JPH08925Y2 - 照明パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えば商品陳列棚の
棚板や収納庫の天井部に取付けて物品を照明し、またそ
れ自体を棚板として使用することもできるような、照明
パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】靴や折畳んだシャツ、ブラウス、セー
タ、ハンカチ、タオル等を陳列するための商品陳列棚
は、目線よりも低い位置にあり、比較的狭い間隔で上下
に複数の棚板を有している。このため、店内の天井部に
既設された照明具のみでは、各棚上の商品を良好に照明
することが困難であった。そこで、商品陳列棚を構成す
る各棚板の下面に直接蛍光灯を取付けて、その下方に陳
列された商品を照明するように工夫している。上述の蛍
光灯の取付けは、蛍光灯が露出する状態に単に取付ける
構造もあれば、蛍光灯の手前側に目隠しのための板を設
ける構造もある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な構成で棚の照明を行なうと、蛍光灯が露出して体裁が
悪く、また、照明具の各要素をそれぞれ単独で取付けな
ければならないため多大な手間がかかると共に、既設の
陳列棚に対して取付けることが困難であり、また仮りに
取付けられても意匠感が阻害されるという問題点があっ
た。

【０００４】一方、実開昭５６−９４５６１号公報に記
載のような陳列棚の照明装置も既に考案されている。こ
の照明装置は方形枠状に形成された照明板を、陳列棚の
複数段の棚板を受ける棚受具を利用して取付ける構成で
あるから、棚受具を有さない陳列棚の照明には適用困難
となり、加えて、上述の照明板は方形枠状に形成されて
いる関係上、この照明装置それ自体を棚板として使用す
ることは不可能であり、しかも灯具を駆動する安定器が
外面下方に露呈されると共に、下面全域が開放されてい
るので意匠感が極めて悪い問題点があった。

【０００５】この考案は、既設陳列棚の照明に適用する
際には棚受具を有さない陳列棚に対しても取付けること
ができ、また照明パネルそれ自体を棚板として用いるこ
とができると共に、照明灯を含む照明具をパネル体の内
部空間に対して外部に露呈しないように収納することで
意匠感の大幅な向上を図って、対象とする物品を良好に
照明することができるうえ、陳列棚のみならず収納庫そ
の他の照明を要する各部位を照明することができ、汎用
性の拡大を図ることができる照明パネルの提供を目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案は、取付対象の
形状に適合し、全ての外面および上下両面が部材で囲繞
された平板状のパネル体と、上記パネル体の内部空間部
に外部に露呈しないように収納された照明灯を含む照明
具と、上記照明具における照明灯と対応する下面部分に
のみ形成された照射孔とを備えた照明パネル。

【０００７】

【考案の作用および効果】 この考案によれば、この照明
パネルを既設陳列多棚の照明に適用する際には棚受具を
有さない陳列棚に対しても任意手段により取付けること
ができるのは勿論、上述のパネル体は取付対象の形状に
適合し、特にその上面が部材で囲繞されているので、照
明パネルそれ自体を棚板として用いることができる効果
があり、加えて、上述の照明灯を含む照明具がパネル体
の内部空間に対して外部に露呈しないように収納されて
いるので、意匠感の大幅な向上を図ることができ、かつ
照射孔からの光により対象とする物品を良好に照明する
ことができるうえ、陳列棚のみならず収納庫その他の照
明を要する各部位を照明することができて、汎用性の拡
大を図ることができる効果がある。

【０００８】

【実施例】この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図１は長方形の棚板１下面に取付けて使用する
のに適した照明パネル２を示し、同図に示すように照明
パネル２は、取付ける対象（取付対象）よりも小さい直
方体形状で平板状のパネル体３と、このパネル体３内に
収納した照明具４とで構成している。

【０００９】上述のパネル体３は、図２に示すように有
底薄箱状の本体５と、この本体５の上部に固定する蓋体
６と、周囲の４つの側面に装着する化粧板７…とで構成
している。上述の本体５は長方形のベニヤ板８（底面）
の上部にパーティクルボードで形成した複数本の角材９
…を並べて形成し、長手方向に細長い３つの収納空間１
０，１１，１２を並設している。

