JP3984673B2 - コネクティングロッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関や空気圧縮機などにおいて、ピストンの往復運動を、クランクシャフトの回転運動に変換するコネクティングロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関や空気圧縮機などにおいて、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換する継手として用いられるコネクティングロッドは、ロッド部の一端側にピストンを取付ける小端部を有し、他端側に大端部を設けて、該大端部の大端部本体にクランクピンが、大端部ベアリングなどを介して大端部キャップとロッドボルトにより固定されている。また、大端部の割り面が、斜め割りに形成されたコネクティングロッドにおいては、その割り面とロッドボルトの軸心とは垂直に構成されていた。あるいは、ロッドボルトが内側に曲がるよう形成した例がある。例えば、特開平7−243433号公報に記載の技術の如くである。
【0003】
ところで、最近は内燃機関の小型軽量化に伴ってコネクティングロッド自体の小型軽量化が要求されており、コネクティングロッドの剛性は必要最低限を確保し、寸法的にもコンパクトな構成にして、コネクティングロッドの小型軽量化を図っている。しかし、このようなコネクティングロッドにおいては、回転数が上昇すると、大端部本体や大端部キャップに曲げ応力が作用し、該大端部本体や大端部キャップの外側への曲げ変形が発生する。即ち、割り面の口開き現象が発生してコネクティングロッドの信頼耐久性が低下するのである。
【0004】
この割り面の口開き、即ち大端部本体と大端部キャップの合面の口開き対策として、ロッドボルトのサイズや材質を変更して軸力を増加させ、前記合面全体の面圧を上げることで口開き部分の面圧を増加させていた。また、ロッドボルトをなるべくコネクティングロッドの外縁部へ配置して、大端部本体と大端部キャップとの合面の面積を増加させて面圧の均一化を図り、口開き部分の面圧を増加させたりしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のような対策方法を行うと、コネクティングロッドやロッドボルトの重量や寸法が増加したり、コストアップを招いたりするので、小型軽量化したコネクティングロッドにおいては、コネクティングロッド自身やロッドボルトに強度的、寸法的な余裕がなく、実施することができなかった。そこで、本発明は、従来と同一軸力及び同一形状を保ちつつ口開きの安全率を増加させ、コネクティングロッドの信頼耐久性を向上させるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
大端部(7)を大端部本体(3)と大端部キャップ(4)とに分割する割り面を、斜め割りの2分割構造とし、大端部本体(3)の割り面と、ロッド部(1)の小端部(2)の円弧中心と大端部本体(3)の円弧中心とを結んだ線とが成す角度(A)を、90度よりも小さい角度に構成し、該コネクティングロッドの、大端部本体(3)の取付け面(3b・3b’)側、及び大端部キャップ(4)の取付け面(4b・4b’)側へ挿入する2本のロッドボルト(5・5)のうちの一方の、前記取付け面(3b)及び取付け面(4b)側のロッドボルト(5)のみは、該ロッドボルト(5)の先端部を、大端部本体(3)の外縁部に向く方向へ傾斜させ、該取付け面(3b・3b’)及び取付け面(4b・4b’)と、ロッドボルト(5)の軸心とが形成する傾斜角度(θ)が、90°<θ<95°となるように構成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明のコネクティングロッドを示す全体正面図、図2は大端部本体と大端部キャップとのロッドボルトによる締結部を示す部分断面図、図3はコネクティングロッド割り面に対するロッドボルトの傾斜角度θと口開き安全率との関係を示すグラフ図である。
【0008】
まず、本発明のコネクティングロッドについて図1、図2により説明する。ロッド部1の一端側には小端部2を設けて、該小端部2の取付け用貫通円部2aは図示しないピストンと連結している。ロッド部1の他端側には、図示しないクランクピンと連結する大端部7が配設されている。該大端部7は大端部本体3と大端部キャップ4とに分割され、該大端部本体3と大端部キャップ4とはロッドボルト5・5によって連結固定されている。
【0009】
大端部本体3は、その先端側にクランクピンを取付けるための略半円弧状に形成した取付け部3aと、該取付け部3aの両側に大端部キャップ4を取付けるための取付け面3b・3b’とを有している。該取付け面3b・3b’には、図2に示すように(図2には取付け面3b側のみを記載)、円筒状に形成された固定用穴3c・3c’が穿設され、該固定用穴3c・3c’内周壁には雌螺子部3d・3d’が形成されて、前記ロッドボルト5の螺子部5aと螺合可能となっている。
