JPH09123625A - 熱転写記録用シート - Google Patents

熱転写記録用シート

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Publication number
JPH09123625A
JPH09123625A JP7288462A JP28846295A JPH09123625A JP H09123625 A JPH09123625 A JP H09123625A JP 7288462 A JP7288462 A JP 7288462A JP 28846295 A JP28846295 A JP 28846295A JP H09123625 A JPH09123625 A JP H09123625A
Authority
JP
Japan
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silicone oil
modified silicone
thermal transfer
transfer recording
heat
Prior art date
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Pending
Application number
JP7288462A
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English (en)
Inventor
Toshinori Torii
寿紀 鳥居
Toshimitsu Nakai
敏光 中井
Takashi Morishima
高志 森嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非印加時および印加時の摩擦力が小さく、し
かも非印加時と印加時の摩擦力の差が少なく、走行性に
優れ、さらに塗布液の保存安定性および耐熱滑性層の表
面における粒子の分散性に優れた熱転写記録用シートを
得る。 【解決手段】 ベースフィルムの一方の面に耐熱滑性層
を設け、ベースフィルムの他方の面に色材層を設けた熱
転写記録用シートにおいて、該耐熱滑性層中にアミノ変
性シリコーンオイルおよびカルボキシル変性シリコーン
オイルと結着性高分子化合物とを含有し、かつ変性基1
モルに対する変性シリコーンオイルの重量で定義される
変性シリコーンオイルの変性当量は、該アミノ変性シリ
コーンオイルが4,000〜10,000gであり、該
カルボキシル変性シリコーンオイルが1,500g以上
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録用シートに関
し、特にプリンタ、ファクシミリ、複写機等のOA端末
機におけるカラー記録やテレビ画像のカラー記録用等に
有利に使用できる熱転写記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】カラー記録には、電子写真、インクジェ
ット、感熱転写記録などの種々の方式が検討されている
が、感熱転写記録方式は装置の保守性、操作の容易性な
どの点において、他の方式に比べて有利である。感熱転
写記録方式では、一般に色材を含むインキを塗布した熱
転写記録用シートの色材層に受像体を重ね合わせ、熱転
写記録用シートの背面をサーマルヘッドで加熱して、熱
転写記録用シートの色材を受像体に転写させることによ
り記録が行われる。かかる方式には、熱溶融性インキを
用いる溶融型熱転写記録方式と、昇華性色素を含むイン
キを用いる昇華型熱転写記録方式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の感熱転写記録
方式では、熱転写記録用シートがサーマルヘッドで高温
に加熱されるため、熱転写記録用シートのベースフィル
ムの耐熱性が不十分な場合には、ベースフィルムがサー
マルヘッドに融着し、この融着によりヘッドの走行が不
良となるスティッキング現象が発生する。さらには、こ
のためにシートにシワや切れの現象を引き起こし正常な
記録が不可能となる。このため従来、ベースフィルムの
耐熱性を改良するために各種の耐熱性樹脂の保護膜を設
けることが提案され(特開昭55−7467号、特開昭
57−74195号各公報)、また走行性を更に改善
し、サーマルヘッドとの摩擦係数を下げるために上記の
保護層に耐熱性の微粒子、滑剤、界面活性剤などを添加
することも提案されている(特開昭55−146790
号、特開昭56−155794号および特開昭57−1
29789号各公報等参照)。
【0004】しかし、近年の感熱転写記録方法の高速化
に伴って、従来より更に高いエネルギーをサーマルヘッ
ドに加えるため熱転写シートに大きな負担がかかり、こ
れら公知文献に記載された方法では充分なサーマルヘッ
ドの走行性を得ることが困難となっている。サーマルヘ
ッドに電圧を印加しない非加熱時の摩擦係数は、耐熱滑
性層に加えた滑剤の効果が現れにくいため大きくなり易
く、走行性に影響がでやすい。一方、サーマルヘッドに
