JPH0899397A - 表装材及びその製造方法 - Google Patents

表装材及びその製造方法

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JPH0899397A
JPH0899397A JP6261429A JP26142994A JPH0899397A JP H0899397 A JPH0899397 A JP H0899397A JP 6261429 A JP6261429 A JP 6261429A JP 26142994 A JP26142994 A JP 26142994A JP H0899397 A JPH0899397 A JP H0899397A
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JP
Japan
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sheet
thermoplastic resin
resin film
transparent thermoplastic
film
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JP6261429A
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English (en)
Inventor
Tadahiko Inagaki
忠彦 稲垣
Hiroya Kamimura
浩也 上村
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Kyowa Leather Cloth Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Leather Cloth Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度な立体感・奥行き感を表現できると共に
薄い半硬質フィルム又はシートに対しても表現でき、壁
材、家具類調度品等に好適な表装材とその製造方法を提
供すること。 【構成】 写真製版技術により作製した精密エンボスロ
ールによって透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート1に
絞押加工し、透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート1に
所定のパターンで凸部とその表面に多数本の突条群を有
する絞を形成する。一方、熱可塑性樹脂ベースフィルム
又はシート4の片面に色柄模様のインキ塗布部5を形成
し、この面にヒートシール層6を設け、ヒートシール層
6を加熱軟化した状態で透明熱可塑性樹脂フィルム又は
シート1とダブリングし、透明熱可塑性樹脂フィルム又
はシート1の凸部及び突条群をヒートシール層6中に埋
設させ、各凸部の間および各突条の間に空気7を介在さ
せた状態で積層した表装材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表装材及びその製造方法
に係り、壁材用表装材、家具類用表装材等に好適な表装
材、特に内部から浮き出てくる立体感・奥行き感・漆調
の質感等を表現できる表装材及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、表装材には(a)モチーフを写真
製版によって、よりリアルな立体感として表現する印刷
式、(b)基材にプリントやエンボス〔絞(シボ)とも
いう〕を施し、その上に透明熱可塑性樹脂フィルム又は
シートや透明ゾルを施して奥行き感、透明感を表現する
透明層方式、(c)立体的なテクスチェアを有する絞ロ
ールで、メカニカルな絞押しを行ない、そのまま立体感
を表現する絞方式、(d)印刷方式(a)と絞方式
(c)とを組み合わせることによって立体感を表現する
印刷同調絞方式等が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の各方式において
は、一般的な立体感・奥行き感の表現は可能である。し
かしながら、(a)印刷方式、(b)透明層方式、及び
(c)絞方式では印刷の味、絞の味が各々単独でしか表
現できない。また、(d)印刷同調絞方式では、印刷物
(プリント)と絞形状とを同調させる(柄合わせ)作業
が必要があり、この作業は極めて熟練を要する。さらに
(a)〜(d)の方式では、いずれも薄い半硬質フィル
ム又はシート、例えば0.18mm程度の半硬質フィル
ム又はシートでは立体感・奥行き感の表現が困難であ
り、またパターン的に細かく小さいものには不向きであ
る。
【0004】本発明の目的は、上記した従来の課題を解
決し、立体感・奥行き感をより高度に表現できると共に
これらの立体感・奥行き感を薄い半硬質フィルム又はシ
ートに対しても表現することができる表装材とこの表装
材を簡便に製造することができる表装材の製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の表装材は、所定のパターンで複数の凸部が
形成されており、該凸部の頂部には突条が所定の間隔を
もって多数本形成された突条群が形成された透明熱可塑
性樹脂フィルム又はシートと熱可塑性樹脂ベースフィル
