JPH09101317A - 走査型プローブ顕微鏡のアプローチ装置 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡のアプローチ装置

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JPH09101317A
JPH09101317A JP7258831A JP25883195A JPH09101317A JP H09101317 A JPH09101317 A JP H09101317A JP 7258831 A JP7258831 A JP 7258831A JP 25883195 A JP25883195 A JP 25883195A JP H09101317 A JPH09101317 A JP H09101317A
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Japan
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probe
sample
approach
cantilever
piezoelectric body
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JP7258831A
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Takeshi Dou
毅 童
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
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    • G01QSCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
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    • GPHYSICS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カンチレバーの探針及び試料を保護すると共に
アプローチ時間を短縮するために、受光素子上でのカン
チレバー背面以外の反射光の変化特性を利用してカンチ
レバーの探針と試料間の距離を求め、探針と試料の距離
が遠い場合に高速アプローチを、探針が試料に接近した
ときに低速アプローチを行う。 【解決手段】探針変位信号変化検出機構48内の微分演
算部57で、探針変位信号検出部46からの信号Szが
微分され、閾値判断部58に出力される。閾値判断部5
8にて、微分演算部57の出力信号d(Sz)/dt
が、所定の閾値ref1 を越えたと判断されると、アプ
ローチ停止部59からモータドライバ50を介してモー
タ34に停止指令が送られ、粗動機構33によるアプロ
ーチが停止される。同時に、所定の電圧がアプローチ部
59から印加されて、圧電体31がZ方向に縮んでカン
チレバー42の探針41が試料36表面から離れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は走査型プローブ顕
微鏡に関し、より詳細には、半導体、材料等の計測検査
分野でより高分解能、短時間で測定可能な計測検査装置
を提供する走査型プローブ顕微鏡のアプローチ装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子間力顕微鏡(AFM:Atom
ic Force Microscope )は、原子間力或いは分子間力を
検知する顕微鏡であることが知られている。こうした顕
微鏡に於ける微小力検出方法には、角度検出法、光臨界
角方式、光干渉方式、静電容量方式等がある。上記角度
検出法は、カンチレバーで反射されたビームの角度変化
を2分割、或いは4分割受光素子で検出し、その角度変
化に基いてカンチレバーの変位を求める方法である。特
に角度検出法の1つである光てこ方式は、構造が簡単な
上に高感度であるため、AFM装置に良く使用されてい
る。
【0003】図22は、従来の走査型プローブ顕微鏡の
構成例を示した図である。このAFMは、従来の光てこ
方式の光学式変位センサを用いてカンチレバーの変位を
測定している。
【0004】図22に於いて、圧電体1の自由端には、
光てこ方式の光学式変位センサ2が固定されている。上
記圧電体1の他端には粗動機構3が取付けられており、
モータ4の駆動によって粗動機構3がスタンド5に沿っ
て上下方向に移動するようになっている。そして、この
スタンド5上には、測定される試料6を支持する試料台
7が設けられている。
【0005】上記光学式変位センサ2は、レーザダイオ
ード(LD)8と、レーザビームを集光する集光レンズ
9と、反射ミラー10と、集光レンズ9のその焦点位置
に設けられて自由端に探針11を有するカンチレバー1
2と、このカンチレバー12を保持する保持台13と、
カンチレバー12の背面で反射された反射ビームを受光
する2分割受光素子(PD)14を、内部に有してい
る。上記カンチレバー12は、カンチレバー保持台13
の水平に対して、例えば10°程度傾けて取付けられて
いる。
【0006】カンチレバーの探針変位信号検出部16
は、光てこ方式の光学式変位センサ2を用いてカンチレ
バー12の探針11の変位を測定するもので、その出力
は、アプローチ部17及びZサーボ制御部18に供給さ
れる。アプローチ部17は、モータドライバ19を介し
てモータ4を駆動する。
【0007】ワークステーション20には、上記アプロ
ーチ部17、Zサーボ制御部18と、XY走査部21が
結合されると共に、転送された測定データを格納し、試
料表面の凹凸情報の3次元画像形成及び試料表面情報分
析を行う画像表示装置22が結合される。そして、Zサ
ーボ制御部18及びXY走査部21は、それぞれ高圧ア
ンプ(HV)23、24を介して、圧電体1の移動方向
を制御する。
【0008】このような構成に於いて、Zサーボ制御部
18は、試料6の表面とカンチレバー12の探針11の
先端を、僅か数nmで一定距離に保持するようにフィー
ドバック制御する。すなわち、Z制御電圧Vzを高圧ア
ンプ23を通して圧電体1に印加して圧電体1を伸縮さ
せる。そして、探針11をZ方向(上下方向)に移動さ
せながら、XY走査部21から出力するXY走査信号を
圧電体1に印加して2次元方向に走査する。このときの
Z制御信号Vz、つまり試料凹凸情報を、ワークステー
ション20を通じて画像表示装置22に転送する。
【0009】ここで、変位センサ2の光てこ方式につい
て説明する。図23は、レーザ光をカンチレバーの真上
から入射する方式の例を示したもので、レーザダイオー
ド8から入射されたレーザ光は、コリメートレンズ9a
及び集光レンズ9を介してカンチレバー12の背面に入
射光26として照射される。そして、カンチレバー27
からの反射光27は、2分割受光素子14に取り込まれ
る。
【0010】尚、281 及び282 は、それぞれ試料6
が位置h1 及びh2 に於ける漏れ光の反射ビームを表し
たものである。また、図24は、レーザ光をカンチレバ
ーの横上から入射する方式の例を示したものである。図
23の場合と同様に、レーザダイオード8からの入射光
26はカンチレバー12の背面に入射される。そして、
カンチレバー27からの反射光27が、2分割受光素子
14に取り込まれる。尚、28は、試料6からの漏れ光
の反射ビームを表したものである。
【0011】ところで、AFMでは、試料と探針間の原
子間力を検出するために、試料と探針間の数nmの距離
を得る必要がある。しかしながら、圧電体の移動範囲が