電圧を印加する加熱印画時の摩擦係数も、熱によって耐
熱滑性層が軟化することにより、先に述べたようなステ
ィッキング現象が発生しやすくなるため、大きくなり易
い。従って、常に摩擦係数を小さく維持できる耐熱滑性
層が必要である。
【0005】また、熱転写記録用シートの走行において
は、熱転写用シート背面とサーマルヘッドとの間の摩擦
係数が、加熱時、非加熱時を問わず、また加熱の程度に
係わらず、一定に保たれることが望まれる。つまり、1
画面の中にも濃度の濃い所と薄い所があるから、サーマ
ルヘッドに印加されるエネルギーもそれに伴って部分部
分で異なることになる。ここで、摩擦係数が加熱程度で
大きく変動すると、カラーシートに加わる張力が1画面
中で場所によって変動することになる。即ち、ある部分
は大きな張力でカラーシートが引っ張られ、一方別のあ
る部分ではほとんど張力がかからない状況が生ずる。こ
のような状況下ではカラーシートやそれと共に搬送され
る受像紙の走行が横方向にずれたり、受像紙が徐々に斜
めに搬送されたりする結果となり、精細な画像を得るこ
とが困難となる。
【0006】以上述べた理由から、加熱時と非加熱時に
おける摩擦係数が小さく、かつ変動が小さい耐熱滑性層
を持つ熱転写記録用シートが要求されている。また、通
常、熱転写記録用シートは、プラスチック性の筒状のボ
ビン等に巻かれて保管されており、耐熱滑性層は色材を
含む色材層と接触している。また、熱転写記録用シート
は保管場所やその環境によっては保存時の温度が高くな
ることが考えられる。このとき、熱により、耐熱滑性層
と色材を含む色材層とが融着すれば、受像体に画像を形
成する際に保存時の融着跡が現れる等の問題を生じて、
精細な画像を得ることが困難になる。
【0007】この問題を解決するために、高温保存時に
おいても、ボビンに巻かれている熱転写用記録シートの
耐熱滑性層と色材を含む色材層との融着が無く、画像形
成が問題なくできることが要求される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく鋭意検討の結果、耐熱滑性層に最適な範
囲の変性当量を有するアミノ変性シリコーンオイル及び
カルボキシ変性シリコーンオイルを選択することによっ
て、サーマルヘッドにおける加熱時などに発生しやすか
ったシートのシワによる画像上の欠陥の発生を低減する
ことができ、サーマルヘッドが熱転写記録シートの耐熱
滑性層と摺動するときに生じる摩擦力が低減でき、かつ
特に保存安定性に優れた熱転写記録シートを得られるこ
とを見い出した。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、ベースフィル
ムの一方の面に耐熱滑性層を設け、ベースフィルムの他
方の面に色材層を設けた熱転写記録用シートにおいて、
該耐熱滑性層中にアミノ変性シリコーンオイルおよびカ
ルボキシル変性シリコーンオイルと結着性高分子化合物
とを含有し、かつ変性基1モルに対する変性シリコーン
オイルの重量で定義される変性シリコーンオイルの変性
当量は、該アミノ変性シリコーンオイルが4,000〜
10,000gであり、該カルボキシル変性シリコーン
オイルが1,500g以上であることを特徴とする熱転
写記録用シートに関するものである。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるアミノ変性およびカルボキシル変性のシリコ
ーンオイルは、その変性当量を除けば特に制限はない
が、例えば下記一般式(1)の構造を有する化合物が使
用できる。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Rはアミノ変性シリコーンオイル
の場合はそれぞれ独立してアルキル基、フェニル基、ア
ルコキシ基、アミノアルキル基またはアミノアルキルア
ミノアルキル基を表すが、少なくとも1つはアミノアル
キル基またはアミノアルキルアミノアルキル基を表し、
カルボキシル変性シリコーンオイルの場合はそれぞれ独
立してアルキル基、フェニル基またはカルボキシルアル
キル基を表すが、少なくとも1つはカルボキシルアルキ
ル基を表し、nは整数を表す。)
【0013】該変性シリコーンオイルは、通常は、例え
ば伊藤邦雄編“シリコーンハンドブック”(日刊工業新
聞社、1990年発行)の第163頁以降に詳しく記載
されている方法にて合成される。主原料としては、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラ
フェニルシクロテトラシロキサンまたはオクタフェニル
シクロテトラシロキサンなどが好ましく、これら主原料
と変性基(アミノアルキル基、アミノアルキルアミノア
ルキル基、またはカルボキシルアルキル基)を有するシ
リコーンオイルとの反応により合成される。
【0014】本発明ではアミノ変性シリコーンオイルと
カルボキシル変性シリコーンオイルとの両方が耐熱滑性
層に含有されていることが必要である。アミノ変性シリ
コーンオイルとカルボキシル変性シリコーンオイルとは
