20〜80重量%であるポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ基を有する重合体(C)がエポキ
    シ基を有する変性ポリオレフィン(C´)である請求項
    1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリアミド(A)が、構造単位(I) 【化1】 および構造単位(II) 〜(III) から選ばれる少なくと
    も1種類の構造単位、 【化2】 【化3】 からなるものであるものである請求項1または2記載の
    ポリアミド樹脂組成物。(式中Rは炭素数4〜18の2
    価の脂肪族基またはm−フェニレン基、R´は炭素数4
    〜18の2価の脂肪族基、R”は炭素数5〜17の2価
    の脂肪族基である。)
  4. 【請求項4】ポリアミド(A)における構造単位(I)
    がポリアミド(A)に対して、30〜65重量%である
    請求項3記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記官能基Rが炭素数4の2価の脂肪族基
    であり、官能基R´が炭素数6の脂肪族基、官能基R”
    が炭素数5の脂肪族基である請求項3または4記載のポ
    リアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】ポリアミド(A)において、前記化学式
    (II)の構造単位が35〜70重量%である請求項4ま
    たは5記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】組成物に対して(A)成分が60〜85重
    量%、および(B)成分と(C)成分との和が40〜1
    5重量%である請求項1〜6いずれかに記載のポリアミ
    ド樹脂組成物。
  8. 【請求項8】変性ポリオレフィン(B)を変性する不飽
    和カルボン酸系化合物がマレイン酸誘導体である請求項
    1〜7いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. 【請求項9】変性ポリオレフィン(B)を変性する不飽
    和カルボン酸系化合物が無水マレイン酸である請求項1
    〜7いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  10. 【請求項10】変性ポリオレフィン(B)がオレフィン
    と不飽和カルボン酸との共重合体である請求項1〜9い
    ずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. 【請求項11】自動車アンダーフード部品用である請求
    項1〜10いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  12. 【請求項12】コネクター用である請求項1〜10いず
    れかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  13. 【請求項13】厚さ0.5mm以下のヒンジ部を有する
    成形品用である請求項1〜10いずれかに記載のポリア
    ミド樹脂組成物。
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