JPH0911287A - 射出成形機の射出制御方法 - Google Patents

射出成形機の射出制御方法

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JPH0911287A
JPH0911287A JP18499995A JP18499995A JPH0911287A JP H0911287 A JPH0911287 A JP H0911287A JP 18499995 A JP18499995 A JP 18499995A JP 18499995 A JP18499995 A JP 18499995A JP H0911287 A JPH0911287 A JP H0911287A
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JP
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injection
pressure
control
resin
injection molding
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JP18499995A
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Masao Kamiguchi
賢男 上口
Tetsuaki Neko
哲明 根子
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Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャビティ内への樹脂の充填状況を適確に判
定して射出速度制御から圧力制御への切替えを行うこと
のできる射出制御方法を提供すること。 【構成】 良品成形時にサンプリング処理を行ってi=
1〜nの各サンプリング時における金型内部圧力MPi
を記憶する。樹脂が圧力センサ7の配設位置に到達する
までの間は、設定射出速度に基いて射出速度のフィード
バック制御を行い、また、樹脂が圧力センサ7の配設位
置に到達してからは、金型内部圧力のサンプリングデー
タMPiと圧力センサ7により検出される金型内部圧力
の現在値MPR との偏差に基いて圧力のフィードバック
制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機の射出制御
方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】スクリューの基部に取り付けたロードセ
ル等によって樹脂反力を検出し、この樹脂反力が設定圧
力となるように、保圧を含む射出の全工程に亘って射出
圧力のフィードバック制御を行うようにした射出成形機
の射出制御方法が既に公知である。しかし、このような
構成では、射出工程後半の保圧段階で樹脂の固化が始ま
ってしまうと射出成形金型内の樹脂圧力がシリンダ内に
正確に伝えられなくなるため、シリンダ内の樹脂反力を
金型内部の樹脂圧力と見做して検出するロードセルでは
保圧圧力のフィードバック制御を正常に行えなくなる場
合がある。また、射出成形金型内に圧力センサを取り付
け、この圧力センサにより金型キャビティ内の樹脂圧力
を直接検出して射出圧力のフィードバック制御を行うよ
うにした射出制御方法も提案されているが、射出成形金
型内に圧力センサを設けた構成では射出開始から樹脂が
射出成形金型内に充填されるまでの間は圧力センサによ
る樹脂圧力の検出が不能となるため、射出の初期段階に
おける射出圧力の制御が全くの成り行きまかせになると
いった問題がある。
【0003】一般に、射出成形作業においては、キャビ
ティ内部への樹脂の充填段階では射出速度の違いが製品
の良否に与える影響が大きく(特にフローマーク等)、
また、充填完了後は射出圧力(保圧圧力)の違いが製品
の良否に与える影響が大きいとされており(特にヒケや
バリ等)、充填段階における射出速度の制御と充填完了
後の射出圧力の制御とを適確に切替える必要がある。そ
こで、射出過程におけるスクリュー位置を指定して速度
制御から圧力制御への切替えを行うようにした射出制御
も行われているが、サンプルショットの重量を測定して
スクリュー位置を割り出すことによって射出から保圧へ
の切替え位置を求めたとしても、計量混練り状態の違い
等により、キャビティへの充填完了時点に対応するスク
リュー位置というものは必ずしも一様でなく、スクリュ
ー位置によって制御の切替タイミングを指定したからと
いって、必ずしも、キャビティ内への樹脂の充填状況に
応じて速度制御から圧力制御への切替えが行われるとは
限らない。
【0004】更に、スクリューの基部に取り付けたロー
ドセルが一定以上の樹脂反力を検出したことを以てキャ
ビティ内への樹脂の充填完了と見做して速度制御から圧
力制御への切替えを行うようにした制御方法も提案され
ているが、シリンダ温度等によって樹脂の粘性(スクリ
ューに作用する樹脂反力)が様々に変化するため、ロー
ドセルによる一定樹脂反力の検出によってキャビティ内
への樹脂の充填状況が適確に検出されるという保証はな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を解消し、キャビティ内への樹
脂の充填状況を適確に判定して射出速度制御から圧力制
御への切替えを行うことのできる射出成形機の射出制御
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、射出成形金型
内部の圧力を検出する圧力センサを設け、射出成形金型
