JPH09123770A - エンジンマウントシステム - Google Patents

エンジンマウントシステム

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Publication number
JPH09123770A
JPH09123770A JP30666195A JP30666195A JPH09123770A JP H09123770 A JPH09123770 A JP H09123770A JP 30666195 A JP30666195 A JP 30666195A JP 30666195 A JP30666195 A JP 30666195A JP H09123770 A JPH09123770 A JP H09123770A
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JP
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engine
mount
transmission
vibration
parts
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JP30666195A
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English (en)
Inventor
Shiyuuji Ooishi
修士 大石
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、エンジンの駆動時、特にアイドリ
ング時の車体振動が大きくならず、マウント部の共通化
が図れ、マウントゴムの開発・設計が容易となり、開発
工数を減少してコストを低減させるとともに、アイドリ
ング時の車体振動を大きくする不都合がなく、騒音を低
減し、しかもアイドリング時の振動・騒音を低減するた
めのエンジンダンパやダイナミックダンパ、その他の部
品が不要とすることを目的としている。 【構成】 このため、エンジンとこのエンジンに装着さ
れるトランスミッションとを車両の進行方向に対して横
置き状態に搭載させる際に車体間にマウント部を介設す
るエンジンマウントシステムにおいて、エンジンとトラ
ンスミッションとの重心を通過する慣性主軸と鉛直線と
を含む平面を形成し、マウント部を3個以上とするとと
もに全てのマウント部を少なくとも平面近傍に位置させ
る構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はエンジンマウント
システムに係り、特にエンジンの駆動時、特にアイドリ
ング時の車体振動が大きくならず、マウント部の共通化
が図れ、マウントゴムの開発・設計が容易となり、開発
工数を減少してコストを低減させるとともに、アイドリ
ング時の車体振動を大きくする不都合がなく、騒音を低
減し、しかもアイドリング時の振動・騒音を低減するた
めのエンジンダンパやダイナミックダンパ、その他の部
品が不要とするエンジンマウントシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】車両にエンジンを搭載する際には、車両
の車体のフレームとエンジン間にマウントブラケットを
介設し、マウントブラケットによってエンジンを支持し
ている。
【0003】また、エンジンを搭載させる際には、エン
ジンに装着されるトランスミッションも勘案する必要が
ある。すなわち、トランスミッションは、エンジンと同
様に大型且つ重量が大であるとともに、内部に各種回転
軸が配設されており、支持が必要である。
【0004】前記マウントブラケットには、エンジン用
とトランスミッション用との複数個に分割したものやエ
ンジン用とトランスミッション用とを一体的に形成した
もの等があり、取付スペースやその他の要因によって所
望形状のマウントブラケットが使用される。
【0005】そして、車両にエンジンが搭載されると、
エンジンからの回転力を、トランスミッションを経て車
輪に伝達させ、車両を前後方向に移動させる。
【0006】前記エンジンマウントシステムとしては、
実開昭58−182832号公報に開示されるものがあ
る。この公報に開示されるパワーユニットのマウント構
造は、クランク軸が車体横方向に延びるように配置され
たエンジンと入力軸および出力軸とが車体横方向に延び
るように配置されたトランスミッションとトランスミッ
ションの出力軸に駆動連結されるとともに車体横方向に
延びた駆動車軸に駆動連結される最終減速機とが一体的
に組合せられたパワーユニットを車体に搭載するための
ものであり、パワーユニットのロール慣性主軸を含む鉛
直な面内にほぼあって、ロール慣性主軸より車体上方に
