JPH0890341A - バリ取り兼用タップおよびタップホルダならびにこれらを用いたバリ取り装置およびバリ取り方法 - Google Patents

バリ取り兼用タップおよびタップホルダならびにこれらを用いたバリ取り装置およびバリ取り方法

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JPH0890341A
JPH0890341A JP23316994A JP23316994A JPH0890341A JP H0890341 A JPH0890341 A JP H0890341A JP 23316994 A JP23316994 A JP 23316994A JP 23316994 A JP23316994 A JP 23316994A JP H0890341 A JPH0890341 A JP H0890341A
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JP
Japan
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tap
holder
deburring
end side
hole
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Application number
JP23316994A
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English (en)
Inventor
Michio Hitomi
美知男 人見
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新たなバリ取り工程を必要とすることなく、
ねじ切り加工により発生するねじ孔周縁のバリを、ねじ
切り加工工程中にて除去する。 【構成】 タップホルダにおけるタップ保持部を、ホル
ダ本体に対してスプリングにより径方向に付勢し、この
付勢されたタップホルダに保持されるタップとしては、
先端側から順に食い付き部A、有効ねじ山部Bおよびバ
リ取り用案内部Cがそれぞれ形成されたものを使用す
る。ねじ切り加工においては、タップ中心が前記付勢に
より被削材Wの下孔59の中心に対して偏心した状態で
行い、タップの正転によるねじ切り作業後、タップを下
孔(ねじ孔61)に対して貫通させ、その後タップを逆
転させることで、ねじ孔61周縁に押し付けられたバリ
取り用案内部Cによりバリ63が除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被削材の下孔に対し
タップを回転させつつ貫通させることで雌ねじを形成す
るバリ取り兼用タップおよびタップホルダならびに、こ
れらを用いたバリ取り装置およびバリ取り方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のタップは、図9に示すように、先
端に形成された食い付き部Aと、この食い付き部Aに連
続して形成される有効ねじ山部Bとを有し、食い付き部
Aが被削材における下孔の端部周縁に食い込み、さらに
タップを継続して回転させることで、有効ねじ山部Bに
より下孔に対してねじ切り加工がなされる。
【0003】一方、タップを保持するタップホルダは、
リジットまたは、図10に示すように軸方向Sにスプリ
ング101の作用でテンション,コンプレッションさせ
るコンビネーションホルダを用い、また下孔の中心とタ
ップ軸心との間に、ずれのある場合は、径方向Rにフロ
ート量を持つパラレルフロート型のホルダを使用してい
る。
【0004】上記したようなタップおよびタップホルダ
を用いた下孔に対するねじ切り加工は、図11に示すよ
うになされる。同図(a)のように、タップ103が被
削材105の下孔105aに対して中心がずれている場
合には、タップホルダの前記径方向Rのフローティング
機構によりタップ103の中心が下孔105aの中心に
整合した状態で、同図(b)のように有効ねじ山部Bに
より、X方向の回転に基づきねじ切りを行い、先端の食
い付き部Aが下孔105aを貫通した後、さらに有効ね
じ山部Bが2〜3山程度貫通した後、同図(c)のよう
に、前記とは逆方向のY方向の回転に基づきタップ10
3を引き抜き、これによりねじ孔105bが形成されて
ねじ切り加工が完了する。
【0005】上記したようなねじ切り加工を行う際、タ