【0010】
大端部キャップ4は、その一端側にクランクピンを取付ける半円弧状に形成した取付け部4aと、該取付け部4aの両側に設けた取付け面4b・4b’とを有し、該取付け面4b・4b’は前記取付け面3b・3b’と対向して配設されている。取付け面4b・4b’には、該取付け面4b・4b’から肩部4e・4e’まで貫通する、円筒状の固定用孔4c・4c’が穿設され、該固定用孔4c・4c’には前記ロッドボルト5が挿入自在となっている。
【0011】
前記取付け面3b・3b’と取付け面4b・4b’とにはセレーションを形成して、クランクピンを介して大端部本体3に大端部キャップ4をロッドボルト5にて連結固定した際に、取付け面3b・3b’と取付け面4b・4b’との合面がずれないように構成している。また、大端部7を大端部本体3と大端部キャップ4とに分割する割り面は、斜め割りとしている。即ち、取付け面3b・3b’とロッド部1の中心線(小端部2の取付用貫通円部2aの中心と大端部本体3の取付け部3aの円弧中心とを結んだ線)とが成す角度Aを90度よりも小さく構成しており、エンジンの側蓋部からメンテナンスを行う際の大端部キャップ4の取り外しなどを容易にしている。
【0012】
そして、コネクティングロッドの大端部7へ、クランクピンを装着する際の、大端部本体3への大端部キャップ4の取付固定は次のようにしている。即ち、前記大端部本体3の取付け面3b・3b’と大端部キャップ4の取付け面4b・4b’とを合面して、大端部キャップ4の肩部4e・4e’側からロッドボルト5・5をワッシャ6・6を介して挿入し、該ロッドボルト5・5の螺子部5aを大端部本体3の雌螺子部3d・3d’に螺嵌させて、大端部本体3へ大端部キャップ4を取付固定しているのである。
【0013】
以上のように構成したコネクティングロッドにおいて、大端部本体3の取付け面3b側及び大端部キャップ4の取付け面4b側へ挿入しているロッドボルト5の軸心は、大端部本体3の取付け面3b・3b’及び大端部キャップ4の取付け面4b・4b’の垂線に対して、ロッドボルト5の先端部が大端部本体3の外縁部に向く方向へ傾斜している。尚、図1及び図2は、取付け面3b・4b側のみ、該ロッドボルト5の先端部が大端部本体3の外縁部に向く方向へ傾斜している。
【0014】
即ち、取付け面3b・3b’及び取付け面4b・4b’とロッドボルト5の軸心とが形成する傾斜角度θが、90度よりも大きくなるよう構成している。この傾斜角度θは、コネクティングロッドやロッドボルト5の材質、サイズ及び形状などによって、またセレーションの形状などによって最適な値を決定するものであり、各々のコネクティングロッドにおいて適宜所定の値を採用すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは90°<θ<95°に構成するのがよい。
【0015】
以上のように構成することで、ロッドボルト5の軸力作用中心線を、口開きの作用点となる取付け面3bの外端部に近づけて、口開き部の面圧を増加させることで口開き安全率を上げて、コネクティングロッドの信頼耐久性を向上することができるのである。ここで、口開き安全率とは、口開き安全率=(取付け面3b・4bの合面全体における各部分面圧のうちの最低面圧)/(1kg/cm2 )で表されるもので、この値が大きくなるほどコネクティングロッドの信頼耐久性が高くなる。
【0016】
図3において、コネクティングロッド割り面に対するロッドボルト5の傾斜角度θと口開き安全率との関係を示しており、この傾斜角度θが90度よりも大きくなるにつれて口開き安全率が高くなっている。即ち、取付け面3b・3b’及び取付け面4b・4b’の合面の垂線に対してロッドボルト5の軸心を傾斜させると、口開き安全率が高くなり、コネクティングロッドの信頼耐久性が向上するのである。
【0017】
このように、大端部7の割り面の垂線に対してロッドボルト5の軸心を傾斜させることで、従来と同一軸力及び同一形状を保ちつつ、口開き部の面圧を増加させることで口開き安全率を上げ、コネクティングロッドの信頼耐久性を向上することができるのである。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
