JPH09112535A - 分割式のすべり軸受け構造 - Google Patents

分割式のすべり軸受け構造

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JPH09112535A
JPH09112535A JP27018695A JP27018695A JPH09112535A JP H09112535 A JPH09112535 A JP H09112535A JP 27018695 A JP27018695 A JP 27018695A JP 27018695 A JP27018695 A JP 27018695A JP H09112535 A JPH09112535 A JP H09112535A
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sliding bearing
cap
connecting rod
bearing
sliding
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JP27018695A
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Zenichiro Kato
善一郎 加藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレッティングおよびベアリング打音による
騒音が発生しない分割式のすべり軸受け構造を提供す
る。 【解決手段】 2分割され締結部材で締結されるコンロ
ッド1とキャップ2との間でクランクピン10を支持す
るよう形成されるハウジング内に、コンロッド1の内周
側に当接される第1すべり軸受け3と、キャップ2の内
周側に当接される第2すべり軸受け4と、を備え、第1
すべり軸受け3は、第1すべり軸受け3の周方向両端部
にコンロッド1とキャップ2のなす合わせ面に当接する
当接部を備え、第2すべり軸受け4は、第2すべり軸受
け4の周方向の膨張が起きないように第2すべり軸受け
4の張力を吸収する張力吸収部を備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分割式のすべり軸受
け構造に関し、特に内燃機関のピストンとクランクシャ
フトを連結するコンロッドの大端部に適用される分割式
のすべり軸受け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のクランクシャフトはピストン
の直線往復運動をコンロッドを介して回転運動に変える
ものである。このコンロッドは、コネクティングロッド
の略称であり、ピストン側を小端部、クランクシャフト
側を大端部と呼び、大端部は一般的に2分割されてい
る。コンロッドの小端部ではピストンに結合されるピス
トンピンが固定され、コンロッドの大端部では2分割さ
れるピストン側のコンロッド本体(以下単にコンロッド
と記す)とクランクシャフト側のキャップとでハウジン
グが形成され、そのハウジング内にクランクシャフトの
回転中心軸にアームを介して連結されるクランクピンが
分割式のすべり軸受けを介挿して収められ支持される。
またコンロッドとキャップとは締めつけボルトにより締
結される。
【0003】上記分割式のすべり軸受けの各半割れは、
ハウジングを形成するコンロッドまたはキャップに取り
付けられたとき、すべり軸受けを収容するコンロッドま
たはキャップの内周長より長い外周長をもつよう形成さ
れる。コンロッドまたはキャップの内周長からはみ出し
たすべり軸受けの部分の周方向長さをクラッシュハイト
と呼んでいる。コンロッドとキャップで形成されるハウ
ジング内にすべり軸受けを組み付ける際、すべり軸受け
はクラッシュハイト分だけ円周方向に圧縮変形され、こ
れによりすべり軸受けとすべり軸受けが支えるクランク
ピンとの間隙、すなわちオイルクリアランスが好適に設
定される。オイルクリアランスの設定は過小だとすべり
軸受けの加熱や焼き付きの原因となり、過大だとすべり
軸受けとクランクピンとの間の騒音やすべり軸受け内オ
