JPH09115134A - 磁気テープ - Google Patents

磁気テープ

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JPH09115134A
JPH09115134A JP29373895A JP29373895A JPH09115134A JP H09115134 A JPH09115134 A JP H09115134A JP 29373895 A JP29373895 A JP 29373895A JP 29373895 A JP29373895 A JP 29373895A JP H09115134 A JPH09115134 A JP H09115134A
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JP
Japan
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magnetic tape
average particle
particle size
carbon black
magnetic
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Withdrawn
Application number
JP29373895A
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English (en)
Inventor
Tatsuro Ishikawa
達郎 石川
Satoru Hayakawa
悟 早川
Toshio Kawamata
利夫 河俣
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体の厚み、そしてバックコート層の厚みも
比較的薄く形成した場合であっても電磁変換特性や走行
耐久性に優れ、またデータの記録、読み出しに対する信
頼性も高く、コンピュータ用として有利な磁気テープを
提供する。 【解決手段】 非磁性支持体、磁性層、そして厚みが
0.2〜0.8μmのバックコート層からなる全厚が3
〜10μmの磁気テープにおいて、そのバックコート層
が、平均粒子サイズが10〜20mμの微粒子状カーボ
ンブラックと平均粒子サイズが230〜300mμの粗
粒子状カーボンブラックを含み、更に平均粒子サイズが
30〜50mμの炭酸カルシウムと平均粒子サイズが8
0〜250mμのモース硬度5〜9の無機質粉末を含
み、かつその表面粗さRaが、0.030〜0.060
μmである磁気テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータデー
タを記録するために外部記録媒体として特に有利に用い
ることができる磁気テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ミニコンピュータ、パーソナルコ
ンピュータなどのオフィスコンピュータの普及に伴っ
て、外部記憶媒体として、コンピュータ情報を保存する
ための磁気テープ(所謂、バックアップテープ)の研究
が盛んに行われている。このような用途の磁気テープの
実用化に際しては、特にコンピュータの小型化、情報処
理能力の増大と相まって記録の大容量化、小型化を達成
するために記録容量の向上が強く要求される。また磁気
テープの使用環境の広がりによる幅広い環境条件下(特
に、変動の激しい温湿度条件下など)での使用、データ
保存に対する信頼性、更に高速での繰り返し使用による
多数回走行におけるデータの安定した記録、読み出し等
の性能に対する信頼性なども従来にまして要求される。
【0003】一般に、磁気テープは、合成樹脂などの可
撓性材料の非磁性支持体上に、磁性層が設けられた構成
である。そして上記のような大きい記録容量(体積記録
容量)を達成するためには、磁性粉末の粒子サイズを小
さくする、その分散性を向上させる、あるいは磁性層を
更に薄膜化するなどの磁性層自体の記録密度を高めると
共に、磁気テープの全厚を薄くすることが有効な方法で
あるとされている。また良好な感度(特に高周波領域で
の出力)を維持させるためには磁性層は平滑であること
が好ましいが、この平滑化による巻き乱れ、走行性の低
下を防止するために、上記支持体の磁性層とは反対の面
に通常バックコート層が設けられることが多い。そして
特に全厚を薄くした場合には、磁気テープの自己支持性
と強度も低下するため、バックコート層の付設は、繰り
返し使用に対する良好な走行耐久性を維持させるために
も必要になる。但し、上記のように磁気テープの薄手化
に伴ってバックコート層の厚さも比較的薄く設けられる
ことが必要になる。
【0004】磁気テープの全厚、そしてバックコート層
の厚さを比較的薄くした磁気テープは、例えば、特開平
6−215350号公報に開示されている。そしてこの
公報に記載されている磁気テープの具体的な例として
は、磁気テープの全厚を10μm、バックコート層の層
厚を0.5μmにした態様のもの、あるいはまた全厚を
9.5μm、バックコート層の層厚を0.5μmにした