内部の圧力の変化を制御装置に設定しておき、樹脂が前
記圧力センサに到達するまでの間は設定射出速度に基い
て射出速度の制御を行う一方、樹脂が前記圧力センサに
到達してからは前記設定した射出成形金型内部の圧力と
前記圧力センサによって検出される現在圧力とに基いて
射出圧力のフィードバック制御を行うようにしたことを
特徴とする構成により前記目的を達成した。
【0007】また、目標値となる射出成形金型内部の圧
力として良品成形時のサンプリングデータを用いること
により、射出成形金型に適した最適の射出条件を安定し
て再現できるようにした。
【0008】更に、射出工程におけるサンプリング周期
毎に前記圧力センサの検出値または予め制御装置に設定
した射出成形金型内部の圧力を読込み、その値が所定値
以上になっているか否かによって樹脂が前記圧力センサ
に到達しているか否かを判定することにより、圧力セン
サによる速度制御および圧力制御の切替えを適確に行え
るようにした。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施形態の一
例を説明する。図1は本発明の射出制御方法を適用した
一実施形態の電動式射出成形機の構成の要部を示すブロ
ック図である。シリンダ2,スクリュー3,ロードセル
8,動力伝達機構4,射出用サーボモータ5の構成は従
来の電動式射出成形機と全く同様で、射出用サーボモー
タ5および該モータ5の回転運動を直線運動に変換する
動力伝達機構4によってスクリュー3がシリンダ2内で
射出軸方向に駆動されるようになっている。
【0010】なお、ロードセル8はスクリュー3に作用
する樹脂反力を検出するために動力伝達機構4の出力軸
とスクリュー3との間に設けられた圧力センサであっ
て、射出成形金型1内部の樹脂圧力を検出するための圧
力センサではない。従って、シリンダ2の先端内部に取
り付ける圧力センサ、つまり、シリンダ内圧力を検出す
る圧力センサを以て代替することも可能である。その用
途に関しては後述する。
【0011】射出成形金型1内部の樹脂圧力を検出する
ための圧力センサ7は射出成形金型1内の適宜位置、例
えば、スプルー近傍のコールドスラグウェル(一般にZ
ピンのある位置),ランナー部,製品部,その他の湯溜
り等に設けられている。射出成形金型1の設計および製
造はユーザーサイドの問題であり、その射出成形金型1
を用いて射出成形作業を行う際に射出速度制御から射出
圧力制御への切替えをどのような充填段階で行うか等に
より、ユーザー各自が任意に決定するようにする。
【0012】なお、ガス圧縮による高熱の発生によって
射出成形金型1内の樹脂に焼けが発生するのを防止する
必要上射出成形金型1にはガスベント等を設けるのが普
通であり、また、格別のガスベントを設けないまでも、
パーティングラインやコアの合わせ目等からガスの排出
を可能とする必要がある。この結果、射出が開始されて
も、樹脂が射出成形金型1に完全に充填されるか、また
は、少なくと圧力センサ7の配設位置に樹脂が到達する
までの間は、該圧力センサ7によって圧力が検出される
ことはない。
【0013】射出成形機を駆動制御する制御装置10
は、数値制御用のマイクロプロセッサであるCNC用C
PU25、プログラマブルマシンコントローラ用のマイ
クロプロセッサであるPMC用CPU18、サーボ制御
用のマイクロプロセッサであるサーボCPU20と、A
/D変換器16を介してロードセル8および圧力センサ
7から樹脂反力および射出成形金型1内の樹脂圧力を検
出してサンプリング処理を行うための圧力モニタ用CP
U17とを有し、バス22を介して相互の入出力を選択
することにより各マイクロプロセッサ間での情報伝達が
行えるようになっている。
【0014】PMC用CPU18には射出成形機のシー
ケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶し
たROM13および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM14が接続され、CNC用CPU25には、射
出成形機を全体的に制御する制御プログラム等を記憶し
たROM27および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM28が接続されている。
【0015】また、サーボCPU20および圧力モニタ
用CPU17の各々には、サーボ制御専用の制御プログ
ラムを格納したROM21やデータの一時記憶に用いら
れるRAM19、および、スクリュー3に作用する樹脂
反力や射出成形金型1内の樹脂圧力のサンプリング処理
等に関する制御プログラムを格納したROM11やデー
タの一時記憶に用いられるRAM12が接続されてい
る。更に、サーボCPU20には、該CPU20からの
指令に基いて型締め用,スクリュー回転用,エジェクタ
用(以上図示せず)および射出用等の各軸のサーボモー
タを駆動するサーボアンプが接続され、各軸のサーボモ
ータに取付けられたパルスコーダからの出力がサーボC
PU20に帰還されるようになっている。そして、各軸
の現在位置およびその移動速度等がパルスコーダからの
フィードバックパルスに基いてサーボCPU20により
算出される。図1においては射出軸用のサーボアンプ1
5と射出用サーボモータ5および該モータ5のパルスコ
ーダ6についてのみ示しているが、型締め用,エジェク
タ用等の各軸の構成は皆これと同様である。但し、スク
リュー回転用のものに関しては現在位置を検出する必要
はなく、速度のみを検出すればよい。
【0016】インターフェイス23は射出成形機本体の