イルの流出の原因となる。
【0004】実開昭63−51923号公報に記載の分
割式のすべり軸受け構造には、キャップ側のすべり軸受
けの周方向端部に、過荷重に対して塑性変形するクラッ
シュハイト部を形成することで、剛性の弱いキャップ側
の膨張を生じるような過締め付け力が吸収されることが
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記実開
昭63−51923号による分割式のすべり軸受け構造
においては、コンロッド側とキャップ側の各すべり軸受
けの周方向端部の位置が固定されていないので、両すべ
り軸受けが周方向に回転し、また両すべり軸受けの締め
付け力が同一となる。従って、コンロッド側と比して剛
性の弱いキャップ側の軸受けの締め付け力が低下するの
に伴いコンロッド側の締め付け力も低下し、コンロッド
側すべり軸受けとコンロッドとの間およびキャップ側す
べり軸受けとキャップとの間の摩擦力がそれぞれ低下す
る。その結果、両すべり軸受けが周方向に位置ズレし、
コンロッドおよびキャップに面するすべり軸受け背面に
フレッティング(損傷)が発生する。またオイルクリア
ランスが大きくなりベアリング(軸受け)の打音による
騒音が発生する。それゆえ本発明は上記問題、すなわち
フレッティングが発生し、ベアリング打音による騒音が
発生するという問題を解決する分割式のすべり軸受け構
造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決する本発
明による第一の分割式のすべり軸受け構造は、2分割さ
れ締結部材で締結される第1支持部材と第2支持部材と
の間で棒状シャフトを支持するよう形成されるハウジン
グ内に、第1支持部材の内周側に当接される第1すべり
軸受けと、その第1すべり軸受けの外径とほぼ同一外径
を有し、第2支持部材の内周側に当接される第2すべり
軸受けと、を備えた分割式のすべり軸受け構造におい
て、前記第1すべり軸受けは、その第1すべり軸受けの
周方向両端部に、前記第1支持部材と第2支持部材との
間に形成されるそれぞれの合わせ面に当接する当接部を
備え、前記第2すべり軸受けは、前記第2支持部材の周
方向の膨張が起きないようにその第2すべり軸受けの張
力を吸収する張力吸収部を備えたことを特徴とする。
【0007】第1すべり軸受けが第1支持部材に押しつ
けられる張力の反力は、第1すべり軸受けの当接部を介
して第2支持部材の合わせ面に伝わり、第2すべり軸受
けには伝わらない。更に、分割式のすべり軸受けを組み
付けた後に第2すべり軸受けに発生する張力が張力吸収
部で吸収されるので、第2支持部材の周方向の膨張が抑
えられる。
【0008】上記問題を解決する本発明による第二の分
割式のすべり軸受け構造は、2分割され締結部材で締結
される第1支持部材と第2支持部材との間で棒状シャフ
トを支持するよう形成されるハウジング内に、第1支持
部材の内周側に当接される第1すべり軸受けと、その第
1すべり軸受けの外径とほぼ同一外径を有し、第2支持
部材の内周側に当接される第2すべり軸受けと、を備え
た分割式のすべり軸受け構造において、前記第1すべり
軸受け、または、第2すべり軸受けの周方向の両回転方
向の位置ズレを防止するすべり軸受け固定部を、前記第
1すべり軸受け、および、第2すべり軸受けのそれぞれ
の周方向両端部の少なくとも一方の端部に設け、且つ、
該すべり軸受け固定部を、前記第一支持部材と第2支持
部材との間に形成されるそれぞれの合わせ面の近傍に少
なくとも1つ設けたことを特徴とする。
【0009】第1すべり軸受けおよび第2すべり軸受け
の周方向端部に設けられたすべり軸受け固定部により第
1すべり軸受けおよび第2すべり軸受けのそれぞれの周
方向端部が固定されるため、第1すべり軸受けおよび第
2すべり軸受けがそれぞれ第1支持部材および第2支持
部材に押しつけられる張力を独立して設定することがで
きる。また上記すべり軸受け固定部により第1すべり軸
受けまたは第2すべり軸受けの周方向の両回転方向の位
置ズレが防止される。
【0010】本発明の第二の分割式のすべり軸受け構造