態様のものが挙げられている。これらの態様におけるバ
ックコート層には、帯電防止と安定した走行性付与のた
めに、前者の態様では、比較的微粒子状のカーボンブラ
ックが単独で使用されており、また後者の態様では、比
較的微粒子状のカーボンブラックと比較的粗粒子状のカ
ーボンブラックの二種類のカーボンブラックが使用され
ている。
【0005】一方、バックコート層の高い表面平滑性、
ガイドピンに対する摩擦係数の低減化、そして良好な走
行安定性を得る目的で、バックコート層中に、平均粒子
径0.01〜0.08μmの微粒子状カーボンブラック
と、平均粒子径0.2〜0.5μmの粗粒子状のカーボ
ンブラックと、平均粒子径0.01〜0.045μmの
微粒子状炭酸カルシウムを含有した磁気テープが提案さ
れている(特開平2−7223号公報)。また上記バッ
クコート層には、更に無機質粉末(例えば、α−酸化鉄
など)が添加されることがあると記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、磁気テー
プの全厚が10μm以下と薄く、かつバックコート層の
層厚も0.2〜0.8μmと非常に薄く抑えた磁気テー
プのコンピュータ用の外部記録媒体としての利用につい
て検討した。その結果、前記特開平6−215350号
公報に記載の磁気テープでは、充分満足できる性能は得
られないことが判明した。例えば、磁気テープの薄型化
に伴ってテープ自体の強度が不足するためか、走行を繰
り返すうちにカーボンブラックがバックコート層から脱
落し、摩擦係数が増大して走行性が悪化したり、またバ
ックコート層自体の薄膜化のために、バックコート層の
削れによる走行性、出力等への悪影響も出易くなること
が判明した。また一般にバックコート層の表面の凹凸状
態は磁性層に転写されるため磁性層の平滑化の要求に対
応させてバックコート層の表面も平滑であることが好ま
しいが、磁気テープを薄型にした場合には、前記特開平
2−7223号公報に記載の磁気テープのようにバック
コート層の表面の平滑性を高め過ぎると反対に摩擦係数
の増大を招き易いことも判明した。
【0007】本発明の目的は、上記のように全体の厚
み、そしてバックコート層の厚みも比較的薄く形成した
場合であっても電磁変換特性や走行耐久性などの性能に
優れ、またデータの記録、読み出しに対する信頼性も高
く、特にコンピュータデータ記録用として有利に用いる
ことができる磁気テープを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究の結果、
比較的薄型にした磁気テープにおいては、該バックコー
ト層中に、特定の平均粒子サイズを持つ二種類のカーボ
ンブラックと、特定の平均粒子サイズの炭酸カルシウム
と、高硬度で特定の平均粒子サイズの無機質粉末を共存
させると共に、該バックコート層の表面粗さRaを、
0.030〜0.060μmとなるように調整すること
により、コンピュータデータ記録用に適した性能の磁気
テープが得られることを見出し、本発明に到達したもの
である。
【0009】本発明は、非磁性支持体、その一方の側に
設けられた磁性層、そして他方の側に設けられた厚み
が、0.2〜0.8μmのバックコート層からなる全厚
が3〜10μmの磁気テープにおいて、該バックコート
層が、平均粒子サイズが10〜20mμの微粒子状カー
ボンブラックと平均粒子サイズが230〜300mμの
粗粒子状カーボンブラックを含み、更に平均粒子サイズ
が30〜50mμの炭酸カルシウムと平均粒子サイズが
80〜250mμのモース硬度5〜9の無機質粉末を含
み、かつその表面粗さRa(カットオフ値0.08m
m)が、0.030〜0.060μmであることを特徴
とする磁気テープにある。
【0010】本発明は以下の態様であることが好まし
い。 (1)10〜20mμの微粒子状カーボンブラックと2
30〜300mμの粗粒子状カーボンブラックの含有比
率(重量比)が、前者:後者=98:2〜75:25
(更に好ましくは、95:5〜85:15)の範囲にあ
る。 (2)炭酸カルシウムの含有量が、カーボンブラック1
00重量部に対して35〜100重量部の範囲にある。 (3)モース硬度5〜9の無機質粉末が、α−酸化鉄又
はα−アルミナである。 (4)モース硬度が5〜9の無機質粉末の含有量が、カ
ーボンブラック100重量部に対して3〜20重量部で
ある。 (5)磁気テープがコンピュータデータ記録用である。
【0011】
【発明の実施の態様】以下に、本発明の磁気テープにつ
いて説明する。本発明の磁気テープは、非磁性支持体
と、その一方の側に設けられた磁性層、そして他方の側
に設けられたバックコート層から構成されている。そし
て磁気テープ全体の厚みを、3〜10μm(好ましく
は、3〜9μm)と比較的薄く形成すると共に、バック
コート層自体を薄膜化し、かつ特定の組成で構成するこ
と以外は、本発明の磁気テープは通常の磁気テープと同
様に構成することができる。以下に、バックコート層に
ついて詳述する。バックコート層は、平均粒子サイズの
異なる二種類のカーボンブラック、および無機質粉末と
