JPH0893425A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置

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Publication number
JPH0893425A
JPH0893425A JP6230112A JP23011294A JPH0893425A JP H0893425 A JPH0893425 A JP H0893425A JP 6230112 A JP6230112 A JP 6230112A JP 23011294 A JP23011294 A JP 23011294A JP H0893425 A JPH0893425 A JP H0893425A
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JP
Japan
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chamber
valve
pilot
valve body
oil
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Pending
Application number
JP6230112A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuhiro Sakamoto
篤弘 坂本
Iwane Inokuchi
岩根 井之口
Yuji Sato
雄治 佐藤
Hiroshi Tokumasu
宏始 徳桝
Hiroshi Kanai
宏 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Zexel Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Zexel Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP6230112A priority Critical patent/JPH0893425A/ja
Publication of JPH0893425A publication Critical patent/JPH0893425A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイクル毎に通電を制御せずに吸排気弁2の
リフト量を可変制御できるようにするとともに、パイロ
ット弁体35の振動によるバルブリフト特性の不安定化
を回避する。 【構成】 カム側プランジャ7はカムシャフト10によ
り駆動され、主油圧室9の作動油を加圧する。吸排気弁
2は、主油圧室9内の油圧によって押し開かれる。主油
圧室9とアキュムレータ11との間に、解放弁21が介
装され、パイロット弁体35に連動してリフト途中で開
弁することによりリフト量が可変制御される。パイロッ
ト弁体35は、背圧室29の圧力でリフトするが、その
際の挙動を安定化させるために、後部油室41と前部油
室42との間に、パイロットオリフィス49と逆止弁5
0とが並列に介装されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の吸気弁ま
たは排気弁(以下、両者を総称して吸排気弁という。)
のリフト量や開弁時期を可変制御する内燃機関の可変動
弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸排気弁のリフト量を可変制
御する油圧式の可変動弁装置が、例えば特開平1−13
4013号公報等に開示されている。この装置は、カム
シャフトにより駆動されて往復動し、その往動時に作動
油を加圧するカム側プランジャと、このカム側プランジ
ャにより加圧された作動油によって往動し、吸排気弁を
リフトさせる弁側プランジャと、カム側プランジャによ
って加圧された作動油を低圧側に解放する解放弁とを備
えており、吸排気弁のリフトの途中で解放弁を開弁する
と、加圧された作動油が低圧側に解放されるので、吸排
気弁がバルブスプリングの付勢力によって弁側プランジ
ャとともにリフト途中から着座動作に転じるようになっ
ている。つまり、吸排気弁のリフト量が、解放弁の開弁
時期によって可変制御できる。
【0003】ここで、上記解放弁は、カム側プランジャ
が圧縮する高圧室から低圧側へ至る通路を直接に開閉す
る主弁体と、この主弁体の開閉を制御する電磁弁型のパ
イロット弁体とを具備しており、パイロット弁体が開弁
すると、主弁体の前後に作用する油圧のバランスが崩
れ、該主弁体がリフトするようになっている。そして、
パイロット弁体の開閉作動は、ソレノイドにより直接的
に制御されている。すなわち、ソレノイドへの通電中
は、パイロット弁体が閉状態を保ち、ソレノイドへの通
電を停止すると、パイロット弁体が開方向へリフトす
る。したがって、吸排気弁のリフト量は、実際には、ソ
レノイドに対する通電停止時期によって制御されるので
あり、マイクロコンピュータからなるコントロールユニ
ットが内燃機関の回転数や負荷等に基づいて最適な通電
停止時期を逐次演算し、リフト量を可変制御するように
なっている。
【0004】しかしながら、上記従来の可変動弁装置に
おいては、各気筒の各サイクル毎に通電停止時期を演
算,制御しなければならないので、マイクロコンピュー
タの演算量および演算速度の上で負荷が大きい、という
不具合がある。特に、多気筒内燃機関においては、各気
筒の吸排気弁のリフト時期に位相差があるので、ソレノ
イドに対する通電停止時期を各気筒毎に演算する必要が
あり、複雑な演算を多量にこなさなければならない。
