JPH0883952A - 光結合装置およびその製造方法 - Google Patents

光結合装置およびその製造方法

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JPH0883952A
JPH0883952A JP21839994A JP21839994A JPH0883952A JP H0883952 A JPH0883952 A JP H0883952A JP 21839994 A JP21839994 A JP 21839994A JP 21839994 A JP21839994 A JP 21839994A JP H0883952 A JPH0883952 A JP H0883952A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体光素子と光導波路との接続効率が良く、
半導体光素子の損傷、劣化が少なく、耐熱性のある新規
な光導波路を構成することにより半導体光素子と光導波
路とを同一基板上に一体に作製することが可能な構造の
高性能で耐久性に優れた光結合装置およびその製造方法
を提供する 【構成】半導体レーザ基板と、該半導体レーザ基板上
に、フッ素含有量がそれぞれ異なるフッ素化ポリイミド
よりなる下部クラッド層、コア層および上部クラツド層
を積層した三層構造の光導波路を一体に構成した光結合
装置。 【効果】電極パッド以外の半導体光素子端面がフッ素化
ポリイミドで覆われているので、端面に塵埃とか水滴が
付着することがなく耐久性が向上する。コア層とクラッ
ド層の屈折率差Δnが小さくできるためコア層を厚くす
ることができ、半導体レーザの活性層との高さの調整が
容易となり、光接続効率が大幅に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザと、フッ素
化ポリイミドを構成材料とした光導波路とを、同一の基
板上に一体化して構成し、半導体レーザからの出射光
を、フッ素化ポリイミド導波路を介して外部に出射した
り、また、光導波路に入射された外部からの光をフォト
ダイオードで検出する構造の光結合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体レーザ等の半導体光素子と
光導波路からなる光結合装置の一体化形成は、例えば、
春季応用物理学会予稿集29p−ZH−1,(1988
年),pp.846(鈴木与志雄ら:「半導体光源、ガラ
ス導波路集積化光素子の作製」)において発表されてい
る。これは、図13(a)、(b)に示すように、スパ
ッタ法などにより上部クラッド層15としてSiO2
(屈折率が低いためにクラッド層とする)等、コア層9
としてSiN(屈折率が比較的高いためコア層とする)
等を形成していたが、この方法ではビームの中心線とコ
ア層とが斜めになるコア傾斜部10が形成されるために
〔図13(a)〕、光が散乱し、またコア層とクラッド
層の屈折率差Δnを小さく制御できないので、コア層9
を厚くすることができず、高々1μm程度であり、たと
え、光導波路の端面を半導体レーザ出射端面と数μmか
ら十数μmのギャップを有するようにコア層9の端面を
エッチングしたとしても〔図13(b)〕、半導体レー
ザの活性層7の高さと、光導波路のコア層9の高さの位
置合わせはすこぶる困難であり、接続効率が悪いばかり
でなく、半導体光素子と光導波路との間に空気などの隙
間が発生することにより、半導体光素子端面に塵埃や、
水滴などが付着するうえ、コア傾斜部10を除去する際
に、例えばイオンエッチング等で除去するとイオン衝撃
によって、半導体光素子に損傷が加えられ半導体光素子
の特性の劣化を引き起こすという問題があった。一方、
レジスト等に用いられているPMMA〔ポリ(メチルメ
タクリレート)〕等の有機物により光導波路を構成する
と、屈折率差Δnを小さくすることができるのでコア層
9を厚くすることができるメリットがあり、半導体レー
ザの活性層7の位置と、コア層9の位置合わせが容易と
なり光接続効率が向上するメリットがある。しかし、上
記のPMMAなどの有機物の耐熱温度はせいぜい230
℃位であり、半導体レーザの作製の最終段階で行われる
半導体レーザ基板の薄片化のための裏面研磨除去17
(図10参照)、および裏面オーミック電極18(図1
0参照)の形成のために約400℃の熱処理を行う必要
があり、このため半導体レーザと一体化して形成するこ
とは耐熱性などの問題があって極めて難しい。それで、
従来はいったん半導体レーザ基板の薄片化のための裏面