各部に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を
受信したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達
したりするための入出力インターフェイスである。
【0017】ディスプレイ付手動データ入力装置29は
CRT表示回路26を介してバス22に接続され、グラ
フ画面の表示や機能メニューの選択および各種データの
入力操作等が行えるようになっており、数値データ入力
用のテンキーおよび各種のファンクションキー等が設け
られている。
【0018】不揮発性メモリ24は射出成形作業に関す
る成形条件と各種設定値,パラメータ,マクロ変数等を
記憶する成形データ保存用のメモリである。また、この
実施形態においては、これらのデータに加え、更に、射
出成形金型1内部の圧力の変化の設定値が所定のデータ
形式(図6参照)により設定記憶されるようになってい
る。なお、目標値となる射出成形金型1内部の圧力変化
の設定に関しては後述の「目標値設定処理」の説明で詳
述する。
【0019】以上の構成により、PMC用CPU18が
射出成形機全体のシーケンス動作を制御し、CNC用C
PU25がROM27の制御プログラムや不揮発性メモ
リ24の成形条件等に基いて各軸のサーボモータに対し
て移動指令もしくは速度指令を出力し、サーボCPU2
0は各軸に対して指令された移動指令もしくは速度指令
とパルスコーダ等の検出器で検出された位置および速度
のフィードバック信号に基いて、位置ループ制御,速度
ループ制御さらには電流ループ制御等のサーボ制御を行
い、いわゆるディジタルサーボ処理を実行する。
【0020】無論、射出工程においては、スクリュー位
置を基準として射出/保圧切替位置を設定することによ
り射出速度の優先制御を行った後射出圧力の制御に切替
えて行う射出速度/圧力切替制御モードを実行すること
も可能であり、条件出し等の射出成形作業の段階では、
該射出速度/圧力切替制御モードにより射出段数および
保圧段数を複数に設定して各段毎に射出速度や射出圧力
(保圧圧力)を様々に変化させ、従来と同様にして、使
用対象となる射出成形金型1に見合った最適の成形条件
を求めることができる。また、射出速度の優先制御を行
いながらロードセル8の出力を検知して、その値が所定
値に達したときに射出速度の優先制御を打ち切って予め
決めておいた圧力で射出圧力(保圧圧力)の制御を開始
するようにした射出制御方法も本出願人らによって提案
されているが、このような方法を利用して条件出し等の
射出成形作業を行うことも可能である。前述のロードセ
ル8はこのような条件出し作業において射出圧力を検出
して速度制御/圧力制御の切替えを行うような場合に使
用する。
【0021】図3は、射出速度/圧力切替制御モードに
おいて射出成形金型1内部の圧力の変化を検出し、これ
を圧力制御の目標値となる設定値として制御装置10に
設定記憶するための「目標値設定処理」の概略を示すフ
ローチャートである。この処理は、射出成形機の稼働
中、圧力モニタ用CPU17によりサーボ用CPU20
における速度ループの処理と同期して所定周期毎に繰り
返し実行されている。
【0022】「目標値設定処理」を開始した圧力モニタ
用CPU17は、まず、「基準登録モード」の機能メニ
ューが選択されているか否かを判別し(ステップa
1)、この機能メニューが選択されている場合に限り、
ステップa2以降の処理を継続して行う。従って、実質
的な「目標値設定処理」が実施されるのは「基準登録モ
ード」の機能メニューが選択されている場合のみであ
る。「目標値設定処理」は、良品成形時の射出工程にお
ける射出成形金型1内の圧力の変化をサンプリングし、
これを圧力制御の目標値として不揮発性メモリ24に設
定するためのものであるから、オペレータは、条件出し
のための射出成形作業を完了させてから「基準登録モー
ド」の機能メニューを選択する必要がある。なお、「基
準登録モード」の選択は、連続成形作業中にオペレータ
がディスプレイ付手動データ入力装置29のファンクシ
ョンキー9を操作して行うようになっている。
【0023】「基準登録モード」の機能メニューが選択
されている場合、つまり、ステップa1の判別結果が真
となった場合、圧力モニタ用CPU17は、次いで、サ
ンプリング実行フラグF′がセットされているか否かを
判別する(ステップa2)。「基準登録モード」の機能
メニューを選択した直後の段階ではサンプリング実行フ
ラグF′が未設定の状態にあるので、圧力モニタ用CP
U17は、更に、射出開始検出フラグF″がセットされ
ているか否かを判別する(ステップa3)。「基準登録
モード」の機能メニューを選択した直後の段階では射出
開始検出フラグF″も未設定の状態にあり、圧力モニタ
用CPU17は、更に、PMC用CPU18のRAM1
4にアクセスし、射出実行フラグFがセットされている
か否かを判別する(ステップa4)。射出実行フラグF
は、全体のシーケンス動作を制御するPMC用CPU1
8により射出工程の開始指令が出力された時にセットさ
れるフラグであるから、この時点においては、射出実行
フラグFがセットされている場合とセットされていない
場合とがある。つまり、オペレータが「基準登録モー
ド」の機能メニューを選択した時点で既に或る成形サイ
クルの射出工程が開始されていれば射出実行フラグFが
セットされており、また、オペレータが「基準登録モー
ド」の機能メニューを選択した時点で射出工程の処理が
行われていなければ、射出実行フラグFがセットされて
いないことになる。なお、ここでいう射出工程とは、射
出速度/圧力切替制御モードにおける射出工程、つま