あるパワーユニットの車体横方向の一端の部分を車体に
弾性的に取付ける第1マウンティング装置と、前記面内
にほぼあって、ロール慣性主軸より車体下方にあるパワ
ーユニットの車体横方向の他端の部分を車体に弾性的に
取付ける第2マウンティング装置と、第1マウンティン
グ装置と第2マウンティング装置とに一体的に設けられ
てパワーユニットのロール運動を規制するロールストッ
パと、を有している。
【0007】また、実開昭60−52125号公報に開
示されるものがある。この公報に開示されるエンジンマ
ウント装置は、自動車の進行方向に対し横向きに配置さ
れたエンジンを、トランスミッション側端部と反対のシ
リンダヘッド側端部の少なくとも2箇所で弾性材を介し
シャシ側に連結するものにおいて、トランスミッション
側の弾性材は複数ブロックで形成され、かつ、これら複
数個のブロックの各々はトルクロール軸上に中心点を有
する垂直円の円周上に互いに離れて配備されると共に各
ブロックを取付けるシャシ側の各取付面は垂直円と同心
の円の接戦方向に拡がる面に形成されている。
【0008】更に、実開昭63−133408号公報に
開示されるものがある。この公報に開示されるエンジン
マウント構造は、エンジンの重心をとおり慣性主軸を含
む平面A上に重心を図心とする正三角形abcを考え、
正三角形abcの一辺abを慣性主軸と平行に配置し、
正三角形abcの頂点a、b、c付近にマウントを配設
している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のエン
ジンマウントシステムにおいては、図11及び図12
(a)〜(c)に夫々示す如く、エンジン108とトラ
ンスミッション110とを3点にて支持する3点式マウ
ント構造のものがある。
【0010】この3点式マウント構造のものは、第1マ
ウント部MT1を慣性主軸114近傍且つエンジン10
8の外端側に設けている。
【0011】また、第2マウント部MT2をトランスミ
ッション110の前面側に設けるとともに、第3マウン
ト部MT3をトランスミッション110の後面側に設
け、エンジン108にトルクがかかった時のロールを防
止するために、第2、第3マウント部MT2、MT3を
慣性主軸114の前後に設けている。
【0012】そして、第1〜第3マウント部MT1、M
T2、MT3の3点にて形成される平面上に重心が位置
している。
【0013】また、4点式マウント構造のものは、図1
3及び図14(a)〜(c)に夫々示す如く、第1マウ
ント部MT1を慣性主軸214近傍且つエンジン208
の外端側に設けている。
【0014】第2マウント部MT2をトランスミッショ
ン210の前面側に設けるとともに、第3マウント部M
T3をトランスミッション210の後面側に設け、エン
ジン208にトルクがかかった時のロールを防止するた
めに、第2、第3マウント部MT2、MT3を慣性主軸
214の前後に設けている。
【0015】そして、第4マウント部MT4を慣性主軸
214近傍且つトランスミッション210の外端側に設
けている。
【0016】更に、5点式マウント構造のものは、図1
5(a)〜(c)に示す如く、第1マウント部MT1を
慣性主軸314近傍且つエンジン308の外端側に設け
ている。
【0017】第2マウント部MT2をトランスミッショ
ン310の前面側に設けるとともに、第3マウント部M
T3をトランスミッション310の後面側に設け、エン
ジン308にトルクがかかった時のロールを防止するた
めに、第2、第3マウント部MT2、MT3を慣性主軸
314の前後に設けている。
【0018】そして、第4マウント部MT4を慣性主軸
314近傍且つトランスミッション310の外端側に設
けている。
【0019】更に、第5マウント部MT5をエンジン3
08の前面に設け、エンジン308にトルクがかかった
時のロールの防止として機能させている。
【0020】例えば4点式マウント構造のものにおい
て、エンジンにトルクがかかると、図16に示す如く、
ロール中心RCを中心としてエンジンが回転するもので
ある。
【0021】このとき、第1マウント部MT1と第4マ
ウント部MTとは、略水平方向に動作し、第2マウント
部MT2と第3マウント部MT3とは、斜め上方あるい
は斜め下方に動作する。
【0022】また、1G状態においては、図17に示す
如く、各第1〜第4マウント部MT1、MT2、MT
3、MT4に上下方向の荷重がかかる。
【0023】このため、各第1〜第4マウント部MT
1、MT2、MT3、MT4の分担荷重、分担トルク、
荷重方向がまちまちとなり、各第1〜第4マウント部M
T1、MT2、MT3、MT4毎にマウント形状やゴム
の材質を変化させる必要があるとともに、マウントゴム
形状も複雑となり、部品点数が増加し、製作が困難とな