において、前記第2すべり軸受けは、前記第2支持部材
の周方向の膨張が起きないように第2すべり軸受けの張
力を吸収する張力吸収部を備えたことを特徴とする。
【0011】張力吸収部を設けたことにより、第2支持
部材の剛性が低いものに適用すると第2すべり軸受けに
発生する張力が吸収されるので、第2支持部材の膨張が
抑えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明による第一実施例の
分割式のすべり軸受け構造を示す図である。本図以降の
図面において同一の構成要素は同一参照番号を付して示
す。図1に示す分割式のすべり軸受け構造はコンロッド
の大端部を示したものである。図示しないコンロッドの
小端部では内燃機関のピストンに結合されるピストンピ
ンが固定される。コンロッドの大端部は、第1支持部材
(コンロッド)1と第2支持部材(キャップ)2とに2
分割される。コンロッド1とキャップ2とで形成される
ハウジング内にはクランクピン10が分割式のすべり軸
受けを介挿して収められ支持され、コンロッド1とキャ
ップ2とは締めつけボルト11、12により締結され
る。また分割式のすべり軸受けは、第1すべり軸受け
(コンロッド側軸受け)3と、第2すべり軸受け(キャ
ップ側軸受け)4とからなる。
【0013】図2は図1に示すすべり軸受けを右上方か
ら見た斜視図であり、(a)は爪7を示す図であり、
(b)はクラッシュリリーフ5、6を示す図である。図
3は図1に示すすべり軸受けを左上方から見た斜視図で
あり、(a)は爪8、9を示す図であり、(b)はクラ
ッシュリリーフ5、6を示す図である。以下、図1〜図
3を用いて第一実施例の分割式のすべり軸受け構造を詳
細に説明する。第一実施例のすべり軸受けは荷重吸収部
として、コンロッド側軸受け3にはその周方向端部の内
周面にクラッシュリリーフ5が設けられ、キャップ側軸
受け4にはその周方向端部の内周面にクラッシュリリー
フ6が設けられる。コンロッド側軸受け3およびキャッ
プ側軸受け4は、コンロッド1またはキャップ2の内周
長からはみ出した部分が設けられ、このはみ出した部分
の周方向長さをクラッシュハイトと呼んでいる。コンロ
ッド1とキャップ2との間のハウジング内にすべり軸受
け、すなわちコンロッド側軸受け3とキャップ側軸受け
4とを組み付ける際、これらのすべり軸受け3、4はク
ラッシュハイト分だけ円周方向に圧縮変形される。しか
しながら、上記はみ出した部分はクラッシュリリーフ
5、6によりそれぞれ吸収されるので、すべり軸受け組
み付け後を示す図1および図2からは上記はみ出した部
分を見ることが出来ない。すべり軸受け3、4がクラッ
シュハイト分だけ円周方向に圧縮変形することにより、
すべり軸受け3、4がコンロッド1、および、キャップ
2にそれぞれ密着する。
【0014】図2の(b)に示すように、クラッシュリ
リーフ5、6は、すべり軸受け3、4の周方向端部の内
周面側をクラッシュリリーフ5に対しては巾d、長さh
だけ、クラッシュリリーフ6に対しては巾D、長さHだ
けそれぞれ削り取った部分である。クラッシュリリーフ
5、6はこれら巾と長さの関係が好ましくはd<Dまた
はh<Hの関係をもつように形成される。このようにキ
ャップ2側のクラッシュリリーフ6の量をコンロッド1
側のクラッシュリリーフ5の量より大きく設ける理由
は、キャップ2の剛性がコンロッド1の剛性より弱いた
め、剛性の弱い方のキャップ2の変形をより多く吸収で
きるようにするためである。なお、このように剛性に応
じてクラッシュリリーフ量を設定する代わりに、すべり
軸受けの材料を剛性に応じて選択してもよい。
【0015】コンロッド側軸受け3はそれぞれの周方向
端部に突起部すなわち爪7および8を備え、キャップ側
軸受け4は一方の周方向端部に突起部すなわち爪9を備
える。爪7はコンロッド1とキャップ2の合わせ面14
でキャップ2に当接して止められるコンロッド側軸受け
3の当接面を有する。爪8は爪7とは反対側の周方向端
部に設けられ、爪7と同様にコンロッド1とキャップ2
の合わせ面15でキャップ2に当接して止められるコン