【0005】そこで、本出願人は、パイロット弁体への
押圧力を作動油圧力とバランスするように付与すること
で、リフト量と相関関係を有する油圧変化により解放弁
が自動的に作動するように構成した可変動弁装置を先に
提案している(特願平5−325687号、特願平5−
331087号等)。
【0006】図4は、この先に提案した可変動弁装置の
構成例を示すもので、以下、これを説明する。図におい
て、1はシリンダヘッド、2は吸排気弁、3はバルブス
プリングであり、シリンダヘッド1の上面には、リフト
制御ユニットのハウジング4が重ねて配置され、このハ
ウジング4の下面に形成されたシリンダ孔5内に弁側プ
ランジャ6が摺動可能に嵌合している。この弁側プラン
ジャ6が吸排気弁2を開閉駆動する。
【0007】また上記ハウジング4の上面には、カム側
プランジャ7がシリンダ孔8内に摺動可能に配置されて
いる。このカム側プランジャ7と上記弁側プランジャ6
とは、油圧室として主油圧室9を共用している。つま
り、カム側プランジャ7は、内燃機関のクランク軸(図
示せず)に同期して回転するカムシャフト10のカム1
0aに、ロッカアーム16を介して駆動されるようにな
っており、カムシャフト10が回転することにより往復
動し、主油圧室9内の作動油を加圧する。そして、この
油圧によって弁側プランジャ6が吸排気弁2のリフト方
向へ押圧されるようになっている。
【0008】上記主油圧室9には、アキュムレータ11
から逆止弁12を備えた作動油供給油路14を介して作
動油が供給されるようになっており、アキュムレータ1
1は、逆止弁13および油圧導入孔17を介して作動油
供給源となる図示せぬオイルポンプの吐出側へ連通して
いる。
【0009】また吸排気弁2のリフト量を運転条件等に
応じて可変制御するために、解放弁21が主油圧室9と
低圧側となるアキュムレータ11との間に配設されてい
る。つまり、上記逆止弁12を備えた作動油供給油路1
4と並列に、主解放用油路15が設けられており、かつ
この主解放用油路15に解放弁21が介装されている。
この解放弁21は、主弁機構22と、パイロット弁機構
23とを備えている。
【0010】主弁機構22は、主油圧室9とアキュムレ
ータ11との間の主解放用油路15を直接に開閉するた
めのものであり、シリンダ24内に有底円筒状の主弁体
25が摺動可能に嵌合している。この主弁体25は、そ
の略円錐形となった先端部が主弁座26に着座すること
により、主油圧室9とアキュムレータ11との間を遮断
しており、該主弁体25がリフトすると、両者が連通す
るようになっている。詳しくは、主弁体25の先端に臨
んで第1油室27が、また主弁座26を介して環状に第
2油室28が、それぞれ画成されており、第1油室27
が主油圧室9側に、第2油室28がアキュムレータ11
側に、それぞれ連通している。また、第1油室27と対
向するように、主弁体25とシリンダ24底部との間
に、背圧室29が画成されている。この背圧室29は、
主弁体25の先端に開口形成したオリフィス30を介し
て第1油室27と連通している。つまり、このオリフィ
ス30を介して主油圧室9側から作動油が導入されるよ
うになっている。
【0011】主弁体25のリフトおよび着座は、主とし
て加圧作動油の圧力バランスによって行われている。す
なわち、主弁体25は、第1油室27内の加圧作動油に
よって主弁座26からリフトする方向(以下、リフト方
向という。)に押圧されている一方、背圧室29内に導
入された加圧作動油によって主弁座26に着座する方向
(以下着座方向という。)に押圧されている。尚、主弁
体25は、主弁ばね31によっても着座方向に押圧され
ているが、この主弁ばね31の押圧力は、背圧室29内
の作動油による押圧力に比して無視し得る程度に小さ
い。
【0012】加圧作動油の圧力(第1油室27内の圧
力)をP1、背圧室29内の作動油の圧力をP2、着座
時における主弁体25の第1油室27に臨む受圧面積を
S1、主弁体25の背圧室29に対する受圧面積(=主
弁体25の断面積)をS2とすると、主弁体25に対す
るリフト方向への押圧力F1および着座方向への押圧力
F2は、主弁ばね31の押圧力を無視した場合、 F1=P1・S1 F2=P2・S2 となる。
【0013】ここで、各受圧面積には、図4にも明らか
なように、S1<S2の関係がある。従って、P1=P
2であれば、F1<F2になり、主弁体25は着座し続
ける。一方、背圧室29内の作動油の圧力が低下して、
F1>F2になると、主弁体25は主弁座26からリフ
トする。
【0014】尚、主弁体25が着座し、かつ背圧室29
が低圧側に対して遮断された状態においては、P1=P
2になっている。
【0015】一方、パイロット弁機構23は、背圧室2
9内の圧力P2が所望のリフト量に対応する圧力になっ
たときに、自動的に開弁する構成となっている。すなわ
ち、このパイロット弁機構23は、摺動可能に支持され
たニードル状のパイロット弁体35を有し、このパイロ
ット弁体35がパイロット弁座36に着座している状態
では、背圧室29とパイロット解放用油路34との間を
遮断し、該パイロット弁体35がパイロット弁座36か
らリフトすると、両者が連通して圧力が解放されるよう
になっている。
【0016】そして、パイロット弁体35は、パイロッ
ト弁座36を通して作用する背圧室29内の油圧によっ
てリフト方向へ押圧力を受けるが、これに対抗するよう
に、パイロットばね37の付勢力およびソレノイド38
の磁力によって着座方向へ押圧されている。ここで、ソ
レノイド38の磁力は、その電流の大きさに比例して与
えられる。
【0017】すなわち、着座時におけるパイロット弁体
35の作動油に対する受圧面積をS3とすると、パイロ
