JPH0898620A - 移動農機の走行伝動装置 - Google Patents

移動農機の走行伝動装置

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JPH0898620A
JPH0898620A JP26193794A JP26193794A JPH0898620A JP H0898620 A JPH0898620 A JP H0898620A JP 26193794 A JP26193794 A JP 26193794A JP 26193794 A JP26193794 A JP 26193794A JP H0898620 A JPH0898620 A JP H0898620A
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gear
shaft
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transmission
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Yasushi Fujita
靖 藤田
Fumio Yoshimura
文夫 吉邨
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、コンバインなどのクローラ式の移
動農機において、片方のクローラに制動を掛けてピボッ
トターンにより機体を旋回する場合に、その操作性を向
上することを目的にする。 【構成】 クラッチとブレーキを一体に組付けたサイド
クラッチ・ブレーキを左右独立に設け、これらのサイド
クラッチ・ブレーキを介してエンジンの動力をクローラ
へ伝動するように構成して、緩旋回モードとスピンター
ンモードとは別個にピボットターンの単独モードを設定
する。これによりピボットターンを行うステアリングレ
バーの位置が路面状態やクラッチの調整のばらつきなど
に関係なく、常に安定し、ピボットターンの操作性が向
上する。またピボットターン中、サイドクラッチ・ブレ
ーキのクラッチは半クラッチにはしないから、クラッチ
の摩耗がなく耐久性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クローラにより走行す
るコンバインやハーベスタのような移動農機の走行伝動
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クローラ式の移動農機の場合、機体の進
路を変更するのに、3通りの方法がある。左右のクロー
ラを互いに逆方向に回転するスピンターンと、一方のク
ローラに制動を掛けるピボットターンと、一方のクロー
ラを他方のクローラと同一の方向にそれより低速で駆動
する緩旋回である。これら3通りの進路変更を状況に応
じ自在に切替えて操向制御を行う。
【0003】このような操向制御を行う走行伝動装置と
して、従来、左右のクローラを駆動する動力の伝動経路
にクラッチを左右独立に配し、各クラッチを操作しなが
らギヤを切替えて片方のクローラを逆転したり低速駆動
してスピンターンや緩旋回を行うものが提案されている
(実開平3−71988号公報)。
【0004】この場合のピボットターンはスピンターン
への移行途中で行う。クローラの回転は、直進モードか
らスピンターンモードに移行する途中で、クラッチの逆
転駆動トルクと機体の制動トルクが釣り合って停止す
る。このときピボットターンが行われるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにクラッチの
逆転駆動トルクと機体の制動トルクが釣り合った点でピ
ボットターンを行うものは、双方のトルクのバランスが
路面状態(乾田、湿田、アスファルト等)で微妙に変化
するため、常に安定した状態にあるとは限らず、ピボッ
トターンを行うステアリングレバーの位置が路面状態に
より変化し、安定感がない。またクラッチの調整のばら
つきでも、トルクがバランスするステアリングレバー位
置が変化し、メカ連動系の経年変化(摩耗等による劣
化)でも狂いが発生する。さらにピボットターン中の半
クラッチによりクラッチが摩耗しやすく耐久性が低下す
るなどの数々の問題がある。
【0006】一般にピボットターンは3通りの進路変更
のなかで使用頻度が最も高い重要な旋回モードであるか
ら、それがこのように設定しづらいということは、コン
バインの操作性自体の低下につながるため、その問題の
解決が望まれていた。
【0007】そこで本発明は、クローラへの動力伝動経
路にピボットターンの単独モードを設定して従来の前記
の問題点を一掃することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、機体左右に
独立回転するクローラを配し、このクローラにエンジン
の動力を伝達するミッションを設ける。
【0009】そしてミッションの左右一対の出力軸をそ
れぞれ前記クローラに連結し、ミッションの入力軸と出
力軸の間に配備した変速軸を、入力軸に高速・低速切換
自在に連結する。
【0010】また前記ミッションにはクラッチとブレー
キを一体に組付けたサイドクラッチ・ブレーキを左右独
立に設け、これらのサイドクラッチ・ブレーキを介して
前記左右一対の出力軸をそれぞれ前記変速軸に連結す
る。
【0011】一方、前記入力軸により駆動する緩旋回駆
動ギヤ及び前記変速軸により駆動する逆転ギヤを設け、
前記左右一対の出力軸をそれぞれの左右の切換クラッチ
を介して前記緩旋回駆動ギヤか逆転ギヤに切換可能に連
結する。
【0012】そして前記左右のサイドクラッチ・ブレー
