JPH088684A - 圧電振動子 - Google Patents

圧電振動子

Info

Publication number
JPH088684A
JPH088684A JP14316994A JP14316994A JPH088684A JP H088684 A JPH088684 A JP H088684A JP 14316994 A JP14316994 A JP 14316994A JP 14316994 A JP14316994 A JP 14316994A JP H088684 A JPH088684 A JP H088684A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
granular
crystal
base
terminals
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14316994A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Yamakawa
務 山川
Kozo Ono
公三 小野
Shigenori Watanabe
重徳 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Dempa Kogyo Co Ltd filed Critical Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority to JP14316994A priority Critical patent/JPH088684A/ja
Publication of JPH088684A publication Critical patent/JPH088684A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高さ寸法が小さく且つ周波数温度特性、CI特
性、耐衝撃性等の優れた水晶共振子を提供する。 【構成】水晶共振子10はセラミックからなるベース1
1の裏面側に延出して外部端子を形成する金(Au)か
らなる接合端子12a,12bをベース11上に備え、
これらの上に夫々2個、合計4個の金からなる粒状接合
部材13をワイヤボンディングにより形成し、その上に
ATカットによる矩形状の水晶片14の両面に当接する
クロム(Cl)層と金(Au)層からなる励振電極15
a、15bの引出端子15a′及び15b′を当接さ
せ、このベース11を熱源体上に載せ、超音波圧着器に
より引出端子15a′及び15b′と各粒状接合部材1
3とを接合して、水晶片14とベース11間に適宜な間
隙を形成し、粒状接合部材13による点状態の柔軟且つ
確実な接合部を形成する。これらを上からカバー16で
覆ってガラス溶着により封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電振動子に係わり、
さらに詳しくは基板の導電路と圧電片の電極引出端子と
を粒状金属を介して熱圧着した圧電振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自然又は人工的に成長させた
シリコン過酸化物(水晶)の結晶から一定の法則に従っ
て正確に切り出した薄板を研磨して得られる水晶振動子
がある。この水晶振動子(水晶片)は、結晶からの切り
出し位置及び研磨後の厚さに対応する機械的な固有の振
動数を有している。この水晶振動子の両面を電極板(励
振電極)で挟んで容器に納めたものを水晶共振子といっ
ている。この水晶共振子はその両面の電極板から瞬時的
に印加される電圧による圧電効果によって振動し、その
振動による圧電効果(区別のため逆圧電効果ともいう)
によってその両面に交番的に正負の電荷を発生し両面の
電極板に振動電圧を誘発する。この性質を利用して、水
晶共振子は一般に圧電振動子として用いられる。
【0003】この水晶共振子は共振特性に優れることか
ら、共振回路と共に組み込まれて発振器を構成し、周波
数あるいは時間等の基準源として用いられる。また、フ
ィルタ回路に組み込んで特定周波数の帯域通過フィルタ
素子として用いるなど種々の電子機器に多用されてい
る。
【0004】図5(a) は、リード挿入型の水晶共振子で
ある。同図の水晶共振子は、基板(ベース)21の外部
に引き出された二本の導電線(リード)22−1、22
−2と、これらのリード22−1、22−2に接続して
いる導電性支持部材(サポータ)23−1、23−2
と、これらサポータ23−1、23−2に保持される円