ップ103の先端が貫通する下孔105aの出口側の周
縁には、図11(c)に示すようにカール状のバリ10
7が発生する。このバリ107の除去には、ブラシ,面
取ドリル,裏バリ取り工具、高圧洗浄あるいは、特開昭
55−37281号公報記載の「不完全ねじ部のバリ取
り方法と工具」(ねじ切り加工後のねじ孔の完全ねじ部
にねじ込まれるねじ状案内部と、不完全ねじ部の全部ま
たは一部をバリとともに切削除去する切刃部とを備えた
工具を用いる)のいずれかの方法により、ねじ切り加工
とは別工程で除去するか、またはバリが発生する下穴出
口側に前もって面取り加工を行ってバリの発生自体を抑
制するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のねじ切り加工後に発生するねじ孔周縁のバリ対策とし
ては、ねじ切り加工とは別工程の作業が必要であり、正
規のねじ切り加工に対して加工工程が1工程増えること
になり、ねじ切り加工における作業時間が長くかかり、
作業(製造)コストを上昇させる要因となっている。
【0007】そこで、この発明は、製造コストを上昇さ
せることなく、ねじ切り加工により発生するねじ孔周縁
のバリを除去することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、第1に、バリ取り兼用タップとして、
被削材を貫通する下孔に対して回転しつつ進入して雌ね
じを形成する有効ねじ山部と、この有効ねじ山部の前記
進入方向後端側に形成され、前記有効ねじ山部の先端側
から後端側に向けて小径で、前記下孔における前記有効
ねじ山部の進入方向前端側に発生するバリを除去するテ
ーパ部とを備えた構成としてある。
【0009】第2に、タップホルダとして、ホルダ本体
の回転が伝達されるタップ保持部を、前記ホルダ本体に
対して径方向に移動可能に設け、前記タップ保持部とホ
ルダ本体との間にタップ保持部を径方向に付勢する付勢
手段を設けた構成としてある。
【0010】第3に、バリ取り装置として、被削材を貫
通する下孔に対して回転しつつ進入して雌ねじを形成す
る有効ねじ山部、この有効ねじ山部の前記進入方向後端
側に形成され、前記有効ねじ山部の先端側から後端側に
向けて小径で、前記下孔における前記有効ねじ山部の進
入方向前端側に発生するバリを除去するテーパ部をそれ
ぞれ備えたバリ取り兼用タップと、ホルダ本体の回転が
伝達され、前記バリ取り兼用タップを保持するタップ保
持部が、前記ホルダ本体に対して径方向に移動可能に設
けられ、前記タップ保持部とホルダ本体との間にタップ
保持部を径方向に付勢する付勢手段が設けられたタップ
ホルダとからなる構成としてある。
【0011】第4に、第1または第3の構成において、
テーパ部は、有効ねじ山部によるねじ切り作業での回転
方向と逆方向の回転によりバリを除去する刃部を備えて
いる。
【0012】第5に、第2または第3の構成において、
タップ保持部は、その一部がホルダ本体の円筒部内に収
納され、この収納された一部の外周とホルダ本体の円筒
部の内周との間に、付勢手段が介装されている。
【0013】第6に、第2または第3の構成において、
付勢手段は、ホルダ本体の中心軸上に設けられてタップ
保持部に対して軸方向に弾性的に押圧する弾性手段と、
この弾性手段に弾性的に押圧されて前記中心軸から偏心
した位置の前記タップ保持部側の凹部内に配置される鋼
球とからなる構成としてある。
【0014】第7に、バリ取り方法として、ホルダ本体
の回転が伝達されるタップ保持部を、前記ホルダ本体に
対して径方向に移動可能に設けるとともに、前記タップ
保持部とホルダ本体との間にタップ保持部を径方向に付
勢する付勢手段を設けたタップホルダに、被削材を貫通
する下孔に対して回転しつつ進入して雌ねじを形成する
有効ねじ山部と、この有効ねじ山部の前記進入方向後端
側に形成され、前記有効ねじ山部の先端側から後端側に
向けて小径なテーパ部とを備えたバリ取り兼用タップを
セットし、このバリ取り兼用タップを下孔に対して回転
しつつ進入させて雌ねじを形成し、バリ取り兼用タップ
のテーパ部を下孔に対して貫通させた後、バリ取り兼用
タップを逆回転させて下孔から引き抜く際に、前記付勢
手段によりタップ保持部とともにバリ取り兼用タップが
ホルダ本体に対して径方向に付勢されつつ回転すること
で、前記テーパ部が下孔の前記進入方向前端側周縁に形
成されるバリを切削除去する方法としてある。