ット弁体35は、押圧力F3=P2・S3でもってリフ
ト方向へ押圧されている。また、パイロットばね37の
押圧力をF4、ソレノイド38の磁力をF5とすると、
パイロット弁体35は、押圧力(F4+F5)でもって
着座方向へ押圧されている。従って、パイロット弁体3
5は、F3<(F4+F5)であれば着座し続け、F3
>(F4+F5)になるとパイロット弁座36からリフ
トする。
【0018】ここで、ソレノイド38の磁力は、その電
流の大きさに比例し、従って、その電流を制御すること
により押圧力F5ひいては押圧力(F4+F5)を可変
制御できる。
【0019】カム側プランジャ7の作動により主油圧室
9内の作動油の圧力P1が上昇すると、弁側プランジャ
6が往動して吸排気弁2がリフトする。この場合、機関
回転数が一定であれば、加圧作動油の圧力P1と吸排気
弁2のリフト量とは対応関係にある。従って、加圧作動
油の圧力P1が所望のリフト量に対応する圧力になった
ときに、パイロット弁体35がリフトするようにソレノ
イド38の電流を制御すれば、パイロット弁体35のリ
フトに伴って主弁体25が開弁(リフト)し、吸排気弁
2が着座動作に転じるようになる。つまり、パイロット
弁体35がリフトすると、背圧室29内の圧力が急激に
低下し、主弁体25がリフトして弁側プランジャ6に作
用していた油圧がアキュムレータ11に解放され、吸排
気弁2はリフト途中で着座動作に転じる。
【0020】具体的には、ソレノイド38へ通電される
電流の大きさは、マイクロコンピュータを用いた図示せ
ぬコントロールユニットにより、内燃機関の回転数や負
荷等の運転条件に基づいて演算かつ制御される。
【0021】このように上記構成の可変動弁装置におい
ては、吸排気弁2は、所望量だけリフトした後、自動的
に着座動作を開始することになり、ソレノイド38をサ
イクル毎にON,OFF制御する必要がない。つまりマ
イクロコンピュータにおいて、サイクル毎の通電停止時
期の演算が必要なく、ソレノイド38に対する通電量だ
けを演算,制御すればよい。従って、その演算の負荷が
軽減され、かつ応答性等の要求が緩和される、という利
点がある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述した図4の例で
は、パイロット弁体35の背部に生じる後部油室41
と、該後部油室41に対向するようにパイロット弁体3
5の弁座36寄りに生じる前部油室42とが、連通用の
油路43でもって互いに連通している。さらに、パイロ
ット解放用油路34および主解放用油路15とも連通
し、最終的には、アキュムレータ11に連通している。
【0023】しかしながら、このような構成では、パイ
ロット弁体35がリフトすると、それに伴ってアキュム
レータ11側の圧力ひいては後部油室41側の圧力が上
昇し、パイロット弁体35を着座方向へ付勢しようとす
る。従って、図5に示すように、パイロット弁機構23
の開度にうねりが生じる。これは、主弁体25の開度に
影響し、ひいては主油圧室9内の油圧変動を引き起こし
て、吸排気弁2のリフト特性が、図示するように、うね
りを伴うものとなってしまう。この現象は、気筒間の燃
焼のばらつきの原因となる。
【0024】なお、パイロット弁体35背部の後部油室
41を単純に大気解放とすれば、このような問題は発生
しないが、この場合には、燃費悪化の一因となる作動油
の外部へのリークを抑制するために、パイロット弁体3
5の嵌合隙間を非常に小さく設定する必要があり、その
結果、パイロット弁体35の応答性が悪化してしまうの
で、このような構成は採用できない。
【0025】また上述した図4の例では、カムリフト終
了後のアキュムレータ11から主油圧室9への作動油の
戻りが、逆止弁12を具備した作動油供給油路14を介
して行われている。この場合には、圧力損失によるエネ
ルギロス(燃費悪化)を抑制するために逆止弁12を大
型化する必要があり、装置全体を小型化しようとする
と、そのレイアウトが困難になる、という問題がある。
【0026】
【課題を解決するための手段】前者の課題を解決するた
めに、請求項1に係る内燃機関の可変動弁装置は、バル
ブスプリングにより閉方向へ常時付勢された吸気弁また
は排気弁と、カムシャフトにより駆動され、かつ油圧室
内の作動油を加圧するカム側プランジャと、カム側プラ
ンジャにより加圧された作動油によって一方へ動作し、
上記吸気弁または排気弁をリフトさせる弁側プランジャ
と、アキュムレータと、このアキュムレータと上記油圧
室との間に介装された逆止弁と、上記カム側プランジャ
によって加圧される上記油圧室の圧力をリフト方向へ受
け、かつリフト時に油圧室の圧力を上記アキュムレータ
側に解放する主弁体、上記油圧室の作動油がオリフィス
を介して導入され、この導入された作動油の圧力によっ
て上記主弁体を着座方向へ付勢する背圧室、この背圧室
の圧力をリフト方向へ受け、かつ背圧室とアキュムレー
タ側との間を開閉するパイロット弁体、および上記油圧
室内の圧力が所望のバルブリフト量に対応する圧力に達
したときに上記パイロット弁体がリフトするように、上
記パイロット弁体に対し着座方向へ向けて押圧力を可変
的に付与するソレノイド、を有する解放弁と、上記パイ
ロット弁体の背部に生じる後部油室と該後部油室に対向
するようにパイロット弁体の弁座寄りに生じる前部油室
とを互いに連通するパイロットオリフィスと、このパイ
ロットオリフィスと並列に設けられ、かつ後部油室から
前部油室への作動油の流れを許容するとともに、前部油
室から後部油室への流れを阻止する逆止弁と、上記後部
油室を、上記アキュムレータに至るパイロット弁機構出
口側のパイロット解放用油路に連通する油路と、を備え
て構成されている。