ってコストが大となり、経済的に不利であるという不都
合がある。
【0024】更に、図18(a)及び(b)に示す如
く、エンジン408のロールする動きを拘束する第2、
第3マウント部MT2、MT3は、車体404にエンジ
ンメンバ422を渡し、このエンジンメンバ422上に
マウントされることが一般的であるが、エンジンメンバ
422を設けることによってコストが大となり、経済的
に不利であるという不都合がある。
【0025】更にまた、図18(a)、(b)及び図1
9に示す如く、第2、第3マウント部MT2、MT3に
おけるマウントブラケット412、512やエンジンメ
ンバ422は、所定の剛性を有するものでないと、共振
が惹起され、この共振による騒音が発生するという不都
合がある。
【0026】また、安全性の面から考慮する。前記マウ
ントブラケット412、512やエンジンメンバ422
の剛性を向上させると、衝突時の安全性が阻害される不
都合がある。
【0027】つまり、前記マウントブラケット412、
512やエンジンメンバ422は、比較的剛性がある上
に、エンジンの前後側部位に配設されることにより、エ
ンジンの前後長が長く、衝突時には「突っ張り棒」とし
て機能し、車体フロント側における適正な衝突変形を阻
害することとなり、衝突時の安全性上は前記マウントブ
ラケットやエンジンマウントメンバがない方が好まし
く、改善が臨まれていた。
【0028】更に、前記第2、第3マウント部MT2、
MT3は、図20に示す如く、略慣性主軸614を中心
として振動することにより、第2、第3マウント部MT
2、MT3は斜め上下方向に振動する。
【0029】特に、アイドリング時に、エンジンの爆発
行程時の周波数と車体の振動固有モード(曲げモード)
の周波数が等しくなると、図21に示す如く、第2、第
3マウント部MT2、MT3から車体604に入力した
振動によって固有モードが励振され、不快な車体振動や
こもり音が発生する。このとき、固有モードの振幅の大
きくなる箇所は、図21に示す如く、車体604の腹位
置に有る。
【0030】この結果、マウントの特性を決定すること
が困難であるとともに、第2、第3マウント部MT2、
MT3等で対処しきれない場合には、ラジエータダンパ
やステアリングダンパのように、ダイナミックダンパを
付加する必要があり、コストが大となって経済的に不利
であるという不都合がある。
【0031】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、エンジンとこのエンジンに
装着されるトランスミッションとを車両の進行方向に対
して横置き状態に搭載させる際に車体間にマウント部を
介設するエンジンマウントシステムにおいて、前記エン
ジンとトランスミッションとの重心を通過する慣性主軸
と鉛直線とを含む平面を形成し、前記マウント部を3個
以上とするとともに全てのマウント部を少なくとも前記
平面近傍に位置させる構成としたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】上述の如く発明したことにより、
エンジンの駆動時には、エンジンからの振動がトランス
ミッションに伝達され、エンジン及びトランスミッショ
ンからマウント部に振動が伝達され、マウント部を平面
近傍に位置させていることにより、エンジンの駆動時、
特にアイドリング時の車体振動が大きくならず、マウン
ト部の共通化が図れ、マウントゴムの開発・設計が容易
となり、開発工数を減少してコストを低減させるととも
に、アイドリング時の車体振動を大きくする不都合がな
く、騒音を低減し、しかもアイドリング時の振動・騒音
を低減するためのエンジンダンパやダイナミックダン
パ、その他の部品が不要としている。
【0033】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。
【0034】図1〜図9はこの発明の実施例を示すもの
である。図8及び図9において、2は車両、4は車体、
6はサイドメンバ、8はエンジン、10はトランスミッ
ションである。
【0035】前記車両2の前部にエンジン8とこのエン
ジン8に装着されるトランスミッション10とを車両2
の進行方向に対して横置き状態に搭載させる際には、エ
ンジン8とトランスミッション10とを包囲するマウン
ト部MTにおいてマウントブラケット12を使用して支
持している。
【0036】また、図1に示す如く、前記エンジン8と
トランスミッション10との重心Gを通過する慣性主軸
14と図示しない鉛直線とを含む平面16を形成し、前
記マウント部MTを3個以上とするとともに、全てのマ
ウント部MTを少なくとも前記平面16近傍に位置させ
る構成とする。
【0037】詳述すれば、前記マウント部MTは、前記