狭いので、測定する前に粗動機構でカンチレバーの探針
を試料表面を近付けるアプローチを行う必要がある。こ
の処理により、自動的にスキャナの可動範囲の中心にて
試料表面に接触することができる。
【0012】このアプローチは次のようにして行われ
る。図22に於いて、先ず、アプローチが行われる前
に、探針変位信号検出部16からの出力電圧Szが−
0.1Vに設定される。つまり、2分割受光素子14上
のカンチレバー12背面からのレーザの反射ビームの位
置合わせが行われる。レーザビームは、反射ミラー10
の角度が調整されて、入射ビームが該ミラーに確実に照
射されて、カンチレバー12からの反射ビームが2分割
受光素子14の2分割線の下半面にずれるように調整さ
れる。2分割受光素子14の出力電圧が受光面積に比例
しているので、レーザビームのスポットが2分割受光素
子14の下半面にずれる。このため、変位センサ2から
の出力信号Szの電圧は0Vより小さくなっている。
【0013】次に、図25(a)に示されるように、カ
ンチレバー12の探針11が試料6に対して遠く離れた
状態から両者を近付ける時、アプローチを開始すると、
アプローチ部17からオン指令がモータドライバ19に
送られる。すると、粗動機構3のモータ4がオンとなっ
て、粗動機構3が降下する。
【0014】そして、カンチレバー12の探針11を、
試料6の表面まで近付ける。探針11が試料6表面に接
触すると、図25(b)に示されるように、カンチレバ
ー12が上方向に付勢されるため、カンチレバー12背
面からの反射ビームのスポットが、2分割受光素子14
上で上半面へシフトする。
【0015】そのため、カンチレバー12の探針11の
変位量検出部の出力信号Szの電圧が増加し、例えば0
Vに達すると、アプローチ部17からモータドライブに
オフ指令が送られて、粗動機構3のモータ4が停止さ
れ、粗動機構3が止まる。同時に、図25(c)に示さ
れるように、圧電体1がZ方向に縮むように、例えば−
100Vがアプローチ部17から印加される。すると、
圧電体1がZ方向に縮んで、探針11が試料6表面から
約1μm離れる。この処理により、自動的に圧電体1の
可動範囲の中心に試料6表面を接触することができる。
【0016】また、探針11を試料6表面に更にnmオ
ーダの距離で近付けるために、アプローチの後、フォー
スカーブをとる必要がある。図26(a)に示されるよ
うなフォースカーブは、カンチレバーを取付けている圧
電体1を上下動させた時のカンチレバー12の探針11
と試料6間の作用する力の変化(図26(b)参照)を
測定するためのものである。特に、汚れ等による試料の
表面安定性の違いを調べるのに有効である。
【0017】尚、図26(a)に於いて、縦軸が光てこ
方式の変位センサ2によるカンチレバー12の変位量、
横軸が圧電体1の移動量を表している。通常、フォース
カーブの測定は不必要である。
【0018】図27(a)は、アプローチ時の変位セン
サ2からの実験波形を示したものである。同図から、探
針11と試料6間の距離が短くなる、すなわちアプロー
チに要する時間が経過すると共に、センサの出力が上昇
していることがわかる。
【0019】図27(b)は、同図(a)の一部を拡大
して示したもので、探針11と試料6の接触時のセンサ
の出力を表している。探針11が試料6表面に接触して
いる間に、変位センサ2の出力がある傾きで増加してい
る(図中fの部分)。この傾きは、変位センサ2のゲイ
ンと粗動機構3の降下速度によって決定されるもので、
この両者により算出することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カンチ
レバー12は、長さ100〜200μm、幅50μm、
厚さ0.4〜4μmを有する半導体薄膜の微小部品で構
成されるもので、自由端に鋭い突起部分(探針11)を
有している。そして、この自由端の探針11の長さは約
6μm程度と短いもので、測定の分解能を高めるために
鋭い探針が必要である。
【0021】そのため、カンチレバー12の探針11の
先端は、非常に細く、直径が僅か数nm〜10nmに形
成されており、外力を受けると先端が折れたり、欠けた
りしやすい。特に、走査型プローブ顕微鏡では、アプロ
ーチ時に試料6が探針11に与える運動エネルギーはm
2 /2である。ここで、mは粗動機構3や変位センサ
2本体及び圧電体1の総重量を表す。この総重量mが相
当大きいため、探針11及び試料6に与える力も大き
い。この運動エネルギーmV2 /2が探針11と試料6
の相対速度Vの2乗に比例するため、探針11と試料6
接触時のアプローチ速度を非常に遅くしなければならな
い。
【0022】したがって、図22に示されるような検出
方式の走査型プローブ顕微鏡では、カンチレバー12の
探針11が試料6表面に接近する速度は、非常に遅くし
なければならない。そのため、アプローチ時間が長くか
かってしまうものであった。
【0023】また、試料の原子像を、より高分解能で測
定するために、カンチレバーの鋭い探針が傷付かないよ
うに、アプローチやフォースカーブ測定を一切行わず、
測定画像を見ながら、探針と試料間の距離を少しずつ接
近させる測定方法も用いられている。しかしながら、こ
うした測定方法では、一枚の原子像の画像が表れるまで
にかなりの測定時間が必要である。
【0024】ところで、アプローチ時に変位センサ2の
出力が0Vを越えると粗動機構3を止める設定としてい
るが、この場合、図27(a)に示されるように、探針
11が試料6に接近するとカンチレバー12の変位に基
く変位センサ2の出力増加だけでなく、変位センサ2の
出力が増加するため、上述の通りセンサ出力が0Vを越
えたとき粗動機構3を止める設定であれば、漏れ光の干
渉や他のノイズ等によって、センサの出力が0Vを越
え、アプローチの途中で止まってしまう。そのため、ア
プローチする前に、漏れ光の干渉やノイズ等の影響を考
慮して、センサの出力を0V以下の適当な値に設定しな
ければならない。
【0025】図27(b)に示されるように、アプロー
チ時に、探針11が試料6表面に接触しても、センサか
らの出力はまだ0V以下である。そのため、探針11が
試料6表面に接触している間に粗動機構3が降下し続
け、カンチレバー12が上方に曲がり、探針11が試料
6に与える力も増加し続ける。
【0026】例えば、図27(b)では、探針11が試
料6表面に接触して停止するまでの間に、約36nmの
距離でカンチレバー12は上方に曲げられている。そし
て、カンチレバー12のばね定数が1N/mの場合、探
針11が試料6に与える力は約360nNである。同様
に、カンチレバー12のばね定数が100N/mの場合
は、探針11が試料6に与える力は、約10倍の360
0nNである。この力は、原子間力より遥かに大きいた
め、試料6にダメージを与える恐れもある。
【0027】したがって、探針が試料に与えた力を小さ
くするため、探針11と試料6表面との接触速度を遅く
しなければならない。また、探針が試料表面に接触して
から、探針を下降させる粗動機構を、できるだけ迅速に
停止させる手段が必要となる。
【0028】この発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、カンチレバーの探針及び試料を保護すると共に、ア
プローチ時間が長くかかることのない走査型プローブ顕
微鏡のアプローチ装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、自
由端に探針を有するカンチレバーを一端に支持する圧電
体を用いた走査型プローブ顕微鏡に於いて、上記カンチ
レバーの探針と試料との間の原子間力による探針の変位
量を光学的に検出する探針変位量検出手段と、上記探針