ロッド側軸受け3の当接面を有する。一方、爪9は爪7
や爪8と同様にコンロッド1とキャップ2の合わせ面1
5でコンロッド1に当接して止められるキャップ側軸受
け4の当接面を有するが、爪9はコンロッド1とキャッ
プ2で形成されるハウジング内にすべり軸受け3、4を
組み付ける際の単なる位置合わせとして使用される。な
お、これら爪7、8、9の背面側に対応するコンロッド
1およびキャップ2の部分は凹んでおり爪7、8、9を
収容する隙間が設けられている。
【0016】以上説明した第一実施例の構成によれば、
コンロッド1側すべり軸受け3がコンロッド1に押しつ
けられる張力の反力は、コンロッド1側すべり軸受け3
の当接部を介してキャップ2の合わせ面14、15に伝
わり、キャップ2側すべり軸受け4には伝わらない。従
って、コンロッド1側すべり軸受け3のクラッシュハイ
ト量をキャップ2側すべり軸受け4のクラッシュハイト
量より大きく設定することで、すべり軸受け3、4の張
力を独立して設定できる。更に、キャップ2側すべり軸
受け4の周方向の過荷重が伝わったときには、キャップ
2側すべり軸受け4の張力吸収部、例えばクラッシュリ
リーフ6でキャップ2側すべり軸受け4の周方向長さを
変化させて荷重を吸収することにより、キャップ2側す
べり軸受け4の張力に起因するキャップ2の膨張が抑え
られる。
【0017】図4は本発明による第二実施例の分割式の
すべり軸受け構造を示す図である。図4に示す第二実施
例のすべり軸受けを右上方から見た斜視図は、図1に示
す第一実施例のすべり軸受けを右上方から見た斜視図で
ある。図5は図4に示すすべり軸受けを左上方から見た
斜視図であり、(a)は爪29を示す図であり、(b)
はクラッシュリリーフ25、26を示す図である。図1
に示した第一実施例の分割式のすべり軸受け構造と異な
る点のみ以下に説明する。コンロッド1側すべり軸受け
23は一方の周方向端部のみに突起部すなわち爪27を
備え、キャップ2側すべり軸受け24は一方の周方向片
端部に突起部すなわち爪29を備える。爪27はピスト
ンの直線往復運動により回転運動するクランクシャフト
のクランクピン10の回転方向13に対してコンロッド
1側すべり軸受け23が回されないように設けられる。
そのため、爪27はコンロッド1とキャップ2の合わせ
面14でキャップ2に当接して止められるコンロッド1
側すべり軸受け23の当接面を有する。同様に、爪29
はクランクピン10の回転方向13に対してキャップ2
側すべり軸受け24が回されないように設けられる。そ
のため、爪29はコンロッド1とキャップ2の合わせ面
15でコンロッド1に当接して止められるキャップ2側
すべり軸受け24の当接面を有する。
【0018】これら爪27、29の背面側に対応するコ
ンロッド1およびキャップ2の部分は凹んでおり爪2
7、29を収容する隙間が設けられている。またこの隙
間は、コンロッド1とキャップ2で形成されるハウジン
グ内にすべり軸受け23、24を組み付けた状態で僅か
に爪27、29が移動できる程度に設けられる。従っ
て、すべり軸受け23、24が回転しようとすると、直
ちに爪27、29はコンロッド1またはキャップ2の凹
部表面にぶつかり、すべり軸受け23、24の回転によ
る位置ズレは防止される。
【0019】以上説明した第二実施例の構成によれば、
コンロッド1側すべり軸受け23およびキャップ2側す
べり軸受け24の周方向端部に設けられたすべり軸受け
固定部、すなわち爪27と爪29とによりコンロッド1
側すべり軸受け23およびキャップ2側すべり軸受け2
4のそれぞれの周方向端部が固定されているため、コン
ロッド1側すべり軸受け23およびキャップ2側すべり
軸受け24がコンロッド1およびキャップ2に押しつけ
られる張力をそれぞれ独立して設定することができる。
従って、コンロッド1側すべり軸受け23のクラッシュ
ハイト量をキャップ2側すべり軸受け24のクラッシュ
ハイト量より大きく設定することができる。また第二実
施例では張力吸収部、すなわちクラッシュリリーフ26
を設けたことにより、キャップ2の剛性が弱いものに適
