JP4280253B2 - ワーク回転装置 - Google Patents
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Description
また、ベッド21上の左側にも同様に、ガイドレール21bが配設され、そのガイドレール21b上にはZ2軸(左右)方向に摺動自在のスライド21aが配設されている。そのスライド21a上に従来のワーク回転装置30が載置されている。
そこで、これらの問題を解決した、ワークが長尺であってもワークのクランプが可能で、ワーク回転装置を反転してワークの後端部からの加工ができる中空構造のワーク回転装置として、本出願人は、その後、特願2004−98064で開示している。
図7に示すように、ワーク回転装置40は、ボデー41と、このボデー41に嵌合され、フランジ部42aが形成された略リング状のハウジング42と、このハウジング42にベアリング43、43が嵌入されて回転自在に軸支され、外周にはギヤ53が固定され、内周にはテーパ穴44aを有する主軸44と、この主軸44のテーパ穴44aに装着され、後端部に外周ネジ部45aを有する筒状のコレット45とが構成されている。
また、このコレット45の外周ネジ部45aに螺着され、後端部(図中の左側)に外周ネジ部46aを有するコレット引込みリング46と、先端部47aが前記主軸44の後端外周部44bに嵌入され、後端部47bがコレット引込みリング46の外周ネジ部46aに螺着され、その外周47cにはピストン48の内周凸部48aを挟持して回転自在にベアリング49a、49bによって軸支されたコレット引込みノブ47とから構成されている。
さらに、このピストン48が前記ハウジング42とエンドブラケット51により形成されたスペースに嵌入され、作動流体によってピストン48が主軸軸線方向に進退するシリンダ部52と、前記ギヤ53にアイドルギヤ54が噛み合い、前記アイドルギヤ54に、モータ軸56aに嵌入されたギヤ55が噛み合い、回転力を発生させるモータ56とが構成された中空構造のワーク回転装置40が、開発されている。
また、ワーク回転の駆動モータにサーボモータを採用したことにより、異形ワークのオリエンテーション(回転方向の位置割り出し)が可能となり、ワーク自動供給・排出装置への対応ができる。
さらに、位置決めリング(7)の係合部(7a)によって、偏心コレット(6)の溝部(6a)に係合し、偏心コレット(6)の位置を保持するため、ワーク回転装置(11)の前面で、しかも、ワンタッチで偏心コレット(6)の交換ができる。
また、偏心コレット(6)を従来のクランプ機構と正反対にしたことにより、クランパ5の正面から専用工具により偏心コレット(6)の交換ができる。
図1はガンドリルの長尺工具を使用する深穴加工機を示し、図1の(a)は深穴加工機の正面図であり、図1の(b)は深穴加工機の左側面図である。なお、前記した図6の(a)の説明と重複する説明は、同じ符号を付して省略する。
図1の(a)に示すように、ベッド21の正面図の右側部には、強電パネル28が配設されている。また、ガンドリルの深穴加工機20のベッド21上の左側には、図1の(b)に示すように、ガイドレール21b、21bが配設され、そのガイドレール21b、21b上にはZ2軸(左右)方向に摺動自在のスライド21aが配設されている。また、そのスライド21a上に本発明のワーク回転装置11が載置されている。
図1の(b)に示すように、深穴加工機20の後方(図中の左側)には、ガンドリル24(図1の(a)参照)の刃先の冷却、および切屑の排出のために、刃先から高圧のクーラント液を噴射させるための高圧クーラントユニット29が設置されている。また、ガンドリル24の刃先により削り出された切粉とクーラント液は、最初にチップボックス26(図1の(a)参照)で回収され、シュート26aを通り、大きなチップボックス26bに回収される。
図2の(a)に示すように、ワーク回転装置11の本体であるボデー1には、略リング状をしたハウジング2が一体に固定され、頭上にはサーボモータ16が配置されており、主軸には偏心コレット6が装着され、その偏心コレット6にはワークWが把持されている。