ム又はシートとが該透明熱可塑性樹脂フィルム又はシー
トの凸部が形成された面に対し、ヒートシール層を介し
て積層されていることを特徴とするものである。
【0006】また、本発明の表装材において、透明熱可
塑性樹脂フィルム又はシートに形成された突条群は、突
条が所定の間隔をもって多数本形成された突条群と該突
条群の突条とは角度の異なる突条が所定の間隔をもって
多数本形成された他の突条群のうち少なくとも2種以上
の突条群からなることが望ましい。
【0007】更に本発明の表装材においては、透明熱可
塑性樹脂フィルム又はシートに形成された突条の頂部に
インキ塗布部が施されていることが望ましい。また、熱
可塑性樹脂ベースフィルム又はシートのヒートシール層
との接合面側に印刷が施されていることが望ましく、ヒ
ートシール層中に前記透明熱可塑性樹脂フィルム又はシ
ートに形成された各々の突条の突端部側が埋設されて積
層され、透明熱可塑性樹脂フィルム又はシートの凸部間
の溝部と各突条間の溝部に空気が介在していることが望
ましい。
【0008】本発明の表装材の製造方法は、写真製版法
によって所定のパターンで複数の凹部が形成されてお
り、該凹部の底部には溝条が所定の間隔をもって多数本
形成された溝条群が形成された精密エンボスロールを作
製し、該精密エンボスロールを介して透明熱可塑性樹脂
フィルム又はシートの片面を絞押加工して該透明熱可塑
性樹脂フィルム又はシートの片面に前記凹部及び溝条に
各々対応する凸部及び突条を形成し、次いで前記透明熱
可塑性樹脂フィルム又はシートと熱可塑性樹脂ベースフ
ィルム又はシートとをヒートシール層を介して加熱圧着
して、前記突条の各々の突端部側を前記ヒートシール層
内に埋設することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明の表装材によれば、熱可塑性樹脂フィル
ム又はシートに形成された凸部の突条群はその形状を維
持したまま接合されており、このため、ヒートシール層
に埋設された透明熱可塑性樹脂フィルム又はシートの凸
部に形成された突条の形状と熱可塑性樹脂ベースフィル
ム又はシート色と相まって立体感・奥行き感を表現す
る。
【0010】特に角度の異なる複数の突条群を有する場
合、それぞれの突条群による反射効果、立体感・奥行き
感がより高度に発揮される。また、熱可塑性樹脂フィル
ム又はシートに形成された凸部の突条の頂部にインキ塗
布部に形成され、さらに熱可塑性樹脂ベースフィルム又
はシートのヒートシール層側に印刷が施されると、これ
らの印刷模様の相乗効果により独特の意匠的効果を発現
する。更に、ヒートシール層中に透明熱可塑性樹脂フィ
ルム又はシートに形成された各々の突条の突端部側が埋
設され、各凸部間の溝部および各突条間の溝部に空気が
介在すると、その部分における乱反射により立体感・奥
行き感がより高度に発揮される。
【0011】本発明の表装材の製造方法によれば、熱可
塑性樹脂フィルム又はシートは熱可塑性樹脂ベースフィ
ルム又はシートに直接加熱圧着することなく、ヒートシ
ール層を介して加熱圧着するものであるから、熱可塑性
樹脂フィルム又はシートに形成された凸部の突条群をそ
の形状を維持したまま接合することができ、また、精密
エンボスによって凹凸形状が形成された透明熱可塑性樹
脂フィルム又はシートに対し、ヒートシール層が加熱圧
着されるため、薄い半硬質フィルム又はシート、例え
ば、0.14〜0.30mm程度の薄いフィルム又はシ
ートを使用できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の表装材の実施例を図1〜図7
に基づいて説明する。図1はエンボスロール(反射ロー
レット)の作成時における柄模様のパターンを示してい
る。まずこの柄模様のパターンを作成するに際して、本
実施例では第1〜第5の製版用フィルムが作成される。
【0013】第1の製版用フィルムにおいては、図示の
通りパターンAが−45°の角度で多数のバイアス線a
が所定の間隔で形成されたポジフィルムである。第2の
製版用フィルムにおいては、図示の通りのパタ−ンBが
30°の角度で多数のバイアス線bが所定の間隔で形成
されたポジフィルムである。第3の製版用フィルムにお
いては、図示の通りのパターンCが−30°の角度で多
数のバイアス線cが所定の間隔で形成されたポジフィル
ムである。第4の製版用フィルムにおいては、図示の通
りのパターンDでバイアス線のない所謂ツルの状態で形
成されたポジフィルムである。第5の製版用フィルムに
おいては、図示の通りのパターンEが45°の角度で多
数のバイアス線eが所定の間隔で形成されたポジフィル
ムである。
【0014】これらの製版用フイムルを、例えばパター
ンA,B,Cで下地を構成し、パターンD,Eはパター
ンA,B,Cの下地にカブルようにし、かつパターンD
はパターンEの縁を形成するように焼付け、エッチング
等の写真製版技術によって精密エンボスロールを作成す
る。この精密エンボスロールには、前記複数のポジフィ
ルムに対応したパターンからなる凹凸部を有する絞が形
成される。
【0015】次に精密エンボスロールによって透明熱可
塑性樹脂フィルム又はシートに絞押加工を施すと、精密
エンボスロールに形成された凹凸に対応した凹凸が形成
される。図2は絞押加工後の透明熱可塑性樹脂フィルム