【００１０】一側の第１収納空間１０は、直管タイプの
蛍光ランプ１３を収納するためのもので、ベニヤ板８の
この位置には、照射孔１０ａを開口形成している。な
お、この照射孔１０ａは透光性を有する素材で閉塞する
もよい。また中間に位置する第２収納空間１１は、駆動
部品１４を収納するためのもので、この第２収納空間１
１と上述の第１収納空間１０との間の角材９の両端部に
は、コードを通すための溝９ａ，９ａを形成している。
さらに、他側の第３収納空間１２は、コード１５のプラ
グ側を導くためのものであり、長手方向に沿って４つの
コード引出し孔１２ａ…を離間形成している。そして、
この第３収納空間１２と中間の第２収納空間１１との間
の角材９には、コード１５を通すための溝９ｂをその中
間位置に形成している。

【００１１】前述した蓋体６は、本体５と同じ大きさで
あり、本体５の第３収納空間１２に対応する位置に長手
方向に沿って２つの操作孔６ａ，６ａを離間形成してい
る。この操作孔６ａ，６ａは、上述した４つのコード引
出し孔１２ａ…のうち、何れのコード引出し孔１２ａ…
からコード１５を引出すかを照明パネル２の取付け位置
とコンセントの位置等の配線レイアウト条件によって変
更するためのものである。また、本体５に対する固定
は、釘や接着剤等によって適宜行なう。

【００１２】前述の化粧板７…には、例えば取付け対象
としての棚板１の端部と同一の色彩または模様のものを
使用する。

【００１３】前述した照明具４は、第１収納空間１０の
両端部に固定するソケット１６，１６と、このソケット
１６，１６間に装着する蛍光ランプ１３と、第２収納空
間に収納する駆動部品１４とから構成され、先端に差込
みプラグ１５ａを有するコード１５に電気接続される。

【００１４】このように構成した棚板取付け用の照明パ
ネル２の一使用態様を図３乃至図５を参照して説明す
る。図３は、例えば商品としての靴Ａを陳列するのに適
した陳列棚２１を示す斜視図であって、この陳列棚２１
は、フレーム２２の前後両側にそれぞれ上下方向に沿っ
て複数段の棚板２３…，２３ａ，２３ａを取付けて構成
している。

【００１５】上述のフレーム２２は図４に示すように基
台２４の両端に、２本の支柱２５，２５を立設して構成
され、各支柱２５，２５の前後両面における相対向位置
には、棒状の棚受け２６…を突設している。この棚受け
２６…の先端部には、止め具２６ａを設けて、載置する
棚板２３…，２３ａ，２３ａの位置ずれを防止する。

【００１６】また各支柱２５，２５の内側面における各
棚受け２６…の若干下方位置には、コンセント２７…を
埋設し、これらコンセント２７…は、一方の支柱２５に
おける内側面の下端部のコンセント２８から給電できる
ように構成されている。

【００１７】また前述の棚板２３…，２３ａ，２３ａ
は、長方形であって、最下段の棚板２３ａ，２３ａを除
く他の棚板２３…には、図５に示すように、その下面の
後縁部に、この棚板２３…よりも小さい上記構成の照明
パネル２を固定して一体化している。この固定方法は、
面ファスナによって着脱自在に行なうも、接着剤によっ
て着脱不可に行なうもよく、また棚板２３側にＬ字形金
具をつけて位置ずれ不可にするもよい。

【００１８】組み付けに当っては、フレーム２２の棚受
け２６…に対して棚板２３…，２３ａ，２３ａを順次載
置すると共に、棚受け２６…先端部の止め具２６ａで棚
板２３…，２３ａ，２３ａの位置ずれを防止する。そし
て、棚板２３…に取付けた照明パネル２のコード引出し
孔１２ａ…から引出したコード１５先端の差込みプラグ
１５ａを、それぞれ近くのコンセント２７に差込む。

【００１９】このような陳列棚２１においては、各棚板
２３…の下面に取付けた照明パネル２内の蛍光ランプ１
３によって、各棚板２３…の下方を照明することができ
るので、各棚２３…，２３ａ，２３ａの商品が映えるよ
うな良質で効果の高い陳列が行なえる。