り、スクリュー位置を基準として射出/保圧切替位置を
設定することにより射出速度の優先制御と射出圧力の優
先制御との切替えを行うようにした従来と同様の射出工
程、または、射出速度の優先制御を行いながらロードセ
ル8の出力を検知して、その値が所定値に達したときに
射出速度の優先制御を打ち切って予め決めておいた圧力
で射出圧力(保圧圧力)の優先制御を開始するようにし
た従来と同様の射出工程等(要するに条件出し完了後に
良品成形時のサンプリングデータを抽出するために行わ
れる射出制御に過ぎない)のことであって、本発明の要
旨に沿って行われる射出圧力のフィードバック制御を含
むものではない。
【0024】既に射出実行フラグFがセットされている
場合、この時点でサンプリングデータの抽出を開始して
しまうと射出開始直後からこの時点までのデータが抽出
されないことになるので、圧力モニタ用CPU17は、
この時点でサンプリングデータの抽出を開始することは
せず、この成形サイクルにおけるサンプリング処理の実
施を見送って当該処理周期の処理を終わらせ、次の成形
サイクルにおける射出工程の開始を待機することにな
る。また、射出実行フラグFがセットされていなけれ
ば、オペレータが「基準登録モード」の機能メニューを
選択した時点で射出工程の処理が行われていなかったこ
とを意味するので、当然、射出工程におけるサンプリン
グ処理を行うことはできず、圧力モニタ用CPU17
は、射出開始検出フラグF″をセットして(ステップa
5)、次の成形サイクルにおける射出工程の開始を待機
することになる。つまり、このようにして射出開始検出
フラグF″のセットが完了した後、以降の処理周期にお
いて射出実行フラグFのセットが検出されれば、射出実
行フラグFがOFFからONに変化する瞬間、要する
に、射出工程の立上りを検出できるのである。
【0025】結果的に、オペレータが「基準登録モー
ド」の機能メニューを選択した時点で既に射出工程が開
始されていた場合では、この射出工程が完了するまでの
間ステップa1〜ステップa4の判別処理のみが繰り返
し実行され、更に、この射出工程が完了してステップa
5の処理で射出開始検出フラグF″がセットされた後
は、次の射出工程の処理が開始されるまでの間、ステッ
プa1〜ステップa3およびステップa6の判別処理の
みが繰り返し実行されることになる。また、オペレータ
が「基準登録モード」の機能メニューを選択した時点で
射出工程の処理が行われていなかった場合には、既に述
べた通り、ステップa5の処理によりその時点で射出開
始検出フラグF″をセットし、以下、前記と同様にして
ステップa1〜ステップa3およびステップa6の判別
処理のみを繰り返し実行することになる。なお、ステッ
プa6の処理の内容は実質的にステップa4の処理と同
一である。
【0026】そして、圧力モニタ用CPU17がステッ
プa1〜ステップa3およびステップa6の判別処理を
繰り返し実行する間に次の射出工程が開始されると、P
MC用CPU18によって射出実行フラグFがセットさ
れ、圧力モニタ用CPU17はステップa6の判別処理
でこれを検出する。つまり、前述した射出工程の立上り
の検出である。そこで、圧力モニタ用CPU17は、射
出開始検出フラグF″をリセットしてサンプリング実行
フラグF′をセットし、サンプリングデータの記憶領域
を決めるアドレス指標iを零に初期化して(ステップa
7)、射出成形金型1内部の圧力の現在値MPR のサン
プリング処理を開始することになる。なお、サンプリン
グデータを記憶するためにRAM12内に設けられたテ
ーブルの一例を図6に示すので参照されたい。
【0027】サンプリング処理を開始した圧力モニタ用
CPU17は、まず、アドレス指標iの値を1インクリ
メントし(ステップa8)、圧力センサ7からの圧力デ
ータを読み込み、その値をアドレス指標iの値に対応さ
せ、RAM12内のテーブルの記憶領域MPiに記憶す
る(ステップa9)。次いで、圧力モニタ用CPU17
は、射出実行フラグFがリセットされているか否か、即
ち、或る成形サイクルの一射出工程が完了しているか否
かを判別するが(ステップa10)、完了していなけれ
ば、この処理周期における「目標値設定処理」をこのま
ま終了する。なお、射出実行フラグFのリセット操作
は、そのセット時の操作と同様、PMC用CPU18に
よって行われるものであって、圧力モニタ用CPU17
の動作とは直接の関係はない。
【0028】以降の処理周期では、前述したステップa
7の処理によって既にサンプリング実行フラグF′がセ
ットされているので、ステップa1およびステップa2
の判別処理とステップa8〜ステップa10の処理のみ
が繰り返し実行され、順次インクリメントされるアドレ
ス指標iの値に基いて、各サンプリング周期毎の射出成
形金型1内部の圧力現在値MPR の値が前記RAM12
内のテーブルの記憶領域MPiに次々と記憶されてゆく
ことになる。
【0029】そして、PMC用CPU18によって射出
実行フラグFがリセットされ、当該一射出工程の射出お
よび保圧制御が終了したことがステップa10の判別処
理によって検出されると、圧力モニタ用CPU17は
「基準登録モード」の機能メニューの選択を解除してサ
ンプリング実行フラグF′をリセットし、アドレス指標
iの最終値、即ち、サンプリングデータの総数をレジス
タnに移しかえた後、アドレス指標iの値を初期化し
て、サンプリングデータの総数nの値と前記テーブルの
記憶内容の全てを不揮発性メモリ24に転送して記憶さ
せ、RAM12内のデータを消去する(ステップa1
1)。因みに、この一射出工程(保圧を含む)の所要時
間は、「基準登録モード」の処理周期(速度ループの処