大端部(7)を大端部本体(3)と大端部キャップ(4)とに分割する割り面を、斜め割りの2分割構造とし、大端部本体(3)の割り面と、ロッド部(1)の小端部(2)の円弧中心と大端部本体(3)の円弧中心とを結んだ線とが成す角度(A)を、90度よりも小さい角度に構成し、該コネクティングロッドの、大端部本体(3)の取付け面(3b・3b’)側、及び大端部キャップ(4)の取付け面(4b・4b’)側へ挿入する2本のロッドボルト(5・5)のうちの一方の、前記取付け面(3b)及び取付け面(4b)側のロッドボルト(5)のみは、該ロッドボルト(5)の先端部を、大端部本体(3)の外縁部に向く方向へ傾斜させ、該取付け面(3b・3b’)及び取付け面(4b・4b’)と、ロッドボルト(5)の軸心とが形成する傾斜角度(θ)が、90°<θ<95°となるように構成したので、ロッドボルト5の軸力作用中心線を、口開きの作用点となる取付け面3bの外端部方向へ、出来るだけ近づけて、口開き部の面圧を増加させることで、口開き安全率を上げて、コネクティングロッドの信頼耐久性を向上することができるのである。図3において、コネクティングロッド割り面に対するロッドボルト5の傾斜角度θと口開き安全率との関係を示しており、この傾斜角度θが90度よりも大きくなるにつれて口開き安全率が高くなっている。即ち、取付け面3b・3b’及び取付け面4b・4b’の合面の垂線に対してロッドボルト5の軸心を傾斜させると、口開き安全率が高くなり、コネクティングロッドの信頼耐久性が向上するのである。以上のように構成することで、従来と同一軸力及び同一形状を保ちつつ、口開き部の面圧を増加させることで口開き安全率を上げ、コネクティングロッドの信頼耐久性を向上することができた。また、一方のみ傾斜させたので、加工は簡単で済むのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコネクティングロッドを示す全体正面図である。
【図2】 大端部本体と大端部キャップとのロッドボルトによる締結部を示す部分断面図である。
【図3】 コネクティングロッド割り面に対するロッドボルトの傾斜角度θと口開き安全率との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 ロッド部
2 小端部
3 大端部本体
3b・3b’ 取付け面
3c・3c’ 固定用穴
4 大端部キャップ
4b・4b’ 取付け面
4c・4c’ 固定用孔
5 ロッドボルト
7 大端部
Claims (1)
- 大端部(7)を大端部本体(3)と大端部キャップ(4)とに分割する割り面を、斜め割りの2分割構造とし、大端部本体(3)の割り面と、ロッド部(1)の小端部(2)の円弧中心と大端部本体(3)の円弧中心とを結んだ線とが成す角度(A)を、90度よりも小さい角度に構成し、該コネクティングロッドの、大端部本体(3)の取付け面(3b・3b’)側、及び大端部キャップ(4)の取付け面(4b・4b’)側へ挿入する2本のロッドボルト(5・5)のうちの一方の、前記取付け面(3b)及び取付け面(4b)側のロッドボルト(5)のみは、該ロッドボルト(5)の先端部を、大端部本体(3)の外縁部に向く方向へ傾斜させ、該取付け面(3b・3b’)及び取付け面(4b・4b’)と、ロッドボルト(5)の軸心とが形成する傾斜角度(θ)が、90°<θ<95°となるように構成したことを特徴とするコネクティングロッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00694197A JP3984673B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | コネクティングロッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00694197A JP3984673B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | コネクティングロッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10205520A JPH10205520A (ja) | 1998-08-04 |
JP3984673B2 true JP3984673B2 (ja) | 2007-10-03 |
Family
ID=11652282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00694197A Expired - Lifetime JP3984673B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | コネクティングロッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3984673B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4517731B2 (ja) * | 2004-05-31 | 2010-08-04 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関のコネクティングロッド設計方法 |
-
1997
- 1997-01-17 JP JP00694197A patent/JP3984673B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH10205520A (ja) | 1998-08-04 |
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