【００２０】また上述の、照明具４はパネル体３内に収
納されているので、蛍光ランプ１３が外部に露出するこ
とはなく、外観上は単なるパネルに近似し、また、照明
パネル２は棚板２３…よりも小型であるので目線よりも
低い陳列棚２１では余計に目立ちにくく、意匠感が阻害
されるようなことを防止できる。また、照明のための照
明具４は全てパネル体３内の収納空間１０，１１，１２
に収納されているので、上述した如く、その組み付け作
業は容易である。そしてまた、組み付け前の照明パネル
２は、その形状が長方形の平板状であるため在庫管理等
の取扱いも極めて容易に行なえる。

【００２１】さらに、パネル体３を形成している素材が
ベニヤ板とパーティクルボードであるため、照明パネル
２全体が軽量となり、棚板２３…の下面に取付ける手段
は簡素となり、かつ、その作業も極めて容易に行なえ
る。

【００２２】なお、上述のように軽量であると共に、平
板状に形成されているため、取付けの対象が既設の棚板
であっても容易かつ確実に取付けることができる。

【００２３】また、先の一使用態様では、照明パネル２
を棚板２３…に対して取付けて使用したが、照明パネル
２の少なくとも上面を棚板２３…に適する性状に形成す
れば、照明パネル２それ自体を棚板として使用すること
ができる。

【００２４】さらに、取付け対象としての棚板が長方形
ではなく、少なくとも一部に曲率部分を有する特異な形
状である場合には、照明パネル２のパネル体３の形状を
棚板（取付対象）に合った形状としたり、照明パネル２
の照明具４を、例えば複数の球状のランプなどの直管蛍
光灯以外の照明灯に設定するもよい。さらにまた、取付
け対象としての棚板が金属製の場合には、照明パネル２
のパネル体３を金属板で構成するとよい。

【００２５】以上要するに、この照明パネル２を既設陳
列多棚の照明に適用する際には棚受具を有さない陳列棚
に対しても任意手段により取付けることができるのは勿
論、上述のパネル体３は取付対象の形状に適合し、特に
その上面が部材６で囲繞されているので照明パネル２そ
れ自体を棚板として用いることができる効果があり、加
えて、上述の照明灯１３を含む照明具４がパネル体３の
内部空間に対して外部に露呈しないように収納されてい
るので、意匠感の大幅な向上を図ることができ、かつ照
射孔１０ａからの光により対象とする物品を良好に照明
することができ るうえ、陳列棚のみならず収納庫その他
の照明を要する各部位を照明することができて、汎用性
の拡大を図ることができる効果がある。

【００２６】この考案の構成と、上述の実施例との対応
において、この考案の部材は、実施例の蓋体６、化粧板
７、ペニア板８に対応し、以下同様に、取付対象は、棚
板２３に対応し、内部空間は収納空間１０，１１，１２
に対応し、照明灯は、螢光ランプ１３に対応するも、こ
の考案は、上述の実施例の構成のみに限定されるもので
はない。

【００２７】例えば、上記実施例にあっては取付対象と
して棚板を例示したが、本考案は陳列棚以外の収納庫そ
の他の照明を要する各部位に取付けて使用に供されるこ
とは云うでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の照明パネルを示す斜視図。

【図２】同照明パネルの分解斜視図。

【図３】本考案の照明パネルの一使用態様である陳列棚
を示す斜視図。

【図４】図３に示した陳列棚のフレームの斜視図。

【図５】図３に示した陳列棚の棚部の拡大斜視図。

【符号の説明】

２…照明パネル ３…パネル体 ４…照明具６，７，８…部材 １０，１１，１２…内部空間 １０ａ…照射孔１３…照明灯

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】取付対象の形状に適合し、全ての外面およ
   び上下両面が部材（６）（７）（８）で囲繞された平板
   状のパネル体（３）と、 上記 パネル体（３）の内部空間部に外部に露呈しないよ
   うに収納された照明灯（１３）を含む照明具（４）と、 上記照明具（４）における照明灯（１３）と対応する下
   面部分にのみ形成された 照射孔（１０ａ）とを備えた 照明パネル。