JPH09114134A - トナー用バインダー樹脂およびトナー - Google Patents

トナー用バインダー樹脂およびトナー

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JPH09114134A
JPH09114134A JP7275559A JP27555995A JPH09114134A JP H09114134 A JPH09114134 A JP H09114134A JP 7275559 A JP7275559 A JP 7275559A JP 27555995 A JP27555995 A JP 27555995A JP H09114134 A JPH09114134 A JP H09114134A
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toner
styrene
molecular weight
methacrylate
polymerization
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JP7275559A
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Inventor
Koji Shimizu
浩二 清水
Takayuki Tajiri
象運 田尻
Motoji Inagaki
元司 稲垣
Yoko Harada
陽子 原田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温領域での定着強度に優れ、定着性および
非オフセット性のバランス性に優れたトナ−用バインダ
−樹脂およびトナーを提供する。 【構成】 スチレン系モノマー単位とアクリル系モノマ
ー単位とから構成されるスチレン−アクリル系共重合体
よりなり、アクリル系モノマー単位として炭素数8以上
のエステル部を有する(メタ)アクリルエステル単位を
0.5〜25重量%含有するトナー用バインダー樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜
像の現像に用いられるトナー用バインダー樹脂およびト
ナーに関するものであり、さらに詳しくは低温での定着
強度に優れたトナーを提供できるトナー用バインダー樹
脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電印刷法による代表的な
画像形成工程は、光電導性絶縁層を一様に帯電させ、そ
の絶縁層を露光させた後、露光された部分上の電荷を消
散させることによって電気的な潜像を形成し、該潜像に
電荷を持った微粉末のトナーを付着させることにより可
視化させる現像工程、得られた可視像を転写紙等の転写
材に転写させる転写工程、加熱あるいは加圧により永久
定着させる定着工程からなる。
【0003】このような電子写真法あるいは静電印刷法
に使用されるトナーおよびトナー用バインダー樹脂とし
ては、上記各工程において様々な性能が要求される。例
えば、現像工程においては、電気的な潜像にトナーを付
着させるために、トナーおよびトナー用バインダー樹脂
は温度、湿度等の周囲の環境に影響されることなくコピ
ー機に適した帯電量を保持しなくてはならない。また、
熱ローラー定着方式による定着工程においては、熱ロー
ラーに付着しない非オフセット性、紙への定着性が良好
でなくてはならない。さらに、コピー機内での保存中に
トナーがブロッキングしない耐ブロッキング性も要求さ
れる。
【0004】従来、トナー用バインダー樹脂としては、
スチレン−アクリル系樹脂が多用されており、線状タイ
プ(非架橋タイプ)の樹脂と架橋タイプの樹脂が使用さ
れている。架橋タイプのトナー用バインダー樹脂では、
樹脂を架橋することによって分子量分布を広くして、ト
ナーとしての定着性、非オフセット性を改良することが
試みられている。また、線状タイプのトナー用バインダ
ー樹脂では、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分
とを混合して、両成分のガラス転移温度や分子量をコン
トロールしたり、樹脂全体の分子量分布(Mw/Mn)
をコントロールすることによって、トナーの定着性や非
オフセット性等を改良しようとする試みが行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の線状タイプのトナー用バインダー樹脂を用い
たトナーでは、定着性を改良しようとすると樹脂の溶融
粘度が低下してトナーとしての非オフセット性が損なわ
れ、定着性と非オフセット性とのバランスをとることは
困難であった。特に、近年、注目されてきている低温定
着性に対応する定着温度の低い領域では、定着強度が不
十分であるという問題点を有していた。そこで、本発明
の目的は、低温領域における定着強度に優れ、トナ−と
しての低温での定着性および非オフセット性のバランス
性に優れたトナ−用バインダー樹脂およびトナーを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み、トナー用樹脂について鋭意検討した結
果、スチレン−アクリル系共重合体を主成分とするトナ
ー用樹脂に、アクリル系モノマー単位として特定の(メ
タ)アクリルエステルを特定量含有させることによっ
て、低温での定着強度に優れ、トナ−としての定着性と