変位量検出手段から出力される探針変位信号の変化に基
いて、上記圧電体をZ軸方向に移動制御することにより
上記カンチレバーの探針を上記試料表面に近接させて位
置決めするアプローチ手段とを具備し、このアプローチ
手段は、少なくとも上記圧電体のZ軸方向の移動を停止
制御することを特徴とする。
【0030】またこの発明は、自由端に探針を有するカ
ンチレバーを一端に支持する圧電体を用いた走査型プロ
ーブ顕微鏡に於いて、上記カンチレバーの探針と試料と
の間の原子間力による探針の変位量を光学的に検出する
探針変位量検出手段と、上記探針変位量検出手段から出
力される探針変位信号の変化に基いて、上記圧電体をZ
軸方向に移動制御することにより上記カンチレバーの探
針を上記試料表面に近接させて位置決めするアプローチ
手段と、このアプローチ手段による位置決め時に、上記
試料から反射されたレーザ入射光の反射光を光学的に検
出する漏れ光信号検出手段とを具備し、上記漏れ光信号
検出手段は、上記反射光に基いて少なくとも上記圧電体
のZ軸方向の移動速度を高低速に切換えることを特徴と
する。
【0031】この発明では、探針変位信号検出部で、受
光素子上でのカンチレバー背面以外の反射光の変化特性
を利用して、カンチレバーの探針と試料間の距離を計算
する。そして、アプローチスピード切換機構により、探
針が試料に対して遠く離れたときに高速アプローチを行
い、探針が試料に接近したときに低速アプローチで接近
する。また、探針変位信号検出部の出力信号を微分し、
その微分値の変化を用いて、探針が試料表面に接触して
いるかどうかを判断し、アプローチを停止する。これに
よって、アプローチ時間を短縮することが可能となる。
また、試料と探針の相対速度が遅く、接触の瞬間に探針
に与える力を小さくすることができる。加えて、探針と
試料接触時間が短く、探針が試料に与える力も小さくす
ることができるので、探針先端や試料に与えるダメージ
が無くなり、探針先端の鋭さを保つことができるため、
高分解能の測定も可能となる。
【0032】また、この発明では、試料から反射された
レーザの漏れ光、透過光を検出するための受光素子を設
け、アプローチ時に反射された漏れ光や透過光が受光素
子上での出力変化が漏れ光検出演算部で検出され、カン
チレバーの探針と試料間の距離を計算する。探針と試料
間の距離によって、漏れ光検出演算検出部のアプローチ
スピード切換部で、探針が試料に対して遠く離れた時
に、高速アプローチを行え、探針が試料に接近したとき
に低速アプローチで接近する。これにより、アプローチ
時間を短縮することが可能となると共に、試料と探針の
接触時に、試料が探針に与える力を小さくすることがで
きる。その結果、探針先端や試料に与えるダメージが最
小限に抑えられ、探針先端の鋭さを保つことができるた
め、高分解能の測定も可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について詳細に説明する。初めに、図1乃
至図6を参照して、第1の実施の形態について説明す
る。図1は、この発明の走査型プローブ顕微鏡のアプロ
ーチ装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図で
あり、図2はカンチレバー変位検出系に用いた光てこ方
式を説明する図、図3はカンチレバー背面からの反射光
スポットと漏れ光スポットの2分割受光素子44面に於
ける投影図、図4は第1の実施の形態に於ける2分割受
光素子面の投影図と探針変位信号変化検出機構及びその
周辺部を示した図、図5は2分割受光素子と微分演算部
の出力波形を示した図である。
【0034】図1に於いて、圧電体31の自由端には、
光てこ方式の光学式変位センサ32が固定されている。
上記圧電体31の他端には粗動機構33が取付けられて
おり、モータ34の駆動によって粗動機構33がスタン
ド35に沿って上下方向に移動するようになっている。
そして、このスタンド35上には、測定される試料36
を支持する試料台37が設けられている。
【0035】上記光学式変位センサ32は、レーザダイ
オード(LD)38と、レーザビームを集光する集光レ
ンズ39と、反射ミラー40と、集光レンズ38のその
焦点位置に設けられて自由端に探針41を有するカンチ
レバー42と、このカンチレバー42を保持する保持台
43と、カンチレバー42の背面で反射された反射ビー
ムを受光する2分割受光素子(PD)44を、内部に有
している。上記カンチレバー42は、カンチレバー保持
台43の水平に対して、例えば10°程度傾けて取付け
られている。
【0036】カンチレバーの探針変位信号検出部46
は、光てこ方式の光学式変位センサ32を用いてカンチ
レバー42の探針41の変位を測定するもので、その出
力は、アプローチ部47、探針変位信号変化検出機構4
8及びZサーボ制御部49に供給される。アプローチ部
47は、モータドライバ50を介してモータ34を駆動
する。
【0037】ワークステーション51には、上記アプロ
ーチ部47、Zサーボ制御部49と、XY走査部52が
結合されると共に、転送された測定データを格納し、試
料表面の凹凸情報の3次元画像形成及び試料表面情報分
析を行う画像表示装置53が結合される。そして、Zサ
ーボ制御部49及びXY走査部52は、それぞれ高圧ア
ンプ(HV)54、55を介して、圧電体31の移動方
向を制御する。
【0038】上記探針変位信号変化検出機構48は、探
針変位信号検出部からの信号Szを微分する微分演算部
57と、この微分演算部57の出力信号を予め定められ
た閾値と比較する閾値判断部58と、この閾値判断部5
8の判断に応じてモータドライバ50に停止指令を送る
アプローチ停止部59とから構成されている。
【0039】このように、図1は図22の構成に探針変
位信号変化検出機構48を付加したものである。次に、
このように構成された走査型プローブ顕微鏡の動作を説
明する。
【0040】このような構成に於いて、Zサーボ制御部
49は、試料36の表面とカンチレバー42の探針41
の先端をフィードバック制御する。すなわち、Z制御電
圧Vzを高圧アンプ54を通して圧電体31に印加して
圧電体31を伸縮させる。そして、探針41をZ方向
(上下方向)に移動させながら、XY走査部52から出
力するXY走査信号を圧電体31に印加して、2次元方
向に走査する。このときのZ制御信号Vz、つまり試料
凹凸情報を、ワークステーション51を通じて画像表示
装置53に転送する。
【0041】ここで、カンチレバー変位検出系に用いた
光てこ方式を説明する。図2に示されるように、変位セ
ンサ32には、レーザダイオード38、集光レンズ39
の光軸が直線となるように取付けられている。レーザダ
イオード38からのレーザビームL1は、集光レンズ3
9を通って集光される。ここで、集光されたビームL2
は反射ミラー40によって反射され、その焦点位置にカ
ンチレバー42を設ける。カンチレバー42は、カンチ
レバー保持台43の水平に対して、例えば10°程度傾
けて取付けられている。
【0042】レーザビームL2は、反射ミラー40で反
射されてビームL3が生じる。このビームL3がカンチ
レバー42の背面に入射された後、カンチレバー42で
再度反射されて、カンチレバー42からの反射ビームL
4が2分割受光素子44に入射される。
【0043】そして、アプローチの前に、先ず、図3に
示されるように、A面44a及びB面44bから成る2
分割受光素子44上に於いて、カンチレバー42背面か
らの反射ビームL4の位置合わせが行われる。
【0044】レーザビームL4は、反射ミラー40の角
度の調整により、入射ビームL2が該反射ミラー40に
確実に照射され、且つカンチレバー42からの反射ビー