キ及び切換クラッチを操作することにより、前記左右の
出力軸の一方に緩旋回駆動ギヤの回転を伝達して両出力
軸を所定の速度差を有した状態で同一方向に駆動する緩
旋回状態と、前記左右の出力軸の一方にサイドクラッチ
・ブレーキの制動を掛けるピボットターン状態と、前記
左右の出力軸の一方に逆転ギヤの回転を伝達して他方の
出力軸に対し逆方向に駆動するスピンターン状態と、の
いづれかに切換自在に構成する。
【0013】
【作用】例えば、左のサイドクラッチ・ブレーキのクラ
ッチを「入」で、右のサイドクラッチ・ブレーキのクラ
ッチは「切」にする。また左の切換クラッチを「切」
で、右の切換クラッチを「入」にする。この際、右の切
換クラッチの入力側に緩旋回駆動ギヤを接続している場
合、左の出力軸には変速軸の動力が伝達し、右の出力軸
には緩旋回駆動ギヤの動力が伝達する。その結果、右の
クローラは減速され左のクローラに比べ低速で駆動され
る。このため機体は右側に緩旋回する。
【0014】同じ状態で、右の切換クラッチの入力側に
逆転ギヤを接続している場合、右の出力軸には逆転ギヤ
の動力が伝達し、右のクローラが逆転し機体は右側にス
ピンターンをする。
【0015】また左のサイドクラッチ・ブレーキのクラ
ッチを「入」で、右のサイドクラッチ・ブレーキのクラ
ッチを「切」にしてブレーキを掛け、左右の切換クラッ
チは「切」にすると、右の出力軸に右のサイドクラッチ
・ブレーキの制動が掛り、機体は右側にピボットターン
をする。このようなブレーキ操作はサイドクラッチ・ブ
レーキの圧力制御のみで行われるので、作動が安定して
いる。
【0016】左右の操作を前記と逆にすると、機体は左
側に緩旋回、スピンターン若しくはピボットターンをす
る。
【0017】
【実施例】図1及び図2は、本発明を実施したコンバイ
ンを示す。
【0018】1、1はコンバインのクローラで、2はク
ローラ駆動軸を示す。3は刈取り部、4は脱穀部であ
る。
【0019】図3は、エンジン(図示しない)の動力を
左右のクローラ1、1に伝動するトランスミッションの
断面図である。
【0020】5はエンジンの動力を受けてポンプを駆動
する静油圧式無段変速装置(HST)のモータで、ミッ
ションケース6の外側に連設し、その出力側をトランス
ミッションの入力軸7に直結する。
【0021】入力軸7の左右に低速ギヤ8と高速ギヤ9
を遊嵌し、両ギヤの中間に増速クラッチ10を装備す
る。
【0022】増速クラッチ10はディスク形式のクラッ
チで、入力軸7に対しクラッチケース11を固着し、低
速ギヤ8または高速ギヤ9側に一体のディスク(図示し
ない)と、クラッチケース11側に一体のディスク(図
示しない)をわずかな間隙を介して複数枚づつ交互に配
置した構造で、これらのディスクをピストン12または
13により油圧で押圧して、これによりディスク面同士
を摩擦させ、クラッチケース11と低速ギヤ8または高
速ギヤ9とを一体化して、入力軸7の回転を低速ギヤ8
または高速ギヤ9に伝える。10aはスプリングで、ピ
ストン12を低速ギヤ8に向け常時押圧する。そしてデ
ィスクを挟んでピストン12または13若しくはスプリ
ング10aに対抗する位置には、それらの押圧力に抗し
てディスクを支持するストッパ12a及び13aを設け
る。
【0023】14は第1伝動軸で、その左右に固着する
第1伝動ギヤ15と第2伝動ギヤ16に、それぞれ低速
ギヤ8と高速ギヤ9を常時噛合する。
【0024】17は変速軸で、これに作業速チェンジギ
ヤ18と走行速チェンジギヤ19を遊嵌すると共に、作
業速チェンジギヤ18に一体的に形成した緩速伝動ギヤ
20と走行速チェンジギヤ19の中間に、摺動子21を
軸方向に移動可能にスプライン結合する。作業速チェン
ジギヤ18と走行速チェンジギヤ19とでは、作業速チ
ェンジギヤ18のほうが走行速チェンジギヤ19よりも
ギヤの有効径が大きい。摺動子21とギヤ19、20に
は相互に係脱自在な係合歯を形成する。摺動子21は運
転席の図示しない副変速レバーの操作により軸方向に摺
動する。作業速チェンジギヤ18は第1伝動軸14に固
着した第3伝動ギヤ22に、また走行速チェンジギヤ1
9は第1伝動ギヤ15に常時噛合する。
【0025】23は変速軸17の端部に取り付けた光学
式の車速センサで、変速軸17の回転数よりコンバイン
の車速を検出する。
【0026】24は第2伝動軸で、その左右にサイドク
ラッチ・ブレーキ25、26を装備する。これらの構造
は左右対称で、そのうち右側のサイドクラッチ・ブレー
キ25の詳細を図4に示す。
【0027】27はサイドクラッチ・ブレーキ25の回
転ケースで、第2伝動軸24に対し回転可能に遊嵌す
る。回転ケース27内の左右に、増速クラッチ10と同
じディスク形式の右サイドクラッチ28及び右ブレーキ
29を配置する。30は環状のディスクで、第2伝動軸
24に固着したギヤ31の外周に係合し、各ディスク3
0の間に、回転ケース27の内周に係合する環状のディ
スク32を交互に配置する。33は回転ケース27に一
体の受止板で、その側面に形成する爪を、第2伝動軸2
4に遊嵌する第4伝動ギヤ34の爪に常時連結する。デ
ィスク30、32を挟んで受止板33の反対側に、圧力
板35を介して右サイドクラッチ用ピストン36を設け
る。37は、右サイドクラッチ用ピストン36を弾圧す
るバネである。
【0028】一方、右ブレーキ29側のディスク38
は、ミッションケース6の内側に一体的に突出した軸受
け筒39の外周に係合し、各ディスク38の間に、回転
ケース27の内周に係合するディスク40を交互に配置
する。41は回転ケース27に一体の受止板で、ディス
ク38、40を挟んだ受止板41の反対側には、圧力板