また、図2の(b)に示すように、コレット6の背面には位置決めプレート19が配置され、その位置決めプレート19には位置決めブロック19aが装着され、ワークWの長手方向と回転方向の位置を決めている。そして、その偏心コレット6には異形ワークWが把持されている。
図3に示すように、ワーク回転装置11は、正面視で左右対象のシンメトリ構造になっており、上部には回転駆動機構Fが設けられている。また、主軸3(図4参照)に設けられた偏心コレット6は、3分割にされており、偏心コレット着脱工具用のピン穴6bがそれぞれに設けられている。また、このコレット6を3分割した隙間には弾性体のゴム5dが充填され、この偏心コレット6と一体になっている。
なお、異形ワークWとは、棒状のワークに枝部が形成され、棒状のワークの端面には偏心した位置に小径の深穴があり、この偏心量がsである加工孔を有するワークをいう。
ハウジング2は、このボデー1の円形の穴に嵌合され、ワーク回転装置11の正面から6本のボルト(図3参照)によって固定されている。
主軸3は、このハウジング2の内周面にベアリング9が嵌入されて回転自在に軸支され、主軸3の端面にはギヤ13が固定され、また、内周面にスリーブ4が固定されている。
クランパ5は、このスリーブ4に摺動自在に挿入され、内周面にテーパ部5aを有し、後端面5bに複数のピン状接続部5cが突設されている。
偏心コレット6は、3等配に分割され、その隙間には弾性体のゴムが充填されている。また、偏心コレット6は、クランパ5の内周面のテーパ部5aに装着され、後端部(図中の左側)に溝部6aが形成されている。なお、コレットは、ここでは偏心コレット6であるが、偏心のないワークWの場合は、通常のコレットでも構わない。
また、位置決めリング7のフランジ部7bには複数の円形の開口部7cが形成されている。この開口部7cに前記したクランパ5の複数のピン状接続部5cが挿通されている。
位置決めプレート19は、略円板状に形成されている。位置決めプレート19がこの位置決めリング7の後端面に固定されており、また、位置決めプレート19には、ワークWの長手方向と回転方向の位置を決める位置決めブロック19aが設けられている。異形ワークWの場合、特に、ワークWの位置決めに効果を発揮する。さらに、偏心コレット6の偏心穴位置と位置決めブロックの回転方向の位相を決めるために、位置決めピン17aが挿通されている。この位置決めピン17aは、後記するコレット押圧ノブ17の後端面に螺着されている。これにより、真直度の優れた深穴加工ができる。
なお、位置決めブロック19aの質量分と異形ワークWの偏荷重分は、バランサー(図示せず)を適宜位置決めブロック19aの対向部に設けられている。
クランプ機構Eには、シリンダ部12が形成されている。シリンダ部12のピストン8は前記ハウジング2とエンドブラケット10により形成されたスペースに嵌入され、作動流体である高圧エアによってピストン8が主軸の軸線方向に進退するように構成されている。
以上、このように、本発明のワーク回転装置11が構成されている。
(1)図5は、コレット6の装着と異形ワークの固定方法を説明した断面図であり、(a)は主軸内の断面図、(b)は(a)に示すC矢視図、(c)は(b)に示すD矢視図である。図5の(a)に示すように、ワークサイズに合わせた偏心コレット6を用意する。偏心コレット6の端面に形成された3個のピン穴6b(図3参照)に図示しない偏心コレット着脱工具の3本のピンを差込み、偏心コレット着脱工具のハンドルレバーを握ると、3等配に分割されてその隙間に充填された弾性体のゴムが変形して先細形状になる。この状態で偏心コレット6を奥まで押し込み、図示しないハンドルレバーの握りを緩めて、偏心コレット6の溝部6aに位置決めリング7の係合部7aを嵌め込む。
(2)図5の(a)に示すように、ワーク回転装置11の後方(図中左側)から異形ワークWを挿入し、図5の(b)に示すように、位置決めプレート19の位置決めブロック19aに、異形ワークWの一方の枝部を装着し、ワークWの長手方向と回転方向の位置を決める。
(4)ワーク回転装置11の前進釦(図略)を押すと、エアシリンダ21c(図1の(b)参照)により前進(Z2軸)し、チップボックス26のドリルブッシュ26aに異形ワークWの先端部を押し当てる。