用すると、キャップ2のキャップ2側すべり軸受け24
に発生する張力が吸収され、キャップ2の膨張が抑えら
れる。
【0020】図6は実施例のすべり軸受けの周方向端部
を示す図であり、(a)はコンロッド側すべり軸受けの
周方向端部を示す図であり、(b)はキャップ側すべり
軸受けの周方向端部を示す図である。以降の説明におい
て、第二実施例の説明に使用された参照番号には括弧を
付して示す。図1〜図5を用いて説明したクラッシュリ
リーフ5、6(25、26)は、前述したようにコンロ
ッド1とキャップ2とで形成されるハウジング内にコン
ロッド1側すべり軸受け3(23)とキャップ2側すべ
り軸受け4(24)とを組み付ける際に、すべり軸受け
3、4(23、24)が円周方向に圧縮変形されるクラ
ッシュハイト量を吸収する手段である。図6はすべり軸
受け63、64の円周方向への圧縮変形量を吸収するそ
の他の手段を示すものであり、第一および第二実施例に
適用可能な張力吸収部を示すものである。
【0021】第一実施例に適用する場合、コンロッド1
側すべり軸受け3は、図6の(a)に示す周方向端部の
構成を例えば左右対象に周方向両端部に設け、キャップ
2側すべり軸受け4は、図6の(b)に示す周方向端部
の構成を例えば左右対象に周方向両端部に設けて構成す
る。なお本発明はこれらすべり軸受け3、4の周方向端
部をそれぞれ左右対象に構成することに限定されるもの
ではない。この構成において、コンロッド1側すべり軸
受け3の図6の(a)に示す周方向両端部の突起部61
とキャップ2側すべり軸受け4の図6の(b)に示す周
方向両端部の突起部62とは、すべり軸受け63とすべ
り軸受け64とを上下に重ね合わせたときに重ね合わさ
らない位置に設けられる。第二実施例に適用する場合、
例えばコンロッド1側すべり軸受け3は、図6の(a)
に示す周方向端部の構成を一方の周方向端部に設け、キ
ャップ2側すべり軸受け4は、図6の(b)に示す周方
向端部の構成を一方の周方向端部に、図6の(a)に示
す周方向端部の構成をもう一方の周方向端部にそれぞれ
設けて構成する。この構成において、コンロッド1側す
べり軸受け3の図6の(a)に示す一方の周方向端部の
突起部61とキャップ2側すべり軸受け4の図6の
(b)に示す突起部62とは、すべり軸受け63とすべ
り軸受け64とを上下に重ね合わせたときに重ね合わさ
らない位置に設けられる。次に図6に示すすべり軸受け
の周方向端部の構成を説明する。
【0022】第一および第二実施例に適用して上述した
ように、コンロッド1とキャップ2とで形成されるハウ
ジング内にコンロッド1側すべり軸受け63とキャップ
2側すべり軸受け64とを組み付ける際、すべり軸受け
63とすべり軸受け64とを上下に重ね合わせたとき、
図6の(a)に示す突起部61と図6の(b)に示す突
起部62とは重ね合わさらない位置に設けられる。突起
部61はコンロッド1側すべり軸受け63の周方向端面
と同一平面を有する。突起部62はキャップ2側すべり
軸受け64の周方向端面より深さdだけ凹んだ平行平面
65を有する。これらの突起部61、62は、回り止め
のためそれぞれすべり軸受け63、64の外周より外側
に突き出している。従って、コンロッド1側すべり軸受
け63の周方向端部の断面積S1 の方がキャップ2側す
べり軸受け64の周方向端部の断面積S2 より大きい
(S1 >S2 )。また、突起部61の巾aは突起部62
の巾bとほぼ同じ長さに設けられる。すべり軸受け周方
向端部の断面積をS1 >S2 とすることにより、キャッ
プ2側すべり軸受け64の面圧をコンロッド1側すべり
軸受け63の面圧より高くし、キャップ2側すべり軸受
け64を変形しやすくしている。また、キャップ2側す
べり軸受け64の面圧をコンロッド1側すべり軸受け6
3の面圧よりさらに高くするため、突起部61の巾aを
突起部62の巾bより小さい長さ(a<b)にしてもよ
い。
【0023】次に、先に説明した第一および二の実施例
の構成により、コンロッド1側すべり軸受け3のクラッ
シュハイト量をキャップ2側すべり軸受け4のクラッシ
ュハイト量より大きく設定することができる利点につい