ムL4のスポットP0が、2分割受光素子44のB面
(44b)側にずれるように調整される。
【0045】2分割受光素子44の出力電圧は受光面積
に比例するため、レーザビームのスポットが2分割受光
素子44のB面(44b)側ずれるので、探針変位信号
検出部46からの出力信号Szの電圧は、0V以下で約
−0.1〜−0.2Vになっている。
【0046】また、図2に示されるように、レーザビー
ムL3がカンチレバー42の背面に直射されると共に、
ビームL3の漏れ光M1も生じる。試料36とカンチレ
バー42先端の探針41の距離が離れている時(例え
ば、試料36が距離h12に位置しているとき)、試料6
表面からのレーザ漏れ光の反射ビームM2は太く、受光
素子44上でスポットはS1(図3参照)となる。そし
て、試料36と探針41間の距離が短くなるに連れて、
漏れ光の反射ビームM2が絞られる。例えば、距離h11
での受光素子44上の漏れ光の反射ビームM3のスポッ
トはS2となる。
【0047】次に、図6のフローチャートを参照して、
この走査型プローブ顕微鏡のアプローチ動作について説
明する。上記探針変位信号変化検出機構48では、図4
及び図5(a)に示されるように、探針変位信号検出部
46からの信号Szが微分演算部57に入力される。そ
して、この微分演算部57で信号Szが微分されて、閾
値判断部58に入力される。閾値判断部58では、図5
(b)に示されるように、微分演算部57の出力信号d
(Sz)/dtが、予め定められていた閾値ref1
比較される。ここで、上記出力信号d(Sz)/dtが
閾値ref1 を越えると、アプローチ停止部59からモ
ータドライバ50に停止指令が送られ、アプローチが停
止される。
【0048】つまり、カンチレバー42の探針41が試
料36表面に接触している間の変位センサ32からの出
力信号Szの電圧は、図5のt1 からt2 までである。
言い換えれば、t1 からt2 の期間、探針41が試料3
6表面に接触している。この変位センサ32の出力信号
Szの電圧が0Vに達するまで、粗動機構33が続けて
降下している。その間、変位センサ32からの出力電圧
は、一定の傾きで増加している(図5(a)参照)。こ
の傾きkは、変位センサ32のゲインと粗動機構33の
降下速度によるもので、装置の固有特性により求められ
る。
【0049】求められた傾きkより少し小さい値が、図
5(b)に示されるd(Sz)/dt特性上の閾値re
1 として予め設定される。この閾値ref1 がk値を
越えると、閾値判断部58が正常に動作しなくなるの
で、0<ref1 <kとする。
【0050】カンチレバー42の探針41が試料36表
面に接触する時点t1 で、微分演算部57からの出力d
(Sz)/dtが、閾値判断部58に入力される。閾値
判断部58では、微分演算部57からの出力値が、予め
定められていた閾値ref1を越えているか否かが判断
される(ステップS1)。
【0051】ここで、出力値が上記閾値ref1 を越え
ていると判断されれば、アプローチ停止部59からモー
タドライバ50に停止指令が送られ、粗動機構33が停
止される。同時に、圧電体31がZ方向に縮むように、
例えば−100Vの電圧がアプローチ部59から印加さ
れる(ステップS2)。これにより、圧電体31がZ方
向に約1μm縮んで、探針41が試料36表面から離れ
る。
【0052】この処理により、自動的に圧電体31の可
動範囲の中心に試料36表面を接触することができる。
尚、上述した第1の実施の形態では、走査型プローブ顕
微鏡のアプローチとして述べたが、これに限られること
なく、例えばフォースカーブを作成する時にも適用する
ことができる。
【0053】このように、走査型プローブ顕微鏡のカン
チレバーの探針の試料へのアプローチに於いて、探針変
位信号検出部の出力信号を微分し、その微分値の変化を
用いて、探針が試料表面に接触してから粗動機構を迅速
に停止させることができる。これによって、探針と試料
接触時間が短く、探針が試料に与える力も小さくするこ
とができるので、探針先端や試料に与えるダメージが軽
減され、探針先端の鋭さを保つことができるため、高分
解能の測定も可能となる。
【0054】また、探針や試料に与えるダメージをでき
るだけ抑えた迅速なアプローチが可能である。次に、図
7乃至図9を参照して、この発明の第2の実施の形態に
ついて説明する。
【0055】図7は、この発明の走査型プローブ顕微鏡
のアプローチ装置の第2の実施の形態の構成を示すブロ
ック図である。この図7の構成は、上述した第1の実施
の形態で示された図1の走査型プローブ顕微鏡の探針変
位信号変化検出機構に、アプローチスピード切換部を付
加した構成のものである。したがって、ここでは、上述
した第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明す
る。
【0056】また、図8(a)及び(b)は、第2の実
施の形態の探針変位信号検出部の出力波形及び微分演算
部の出力波形を示した図であり、図9は第2の実施の形
態のアプローチ動作を説明するフローチャートである。
【0057】探針変位信号変化検出機構61は、微分演
算部57と、閾値判断部58と、アプローチ停止部59
と、上記閾値判断部58からの判断に応じてモータドラ
イバ50の速度を切換えるアプローチスピード切換部6
2とから構成されている。
【0058】探針変位信号変化検出機構61では、探針
変位信号検出部46から、図8(a)に示されるような
信号Szが、微分演算部57に入力される。この微分演
算部57で信号Szが微分されて、閾値判断部58に入
力される。閾値判断部58では、微分演算部57の出力
信号d(Sz)/dtが、予め決めておいた閾値ref
2 と比較される(ステップS11)。
【0059】すなわち、出力信号d(Sz)/dtが、
上記閾値ref2 より小さい場合に、高速アプローチが
行われる。したがって、アプローチスピード切換部62
から、モータドライブ50にハイスピードの指令が送ら
れる(ステップS12)。すると0〜t0 間で、粗動機
構33が図7に於いて上方から高速に降下され、カンチ
レバー42の探針41が試料36表面まで近付けられ
る。
【0060】そして、微分演算部57の出力信号d(S
z)/dtが予め定められていた閾値ref2 を越える
と、アプローチスピード切換部62からスロースピード
の指令がモータドライブ50に送られる。このように、
アプローチスピード切換部62によって、低速アプロー
チに切換えられる(ステップS13)。その際、t0
1 間で探針41が非常に遅い接近速度で試料36に近
付けられる。
【0061】更に、カンチレバー42の探針41が試料
36表面に接触する時点t1 で、微分演算部57からの
出力d(Sz)/dtが、閾値判断部58に入力され
る。すると、この閾値判断部58では、微分演算部57
からの出力値が予め定められていた閾値ref1 を越え
ているか否かが判断される(ステップS14)。
【0062】ここで、上記出力値が閾値ref1 を越え
ていない場合は、上記出力信号Szが0V以上であるか
否かが判断される(ステップS15)。そして、0Vを
越えていなければ、ステップS13に戻って、再び低速
アプローチが実行される。
【0063】一方、上記ステップS14にて、出力値が
閾値ref1 を越えていると判断された場合、及び上記
ステップS15出力信号Szが0V以上である場合は、
アプローチ停止部59からモータドライバ50に停止指
令が送られ、粗動機構33が停止される。同時に、アプ
ローチ部47から圧電体31のZ方向に縮むように、例
えば−100Vの電圧が印加され、圧電体31がZ方向
に約1μm縮んで、探針41が試料36表面から離れる
(ステップS16)。