42を介して右ブレーキ用ピストン43を設ける。4
4、45および46は、ピストン36、43を駆動する
油圧のポートである。
【0029】これら3個のポートを1台のサイドクラッ
チ・ブレーキに組み込むことにより、サイドクラッチ・
ブレーキ1台でクラッチの「入」「切」とブレーキ掛け
の3つの操作ができる。
【0030】なお圧力板42を図示しないシフタにより
受止板41側に押す構成にしても良い。この場合、シフ
タを介して機械的にクラッチを切りブレーキを掛けるこ
とができる。
【0031】回転ケース27の外周には、軸方向に摺動
自在に連結板47を取り付け、その通孔に圧力板35及
び42の一部を緩く挿通して、これにより右サイドクラ
ッチ28の圧力板35と右ブレーキ29の圧力板42を
連結する。
【0032】このような右側のサイドクラッチ・ブレー
キ25と対称な左側のサイドクラッチ・ブレーキ26側
にも、第4伝動ギヤ34と対を成す第5伝動ギヤ48
を、第2伝動軸24に遊嵌する。そして第4伝動ギヤ3
4と第5伝動ギヤ48の間に第6伝動ギヤ49を配置
し、これを第2伝動軸24に固着する。第6伝動ギヤ4
9に一体に第7伝動ギヤ50を固着し、この第7伝動ギ
ヤ50と、変速軸17に固着した第8伝動ギヤ51を常
時噛合する。
【0033】52は第3伝動軸で、その左右に緩旋回駆
動ギヤ53、逆転ギヤ54を遊嵌し、両ギヤの間に軸方
向に移動可能な切換ギヤ55をスプライン結合する。左
側の緩旋回駆動ギヤ53は緩速伝動ギヤ20に、また右
側の逆転ギヤ54は第6伝動ギヤ49に、それぞれ常時
噛合する。切換ギヤ55と緩旋回駆動ギヤ53、逆転ギ
ヤ54には、相互に係脱自在な係合歯を形成する。
【0034】56は第4伝動軸で、その左右にディスク
形式の切換クラッチ57、58を装備する。左右の切換
クラッチ57、58の構造は対称で、基本的には前記の
増速クラッチ10と同一である。59、60は第4伝動
軸56の左右に固着したクラッチケースを示す。
【0035】第4伝動軸56には、1対の第9伝動ギヤ
61と第10伝動ギヤ62を遊嵌し、これらのギヤ6
1、62にそれぞれ一体に、第9伝動ギヤ63と第12
伝動ギヤ64を固着する。そして第9伝動ギヤ61及び
第10伝動ギヤ62側に一体のディスク(図示しない)
と、クラッチケース59、60側に一体のディスク(図
示しない)を、わずかな間隙を介して複数枚づつ交互に
配置し、これらのディスクをピストン65または66に
より油圧で押圧して、ディスク面同士を摩擦させ、これ
によりクラッチケース59、60と第9伝動ギヤ61ま
たは第10伝動ギヤ62とを一体化して、第4伝動軸5
6の回転を第9伝動ギヤ63または第12伝動ギヤ64
に伝える。そして第9伝動ギヤ63は第5伝動ギヤ48
に、また第12伝動ギヤ64は第4伝動ギヤ34に、そ
れぞれ常時噛合する。
【0036】67、68はトランスミッションの左右独
立した出力軸で、それぞれ左右のクローラ駆動軸2、2
にギヤを介して連結する。左右の出力軸67、68に固
着の第13伝動ギヤ69と第14伝動ギヤ70は、それ
ぞれ第9伝動ギヤ61と第10伝動ギヤ62に常時噛合
する。71は第4伝動軸56に固着した第15伝動ギヤ
で、切換ギヤ55に常時噛合する。
【0037】油圧ポンプ72に左クラッチ切換弁73及
び右クラッチ切換弁74を接続する。そして右クラッチ
切換弁74に右サイドクラッチ28を接続し、さらにこ
の右クラッチ切換弁74に対し、右切換クラッチ減圧弁
75を介して右切換クラッチ58を接続し、また右ブレ
ーキ減圧弁76を介して右ブレーキ29を接続する。
【0038】同様に、左クラッチ切換弁73に、左のサ
イドクラッチ・ブレーキ26の左サイドクラッチ77を
接続し、さらにこの左クラッチ切換弁73に対し、左切
換クラッチ減圧弁78を介して左切換クラッチ57を、
また左ブレーキ減圧弁79を介して左ブレーキ80をそ
れぞれ接続する。左サイドクラッチ77と左ブレーキ8
0は、それぞれ前述した右のサイドクラッチ・ブレーキ
25の右サイドクラッチ28と右ブレーキ29の構造と
同一である。
【0039】81はタンク、82はフィルタ、83はリ
リーフ弁をそれぞれ示す。
【0040】油圧ポンプ72には、更に、増速クラッチ
切換弁84を介して増速クラッチ10を接続する。
【0041】図6は制御系の接続図で、コントローラ8
5の出力側に、左クラッチ切換弁73、右クラッチ切換
弁74、左ブレーキ減圧弁79、右ブレーキ減圧弁7
6、左切換クラッチ減圧弁78、右切換クラッチ減圧弁
75、及び増速クラッチ切換弁84をそれぞれ接続す
る。
【0042】そしてコントローラ85の入力側には、ス
テアリングレバー(図示しない)の位置を検出するステ
アリングレバー位置検出センサ86、左ブレーキ80の
圧力を検出する左ブレーキ圧力センサ87、右ブレーキ
29の圧力を検出する右ブレーキ圧力センサ88、左切
換クラッチ57の圧力を検出する左切換クラッチ圧力セ
ンサ89、及び右切換クラッチ58の圧力を検出する右
切換クラッチ圧力センサ90をそれぞれ接続する。これ
らの圧力センサ87〜90はフィードバック制御用のも
のである。
【0043】更に、左右のミッションギヤ回転センサ9
1、92及び車速センサ23を、コントローラ85の入
力側に接続する。ミッションギヤ回転センサ91、92
は、スピンターンに移行する際、旋回内側が完全に停止
したことを検出したり、あるいは後述の緩旋回モードへ
の移行時にクローラが設定回転数以下に落ち込まないよ
うに監視するのに利用する。
【0044】93は、ターンの種類を選択するターンモ
ード切換レバー(図示しない)の位置検出スイッチで、