て以下に説明する。従来技術によれば、クラッシュハイ
ト量はコンロッド1側すべり軸受け3もキャップ2側す
べり軸受け4も同一に設定されていた。従って、剛性の
弱いキャップ2側に張力が働き、キャップ2が変形し、
すべり軸受け3、4の外周面とコンロッド1やキャップ
2の内周面との間の密着力を十分に得られなかった。し
かるに、本発明の第一実施例の構成において、爪7、8
を設けたことにより、コンロッド1側すべり軸受け3が
コンロッド1に押しつけられる張力の反力は、コンロッ
ド1側すべり軸受け3の爪7、8を介してキャップ2の
合わせ面に伝わり、キャップ2側すべり軸受け4には伝
わらない。第二実施例の構成において、爪27、29を
設けたことにより、すべり軸受け3、4の周方向端部が
固定されるため、すべり軸受け3、4がそれぞれコンロ
ッド1およびキャップ2に押しつけられる張力を独立し
て設定することができ、かつ爪27、29によりすべり
軸受け3、4の周方向の両回転方向の位置ズレが防止さ
れる。
【0024】また第一および第二実施例の構成におい
て、キャップ2側すべり軸受け4(24)に発生する張
力を吸収するクラッシュハイト6(26)や図6で説明
した張力吸収部を設けたことにより、コンロッド1、ま
たはキャップ2との間で十分な密着力を得るためコンロ
ッド1側すべり軸受け3(23)のクラッシュハイト量
をキャップ2側すべり軸受け4(24)のクラッシュハ
イト量より大きく設定しても、すべり軸受け組み付け
後、キャップ2側すべり軸受け4(24)に反力がかか
らず、キャップ2の周方向の膨張が抑制され、キャップ
2が変形しない。換言すれば、従来技術ではコンロッド
1とキャップ2のクラッシュハイト量を同一に設定せざ
るを得ず十分な密着力を得ることができなかったが、本
発明によれば十分な密着力を得るためコンロッド1やキ
ャップ2の剛性に応じてコンロッド1側すべり軸受け3
(23)やキャップ2側すべり軸受け4(24)のクラ
ッシュハイト量を設定できる。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明によれば当接部を設けた
ことにより、第1すべり軸受けが第1支持部材に押しつ
けられる張力の反力は、第1すべり軸受けの当接部を介
して第2支持部材の合わせ面に伝わり、第2すべり軸受
けには伝わらないので、第1すべり軸受けと第2すべり
軸受けが支持する軸との間のオイルクリアランスが適切
となるように第1支持部材と第2支持部材の剛性に応じ
て、例えば第1すべり軸受けと第2すべり軸受けのそれ
ぞれのクラッシュハイト量をそれぞれ独立して設定する
ことで、コンロッドまたはキャップとの間の密着力を独
立して設定することができ、その結果すべり軸受けの背
面のフレッティングならびにベアリング打音による騒音
の発生を防止できる。
【0026】請求項2の発明によればすべり軸受け固定
部を設けたことにより、第1すべり軸受けおよび第2す
べり軸受けの周方向端部に設けられたすべり軸受け固定
部により第1すべり軸受けおよび第2すべり軸受けのそ
れぞれの周方向端部が固定されているため、第1および
第2すべり軸受けがそれぞれ第1および第2支持部材に
押しつけられる張力を独立して設定することができ、そ
れゆえすべり軸受けとすべり軸受けが支持する軸との間
のオイルクリアランスが適切となるように、第1および
第2支持部材の剛性に応じて第1および第2すべり軸受
けのクラッシュハイト量を独立に設定することができ
る。すなわち剛性の強い方のクラッシュハイト量を大き
く、剛性の弱い方のクラッシュハイト量を小さく設定で
きる。また、上記構成により第1および第2すべり軸受
けの回転が阻止され、その結果、すべり軸受けの背面の
フレッティングならびにベアリングの打音による騒音の
発生を防止できる。
【0027】請求項1および3の発明によれば張力吸収
部を設けたことにより、第2支持部材の膨張が抑えられ
るため、すべり軸受けのオイルクリアランスが過大とな
らず適切な量のオイルクリアランスが保持され、すべり
軸受け背面のフレッティングならびにベアリングの打音