研磨除去17と、裏面オーミック電極18を形成して半
導体光素子を作製したうえで、その薄片化された基板
を、別の基板に接着固定した状態で光導波路の作製を行
わねばならないので、半導体光素子と光導波路を一体化
して形成することは製造工程が複雑となり、かつ実用上
問題があった。また、この種の有機物をエッチングする
際には、Tiなどの金属をマスクとして用いることか
ら、コア層のエッチングや最終段階での光導波路のエッ
チングの後に、残留したTiなどの金属マスクの除去の
際に、半導体基板を溶解する塩酸などの酸性液で溶解し
て除去するか、あるいはC−F(炭素−フッ素)系の反
応性ガスでドライエッチングして除去することになり、
ポリイミド光導波路や半導体レーザ基板が損傷されると
いう問題があって、従来は半導体光素子と一体化形成が
できる光導波路は存在しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術における問題点を解消するものであって、
半導体光素子と光導波路との光接続効率が良く、半導体
光素子の損傷、劣化が少なく、耐熱性のある新規な光導
波路を構成することにより半導体光素子と光導波路とを
同一基板上に一体に作製することが可能な構造の高性能
で耐久性に優れた光結合装置およびその製造方法を提供
することにある。そして、本発明は具体的に下記の課題
を解決するものである。 (1)コア層とクラッド層の屈折率差Δnを小さくし
て、コア層の厚さを大きくして、半導体レーザの活性層
と光導波路のコア層の中心線を同一高さにすることが容
易に実現できるようにすること、またコア層の端面が基
板と垂直(半導体光素子の端面と平行)となるように構
成することにより光接続効率を向上させる。 (2)半導体光素子の作製プロセスにおけ最高温度40
0℃に耐えられる耐熱性のある光導波路を実現する。 (3)半導体光素子の端面の保護と電極パッドの設置を
同時に実現する。 (4)フッ素化ポリイミド光導波路のエッチング後に残
留するマスクの除去が光導波路および半導体光素子に損
傷、劣化を与えないようなマスクを選択する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題を解決
するために、本発明の光結合装置およびその製造方法
は、特許請求の範囲に記載されているような構成とする
ものである。すなわち、請求項1に記載のように、半導
体レーザ基板と、該半導体レーザ基板上に、フッ素含有
量がそれぞれ異なるフッ素化ポリイミドよりなる下部ク
ラッド層、コア層および上部クラツド層を積層した三層
構造の光導波路を一体に構成した光結合装置であって、
半導体レーザの出射端面もしくはフォトダイオードの受
光端面を、上記フッ素化ポリイミドよりなる下部クラッ
ド層と同じ組成のフッ素含有量の多いフッ素化ポリイミ
ドで被覆し、フッ素含有量の少ないフッ素化ポリイミド
からなるコア層の端面と、半導体レーザの出射端面もし
くはフォトダイオードの受光端面との間にギャップを設
け、かつ半導体レーザ基板の活性層の中心線がコア層の
中心線とほぼ同一高さにあって、上記コア層よりもフッ
素含有量の多いフッ素化ポリイミドによって、上記ギャ
ップを埋めると共に、上記コア層上に上部クラッド層を
形成した構造とするものである。そして、請求項2に記
載のように、請求項1にきさいのフッ素化ポリイミド
は、酸二無水物である6FDA〔2,2-Bis(3,4-dicarbo
xyphenyl)hexafluoropropane Dianhydride…2,2-ビス
(3,4-ジカーボキシフェニール)ヘキサフルオロプロパ
ン ジアンハイドライド〕およびPMDA〔Pyromelliti
c Dianhydride…ピロメリティック アンハイドライド〕
と、フッ素化ジアミンであるTFDB〔2,2-Bis(trifl
uoromethyl)-4,4′-diaminobiphenyl…2,2-ビス(トリ
フルオロメチル)-4,4′-ジアミノビフェニール〕との
重合・脱水反応に基づいて生成されるフッ素化ポリイミ
ドを用いるものである。そして、本発明は請求項3に記
載のように、請求項1に記載の光結合装置を製造する方
法であって、半導体レーザの電流供給領域の電極パッド
もしくはフォトダイオードの電流取り出し領域の電極パ
ッド上に設ける電極膜を、酸素プラズマに耐性のある金
または白金、もしくは金または白金を主成分とする合金
を用いて形成する工程と、半導体レーザ、フォトダイオ
ードおよびそれぞれの電極パッドの上に、光導波路を構