板状の水晶振動子(水晶片)24と、この水晶片24の
両面に当接する電極25−1、25−2(電極25−2
は図の向う側になるため見えない)と、これらを上から
覆う保護蓋(カバー)26とで構成されている。水晶片
24は、図の破線丸印Aで囲んで示す部分を半田ペース
ト等の導電性接着剤によりサポータ23−1に接合され
て保持されている(裏面のサポータ23−2の場合も同
様である)。この水晶共振子をプリント基板に搭載する
際には、プリント基板のリード孔にリード22−1及び
22−2を挿入しプリント配線に半田ペースト、高周波
等により接続する。このタイプの水晶共振子は、プリン
ト基板上に実装される電子部品の上下の寸法が高くても
よい場合に用いられる。
【0005】また、近年、機器の小型化や電子部品製造
作業の簡易化の要望に対応して、表面直接実装型の水晶
共振子が考えられている。同図(b) は、リードを用いな
いタイプの水晶共振子である。同図の水晶共振子は、ベ
ース21′表面にはサポータ23′−1、23′−2
と、これらサポータ23′−1、23′−2に保持され
る矩形状の水晶片24′と、この水晶片24′の両面に
当接する電極25′−1、25′−2(この場合も電極
25′−2は水晶片4′の裏面にあるため見えない)
と、これら電極の引出端子と接合する導電路(接合端
子、図ではサポータの蔭になって見えない)とを備えて
いる。また、ベース21′の図には見えない底面には、
上記接合端子に接続して底面に延出する外部端子を備え
ている。そして、これらを覆って封止されるカバー2
6′を備えている。図の水晶片24′は、図の破線丸印
A′で囲んで示す部分を導電性接着剤によりサポータ2
3′−2に接合されて(サポータ23′−1の場合も同
様)保持されている。この水晶共振子をプリント基板に
実装する際には、プリント基板表面の半田ペースト塗布
済みのプリント配線上に外部端子が当接するよう載置
し、高周波等により接着固定する。このタイプの水晶共
振子はプリント基板上に搭載される電子部品の上下の寸
法をできるだけ低くする(機器の小型化のため機器内部
の間隙を小さくする)場合に用いられる。
【0006】図6(a) は、上記サポータ23′−2(2
3−′1も同様)と水晶片24′との接合部の拡大側面
図である。同図に示すように、水晶片24′は支持端か
ら長さWdだけ導電性接着剤7によりサポータ23′−
2に固定されている。この固定長Wdの大きさ(正確に
は接着剤による固定面積)によって水晶片24′の特性
が変化する。同図(b) は、横軸の値を上記固定長Wdの
値としたときの水晶片24′のクリスタルインピーダン
ス特性(図の実線CI)及び剥離特性(図の破線Sh)
を示す図である。なお、剥離強度は耐衝撃特性に相関
し、一般的には、その値が大きいほど、耐衝撃特性を良
好にする。同図(b) c示すように、クリスタルインピー
ダンスCIと剥離強度Shは、ともに固定長Wdに比例
して大きくなる。そしてクリスタルインピーダンスC
I、例えばwd′時の20Ω以下であることが、また、
剥離強度Shは例えばwd″時の30g以上であること
が求められる。したがって、特性CI,Shが共に安定
する範囲H(固定長Wd′〜Wd″)に納まるような固
定長Wdとなるよう導電性接着剤27を塗布することが
要求される。
【0007】また、図7は、水晶片24′を、サポータ
を用いることなく導電性接着剤27によりベース21′
表面の接続電極28に直接固着して保持するものであ
る。上記の接合電極28はベース21′裏面(底面)に
外部端子として延出する導電路に接続しており、励振電
極25′−1、25′−2は、導電性接着剤27を介し
て接合電極28に接続している。このようなものでは、
サポータを用いることなく水晶片をベース上に直接的に
保持するので水晶共振子の高さ寸法を更に小さくでき、
しかも部品点数を減らすことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの水
晶共振子は、上述したクリスタルインピーダンス特性C
Iは勿論のこと、一般に動的環境下で使用される機器に
組み込まれる場合が多いことから、同じく上述した耐衝
撃性と、これに更に加えて周波数温度特性を良好に維持
するものが求められる。
【0009】しかしながら、上記の水晶共振子の如く、
水晶片の両端部を導電性接着剤によりベース上に直接固
着する構成では、水晶片とベースの温度に対する膨張係
数が異なる(一般にベースの方が水晶片より大きい)た
め、温度変化があった場合には、水晶片の長手方向に対