【0027】また請求項2に係る可変動弁装置は、前者
の課題とともに後者の課題をも解決するために、バルブ
スプリングにより閉方向へ常時付勢された吸気弁または
排気弁と、カムシャフトにより駆動され、かつ油圧室内
の作動油を加圧するカム側プランジャと、カム側プラン
ジャにより加圧された作動油によって一方へ動作し、上
記吸気弁または排気弁をリフトさせる弁側プランジャ
と、アキュムレータと、上記カム側プランジャによって
加圧される上記油圧室の圧力をリフト方向へ受け、かつ
リフト時に油圧室の圧力を環状油室を介して上記アキュ
ムレータ側に解放する主弁体、上記油圧室の作動油がオ
リフィスを介して導入され、この導入された作動油の圧
力によって上記主弁体を着座方向へ付勢する背圧室、こ
の背圧室の圧力をリフト方向へ受け、かつ背圧室とアキ
ュムレータ側との間を開閉するパイロット弁体、および
上記油圧室内の圧力が所望のバルブリフト量に対応する
圧力に達したときに上記パイロット弁体がリフトするよ
うに、上記パイロット弁体に対し着座方向へ向けて押圧
力を可変的に付与するソレノイド、を有する解放弁と、
上記パイロット弁体の背部に生じる後部油室と該後部油
室に対向するようにパイロット弁体の弁座寄りに生じる
前部油室とを互いに連通するパイロットオリフィスと、
このパイロットオリフィスと並列に設けられ、かつ後部
油室から前部油室への作動油の流れを許容するととも
に、前部油室から後部油室への流れを阻止する逆止弁
と、上記後部油室を、上記アキュムレータに至るパイロ
ット弁機構出口側のパイロット解放用油路に連通する油
路と、上記パイロット弁機構出口側のパイロット解放用
油路と上記アキュムレータとの間に介装され、かつアキ
ュムレータからパイロット解放用油路への作動油の流れ
を阻止する逆止弁と、を備えてなり、上記主弁体を囲む
上記環状油室内の圧力が閉状態の主弁体にリフト方向に
作用するように、主弁体に受圧部を設けたことを特徴と
している。
【0028】また請求項3の発明では、上記パイロット
オリフィスをパイロット弁体の外部に配置した。
【0029】請求項4の発明では、上記パイロットオリ
フィスをパイロット弁体の内部に配置した。
【0030】また請求項5の発明では、上記の前部油
室,後部油室間の逆止弁をパイロット弁体の外部に配置
した。
【0031】請求項6の発明では、上記の前部油室,後
部油室間の逆止弁をパイロット弁体の内部に配置した。
【0032】
【作用】請求項1あるいは請求項2の構成において、カ
ムシャフトによりカム側プランジャが押圧されると、油
圧室内の油圧が高まり、これに応じて弁側プランジャが
移動する。つまり、油圧に応じた形で吸排気弁がリフト
する。この油圧室の油圧が高まると、背圧室の圧力も同
様に上昇する。ソレノイドにより可変的に設定されてい
るパイロット弁体への押圧力を、背圧室内の油圧による
押圧力が上回ると、パイロット弁体がリフトし、背圧室
を低圧なアキュムレータ側に解放する。これに伴って、
主弁体もリフトし、油圧室の圧力をアキュムレータ側に
解放する。これにより、吸排気弁が着座動作に転じるよ
うになる。ソレノイドにより押圧力を変化させれば、パ
イロット弁体および主弁体の開弁時期が変化し、つまり
吸排気弁のリフト量が変化する。
【0033】ここで、上記パイロット弁体がリフトする
際には、後部油室内の作動油が逆止弁を介して前部油室
へスムースに移動し、パイロット弁体のリフト方向への
円滑な動作を確保する。これに対し、前部油室から後部
油室へ作動油が移動しようとすると、逆止弁は閉じ、僅
かにパイロットオリフィスを介して少量の作動油のみが
移動できるようになる。従って、パイロット弁体のリフ
トに伴ってアキュムレータ側の圧力が上昇し、パイロッ
ト弁体が着座方向へ押された際に、パイロット弁体の移
動が阻止される。つまり、パイロット弁体のリフトが安
定したものとなる。なお、カムリフトが終了して背圧室
の圧力が低下すると、パイロットオリフィスを介した作
動油の移動に伴って、パイロット弁体は着座位置に復帰
する。
【0034】請求項2の構成においては、カムリフト終
了後に、アキュムレータから主弁体を経由して作動油が
戻る。つまり、カムリフトが終了して油圧室および背圧
室の圧力が低下すると、アキュムレータ側とパイロット
解放用油路との間は、逆止弁でもって遮断されるので、
アキュムレータと連通している環状油室と背圧室との間
で圧力差が生じる。この圧力差が主弁体の受圧部に作用
し、主弁体がリフトする。これにより、アキュムレータ
から油室室へ作動油が戻る。
【0035】請求項3の構成では、パイロット弁体の外
部に配置されたパイロットオリフィスを介して前部油室
と後部油室とが連通する。
【0036】請求項4の構成では、パイロットオリフィ
スを具備したパイロット弁体の内部通路を介して前部油
室と後部油室とが連通する。
【0037】また請求項5の構成では、パイロット弁体
の外部に逆止弁が配置され、該逆止弁を介して後部油室
から前部油室へ向かう方向のみ作動油の移動が許容され
る。
【0038】さらに請求項6の構成では、パイロット弁
体の内部に逆止弁が配置され、該逆止弁を具備した内部
通路を介して、後部油室から前部油室へ向かう方向のみ
作動油の移動が許容される。
【0039】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。
【0040】図1は、この発明の第1実施例を示す内燃
機関要部の断面図である。この実施例は、前述した図4
のものと同様の基本的構成を有しており、図4と同一の
部分には同一符号を付してある。
【0041】1は、図示せぬシリンダブロックの上部に
配置されるシリンダヘッドであり、該シリンダヘッド1