エンジン8の外端近傍且つ前記慣性主軸14の上下位置
に位置する第1、第2マウント部MT1、MT2と、ト
ランスミッション10の外端近傍且つ前記慣性主軸14
の上方位置に位置する第3マウント部MT3との少なく
とも3個を有している。
【0038】そして、この実施例においては、4個の第
1〜第4マウント部MT1、MT2、MT3、MT4を
有する4点式マウント構造とする。つまり、第4マウン
ト部MT4を、図1に示す如く、トランスミッション1
0の外端近傍且つ前記慣性主軸14の下方位置に位置さ
せる。
【0039】このため、図1及び図2(a)〜(c)に
示す如く、第1マウント部MT1は、前記エンジン8の
外端側面の上部に位置し、第2マウント部MT2は、エ
ンジン8の外端側面の下部に位置する。
【0040】また、第3マウント部MT3は、前記トラ
ンスミッション10の外端側面の上部に位置し、第4マ
ウント部MT4は、トランスミッション10の外端側面
の下部に位置する。
【0041】次に作用について説明する。
【0042】前記エンジン8の駆動時には、エンジン8
からの振動がトランスミッション10に伝達され、エン
ジン8及びトランスミッション10からマウントブラケ
ット12に振動が伝達される。
【0043】このとき、第1〜第4マウント部MT1、
MT2、MT3、MT4を平面16近傍に位置させてい
ることにより、エンジン8の駆動時、特にアイドリング
時の車体振動が大きくならない。
【0044】これにより、第1〜第4マウント部MT
1、MT2、MT3、MT4の共通化が図れ、マウント
ゴムの開発・設計が容易となり、開発工数を減少し得
て、コストを低減させることができ、経済的に有利であ
る。
【0045】また、アイドリング時の車体振動を大きく
する不都合がないことにより、騒音を低減し得るととも
に、アイドリング時の振動・騒音を低減するためのエン
ジンダンパやダイナミックダンパ、その他の部品が不要
となり、部品点数を削減し得て、コストを低廉とし得
る。
【0046】更に、第1〜第4マウント部MT1、MT
2、MT3、MT4によるエンジンの動きを拘束する能
力が、従来のものと同様であることにより、実用上有利
である。
【0047】更にまた、衝突時に車体適正に変形させる
ことができることにより、安全性の向上に寄与し得る。
【0048】また、前記マウント部MTを、前記エンジ
ン8の外端近傍且つ前記慣性主軸14の上下位置に位置
する第1、第2マウント部MT1、MT2と、トランス
ミッション10の外端近傍且つ前記慣性主軸14の上方
位置に位置する第3マウント部MT3との少なくとも3
個により構成したことにより、エンジン8を第1、第2
マウント部MT1、MT2にて支持するとともに、トラ
ンスミッション10を第3マウント部MT3にて支持
し、エンジンの動きを確実に拘束することができるもの
である。
【0049】次に、各第1〜第4マウント部MT1、M
T2、MT3、MT4にかかる力や振動について記載す
る。
【0050】図3(a)には1G状態における各第1〜
第4マウント部MT1、MT2、MT3、MT4にかか
る力が示されており、フロントエンジン・フロントドラ
イブ(FF)車においては、重力によってエンジン8の
重量が各第1〜第4マウント部MT1、MT2、MT
3、MT4に分担されて、下方向にかかる。
【0051】図3(b)には、加速時にエンジン出力に
より図示しないタイヤが回転しようとする反力を受け、
ロール中心RCを中心として回転する様子を示してお
り、このときの各第1〜第4マウント部MT1、MT
2、MT3、MT4の変位の軌跡は、各第1〜第4マウ
ント部MT1、MT2、MT3、MT4がロール中心R
Cの上下部位にあるため、ロール中心RCの上部位にあ
る第1、第3マウント部MT1、MT3は後方に移動
し、そしてロール中心RCの下部位にある第2、第4マ
ウント部MT2、MT4は前方に移動する。また減速時
には加速時と逆方向に移動する。
【0052】図3(c)には、エンジン8が各気筒の爆
発行程によって生ずるトルク変動により発生する振動の
動きを示している。この場合の振動は、慣性主軸近傍を
振動回転中心SRCとして回転するので、振動回転中心
SRCよりも上部にある第1、第3マウント部MT1、
MT3は前後に振動し、そして振動回転中心SRCより
も下部にある第2、第4マウント部MT2、MT4は、
上部の第1、第3マウント部MT1、MT3とは逆相と
なって前後に振動する。
【0053】このことから、エンジンの分担重量のかか
る方向と、エンジンの動き、振動による方向が別々であ
ることが理解できる。
【0054】このため、エンジンマウントを設計する上
で、上下方向は1G荷重のみを考え、ゴムのバネ定数、
マウント形状(特に上下方向のマウントストッパ形状)