理周期)にnを乗じた時間に等しい。
【0030】以上、一例として、良品成形時の射出工程
で得られた射出成形金型1内部圧力のサンプリングデー
タMP1〜MPnの各々を射出成形金型1の内部圧力の
変化の目標値としてそのまま制御装置10に設定記憶す
るようにしたものについて述べたが、更に、これらのデ
ータに修正や編集等の作業を加え、該修正後または編集
後のデータを改めて制御装置10の不揮発性メモリ24
に記憶させるようにしてもよい。修正や編集等の作業方
法としては、不揮発性メモリ24に転送されたテーブル
のデータに対してテンキー等による直接の数値入力操作
で書き替えを行う方法や、サンプリングデータを示す線
図をディスプレイ付手動データ入力装置29に表示させ
てグラフィックカーソルを用いた操作で線図の形状を変
え、これを改めて数値化して前記テーブルの対応位置に
データとして自動的に書き込ませる等の方法があるが、
いずれもデータの編集方法それ自体は従来技術に属する
ものであり、詳細な説明は省略する。
【0031】図2は、条件出し完了後の射出圧力フィー
ドバック制御モードにおいて実行される速度/圧力の切
替え制御の概略を示す機能ブロック図である。ViはC
NC用CPU25からサーボCPU20に与えられる移
動指令、つまり、スクリュー位置を基準として設定され
た各射出段毎の射出速度に応じてCNC用CPU25か
ら出力される所定周期毎の分配パルスである。樹脂の充
填完了または所定位置への到達を検出するために予め設
定された比較値である樹脂圧力εを圧力センサ7が検出
するまでの間は、図2に概念的に示すスイッチSがAの
側に接続されており、前述の移動指令に基く速度制御が
従来と全く同様にして実行される。つまり、CNC用C
PU25が移動指令ViをサーボCPU20へ出力し、
サーボCPU20はこの移動指令Viと射出用サーボモ
ータ5のパルスコーダ6からの位置帰還信号とに基いて
位置ループ処理を行うことにより位置偏差に応じた速度
指令を求め、更に、この速度指令とパルスコーダ6から
の速度帰還信号とに基いて速度ループ処理を行って速度
偏差に応じたトルク指令(電流指令)を求め、従来と同
様に電流ループ処理を行ってサーボアンプ15を介して
射出用サーボモータ5を駆動し、射出速度のフィードバ
ック制御を行うのである。
【0032】また、予め設定された樹脂圧力εを圧力セ
ンサ7が検出するとスイッチSはBの側へと切替えら
れ、CNC用CPU25は、前述のようにして設定され
た射出成形金型1の内部圧力のサンプリングデータMP
i(但しi=1〜n)をサンプリング周期に対応させて
順次読み込み、圧力制御の目標値となるサンプリングデ
ータMPiの値からその時点における型内圧力MPR の
値を減じ、この圧力偏差に所定のゲインを乗じることに
より目標値MPiに匹敵する型内圧力を得るための圧力
指令値Pviを求め、その値を前述の速度指令に代えて
速度ループの処理に入力することにより射出圧力のフィ
ードバック制御を行うことになる。なお、適当なゲイン
を選択するようにすれば、速度ループと電流ループとの
間に前述のスイッチ機能Sを設けて電流ループの処理に
圧力指令値Pviを入力して射出圧力のフィード制御を
行うことも可能である。
【0033】図2に示した機能を実現するための処理の
概略を図4に示す。この処理は、射出圧力フィードバッ
ク制御モード時におけるCNC用CPU25によりサー
ボ用CPU20における速度ループの処理と同期して所
定周期毎に繰り返し実行される処理である。
【0034】CNC用CPU25は、まず、射出実行フ
ラグFがセットされているか否かを判別する(ステップ
b1)。フラグFがセットされていない場合は、この時
点では射出工程の処理が行われていないことを意味する
ので、ステップb2以降の処理は非実行とされ、当該周
期の処理はこれで終了する。
【0035】また、射出工程であれば、CNC用CPU
25は、不揮発性メモリ24に記憶されているサンプリ
ングデータ(図6と同様の構成)を検索するためのアド
レス指標iの値を1インクリメントし(ステップb
2)、当該処理周期に対応するサンプリングデータの読
込みに備える。アドレス指標iの初期値は初期設定で零
にセットされているから、射出実行フラグFがセットさ
れた直後、即ち、射出工程の開始直後に実施される処理
では、ステップb2の処理でiの値が1に設定されるこ
とになる。
【0036】次いで、CNC用CPU25は、圧力制御
切替えフラグMFがセットされているか否かを判別する
(ステップb3)。このフラグMFは圧力センサ7が樹
脂の到達を検出した時点で該CPU25によってセット
されるフラグである。従って、このフラグがセットされ
ていなければ設定射出速度に基いて射出速度のフィード
バック制御を行う必要があり、また、圧力制御切替えフ
ラグMFがセットされていれば、金型内部圧力のサンプ
リングデータMPiと金型内部圧力の現在値MPR とに
基いて圧力のフィードバック制御を行う必要があること
を意味する。
【0037】そこで、圧力制御切替えフラグMFがセッ
トされていなければ、CNC用CPU25は、金型内部
圧力の現在値MPR を圧力モニタ用CPU17を介して
読み込み(ステップb4)、金型内部圧力の現在値MP
R が設定値ε以下であるか否か、即ち、圧力センサ7の
配設位置に樹脂が到達しているか否かを判別する(ステ
ップb5)。
【0038】金型内部圧力の現在値MPR が設定値ε以
下であって圧力センサ7の配設位置まで樹脂が到達して
いなければ、CNC用CPU25はスクリュー位置を基
準として設定された射出速度に応じた移動指令Viを求
めてサーボCPU20に出力し、従来と同様の射出速度
