JP2003279777A - 光導波路デバイスの製造方法 - Google Patents

光導波路デバイスの製造方法

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JP2003279777A JP2002085309A JP2002085309A JP2003279777A JP 2003279777 A JP2003279777 A JP 2003279777A JP 2002085309 A JP2002085309 A JP 2002085309A JP 2002085309 A JP2002085309 A JP 2002085309A JP 2003279777 A JP2003279777 A JP 2003279777A
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亨 高橋
Toshihiro Kuroda
敏裕 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイシングの位置決めを精度よく行うことが
できる光導波路デバイスの製造方法を提供すること。 【解決手段】 基板にV溝と位置決めマークを形成し、
該位置決めマークを利用してダイシングすることを特徴
とする光導波路デバイスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路デバイス
の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年のパソコンやインターネットの普及
に伴い、情報伝送需要が急激に増大している。このた
め、伝送速度の速い光伝送を、パソコン等の末端の情報
処理装置まで普及させることが望まれている。これを実
現するには、光インターコネクション用に、高性能な光
導波路を、安価かつ大量に製造する必要がある。 【0003】光導波路の材料としては、ガラスや半導体
材料等の無機材料や、樹脂が知られている。樹脂によっ
て光導波路を製造する場合には、成膜工程を、塗布と加
熱により大気圧中で行うことができるため、装置及び工
程が簡単であるという利点がある。光導波路ならびにク
ラッド層を構成する樹脂としては、種々のものが知られ
ているが、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優
れるポリイミドが特に期待されている。ポリイミドによ
り光導波路及びクラッド層を形成した場合、長期信頼性
が期待でき、半田付けにも耐えることができる。 【0004】樹脂製の光デバイス、例えば、光導波路デ
バイスは、一般的には、シリコンウエハのような基板上
に、光ファイバ搭載用のV溝を設け、さらに樹脂製の下
部クラッド層、光導波路及び上部クラッド層を積層し、
さらにこの上に例えば、発光素子(LD)を、基板上に
受光素子(PD)を搭載することにより作成される。例
えば、シリコンウエハのような基板の上に光導波路のよ
うな光素子、発光素子及び受光素子を有する光導波路デ
バイスユニットを縦横に多数配列して形成し、基板裏面
にダイシングテープを貼付し、ブレードによりダイシン
グして、個々の光デバイスに分離する。これにより、多
数の光導波路デバイスを量産することができる。 【0005】通常は、上記ダイシングの際には、LD搭
載部の蒸着膜等を基準としてダイシングの位置決めが行
われている。しかしながら、光導波路の形成工程は、上
述のとおり、光ファイバ搭載用のV溝の形成の後、下部
クラッド層、光導波路、上部クラッド層を積層し、さら
にこの上に発光素子等の搭載用の電極の形成等多数の工
程が存在する。そのため、最終工程又は最終工程に近い
工程で形成された蒸着膜(電極)を基準としてダイシン
グの位置決めを行った場合には、位置決めの精度が低下
し、信頼性に欠けるという問題がある。基板上に直接形
成された蒸着膜(電極)を基準とすることもできるが、
蒸着膜の厚みは通常2〜3μmであり、膜縁部のトップ
(上辺)を基準としても、ボトム(下辺)を基準として
も、位置決めの精度は低く、充分な切断位置精度が得ら
れないという問題がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ダイシングの位置決めを精度よく行うことができる