には、吸排気弁2が摺動可能に装着されている。この吸
排気弁2は、バルブスプリング3によって閉方向へ常時
付勢されている。シリンダヘッド1の上面には、リフト
制御ユニットのハウジング4が重ねて配置されており、
このハウジング4の下面に形成されたシリンダ孔5内に
弁側プランジャ6が摺動可能に嵌合している。この弁側
プランジャ6の先端は、吸排気弁2のステムエンドに当
接し、該プランジャ6が油圧により移動することで吸排
気弁2を押し開くようになっている。
【0042】また上記ハウジング4の上面には、カム側
プランジャ7がシリンダ孔8内に摺動可能に配置されて
いる。このカム側プランジャ7と上記弁側プランジャ6
とは、油圧室として主油圧室9を共用している。つま
り、カム側プランジャ7は、内燃機関のクランク軸(図
示せず)に同期して回転するカムシャフト10のカム1
0aに、ロッカアーム16を介して駆動されるようにな
っており、カムシャフト10が回転することにより往復
動し、主油圧室9内の作動油を加圧する。そして、この
油圧によって弁側プランジャ6が吸排気弁2のリフト方
向へ押圧されるようになっている。
【0043】上記主油圧室9には、アキュムレータ11
から逆止弁12を備えた作動油供給油路14を介して作
動油が供給されるようになっており、アキュムレータ1
1は、逆止弁13および油圧導入孔17を介して作動油
供給源となる図示せぬオイルポンプの吐出側へ連通して
いる。上記アキュムレータ11は、アキュムレータピス
トン11aおよびアキュムレータスプリング11bから
構成されている。尚、この油圧系統は機関潤滑系統と一
体となっており、作動油として機関潤滑油が利用される
とともに、機関出力にて機械駆動される潤滑用のオイル
ポンプがそのまま兼用される。つまり、カム10aがリ
フトしていないときには、主油圧室9内に逆止弁12を
介してアキュムレータ11から作動油が送り戻され、か
つその不足分が逆止弁13を介して潤滑用オイルポンプ
にて補給される。
【0044】また吸排気弁2のリフト量を運転条件等に
応じて可変制御するために、解放弁21が主油圧室9と
低圧側となるアキュムレータ11との間に配設されてい
る。つまり、上記逆止弁12を備えた作動油供給油路1
4と並列に、主解放用油路15が設けられており、かつ
この主解放用油路15に解放弁21が介装されている。
この解放弁21は、バルブハウジング21a内に、主弁
機構22と、パイロット弁機構23とを備えている。
【0045】主弁機構22は、主油圧室9とアキュムレ
ータ11との間の主解放用油路15を直接に開閉するた
めのものであり、シリンダ24内に有底円筒状の主弁体
25が摺動可能に嵌合している。この主弁体25は、そ
の略円錐形となった先端部が主弁座26に着座すること
により、主油圧室9とアキュムレータ11との間を遮断
しており、該主弁体25がリフトすると、両者が連通す
るようになっている。詳しくは、主弁体25の先端に臨
んで第1油室27が、また主弁座26を介して環状に第
2油室28が、それぞれ画成されており、主解放用油路
15の上流側部分および下流側部分を介して、第1油室
27が主油圧室9側に、また環状油室となる第2油室2
8がアキュムレータ11側に、それぞれ連通している。
また、第1油室27と対向するように、主弁体25とシ
リンダ24底部との間に、背圧室29が画成されてい
る。この背圧室29は、主弁体25の先端に開口形成し
たオリフィス30を介して第1油室27と連通してい
る。つまり、このオリフィス30を介して主油圧室9側
から作動油が導入されるようになっている。
【0046】主弁体25のリフトおよび着座は、主とし
て加圧作動油の圧力バランスによって行われている。す
なわち、主弁体25は、第1油室27内の加圧作動油に
よって主弁座26からリフトする方向(以下、リフト方
向という。)に押圧されている一方、背圧室29内に導
入された加圧作動油によって主弁座26に着座する方向
(以下着座方向という。)に押圧されている。尚、主弁
体25は、主弁ばね31によっても着座方向に押圧され
ているが、この主弁ばね31の押圧力は、背圧室29内
の作動油による押圧力に比して無視し得る程度に小さ
い。
【0047】加圧作動油の圧力(第1油室27内の圧
力)をP1、背圧室29内の作動油の圧力をP2、着座
時における主弁体25の第1油室27に臨む受圧面積を
S1、主弁体25の背圧室29に対する受圧面積(=主
弁体25の断面積)をS2とすると、主弁体25に対す
るリフト方向への押圧力F1および着座方向への押圧力
F2は、主弁ばね31の押圧力を無視した場合、 F1=P1・S1 F2=P2・S2 となる。
【0048】ここで、各受圧面積には、図4にも明らか
なように、S1<S2の関係がある。従って、P1=P
2であれば、F1<F2になり、主弁体25は着座し続
ける。一方、背圧室29内の作動油の圧力が低下して、
F1>F2になると、主弁体25は主弁座26からリフ
トする。
【0049】尚、主弁体25が着座し、かつ背圧室29
が低圧側に対して遮断された状態においては、P1=P
2になっている。
【0050】一方、パイロット弁機構23は、図4でも
説明したように、背圧室29内の圧力P2が所望のリフ
ト量に対応する圧力になったときに、自動的に開弁する
構成となっている。すなわち、このパイロット弁機構2
3は、摺動可能に支持されたニードル状のパイロット弁
体35を有し、このパイロット弁体35がパイロット弁
座36に着座している状態では、背圧室29とパイロッ
ト解放用油路34との間を遮断し、該パイロット弁体3
5がパイロット弁座36からリフトすると、両者が連通
して圧力が解放されるようになっている。パイロット弁
体35は、バルブハウジング21a中心部に摺動可能に