非オフセット性のバランス性に優れたトナ−用樹脂を得
られることを見い出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明のトナー用バインダー樹脂は、スチレ
ン系モノマー単位とアクリル系モノマー単位とから構成
されるスチレン−アクリル系共重合体よりなり、アクリ
ル系モノマー単位として炭素数8以上のエステル部を有
する(メタ)アクリルエステル単位を0.5〜25重量
%含有することを特徴とするものである。また、本発明
のトナーは、アクリル系モノマー単位として炭素数8以
上のエステル部を有する(メタ)アクリルエステル単位
を0.5〜25重量%含有するスチレン−アクリル系共
重合体を、バインダー樹脂の主成分として含有すること
を特徴とするものである。
【0007】
【実施の形態】本発明のトナー用バインダー樹脂の主成
分として使用されるスチレン−アクリル系共重合体は、
スチレン系単量体および共重合可能なアクリル系単量体
からなるスチレン−アクリル系共重合体であり、アクリ
ル系単量体として炭素数8以上のエステル部を有する
(メタ)アクリルエステル単量体を含有することが重要
である。炭素数8以上のエステル部とは、エステル部分
のCn 2n+1において、n≧8であるアルキル鎖の長い
ものである。(メタ)アクリルエステル単量体の具体例
としては、例えば、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル
等が挙げられる。これら単量体は、単独または2種以上
を組み合わせて使用することができる。
【0008】上記のような(メタ)アクリルエステル単
量体は、トナーとしての低温領域での定着強度を向上さ
せるために使用されるものであり、スチレン−アクリル
系共重合体を構成する全モノマー単位中に、0.5〜2
5重量%の範囲で含有することが重要である。これは、
特定の(メタ)アクリルエステル単位の含有量が0.5
重量%未満では、トナーとしての低温領域での定着強度
を十分に向上させることができないものであり、逆に2
5重量%を超えると樹脂のガラス転移温度が低下し、ト
ナーとしての保存安定性が損なわれるためであり、好ま
しくは2〜20重量%の範囲である。
【0009】本発明において、スチレン−アクリル系共
重合体の重合のために使用されるスチレン系単量体とし
ては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−
エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−
ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−
n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p
−n−ノニルスチレン、p−n−デンシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン、3,
4−ジシクロシルスチレン等が挙げられ、中でも、スチ
レンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、単独で
または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0010】また、上記(メタ)アクリルエステル単量
体以外の共重合可能なアクリル系単量体としては、アク
リル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メ
タアクリル酸、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸
メチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イ
ソブチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸2
−エチルヘキシル、メタアクリル酸ステアリル等のアク
リル酸エステル等が挙げられる。
【0011】さらに、マレイン酸ジメチル、マレイン酸
ジエチル、マレイン酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマ
ル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等の不飽和ジカルボン
酸ジエステル、アクリル酸、メタクリル酸、ケイヒ酸等
の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸等の不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フ
マル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノ
ブチル等の不飽和モノカルボン酸モノエステル等のカル
ボン酸含基ビニル単量体を併用することもできる。
【0012】これらの単量体の共重合比率は特に限定さ
れるものではないが、得られるトナー用バインダー樹脂
のガラス転移温度が45℃以上の範囲となるよう選定す
ることが好ましい。これは、トナー用バインダー樹脂の
ガラス転移温度が45℃未満であると、トナーのブロッ
キング発生温度が低下し、保存安定性が極端に低下する
傾向にあるためである。さらに好ましくは、トナーとし
ての定着性が低下する傾向にあるため50〜70℃の範