【0015】
【作用】第1の構成のバリ取り兼用タップによれば、こ
のタップの中心が被削材の下孔中心から偏心した状態と
なるよう径方向に付勢させた状態でタップを正転させて
有効ねじ山部によりねじ切り加工し、有効ねじ山部およ
びテーパ部を下孔に対して貫通させた後、逆転させるこ
とで、タップの進入方向前方側のねじ孔周縁に発生する
バリが、テーパ部により除去される。
【0016】第2の構成のタップホルダによれば、付勢
手段によりタップ保持部がホルダ本体に対して径方向に
付勢され、これによりタップ保持部に保持されるタップ
が被削材の下孔に対して径方向に押し付けられ、保持さ
れるタップとして上記したバリ取り兼用タップを用いれ
ば、そのテーパ部がバリ発生部位であるねじ孔の周縁部
に押し付けられて、バリの除去が容易になされる。
【0017】第3の構成のバリ取り装置または、第7の
バリ取り方法によれば、ホルダ本体に対し付勢手段によ
り径方向に付勢されたタップ保持部に、バリ取り兼用タ
ップを保持させ、この状態で、タップホルダを回転させ
てバリ取り兼用タップの有効ねじ山部により被削材の下
孔に対してねじ切り加工し、有効ねじ山部およびテーパ
部を被削材の下孔に対して貫通させた後、逆転させるこ
とで、バリ取り兼用タップの進入方向前方側のねじ孔周
縁に発生するバリが、テーパ部により除去される。
【0018】第4の構成によれば、ねじ切り作業とは逆
方向の回転によりテーパ部における刃部が、ねじ孔周縁
に形成されたバリを除去する。
【0019】第5の構成によれば、タップ保持部は、外
周側が付勢手段によりホルダ本体に対して径方向に付勢
され、これによりホルダ本体から偏心した状態となる。
【0020】第6の構成によれば、ホルダ本体の中心軸
上に設けられた弾性手段が、タップ保持部に設けられた
鋼球に対して軸方向に弾性的に押圧することで、タップ
保持部がホルダ本体の中心軸から偏心した状態となる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づき説明
する。
【0022】図1は、この発明の一実施例を示すバリ取
り兼用タップの側面図である。このタップは、先端に形
成された食い付き部Aと、この食い付き部Aに連続して
形成される有効ねじ山部Bとを有するほか、有効ねじ山
部Bに対し食い付き部Aと反対側の基部側に形成される
テーパ部としてのバリ取り用案内部Cを備えている。図
2は、上記タップのバリ取り用案内部C付近を拡大して
示したもので、バリ取り用案内部Cは、有効ねじ山部B
におけるピッチPと同じピッチPのねじ山からなる刃部
1を有し、この刃部1は有効ねじ山部Bによるねじ切り
作業時でのタップの回転方向と逆の回転方向前方側に切
れ刃が形成されている。バリ取り用案内部Cのテーパ部
としての角度θは、ねじ呼び径の大小や、下孔の大きさ
などによって制約を受けるが、できるかぎりなだらかに
した方がスムーズなバリ取り作業がなされる。
【0023】図3は、タップホルダの図中で上部半分を
断面で示した側面図である。このタップホルダは、タッ
プホルダを回転させるためのスピンドル3に固定される
ホルダ本体としてのボディ5と、ボディ5に対して径方
向に移動可能で前記図1のタップを保持するタップ保持
部7とを備えている。
【0024】ボディ5は、スピンドル3に半月キー9を
介して固定される軸部11と、軸部11の先端における
円筒部12の外周に固定される外筒部13とを備えてい
る。軸部11の外周にはねじが切られており、このねじ
部にはロックナット15が螺合している。ロックナット
15は、スピンドル3の端面から軸部11の突出量を調
整するもので、止めねじ17によって軸部11に固定さ
れる。軸部11の内部には、軸方向に貫通孔19が形成
され、この貫通孔19にはロッド21が軸方向に移動可
能に挿入されている。上記貫通孔19のスピンドル3側
の端部には雌ねじ23が形成され、この雌ねじ23には
調整ねじ25がねじ込まれている。貫通孔19の上記雌
ねじ23と反対側の端部にはスプリング27が配置さ
れ、鋼球29を押圧している。前記調整ねじ25を調整
することで、ロッド21が軸方向に移動し、スプリング
27の鋼球29への押圧力が調整される。
【0025】タップ保持部7は、軸部11の円筒部12
に対しカップリング31を介して接続されるコレット3
3と、コレット33とボディ5との間に設けられる一対
のベアリング35と、前記図1のタップを保持するタッ
プチャック37とを備えている。