【0064】この処理により、自動的に圧電体の可動範
囲の中心に試料表面を接触させることができる。このよ
うに、走査型プローブ顕微鏡のアプローチ動作を行うこ
とによって、アプローチ時間を短縮することが可能とな
る。また、試料と探針の相対速度が遅く、接触の瞬間に
探針に与える力を小さくすることもできる。更に、探針
と試料の接触時間が短く、探針が試料に与える力も小さ
くすることができる。その結果、探針先端や試料に与え
るダメージが無くなり、探針先端の鋭さを保つことがで
きるため、高分解能の測定も可能となる。
【0065】また、探針や試料に与えるダメージをでき
るだけ抑えた迅速なアプローチが可能である。次に、図
10乃至図13を参照して、この発明の第3の実施の形
態を説明する。
【0066】図10は、この発明の走査型プローブ顕微
鏡のアプローチ装置の第3の実施の形態の構成を示すブ
ロック図、図11は第3の実施の形態に於ける2分割受
光素子面の投影図と探針変位信号変化検出機構及びその
周辺部を示した図である。また、図12は第3の実施の
形態の探針変位信号検出部の出力波形を示した図であ
る。
【0067】図10の走査型プローブ顕微鏡の構成は、
上述した第1の実施の形態で示された図1の走査型プロ
ーブ顕微鏡の探針変位信号変化検出機構48に代えて、
閾値判断部58とアプローチスピード切換部62とから
成る探針変位信号変化検出機構63を有した構成となっ
ている。したがって、ここでは、上述した第1の実施の
形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0068】以下、図13のフローチャートを参照し
て、第3の実施の形態による走査型プローブ顕微鏡のア
プローチ動作について説明する。探針変位信号変化検出
機構63では、2分割受光素子44の出力特性を利用し
て、探針41と試料36間の距離が計算される。そし
て、図12に示されるように、2分割受光素子44の出
力特性曲線上に閾値ref3 が設けられる。図示s点に
於いて、2分割受光素子44の出力電圧Szがref3
となっている。
【0069】ここで、2分割受光素子44の出力電圧
が、閾値ref3 より小さいか否かが判断される(ステ
ップS21)。上記出力電圧が閾値ref3 より小さい
場合は、高速アプローチ動作が行われるべく、アプロー
チスピード切換部62からモータドライバ50にハイス
ピードの指令が送られる。すると、粗動機構33が上方
から高速で降下し、カンチレバー42の探針41を試料
36表面まで近付ける(ステップS22)。その後、再
び上記ステップS21に戻る。
【0070】一方、上記ステップS21に於いて、探針
変位信号検出部46の出力信号Szが、予め定められた
閾値ref3 を越えると、アプローチスピード切換部6
2からモータドライバ50にロースピードの指令が送ら
れる。これにより、アプローチスピード切換部62によ
って低速アプローチに切換えられる。その際に、探針4
1が非常に遅い速度で試料36に接近する(ステップS
23)。
【0071】低速アプローチでは、探針41が試料36
表面に接触すると、カンチレバー42が上方に曲がる。
したがって、図11に示されるように、カンチレバー4
2背面からの反射ビームのスポットP0が、2分割受光
素子44上でA面側(44a)へ移動する。そのため、
カンチレバー42の探針変位量検出部46から出力電圧
が生じる。
【0072】この電圧が、例えばSz=0Vに達すると
(ステップS24)、アプローチ部47からオフ指令が
モータドライバ50に送られて、粗動機構33を駆動す
るモータ34が停止され、粗動機構33が停止される。
同時に、アプローチ部47から圧電体31のZ方向に縮
むように、例えばVa=−100Vの電圧が印加され、
圧電体31がZ方向に約1μm縮んで、探針41が試料
36表面から離れる(ステップS25)。この処理によ
り、自動的に圧電体31の可動範囲の中心に試料36表
面を接触することができる。
【0073】このように、第3の実施の形態による走査
型プローブ顕微鏡のアプローチ動作により、探針が試料
に対して遠く離れたときには高速アプローチが行われ、
試料に予め設定しておいた距離まで探針が接近したとき
には低速アプローチに切換られ、遅い速度で接近する。
【0074】これによって、アプローチ時間を短縮する
ことが可能となり、アプローチ中に試料が探針に接触す
る瞬間、探針に与える力を小さくすることもできる。そ
の結果、探針先端や試料に与えるダメージが無くなり、
探針先端の鋭さを保つことができるため、高分解能の測
定も可能となる。
【0075】また、探針や試料に与えるダメージをでき
るだけ抑えた迅速なアプローチが可能である。ところ
で、上述した第1乃至第3の実施の形態では、アプロー
チ時に試料から反射された漏れ光や透過光は、積極的に
検出されるようにはなっていない。以下に述べる実施の
形態では、これら試料からの漏れ光や透過光をも検出し
てアプローチ動作を行うようにしたものである。
【0076】次に、図14乃至図17を参照して、この
発明の第4の実施の形態について説明する。図14は、
第4の実施の形態による走査型プローブ顕微鏡のアプロ
ーチ装置の構成を示すブロック図、図15は図14の走
査型プローブ顕微鏡のカンチレバー変位検出系の構成
図、図16は第4の実施の形態に於ける2分割受光素子
面の投影図と漏れ光信号検出演算部及びその周辺部を示
した図、図17は図14の漏れ光信号検出演算部の出力
波形を示した図である。
【0077】図14に於いて、走査型プローブ顕微鏡
は、圧電体13と、光学式変位センサ65と、粗動機構
33及びモータ34と、スタンド35と、試料36を支
持する支持台37と、探針変位信号検出部46と、アプ
ローチ部47と、モータドライバ50と、Zサーボ制御
部49と、XY走査部52と、画像表示装置53を有す
るワークステーション51と、高圧アンプ(HV)5
4、55と、漏れ光検出演算部68とから構成されてい
る。
【0078】上記変位センサ65は、レーザダイオード
38と、レーザビームを集光する集光レンズ39と、自
由端に探針41を有するカンチレバー42と、このカン
チレバー42を保持する保持台43と、カンチレバー4
2の背面で反射された反射ビームを受光する受光素子
(PD1)66と、漏れ光ビームを受光する受光素子
(PD2)67とを内部に有している。
【0079】また、漏れ光検出演算部68は、漏れ光用
の受光素子67からの出力信号Smを予め定められた閾
値と比較する閾値判断部69と、この閾値判断部69か
らの判断に応じてモータドライバ50の速度を切換える
アプローチスピード切換部70とから構成されている。
【0080】その他の構成については、上述した第1乃
至第3の実施の形態と同様であるので、説明は省略す
る。上記探針変位信号検出部46は、光てこ方式の光学
式変位センサ65を用いてカンチレバー42探針41の
変位を測定している。
【0081】図15は、この光てこ方式を利用したカン
チレバー変位検出系を示したものである。図15に示さ
れるように、センサ検出部として、レーザダイオード3
8、コリメートレンズ39a、集光レンズ39は、その
光軸が直線となるように取り付けられている。また、試
料36からの漏れ光を検出するために、受光面67a及
び67bから成る2分割受光素子67が、レーザダイオ
ード38に近接して設置されている。
【0082】レーザダイオード38からの光束は、コリ
メートレンズ39aにより平行光束にされた後、集光レ
ンズ39を通って集光される。そして、集光レンズ39
により集光された入射光71は、集光レンズ39の焦点
位置で水平に対して10°程度傾けて設けられたカンチ
レバー42の背面で反射される。このカンチレバー42