囲である。
【0013】また、本発明のスチレン−アクリル系共重
合体は、軟化温度が110〜160℃の範囲であること
が好ましく、軟化温度が110℃未満であるとトナーと
しての非オフセット性に劣り、逆に160℃を超えると
トナーとしての定着性が低下するためであり、好ましく
は115〜140℃の範囲である。さらに、スチレン−
アクリル系共重合体は、高分子量共重合体と低分子量共
重合体とから構成されることが好ましく、具体的には、
重量平均分子量を200,000〜1500,000の
高分子量共重合体とその重量平均分子量を2,000〜
50,000の低分子量共重合体から構成され、高分子
量共重合体の含有割合が20〜70重量%の範囲である
ものが挙げられる。
【0014】これは、高分子量共重合体の重量平均分子
量が200,000未満であると、トナーとしての非オ
フセット性が低下する傾向にあり、逆に1,500,0
00を超えるとトナーとしての定着性が低下する傾向に
あるためであり、さらに好ましくは200,000〜7
00,000の範囲であり、特に好ましくは220,0
00〜500、000の範囲である。また、低分子量共
重合体の重量平均分子量が2,000未満であると、ト
ナー用バインダー樹脂の機械的強度が低下して帯電発生
時にトナーが過粉砕状態となり画像にカブリが発生しや
すくなる傾向にあり、逆に50,000を超えるとトナ
ーとしての定着性が低下する傾向にあるためであり、さ
らに好ましくは6,000〜30,000の範囲であ
り、特に好ましくは9,000〜20,000の範囲で
ある。さらに、高分子量共重合体が20重量%未満であ
ると、トナーとしての非オフセット性が劣る傾向にあ
り、逆に70重量%を超えるとトナーとしての定着性が
劣る傾向にあるためであり、さらに好ましくは25〜5
0重量%の範囲であり、特に好ましくは30〜40重量
%の範囲である。
【0015】これら重合性モノマーの重合は、懸濁重合
法、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法等の公知の重
合方法によって行うことができるが、残存溶剤による臭
気の問題がないとともに、発熱の制御の容易であり、分
散剤の使用量も少なく耐湿性を損なうこともない等の点
から懸濁重合法が好ましい。特に、得られたトナー用バ
インダー樹脂が、均一に混合された高分子量重合体成分
と低分子量重合体成分とから構成されていることが好ま
しく、高分子量重合体成分の懸濁重合を行い、次いで高
分子重合体成分の懸濁粒子の存在下で低分子量重合体成
分の懸濁重合する2段懸濁重合法等の重合方法によって
重合を行うことが好ましい。以下、2段懸濁重合法によ
る本発明のトナー用バインダー樹脂の製造方法ついて、
具体的に説明する。高分子量重合体成分の懸濁重合は、
特に限定されるものではなく、一般的な懸濁重合法に従
って行うことができ、上記のような単量体とともに、懸
濁重合において一般的に使用される分散剤、重合開始
剤、分子量調整剤等を使用することができる。
【0016】高分子量重合体成分の懸濁重合に使用され
る重合開始剤としては、1分子内に3個以上のt−ブチ
ルパ−オキサイド基を有する化合物あるいは10時間半
減期温度が90〜140℃の1分子中の官能基が1個で
あるラジカル重合開始剤等を使用することができる。例
えば、1分子内に3個以上のt−ブチルパ−オキサイド
基を有する化合物としては、2,2−ビス(4,4−ジ
−t−ブチルパ−オキシシクロヘキシル)プロパン等が
挙げられる。また、10時間半減期温度が90〜140
℃の1分子中の官能基が1個であるラジカル重合開始剤
としては、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
シクロヘキサノンパーオキシド、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミル
パーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチ
ルパーオキシド、p−メタンハイドロパーオキシド、2
−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2−
アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フ
ェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニ
トリル等の有機過酸化物あるいはアゾ化合物等が挙げら
れる。これら重合開始剤は、単独あるいは2種以上を組
み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量
としては、従来の懸濁重合での重合開始剤の使用量と比
較して非常に少量でよく、全単量体100重量部に対し
て0.001〜0.5重量部の範囲で使用することが好
ましく、さらに好ましくは0.002〜0.05重量部
の範囲である。
【0017】本発明においては、特に、重合開始剤とし
て1分子内に3個以上のt−ブチルパ−オキサイド基を
有する化合物を使用することが好ましい。これは、高分
子量重合体成分を95℃以上、好ましくは95〜150
℃、さらに好ましくは110〜140℃の高温下で、重
合開始剤として1分子内に3個以上のt−ブチルパ−オ
キサイド基を有する化合物を用いて懸濁重合によって重
合することによって、重合開始剤が効率よく消費され、