成するフッ素化ポリイミドよりなる下部クラッド層、コ
ア層および上部クラッド層の三層を積層した後、該フッ
素化ポリイミドよりなる三層を、シリコーンベースの感
光性レジストをマスクとして、酸素プラズマによりエッ
チングする工程と、上記上部クラッド層の形成後に、酸
素プラズマにより光導波路を形成するためのエッチング
を行うと同時に、電極パッド部の金、白金、もしくはこ
れらの合金からなる電極膜の表面まで、積層されたフッ
素化ポリイミドよりなる三層をエッチングして、電極部
の窓開けを行い電極パッドとする工程を、少なくとも用
いる光結合装置の製造方法である。そして、上記のシリ
コーンベースの感光性レジスト(SPP…silicone-bas
edpositive photoresist)は、アセチル化された〔ポリ
(フェニールシルセスキオキサン)…poly(phenylsils
esquioxane)〕と感光剤であるジアゾナフトキノン(di
azonaphthoqinone)を含有するポジティブの感光性レジ
ストである。本発明の光結合装置およびその製造方法に
おいて、従来技術と異なる具体的な点を挙げると、 (1)光導波路の下部クラッド層および上部クラッド層
のみで半導体光素子(半導体レーザ及びフォトダイオー
ド)端面を被覆するものである。 (2)光導波路の材料として、耐熱性が高く、しかもコ
ア層とクラッド層の屈折率差Δnを小さく制御できるフ
ッ素化ポリイミドを使用すると同時に、電極パッドの最
上層の電極膜にAuやPt、もしくはこれらの金属を主
成分とする合金を用いるものである。 (3)クラッド層およびコア層を形成した後、コア層と
半導体レーザ端面との間にギャップを設け、コア部をエ
ッチングした後、そのギャップを下部クラッド層と同じ
材質のフッ素化ポリイミドで埋め込む構造とする。 (4)フッ素化ポリイミド光導波路におけるコア層の端
面の形成および三層構造を形成するために、フッ素化ポ
リイミド層で覆われた電極パッドの窓開けを行うために
SPPレジストをマスクとして酸素プラズマによりエッ
チングすることにより、同一基板に一体に構成された光
結合装置を作製する。
【0005】
【作用】本発明の光結合装置は、請求項1および請求項
2に記載のように、半導体レーザ基板と同一の基板上に
一体化して形成した光導波路を耐熱性の高いフッ素化ポ
リイミドにより作製しているので、半導体光素子の製造
工程における最高加熱温度400℃においても変質する
ことがなく、半導体光素子の製造プロセスにおいて十分
に耐久性があるため、半導体レーザやフォトダイオード
などの半導体光素子との一体化を容易に実現することが
できる。また、半導体光素子端面を高耐熱性のみならず
耐腐食性の高いフッ素化ポリイミドで覆っていることか
ら、水滴、塵埃などが端面に付着して半導体レーザの反
射率の変化を引き起こすことがなく安定した半導体レー
ザの光出力特性、およびフォトダイオードの暗電流特性
が得られる。さらに、コア層とクラッド層の屈折率差Δ
nを小さくできることから、コア層を厚くでき、半導体
レーザの活性層とコア層の位置合わせが容易になると共
に、半導体光素子のエッチドミラー面側にコア層のエッ
チドミラーが形成されているために、光散乱が少なく高
い光接続効率で再現性よく作製することができる。そし
て、本発明の光結合装置の製造方法は、請求項3に記載
のように、光導波路のエッチング後に残留したマスクが
半導体レーザ基板および光導波路に損傷を与えることが
なく、容易にマスクの除去ができることから良好な光導
波路の伝達特性が得られる。
【0006】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ、図面を用いて
さらに詳細に説明する。図1(a)、(b)は、本発明
の実施例で例示する光結合装置の構成を示す模式図であ
る。本実施例においては、半導体光素子として半導体レ
ーザを用いた場合について説明する。本発明の光結合装
置を実現するために、酸二無水物である6FDAとPM
DAの2種類と、フッ素化ジアミンTFDBとの混合物
を作製した。すなわち、酸二無水物/フッ素化ジアミ
ン:6FDA/TFDB(屈折率は波長λ:0.84μ
mに対して1.59)と、酸二無水物/フッ素化ジアミ
ン:PMDA/TFDB(屈折率は波長λ:0.84μ
mに対して1.53)の混合比を変えた2種類のフッ素
化ポリイミド(両者の屈折率は波長λ0.84μmに対
して1.533と1.541で屈折率差Δn:0.00
8)重合体をあらかじめ作製した。まず、図1(a)、