ともに極性基を含有しているので、本発明において好適
に用いられる(メタ)アクリル系高分子化合物に含有さ
れる極性部分であるエステル結合部分に対して、これら
の変性シリコーンオイルは親和性を有し弱く結合してお
り、かつこれらの変性シリコーンオイルは相互に弱くイ
オン結合をしていると考えられる。このようにこれらの
変性シリコーンオイルはイオン結合した状態にあるた
め、耐熱滑性層内における保持性が適度に高まり、かつ
滑性を示す役割を果たしている。従って耐熱滑性層に含
有されるシリコーンオイルはアミノ基やカルボキシル基
などの極性基を有することが必要であり、さらに変性シ
リコーンオイル相互のイオン結合が十分に機能する量関
係で添加することも重要である。
【0015】一方、変性シリコーンオイル分子中の極性
基が一定の範囲を越えると、潤滑性を発揮する部分であ
るアルキル基やフェニル基など側鎖を有する非極性オル
ガノシロキシル基(モノマーユニット)の含有量が低く
なり潤滑性が低下する。また、このように変性当量が少
ない、すなわち1分子中に多くの極性基を有する変性シ
リコーンオイルは、塗布液の極性を高め、バインダーの
相溶性を低下させたり、極性の低い有機粒子や非極性表
面処理を施した無機粒子を凝集させる傾向を示すため、
塗布液の保存安定性および塗布表面上の粒子の分散を大
きく低下させる。従って、耐熱滑性層に含有される変性
シリコーンオイルは適度に変性されていることが必要で
ある。
【0016】一般に、変性シリコーンの変性の度合を示
す単位として、変性当量が知られており、これは、変性
シリコーンオイルの変性基1モルに対する変性シリコー
ンの重量として定義されている。本発明において用いら
れるアミノ変性シリコーンオイルは、アミノ基1モルに
対するアミノ変性シリコーンオイルの重量で表わされる
変性当量が4,000〜10,000gであり、カルボ
キシル変性シリコーンオイルは、カルボキシル基1モル
に対するカルボキシ変性シリコーンオイルの重量で表わ
される変性当量が1,500g以上であることが必要で
ある。
【0017】本発明に使用される耐熱滑性層には、シリ
コーンオイルや粒子を保持するためのバインダーとして
結着性高分子化合物が、単数もしくは複数含まれるが、
その高分子化合物として、アルキルアルコールのアクリ
ル酸エステル及び/またはアルキルアルコールのメタク
リル酸エステルを構成成分として含む高分子化合物が含
まれていることが好ましい。より好ましくは、炭素数6
以上20以下の、さらに好ましくは、炭素数6以上10
以下のアルキルアルコールのアクリル酸エステルおよび
/またはアルキルアルコールのメタクリル酸エステルを
構成成分として含む高分子化合物が含まれていることが
好ましい。
【0018】炭素数6以上10以下のアルキルアルコー
ルのアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル
としては、特に限定はないが、例えばヘキサノール、ヘ
プタノール、オクタノール、デカノール、ジメチルブタ
ノール、エチルブタノール、メチルペンタノール、ジメ
チルペンタノール、エチルペンタノール、メチルヘキサ
ノール、エチルヘキサノール、メチルヘプタノール、シ
クロヘキシルエタノール、ジメチルヘプタノール、エチ
ルジメチルペンタノール、トリメチルヘキサノール、シ
クロヘキシルプロパノール、ジメチルオクタノール、シ
クロヘキサノールなどのアルコールとアクリル酸、また
はメタクリル酸とのエステル類を挙げることができる。
【0019】これらを構成成分として含む高分子は、こ
れらアクリル酸、メタクリル酸の一種またはそれ以上に
よる重合体であるか、またはこれらアクリル酸、メタク
リル酸の一種またはそれ以上と他の構成成分との共重合
体が一般的である。前記の他の構成成分とは、重合体の
物性を調節するのに用いるものであり、特に限定はされ
ないが、例えば、メチルメタクリレート、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソ
プロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、
ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチ
ルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ter−
ブチルアクリレート、ter−ブチルメタクリレートな
どの炭素数5以下のアクリル酸エステル類またはメタク
リル酸エステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、塩化エチレン等のビニル化合物などを挙げるこ
とができる。中でもメチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレートが用いられることが多い。
【0020】前記高分子化合物の合成法は常法でよく、
例えば所定量で混合した構成成分を、常法に従って溶液