光導波路デバイスの製造方法を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、基板にV溝と
位置決めマークを形成し、該位置決めマークを利用して
ダイシングすることを特徴とする光導波路デバイスの製
造方法を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の光導波路デバイスの一実
施形態である光導波路デバイス100の構成を図1〜図
4を用いて説明する。光導波路デバイス100は、シリ
コン単結晶の基板1上に、光導波路積層体10が搭載さ
れた領域と、V溝21が配置された領域20と、光素子
を搭載するための電極7が配置された領域30とを有し
ている。光導波路積層体10は、光導波路4を含み、本
実施の形態では、光導波路4をポリイミド樹脂により構
成している。 【0009】光導波路積層体10の構造についてさらに
説明する。基板1の上面には、基板1を保護し、屈折率
を調整するための二酸化珪素層2が備えられ、光導波路
積層体10は、二酸化珪素層2の上に形成されている。
光導波路積層体10は、図3により詳細に示すように二
酸化珪素層2の上に、順に積層された、有機ジルコニウ
ム化合物層22と、フッ素を含まない樹脂層23と、下
部クラッド層3と、光導波路4と、光導波路4を埋め込
む上部クラッド層5と、保護層9と、電極107とを含
んでいる。下部クラッド層3、光導波路4及び上部クラ
ッド層5は、いずれもフッ素を含むポリイミド樹脂によ
り形成されている。なお、有機ジルコニウム化合物層2
2及びフッ素を含まない樹脂層23は、基板1と下部ク
ラッド層3との接着性を高めるために配置されている。 【0010】下部クラッド層3及び上部クラッド層5
は、いずれも、第1のポリイミド樹脂膜からなる。下部
クラッド層3の膜厚は、約6μm、上部クラッド層5の
膜厚は、光導波路4の直上で約10μm、他の部分で約
15μmである。光導波路4は、第2のポリイミド樹脂
膜からなり、その膜厚は約6.5μmである。保護層9
は、第3のポリイミド樹脂膜であり、その膜厚は、光導
波路4から離れた端部で約5μmである。 【0011】有機ジルコニウム化合物層22を構成する
化合物としては、種々の化合物を用いることができる
が、ここでは、トリブトキシアセチルアセトネートジル
コニウムを用いている。有機ジルコニウム化合物層22
は、膜厚が50オングストローム以上200オングスト
ローム以下の範囲に収まるように、特に望ましくは、5
0オングストローム以上150オングストローム以下の
範囲に収まるようにむらなく形成されている。これは、
膜厚が50オングストロームよりも薄くなると、接着性
向上の効果を発揮できず、下部クラッド層3が基板1か
ら剥がれることがあるためである。また、膜厚が200
オングストロームを越えると、膜がもろくなるためであ
る。この50オングストローム以上200オングストロ
ーム以下という範囲は、有機ジルコニウム化合物の分子
層(分子の重なり)でいうと、5分子層以上20分子層
以下にほぼ相当する。フッ素を含まない樹脂層23は、
第3のポリイミド樹脂層である。その膜厚は、約0.2
3μmである。 【0012】基板1上の領域20に配置されたV溝21
は、光ファイバを搭載するためのものである。V溝21
は、予め定められた径の光ファイバを搭載した場合、光
導波路4とアライメン卜した状態となるよう、その深さ
及び幅が設計されている。従って、例えば、電極107
上に発光素子を搭載した場合には、発光素子から発せら
れた光は、切り込み27に挿入された反射素子により反
射されて光導波路4に入射し、これを伝搬して、光導波
路4から出射され、V溝21に搭載された光ファイバに
高効率で入射する。また、電極7上に受光素子を搭載し
た場合には、光ファイバを伝搬してきた光が、光ファイ
バから出射されると高効率で光導波路4に入射して、こ
れを伝搬し、受光素子に向かって出射され、受光素子で
受光される。 【0013】本発明方法においてはまず、基板1にV溝
21と位置決めマーク31を形成する。V溝21は光フ
ァイバを搭載するためのものであり、領域20に、光導
波路デバイスの1ユニットあたり通常は1個形成する。
位置決めマーク31は、光導波路デバイスを各ユニット
にダイシングにより切り離す際の位置を決定するための
ものであり、ダイシング前の基板1の領域20又は30
に、ダイシングの方向と位置決めのために少なくとも2
個、この方向に対して垂直な方向の位置決めのために少