を考えられば良く、また前後方向はエンジンロール時に
かかる荷重を考え、ゴムのバネ定数、マウント形状(特
に前後方向のマウントストッパ形状)を考えれば良いこ
ととなり、設計の容易化が図れる。
【0055】また、設計の容易化が図れるばかりでな
く、各第1〜第4マウント部MT1、MT2、MT3、
MT4にかかる力を精度良く予測できるので、最終的な
形状に至るまでの設計変更が少なくて済み、開発工数を
減少させることができる。
【0056】更に、各第1〜第4マウント部MT1、M
T2、MT3、MT4にかかる荷重方向または変位方向
が略同じ(図6及び図7参照)と言うことは、各第1〜
第4マウント部MT1、MT2、MT3、MT4のエン
ジンマウント形状を略同様の形状とすることができると
ともに、同一のゴム質とすることができる。このため、
例えば図4及び図5に示す如く、エンジンマウント18
及びマウントストッパ20を形成すれば良く、部品点数
を削減でき、コストの低減に寄与し得る。
【0057】上述した通り、アイドリング時の振動騒音
で問題となる車体振動は、車両の前端の変位が大きくな
る振動モードであり、従来のマウントのように、エンジ
ンの前面及び後面にマウント部があると、アイドリング
時にエンジンの振動が車体に入力すると、車振振動が悪
化するが、エンジンの前面及び後面にマウント部を配設
しないことにより、アイドリング時の車体振動を大きく
することがない。
【0058】よって、従来車体の制振に必要であったラ
ジエータダンパやステアリングダンパ等のアイドリング
時の振動騒音を低減する目的のダイナミックダンパが不
要となり、部品点数を削減し得て、コストを低減でき、
経済的に有利である。
【0059】また、前記エンジン8、トランスミッショ
ン10の前後面における中央部位にマウント部を配設し
ていないことにより、エンジンメンバ等の構造物が不要
となり、コストの低減に寄与し得るとともに、衝突時に
おいてマウントブラケット12やエンジンメンバが車体
の適正な変形を阻害することがなく、安全性も向上し得
る。
【0060】すなわち、図8及び図9に示す如く、サイ
ドメンバ6のエンジン8、トランスミッション10を搭
載する箇所は、衝突時に変形が少なく、且つ衝撃を吸収
しない部分であり、この部分に各第1〜第4マウント部
MT1、MT2、MT3、MT4を集中させ、エンジン
8の前後のサイドメンバ6のクラッシャブルゾーンを確
保し、車体4の理想的な変形を実現させ、安全性を向上
させるとともに、安全設計を容易とするものである。
【0061】なお、この発明は上述実施例に限定される
ものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0062】例えば、この発明の実施例において、4個
の第1〜第4マウント部MT1、MT2、MT3、MT
4を有する4点式マウント構造とし、第1マウント部M
T1を前記エンジン8の外端側面の上部に位置させ、第
2マウント部MT2をエンジン8の外端側面の下部に位
置させ、第3マウント部MT3を前記トランスミッショ
ン10の外端側面の上部に位置させるとともに、第4マ
ウント部MT4をトランスミッション10の外端側面の
下部に位置させる構成としたが、図10に示す如く、第
1マウント部MT1を前記エンジン8の外端側面の上部
に位置させるとともに、第2マウント部MT2をエンジ
ン8の外端側面の下部に位置させ、第3マウント部MT
3を前記トランスミッション10の外端側面の上部に位
置させた3点式マウント構造とすることもできる。
【0063】
【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、エンジンとこのエンジンに装着されるトランスミッ
ションとを車両の進行方向に対して横置き状態に搭載さ
せる際に車体間にマウント部を介設するエンジンマウン
トシステムにおいて、エンジンとトランスミッションと
の重心を通過する慣性主軸と鉛直線とを含む平面を形成
し、マウント部を3個以上とするとともに全てのマウン
ト部を少なくとも平面近傍に位置させる構成としたの
で、マウント部の共通化が図れ、マウントゴムの開発・
設計が容易となり、開発工数を減少し得て、コストを低
減させることができ、経済的に有利である。また、アイ
ドリング時の車体振動を大きくする不都合がないことに
より、騒音を低減し得るとともに、アイドリング時の振
動・騒音を低減するためのエンジンダンパやダイナミッ
クダンパ、その他の部品が不要となり、部品点数を削減
し得て、コストを低廉とし得る。更に、マウント部によ
るエンジンの動きを拘束する能力が、従来のものと同様
であることにより、実用上有利である。更にまた、衝突
時に車体適正に変形させることができることにより、安
全性の向上に寄与し得る。