して膨張係数の差による歪(応力)が発生する。そし
て、この応力は温度に従って変化する。本来、水晶片
(水晶振動子)の温度変化に対する周波数変動係数は極
めて小さく、一般に、例えば厚さ1mmの水晶片を例に
とると、水晶片の切り出し位置により多少異なるが、温
度変化1℃当りの固有周波数の変化の割合(偏差の割
合)は最大「(+9)×10-5」であり最少「(−1)
×10-6」とされている。このように周波数変動係数が
極めて小さいものであるにも拘らず、水晶片の周波数が
応力に対して大きく変動する対応力周波数変動特性が起
因して、上記の温度変化に伴う応力の変化により水晶片
の周波数温度特性が劣化するという問題があった。
【0010】もっとも、導電性接着剤の硬度を小さく
(柔軟性を大きく)すれば、膨張係数の差による歪を吸
収でき、したがって水晶片の周波数温度特性を良好に保
ことはできる。しかし、一方では導電性接着剤の接着強
度が弱くなり、したがって耐衝撃性を低下させる。ま
た、逆に、導電性接着剤の硬度を大きくすると、接着強
度が強くなって水晶片の耐衝撃性を良好に保つが、他方
では膨張係数の差による歪が直接的に水晶片に発生して
周波数温度特性を悪化させる。このように、水晶振動子
にとっては、導電性接着剤の接合強度に対応する周波数
温度特性と耐衝撃特性とは相反する関係にある。
【0011】また、導電性接着剤は硬化時に溶剤を揮発
させて収縮する性質をもつ。この収縮のため接着剤硬化
後には塗布部分を中心として水晶片に歪を発生させる。
すなわち水晶片は温度変化がなくとも歪を生じた状態で
固着・保持されている。この歪のため衝撃に対する強度
が弱くなり、したがって、この部分での破損あるいはこ
こからの亀裂が生じ易くなるという問題があった。
【0012】さらに、前述した図6(b) に示したよう
に、水晶振動子のクリスタルインピーダンス(CI)及
び耐衝撃性(Sh)は、導電性接着剤7の塗布面積(図
では水晶片の固定長Wd)がWd′〜Wd″の範囲にあ
る場合に安定する。つまり、この両特性を満足する塗布
面積は比較的狭い範囲Wd′〜Wd″に限定されてい
る。そして、この傾向は、水晶片4′の外形寸法が小さ
くなるほど強まる、すなわち両特性を満足する塗布面積
の許容範囲は一層狭くなる。もし図6(a) に示すよう
に、サポータ23′−2があれば、このサポータ23′
−2の支持端を塗布面積に対応させて形成させることに
より塗布面積の加減の調節は比較的容易であるが、図7
に示すようにベース上に直接固着する場合では塗布面積
の調節には高度の技術が要求される。したがって、この
場合、作業性が悪く生産性を低下させるという問題が発
生する。
【0013】なお、導電性接着剤においては、このよう
なクリスタルインピーダンス(CI)に関わる導電性の
問題、耐衝撃性(Sh)に関わる保持力の問題、温度特
性に関わる柔軟性の問題ばかりにとどまらず、上記の保
持力に関しては導電性接着剤の耐熱性の問題があり、さ
らには経時変化に関わる化学的安定性の問題、またさら
に、作業性に関わる塗布性能の点をも考慮しなければな
らない。このようなことから、水晶振動子の特性を満足
させることのできる適宜は導電性接着剤を選択すること
には極めて困難な問題である。
【0014】すなわち、現在まで上記各周波数温度特性
と耐衝撃特性の特性のいずれをも充分に満たすことので
きる導電性接着剤の選択は困難な状態にある。本発明の
目的は、上記従来の実情に鑑み、高さ寸法が小さく且つ
周波数温度特性、CI特性、耐衝撃性等の優れた水晶共
振子を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電振動子は、
圧電片と、該圧電片を励振する電極と、該電極の引出端
子と対向して基礎部材上に配設された導電路と、上記電
極の引出端子と導電路間に介在する導電性粒状金属とか
ら構成し、上記導電路と電極引出端子とを上記導電性粒
状金属を介して熱圧着により接合させるように構成す
る。
【0016】上記粒状導電性金属は、例えば請求項2記
載のように、金(Au)等からなる。また、例えば請求
項3記載のように、上記電極の両極とこれに対向する導
電路間に夫々少なくとも1個配設される。
【0017】また、上記導電路は、例えば請求項4記載
のように、所定位置に上記粒状導電性金属を載置する凹
部を形成して構成される。
【0018】
【作用】本発明の圧電振動子は、両電極の引出端子と導
電路間に夫々少なくとも1個介在する例えば金(Au)
からなる導電性粒状金属が、それら導電路と電極の引出
端子とを熱圧着により間接に接合させる。そして、上記