3個の接点がそれぞれ緩旋回、ピボットターン及びスピ
ンターンに対応する。
【0045】94は緩旋回の旋回半径切換スイッチの接
点で、3個の接点がそれぞれ旋回半径大、中、小に対応
する。95は増速クラッチ10の入力スイッチで、運転
席の図示しない主変速レバーの把持部に設置する。96
は駐車ブレーキの入力スイッチを示す。
【0046】次に作用を説明する。
【0047】静油圧式無段変速装置(HST)のモータ
5の出力を受けてトランスミッションの入力軸7が回転
する。HSTは、エンジンの動力で駆動されるHSTの
ポンプの斜盤を、運転席の主変速レバーで角度変更する
ことにより、HSTのモータ5の出力軸の回転を無段階
に変速できる。
【0048】ここで増速クラッチ10が低速側でその入
力スイッチ93がオフであれば、ピストン12が油圧で
ディスクを押圧し、これによりクラッチケース11と低
速ギヤ8が一体化して、入力軸7の回転が低速ギヤ8に
伝わる。
【0049】このときスプリング10aはピストン12
を低速ギヤ8に向け常時押圧するから、バルブの故障や
電気的なトラブルが発生してピストン12に油圧が掛か
らなくとも、ディスクが摩擦して低速ギヤ8に回転が伝
達し、これにより緊急的な走行が可能となる。またエン
ジン停止後もスプリング10aによる伝達力が保持され
るため、駐車ブレーキの機能を生じ、坂道でエンジンを
止めても機体が自然に下がりだすことがないという利点
がある。
【0050】低速ギヤ8の回転は、第1伝動ギヤ15を
経て第1伝動軸14に伝わり、更に第1伝動ギヤ15と
第3伝動ギヤ22より、走行速チェンジギヤ19と作業
速チェンジギヤ18に伝わる。ギヤ18とギヤ19の回
転速度は異なり、ギヤ18の回転はギヤ19よりも遅
い。
【0051】そこで図示しない副変速レバーにより摺動
子21を移動して、摺動子21を、走行速チェンジギヤ
19か緩速伝動ギヤ20のいずれかに係合する。走行速
チェンジギヤ19に係合すると、ギヤ19の回転が摺動
子21を経て変速軸17に伝動し、軸17は高速回転す
る。他方、摺動子21を、緩速伝動ギヤ20に係合する
と、緩速伝動ギヤ20は作業速チェンジギヤ18と一体
だから、軸17は低速回転する。
【0052】変速軸17の回転は、第8伝動ギヤ51よ
り第7伝動ギヤ50及び第6伝動ギヤ49を経て、第2
伝動軸24に伝わる。
【0053】ここで右サイドクラッチ28は「入」の状
態で、第2伝動軸24の回転は、第2伝動軸24に固着
したギヤ31より回転ケース27を経て、第4伝動ギヤ
34に伝わる。同様に、左のサイドクラッチ・ブレーキ
26のサイドクラッチも「入」の状態で、第2伝動軸2
4の回転が、第5伝動ギヤ48に伝わる。
【0054】ギヤ34、48の回転は、第11伝動ギヤ
63と第10伝動ギヤ64に伝わり、更にこれらと一体
の第9伝動ギヤ61と第8伝動ギヤ62を経て、第13
伝動ギヤ69と第12伝動ギヤ70より、トランスミッ
ションの左右の出力軸67、68に伝わる。
【0055】これにより左右のクローラ駆動軸2が同一
速度で回転し、コンバインは直進する。
【0056】そして副変速レバーにより摺動子21を移
動して作業速か走行速かを選択し、刈取り、脱穀等の作
業時には低速の作業速(作業モード)で走行し、また作
業せずに路上等を走行する場合は高速の走行速(走行モ
ード)で走行する。またどちらのモードでも、直進中に
前記の主変速レバーを操作すれば、HSTのモータ5に
より車速を無段階に調節できる。
【0057】増速クラッチ10を高速側に切換えると、
更に高速で走行することができる。増速クラッチ10の
入力スイッチ93を閉じて高速側にクラッチ「入」にす
ると、コントローラ85より制御信号が出力して増速ク
ラッチ切換弁84が切り換わる。これによりピストン1
3に油圧が掛り、高速側のディスクが一体化すると同時
に低速側のディスククラッチが切れ、入力軸7の回転が
高速ギヤ9に伝わる。高速ギヤ9の回転は、第2伝動ギ
ヤ16より第1伝動軸14に伝わり、第1伝動軸14が
高速回転する。
【0058】このように増速クラッチ10を設けると、
走行モードの速度を高速化でき、離れた圃場間も迅速に
移動できるなどコンバインの作業効率が向上する。また
同じ作業モードでも、増速クラッチ10を高速側にする
ことにより、作業速度の速い麦作業が可能となる。
【0059】次に緩旋回の場合を説明する。
【0060】先ずターンモード切換レバーを動かして
「緩旋回」に合わせる。これにより図3の切換ギヤ55
が左へ移動し、緩旋回駆動ギヤ53に係合して、緩旋回
駆動ギヤ53と第3伝動軸52が一体化する。そして緩
速伝動ギヤ20の回転が減速して第3伝動軸52に伝動
し、さらに切換ギヤ55より第15伝動ギヤ71を経
て、第4伝動軸56に伝わる。これと同時にターンモー
ド切換レバーの位置検出スイッチ93よりコントローラ
85に「緩旋回」の位置信号が出力する。
【0061】ターンモード切換レバーの操作に引続いて
ステアリングレバーを右に傾動すると、ステアリングレ
バー位置検出センサ86のセンサ出力がコントローラ8
5に入力し、コントローラ85からは制御信号が出力し
て、右クラッチ切換弁74が切り換わる。これによりサ
イドクラッチ・ブレーキ25のポート45に油圧がかか
り、図4の右サイドクラッチ用ピストン36がバネ37
に抗して右方向に移動する。これにより第2伝動軸24
側のディスク30と、回転ケース27側のディスク32
の間に隙間が生じて、右サイドクラッチ28が「切」状
態になる。
【0062】さらにコントローラ85の制御信号によ
り、前記の右クラッチ切換弁74と共に右切換クラッチ
減圧弁75も切り換わってその吐出側の圧力が増大し、