の背面にて反射されたレーザビームが、反射ビームとし
て2分割受光素子66に入射される。
【0083】このような構成の走査型プローブ顕微鏡に
於いて、アプローチする前に、先ず、カンチレバー42
の変位を検出する2分割受光素子66上のカンチレバー
42背面からのレーザ反射ビームの位置が合わせられ
る。ここでは、2分割受光素子66からの出力電圧をが
−0.1〜−0.2Vになるように、2分割受光素子6
6上でカンチレバー42背面から反射されたビームのス
ポット位置が調整される。
【0084】また、レーザダイオード38からの入射光
70がカンチレバー42の背面に当たると共に、漏れ光
の反射ビームも生じる。試料36とカンチレバー42の
距離が離れているとき(例えば、試料36が距離h2
位置しているとき)は、試料36表面から漏れ光の反射
ビーム722 は太く、2分割受光素子67上では、図1
6に示されるようにスポットS21となる。
【0085】そして、試料36が探針41に接近するに
伴い、漏れ光の反射ビームのスポットは絞られる。例え
ば、漏れ光の反射ビーム721 は、試料が距離h1 に位
置しているときに、スポットS22となる。つまり、図
16に示されるように、スポットが小さくなりながら
(S21→S22)、2分割受光素子67の右(67
a)側へ移動する。そして、距離h1 より接近すると、
2分割受光素子67からスポットが離れる。
【0086】アプローチ動作中に、試料36と探針41
間の距離に対して、2分割受光素子67の演算信号(A
−B)/|A+B|の出力信号は、図17に示されるよ
うな特性曲線となる。
【0087】上記漏れ光検出演算部68では、アプロー
チ時に、2分割受光素子67の出力特性の変化を利用し
て、探針41と試料36間の距離が計算される。図17
に示されるように、2分割受光素子67の出力特性曲線
上のa点に於いて、閾値ref4 が設定される。そし
て、漏れ光検出演算部68内の閾値判断部69にて、2
分割受光素子67の出力電圧Smが上記閾値ref4
り小さい場合、高速アプローチが行われる。この閾値判
断部69の出力に従って、アプローチスピード切換部7
0からハイスピードの指令がモータドライバ50に送ら
れる。すると、粗動機構33が上方から高速に降下さ
れ、カンチレバー42の探針41が試料36表面まで近
付けられる。
【0088】一方、漏れ光検出演算部68の閾値判断部
69にて、2分割受光素子67の出力信号Smが、予め
定められた閾値ref4 を越えると、アプローチ速度切
換部70からロースピードの指令がモータドライバ50
に送られる。すると、アプローチ速度切換部70によっ
てモータ34が低速で駆動され、低速アプローチに切換
えらえる。その際、探針41は、非常に遅い速度で試料
36に近付けられる。
【0089】ここで、探針41が試料36表面に接触す
ると、カンチレバー42が上方に向いて曲がるため、カ
ンチレバー42背面からの反射ビームのスポットが、2
分割受光素子66上でシフトする。すると、カンチレバ
ー42の探針変位信号検出部46の出力信号Szの電圧
が増加する。
【0090】そして、例えば、出力信号Szが0Vに達
すると、アプローチ部47からモータドライバ50にオ
フ指令が送られる。これにより、粗動機構33を駆動す
るモータ34が停止され、粗動機構33が停止される。
これと同時に、アプローチ部47から圧電体31のZ方
向に縮むように、例えば−100Vが印加され、圧電体
31がZ方向に縮んで、探針41が試料36表面から約
1μm離れる。
【0091】この処理により、自動的に圧電体31の可
動範囲の中心に試料36表面を接触させることができ
る。尚、上述した第4の実施の形態に於いて、漏れ光信
号検出演算部68に微分器を付加して、信号(A−B)
/|A+B|の傾きによって、アプローチの接近速度を
切換える方法が適用可能なことは勿論である。
【0092】このように構成された走査型プローブ顕微
鏡によれば、アプローチ動作に於いて、漏れ光を更に広
範囲に検出することができるので、探針と試料間の距離
が離れたときに、高速アプローチで探針を短時間で試料
に接近させ、所定の設定した距離に達すると低速アプロ
ーチで探針を試料に接近させる。その結果、アプローチ
中に試料が探針に与える力を小さくすることができる。
また、探針先端や試料表面に与えるダメージが最小限に
抑えられ、しかもアプローチ時間を短縮することが可能
となる。更に、探針先端の鋭さを保つことができるた
め、高分解能の測定も可能となる。
【0093】また、探針や試料に与えるダメージをでき
るだけ抑えた迅速なアプローチが可能である。次に、図
18乃至図21を参照して、この発明の第5の実施の形
態について説明する。
【0094】図18は第5の実施の形態による走査型プ
ローブ顕微鏡のアプローチ装置の構成を示すブロック
図、図19は図18の走査型プローブ顕微鏡のカンチレ
バー変位検出系の構成図、図20は第5の実施の形態に
於ける2分割受光素子面の投影図と漏れ光信号検出演算
部及びその周辺部を示した図、図21はアプローチ中に
於ける試料と探針間の距離に対する漏れ光信号検出演算
部の出力波形を示した図である。
【0095】図18に於いて、変位センサ74は、レー
ザダイオード38と、集光レンズ39と、反射ミラー4
0と、カンチレバー42と、2分割受光素子66及び6
7とを内部に有している。
【0096】その他の構成は、上述した第1乃至第4の
実施の形態と同様であるので、説明は省略する。上記変
位センサ74は、図19に示されるように、レーザダイ
オード38、コリメートレンズ39a、集光レンズ39
は、その光軸が直線となるように取付けられている。そ
して、試料36からの漏れ光の反射光を検出するため
に、2分割受光素子67が、2分割受光素子66の近傍
に設置されている。
【0097】レーザダイオード38からの光束は、コリ
メートレンズ39aにより平行光束にされ、集光レンズ
39を通って集光されて入射光75となる。そして、集
光レンズ39の焦点位置に設けられたカンチレバー42
の背面に、集光されたレーザビーム(入射光)75が入
射される。カンチレバー42の背面にて反射されたレー
ザービーム(反射光)76が、2分割受光素子66に入
射される。また、入射光75の一部は、カンチレバー4
2の下の試料36表面に当たって、試料36から漏れ光
の反射光77が、2分割受光素子67に入射される。
【0098】次に、このような構成の走査型プローブ顕
微鏡の動作を説明する。先ず、アプローチする前に、カ
ンチレバー42の変位を検出する2分割受光素子66上
で、カンチレバー42背面からのレーザ反射ビームの位
置合わせが行われる。2分割受光素子66からの出力電
圧が−0.1〜−0.2Vとなるように、2分割受光素
子66の位置、或いはカンチレバー42の角度が調整さ
れる。
【0099】また、図19に示されるように、レーザー
ビーム75がカンチレバー42の背面に入射されると、
反射光76が生じると共にその漏れ光の反射光77も生
じる。試料36とカンチレバー42の距離が離れている
とき(例えば、試料が距離h2 に位置しているとき)に
は、試料36表面からのレーザ漏れ光の反射ビームは太
く、2分割受光素子67上でのスポットは、図20にS
31で示される。
【0100】次いで、試料36と探針41間の距離が短
くなるに連れて、漏れ光の反射ビーム77が絞られ、距
離h1 の位置で2分割受光素子67上のスポットはS3
2である。
【0101】漏れ光信号検出演算部68では、2分割受
光素子67の出力特性を利用して、探針41と試料36
の距離が判断される。図21に示されるように、2分割
受光素子67の出力特性曲線上のb点に於いて、閾値r
ef5 が設定される。
【0102】ここで、漏れ光信号検出演算部68の閾値