導電路は所定位置に予め設けられた凹部により上記導電
性粒状金属を保持して接合の位置決めを行う。
【0019】これにより、高さ寸法が小さく且つ周波数
温度特性、CI特性、耐衝撃性等の優れた圧電振動子を
提供することができる。
【0020】
【実施例】本発明は、独立する部材同士を圧接し超音波
により熱圧着して接合する熱圧着技術を用いる。この熱
圧着技術は超音波振動により部材層表面の酸化膜を破壊
して新生面同士を熱圧着し、素材の相互拡散により接合
するものである。本発明は、圧電振動子のベース上の接
合端子と励振電極の引出端子とを、サポータ及び導電性
接着剤のいずれをも使用せず、熱圧着により接着するも
のであり、特に接合端子と引出端子との間に粒状金属を
介在させて熱圧着したことを特徴とする。
【0021】以下、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。図1(a) に一実施例に係わる水晶共
振子の斜視図を示し、同図(b) にその一部側断面図を示
す。
【0022】同図において、水晶共振子10は、ベース
11上に、接合端子12a,12bを備えている。これ
ら接合端子12a及び12bは、特には図示しないが、
ベース11の裏面側に延出して外部端子を夫々形成して
いる。水晶共振子10は、上記の接合端子12a及び1
2b上に、夫々2個すなわち合計4個の粒状接合部材1
3を介して、水晶片14とこの水晶片14の両面に当接
する励振電極15a、15b(励振電極15bについて
は同図(b) 参照)とを保持している。そして、これらを
上から覆って例えばガラス溶着によりこれらを封止する
カバー16を備えている。
【0023】上記のベース11は、セラミックからな
る。また、接合端子12a,12bは金(Au)を用い
て形成される。4個の粒状接合部材13は、直径がほぼ
75μm(ミクロメートル)の球形をなし、詳しくは後
述する方法により夫々金(Au)で形成される。そし
て、水晶片14は、例えばATカットによる矩形状の水
晶片であり、外形寸法は長さ4mm(ミリメートル)、
幅1mmである。そして、振動周波数が32MHzにな
るような厚さに形成してある。実験的には、この水晶片
14の寸法に対して上記の粒状接合部材13の大きさが
ほぼ75μmであることが極めて良好な結果を生むこと
が判明している。
【0024】この水晶片14の両面に当接する励振電極
15a及び15bは、断面がコの字型をなす引出端子1
5a′及び15b′を夫々有している(同図(b) 参
照)。これら励振電極15a及び15b、並びにこれら
の引出端子15a′、15b′は一層目(水晶片側)に
クロム(Cl)、二層目(外側)に金(Au)を蒸着し
てなる。そして、これらの引出端子15a′及び15
b′は、一方では、そのコの字型の凹部に水晶片14の
長手方向の端部を包み込み、他方では、金(Au)から
なる粒状接合部材13を介して、上記ベース11上の接
合端子12a及び12bに夫々接合している。
【0025】この接合は、先ず、ワイヤボンディングに
より各接合端子12a及び12b上に金線の先端を接続
して熔断し、上述した球径が約75μmの金粒、すなわ
ち金(Au)からなる粒状接合部材13を接合端子12
a及び12b上に形成する。続いて、熱源体上にベース
11を載せ、この上の上記金粒からなる粒状接合部材1
3に水晶片14を重ねる。水晶片14は、上述したよう
に上下両面に当接する励振電極15a及び15bの引出
端子15a′及び15b′で長手方向の両端を覆われて
おり、これら引出端子15a′及び15b′が上記金粒
からなる粒状接合部材13に夫々当接する。次に、引出
端子15a′及び15b′夫々の粒状接合部材13との
当接部に、上から超音波圧着器の先端部分を順次押し付
けて、引出端子15a′及び15b′と各粒状接合部材
13とを接合する。これにより、粒状接合部材13は下
部ではベース11上の接合端子12a及び12bに夫々
接合し、上部では水晶片14の電極の引出端子15a′
及び15b′と接合する。
【0026】このように、本実施例によれば、水晶片1
4の電極引出端子15a′、15b′とベース11の接
合端子12a、12bとを、粒状接合部材13を介して
接合するので、その接合部が点状態になると共に励振電
極15bつまり水晶片14と接合端子12bつまりベー
ス11間に適宜な間隙を生ずる。そのため、粒状接合部
材13の上下において、水平方向の自由度が増し、粒状
接合部材13の金の持つ柔軟性がさらに有効に作用す
る。したがって、このような柔軟性により、温度変化