中でのラジカル重合法を用いることで得ることが出来
る。このようにして得られる高分子化合物中の炭素数6
以上10以下のアルキルアルコールのアクリル酸エステ
ルもしくはメタクリル酸エステルの構成比率は、0.5
〜100重量%であり、好ましくは、1〜20重量%で
ある。
【0021】また、本発明の耐熱滑性層には、アルキル
アルコールのアクリル酸エステル及び/またはアルキル
アルコールのメタクリル酸エステルを構成成分として含
む高分子化合物の他の高分子化合物を添加してもよい。
該高分子化合物としては、特に限定はされないが、例え
ばガラス転移温度が50℃以上の通常の熱可塑性樹脂が
好適に用いられ、具体的にはポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル共重合体、スチ
レン/アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート、
ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセ
タール、ポリウレタンなどが好適に用いられる。高分子
化合物のガラス転移温度が低すぎる場合には、熱転写記
録用シートを比較的高温で保存した際に、巻き重ねられ
た色材層側からの色素の転移が生じたり、色材層と耐熱
滑性層がブロッキングを起こすことがある。
【0022】さらに、本発明の耐熱滑性層中には、上記
成分の他に、必要に応じて有機または無機の非昇華性粒
子、分散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡
剤、酸化防止剤、粘度調節剤、pH調整剤、潤滑剤など
の添加剤を、必要に応じて適宜添加してもよい。粒子の
耐熱滑性層に対する添加は、表面の粗度を上げて摩擦係
数を下げたり、ヘッドに対するクリーニング性を高めた
りする目的で行われる。そのため、粒径のそろった球状
の粒子や軟質の粒子を添加することで摩耗の程度を軽減
する工夫や、微少な粒子で表面の粗度をコントロールす
る工夫が行われている。粒径のそろった球状の粒子や軟
質の粒子の直径としては、通常は数百nmから3μm程
度、より好ましくは粒径0.5〜2μm程度の架橋シリ
コーン粒子が用いられ、微小な粒子の大きさは通常数十
nm程度までのものが好適であり、特に材質に関しては
バインダーとの親和性を良くするために表面を非極性処
理したシリカゲルがより好適に用いられる。
【0023】前述のように耐熱滑性層中に粒子を添加す
る場合に、塗布液中の溶液部分と粒子との親和性が低い
と粒子どうしが凝集し沈降する現象を誘起し、耐熱滑性
層の表面では粒子が凝集した形状となり、この凝集体が
印画時に画像上に凹凸を形成するため画質が低下する。
従って、耐熱滑性層表面で粒子は凝集せずに一つ一つ単
独に分布していることが必要であると同時に、塗布溶液
中で粒子の凝集および沈降が生じないことが要求され
る。
【0024】本発明の耐熱滑性層を形成するには、(メ
タ)アクリル系高分子化合物ならびにアミノ変性シリコ
ーンオイルおよびカルボキシル変性シリコーンオイル
と、ベースフィルムと耐熱滑性層との接着を向上させる
(メタ)アクリル系高分子化合物以外の高分子化合物、
そして粒子等の添加剤、溶剤を加えて混合し、耐熱滑性
層塗布液を得、これをベースフィルム上に塗工乾燥して
形成することが出来る。
【0025】耐熱滑活性層塗布液中の混合比率として
は、(メタ)アクリル系高分子化合物(A)に対するそ
れ以外の上記の高分子化合物(B)の比の値が0〜20
(重量比)が好ましく、より好ましくは0.05〜10
(重量比)である。高分子化合物(A)および高分子化
合物(B)に対するアミノ変性シリコーンオイル(C)
およびカルボキシル変性シリコーンオイル(D)の配合
比(C+D)/(A+B)は、0.01〜0.3とする
ことが一般的で、好ましくは0.05〜0.2である。
さらに、高分子化合物(A)および高分子化合物(B)
に対する粒径0.5〜2μm程度の球状の粒子や軟質の
粒子(E)および数十nm以下の大きさの微粒子(F)
の配合比(E+F)/(A+B)は、0.01〜0.3
とすることが一般的で、好ましくは0.05〜0.2で
ある。
【0026】また、全高分子物質量(A+B)の構成成
分中に炭素数6以上10以下のアルコールのアクリル酸
エステル及び/またはメタクリル酸エステルが構成成分
として占める割合は、重量比で1重量%以上で有ること
が好ましい。特に好ましくは2重量%以上である。耐熱
滑性層塗布液に用いられる溶剤としては、特に限定はさ
れないが、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系
溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル系溶剤;イソプロパノール、ブ
タノールなどのアルコール系溶剤;ジオキサン、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル系溶剤;ジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤などを
挙げることが出来る。
【0027】耐熱滑性層を形成させる際に用いる上記塗
布液の塗布方法としては、例えば原崎勇次著「コーティ
ング方式」(1979年、槇書店発行)に記載されてい
るグラビアコーター、リバースコーター、エアドクター
コーターを用いる方法などの種々の方法が挙げられる。
ベースフィルム上に形成せしめる耐熱滑性層の厚さは、
乾燥膜厚で、通常0.1〜10μm、好ましくは0.3
〜5μmである。
【0028】耐熱滑性層を熱硬化性樹脂を用いて作成す
ることも知られており、その場合には、熱硬化性樹脂と
硬化剤とを含んだ液を塗工乾燥後、硬化のために加熱処
理し、硬化皮膜の耐熱滑性層を得る。性能的には良好な
ものが得られるが、熱硬化工程が必要なので、コストが
高くなる。熱可塑性樹脂を用いる場合は、硬化工程が無
い分、コスト的に有利である。
【0029】本発明の熱転写記録用シートに用いられる
ベースフィルムとしては、特に限定はされないが、例え
ばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフ
ィルム、ポリアラミドフィルム、ポリイミドフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイ
ドフィルム、ポリスルホンフィルム、セロファン、トリ
アセテートフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙
げられるが、中でもポリエチレンテレフタレートフィル
ムは、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格などの面
から好ましく、特に2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムが好ましい。これらのベースフィルムの厚さ
は一般に1〜30μmであるが、好ましくは2〜10μ
mである。
【0030】ベースフィルム上には、耐熱滑性層との接
着性を向上させる目的で接着層を設けておいてもよい。
接着層の組成に特に制限はないが、ポリエステル系の樹
脂が望ましい。熱転写記録用シートのベースフィルム上
の耐熱滑性層とは反対面に設けられる色材層の形成方法
は、特に限定されるものではなく、例えば、昇華型感熱
転写記録用シートの場合には、昇華または熱拡散性色素
と耐熱性の良好なバインダー樹脂を、適当な溶媒に溶解
あるいは分散させてインキを調製し、このインキをベー
スフィルムに塗布、乾燥させて形成することができ、ま
た溶融型熱転写記録用シートの場合には、顔料または色
素などの色材を熱溶融性物質中に、必要に応じて溶媒を
用いて溶解あるいは分散させてインキを調製し、このイ
ンキをベースフィルムに塗布、乾燥して形成することが
できる。
【0031】昇華型熱転写記録用シートに用いられる昇
華または熱拡散性色素としては、特に制限はなくアゾ
系、アントラキノン系、スチリル系、インドアニリン
系、キノフタロン系、アゾメチン系、クマリン系、およ
び縮合多環系などの種々の非イオン性の色素が用いら
れ、またバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリアラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−スチレ
ン樹脂およびアセチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロースなどのようなセルロース系樹脂などが
用いられる。溶剤としては、トルエン、キシレンなどの
芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;イソプロパノ
ール、ブタノール、メチルセロソルブなどのアルコール
系溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル系溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ンなどのアミド系溶剤などが用いられる。
【0032】溶融型熱転写記録用に用いられる色材とし
ては、例えば顔料としてカーボンブラックのような無機
顔料;アゾ系、縮合多環系などの各種有機顔料が用いら
れ、また色素として例えば、酸性染料、塩基性染料、油
溶性染料、金属錯塩染料などが用いられる。又、熱溶融
性物質としては融点が40〜120℃の固体または半固
体物質が好ましく、パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックス、カルナバワックス、モンタンワック
ス、木ロウ、油脂系合成ワックスなどが挙げられる。溶
剤としては、前記の昇華型熱転写記録用シートの場合と
同様のものが挙げられる。
【0033】上記の色材層用インキの中には上記成分の
他に、必要に応じて有機または無機の非昇華性粒子、分
散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、酸化