嵌合しているもので、パイロット弁座36を開閉する先
端側の小径部35aと、基端側の大径部35bとを有し
ている。
【0051】そして、パイロット弁体35は、パイロッ
ト弁座36を通して作用する背圧室29内の油圧によっ
てリフト方向へ押圧力を受けるが、これに対抗するよう
に、パイロットばね37の付勢力およびソレノイド38
の磁力によって着座方向へ押圧されている。前述したよ
うに、ソレノイド38の磁力は、その電流の大きさに比
例して与えられる。
【0052】上記パイロット弁体35の大径部35bが
バルブハウジング21aのシリンダ部45に嵌合するこ
とによって、パイロット弁体35の背部に、パイロット
ばね37を収納した後部油室41が画成され、またこれ
と対向するように、パイロット弁座36寄りに、小径部
35aを囲む環状に前部油室42が画成されている。そ
して、上記後部油室41は、バルブハウジング21a内
に形成された油路46を介してパイロット弁座36出口
側のパイロット解放用油路34ならびにアキュムレータ
11に連通している。また、後部油室41と前部油室4
2との間には、互いに並列に2本の連通路47,48が
設けられている。この実施例では、これらの連通路4
7,48は、パイロット弁体35の外部となるバルブハ
ウジング21a内に形成されている。一方の連通路47
は、相対的に細く形成されており、ここに、所定の通路
断面積を有するパイロットオリフィス49が介装されて
いる。また、他方の連通路48は、相対的に太く形成さ
れており、ここには、球状の弁体およびスプリングを用
いた逆止弁50が介装されている。この逆止弁50は、
後部油室41から前部油室42への作動油の移動を許容
し、かつ逆の前部油室42から後部油室41への移動を
阻止する構成となっている。なお、作動油通流時の圧力
損失を小さくするために、この逆止弁50の開弁圧は可
能な限り小さく設定してあり、かつその開度を大きく確
保できるようにしてある。
【0053】次に上記実施例の作用について説明する。
【0054】着座時におけるパイロット弁体35の作動
油に対する受圧面積をS3とすると、パイロット弁体3
5は、押圧力F3=P2・S3でもってリフト方向へ押
圧されている。また、パイロットばね37の押圧力をF
4、ソレノイド38の磁力をF5とすると、パイロット
弁体35は、押圧力(F4+F5)でもって着座方向へ
押圧されている。従って、パイロット弁体35は、F3
<(F4+F5)であれば着座し続け、F3>(F4+
F5)になるとパイロット弁座36からリフトする。
【0055】ここで、ソレノイド38の磁力は、その電
流の大きさに比例し、従って、その電流を制御すること
により押圧力F5ひいては押圧力(F4+F5)を可変
制御できる。
【0056】カム側プランジャ7の作動により主油圧室
9内の作動油の圧力P1が上昇すると、弁側プランジャ
6が往動して吸排気弁2がリフトする。この場合、機関
回転数が一定であれば、加圧作動油の圧力P1と吸排気
弁2のリフト量とは対応関係にある。従って、加圧作動
油の圧力P1が所望のリフト量に対応する圧力になった
ときに、パイロット弁体35がリフトするようにソレノ
イド38の電流を制御すれば、パイロット弁体35のリ
フトに伴って主弁体25が開弁(リフト)し、吸排気弁
2が着座動作に転じるようになる。つまり、パイロット
弁体35がリフトすると、背圧室29内の圧力が急激に
低下し、主弁体25がリフトして弁側プランジャ6に作
用していた油圧がアキュムレータ11に解放され、吸排
気弁2はリフト途中で着座動作に転じる。
【0057】具体的には、ソレノイド38へ通電される
電流の大きさは、マイクロコンピュータを用いた図示せ
ぬコントロールユニットにより、内燃機関の回転数や負
荷等の運転条件に基づいて演算かつ制御される。
【0058】従って、上記構成の可変動弁装置において
は、吸排気弁2は、所望量だけリフトした後、自動的に
着座動作を開始することになり、ソレノイド38をサイ
クル毎にON,OFF制御する必要がない。つまりマイ
クロコンピュータにおいて、サイクル毎の通電停止時期
の演算が必要なく、ソレノイド38に対する通電量だけ
を演算,制御すればよい。従って、その演算の負荷が軽
減され、かつ応答性等の要求が緩和される。
【0059】また、上記のようにパイロット弁体35が
リフトする際に、後部油室41内の作動油が、連通路4
8の逆止弁50を押し開いて前部油室42へ速やかに移
動する。従って、これらの油室41,42内の圧力がパ
イロット弁体35の動きを阻害することがなく、パイロ
ット弁体35は円滑にリフトする。
【0060】一方、パイロット弁体35がリフトする
と、アキュムレータ11側の圧力ひいては後部油室41
の圧力が上昇し、パイロット弁体35を着座方向へ付勢
する力が発生するが、この場合には、前部油室42から
後部油室41へ向かう作動油の流れが逆止弁50により
阻止されるので、パイロット弁体35の移動が規制され
る。従って、従来のようなパイロット弁体35の開度の
うねりがなくなり、安定した動作を確保できる。つま
り、主弁体25の開度の振動変化がなくなり、吸排気弁
2の着座動作が安定したものとなる。また、カムリフト
が終了して背圧室29側の圧力が低下すると、パイロッ
トオリフィス49を介して前部油室42から後部油室4
1へ徐々に作動油が移動し、パイロット弁体35が緩や
かに着座する。なお、パイロットオリフィス49の通路
面積は、パイロット弁体35の着座方向の動作を十分に
ダンピングできると同時に、カム10aの1回転の間に
パイロット弁体35が閉じられるように設定される。
【0061】さらに、パイロット弁体35の周囲を通っ
て背圧室29側から後部油室41へリークした作動油
は、油路46を通して全てアキュムレータ11側に回収