して、炭酸カルシウム、及びモース硬度5〜9の無機質
粉末が含有されている。
【0012】バックコート層に含有されるカーボンブラ
ックは、平均粒子サイズが10〜20mμの微粒子状カ
ーボンブラックと平均粒子サイズが230〜300mμ
の粗粒子状カーボンブラックである。一般に、上記のよ
うな微粒子状のカーボンブラックの添加により、バック
コート層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率
も低く設定できる。磁気記録の装置によっては、テープ
の光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが
多くあるため、このような場合には特に微粒子状のカー
ボンブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボ
ンブラックは一般に潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用
時、摩擦係数の低減化に寄与する。一方、230〜30
0mμの粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤とし
ての機能を有しており、またバック層の表面に微小突起
を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係数の低減化に
寄与する。しかし粗粒子状カーボンブラックは、過酷な
走行系では、テープ摺動により、バックコート層からの
脱落が生じ易くなり、エラー比率の増大につながる欠点
を有している。
【0013】本発明で用いることができる微粒子状カー
ボンブラックの具体的な商品としては、以下のものを挙
げることができる。RAVEN2000B(18m
μ)、RAVEN1500B(17mμ)(以上、コロ
ンビアカーボン社製)、BP800(17mμ)(キャ
ボット社製)、PRINNTEX90(14mμ)、P
RINTEX95(15mμ)、PRINTEX85
(16mμ)、PRINTEX75(17mμ)(以
上、デグサ社製)、#3950(16mμ)(三菱化成
工業(株)製)。また粗粒子カーボンブラックの具体的
な商品の例としては、サーマルブラック(270mμ)
(カーンカルブ社製)、RAVEN MTP(275m
μ)(コロンビアカーボン社製)を挙げることができ
る。
【0014】本発明において、10〜20mμの微粒子
状カーボンブラックと230〜300mμの粗粒子状カ
ーボンブラックの含有比率(重量比)は、前者:後者=
98:2〜75:25の範囲が好ましく、更に好ましく
は、95:5〜85:15である。また、バックコート
層におけるカーボンブラック(微粒子状と粗粒子状を加
えた全量)の含有量は、後述する結合剤100重量部に
対して、通常30〜80重量部の範囲であり、好ましく
は、45〜65重量部の範囲である。
【0015】一般に、本発明のようなコンピュータデー
タ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテ
ープに比較して、繰り返し走行性が強く要求される。こ
のようなテープにおいては、炭酸カルシウムの添加は、
繰り返し走行の摩擦係数の安定化に寄与し、しかも摺動
ガイドポールを削ることもない。本発明のバックコート
層に含有される炭酸カルシウムは平均粒子サイズが30
〜50mμのものである。平均粒子サイズが50mμを
越えるものでは、テープの繰り返し摺動により、バック
コート層表面からの粒子の脱落が発生し、ドロップアウ
トの原因になる。またバックコート層の表面が粗面とな
り、巻いた状態で、テープの磁性層の表面に写り、出力
低下につながり易くなる。更にテープを巻いた状態で高
温高湿環境下に保存した場合、バックコート層と磁性層
とが接触した状態で、磁性層に含有されている潤滑剤と
の反応が生じる可能性がある。一方平均粒子サイズが3
0mμに満たない場合には、バックコート層の表面に存
在する炭酸カルシウムが少なくなり、充分な効果が達成
されなくなる。本発明において、炭酸カルシウムの含有
量は、カーボンブラック100重量部に対して10〜1
40重量部の範囲であり、好ましくは、35〜100重
量部である。
【0016】モース硬度が5〜9の無機質粉末は、テー
プの繰り返し走行による耐久性を付与し、バックコート
層を強化する目的で使用される。これらの無機質粉末を
前記のカーボンブラックや炭酸カルシウムと共に使用す
ると、そのフィラー効果により、バックコート層が繰り
返し摺動に対しても劣化が少なく強いバックコート層と
なる。また本発明で使用する無機質粉末は、モース硬度
が5〜9と比較的高いため、適度の研磨力があり、テー
プガイドポール等への付着を低減する作用もあり、特に
炭酸カルシウムと併用すると、表面の粗いガイドポール
に対して、摺動特性に対してバックコート層の摩擦係数
の安定化が図れる。しかし9を越える高いモース硬度の
無機質粉末では、ガイドポールを削ってしまい、ドロッ
プアウトの発生原因になるため好ましくない。本発明で