【0026】カップリング31は、図4に詳細を示すよ
うに、円筒部31aの一方の端部の外周側と、他方の端
部の内周側とに、円周方向に複数の係合突起31b,3
1cがそれぞれ形成されている。係合突起31bはボデ
ィ5の円筒部12の内周に形成された係合溝12aに、
また係合突起31cはコレット33の外周に形成された
係合溝12bにそれぞれ係合し、これによりボディ5の
回転がタップ保持部7に伝達されることになる。
【0027】タップチャック37は、コレット33の挿
入孔33a内に挿入固定され、コレット33から外部に
露出した部位の外周に、ねじ39が形成されている。こ
のねじ39にはロックナット41がねじ込まれ、これに
よりタップチャック37に保持されるタップが固定され
ることになる。ロックナット41は、ねじ39に螺合す
る雌めじ部41aのほか、コレット33の外周に摺接す
る摺接部41bを備えている。ボディ5の外筒部13の
先端側にはボス部43が形成され、ボス部43の内周面
43aとコレット33の外周面との間には、防塵用Oリ
ング45が設けられている。
【0028】ベアリング35は、コレット33の外周部
に形成された環状の突起47と円筒部12の端面との間
および、前記突起47と外筒部13のボス部43との間
に、それぞれ設けられるスラストベアリングであり、円
筒部12の端面およびボス部43の側面にそれぞれ固定
されるリング部材49と、突起47の両側面にそれぞれ
固定されるリング部材51と、これら両部材49,51
相互間に配置されるボール53とを有している。
【0029】コレット33における突起47の外周面に
は凹部47aが、この凹部47aに対向する外筒部13
の内面にも凹部13aがそれぞれ形成され、これら両凹
部47a,13a相互間には、コレット33をボディ5
に対して径方向に付勢する付勢手段としてのコイルスプ
リング55が介装されている。コイルスプリング55が
コレット33を径方向に付勢することで、コレット33
はボディ5の軸中心に対して偏心した状態となり、この
状態で図4に示すように、ボス部43の内周面43aと
コレット33の外周面との間に隙間t(約1mm)が形成
される。
【0030】コレット33の前記挿入孔33aのボディ
5側の開口端部には、面取33bが施され、この開口端
部に前述した鋼球29がスプリング27により押し付け
られている。これにより、コレット33がボディ5に対
して軸方向に移動可能でありながら、この軸方向のガタ
が抑えられることになる。
【0031】図5は、図4のD−D断面図であるが、こ
こに示されたコイルスプリング55に代えて、図6に示
すように、板状のスプリング57を用いてもよい。
【0032】次に、上記したようなバリ取り兼用タップ
およびタップホルダを用いたねじ切り加工を、図7を用
いて説明する。図1に示したタップを図3のタップホル
ダに取付けた状態では、コレット33がコイルスプリン
グ55によりボディ5に対して径方向に付勢されている
ことから、タップはコレット33とともにボディ5の中
心すなわちスピンドル3の中心軸に対して偏心した状態
となる。通常、スピンドル3の中心軸は被削材Wの下孔
59の中心軸とほぼ一致しているので、被削材Wの下孔
59の中心軸に対してタップの中心軸は、図7(a)の
ように偏心した状態となる。
【0033】この状態で、図7(a)のように、スピン
ドル3のX方向の回転および下降動作に伴い、タップホ
ルダに保持されたタップを被削材Wに近付け、先端の食
い付き部Aが下孔59の周縁に接触すると、スプリング
55の付勢力に抗してコレット33すなわちタップの中
心がボディ5の中心に整合するように径方向に移動す
る。このとき、タップの軸方向に作用する力は、コレッ
ト33がスプリング27の付勢力に抗して軸方向に移動
することで、吸収される。この状態で、タップがさらに
X方向に回転すると、食い付き部Aが下孔59の周縁に
食い付き、図7(b)のように、タップの有効ねじ山部
Bにより下孔59に対してねじ切りがなされ、ねじ孔6
1が形成されることとなる。
【0034】ねじ孔61が形成されて、タップの食い付
き部Aがねじ孔61から突出した後も、タップをさらに
同方向に回転させて、図7(c)に示すように、有効ね
じ山部Bをねじ孔61に対して貫通させる。このときね
じ孔61におけるタップの出口側の周縁にはバリ63が
発生している。さらに、有効ねじ山部Bに続いてバリ取
り用案内部Cが、ねじ孔61から図中で下方に突出し貫