ピストン66をディスクに押圧する。ディスクが一体化
して右切換クラッチ58が「入」の状態になると、第4
伝動軸56の回転は、第8伝動ギヤ62より第12伝動
ギヤ70を経て、トランスミッションの右の出力軸68
に伝わる。
【0063】一方、左の出力軸67へは、前記の直進時
と同様に、変速軸17の回転が、第8伝動ギヤ51、第
7伝動ギヤ50、第6伝動ギヤ49、第2伝動軸24、
第5伝動ギヤ48、第11伝動ギヤ63、第9伝動ギヤ
61、及び第15伝動ギヤ69を順次経て出力軸67に
伝わるから、回転速度は直進時と変わらない。
【0064】これに対し、右の出力軸68は、緩速伝動
ギヤ20、緩旋回駆動ギヤ53、切換ギヤ55及び第1
5伝動ギヤ71などにより、左側よりも減速して伝動す
るので、右側のクローラの回転は左側よりも低速にな
る。
【0065】このように右側のクローラが左側のクロー
ラよりも低速で駆動されることにより、機体は右方向に
旋回する。
【0066】なお、このとき第10伝動ギヤ62と一緒
にこれと一体構造の第12伝動ギヤ64も回転し、この
回転が第4伝動ギヤ34にも伝わるが、右サイドクラッ
チ28が「切」になっているので、第4伝動ギヤ34は
支障なく自由回転する。
【0067】図7は、右に各旋回モードで旋回する際に
おける、ステアリングレバーの作動角とその位置検出セ
ンサ86のセンサ出力電圧の関係、及び、ステアリング
レバーの作動角と各種の弁の出力圧力の関係に、右側の
クローラ1の回転数(すなわち右のミッションギヤ回転
センサ92のセンサ出力電圧)を並べて示したものであ
る。
【0068】この図の「緩旋回モード」に示すように、
中立ゾーンを越えて右にステアリングレバーを傾動する
と、初めの過渡的な期間だけ右クラッチ切換弁74が断
続的に作動し、右サイドクラッチ28を短時間内に繰り
返し「入」「切」する。
【0069】続いて右切換クラッチ減圧弁75の出力が
立上がり、右切換クラッチ58を完全に「入」の状態に
する。
【0070】この過渡的な期間Tpを経過すると、第4
伝動軸56と第10伝動ギヤ62の回転が一致し、クロ
ーラの減速比は、左右のクローラの伝動経路におけるギ
ヤ比の累積した規定値(緩旋回減速比率)となって右緩
旋回する。
【0071】ここにおいて右クラッチ切換弁74が前記
のとおり断続的に作動することにより、緩旋回移行時に
おけるクローラの回転数の急激な落ち込みを防ぐことが
でき、円滑に緩旋回に移行できる。図7の破線は、クロ
ーラの回転数が急低下して規定値以下に落ち込んだ状態
を示す。
【0072】このように左右の切換クラッチ57、58
の一方を完全に「入」の状態にしたときのクローラの減
速比即ち規定減速比は、作業モードと走行モードで異な
る。摺動子21を緩速伝動ギヤ20に係合して作業モー
ドを選択した場合と、走行速チェンジギヤ19に係合し
て走行モードを選択した場合とでは、変速軸17の回転
速度が異なり左側のクローラの速度は違うが、どちらの
場合も、緩速伝動ギヤ20の回転速度は変わらず、右側
のクローラの速度は変化しないからである。走行モード
のときのほうが作業モードのときよりも変速軸17が高
速回転するから、クローラの規定減速比は、走行モード
のときが作業モードのときより大きい。従って、走行モ
ード時の旋回半径のほうが、作業モード時の旋回半径よ
り小さい。
【0073】例えば、作業モードのときの規定減速比を
1/3にし、走行モードのときの規定減速比を1/6に
設定すれば、走行モード時の旋回半径を充分小さくする
ことができ、畔道のような狭い交差点も「緩旋回」モー
ドで一度で曲がり切ることができ甚だ都合がよい。
【0074】クローラの減速比は、旋回半径切換スイッ
チ94の3個の接点を選択することによっても変更でき
る。
【0075】スイッチ94の接点を閉じると、コントロ
ーラ85より制御信号が出力し、制動側のサイドクラッ
チ例えば右サイドクラッチ28がパルス出力により断続
する。
【0076】右サイドクラッチ28が断続すると、第2
伝動軸24の回転が第4伝動ギヤ34及び第12伝動ギ
ヤ64を経て第10伝動ギヤ62に伝わる。このとき右
切換クラッチ58は滑って半クラッチ状態になり、第1
0伝動ギヤ62の回転が第4伝動軸56より速くなり、
減速比が規定値よりも小さくなる。
【0077】サイドクラッチを断続するパルス出力のデ
ューテイ比、即ちサイドクラッチの接続時間と切断時間
の比率は、3個の接点のいづれを選択するかで異なる。
旋回半径大の接点は接続時間の比率が大きく、旋回半径
小の接点は切断時間の比率が大きい。接続時間の比率が
大きければ、第2伝動軸24の回転の影響が大きく、減
速比は小さい。従って旋回半径は大きい。反対に、切断
時間の比率が大きければ、第2伝動軸24の回転の影響
が小さく、減速比は規定値に近い。従って旋回半径は小
さい。旋回半径中の接点を選択すると、旋回半径の大き
さが旋回半径大と旋回半径小の接点の場合の中間にな
る。
【0078】このように旋回半径切換スイッチ94の接
点を適宜に選択することにより、ステアリングレバーを
所定角度以上傾動したときの、「緩旋回」モードの最小
の旋回半径を大きめに調整できる。
【0079】次にピボットターンの場合を説明する。
【0080】ターンモード切換レバーを動かして「ピボ
ットターン」に合わせると、この切換レバーに機械連動
して切換ギヤ55が中央位置に戻る。同時に切換レバー
の位置検出スイッチ93よりコントローラ85に「ピボ
ットターン」の位置信号が出力する。
【0081】切換レバーの操作に引続いてステアリング
レバーを右に傾動すると、ステアリングレバー位置検出
センサ86のセンサ出力がコントローラ85に入力し、