用いるモース硬度5〜9の無機質粉末は、その平均粒子
サイズが80〜250mμの範囲のものであり、好まし
くは、100〜210mμの範囲のものである。本発明
で使用できるモース硬度が5〜9の無機質粉末として
は、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化クロ
ム(Cr23 )を挙げることができる。これらの粉末
は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは併用して
も良い。これらのうちでは、α−酸化鉄、又はα−アル
ミナが好ましい。モース硬度が5〜9の無機質粉末の含
有量は、カーボンブラック100重量部に対して通常3
〜30重量部であり、好ましくは、3〜20重量部であ
る。
【0017】本発明に係るバックコート層は、上記各成
分が後述する結合剤中に分散されてなるものであるが、
他の任意の成分として、分散剤、潤滑剤を添加すること
が好ましい。分散剤としては、例えば、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、
リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数1
2〜18個の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数11〜1
7個のアルキル基、又はアルケニル基)、前記脂肪酸の
アルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる金属石け
ん、前記の脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合物、
前記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアルキ
ルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフ
ィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1
〜5個、オレフィンは、エチレン、プロピレンなど)、
硫酸エステル、及び銅フタロシアニン等を使用すること
ができる。これらは、単独でも組み合わせて使用しても
良い。上記の中では、オレン酸銅、銅フタロシアニン、
及び硫酸バリウムが好ましい。分散剤は、結合剤樹脂1
00重量部に対して0.5〜20重量部の範囲で添加さ
れる。
【0018】潤滑剤としては、従来から磁気テープに通
常使用されている潤滑剤から適宜選択して使用できる
が、本発明では特に炭素数18以上の脂肪酸、あるいは
脂肪酸エステルが走行性の向上の点から好ましい。潤滑
剤は、結合剤樹脂100重量部に対して通常1〜5重量
部の範囲で添加される。
【0019】本発明で使用できる結合剤としては、例え
ば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれら
の混合物を挙げることができる。熱可塑性樹脂の例とし
ては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリルニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共
重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合
体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタアク
リル酸エステル−アクリルニトリル共重合体、メタアク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタアクリ
ル酸エステル−スチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニ
ルブチラール、繊維素系樹脂(セルロースアセテートブ
チレート、セルロースダイアセテート、セルロースプロ
ピオネート、ニトロセルロースなど)、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエー
テル−アクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種
ゴム系樹脂を挙げることができる。
【0020】また熱硬化性樹脂または反応型樹脂として
は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリ
コーン樹脂、エポキシーポリアミド樹脂、ポリイソシア
ネートを挙げることができる。
【0021】バックコート層は、通常の方法に従って非
磁性支持体の磁性層が設けられている側とは反対側に設
けられる。即ち、前記の各成分を適当な有機溶媒に溶
解、分散させた塗布液を調製し、これを常法の塗布方法
に従い、塗布、乾燥することにより、非磁性支持体上に
バックコート層を設けることができる。本発明におい
て、バックコート層は、その表面粗さ(カットオフ0.