通する過程では、タップは、バリ取り用案内部Cがコイ
ルスプリング55の付勢力により被削材Wの一方側に押
し付けられて、コレット33とともに中心軸がねじ孔6
1の中心から偏心した状態に戻る。
【0035】この状態で、タップを今までとは逆のY方
向に回転させつつ、ねじ孔61に近付ける方向(図中で
上方)に移動させると、バリ取り用案内部Cの刃部1が
ねじ孔61の周縁に押し付けられた状態となり、タップ
がこの押し付けられた状態で回転することで、図7
(d)のようにバリ63が刃部1により切削され除去さ
れる。
【0036】バリ63が除去された後も、さらにタップ
をY方向に継続して回転させると、タップは有効ねじ山
部Bがねじ孔61に案内されつつ図中で上方に移動し、
図7(a)のように、ねじ孔61から引き抜かれた状態
となる。
【0037】上記したようなねじ切り加工においては、
ねじ切り作業によって発生するバリ63が、ねじ切り加
工工程中に除去でき、このため、新たなバリ取り工程が
不要となり、ねじ切り加工における全体の作業時間が短
縮され、作業(製造)コストが低下したものとなる。ま
た、このようなバリ取りが可能なねじ切り加工は、タッ
プとタップホルダとを従来のものに対して変更するのみ
で、他の設備はそのまま使用でき、汎用性の高いものと
なる。
【0038】図8は、この発明の他の実施例のタップホ
ルダを示している。この実施例は、タップホルダにおけ
るコレット33を径方向に付勢する機構の他の例を示し
ている。このタップホルダは、コレット33の挿入孔3
3aの図中で左側の端部を貫通させず、この挿入孔33
aと反対側のコレット33の端面に、挿入孔33aの中
心軸に対して僅かに偏心した位置に、鋼球29を受ける
断面V字状の鋼球受け部65を形成してある。鋼球29
が、凹部としての鋼球受け部65に弾性手段を構成する
スプリング27により押し付けられることで、コレット
33はボディ5に対して径方向に偏心した状態となる。
このため、スプリング27,鋼球29および鋼球受け部
65は、付勢手段67を構成することになる。
【0039】上記図8のタップホルダを使用して前記図
1のタップによりねじ切り加工を行った場合でも、前記
図7に示したものと同様に、ねじ切り加工と同一工程で
バリ取り作業が行える。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、第1または第
4の発明によれば、バリ取り兼用タップの中心が下孔中
心から偏心した状態となるよう径方向に付勢された状態
でのタップの正転によるねじ切り作業の後、逆転させる
ことでテーパ部によりねじ孔周縁のバリを除去できるの
で、ねじ切り加工工程の中でのバリ取り作業が可能とな
り、新たなバリ取り工程が不要となって、製造コストを
低下させることができる。
【0041】第2,第5または第6の発明によれば、タ
ップ保持部が付勢手段により径方向に付勢されるので、
タップ保持部に上記したバリ取り兼用タップをセットす
れば、そのテーパ部がバリ発生部位であるねじ孔の周縁
部に押し付けられて、バリの除去を容易にできる。
【0042】第3または第7の発明によれば、タップ保
持部がホルダ本体に対して付勢手段により径方向に付勢
されることで、タップ保持部に保持されたタップが、ホ
ルダ本体に対して偏心し、この状態でねじ切り作業の後
タップの逆転によりテーパ部がねじ孔周縁に押し付けら
れ、ねじ孔周縁に発生したバリを容易に除去でき、ねじ
切り加工工程の中でのバリ取り作業が可能となり、新た
なバリ取り工程が不要となって、製造コストを低下させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すバリ取り兼用タップ
の側面図である。
【図2】図1のバリ取り兼用タップにおけるテーパ部付
近の拡大された説明図である。
【図3】この発明の一実施例を示すタップホルダの一部
を断面で示した側面図である。
【図4】図3の要部の拡大された断面図である。
【図5】図4のD−D断面図である。
【図6】図4のタプホルダにおけるコイルスプリングを
板状スプリングに代えた場合の図5に相当する断面図で
ある。
【図7】図1のタップおよび図3のタップホルダを用い
たねじ切り加工の動作説明図である。
【図8】この発明の他の実施例を示すタップホルダの一
部を断面で示した側面図である。
【図9】従来のタップの側面図である。
【図10】従来のタップホルダの一部を断面で示した側