【0064】また、前記マウント部を、前記エンジンの
外端近傍且つ前記慣性主軸の上下位置に位置する第1、
第2マウント部と、トランスミッションの外端近傍且つ
前記慣性主軸の上方位置に位置する第3マウント部との
少なくとも3個により構成すれば、エンジンを第1、第
2マウント部にて支持するとともに、トランスミッショ
ンを第3マウント部にて支持でき、エンジンの動きを確
実に拘束することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すエンジンとトランスミ
ッションとの概略斜視図である。
【図2】エンジンとトランスミッションとを示し、
(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図で
ある。
【図3】マウント部にかかる力や振動を示し、(a)は
1G状態においてマウント部にかかる力を示す図、
(b)は加速時にマウント部にかかる力を示す図、
(c)はエンジンのトルク変動によって発生する振動を
示す図である。
【図4】エンジンマウントとマウントストッパとの正面
図である。
【図5】エンジンマウントとマウントストッパとの取付
時の説明図である。
【図6】上下方向の荷重と変位との関係を示す図であ
る。
【図7】前後方向の荷重と変位との関係を示す図であ
る。
【図8】車両のフロント部分にエンジンとトランスミッ
ションとを搭載した際の概略平面図である。
【図9】車両のフロント部分にエンジンとトランスミッ
ションとを搭載した際の概略正面図である。
【図10】この発明の他の実施例を示す3点式マウント
構造のエンジンとトランスミッションとの概略斜視図で
ある。
【図11】この発明の第1の従来技術を示す3点式マウ
ント構造のエンジンとトランスミッションとの概略斜視
図である。
【図12】エンジンとトランスミッションとを示し、
(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図で
ある。
【図13】この発明の第2の従来技術を示す4点式マウ
ント構造のエンジンとトランスミッションとの概略斜視
図である。
【図14】エンジンとトランスミッションとを示し、
(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図で
ある。
【図15】この発明の第3の従来技術の5点式マウント
構造を示し、(a)はエンジンとトランスミッションと
の概略斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図であ
る。
【図16】4点式マウント構造におけるエンジンの回転
状態を示す図である。
【図17】4点式マウント構造における1G状態の荷重
を示す図である。
【図18】4点式マウント構造を示し、(a)はエンジ
ンとトランスミッションとの搭載時の概略平面図、
(b)は概略右側面図である。
【図19】3点式マウント構造におけるエンジンとトラ
ンスミッションとの搭載時の概略平面図である。
【図20】エンジンの振動状態を示す図である。
【図21】アイドリング時の振動状態を示す図である。
【符号の説明】
2 車両 4 車体 6 サイドメンバ 8 エンジン 10 トランスミッション 12 マウントブラケット 14 慣性主軸 16 平面 MT マウント部 MT1 第1マウント部 MT2 第2マウント部 MT3 第3マウント部 MT4 第4マウント部 G 重心

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンとこのエンジンに装着されるト
    ランスミッションとを車両の進行方向に対して横置き状
    態に搭載させる際に車体間にマウント部を介設するエン
    ジンマウントシステムにおいて、前記エンジンとトラン
    スミッションとの重心を通過する慣性主軸と鉛直線とを
    含む平面を形成し、前記マウント部を3個以上とすると
    ともに全てのマウント部を少なくとも前記平面近傍に位
    置させる構成としたことを特徴とするエンジンマウント
    システム。
  2. 【請求項2】 前記マウント部は、前記エンジンの外端
    近傍且つ前記慣性主軸の上下位置に位置する第1、第2
    マウント部と、トランスミッションの外端近傍且つ前記
    慣性主軸の上方位置に位置する第3マウント部との少な
    くとも3個を有するマウント部である特許請求の範囲の
    請求項1に記載のエンジンマウントシステム。
JP30666195A 1995-10-31 1995-10-31 エンジンマウントシステム Pending JPH09123770A (ja)

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