コントローラ85からは制御信号が出力して、右クラッ
チ切換弁74が切り換わる。これにより、前記の緩旋回
のときと同様に、サイドクラッチ・ブレーキ25のポー
ト45に油圧がかかり、右サイドクラッチ28が「切」
になる。
【0082】さらにコントローラ85の制御信号によ
り、前記の右クラッチ切換弁74と共に右ブレーキ減圧
弁76が「入」に切り換わる。
【0083】この状態でステアリングレバーを中立ゾー
ンを越えて右に傾動すると、ステアリングレバー位置検
出センサ86のセンサ出力がコントローラ85に入力
し、コントローラ85からは制御信号が出力する。
【0084】そして、図7に示すように、ステアリング
レバーの傾動角に比例して右ブレーキ減圧弁76の出力
圧力が増大し、サイドクラッチ・ブレーキ25のポート
46に油圧が入って、図4の右ブレーキ用ピストン43
を右方向へ駆動し、圧力板42が右に移動する。
【0085】これによりディスク38、40が押圧され
両者が摩擦で一体化すると共に、連結板47を介して圧
力板35も右に移動するため、ディスク30、32の間
隔が開き、右サイドクラッチ28を確実に切る。そして
回転ケース27がギヤ31より切り離されると共に、ミ
ッションケース6に一体な軸受け筒39に回転ケース2
7が結合して、右ブレーキ29が利き、回転ケース27
の回転に制動が掛かる。
【0086】第4伝動ギヤ34は回転ケース27に常時
連結するから、このような回転ケース27に対する制動
は、第4伝動ギヤ34より第12伝動ギヤ64及び第1
4伝動ギヤ70を経て出力軸68へ伝わり、さらに右側
のクローラ駆動軸2へ伝わって、その結果、右のクロー
ラに制動が掛かる。他方、左のクローラの動力伝達経路
は直進時と変わらない。
【0087】従って機体は右に旋回する。ステアリング
レバーを大きく傾動するに従い右ブレーキ29が強く利
き、旋回半径が小さくなる。
【0088】そこで増速クラッチ10を作動して高速走
行している最中に、このようなピボットターンの操作を
行うと、片側だけブレーキが強く掛かって危険なため、
増速クラッチ10を高速側に「入」の状態でピボットタ
ーンをする場合には、車速が一定速度(例えば秒速2メ
ートル)以上のときは、増速クラッチ10の入力スイッ
チ93と切換レバーの位置検出スイッチ91及び車速セ
ンサ23の信号に基づいて、コントローラ85より制御
信号を出力し、これにより増速クラッチ10を低速側に
切り換え、自動減速する。
【0089】このように高速時のピボットターンの場合
に自動減速させると、旋回が安定して安全であり乗り心
地も良くなると同時に、旋回時の負荷が減少してHST
5の容量が小さくてすみ、エンジンも小馬力で足りる、
という利点がある。
【0090】なお緩旋回モードのときは、ピボットター
ンのように自動減速しない。即ちターンモード切換レバ
ーを「緩旋回」に合わせた状態で、増速クラッチ10を
高速側に「入」にして、ステアリングレバーを操作した
場合、車速が一定速度(例えば秒速2メートル)以上に
なっても、増速クラッチ10は低速側に自動切り換えし
ない。緩旋回の旋回半径はピボットターンより大きく、
高速で旋回しても危険がないからである。
【0091】次にスピンターンの場合を説明する。
【0092】ターンモード切換レバーを動かして「スピ
ンターン」に合わせると、この切換レバーに機械連動し
て切換ギヤ55が、図3の右に移動して逆転ギヤ54に
係合する。これにより逆転ギヤ54と第3伝動軸52が
一体化し、逆転ギヤ54の回転が減速して第3伝動軸5
2に伝動し、さらに切換ギヤ55より第15伝動ギヤ7
1を経て、第4伝動軸56に伝わる。これと同時にター
ンモード切換レバーの位置検出スイッチ93よりコント
ローラ85に「スピンターン」の位置信号が出力する。
【0093】ターンモード切換レバーの操作に引続いて
ステアリングレバーを右に傾動すると、ステアリングレ
バー位置検出センサ86のセンサ出力がコントローラ8
5に入力し、コントローラ85からは制御信号が出力し
て、右クラッチ切換弁74が切り換わる。そして緩旋回
のときと同様に、サイドクラッチ・ブレーキ25のポー
ト45に油圧がかかり、右サイドクラッチ28が「切」
になる。
【0094】同様にコントローラ85の制御信号によ
り、右切換クラッチ減圧弁75及び右ブレーキ減圧弁7
6も切り換わる。
【0095】この状態でステアリングレバーを中立ゾー
ンを越えて右に傾動すると、ステアリングレバー位置検
出センサ86のセンサ出力がコントローラ85に入力
し、コントローラ85からは制御信号が出力して、これ
により右ブレーキ減圧弁76の出力圧力がステアリング
レバーの傾動角に比例して増大する。そして右ブレーキ
減圧弁76よりサイドクラッチ・ブレーキ25のポート
46に油圧が入って、前記のピボットターンのときと同
様に、図4の右ブレーキ用ピストン43を右方向へ駆動
し、回転ケース27の回転に制動が掛かり、さらに右の
クローラに制動が掛かる。
【0096】ここで右ブレーキ減圧弁76の出力圧力
は、図7に示すように、ステアリングレバーの作動角に
比例して急激に増大するから、右のクローラに対する制
動も急激に掛かる。
【0097】このため機体はピボットターンのように右
に旋回し始めるが、さらにステアリングレバーを傾動し
て所定角K点(スピン開始/終了位置)を越えると、今
度は右ブレーキ減圧弁76の出力圧力が減少し始め、反
対に右切換クラッチ減圧弁75の出力圧力が増大する。
【0098】このようにして右切換クラッチ58が
「入」になると、逆転ギヤ54の回転が、切換ギヤ55
より第15伝動ギヤ71及び第4伝動軸56に伝わり、
さらに右切換クラッチ58を経て、第10伝動ギヤ62