又はシートを示す斜視図、図3はその要部断面図であ
る。この透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート1には、
精密エンボスロールの凸部に対応する凹部2と精密エン
ボスロールの溝条に対応する突条3が形成される。
【0016】上記した構成において、透明熱可塑性樹脂
フィルム又はシート1としては、ポリ塩化ビニール、ポ
リ塩化ビニリデン、アセテート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニールアルコール、ポリアミド等の熱可塑
性樹脂よりなるフィルム又はシートを使用することがで
きるが、硬度調整、加工性、透明性の観点からポリ塩化
ビニルに可塑剤を含むフィルム又はシートが適してい
る。
【0017】また、透明熱可塑性樹脂フィルム又はシー
ト1の厚みは表装材の用途によって異なるが、60〜1
40μmの厚みが望ましい。透明熱可塑性樹脂フィルム
又はシート1の厚みが突条の深度よりも薄いと、透明熱
可塑性樹脂フィルム又はシート1の裏側が凹凸状とな
り、一方、140μmよりも厚いと、熱可塑性樹脂ベー
スフィルム又はシート4と透明熱可塑性樹脂フィルム又
はシート1とをヒートシール層6を介して組み合わせた
場合、必要以上に厚くなり、施工性、運搬等において不
都合となる。
【0018】また、透明熱可塑性樹脂フィルム又はシー
ト1に施される絞押加工による凸部の表面に形成される
突条のピッチは1インチに対し、300〜100メッシ
ュであり、したがって、突条のピッチは84〜254μ
mである。一方、突条の頂部の幅は42〜127μmで
ある。次に各突条間の深度は15μm〜50μmが望ま
しい。各突条間の深度が15μmよりも小さいと、絞ロ
ールの製造上、溝状群を形成することが困難となり、一
方、50μmよりも大きいと溝状群による反射効果、奥
行き感、立体感等の繊細な表現が困難となる。
【0019】透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート1の
凸部の表面に形成される突条は、所定の間隔をもって多
数本形成された突条群からなるが、望ましくは、所定の
間隔をもって多数本形成された突条群とこの突条群の突
条とは角度の異なる突条が所定の間隔をもって多数本形
成された他の突条群のうちの少なくとも2種以上が形成
されているのがよい。この場合、ヒートシール層6内に
埋設されたそれぞれの角度の異なる突条群による反射方
向の相違による反射効果により独特の意匠的効果を表現
することができる。
【0020】次に図4及び図5に示すように熱可塑性樹
脂ベースフィルム又はシート4の表面に所定の色柄模様
のインキ塗布部5が形成される。熱可塑性樹脂ベースフ
ィルム又はシート4としては、透明熱可塑性樹脂フィル
ム又はシート1に使用される樹脂と同様な樹脂を使用す
ることができる。熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシー
ト4の厚みは表装材の用途、透明熱可塑性樹脂フィルム
又はシート1に形成される凸部の高さ等によって異なる
が、例えば、60〜140μm程度が好ましい。
【0021】次に熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシー
ト4の上に形成されるインキ塗布部5は透明熱可塑性樹
脂フィルム又はシート1の下面に形成される凸部の配置
状態に応じて任意のパターンの色柄模様を選定すること
ができる。このインキ塗布部5は透明熱可塑性樹脂フィ
ルム又はシート1の凹部2と共に突条3の部分に対応す
る部分にも形成され、これらの両者の色柄模様の相乗効
果によって独特の立体感を表現することができる。
【0022】次に熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシー
ト4上にヒートシール層6が設けられる。ヒートシール
層6には、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル系、エチレ
ン−アクリレート系、ポリエステル系、エチレン−酢酸
ビニル系、ポリウレタン系、ポリカーボネート系接着剤
の群から選ばれる接着剤等の接着剤を使用することがで
きる。これらの接着剤の中で透明熱可塑性樹脂フィルム
又はシート1と熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシート
4を構成する各々の樹脂に対して相溶性のあるものを選
定することが望ましい。ヒートシール層6は透明である
ことが望ましく、必要に応じて着色透明としてもよい。
また、シール層6はドライで5μm〜10μm程度の厚
みが好ましい。
【0023】次に熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシー
ト4上のヒートシール層6を加熱軟化した状態で、この
ヒートシール層6の面に透明熱可塑性樹脂フィルム又は
シート1の突条3が形成された面を対面させて接合する
と、図7に示すような積層状態となる。
【0024】この場合、可塑剤の配合部数等にもよるが
透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート1の軟化温度は1