(水晶片14とベース11との熱膨張係数の差)による
歪の発生を吸収する。このことから、水晶片14に発生
する歪を抑制し、対応力周波数変動特性に起因した周波
数温度特性を良好な形態に維持する。
【0027】また、励振電極15bつまり水晶片14と
接合端子12bつまりベース11とが金粒を介した接合
であるので、導電性接着剤のように硬化時に収縮するこ
とがなく、したがって導電性接着剤による接合の場合に
発生する歪を除去することができる。また、金粒が点当
接の状態から押圧され滑らかにつぶれて接合が形成され
るので、水晶片14に歪を発生させることがない。した
がって、接合部は無歪状態となって衝撃に対する強度が
維持され、この部分における破損あるいはここからの亀
裂の発生をよく防止する。
【0028】この本実施例における周波数温度特性は、
例えば図2に示すように極めて良好である。同図は横軸
に温度、縦軸に周波数偏差を示している。ATカットに
よって得られる水晶片の温度変化に対する周波数の偏差
は図のように3次曲線を描く。同図に示す各曲線は基準
となる水晶片の周波数温度偏差(周波数温度特性)を示
している。同図の黒点と実線で表される3本の曲線f1
、f2 、f3 は、本実施例における複数の水晶共振子
からランダムに抜き出した3個の標本の「−40℃」〜
「+100℃」における対温度周波数偏差を表わしてい
る。これら3本の曲線f1 、f2 、f3 は、同図に明か
なように、偏差の比較的少ないことを表わしている曲線
f(0)〜曲線f(−6)の間に納まっており周波数温
度特性が比較的安定した水晶共振子であることを示して
いる。
【0029】また、本実施例によれば、接合面積の設定
が不安定な導電性接着剤とは異なり、一定の太さの金線
を用いることにより接合面積を一定に保つことが比較的
容易である。つまり、図6(b) に示した水晶片14に対
する固定面積(接合面積)を、CI及び耐衝撃性を良好
に維持する範囲内に設定することが容易である。したが
って、上述した周波数温度特性が安定しているばかりで
なく、CI及び耐衝撃性の優れた水晶共振子を容易に形
成することができる。
【0030】ところで、上記の実施例ではベース11の
接合端子12a、12bの平坦面上に粒状接合部材13
を形成したが、例えば図3(a) に示すように、接合端子
12a、12bの所定位置に予め凹部12a′、12
b′を設けて、この凹部12a′、12b′に粒状接合
部材13を載置するようにしてもよい。同図(b) は、上
記のようにして接合を完了した水晶共振子のカバーを除
く側断面図である。同図に示す水晶共振子10′の構成
は、図1に示した水晶共振子10の構成と同一部分に
は、図1と同一の番号を付与して示してあり、同部分の
構成については説明を省略する。図3(b) の構成では上
述した接合端子12a、12bに凹部12a′、12
b′を形成した構成のみが異なる。このように、予め接
合端子12a、12bの所定位置に凹部12a′、12
b′を設けることにより、撮像制御などを用いて粒状接
合部材13の配設位置を正確に位置決めすることが極め
て容易となる。
【0031】尚、上記実施例では、粒状接合部材を金線
のワイヤボンディングにより形成したが、これに限るこ
となく、予め多数の金粒を用意し、これを接合位置に供
給するようにしてもよい。また、上記粒状接合部材の素
材を金としているが、これに限ることなく、柔軟性、導
電性、接着性等が良好に得られる例えば半田、インジュ
ーム、AuSi(金と珪素の合金)、AuGe(金とゲ
ルマニュームの合金))等であってもよい。また、粒状
接合部材を球状としているが、円形又は多角形の柱状体
としてもよい。また、粒状接合部材を4個使用している
が、4個に限ることなく、図4(a),(b),(c) に示すよう
に、水晶片の対角、幅方向の一端の両角、又は長手方向
の一端の両角に2個用いるようにしても比較的よい結果
が得られる。また、水晶片の大きさによっては、同図
(d) に示すように、長手方向の両端に夫々3個を配設す
ることも考えられる。
【0032】また、上記粒状接合部材を介して行う水晶
片の電極引出端子とベースの接合端子との接合を超音波
熱圧着としているが、これに限ることなく、単なる熱圧
着であっても、粒状接合部材が点当接状態から滑らかに
つぶれながら熱接合する方法のもであれば同様の効果が
期待できる。
【0033】また、圧電板を水晶片としているが、これ
にに限ることなく、例えばタンタル、ニオブ等の他の圧
電効果材であっても適用できる。また、励振電極とその
引出端子とを金とクロームの二層としているが、金に代