判断部69にて、2分割受光素子67の出力電圧Smが
上記閾値ref5 より小さいと判断された場合に、高速
アプローチが行われる。つまり、アプローチ速度切換部
70からハイスピードの指令が、モータドライバ50に
送られる。すると、粗動機構33が上方から高速に降下
され、カンチレバー42の探針41が試料36表面まで
近付けられる。
【0103】一方、上記閾値判断部69で2分割受光素
子67の出力電圧Smが、予め定められた閾値ref5
を越えると、アプローチスピード切換部70から、ロー
スピードの指令がモータドライバ50に送られる。すな
わち、アプローチスピード切換部70によって、低速ア
プローチに切換えられる。その際、探針41は、非常に
遅い速度で試料36に近付けられる。
【0104】そして、探針41が試料36表面に接触す
ると、カンチレバー42が上方に向いて曲がるため、カ
ンチレバー42背面からの反射ビーム76のスポット
が、2分割受光素子66上でシフトする。そのため、カ
ンチレバー42の探針変位信号検出部46の出力信号S
zの電圧が増加する。そして、例えば上記出力信号Sz
が0Vに達すると、アプローチ部47からオフ指令がモ
ータドライバ50に送られて、粗動機構33を駆動する
モータ34が停止され、粗動機構33が停止される。同
時に、アプローチ部47から圧電体31のZ方向に縮む
ように、例えば−100Vが印加され、圧電体31がZ
方向に縮んで、探針41が試料36表面から約1μm離
れる。
【0105】この処理により、自動的に圧電体31の可
動範囲の中心に試料36表面を接触させることができ
る。尚、上述した第5の実施の形態に於いて、漏れ光信
号検出演算部68に微分器を付加して、信号(A−B)
/|A+B|の傾きによって、アプローチの接近速度を
切換える方法を適用することができるのは勿論である。
【0106】このように、第5の実施の形態による走査
型プローブ顕微鏡のアプローチ動作に於いて、探針と試
料間の距離が離れたときに、高速アプローチで探針を短
時間で試料に接近させ、所定の設定した距離に達すると
低速アプローチで探針を試料に接近させる。その結果、
接触時に、試料が探針に与える力を小さくすることがで
きる。加えて、探針先端や試料表面に与えるダメージが
最小限に抑えられ、しかもアプローチ時間を短時間する
ことが可能となる。また、探針先端の鋭さを保つことが
できるため、高分解の測定も可能となる。
【0107】また、探針や試料に与えるダメージをでき
るだけ抑えた迅速なアプローチが可能である。尚、この
発明の上記実施態様によれば、以下の如き構成が得られ
る。
【0108】(1) 自由端に探針を有するカンチレバ
ーを一端に支持する圧電体を用いた走査型プローブ顕微
鏡に於いて、上記カンチレバーの探針と試料との間の原
子間力による探針の変位量を光学的に検出する探針変位
量検出手段と、上記探針変位量検出手段から出力される
探針変位信号の変化に基いて、上記圧電体をZ軸方向に
移動制御することにより上記カンチレバーの探針を上記
試料表面に近接させて位置決めするアプローチ手段とを
具備し、このアプローチ手段は、少なくとも上記圧電体
のZ軸方向の移動を停止制御することを特徴とする走査
型プローブ顕微鏡のアプローチ装置。
【0109】(2) 上記アプローチ手段は、上記探針
変位量検出手段から出力される上記探針変位信号を微分
する微分演算部と、この微分演算部による微分演算信号
が予め定められた閾値を越えたか否かを判断する閾値判
断部と、この閾値判断部の判断結果に応じて上記圧電体
のZ軸方向の移動を停止制御するアプローチ停止部を供
えることを特徴とする上記(1)に記載の走査型プロー
ブ顕微鏡のアプローチ装置。
【0110】(3) 上記アプローチ手段は、上記探針
変位量検出手段から出力される上記探針変位信号を微分
する微分演算部と、その探針変位信号或いは微分演算部
による微分演算信号が予め決められた閾値を越えたか否
かを判断する閾値判断部と、この閾値判断部の判断結果
に応じて上記圧電体のZ方向の移動速度を、高、低速に
切換えるアプローチスピード切換部及び上記圧電体のZ
方向の移動を停止するアプローチ停止部を備えることを
特徴とする上記(2)に記載の走査型プローブ顕微鏡の
アプローチ装置。
【0111】(4) 上記アプローチ手段は、上記探針
変位量検出手段の出力信号が予め定められた閾値を越え
たか否かを判断する閾値判断部と、この閾値判断部で上
記出力信号が予め定められた閾値を越えると上記圧電体
のZ軸方向の移動速度を切換えて制御するアプローチ速
度切換部を備えることを特徴とする上記(1)に記載の
走査型プローブ顕微鏡のアプローチ装置。
【0112】(5) 自由端に探針を有するカンチレバ
ーを一端に支持する圧電体を用いた走査型プローブ顕微
鏡に於いて、上記カンチレバーの探針と試料との間の原
子間力による探針の変位量を光学的に検出する探針変位
量検出手段と、上記探針変位量検出手段から出力される
探針変位信号の変化に基いて、上記圧電体をZ軸方向に
移動制御することにより上記カンチレバーの探針を上記
試料表面に近接させて位置決めするアプローチ手段と、
このアプローチ手段による位置決め時に、上記試料から
反射されたレーザ入射光の反射光を光学的に検出する漏
れ光信号検出手段とを具備し、上記漏れ光信号検出手段
は、上記反射光に基いて少なくとも上記圧電体のZ軸方
向の移動速度を高低速に切換えることを特徴とする走査
型プローブ顕微鏡のアプローチ装置。
【0113】(6) 上記漏れ光信号検出手段は、上記
試料から反射された入射光の反射光を光学的に検出する
漏れ光検出用の受光素子と、この受光素子の出力信号を
予め定められた閾値と比較する閾値判断部を備えること
を特徴とする上記(5)に記載の走査型プローブ顕微鏡
のアプローチ装置。
【0114】上記(1)の構成によれば、アプローチ時
間を短縮することができると共に、試料と探針の相対速
度が遅く、試料に接触する瞬間に探針に与える力を小さ
くすることができるので、探針先端や試料に与えるダメ
ージが無くなり、探針先端の鋭さを保つことができるた
め、高分解能の測定も可能となる。上記(2)の構成に
よれば、探針変位信号検出部の出力信号を微分し、その
微分値の変化を用いて、探針が試料表面に接触してから
粗動機構を迅速に停止させることができるので、探針と
試料接触時間が短く、探針が試料に与える力も小さくす
ることができ、探針先端や試料に与えるダメージが無く
なり、探針先端の鋭さを保つことができるため、高分解
能の測定も可能となる。上記(3)の構成によれば、ア
プローチ時間を短縮することが可能となる。また、試料
と探針の相対速度が遅く、接触の瞬間に探針に与える力
を小さくすることもできる。更に、探針と試料の接触時
間が短く、探針が試料に与える力も小さくすることがで
きるので、探針先端や試料に与えるダメージが無くな
り、探針先端の鋭さを保つことができ、高分解能の測定
も可能となる。また、上記(4)の構成によれば、探針
が試料に対して遠く離れたときには高速アプローチを行
い、試料に予め設定しておいた距離まで探針が接近した
ときには低速アプローチに切換えて遅い速度で接近する
ので、アプローチ時間を短縮することが可能となり、ア
プローチ中に試料が探針に接触する瞬間、探針に与える
力を小さくすることもできる。その結果、探針先端や試
料に与えるダメージが無くなり、探針先端の鋭さを保つ
ことができるため、高分解能の測定も可能となる。
【0115】上記(5)の構成によれば、漏れ光を更に
広範囲に検出することができるので、探針と試料間の距
離が離れたときに、高速アプローチで探針を短時間で試
料に接近させ、所定の設定した距離に達すると低速アプ
ローチで探針を試料に接近させる結果、アプローチ中に