のフィードバック制御を行わせる(ステップb6)。こ
れが図2におけるスイッチSがAの側にある場合の処理
である。
【0039】次いで、CNC用CPU25は、アドレス
指標iの値がサンプリングデータの総数nに達している
か否か、即ち、保圧を含む射出工程の処理を終了させて
も良いか否を判別し(ステップb7)、達していなけれ
ばこの周期の処理をそのまま終了する。
【0040】以下、金型内部圧力の現在値MPR として
ε以下の値が検出され続ける限り、CNC用CPU25
は前記と同様にしてステップb1〜ステップb7の処理
を所定周期毎に繰り返し実行し、サーボCPU20に従
来と同様の射出速度のフィードバック制御を行わせる 一方、圧力センサ7の配設位置に樹脂が到達して圧力セ
ンサ7がその圧力を検出するとステップb5の判別結果
が偽となり、CNC用CPU25は圧力制御切替えフラ
グMFをセットして(ステップb8)、金型内部圧力の
サンプリングデータMPiと金型内部圧力の現在値MP
R とに基く圧力のフィードバック制御を開始することに
なる。
【0041】金型内部圧力のサンプリングデータMPi
と金型内部圧力の現在値MPR とに基く圧力のフィード
バック制御においては、CNC用CPU25がアドレス
指標iの値に基いて不揮発性メモリ24から金型内部圧
力のサンプリングデータMPiを読込み、金型内部圧力
の現在値MPR とその時点での目標値である金型内部圧
力のサンプリングデータMPiとの偏差を求め、この偏
差に所定のゲインを乗じて速度指令に代わる圧力指令P
viを求める処理が行われ、その値がサーボCPU20
の速度ループ処理に入力されることになる(ステップb
10)。これが図2においてスイッチSがBの側にある
場合の処理である。
【0042】圧力制御切替えフラグMFがセットされる
結果、以下の処理周期ではステップb1〜ステップb
3,ステップb9(ステップb4に代わるMPR の読込
み処理)〜ステップb10およびステップb7の処理が
所定周期毎に繰り返し実行され、金型内部圧力の現在値
MPR とその時点での目標値である金型内部圧力のサン
プリングデータMPiとに基く圧力のフィードバック制
御が行われる。
【0043】そして、最終的に、ステップb7の判別処
理でアドレス指標iの値がサンプリングデータの総数n
に達したことが確認されると、CNC用CPU25は、
圧力制御切替えフラグMFをリセットしてアドレス指標
iを零に初期化し(ステップb11)、PMC用CPU
18に射出完了指令を出力して(ステップb12)、そ
の周期の処理を終了する。
【0044】これを受けたPMC用CPU18が射出実
行フラグFをリセットする結果、新たな成形サイクルの
射出工程が開始されて射出実行フラグFが再びセットさ
れるまでの間、前述した速度および圧力のフィードバッ
ク制御は実質的な休止状態に入る。そして、再び次の成
形サイクルの射出工程が開始されると、初期化されたア
ドレス指標iの値を初期値として、前記と同様の処理が
繰り返し実行されることになる。
【0045】以上に述べた通り、射出開始直後から樹脂
が圧力センサ7の配設位置に到達するまでの間は設定射
出速度に基いた射出速度のフィードバック制御が行われ
る一方、樹脂が圧力センサ7の配設位置に到達してから
射出保圧工程が完了するまでの間は、圧力センサ7によ
り射出成形金型1内の樹脂圧力を直接検出して金型内圧
力のフィードバック制御が行われるようになっているの
で、射出から保圧への切替えを適確に検出することがで
き、保圧の全工程に亘って金型内部圧力の制御を確実に
行うことができる。
【0046】図7は射出圧力フィードバック制御モード
時におけるスクリュー駆動力と金型内部圧力との関係を
示す概念図であり、図中実線で示す金型内部圧力の実測
値の変化は、結果的に、目標値となる金型内部圧力MP
iの時系列データと概略において一致する。前述した射
出圧力フィードバック制御モードの処理において金型内
部圧力の現在値MPR が設定値εに達するまでの区間で
は射出圧力のフィードバック制御は実施されず、それ以
前の速度制御が引き続き行われることになるが、設定射
出速度に基く速度のフィードバック制御が正常に行われ
る限り、速度制御から圧力制御への切替え時点であるP
の区間で金型内部圧力の波形に大きな狂いが生じること
はない。また、Qの区間では目標値となる金型内部圧力
MPiが徐々に増大しているため、これを実現するため
のスクリュー駆動力(サーボモータ5の出力)も徐々に
増大する。また、Qの区間を過ぎると目標値となる金型
内部圧力MPiがピークを越えて徐々に減少するが、同
時に、冷却によるゲートシール等によりスクリュー3の
駆動力が射出成形金型1内部に伝達されにくくもなるの
で、射出成形金型1内の圧力偏差を解消するために必要
とされるスクリュー3の駆動力自体はそれほど減少せ
ず、結果的に、相当に大きなスクリュー3の駆動力によ
り、射出成形金型1内部の樹脂圧力が比較的低い値の目
標値MPiに保持されることになる。
【0047】ロードセル8や射出シリンダ2内の圧力セ
ンサによって保圧圧力のフィードバック制御を実施する
従来の射出制御方法では射出シリンダ2内の樹脂圧力を
検出することによってスクリュー3の駆動力を決めるよ
うにしており、ゲートシール等によりスクリュー3の駆
動力が射出成形金型1内部に伝達されなくなって実質的
な型内圧力が減少する点に関しては全く考慮されておら
ず、ゲートシール等による保圧圧力の降下に対処するこ
とはできないが、本実施形態の射出制御方法ではゲート
シール等の状況に関わりなく、射出成形金型1内の樹脂
圧力を設定圧力MPiに適確に保持することができる。