及び第14伝動ギヤ70より、出力軸68及び右のクロ
ーラ駆動軸2に伝わる。
【0099】このとき逆転ギヤ54は、変速軸17から
第2伝動軸24を介して伝動されるので、変速軸17よ
り直接伝動される緩旋回駆動ギヤ53に対して、回転方
向が逆方向になる。この逆転ギヤ54の回転を受けて、
右側のクローラは左側のクローラに対し逆回転し、機体
は右にスピンターン(超信地旋回)する。
【0100】このようなスピンターンの状態からステア
リングレバーを元に戻す場合にも、右切換クラッチ58
を「入」から「切」に徐々に移行する。
【0101】このようにスピンターンに入るときには、
切換クラッチの接続圧を上げながらブレーキ圧を下げ、
スピンターンを止めるときには、反対に、切換クラッチ
の接続圧を下げながらブレーキ圧を上げることにより、
機体への衝撃が緩和でき操縦が円滑になる。
【0102】これより明らかなように、コンバインの操
縦性は使用するブレーキ減圧弁や切換クラッチ減圧弁の
精度に依存する。
【0103】このような比例減圧弁のオンタイムと発生
圧力の関係は、温度等の様々な条件により影響を受けて
異なるため、充分な調整を要する。しかしすべての圧力
についてオンタイムを調整することは実際上難しい。
【0104】そこで圧力と圧力に対応するオンタイムを
複数ポイントだけ記憶しておき、実際にある圧力を発生
させたい場合には、ポイント間を直線で近似したオンタ
イムで出力すれば、記憶すべきポイントだけの簡易な調
整で精度を向上できる。
【0105】図8は、このような簡易調整法における比
例減圧弁のオンタイムと発生圧力の関係を示すグラフで
ある。
【0106】ここでポイントA,B,C,D及びEで
は、圧力とオンタイムの関係が調整済みで、、、
及びは各ポイント間の比例区分を表わす。これらの比
例区分では、圧力とオンタイムの関係は比例し直線にな
る。
【0107】例えば、ステアリングレバーを傾動し、そ
の作動角をステアリングレバー位置検出センサ86で検
出し、そのセンサ出力電圧より各種の弁の出力目標圧力
Pを決める。圧力Pが決ったら、図8のグラフよりオン
タイムTを求める。
【0108】圧力Pは図8のグラフの比例区分に所属
するから、オンタイムは次式より求まる。
【0109】T=[(P−P2)/(P3−P2)]×
(T3−T2)+T2 図9はこの制御手順を示すフローチャートである。
【0110】先ずステアリングレバー位置検出センサ8
6に対応した出力目標圧力が比例区分〜のどこに所
属するかを判定し(ステップS1)、次に、区分初期圧
力P2、区分圧力幅(P3−P2)、区分オンタイム幅
(T3−T2)及び区分初期オンタイムT2をそれぞれ
決定する(ステップS2)。そしてこれらの値を前記の
式に代入して出力目標オンタイムTを求め(ステップS
3)、このオンタイムTで減圧弁出力するのである(ス
テップS4)。
【0111】この方法によれば、すべての圧力について
オンタイムを調整するのに比べ調整が簡易ではあるが、
弁の個数が多いと各弁ごとに複数ポイントの調整をしな
ければならないから、全体の調整には未だ長い時間を要
するという問題がある。
【0112】図10は、この点を改良した別の簡易調整
法における比例減圧弁のオンタイムと発生圧力の関係を
示すグラフである。
【0113】ここでは先ず圧力P0〜P4に対する標準
オンタイムT0〜T4を設定してから、調整ポイントの
オンタイムを求めて調整する。
【0114】例えば、ポイントCでの圧力に対するオン
タイムを求めるには、先ずポイントCでの標準オンタイ
ムT2で減圧弁出力し、このとき発生した圧力P21が
目標圧力より高いか低いか判定する。高い場合には、現
在のオンタイムと、当調整ポイントで調整開始以後、目
標圧力より低い時のオンタイムのうち、最近のものとの
平均オンタイムで減圧弁出力を行う。逆に低い場合に
は、現在のオンタイムと、当調整ポイントで調整開始以
後、目標圧力より高い時のオンタイムのうち、最近のも
のとの平均オンタイムで減圧弁出力を行う。
【0115】ここでは発生した圧力P21は目標圧力よ
り高いから、次の平均タイムT21 T21=(T1+T2)/2 で、出力する。
【0116】その結果、発生した圧力はP22でまだ高
いから、次の平均タイムT22 T22=(T21+T2)/2 で、出力する。
【0117】その結果、発生した圧力はP2となったの
で、T22をポイントCでのオンタイムとするのであ
る。
【0118】図11は、この制御手順を示すフローチャ
ートである。
【0119】ステップS1で、現圧力と目標圧力の差か
ら圧力偏差を求める。この圧力偏差が一定値以下の僅少
なものであれば(ステップS2)、現オンタイムを調整
オンタイムとする(ステップS3)。
【0120】圧力偏差が一定値を越える場合には、現圧
力が目標圧力より高いか低いかを判定する(ステップS
4)。判定の結果、現圧力が目標圧力より高い場合に
は、現オンタイムと低圧側オンタイムの平均を新オンタ
イムとする(ステップS5)。そしてこの新オンタイム
が低圧側オンタイムより大で現オンタイムより小かを判
定し(ステップS6)、そうであれば現オンタイムを高
圧側オンタイムとすると共に(ステップS7)、新オン
タイムを現オンタイムとし(ステップS8)、現オンタ
イムで減圧弁出力をする(ステップS9)。
【0121】他方、現圧力が目標圧力より低い場合に
は、現オンタイムと高圧側オンタイムの平均を新オンタ
イムとする(ステップS10)。そしてこの新オンタイ
ムが現オンタイムより大で高圧側オンタイムより小かを
判定し(ステップS11)、そうであれば現オンタイム
を低圧側オンタイムとすると共に(ステップS12)、