10℃程度であり、またヒートシール層6の軟化温度
は、接着剤の種類にもよるが70〜90℃である。した
がって、ヒートシール層6の軟化温度では、透明熱可塑
性樹脂フィルム又はシート1は軟化することなく、その
形状を維持できる。
【0025】この結果、透明熱可塑性樹脂フィルム又は
シート1に形成された突条群はその形状を維持したまま
ヒートシール層6内に埋設される。ヒートシール層6に
対する透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート1の圧着の
程度を調整することによって図7に示すように各突条間
の溝部に空気7が介在し、また各凸部間の溝部に空気7
が介在する状態で透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート
1と熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシート4とをヒー
トシール層6を介して積層させることができる。このよ
うな空気7が介在すると、この空気7と樹脂との境界部
分で乱反射がおこり、化粧シートに立体感、奥行き感を
発揮させることができる。
【0026】図8および図9は、本発明の化粧シートの
他の実施例を示している。本実施例では図8に示すよう
に透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート1の突条頂部に
各々インキ塗布部8が施されており、この透明熱可塑性
樹脂フィルム又はシート1を用いて構成された化粧シー
トは図9のような断面構造となる。特に突条3の頂部
に、パールインキによるインキ塗布部8を形成し、この
部分の反射効果等により立体感、奥行き感等を付与する
場合、特に写真製版技術で可能な限り突条の頂部の幅は
小さい方が望ましい。
【0027】このインキ塗布部8にはパールインキが用
いられるが、パールインキの代わりに、他の輝度性を有
するインキ、例えば、メタリック調のインキを使用する
こともできる。また、この突条の頂部にはパールイン
キ、メタリック調のインキ等の輝度性を有するインキを
用いることなく通常の着色インキを用いる場合には、熱
可塑性樹脂ベースフィルム又はシート4を輝度性を有す
るインキによって着色したシートとすることもできる。
特に角度の異なる複数の突条群の頂部にパールインキ、
メタリック調のインキ等の輝度性を有するインキを施し
た場合には熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシート4の
着色と輝度性を有するインキによる反射効果の織りなす
色のハーモニーを、例えば、漆調の質感までも表現する
ことができる。
【0028】上記した熱可塑性樹脂ベースフィルム又は
シート4の下面側(すなわち、透明熱可塑性樹脂フィル
ム又はシート1の接合面と対応する面側)に裏打ち材が
接合されるようになっている。この場合、裏打ち材とし
ては、例えば、表装材が家具調度品材料の場合には合板
等が使用され、また、表装材が壁材等の場合には編布、
織布、不織布、紙等を用いることができる。特に紙の場
合、難燃紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維紙、アスベス
ト紙等を用いれば、表装材の難燃効果をあげることがで
きる。
【0029】なお、透明熱可塑性樹脂フィルム又はシー
ト1の表面は、反射効果、奥行き感、立体感等の繊細な
表現を形成するためには艶を有する状態が好ましいが、
必要に応じてフィルム又はシート表面の艶を落とし、艶
消し状にするため、裏打ち材を接合する際に梨地状のエ
ンボスや艶消しの表面処理を施してもよい。また、透明
熱可塑性樹脂フィルム又はシート1は、必ずしも無色透
明である必要はなく、突状群に形成されたインキ塗布部
等の効果が表面に表現できるような隠蔽力を有しない限
り、所謂、着色透明であってもよい。
【0030】このように本実施例によればヒートシール
層6中に埋設された状態の透明熱可塑性樹脂フィルム又
はシート1の凸部の表面に形成された突条頂部のインキ
塗布部8が光の反射により立体感と独特の奥行き感を表
現でき、また熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシート4
に形成されるインキ塗布部5が独特のエンボス凹凸模様
とその色柄模様との相乗的作用によって独特の漆調の質
感を与えることができる。また、この表装材の特徴とし
て、突条群の角度と深度及びピッチを夫々変えることが
できるため、いわゆる反射後の特徴として、見る角度と
方向から光りの受け方により複雑に柄が変化して見え
る。これに加えて突条頂部のパールインキ、メタリック
調のインキ等の輝度性を有するインキやベースフィルム
又はシートの色柄模様が組み合わさり、これらが相まっ
てより一層立体感・奥行き感を薄い表装材の中に表現で
きる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明の表装材によれば、
より高度な立体感、奥行き感に優れた表装材を提供する
ことができ、また厚みの極めて薄い半硬質フィルム又は
シートに対してもその内部に繊細なエンボス模様を表現
できる。特にインキ塗布部を設けた場合には、ヒートシ
ール層内部に埋設された絞と突条頂部のインキ塗布部と