面図である。
【図11】従来のタップおよびタップホルダを用いたね
じ切り加工の動作説明図である。
【符号の説明】
A 有効ねじ山部 C バリ取り用案内部(テーパ部) W 被削材 1 刃部 5 ボディ(ホルダ本体) 7 タップ保持部 27 スプリング(弾性手段) 29 鋼球 33b 鋼球受け部(凹部) 55 コイルスプリング(付勢手段) 59 下孔 61 ねじ孔 63 バリ 67 付勢手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被削材を貫通する下孔に対して回転しつ
    つ進入して雌ねじを形成する有効ねじ山部と、この有効
    ねじ山部の前記進入方向後端側に形成され、前記有効ね
    じ山部の先端側から後端側に向けて小径で、前記下孔に
    おける前記有効ねじ山部の進入方向前端側に発生するバ
    リを除去するテーパ部とを備えたことを特徴とするバリ
    取り兼用タップ。
  2. 【請求項2】 ホルダ本体の回転が伝達されるタップ保
    持部を、前記ホルダ本体に対して径方向に移動可能に設
    け、前記タップ保持部とホルダ本体との間にタップ保持
    部を径方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とす
    るタップホルダ。
  3. 【請求項3】 被削材を貫通する下孔に対して回転しつ
    つ進入して雌ねじを形成する有効ねじ山部、この有効ね
    じ山部の前記進入方向後端側に形成され、前記有効ねじ
    山部の先端側から後端側に向けて小径で、前記下孔にお
    ける前記有効ねじ山部の進入方向前端側に発生するバリ
    を除去するテーパ部をそれぞれ備えたバリ取り兼用タッ
    プと、ホルダ本体の回転が伝達され、前記バリ取り兼用
    タップを保持するタップ保持部が、前記ホルダ本体に対
    して径方向に移動可能に設けられ、前記タップ保持部と
    ホルダ本体との間にタップ保持部を径方向に付勢する付
    勢手段が設けられたタップホルダとからなることを特徴
    とするバリ取り装置。
  4. 【請求項4】 テーパ部は、有効ねじ山部によるねじ切
    り作業での回転方向と逆方向の回転によりバリを除去す
    る刃部を備えていることを特徴とする請求項1記載のバ
    リ取り兼用タップまたは請求項3記載のバリ取り装置。
  5. 【請求項5】 タップ保持部は、その一部がホルダ本体
    の円筒部内に収納され、この収納された一部の外周とホ
    ルダ本体の円筒部の内周との間に、付勢手段が介装され
    ていることを特徴とする請求項2記載のタップホルダま
    たは請求項3記載のバリ取り装置。
  6. 【請求項6】 付勢手段は、ホルダ本体の中心軸上に設
    けられてタップ保持部に対して軸方向に弾性的に押圧す
    る弾性手段と、この弾性手段に弾性的に押圧されて前記
    中心軸から偏心した位置の前記タップ保持部側の凹部内
    に配置される鋼球とからなることを特徴とする請求項2
    記載のタップホルダまたは請求項3記載のバリ取り装
    置。
  7. 【請求項7】 ホルダ本体の回転が伝達されるタップ保
    持部を、前記ホルダ本体に対して径方向に移動可能に設
    けるとともに、前記タップ保持部とホルダ本体との間に
    タップ保持部を径方向に付勢する付勢手段を設けたタッ
    プホルダに、被削材を貫通する下孔に対して回転しつつ
    進入して雌ねじを形成する有効ねじ山部と、この有効ね
    じ山部の前記進入方向後端側に形成され、前記有効ねじ
    山部の先端側から後端側に向けて小径なテーパ部とを備
    えたバリ取り兼用タップをセットし、このバリ取り兼用
    タップを下孔に対して回転しつつ進入させて雌ねじを形
    成し、バリ取り兼用タップのテーパ部を下孔に対して貫
    通させた後、バリ取り兼用タップを逆回転させて下孔か
    ら引き抜く際に、前記付勢手段によりタップ保持部とと
    もにバリ取り兼用タップがホルダ本体に対して径方向に
    付勢されつつ回転することで、前記テーパ部が下孔の前
    記進入方向前端側周縁に形成されるバリを切削除去する
    ことを特徴とするバリ取り方法。
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