なくとも1個、合計少なくとも3個の位置決めマークを
形成する。通常は、光導波路デバイスの各ユニットに横
方向と縦方向の位置決めマーク31をそれぞれ少なくと
も1個形成しておくことが望ましい。位置決めマーク3
1の形状、大きさ、形成位置等は特に限定されないが、
ダイシングブレードの刃幅が通常20〜150μmであ
ることから、位置決めマーク31の大きさは、好ましく
は20〜150μmであり、その位置は、ダイシングに
より切断される線上又はその近傍、例えば、切断線から
300μm以内が望ましい。また、位置決めマーク31
の平面形状は、形成が容易であり、位置決めも行い易い
という観点から、V溝に平行な辺を有する正方形又は長
方形であることが望ましい。 【0014】位置決めマーク31の形成は、V溝21の
形成と同時に行うことが望ましい。すなわち、例えば、
シリコン基板1上に、レジストを塗布し、V溝21と位
置決めマーク31のパターンを有するマスクを介して露
光、現像し、露出したV溝21と位置決めマーク31に
相当する領域を異方性エッチング処理した後、レジスト
を剥離し、V溝21と位置決めマーク31を形成する。
次に、V溝21と位置決めマーク31を形成した基板1
上に、下部クラッド層3、光導波路4及び上部クラッド
層5を順次積層し、必要により保護層9を設け、さらに
この上に電極107と、領域30の上に電極7を形成
し、ダイシングして各光導波路デバイスに切り出した
後、電極107上に、例えば、発光素子(LD)を、電
極7上に受光素子(PD)を搭載することにより光導波
路デバイスを作成する。 【0015】V溝21は、シリコン単結晶の基板1を異
方性エッチングすることにより形成された深さ約100
μmの溝であり、断面はV字型である。位置決めマーク
31は、V溝21の形成と同時に異方性エッチングによ
り形成された凹部であり、その平面形状は、前述のとお
り、V溝に平行な2辺を有する正方形又は長方形である
ことが好ましく、正方形の場合、異方性エッチングによ
り形成された凹部は逆ピラミッド状となる。V溝21が
配置された領域20と光導波路積層体10との境界に
は、図1、図2、図4に示すように光導波路積層体10
の端面を切断する際に形成された切り込み25が存在し
ている。同様に、電極7の領域30と光導波路積層体1
0との境界にも切り込み26が存在している。 【0016】実施例 本発明の光導波路デバイスの製造方法について、さらに
詳細に説明する。ここでは、基板1として直径約12.
7cmのシリコンウエハを用意し、この基板1の上に図
1の構造を縦横に多数配列して形成し、後の工程でダイ
シングにより切り離して、個々の光導波路デバイス10
0に分離する。これにより、多数の図1の光導波路デバ
イス100を量産することができる。よって、成膜やパ
ターニング等は、ウエハ状の基板1全体で一度に行う。 【0017】(1)基板1上に光ファイバ搭載用のV溝
21及び位置決めマーク31を形成する工程 まず、ウエハ状の基板1の上面全体に、二酸化珪素層2
を熱酸化法や気相堆積法等により形成した後、フォトリ
ソグラフィとシリコン単結晶の異方性を利用したウエッ
トエッチングにより、V溝21及び位置決めマーク31
を図5及び図8に示すように配列して形成する。この実
施例では長さ50μm、幅12μmの位置決めマークを
28μmの間隔を開けて、光導波路デバイスの1ユニッ
ト当たり2個形成してある。位置決めマークの形成位置
は、この実施例では、横方向の切断線41と縦方向の切
断線51の交差点としているが、これに限定されるもの
ではない。 【0018】次に、図5のウエハ状の基板1の全体に有
機ジルコニウム化合物層22を形成する。まず、有機ジ
ルコニウム化合物溶液を基板1全体にスピンコートによ
って塗布した後、得られた塗膜を160℃で5分程度加
熱して乾燥させ、有機ジルコニウム化合物層22を形成
する。有機ジルコニウム化合物溶液としては、例えば、
トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムをブタ
ノールに溶解して、1重量%溶液に調製したものを用い
る。 【0019】次に、有機ジルコニウム化合物層22の上
に、フッ素を含まない樹脂層形成用組成物をスピンコー
トし、得られた塗膜を加熱して溶媒を蒸発させ、さらに
加熱して硬化させることにより、フッ素を含まない樹脂