試料が探針に与える力を小さくすることができる。ま
た、探針先端や試料表面に与えるダメージが最小限に抑
えられ、しかもアプローチ時間を短縮することが可能と
なる。更に、探針先端の鋭さを保つことができるため、
高分解能の測定も可能となる。上記(6)の構成によれ
ば、接触時に、試料が探針に与える力を小さくすること
ができ、加えて、探針先端や試料表面に与えるダメージ
が最小限に抑えられ、しかもアプローチ時間を短時間す
ることが可能となる。また、探針先端の鋭さを保つこと
ができるため、高分解の測定も可能となる。
【0116】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、カンチ
レバーの探針及び試料を保護すると共に、アプローチ時
間が長くかかることのない走査型プローブ顕微鏡のアプ
ローチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の走査型プローブ顕微鏡のアプローチ
装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1のカンチレバー変位検出系に用いた光てこ
方式を説明する図である。
【図3】図1のカンチレバー背面からの反射光スポット
と漏れ光スポットの2分割受光素子面に於ける投影図で
ある。
【図4】第1の実施の形態に於ける2分割受光素子面の
投影図と探針変位信号変化検出機構及びその周辺部を示
した図である。
【図5】(a)は第1の実施の形態に於ける2分割受光
素子の出力波形を示した図、(b)は第1の実施の形態
に於ける微分演算部の出力波形を示した図である。
【図6】第1の実施の形態に於ける走査型プローブ顕微
鏡のアプローチ動作について説明するフローチャートで
ある。
【図7】この発明の走査型プローブ顕微鏡のアプローチ
装置の第2の実施の形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図8】(a)は第2の実施の形態に於ける探針変位信
号検出部の出力波形を示した図、(b)は及び第2の実
施の形態に於ける微分演算部の出力波形を示した図であ
る。
【図9】第2の実施の形態に於ける走査型プローブ顕微
鏡のアプローチ動作を説明するフローチャートである。
【図10】この発明の走査型プローブ顕微鏡のアプロー
チ装置の第3の実施の形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図11】第3の実施の形態に於ける2分割受光素子面
の投影図と探針変位信号変化検出機構及びその周辺部を
示した図である。
【図12】第3の実施の形態の探針変位信号検出部の出
力波形を示した図である。
【図13】第3の実施の形態による走査型プローブ顕微
鏡のアプローチ動作について説明するフローチャートで
ある。
【図14】第4の実施の形態による走査型プローブ顕微
鏡のアプローチ装置の構成を示すブロック図である。
【図15】図14の走査型プローブ顕微鏡のカンチレバ
ー変位検出系の構成図である。
【図16】第4の実施の形態に於ける2分割受光素子面
の投影図と漏れ光信号検出演算部及びその周辺部を示し
た図である。
【図17】図14の漏れ光信号検出演算部の出力波形を
示した図である。
【図18】第5の実施の形態による走査型プローブ顕微
鏡のアプローチ装置の構成を示すブロック図である。
【図19】図18の走査型プローブ顕微鏡のカンチレバ
ー変位検出系の構成図である。
【図20】第5の実施の形態に於ける2分割受光素子面
の投影図と漏れ光信号検出演算部及びその周辺部を示し
た図である。
【図21】アプローチ中に於ける試料と探針間の距離に
対する漏れ光信号検出演算部の出力波形を示した図であ
る。
【図22】従来の光てこ方式の走査型プローブ顕微鏡の
構成例を示したブロック図である。
【図23】従来の走査型プローブ顕微鏡で、レーザ光を
カンチレバーの真上から入射する方式の例を示した図で
ある。
【図24】従来の走査型プローブ顕微鏡で、レーザ光を
カンチレバーの横上から入射する方式の例を示した図で
ある。
【図25】従来の走査型プローブ顕微鏡のアプローチの
動作を説明する図である。
【図26】(a)はフォースカーブの特性図、(b)は
同図(a)の各点に於けるカンチレバーの変化を現した
図である。
【図27】(a)はアプローチ時の変位センサ2の出力
波形を示した特性図、(b)は同図(a)の一部を拡大
して示した特性図である。
【符号の説明】
1、31…圧電体、2、32…変位センサ、3、33…
粗動機構、4、34…モータ、6、36…試料、8、3
8…レーザダイオード、9、39…集光レンズ、9a、
39a…コリメートレンズ、10、40…反射ミラー、
11、41…探針、12、42…カンチレバー、14、
44、66、67…2分割受光素子、16、46…探針
変位信号検出部、17、47…アプローチ部、18、4
9…Zサーボ制御部、21、52…XY走査部、19、
50…モータドライバ、20、51…ワークステーショ
ン、48、61、63…探針変位信号変化検出機構、5
7…微分演算部、58、63、69…閾値判断部、59
…アプローチ停止部、62、70…アプローチスピード
切換部、68…漏れ光検出演算部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由端に探針を有するカンチレバーを一
    端に支持する圧電体を用いた走査型プローブ顕微鏡に於
    いて、 上記カンチレバーの探針と試料との間の原子間力による
    探針の変位量を光学的に検出する探針変位量検出手段
    と、 上記探針変位量検出手段から出力される探針変位信号の
    変化に基いて、上記圧電体をZ軸方向に移動制御するこ
    とにより上記カンチレバーの探針を上記試料表面に近接
    させて位置決めするアプローチ手段とを具備し、 このアプローチ手段は、少なくとも上記圧電体のZ軸方
    向の移動を停止制御することを特徴とする走査型プロー
    ブ顕微鏡のアプローチ装置。
  2. 【請求項2】 上記アプローチ手段は、上記探針変位量
    検出手段から出力される上記探針変位信号を微分する微
    分演算部と、この微分演算部による微分演算信号が予め
    定められた閾値を越えたか否かを判断する閾値判断部
    と、この閾値判断部の判断結果に応じて上記圧電体のZ
    軸方向の移動を停止制御するアプローチ停止部を供える
    ことを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微
    鏡のアプローチ装置。
  3. 【請求項3】 自由端に探針を有するカンチレバーを一
    端に支持する圧電体を用いた走査型プローブ顕微鏡に於
    いて、 上記カンチレバーの探針と試料との間の原子間力による
    探針の変位量を光学的に検出する探針変位量検出手段
    と、 上記探針変位量検出手段から出力される探針変位信号の
    変化に基いて、上記圧電体をZ軸方向に移動制御するこ
    とにより上記カンチレバーの探針を上記試料表面に近接
    させて位置決めするアプローチ手段と、 このアプローチ手段による位置決め時に、上記試料から
    反射されたレーザ入射光の反射光を光学的に検出する漏
    れ光信号検出手段とを具備し、 上記漏れ光信号検出手段は、上記反射光に基いて少なく
    とも上記圧電体のZ軸方向の移動速度を高低速に切換え
    ることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡のアプローチ
    装置。
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