08mmの中心線平均粗さ)Raが、0.030〜0.
060μmの範囲にある。この表面粗さは、テープが巻
かれた状態でバックコート層の表面が磁性層の表面に転
写され、再生出力に影響を与えたり、ガイドポールに対
する摩擦係数に影響を与えるため、上記の範囲に調整す
ることが必要である。なお、この表面粗さRaの調整
は、通常バックコート層を塗布形成後、カレンダーによ
る表面処理工程において、用いるカレンダーロールの材
質、その表面性、圧力等の調整により行われる。本発明
において、バックコート層は、その厚みが0.2〜0.
8μmの範囲である。
【0022】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を記載し、本発明
を更に具体的に説明する。尚、以下に示す「部」は、
「重量部」を表わす。
【0023】[実施例1]厚さ6μmのポリエチレンテ
レフタレートベースの表面に強磁性金属粉末を含む磁性
層を設け(2.3μm)、その反対面に下記組成のバッ
クコート層をその厚みが、0.6μmとなるように塗布
した。乾燥した後、カレンダー処理を行い、熱処理を施
した。次いで、得られた塗布物を3.8mm幅にスリッ
トし、表面研磨処理を施した後、所定のカートリッジに
組み込んでサンプル(磁気テープ)とした。得られたサ
ンプルのバックコート層の表面粗さRaは、0.04μ
mであった。
【0024】 バックコート層形成用塗布液組成 微粒子状カーボンブラック粉末 100部 (キャボット社製、BP−800、平均粒子サイズ:17mμ) 粗粒子状カーボンブラック粉末 10部 (カーンカルブ社製、サーマルブラック、平均粒子サイズ:270mμ) 炭酸カルシウム 80部 (白石工業(株)製、白艶華O、平均粒子サイズ:40mμ) α−酸化鉄 15部 (戸田工業(株)製、TF100、平均粒子サイズ:110mμ、 モース硬度:5.5) ニトロセルロース樹脂 140部 ポリウレタン樹脂 15部 ポリイソシアネート樹脂 40部 ポリエステル樹脂 5部 分散剤:オレイン酸銅 5部 銅フタロシアニン 5部 硫酸バリウム 5部 メチルエチルケトン 2200部 酢酸ブチル 300部 トルエン 600部
【0025】[実施例2]実施例1において、微粒子状
カーボンブラック粉末を、コロンビアカーボン社製、R
AVEN2000B、平均粒子サイズ:18mμに変え
た以外は、同様にしてサンプルを作成した。
【0026】[実施例3]実施例1において、微粒子状
カーボンブラック粉末を、デグサ社製、PRINTEX
90、平均粒子サイズ:14mμに変えた以外は、同様
にしてサンプルを作成した。
【0027】[実施例4]実施例1において、粗粒子状
カーボンブラック粉末を、コロンビアカーボン社製、R
AVEN MTP、平均粒子サイズ:275mμに変え
た以外は、同様にしてサンプルを作成した。
【0028】[実施例5]実施例1において、無機質粉
末のα−酸化鉄を、α−アルミナ(住友化学工業(株)
製、HIT55、平均粒子サイズ:200mμ、モース
硬度:8.5)5部に変えた以外は、同様にしてサンプ
ルを作成した。
【0029】[実施例6]実施例1において、厚さ6μ
mのポリエチレンテレフタレートベースの代わりに、厚
さ6μmのポリエチレンナフタレートベースを用いた以
外は、同様にしてサンプルを作成した。
【0030】[実施例7]実施例1において、厚さ6μ
mのポリエチレンテレフタレートベースの代わりに、厚
さ4.4μmの芳香族ポリアミドベースを用いた以外
は、同様にしてサンプルを作成した。
【0031】[比較例1]実施例1において、炭酸カル
シウムの平均粒子サイズを20mμに変えた以外は、同
様にしてサンプルを作成した。
【0032】[比較例2]実施例1において、炭酸カル
シウムの平均粒子サイズを70mμに変えた以外は、同
様にしてサンプルを作成した。
【0033】[比較例3]実施例1において、α−酸化
鉄の平均粒子サイズを50mμに変えた以外は、同様に
してサンプルを作成した。
【0034】[比較例4]実施例1において、α−酸化