重量平均分子量が200,000以上の分子量の高い高
分子量重合体成分を1〜3時間程度の短時間で得ること
ができるためである。また、本発明においては、高分子
量重合体成分を95℃以上の重合温度で懸濁重合によっ
て製造することが必要である。これは、重合温度が95
℃未満であると、重合速度が遅くなり目標とする分子量
を有する重合体を得るために長時間を要するためであ
る。また、高分子量重合体成分を懸濁重合は、0.5〜
7kg/cm2 の圧力下で行うことが好ましい。懸濁重
合によって重合された高分子量重合体成分は、重量平均
分子量(Mw)が200,000〜1,500,000の
範囲であることが好ましい。
【0018】次いで、懸濁重合した高分子量共重合体懸
濁粒子の存在下で、懸濁重合によって低分子量共重合体
の重合を行う。懸濁重合は、特に限定されるものではな
く、一般的な懸濁重合法に従って行うことができ、例え
ば、高分子量重合体の重合反応率が10〜90%程度に
なった時点で、低分子量重合体用の重合開始剤を水また
は低分子量重合体用単量体に溶解して添加することによ
って重合を開始することが好ましい。なお、低分子量重
合体用単量体を添加する場合には、得られたトナー用バ
インダー樹脂の低分子量重合体成分の含有量が30〜8
0重量%の範囲となるよな量を添加することが好まし
い。
【0019】低分子量重合体成分を懸濁重合に使用され
る重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、
通常使用されるラジカル重合性を有する過酸化物やアゾ
系化合物等が使用でき、例えば、ジ−t−ブチルパーオ
キシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオ
キシド、オクタノニルパーオキシド、デカノニルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド、3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド、m−トルオイルパーオキシド、t−ブチルパーオキ
シアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、
t−ブチルパーオキシピパレート、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキ3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート、t−ブチルパオキシライレート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカオーボネート、アゾビスイソブチルニトリル、2,
2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等
が挙げられるが、中でも、単量体に対する重合活性の持
続性や比較的短時間で重合が完了する点から、オクタノ
ニルパーオキシド、デカノニルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、m−トリオ
イルパーオキシドが好ましい。これら重合開始剤は、単
独または2種以上を組み合わせて使用することができ、
単量体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
で使用することが好ましく、さらに好ましくは0.5〜
10重量部の範囲である。懸濁重合によって重合された
低分子量重合体成分は、重量平均分子量が2,000〜
50,000の範囲であることが好ましい。
【0020】懸濁重合は、単量体に対して好ましくは1
〜10倍、さらに好ましくは2〜4倍程度の水ととも
に、分散剤、重合開始剤、必要に応じて分散助剤あるい
は連鎖移動剤等を添加して、所定の重合温度まで昇温し
て、所定の重合率となるまで加温を続けることによって
行われる。懸濁重合で使用される分散剤としては、ポリ
ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸の単独重合体あ
るいは共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシチルセル
ロース、ゼラチン、デンプン、硫酸バリウム、硫酸カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カ
ルシウム等のが挙げられ、中でも、ポリビニルアルコー
ルが好ましく、特に好ましくは、酢酸基と水酸基がブロ
ック的に存在する部分鹸化ポリビニルアルコールであ
る。これら分散剤は、水100重量部に対して、0.0
1〜5重量部の範囲で使用することが好ましい。これ
は、分散剤の使用量が0.01重量部未満であると、懸
濁重合の安定性が低下して生成粒子の凝集によって重合
体が固化する傾向にあり、逆に5重量部を超えるとトナ
ーの環境依存性、特に耐湿性が低下する傾向にあるため
であり、さらに好ましくは0.05〜2重量部の範囲で
ある。また、必要に応じて、これら分散剤とともに、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム等の分散助剤を併用することもできる。さらに、
分子量を調整するために、必要に応じて、n−オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘクシ
ル、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用
してもよい。
【0021】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。実施例において、ガラス転移温度は、サンプルを
100℃まで昇温しメルトクエンチした後、DSC法
(昇温速度10℃/min)により求めた。また、軟化
温度は、1mmφ×10mmのノズルを有するフローテ
スター(島津製作所社製CFT−500)を用い、荷重
30Kgf、昇温速度3℃/minの条件下で、サンプ
ル量の1/2が流出した時の温度で示した。
【0022】非オフセット定着温度幅は、定着温度を自
由に変えることの可能な定着試験機を用いて、定着速度
130mm/秒、圧力20Kgとして、得られた定着画
像にセロハンテープを貼り、セロハンテープを剥離した
時の剥離前後の画像濃度を測定して、画像濃度が80%
となる定着ローラーの温度を定着下限温度とした。ま
た、同様にして定着ローラーのトナーによる汚染状態を
目視にて観察して、汚染開始の定着ローラーの温度を定
着上限温度とした。
【0023】保存安定性は、トナーを約50℃に保った
温風乾燥機中に入れて50時間放置した後のブロッキン
グの状態を目視により、次の基準に従って判断した。 ◎:ブロッキングしない ○:若干ブロッキングが見られる ×:ブロッキングが著しい 耐湿性は、トナーを温度30℃、湿度80%の環境下で
約20時間放置した後の帯電量と、温度30℃、湿度8
0%の環境下で約20時間放置した後の帯電量とを測定
し、その環境依存性の有無を以下の基準に従って判断し
た。 ○:環境依存性が殆どない △:環境依存性が若干ある ×:環境依存性が著しい 実施例1〜5、比較例1〜2 表1に示した単量体混合物に、重合開始剤として2,2
−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパ−オキシシクロヘキ
シル)プロパン(化薬アクゾ社製パ−カドックス12)
0.005重量部を溶解し、脱イオン水200重量部と
部分鹸化ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製
ゴ−セノ−ルGH−23)0.2重量部との混合物中に
添加して撹拌する。次いで、130℃まで昇温して1時
間、高分子量重合体の懸濁重合を行った。さらに、40
℃まで冷却した高分子量重合体の分散液中に、ベンゾイ
ルパ−オキシド6重量部とt−ブチルパ−オキシベンゾ
エ−ト(日本油脂社製「パ−ブチルZ」)1重量部を添
加し、130℃まで昇温し1時間、低分子量重合体の懸
濁重合を行った。その後、室温まで冷却し、十分に水で
洗浄、脱水して乾燥し、高分子量重合体成分と低分子量
重合体成分とが均一に混合したスチレン−アクリル系共
重合体を得た。得られたスチレン−アクリル系共重合体
のガラス転移温度および軟化温度を表1に示した。
【0024】得られたスチレン−アクリル系共重合体9
3重量部、カーボンブラック(三菱化成社製#40)5
重量部、負帯電用荷電制御剤(オリエント化学工業社製
「ボントロンS−34」)1重量部およびポリオレフィ
ン系ワックス(三洋化成社製660P)1重量部を配合
し、150℃で5分間溶融混練した。次いで、ジェット
ミル粉砕機を用いて粉砕し、分級して平均粒径5〜15
μmのトナーを得た。得られたトナーの非オフセット定
着温度、保存安定性および耐湿性の評価結果をは表1に
示した。
【0025】
【表1】
【0026】表中、モノマー組成の略号は、それぞれ以
下の化合物を示す。 St :スチレン n−BA:n−ブチルメタクリレート LMA :メタクリル酸ラウリル SMA :メタクリル酸ステアリル
【0027】
【発明の効果】本発明のトナー用バインダー樹脂は、特
定の(メタ)アクリルエステルを使用したスチレン−ア
クリル系共重合体を主成分とすることによって、低温領
域での定着強度に優れ、定着性と非オフセット性のバラ
ンス性に優れたトナ−を提供できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 陽子 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系モノマー単位とアクリル系モ
    ノマー単位とから構成されるスチレン−アクリル系共重
    合体よりなり、アクリル系モノマー単位として炭素数8
    以上のエステル部を有する(メタ)アクリルエステル単
    位を0.5〜25重量%含有することを特徴とするトナ
    ー用バインダー樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスチレン−アクリル系共
    重合体をバインダー樹脂の主成分として含有することを
    特徴とするトナー。
JP7275559A 1995-10-24 1995-10-24 トナー用バインダー樹脂およびトナー Pending JPH09114134A (ja)

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JP7275559A JPH09114134A (ja) 1995-10-24 1995-10-24 トナー用バインダー樹脂およびトナー

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