防止剤、粘度調節剤、pH調整剤、潤滑剤などの添加剤
を添加してもよい。これら色材層用インキは、耐熱滑性
層と同様の塗布方法により塗設されればよく、塗布膜厚
は乾燥膜厚で0.1〜5μmが適当である。また、本発
明の熱転写記録用シートの製造においては、上記の塗布
により形成される各層とベースフィルムとの接着性を改
良するために、ベースフィルムの表面にコロナ処理を行
ったり、あるいはポリエステル系樹脂、セルロース系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン樹脂、ポリ
塩化ビニリデン系樹脂などによる下引きコート処理を行
っても良い。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本実施例はその要旨を超えない限り、本発明を
何ら限定するものではない。 実施例1 (a)熱転写記録用シートの作製 バインダーとしてメタクリル酸アルキレートの共重合体
(商品名;FR−4660、メチルメタクリレート,ブ
チルメタクリレート,および2−エチル−1−ヘキシル
メタクリレートの3元共重合体<メチルメタクリレー
ト:ブチルメタクリレート:2−エチル−1−ヘキシル
メタクリレート=92:5:3(重量比)>、三菱レイ
ヨン株式会社製)80重量部、飽和ポリエステル(商品
名;バイロン200、Tg67℃、東洋紡績株式会社
製)20重量部、アミノ変性シリコーンオイル(商品
名;KF−868、変性当量;8,800g/mol、
粘度90cSt(25℃)、信越化学工業株式会社製)
5重量部、カルボキシ変性シリコーンオイル(商品名;
X−22−162C、変性当量;2,330g/mo
l、粘度207cSt(25℃)、信越化学工業株式会
社製)8重量部、球状シリコーン樹脂(商品名;トレフ
ィルR−930、平均粒径1.52μm、東レ・ダウコ
ーニングシリコーン株式会社製)5重量部、不定形シリ
カ微粒子(商品名;アエロジルR−972、平均粒径約
16nm、日本アエロジル株式会社製)5重量部、およ
び界面活性剤(商品名;サーフィノール104、日信化
学工業社製)1重量部をトルエンと2−ブタノンとの混
合溶媒で混合し、固形分率が20重量%となる懸濁液を
調整し、これに平均粒径2mmのガラスビーズを加えペ
イントシェーカーで2時間分散して、塗布液とした。
【0035】この塗布液を二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルム(4.5μm厚)にウエット膜厚約
7.5μmに成るように塗工し、130℃で5秒間乾燥
させ耐熱滑性層を形成した。このフィルムの耐熱滑性層
の反対面に、赤色系昇華性色素(カラーインデックス、
ディスパースレッド60)4重量部、フェノキシ樹脂1
0重量部、メチルエチルケトン90重量部、イソプロパ
ノール10重量部からなるインクを塗布乾燥し、約1μ
m厚の色材層を形成し熱転写記録用シートを作成した。
【0036】(b)受像体の作製 TR−220(商品名、飽和ポリエステル樹脂、日本合
成化学工業株式会社製)10重量部、アミノ変性シリコ
ーンオイル(商品名;KF393、信越化学工業株式会
社製)0.5重量部、メチルエチルケトン15重量部、
トルエン15重量部からなる液を合成紙(商品名:ユポ
FPG150、王子油化合成紙株式会社製)にワイヤー
バーで塗布、乾燥し(乾燥膜厚約5μm)、さらにオー
ブン中で90℃で20分間熱乾燥することにより受像体
を作製した。
【0037】(c)走行トルクの測定 上記(a)で作製された熱転写記録用シートの色材層面
と、上記(b)で作製された受像体の樹脂塗布面を重
ね、記録用シートの耐熱滑性層面に6ドット/mmの発
熱抵抗体密度を有する部分グレース型ラインサーマルヘ
ッドを使用して、印圧2kgで、半径2.75cmであ
るプラテンローラーとの間にはさみ、6rpmでプラテ
ンローラーを回転させながら、サーマルヘッドに印画エ
ネルギーをまったく印加しない場合と、0.4W/ドッ
トの電力を断続的に33m秒周期で16m秒間印加して
転写記録を行い、このときのプラテンローラーに生じる
回転負荷を負荷トルク試験器(MDT2−AMP、信明
電機製)を用いて測定した。結果を表−1に示した。
【0038】(d)耐熱滑性層表面の粒子の分布状態 上記(a)で作成した熱転写記録シートの耐熱滑性層表
面を光学顕微鏡を用いて1000倍の倍率で観察した。
評価基準は以下に示す通りである。結果を表−1に示し
た。 評価基準 ○;粒子トレフィルR−930がほぼ完全に単独に分布
し、微粒子アエロジルR−972の凝集が観察されな
い。 ×;粒子トレフィルR−930と微粒子アエロジルR−
972とが20μm以上の大きな凝集体を形成し、粒子
トレフィルR−930は単独には確認されない。 ××;粒子トレフィルR−930と微粒子アエロジルR
−972とが非常に大きな凝集体を形成ている。
【0039】(e)塗布液中の粒子の分散安定性 上記(a)で作成した塗布液を1週間静置し粒子の沈降