ロードセル8や射出シリンダ2内の圧力センサによって
保圧圧力のフィードバック制御を実施する従来の射出制
御方法においては目標値となるサンプリングデータその
ものが射出シリンダ2内の樹脂圧力であるので、一見、
射出シリンダ2内の樹脂圧力をフィードバックして設定
圧力に保持するだけでサンプリング時の型内圧力が再現
されそうなものであるが、実際には、金型やシリンダ温
度(樹脂温度)等の変化によってゲートのシール状態が
様々に変化するので、射出シリンダ2内の樹脂圧力をサ
ンプリングデータに保持したとしてもサンプリング時と
同じ型内圧力を再現することは不可能である。これに対
し、本実施形態の射出制御方法では良品成形時における
射出成形金型1内部の圧力変化をサンプリングし、か
つ、射出成形金型1内部の圧力変化を直に検出して保圧
圧力のフィードバック制御を行うようにしているので、
ゲートシール等の外乱の影響によって保圧圧力の再現が
疎外されることはほとんどない。
【0048】また、射出開始直後から樹脂が圧力センサ
7の配設位置に到達するまでの間は設定射出速度に基く
射出速度のフィードバック制御を適用した射出制御を行
うようにしているので、射出成形金型1内部に圧力セン
サ7を備えた構成でありながら、射出開始直後および樹
脂の充填段階における射出制御を有効に行うことができ
る。
【0049】以上、射出成形金型1の内部圧力の現在値
MPR を実際に検出することによって樹脂が圧力センサ
7の配設位置に到達しているか否かを判定して圧力制御
を切り替えるようにした例について説明したが、不揮発
性メモリ24に記憶されたサンプリングデータを参照す
ることによってこれを判定することも可能である。
【0050】サンプリングデータを参照して圧力センサ
7への樹脂の到達を判定するようにした場合の処理を図
5に示す。なお、図5に示すステップc1〜ステップc
3,ステップc6〜ステップc8,ステップc10〜ス
テップc12の各処理は既に図4で説明したステップb
1〜ステップb3,ステップb6〜ステップb8,ステ
ップb10〜ステップb12の各処理と全く同一である
ので説明は省略する。
【0051】図5に示す例が図4で説明した例と相違す
るのは、まず、図4の例では射出成形金型1の内部圧力
の現在値MPR を実際に読込んでその値がε以下である
か否かを判別することにより圧力センサ7に樹脂が到達
しているか否かを判定しているのに対し(図4:ステッ
プb4〜ステップb5)、図5の例では、不揮発性メモ
リ24に記憶した射出成形金型1の内部圧力のサンプリ
ングデータから1周期先の射出成形金型1の内部圧力の
サンプリングデータMPi+1 を読込み、その値が設定値
ε以内であるか否かによって、次の速度ループの処理周
期で圧力センサ7に樹脂が到達するか否かを予測してい
る点である(図5:ステップc5)。
【0052】ここで、サンプリングデータMPi+1 が設
定値ε以内であれば、当然、その1周期手前である当該
処理周期における射出成形金型1の内部圧力のサンプリ
ングデータMPiの値もε以内である。従って、この時
点では樹脂が圧力センサ7に到達していないことを意味
し、当該処理周期においては設定射出速度に基いた射出
速度のフィードバック制御を行うための処理が適用され
る(図5:ステップc6)。
【0053】また、サンプリングデータMPi+1 が設定
値ε以内でなくても、圧力制御切替えフラグMFがセッ
トされていない限りは、その1周期手前の当該処理周期
における射出成形金型1の内部圧力のサンプリングデー
タMPiの値は設定値ε以内であるから(後述の理由に
よる)、当該処理周期においては設定射出速度に基いた
射出速度のフィードバック制御を行うための処理を適用
する必要がある。但し、この場合、次の処理周期で圧力
センサ7に樹脂が到達することは明らかであるから、圧
力制御切替えフラグMFをこの時点でセットしておき
(図5:ステップc8)、前記と同様にして設定射出速
度に基いた射出速度のフィードバック制御を行う(図
5:ステップc6)。つまり、良品成形時のサンプリン
グ時においても圧力センサ7は樹脂が始めて到達するま
では常に設定値ε以内の値を検出し、また、一旦樹脂が
到達してしまってからは常に設定値ε以上の値を検出し
続けるので、図5のステップc5に示すようにしてサン
プリング完了後の圧力のフィードバック制御時において
サンプリング周期を基準に常に1周期先の内部圧力のサ
ンプリングデータMPi+1 を先読みしてゆき、ε以上の
値を有するサンプリングデータMPi+1 が検出された最
初の処理周期、つまり、i番目の処理周期でフラグMF
をセットし、当該処理周期で設定射出速度に基く最後の
速度のフィードバック制御を行って、i+1番目である
次の処理周期から金型内部圧力の現在値MPR とその時
点での目標値である金型内部圧力のサンプリングデータ
MPi+1 とに基く圧力のフィードバック制御を開始すれ
ばよいのである。図4におけるステップb8実行後の分
岐先と図5におけるステップc8実行後の分岐先とが異
なるのは、このような理由によるものである。
【0054】その他については図4に示した例と全く同
様である。
【0055】
【発明の効果】本発明による射出制御方法は、樹脂の充
填を射出成形金型内の圧力センサで確認してから予め設
定された射出成形金型内部の圧力と前記圧力センサによ
って検出される現在圧力とに基いて射出圧力のフィード
バック制御を開始するようにしているので、スクリュー
位置の指定やスクリューの基部に取り付けたロードセル
の負荷検出によって速度制御から圧力制御への切替えを
行う従来の射出制御方法とは違い、キャビティ内への樹