される。従って、燃費悪化の要因となる外部へのリーク
が防止される。また、このことから、パイロット弁体3
5周囲の嵌合隙間をそれほど小さくしなくてもよく、主
油圧室9の圧力変化に対するリフト時の応答性を十分に
高く得ることができる。
【0062】次に、図2は、この発明の第2実施例を示
している。この実施例においては、パイロット弁体35
の大径部35b内部に、長手方向に沿って2本の連通路
47,48が形成されている。そして、前述した実施例
と同様に、各連通路47,48に、パイロットオリフィ
ス49および逆止弁50が介装されている。従って、こ
の実施例によれば、解放弁21のバルブハウジング21
aを小型化することができる。
【0063】なお、図示は省略するが、パイロット弁体
35の外部あるいは内部に設けた逆止弁の弁体内部にパ
イロットオリフィスを形成することも可能である。
【0064】次に、図3は、請求項2に対応する第3実
施例を示している。この実施例においては、図1と比較
すれば明らかなように、アキュムレータ11と主油圧室
9との間に、作動油供給油路14が設けられていない。
つまり、図外のオイルポンプと接続される油圧導入孔1
7およびアキュムレータ11は、主解放用油路15を介
して主弁体25周囲の第2油室28に連通しているとと
もに、バルブハウジング21a内部の油路46を介し
て、後部油室41およびパイロット解放用油路34に連
通しているが、主油圧室9に直接には連通していない。
そして、上記油路46、特に、該油路46のパイロット
解放用油路34と主解放用油路15との間において、逆
止弁51が介装されている。この逆止弁51は、パイロ
ット解放用油路34側からアキュムレータ11側へ向か
う流れを許容し、かつアキュムレータ11側からパイロ
ット解放用油路34側への流れを阻止する構成となって
いる。
【0065】また、主弁体25先端面の主弁座26より
外周側部分が、受圧部25aとして、第2油室28内に
露出している。この受圧部25aは、主弁体25が閉状
態にあるときに、第2油室28内の圧力を、主弁体25
のリフト方向に受けるものであり、その受圧面積は、ア
キュムレータ11に蓄圧される圧力や主弁ばね31のば
ね力等に応じて設定される。
【0066】この構成においては、カムリフトが終了し
て主油圧室9内の圧力が低下し、アキュムレータ11内
の圧力との間で圧力差が生じると、主油圧室9内の圧力
に等しい背圧室29と第2油室28との間で圧力差が生
じ、主弁体25の受圧部25aにリフト方向の力が作用
する。従って、主弁体25がリフトし、主解放用油路1
5を逆流する形でアキュムレータ11側から主油圧室9
に作動油が戻る。ここで、主弁体25と主弁座26との
間に確保される流路面積は、通常の逆止弁に比較して大
きなものとなり、圧力損失の点で有利となる。なお、仮
に逆止弁51がない場合には、パイロット弁機構23を
介して背圧室29の圧力も高まるため、主弁体25に作
用する圧力差が小さくなり、これをリフトさせることが
困難となる。また、逆止弁51は、ここを流れる作動油
の流量が少ないことから、第1実施例の逆止弁12に比
較して小型のものでよい。
【0067】このように、この第3実施例では、作動油
供給油路14およびその通路中の逆止弁12を廃止で
き、装置の小型化、簡略化が図れるとともに、流量が大
きな作動油戻り時の圧力損失を低減できる。
【0068】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
によれば、吸排気弁が所望の量だけリフトしたときに自
動的に着座動作を開始することになり、パイロット弁機
構を外部からサイクル毎にON,OFF制御する必要が
ない。従って、マイクロコンピュータにおける演算の負
荷が著しく減少する。そして、パイロット弁体の前後油
室間にパイロットオリフィスと逆止弁とを介在させるこ
とにより、油圧でもって自動的に動作するパイロット弁
体の挙動を安定化させることができ、パイロット弁体の
振動に伴う吸排気弁のリフト特性の不安定化を防止でき
る。しかも、同時に作動油の外部へのリークを回避で
き、かつパイロット弁体の応答性の点でも優れたものと
なる。
【0069】また請求項2の構成によれば、作動油供給
油路およびその通路中の逆止弁を廃止でき、装置の小型
化、簡略化が図れるとともに、流量が大きな作動油戻り
時の圧力損失を低減できる。
【0070】また、請求項3あるいは請求項5のよう
に、パイロットオリフィスや逆止弁をパイロット弁体の
外部に設けるようにすれば、パイロットオリフィスの口
径や逆止弁の大きさを自由に設定でき、かつパイロット
弁体を大型化することがない。
【0071】また、請求項4あるいは請求項6のよう
に、パイロットオリフィスや逆止弁をパイロット弁体の
内部に設けるようにすれば、解放弁のハウジングの小型
化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る可変動弁装置の第1実施例を示
す断面図。
【図2】この発明に係る可変動弁装置の第2実施例を示
す断面図。
【図3】この発明に係る可変動弁装置の第3実施例を示
す断面図。
【図4】先に提案した可変動弁装置の構成例を示す断面
図。
【図5】図4の構成におけるパイロット弁体等の振動を
説明するための特性図。
【符号の説明】
2…吸排気弁 3…バルブスプリング 6…弁側プランジャ 7…カム側プランジャ 9…主油圧室 11…アキュムレータ 21…解放弁 23…パイロット弁機構 25…主弁体 25a…受圧部 28…第2油室(環状油室) 29…背圧室 30…オリフィス 35…パイロット弁体 41…後部油室 42…前部油室 46…油路 49…パイロットオリフィス 50…逆止弁 51…逆止弁