(6)主軸台23(図1参照)のスピンドル回転起動釦(図略)押すと、ガンドリル24が回転する。クーラントの起動釦(図略)を押すと、ガンドリル24の刃先から高圧のクーラント液が噴射する。そして、主軸台23の前進起動釦(図略)を押すと、深穴加工機20のテーブル22c上に配設された主軸台23は、チップボックス26のドリルブッシュ26aにガンドリル24の刃先がガイドされながら、回転した異形ワークWの先端に向って切削送りで前進する。そして、小径の偏心した加工孔の深穴加工が開始し、深穴加工が終了すると、主軸台23が後退し、元の位置に戻る。
(8)ワークアンクランプ釦(図略)を押すと、今度は高圧エアが空圧継手bから供給されてピストン8を後退させ、筒状のクランパ5を後退させて偏心コレット6を拡径させ、異形ワークWの把持を開放する。そこで、異形ワークWを機外に取り出すことで1個目の偏心深孔加工が完了となる。
このように、従来のワーク回転装置40(図7参照)ではできなかった偏心穴のワークWの深穴加工が、本発明のワーク回転装置11であれば、容易に加工することができる。
2 ハウジング
3 ベアリング
4 主軸
5 クランパ
5a テーパ部
5b 後端面
5c ピン状接続部
5d ゴム
6 コレット
6a 溝部
6b ピン穴
7 位置決めリング
7a 係合部
7b フランジ部
7c 開口部
8 ピストン
8a 内周凸部
9a、9b ベアリング
10 エンドブラケット
11 ワーク回転装置
12 シリンダ部
13,15 ギヤ
14 アイドルギヤ
16 サーボモータ
16a モータ軸
17 コレット押圧ノブ
17a 位置決めピン
18 リング
19 位置決めプレート
19a 位置決めブロック
20 深穴加工機
E クランプ機構
F 回転駆動機構
W ワーク(異形ワーク)
Claims (3)
- ワーク(W)をクランプするクランプ機構(E)を内蔵し、ワーク(W)を回転させる回転駆動機構(F)を搭載した中空構造のワーク回転装置(11)であって、
ボデー(1)と、
前記ボデー(1)に嵌合されて固定された略リング状のハウジング(2)と、
前記ハウジング(2)の内周面にベアリング(9)が嵌入されて回転自在に軸支され、端面にギヤ(13)が固定され、さらに、内周面にスリーブ(4)が固定された主軸(3)と、
前記スリーブ(4)に摺動自在に挿入され、内周面にテーパ部(5a)を有し、後端面(5b)に複数のピン状接続部(5c)を突設したクランパ(5)と、
前記クランパ(5)のテーパ部(5a)に装着され、後端部に溝部(6a)が設けられた偏心コレット(6)と、
前記主軸(3)に固定され、前記コレット(6)の溝部(6a)に係合部(7a)が係合し、フランジ部(7b)に形成された複数の開口部(7c)に前記複数のピン状接続部(5c)が挿通され、コレット(6)の位置を保持する位置決めリング(7)と、
前記位置決めリング(7)に固定され、ワーク(W)の位置決めを行う位置決めプレート(19)と、
前記クランパ(5)のピン状接続部(5c)の端面に固定され、ピストン(8)の内周凸部(8a)を挟持して回転自在にベアリング(9a、9b)によって軸支されたコレット押圧ノブ(17)と、
前記ピストン(8)が前記ハウジング(2)とエンドブラケット(10)により形成されたスペースに嵌入され、作動流体によってピストン(8)が主軸軸線方向に進退するシリンダ部(12)を有する前記クランプ機構(E)と、
前記ギヤ(13)にアイドルギヤ(14)が噛み合い、このアイドルギヤ(14)に、サーボモータ軸(16a)に嵌着されたギヤ(15)が噛み合い、回転力を発生させるサーボモータ(16)から構成された前記回転駆動機構(F)と、を備えたことを特徴とする中空構造のワーク回転装置(11)。 - 前記位置決めプレート(19)には、ワーク(W)の位置決めをする位置決めブロック(19a)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のワーク回転装置(11)。
- 前記クランプ機構(E)は、シリンダ部(12)のピストン(8)が前進すると、クランパ(5)がコレット(6)を縮径させてワーク(W)をクランプし、シリンダ部(12)のピストン(8)が後退すると、クランパ(5)がコレット(6)を拡径させてワーク(W)をアンクランプすることを特徴とする請求項1に記載のワーク回転装置(11)。
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