新オンタイムを現オンタイムとし(ステップS8)、現
オンタイムで減圧弁出力をする(ステップS9)。
【0122】新オンタイムが低圧側オンタイムより大で
現オンタイムより小かを判定し(ステップS6)、そう
でない場合、及び、新オンタイムが現オンタイムより大
で高圧側オンタイムより小かを判定し(ステップS1
1)、そうでない場合には、共に現オンタイムを調整オ
ンタイムとする(ステップS3)。
【0123】この操作を繰り返して全ポイントの調整が
終了したら(ステップS13)、その減圧弁の調整を終
了し、同様にして全部の減圧弁の調整を実行する(ステ
ップS14)。
【0124】このように各ポイントのオンタイムを調整
すれば、全体を短時間で調整できる。
【0125】
【発明の効果】これを要するに、本発明では、クラッチ
とブレーキを一体に組付けたサイドクラッチ・ブレーキ
を左右独立に設け、これらのサイドクラッチ・ブレーキ
を介してエンジンの動力をクローラへ伝動するように構
成して、緩旋回モードとスピンターンモードとは別個に
ピボットターンの単独モードを設定したから、路面状態
やクラッチの調整のばらつきなどに関係なく、ピボット
ターンを行うステアリングレバーの位置が常に安定し、
ピボットターンの操作性が向上する。またピボットター
ン中、サイドクラッチ・ブレーキのクラッチは半クラッ
チにはしないから、クラッチの摩耗がなく耐久性が向上
するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したコンバインの全体側面図であ
る。
【図2】図1のコンバインの平面図である。
【図3】図1のコンバインのトランスミッションを展開
して示す断面図である。
【図4】図1のサイドクラッチ・ブレーキの拡大断面図
である。
【図5】図1のコンバインの油圧回路図である。
【図6】図1のコンバインの制御ブロック図である。
【図7】図6の制御系におけるステアリングレバーの作
動角とステアリングレバー位置検出センサ86の出力電
圧並びに各種の弁の出力圧力、及びクローラの回転数と
の関係を示すグラフである。
【図8】比例減圧弁簡易調整法における比例減圧弁のオ
ンタイムと発生圧力の関係を示すグラフである。
【図9】図8の簡易調整法における制御手順を示すフロ
ーチャートである。
【図10】別の比例減圧弁簡易調整法における比例減圧
弁のオンタイムと発生圧力の関係を示すグラフである。
【図11】図10の制御手順を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 クローラ 2 クローラ駆動軸 5 油圧式無段変速装置(HST)のモータ 6 ミッションケース 7 入力軸 8 低速ギヤ 9 高速ギヤ 10 増速クラッチ 14 第1伝動軸 15 第1伝動ギヤ 16 第2伝動ギヤ 17 変速軸 18 作業速チェンジギヤ 19 走行速チェンジギヤ 20 緩速伝動ギヤ 21 摺動子 24 第2伝動軸 25,26 サイドクラッチ・ブレーキ 28 右サイドクラッチ 29 右ブレーキ 34 第4伝動ギヤ 48 第5伝動ギヤ 52 第3伝動軸 53 緩旋回駆動ギヤ 54 逆転ギヤ 55 切換ギヤ 56 第4伝動軸 57,58 切換クラッチ 67,68 出力軸 73 左クラッチ切換弁 74 右クラッチ切換弁 75 右切換クラッチ減圧弁 76 右ブレーキ減圧弁 77 左クラッチ 78 左切換クラッチ減圧弁 79 左ブレーキ減圧弁 80 左ブレーキ 84 増速クラッチ切換弁 86 ステアリングレバー位置検出センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体左右に独立回転するクローラを配
    し、 エンジンの動力を前記クローラに伝達するミッションを
    設け、 前記ミッションの左右一対の出力軸をそれぞれ前記クロ
    ーラに連結し、前記ミッションの入力軸と出力軸の間に
    配備した変速軸を入力軸に高速・低速切換自在に連結
    し、 また前記ミッションにはクラッチとブレーキを一体に組
    付けたサイドクラッチ・ブレーキを左右独立に設け、 前記左右一対の出力軸をそれぞれ前記左右のサイドクラ
    ッチ・ブレーキを介して前記変速軸に連結する一方、 前記入力軸により駆動する緩旋回駆動ギヤ及び前記変速
    軸により駆動する逆転ギヤを設け、前記左右一対の出力
    軸をそれぞれの左右の切換クラッチを介して前記緩旋回
    駆動ギヤか逆転ギヤに切換可能に連結し、 そして前記左右のサイドクラッチ・ブレーキ及び切換ク
    ラッチを操作することにより、前記左右の出力軸の一方
    に緩旋回駆動ギヤの回転を伝達して両出力軸を所定の速
    度差を有した状態で同一方向に駆動する緩旋回状態と、
    前記左右の出力軸の一方にサイドクラッチ・ブレーキの
    制動を掛けるピボットターン状態と、前記左右の出力軸
    の一方に逆転ギヤの回転を伝達して他方の出力軸に対し
    逆方向に駆動するスピンターン状態と、のいづれかに切
    換自在に構成したことを特徴とする移動農機の走行伝動
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103229634A (zh) * 2013-04-27 2013-08-07 重庆鑫源农机股份有限公司 履带式收割机的动力及转向装置
CN103243512A (zh) * 2012-02-03 2013-08-14 三星电子株式会社 离合器组件及具有该离合器组件的洗衣机

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