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 雄治 埼玉県東松山市箭弓町3丁目13番26号 株 式会社ゼクセル東松山工場内 (72)発明者 徳桝 宏始 埼玉県東松山市箭弓町3丁目13番26号 株 式会社ゼクセル東松山工場内 (72)発明者 金井 宏 埼玉県東松山市箭弓町3丁目13番26号 株 式会社ゼクセル東松山工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブスプリングにより閉方向へ常時付
    勢された吸気弁または排気弁と、 カムシャフトにより駆動され、かつ油圧室内の作動油を
    加圧するカム側プランジャと、 カム側プランジャにより加圧された作動油によって一方
    へ動作し、上記吸気弁または排気弁をリフトさせる弁側
    プランジャと、 アキュムレータと、 このアキュムレータと上記油圧室との間に介装された逆
    止弁と、 上記カム側プランジャによって加圧される上記油圧室の
    圧力をリフト方向へ受け、かつリフト時に油圧室の圧力
    を上記アキュムレータ側に解放する主弁体、上記油圧室
    の作動油がオリフィスを介して導入され、この導入され
    た作動油の圧力によって上記主弁体を着座方向へ付勢す
    る背圧室、この背圧室の圧力をリフト方向へ受け、かつ
    背圧室とアキュムレータ側との間を開閉するパイロット
    弁体、および上記油圧室内の圧力が所望のバルブリフト
    量に対応する圧力に達したときに上記パイロット弁体が
    リフトするように、上記パイロット弁体に対し着座方向
    へ向けて押圧力を可変的に付与するソレノイド、を有す
    る解放弁と、 上記パイロット弁体の背部に生じる後部油室と該後部油
    室に対向するようにパイロット弁体の弁座寄りに生じる
    前部油室とを互いに連通するパイロットオリフィスと、 このパイロットオリフィスと並列に設けられ、かつ後部
    油室から前部油室への作動油の流れを許容するととも
    に、前部油室から後部油室への流れを阻止する逆止弁
    と、 上記後部油室を、上記アキュムレータに至るパイロット
    弁機構出口側のパイロット解放用油路に連通する油路
    と、 を備えてなる内燃機関の可変動弁装置。
  2. 【請求項2】 バルブスプリングにより閉方向へ常時付
    勢された吸気弁または排気弁と、 カムシャフトにより駆動され、かつ油圧室内の作動油を
    加圧するカム側プランジャと、 カム側プランジャにより加圧された作動油によって一方
    へ動作し、上記吸気弁または排気弁をリフトさせる弁側
    プランジャと、 アキュムレータと、 上記カム側プランジャによって加圧される上記油圧室の
    圧力をリフト方向へ受け、かつリフト時に油圧室の圧力
    を環状油室を介して上記アキュムレータ側に解放する主
    弁体、上記油圧室の作動油がオリフィスを介して導入さ
    れ、この導入された作動油の圧力によって上記主弁体を
    着座方向へ付勢する背圧室、この背圧室の圧力をリフト
    方向へ受け、かつ背圧室とアキュムレータ側との間を開
    閉するパイロット弁体、および上記油圧室内の圧力が所
    望のバルブリフト量に対応する圧力に達したときに上記
    パイロット弁体がリフトするように、上記パイロット弁
    体に対し着座方向へ向けて押圧力を可変的に付与するソ
    レノイド、を有する解放弁と、 上記パイロット弁体の背部に生じる後部油室と該後部油
    室に対向するようにパイロット弁体の弁座寄りに生じる
    前部油室とを互いに連通するパイロットオリフィスと、 このパイロットオリフィスと並列に設けられ、かつ後部
    油室から前部油室への作動油の流れを許容するととも
    に、前部油室から後部油室への流れを阻止する逆止弁
    と、 上記後部油室を、上記アキュムレータに至るパイロット
    弁機構出口側のパイロット解放用油路に連通する油路
    と、 上記パイロット弁機構出口側のパイロット解放用油路と
    上記アキュムレータとの間に介装され、かつアキュムレ
    ータからパイロット解放用油路への作動油の流れを阻止
    する逆止弁と、 を備えてなり、 上記主弁体を囲む上記環状油室内の圧力が閉状態の主弁
    体にリフト方向に作用するように、主弁体に受圧部を設
    けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 【請求項3】 上記パイロットオリフィスをパイロット
    弁体の外部に配置したことを特徴とする請求項1または
    2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 【請求項4】 上記パイロットオリフィスをパイロット
    弁体の内部に配置したことを特徴とする請求項1または
    2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 【請求項5】 上記の前部油室,後部油室間の逆止弁を
    パイロット弁体の外部に配置したことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 【請求項6】 上記の前部油室,後部油室間の逆止弁を
    パイロット弁体の内部に配置したことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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