の融合による浮き出してくる立体感、奥行き感を表現で
き、また、下地の色(熱可塑性樹脂ベースフィルム又は
シート)と反射効果によるインキ塗布部が織りなす色の
ハーモニーによって漆調の質感をも表現することができ
る。
【0032】また、本発明の表装材の製造方法によれ
ば、上記した特性を有する表装材を絞形成、プリント、
チッピング及びダブリング加工という通常の簡便な工程
で作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表装材の製造方法における写真製版時
のポジフィルムのパターンを示すための説明図である。
【図2】本発明における透明熱可塑性樹脂フィルム又は
シートの要部斜視図である。
【図3】図2の要部断面図である。
【図4】本発明の表装材における熱可塑性樹脂ベースフ
ィルム又はシートの斜視図である。
【図5】図4の要部断面図である。
【図6】本発明における熱可塑性樹脂ベースフィルム又
はシートにヒートシール層を設けた断面図である。
【図7】本発明の表装材の一実施例を示す要部断面図で
ある。
【図8】本発明の透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート
の他の例を示す要部断面図である。
【図9】本発明の表装材の他の実施例を示す要部断面図
である。
【符号の説明】
1 透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート 2 凹部 3 突条 4 熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシート 5 インキ塗布部 6 ヒートシール層 7 空気 8 インキ塗布部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 31/12 9349−4F 31/20 9349−4F // B29L 7:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のパターンで複数の凸部が形成され
    ており、該凸部の頂部には突条が所定の間隔をもって多
    数本形成された突条群が形成された透明熱可塑性樹脂フ
    ィルム又はシートと熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシ
    ートとが該透明熱可塑性樹脂フィルム又はシートの凸部
    が形成された面に対しヒートシール層を介して積層され
    ていることを特徴とする表装材。
  2. 【請求項2】 前記透明熱可塑性樹脂フィルム又はシー
    トに形成された突条群は、突条が所定の間隔をもって多
    数本形成された突条群と該突条群の突条とは角度の異な
    る突条が所定の間隔をもって多数本形成された他の突条
    群のうち少なくとも2種以上の突条群からなることを特
    徴とする請求項1の表装材。
  3. 【請求項3】 前記突条群を構成する各突条間の深度が
    15〜50μmであり、前記各突条のピッチが84〜2
    54μmであることを特徴とする請求項1の表装材。
  4. 【請求項4】 前記透明熱可塑性樹脂フィルム又はシー
    トに形成された突条の頂部にインキ塗布部が施されてい
    ることを特徴とする請求項1の表装材。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂ベースフィルム又はシ
    ートのヒートシール層との接合面側に印刷が施されてい
    ることを特徴とする請求項1の表装材。
  6. 【請求項6】 前記ヒートシール層が、塩化ビニル−酢
    酸ビニル系、エチレン−アクリレート系、ポリエステル
    系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリウレタン系、ポリカ
    ーボネート系接着剤の群から選ばれる接着剤からなるこ
    とを特徴とする請求項1の表装材。
  7. 【請求項7】 前記ヒートシール層中に前記透明熱可塑
    性樹脂フィルム又はシートに形成された各々の突条の突
    端部側が埋設されて積層され、前記透明熱可塑性樹脂フ
    ィルム又はシートの各凸部間の溝部と各突条間の溝部に
    空気が介在していることを特徴とする請求項1の表装
    材。
  8. 【請求項8】 写真製版法によって所定のパターンで複
    数の凹部が形成されており、該凹部の底部には溝条が所
    定の間隔をもって多数本形成された溝条群が形成された
    精密エンボスロールを作製し、該精密エンボスロールを
    介して透明熱可塑性樹脂フィルム又はシートの片面を絞
    押加工して該透明熱可塑性樹脂フィルム又はシートの片
    面に前記凹部及び溝条に各々対応する凸部及び突条を形
    成し、次いで前記透明熱可塑性樹脂フィルム又はシート
    の凸部及び突条との形成面と熱可塑性樹脂ベースフィル
    ム又はシートとをヒートシール層を介して加熱圧着し
    て、前記突条の各々の突端部側を前記ヒートシール層内
    に埋設することを特徴とする表装材の製造方法。
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