脂の充填を適確に判定して射出速度制御から圧力制御へ
の切替えを行うことができる。また、射出成形金型内部
の圧力センサによって射出成形金型内部の樹脂圧力を直
に検出することで射出圧力のフィードバック制御を行う
ようにしているので、スクリューの基部に取り付けたロ
ードセルや射出シリンダ内に取り付けた圧力センサ等に
よって樹脂反力を検出して圧力のフィードバック制御を
行うようにした従来の射出制御方法とは違って、樹脂の
固化やゲートシール等の外乱によって射出成形金型内部
の樹脂圧力と検出樹脂圧力との間に差が生じることがな
く、正確な検出圧力に基く圧力のフィードバック制御に
より、設定された射出成形金型内部の圧力を正確に再現
することができる。また、射出成形金型内に樹脂が充填
されるまでの間は射出速度によって射出制御を行うよう
にしているので、射出成形金型内部に圧力センサを設け
射出の全工程に亘って射出圧力のフィードバック制御を
行うようにした従来の射出制御方法とは違って射出開始
直後の射出動作が不安定となることはなく、射出の全工
程に亘って適確な射出制御を行うことができる。
【0056】また、目標値となる射出成形金型内部の圧
力として良品成形時のサンプリングデータを用い、しか
も、樹脂が圧力センサに到達したか否は、射出工程にお
けるサンプリング周期毎に圧力センサの検出値または予
め制御装置に設定した射出成形金型内部の圧力を読込
み、その値が所定値以上になっているか否かによって判
定するようにしたので、良品成形時と同じ状態の圧力変
化を正確に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出制御方法を適用した一実施形態の
電動式射出成形機の要部を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における圧力のフィードバック制御
の概略を示す機能ブロック図である。
【図3】同実施形態の射出成形機の制御装置による目標
値設定処理の概略を示すフローチャートである。
【図4】同実施形態の射出成形機の制御装置により圧力
制御を実施するための速度ループ処理の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図5】圧力制御を実施するための速度ループ処理の他
の例を示すフローチャートである。
【図6】サンプリングデータを記憶するテーブルの一例
を概念的に示す図である。
【図7】射出圧力フィードバック制御モード時における
スクリュー駆動力と金型内部圧力との関係を一例で示す
概念図である。
【符号の説明】
F 射出実行フラグ F′ サンプリング実行フラグ F″ 射出開始検出フラグ MF 圧力制御切替えフラグ i アドレス指標 MPR 射出成形金型の内部圧力の現在値 MPi 射出成形金型の内部圧力のサンプリングデータ
(内部圧力の目標値) n サンプリングデータの総数 Vi 位置指令 1 射出成形金型 2 シリンダ 3 スクリュー 4 動力伝達機構 5 射出用サーボモータ 6 パルスコーダ 7 圧力センサ 8 ロードセル 10 制御装置 16 A/D変換器 17 圧力モニタ用CPU 24 不揮発性メモリ 25 CNC用CPU 29 ディスプレイ付手動データ入力装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形金型内部の圧力を検出する圧力
    センサを設け、射出成形金型内部の圧力の変化を制御装
    置に設定しておき、樹脂が圧力センサに到達するまでの
    間は設定射出速度に基いて射出速度の制御を行う一方、
    樹脂が前記圧力センサに到達してからは前記設定した射
    出成形金型内部の圧力と前記圧力センサによって検出さ
    れる現在圧力とに基いて射出圧力のフィードバック制御
    を行うようにしたことを特徴とする射出成形機の射出制
    御方法。
  2. 【請求項2】 前記設定した射出成形金型内部の圧力が
    良品成形時のサンプリングデータである請求項1記載の
    射出成形機の射出制御方法。
  3. 【請求項3】 射出工程におけるサンプリング周期毎に
    前記圧力センサの検出値を読み込み、その値が所定値以
    上になると樹脂が前記圧力センサに到達したものと見做
    すようにした請求項1または2記載の射出成形機の射出
    制御方法。
  4. 【請求項4】 射出工程におけるサンプリング周期毎に
    前記設定した射出成形金型内部の圧力を読込み、その値
    が所定値以上になると樹脂が前記圧力センサに到達した
    ものと見做すようにした請求項1または2記載の射出成
    形機の射出圧力制御方法。
JP18499995A 1995-06-29 1995-06-29 射出成形機の射出制御方法 Pending JPH0911287A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112739515A (zh) * 2018-09-21 2021-04-30 佳能弗吉尼亚股份有限公司 注射模制***

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112739515A (zh) * 2018-09-21 2021-04-30 佳能弗吉尼亚股份有限公司 注射模制***

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Effective date: 20040330

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