鉄を、平均粒子サイズ270mμのα−アルミナに変え
た以外は、同様にしてサンプルを作成した。
【0035】[比較例5]実施例1において、バックコ
ート層の表面粗さRaを0.02μmに変えた以外は、
同様にしてサンプルを作成した。
【0036】[比較例6]実施例1において、バックコ
ート層の表面粗さRaを0.08μmに変えた以外は、
同様にしてサンプルを作成した。
【0037】[比較例7]実施例1において、炭酸カル
シウムを使用しなかった以外は、同様にしてサンプルを
作成した。
【0038】[比較例8]実施例1において、α−酸化
鉄を使用しなかった以外は、同様にしてサンプルを作成
した。
【0039】[比較例9]実施例1において、炭酸カル
シウム及びα−酸化鉄を使用しなかった以外は、同様に
してサンプルを作成した。
【0040】[磁気テープとしての性能評価]以上のよ
うにして得られた各サンプルを用いて、以下のような性
能評価を行った。 (1)バックコート層面の1パス目の摩擦係数(μ
値)、及び500パス目の摩擦係数(μ値) DDSドライブで使用されているバック面タッチのガイ
ドポールに対して、磁気テープのバックコート層面を接
触させて荷重10g(T1)をかけ、8mm/秒の速度
になるように張力(T2)をかけ引っ張り、T2/T1
よりガイドポールに対するバック層面の摩擦係数を求め
た。測定は繰り返し500パスまで行い、1パス目の摩
擦係数μ1と500パス目の摩擦係数μ500を求め
た。
【0041】(2)ガイドポールの汚れ ガイドポールに対して、磁気テープのバックコート層面
を接触させて荷重40gをかけ、8mm/秒の速度で1
00パス繰り返し走行させた。走行後のガイドポールの
汚れを目視及び顕微鏡で観察し、以下のようなランク付
し、評価した。 A:汚れかまったく見られない。 B:汚れが見られるが、まだ汚れのない部分の方が多
い。 C:汚れがない部分より汚れがある部分の方が多い。
【0042】(3)ドロップアウト(DO) DATデッキにて周波数2.35MHzの信号を最適電
流値で書き込み、その再生信号をドロップアウトカウン
タ(シバソク(株)製)で計数した。計測は、5分間行
い、15μ秒、−16dBのDOの1分間当りの平均個
数を求めた。
【0043】(4)4.7MHz再生出力 DDSドライブにて4.7MHzの単一周波数信号を最
適記録電流にて記録し、その再生出力を測定した。出力
値は、実施例1の再生出力を100として相対値で示し
た。以上の結果を表1に示す。
【0044】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── バック面のμ値 ガイドポ DO(15μs) 再生出力 μ1 μ500 ール汚れ (個/分) 4.7MHz(%) ──────────────────────────────────── 実施例 1 0.27 0.32 A 5 100 2 0.26 0.34 A 5 99 3 0.27 0.34 A 5 100 4 0.28 0.32 A 6 100 5 0.27 0.32 A 5 101 6 0.28 0.33 A 5 102 7 0.28 0.34 A 5 110 ──────────────────────────────────── 比較例 1 0.29 0.48 B 5 101 2 0.26 0.33 A 12 90 3 0.27 0.40 C 6 99 4 0.27 0.32 A 18 88 5 0.30 0.55 C 15 106 6 0.24 0.27 B 8 81 7 0.28 0.52 C 8 102 8 0.27 0.35 C 6 101 9 0.28 0.60 C 22 104 ────────────────────────────────────
【0045】上記の表1の結果から、本発明に従うサン
プルを用いた場合には、繰り返し走行によるバック面の
摩擦係数(μ値)の上昇は少なく、安定している。また
ガイドポールの汚れもなく、ドロップアウトの発生も少
なく、更に再生出力の低下もほとんどなく良好であるこ