(b)に示すように、厚さ350μm程度の半導体レー
ザ基板(GaAs基板)1に、3つの量子井戸構造の活
性層を持つ半導体レーザ部2を多数作製しておく。その
一つの半導体レーザのワンチップに相当する寸法は約
0.8×1.0mm位である。ここで、電極について説
明する。図2(a)は、図1(b)のA−A断面、図2
(b)は、図1(b)のB−B断面を示し、以下図11
まで同様に表示した。図2(a)、(b)に示すよう
に、半導体レーザの 電流注入領域3ではAuZnNi
のオーミックコンタクを形成し、それ以外の部分はSi
2やSi34などの絶縁膜を、半導体レーザ部2から
電極パッド部4まで被覆しておき、その上に電極の密着
性を良くするためにCrなどの膜を薄く形成し、Auや
Ptもしくはこれらの金属を主成分とする合金からなる
電極膜5を形成する。この場合、半導体レーザ部2のエ
ッチドミラー6の深さは、活性層7から下へ5.5μ
m、上へ2.5μmの合計8μmの厚さを、純塩素の反
応性ガスを用いてエッチングした。次に、光導波路の下
部クラッド層8を形成するために屈折率1.533のフ
ッ素化ポリイミドを塗付した後、ベークして脱水反応を
起こさせ、半導体レーザ部2はもちろんのこと、電極パ
ッド部4のすべてを被覆した〔図3(a)、(b)〕。
上記フッ素化ポリイミドの厚さは半導体レーザ端面近傍
を除いたところでは、目標値4μmに対して3.9μm
の厚さであった。引き続きコア層9を形成するために、
クラッド層と屈折率の異なる1.541のフッ素化ポリ
イミドを塗付・焼結した〔図4(a)、(b)〕。この
場合、屈折率差Δnを0.008と小さく制御できるこ
とから、シングルモードが得られるコア層9の厚さは
3.5μmであるので、このときのコア層9の厚みの目
標を3μmとした。実際には3.0μmの厚みのほぼ目
標値どおりに形成できた。この後、図5(a)、(b)
に示すように、光を導波するための伝搬路を酸素プラズ
マに曝された部分がSiO2変質層12に変化するシリ
コーンベースのポジティブの感光性レジストであるSP
Pレジスト11を用いて、ホトリソグラフィをした後、
酸素ガス雰囲気中で半導体レーザの端面近傍に形成され
るコア傾斜部10を、反応性エッチングにより除去し
た。なお、本実施例では電極パッド部4の上に形成され
るコア層9はエッチングしなかった。この時のエッチン
グ深さは多少オーバぎみで約4μmであった。コア層9
の端面と半導体レーザの端面との間に、10μmのギャ
ップ(隙間)13を形成した。この反応性エッチングに
おいて、下部クラッド層8は、半導体レーザ上に残され
た状態となっている。したがって、本実施例のようにコ
ア層9をオーバエッチングしても半導体レーザ端面がフ
ッ素化ポリイミドで覆われているため、エッチングの際
のイオン衝撃を半導体レーザ端面が受けることがないこ
とから、後述するように、半導体レーザの特性の劣化を
引き起こすことはない。また、最終的に裏面電極形成後
に電流を注入した場合に、コア層の中心はエッチングの
底面から5.4μmで、活性層7の高さ5.5μmとの
ずれは約0.1μmしかないので、コア層が3μmと厚
いために十分に半導体レーザの活性層7から出射したビ
ームはコア層9内へ伝達されていく。コア層9上に残さ
れたSPPレジスト11の表面が、酸素プラズマに曝さ
れSiO2に変化してSiO2変質層12が形成されてい
るため、10%の緩衝フッ酸に数秒ほど浸漬し、ソルフ
ァインTMを用いて除去しエチルアルコールでリンスす
ると、フッ素化ポリイミド層が損傷されることなく、S
PPレジスト11のみがきれいに除去された〔図6
(a)(b)〕。その後、再度、フッ素化ポリイミドよ
りなるクラッド材を、下部クラッド層8形成と同様の手
順で塗付・焼結して、上部クラッド層15を形成すると
同時に、半導体レーザとコア層9との間にあるギャップ
13をも埋めた〔図7(a)、(b)〕。また、フッ素
化ポリイミドの粘度が高いために平坦化にも有効で、塗
布・ベーク後、半導体レーザ端面付近のギャップ13部
の段差は大幅に減少した。この三層構造のフッ素化ポリ
イミドを、先に作製した半導体レーザ部2と光軸の合致
した光導波路とするために、SPPレジスト11を用い
たホトリソグラフィ技術と、酸素プラズマによる反応性
イオンエッチング加工により光導波路16を形成すると
同時に、電極パッド部4上のフッ素化ポリイミド層を窓
開けして、電極膜(Au)5を露出させた〔図8
(a)、(b)〕。なお、図9は半導体レーザ基板のワ
ンチップを示す平面図で、光導波路(三層構造)16の