えて銀(Ag)又はアルミニューム(Al)を用いても
よい。
【0034】このように本発明は適宜自在に変更し得る
もので、要するに、ベースと圧電板の電極端子間に金属
粒を介在させて熱圧着することにより圧電振動子を形成
したものであり、これにより安定したCI、耐衝撃性、
対温度周波数変化特性等を備えるという効果を奏するも
のであって、このような趣旨に基づくものは本発明の技
術的範囲に属するものであるといえる。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に述べたように、本発明によ
れば、圧電片の電極引出端子とベース上の接合端子とを
粒状接合部材を介して接合することによって点状態の接
合部を形成すると共に圧電片とベース間に適宜な間隙を
形成するので、ベース上に圧電片を確実且つ柔軟に保持
して温度変化に対する圧電片とベースとの熱膨張係数の
差による歪を容易に吸収するようになり、したがって、
周波数温度特性を良好な形態に維持することができる。
また、接合部材が金属であるので、導電性接着剤のよう
に収縮することがなく、その接合部材が点当接の状態か
ら押圧され滑らかにつぶれて接合が形成されるので、圧
電片に歪を内在させることがなく、したがって、対衝撃
強度が維持され接合部における破損や亀裂の発生を防止
することができる。また、大きさの安定した粒状接合部
材を用いているので、圧電片に対する保持面積を一定に
保ことが容易となり、したがって、耐衝撃性とクリスタ
ルインピーダンスとが良好に調和した接合状態を容易に
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は一実施例に係わる水晶共振子の斜視図、
(b) はその一部側断面図である。
【図2】水晶片の温度変化に対する周波数偏差の様子を
示す図である。
【図3】(a) は接合端子に凹部を設けて粒状接合部材を
載置した図、(b) は接合を完了した水晶共振子のカバー
を除く側断面図である。
【図4】粒状接合部材の使用数又は配設位置の例を示す
図である。
【図5】(a) は従来のリード挿入型の水晶共振子を示す
図、(b) は従来のリードを用いないタイプの水晶共振子
を示す図である。
【図6】(a) は従来のサポータと水晶片との接合部の拡
大側面図、(b) はその接合部の面積とクリスタルインピ
ーダンス及び耐衝撃特性との関係を示す図である。
【図7】従来の水晶片をサポータを用いずに導電性接着
剤により直接固着した例を示す図である。
【符号の説明】
10、10′ 水晶共振子 11 ベース 12a、12b 接合端子 12a′、12b′ 凹部 13 粒状接合部材 14 水晶片 15a、15b 励振電極 15a′、15b′ 引出端子 16 カバー f(0),f1,f2,f3,f(−6) 水晶片の温
度特性曲線 21、21′ 基板(ベース) 22−1、22−2 導電線(リード) 23−1、23−2、23′−1、23′−2 導電性
支持部材(サポータ) 24、24′ 水晶振動子(水晶片) 25−1、25−2、25′−1、25′−2 電極 26、26′ 保護蓋(カバー) 27 導電性接着剤 Wd、Wd′、Wd″ 導電性接着剤の固定長 CI クリスタルインピーダンス特性 Sh 耐衝撃特性

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電片と、該圧電片を励振する電極と、
    該電極の引出端子と対向して基礎部材上に配設された導
    電路と、前記電極の引出端子と前記導電路間に介在する
    導電性粒状金属と、を備えて前記導電路と前記電極引出
    端子とを前記導電性粒状金属を介して熱圧着により接合
    させることを特徴とする圧電振動子。
  2. 【請求項2】 前記粒状導電性金属は金(Au)からな
    ることを特徴とする請求項1記載の圧電振動子。
  3. 【請求項3】 前記粒状導電性金属は、前記電極の両極
    とこれに対向する前記導電路間に夫々少なくとも1個配
    設されることを特徴とする請求項1記載の圧電振動子。
  4. 【請求項4】 前記導電路は、所定位置に前記粒状導電
    性金属を載置する凹部を形成してなることを特徴とする
    請求項1記載の圧電振動子。