による騒音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第一実施例の分割式のすべり軸受
け構造を示す図である。
【図2】図1に示すすべり軸受けを右上方から見た斜視
図であり、(a)は爪7を示す図であり、(b)はクラ
ッシュリリーフ5、6を示す図である。
【図3】図1に示すすべり軸受けを左上方から見た斜視
図であり、(a)は爪8、9を示す図であり、(b)は
クラッシュリリーフ5、6を示す図である。
【図4】本発明による第二実施例の分割式のすべり軸受
け構造を示す図である。
【図5】図4に示すすべり軸受けを左上方から見た斜視
図であり、(a)は爪29を示す図であり、(b)はク
ラッシュリリーフ25、26を示す図である。
【図6】実施例のすべり軸受けの周方向端部を示す図で
あり、(a)はコンロッド側すべり軸受けの周方向端部
を示す図であり、(b)はキャップ側すべり軸受けの周
方向端部を示す図である。
【符号の説明】
1…第1支持部材(コンロッド) 2…第2支持部材(キャップ) 3…第1すべり軸受け(コンロッド側すべり軸受け) 4…第2すべり軸受け(キャップ側すべり軸受け) 5、6…クラッシュリリーフ 7、8…コンロッド側すべり軸受けの爪 9…キャップ側すべり軸受けの爪 10…クランクピン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2分割され締結部材で締結される第1支
    持部材と第2支持部材との間で棒状シャフトを支持する
    よう形成されるハウジング内に、第1支持部材の内周側
    に当接される第1すべり軸受けと、その第1すべり軸受
    けの外径とほぼ同一外径を有し、第2支持部材の内周側
    に当接される第2すべり軸受けと、を備えた分割式のす
    べり軸受け構造において、 前記第1すべり軸受けは、その第1すべり軸受けの周方
    向両端部に、前記第1支持部材と第2支持部材との間に
    形成されるそれぞれの合わせ面に当接する当接部を備
    え、 前記第2すべり軸受けは、前記第2支持部材の周方向の
    膨張が起きないようにその第2すべり軸受けの張力を吸
    収する張力吸収部を備えたことを特徴とする分割式のす
    べり軸受け構造。
  2. 【請求項2】 2分割され締結部材で締結される第1支
    持部材と第2支持部材との間で棒状シャフトを支持する
    よう形成されるハウジング内に、第1支持部材の内周側
    に当接される第1すべり軸受けと、その第1すべり軸受
    けの外径とほぼ同一外径を有し、第2支持部材の内周側
    に当接される第2すべり軸受けと、を備えた分割式のす
    べり軸受け構造において、 前記第1すべり軸受け、または、第2すべり軸受けの周
    方向の両回転方向の位置ズレを防止するすべり軸受け固
    定部を、前記第1すべり軸受け、および、第2すべり軸
    受けのそれぞれの周方向両端部の少なくとも一方の端部
    に設け、且つ、該すべり軸受け固定部を、前記第一支持
    部材と第2支持部材との間に形成されるそれぞれの合わ
    せ面の近傍に少なくとも1つ設けたことを特徴とする分
    割式のすべり軸受け構造。
  3. 【請求項3】 前記第2すべり軸受けは、前記第2支持
    部材の周方向の膨張が起きないように第2すべり軸受け
    の張力を吸収する張力吸収部を備えたことを特徴とする
    請求項2に記載の分割式のすべり軸受け構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009128538A1 (ja) * 2008-04-18 2009-10-22 大豊工業株式会社 すべり軸受

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JP5234107B2 (ja) * 2008-04-18 2013-07-10 大豊工業株式会社 すべり軸受
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