位置を示す。さらに、半導体レーザの裏面電極形成のた
めに、約280μmほど半導体レーザ基板の薄片化のた
めの裏面研磨除去17を行い、約70μm近くまで薄片
化し、裏面オーミック電極18形成のために、AuGe
Ni合金を抵抗加熱により蒸着して、ベーク炉で400
℃で20秒ほど焼成し、図10(a)、(b)に示す本
発明の半導体レーザと光導波路を同一基板上に形成した
光結合装置を得た。図10(a)、(b)に示すよう
に、本発明の光結合装置は、耐熱性、かつ耐食性の良好
なフッ素化ポリイミドからなる光導波路(三層構造)に
より、半導体レーザあるいはフォトダイオード等の半導
体光素子を覆う形をとっているので、素子の端面に塵埃
とか水滴が付着することがなく、使用可能な環境条件が
緩和される。また、フッ素化ポリイミドを使用すること
によって、コア層とクラッド層の屈折率差Δnが小さく
できるので、コア層9を厚くすることができ、半導体レ
ーザの活性層7との高さの調整が容易となり、しかもコ
ア層9の端面を半導体光素子端面と平行にエッチングし
て除去することができるため、半導体光素子からの出射
あるいは半導体光素子への入射の際に散乱光が少なく、
光接続効率を大幅に向上させることができる。次に、フ
ッ素化ポリイミドからなる導波路の作製による半導体レ
ーザ特性の劣化の有無を確認するために、図11に示す
ように、窓開けした電極パッド4に、測定用プローブ2
4を当てて、電流を半導体レーザ部2に注入して半導体
レーザを発光させた。その注入電流I(mA)と出力光
L(mW)との関係を、図12に示す。半導体レーザ端
面が空気でなく、屈折率が約1.5のポリイミド導波路
が接触し、半導体レーザ共振面(端面)の反射率が低下
することから、若干発振のためのしきい値電流は低下す
るが、発振出力勾配などまったく低下は認められなかっ
た。また、上記のI−L特性から分るように、光接続効
率が1dB以下と優れた結果が得られた。上述したよう
に、本実施例では、半導体光素子として半導体レーザを
取り上げ説明したが、フォトダイオードでも同じであ
り、このフォトダイオードの場合、光はフッ素化ポリイ
ミド導波路をを伝達した後、フォトダイオード端面の活
性層に入射され、上部オーミックコンタクト領域から電
極パッド部において、フォトダイオードに入射した光量
に相当する電流が引き出せる。光の伝達の向きがフォト
ダイオードと半導体レーザとで異なるだけであって、構
造的にはまったく同じである。また、半導体レーザ基板
として上記実施例ではGaAs基板を使用したが、その
他、InP基板などのよりバンドギャップの小さい高波
長用の基板を用いても本実施例と同様の効果が得られる
ものであり、本発明は半導体レーザ基板の種類を限定す
るものではない。
【0007】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明の光
結合装置およびその製造方法は、以下に示す効果があ
る。 (1)半導体光素子(半導体レーザあるいはフォトダイ
オード)端面をはじめ、電極パッド以外がフッ素化ポリ
イミドで覆われているために、端面に塵埃とか水滴が付
着することがなく、使用可能な環境条件が緩和される。 (2)フッ素化ポリイミドを使用することによって、コ
ア層とクラッド層の屈折率差Δnが小さくできるためコ
ア層を厚くすることができ、半導体レーザの活性層との
高さの調整が容易となり、しかもコア端面を半導体光素
子端面と平行にエッチングして除去するために、半導体
光素子からの出射あるいは半導体光素子への入射の際の
散乱光が少なく光接続効率を大幅に向上できる。また、
端面から塵埃とか水滴の付着が防止でき、光結合装置の
耐久性および信頼性が向上する。 (3)SPPレジストを使用し、酸素プラズマのみでエ
ッチングすることにより、電極パッドの窓開けにおい
て、AuまたはPt、もしくはこれらの合金膜がストッ
パとなるので窓開けが極めて容易となる。また、光導波
路のエッチング後に残留したSPPマスクを、光導波路
に損傷を与えることなく容易に除去することができるの
で、半導体レーザなどの光素子との一体化構成が実現で
きる。すなわち、SPPマスクを用いた酸素プラズマに
よるエッチングとフッ素化ポリイミドの耐熱性が半導体
光素子製造プロセスとの整合性が取れるため一体化を容
易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で例示した光結合装置の構成を
示す模式図。
【図2】本発明の実施例で例示した光結合装置の作製過
程を示す断面図。