JP14316994A 1994-06-24 1994-06-24 圧電振動子 Pending JPH088684A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14316994A JPH088684A (ja) 1994-06-24 1994-06-24 圧電振動子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14316994A JPH088684A (ja) 1994-06-24 1994-06-24 圧電振動子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH088684A true JPH088684A (ja) 1996-01-12

Family

ID=15332527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14316994A Pending JPH088684A (ja) 1994-06-24 1994-06-24 圧電振動子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH088684A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009124378A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Panasonic Corp 弾性表面波デバイス
JP2009188718A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 水晶振動子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009124378A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Panasonic Corp 弾性表面波デバイス
JP2009188718A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 水晶振動子
US8030827B2 (en) 2008-02-06 2011-10-04 Nihon Dempa Kogyo Co., Ltd. Crystal unit

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006279872A (ja) 圧電振動子及びその製造方法並びにその圧電振動子を用いた圧電発振器の製造方法
JP2007135191A (ja) 圧電デバイス及び、その製造方法
JP2008131549A (ja) 水晶振動デバイス
JP2010103950A (ja) 振動子及びその製造方法
JP2007096945A (ja) 水晶振動デバイスおよび水晶振動デバイスの製造方法
JP4992420B2 (ja) 水晶振動子
WO2003044857A1 (en) Package for electronic component, and piezoelectric vibrating device using the package for electronic component
JP2000232332A (ja) 表面実装型圧電共振子
JP2006211089A (ja) 圧電振動デバイス
JP2000236035A (ja) 電子部品用パッケージおよび圧電振動デバイス
JP3911838B2 (ja) 圧電振動子の製造方法
JPH088684A (ja) 圧電振動子
JP2003318692A (ja) 圧電デバイス
JP2006033413A (ja) 圧電振動デバイス
JP2004201211A (ja) 圧電振動片の接合構造および圧電デバイスとその製造方法ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置および圧電デバイスを利用した電子機器
JP3401781B2 (ja) 電子部品用パッケージおよび電子部品用パッケージの製造方法
JPS6144408B2 (ja)
JP2595840B2 (ja) 圧電振動子の製造方法
JP3164891B2 (ja) 水晶振動子とその製造方法
JP3164890B2 (ja) 水晶振動子とその製造方法
JP2017130827A (ja) 圧電デバイス及びその製造方法
JPH0259647B2 (ja)
JPH11251863A (ja) 圧電振動子
WO2022158028A1 (ja) 圧電振動子
JP2998510B2 (ja) 電子部品とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020319