とがわかる。
【0046】一方、本発明に比べ平均粒子サイズの小さ
い炭酸カルシウムを用いた場合(比較例1)には、μ値
の上昇が大きくなり、また平均粒子サイズの大きい炭酸
カルシウムを用いた場合(比較例2)には、脱落による
ドロップアウトの発生が多くなる。また本発明に比べ平
均粒子サイズの小さいα−酸化鉄を用いた場合(比較例
3)には、μ値の上昇と共に、ガイドポールの汚れが増
大する。これとは反対に、平均粒子サイズの大きいα−
酸化鉄を用いた場合(比較例4)には、脱落によるドロ
ップアウトの発生が多くなり、また磁性層へのバックコ
ート層の表面状態の転写が大きくなるためか出力が低下
する。更にバックコート層の表面粗さRaが小さい場合
(比較例5)には、出力が高い反面、μ値の上昇が著し
くガイドポールの汚れもひどくなる。反対に、バックコ
ート層の表面粗さRaが大きい場合(比較例6)には、
比較例4と同様に、磁性層へのバックコート層の表面状
態の転写が大きくなるためか出力が大幅に低下する。ま
た比較例7及び8のように、炭酸カルシウム、あるいは
α−酸化鉄を添加しなかった場合には、繰り返し走行で
のμ値が上昇したり、ガイドポールの汚れが増大する。
また比較例9のように、炭酸カルシウム及びα−酸化鉄
を添加しない場合にも同様に繰り返し走行でのμ値が上
昇したり、ガイドポールの汚れが増大すると共に、ドロ
ップアウトの発生も多くなる。
【0047】
【発明の効果】本発明の磁気テープは、全厚、そしてバ
ックコート層共に薄くした形態に拘らず、優れた電磁変
換特性を維持した状態で、繰り返し走行による摩擦係数
の上昇も少なく、またガイドポールの汚れもなく良好な
走行耐久性を備えている。またこれらの性能と共に、デ
ータの記録、読み出しに対する信頼性も高く、従って本
発明の磁気テープは、コンピュータデータ記録用の磁気
テープとして特に有利に用いることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体、その一方の側に設けられ
    た磁性層、そして他方の側に設けられた厚みが、0.2
    〜0.8μmのバックコート層からなる全厚が3〜10
    μmの磁気テープにおいて、該バックコート層が、平均
    粒子サイズが10〜20mμの微粒子状カーボンブラッ
    クと平均粒子サイズが230〜300mμの粗粒子状カ
    ーボンブラックとを含み、更に平均粒子サイズが30〜
    50mμの炭酸カルシウムと平均粒子サイズが80〜2
    50mμのモース硬度5〜9の無機質粉末を含み、かつ
    その表面粗さRaが、0.030〜0.060μmであ
    ることを特徴とする磁気テープ。
  2. 【請求項2】 モース硬度5〜9の無機質粉末が、α−
    酸化鉄又はα−アルミナである請求項1に記載の磁気テ
    ープ。
  3. 【請求項3】 磁気テープがコンピュータデータ記録用
    である請求項1に記載の磁気テープ。
JP29373895A 1995-10-16 1995-10-16 磁気テープ Withdrawn JPH09115134A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1049077A1 (en) * 1999-04-28 2000-11-02 TDK Corporation Magnetic recording medium
US8603652B2 (en) 2010-03-10 2013-12-10 Fujifilm Corporation Magnetic recording medium

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US6475613B1 (en) 1999-04-28 2002-11-05 Tdk Corporation Magnetic recording medium
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