【図3】本発明の実施例で例示した光結合装置の作製過
程を示す断面図。
【図4】本発明の実施例で例示した光結合装置の作製過
程を示す断面図。
【図5】本発明の実施例で例示した光結合装置の作製過
程を示す断面図。
【図6】本発明の実施例で例示した光結合装置の作製過
程を示す断面図。
【図7】本発明の実施例で例示した光結合装置の作製過
程を示す断面図。
【図8】本発明の実施例で例示した光結合装置の作製過
程を示す断面図。
【図9】本発明の実施例で例示した光結合装置の構成を
示す平面図。
【図10】本発明の実施例で例示した光結合装置の構成
を示す断面図。
【図11】本発明の実施例で例示した光結合装置の構成
を示す断面図。
【図12】本発明の実施例で例示した光結合装置の特性
を示すグラフ。
【図13】従来の光結合装置の構成を示す模式図。
【符号の説明】
1…半導体レーザ基板(GaAs基板) 2…半導体レーザ部 3…電流注入領域 4…電極パッド部 5…電極膜 6…エッチドミラー 7…活性層 8…下部クラッド層 9…コア層 10…コア傾斜部 11…SPPレジスト(シリコーンベースの感光性レジ
スト)層 12…SiO2変質層 13…ギャップ 14…ビーム 15…上部クラッド層 16…光導波路(3層構造) 17…半導体レーザ基板の薄片化のための裏面研磨除去 18…裏面オーミック電極 19…マスク 20…反応性イオン 21…コア傾斜部を除去した部分(コア層の端面をエッ
チング除去) 22…絶縁膜 23…Au(金)電極 24…測定用プローブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鍔本 美恵子 東京都武蔵野市御殿山1丁目1番3号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体レーザ基板と、該半導体レーザ基板
    上に、フッ素含有量がそれぞれ異なるフッ素化ポリイミ
    ドよりなる下部クラッド層、コア層および上部クラツド
    層を積層した三層構造の光導波路を一体に構成した光結
    合装置であって、半導体レーザの出射端面もしくはフォ
    トダイオードの受光端面を、上記フッ素化ポリイミドよ
    りなる下部クラッド層と同じ組成のフッ素含有量の多い
    フッ素化ポリイミドで被覆し、フッ素含有量の少ないフ
    ッ素化ポリイミドからなるコア層の端面と、半導体レー
    ザの出射端面もしくはフォトダイオードの受光端面との
    間にギャップを設け、かつ半導体レーザ基板の活性層の
    中心線がコア層の中心線とほぼ同一高さにあって、上記
    コア層よりもフッ素含有量の多いフッ素化ポリイミドに
    より上記ギャップを埋めると共に、上記コア層上に上部
    クラッド層を形成してなることを特徴とする光結合装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、フッ素化ポリイミド
    は、酸二無水物とフッ素化ジアミンの重合・脱水反応に
    基づいて生成されるフッ素化ポリイミドであることを特
    徴とする光結合装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の光結合装置を製造する方
    法であって、半導体レーザの電流供給領域の電極パッド
    もしくはフォトダイオードの電流取り出し領域の電極パ
    ッド上に設ける電極膜を、酸素プラズマに耐性のある金
    または白金、もしくは金または白金を主成分とする合金
    を用いて形成する工程と、 半導体レーザ、フォトダイオードおよびそれぞれの電極
    パッドの上に、光導波路を構成するフッ素化ポリイミド
    よりなる下部クラッド層、コア層および上部クラッド層
    の三層を積層した後、該フッ素化ポリイミドよりなる三
    層を、シリコーンベースの感光性レジストをマスクとし
    て、酸素プラズマによりエッチングする工程と、 上記上部クラッド層の形成後に、酸素プラズマにより光
    導波路を形成するためのエッチングを行うと同時に、電
    極パッド部の金、白金、もしくはこれらの合金からなる
    電極膜の表面まで、積層されたフッ素化ポリイミドより
    なる三層をエッチングして、電極部の窓開けを行い電極
    パッドとする工程を、少なくとも含むことを特徴とする
    光結合装置の製造方法。
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