を観察した。評価基準は以下の通りであり、結果を表−
1に示した。 評価基準 ○;塗布液中に粒子の沈降は認められない。 ×;塗布液中に粒子の沈降が確認される。
【0040】実施例2 実施例1においてアミノ変性シリコーンオイルとして用
いたKF−868の替わりにKF−865(変性当量
4,400g/mol、信越化学工業社製)を5重量部
用いて耐熱滑性層を作製した他は、実施例1と同様に試
験を行った。その結果を表−1に示す。
【0041】実施例3 実施例1においてアミノ変性シリコーンオイルとして用
いたKF−868の替わりにKF−859(変性当量
6,125g/mol、信越化学工業社製)を5重量部
用いて耐熱滑性層を作製した他は、実施例1と同様に試
験を行った。その結果を表−1に示す。
【0042】実施例4 実施例1においてアミノ変性シリコーンオイルとして用
いたKF−868の替わりにKF−860(変性当量
7,600g/mol、信越化学工業社製)を5重量部
用いて耐熱滑性層を作製した他は、実施例1と同様に試
験を行った。その結果を表−1に示す。
【0043】比較例1 実施例1においてアミノ変性シリコーンオイルとして用
いたKF−868の替わりにBY−16−850(変性
当量1,500g/mol、東レ・ダウコーニングシリ
コーン社製)を5重量部用いて耐熱滑性層を作製した他
は、実施例1と同様に試験を行った。その結果を表−1
に示す。
【0044】比較例2 実施例1においてアミノ変性シリコーンオイルとして用
いたKF−868の替わりにKF−869(変性当量
3,800g/mol、信越化学工業社製)を5重量部
用いて耐熱滑性層を作製した他は、実施例1と同様に試
験を行った。その結果を表−1に示す。
【0045】比較例3 実施例1においてアミノ変性シリコーンオイルとして用
いたKF−868の替わりにKF−8005(変性当量
11,000g/mol、信越化学工業社製)を5重量
部用いて耐熱滑性層を作製した他は、実施例1と同様に
試験を行った。その結果を表−1に示す。
【0046】比較例4 実施例1においてアミノ変性シリコーンオイルとして用
いたKF−868の替わりにPS−513(変性当量2
7,000g/mol、ユナイテッドケミカルテクノロ
ジー社製)を5重量部用いて耐熱滑性層を作製した他
は、実施例1と同様に試験を行った。その結果を表−1
に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の耐熱滑性層を有する感熱転写記
録用シートは、エネルギー非印加時および印加時の摩擦
力が小さく、しかも非印加時と印加時の摩擦力の差の少
ない走行性に優れたものであり、特に塗布液の保存安定
性および耐熱滑性層の表面における粒子の分散性に優れ
たものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムの一方の面に耐熱滑性層
    を設け、ベースフィルムの他方の面に色材層を設けた熱
    転写記録用シートにおいて、該耐熱滑性層中にアミノ変
    性シリコーンオイルおよびカルボキシル変性シリコーン
    オイルと結着性高分子化合物とを含有し、かつ変性基1
    モルに対する変性シリコーンオイルの重量で定義される
    変性シリコーンオイルの変性当量は、該アミノ変性シリ
    コーンオイルが4,000〜10,000gであり、該
    カルボキシル変性シリコーンオイルが1,500g以上
    であることを特徴とする熱転写記録用シート。
  2. 【請求項2】 該耐熱滑性層が、耐熱粒子を含有するこ
    とを特徴とする特許請求項1記載の熱転写記録用シー
    ト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11975554B2 (en) 2019-04-04 2024-05-07 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Thermal transfer sheet
US11981156B2 (en) 2018-06-29 2024-05-14 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Thermal transfer sheet

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11981156B2 (en) 2018-06-29 2024-05-14 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Thermal transfer sheet
US11975554B2 (en) 2019-04-04 2024-05-07 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Thermal transfer sheet

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