層23を形成する。フッ素を含まない樹脂層23の厚さ
は、0.23μmとなるようにスピンコートの条件を制
御する。次に、ウエハ状の基板1の上面のうち、完成後
の光導波路デバイスで光導波路積層体10が配置されて
いない領域20、30となる部分について、フッ素を含
まない樹脂層23と、有機ジルコニウム化合物層22を
除去する。ウエハ状の基板1には光導波路デバイスを縦
横に配列して製造しているため、ウエハ状の基板1の上
面のうち、領域20及び領域30は、図6に示すように
光導波路積層体10の両脇の帯状の部分である。この帯
状の部分からフッ素を含まない樹脂層23と有機ジルコ
ニウム化合物層22とを除去しておくここにより、下部
クラッド層3がこの帯状部分では基板1から剥がれやす
くなるため、後述の工程で、基板1の領域20、30の
部分から光導波路積層体10を帯状に剥がして除去する
ことが可能になる。 【0020】基板1上の領域20、30からフッ素を含
まない樹脂層23と有機ジルコニウム化合物層22とを
除去する方法について、具体的に説明する。まず、ウエ
ハ状の基板1の全面にレジスト液をスピンコートし、1
00℃で乾燥することによりレジスト膜を形成する。こ
の後、水銀ランプでフォトマスクの像を露光する。フォ
トマスクは、光導波路積層体10を形成すべき部分にの
みレジスト膜が残るように形成されている。その後、レ
ジスト膜を現像する。これによりレジスト膜のみなら
ず、フッ素を含まない樹脂層23もウエットエッチング
され、両者をほぼ除去することができる。このとき、V
溝21及び位置決めマーク31は凹部形状をしているた
め、その底部ではレジスト膜とフッ素を含まない樹脂層
23が一部残存する。そこで、この状態で、もう一度、
先ほどのフォトマスクを用いて露光し、現像を行う。こ
れにより、V溝21及び位置決めマーク31内に残って
いたレジスト膜とフッ素を含まない樹脂層23を完全に
除去することができる。 【0021】この方法は、レジスト膜の露光及び現像を
繰り返すという簡単な工程で、フッ素を含まない樹脂層
23をV溝21及び位置決めマーク31から完全に除去
できるという利点がある。この後、フッ酸を用いたウエ
ットエッチングまたは反応性イオンエッチングにより、
有機ジルコニウム化合物層22を除去する。有機ジルコ
ニウム化合物層22は、膜厚が非常に薄いため、V溝2
1及び位置決めマーク31の内部の層もウエットエッチ
ングまたは反応性イオンエッチングにより除去すること
ができる。 最後に、 レジスト膜を除去する。 【0022】(2)基板1上に下部クラッド層3を形成
する工程 次に、ウエハ状の基板1の上面全体に前述の第1のポリ
イミド樹脂膜形成用組成物(すなわち、下部クラッド層
3形成用組成物)をスピンコートして材料溶液膜を形成
する。その後、乾燥器で100℃で30分、次いで、2
00℃で30分カロ熱することにより溶媒を蒸発させ、続
けて370℃で60分加熱することにより硬化させ、厚
さ6μmの下部クラッド層3を形成する。 【0023】(3)下部クラッド層3上に光導波路層4
を形成する工程 この下部クラッド層3の上に、光導波路層用の前述の第
2のポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートして
材料溶液膜を形成する。その後、乾燥器で100℃で3
0分間、次いで、200℃で30分間加熱することによ
り溶媒を蒸発させ、続いて350℃で60分間加熱する
ことにより硬化を行い、光導波路4となる厚さ6.5μ
mの第2のポリイミド樹脂膜を形成する。 【0024】(4)光導波路4を形成する工程 次に、第2のポリイミド樹脂膜(即ち、光導波路層4)
上に、シリコン含有レジスト膜(通常は膜厚約1μm程
度)を設け、該レジスト膜を所望の光導波路のパターン
を有するフォトマスクを介して露光、現像してレジスト
パターンを形成する。露光は紫外線を用いて通常は30
秒〜120秒程度行えばよい。現像は、アルカリ性現像
液をスプレーし、室温(約23℃)で約90秒程度で充
分に行われる。このレジストパターンをエッチングマス
クとして、該光導波路層をエッチングして、所望の光導
波路4を形成する。エッチングは、レジストパターンを
エッチングマスクとして、酸素イオンを用いた反応性イ
オンエッチング(O2−RIE)により行う。これによ
り、図6に示すように基板1上に多数の光導波路デバイ
スを配列して一度に形成することができる。 【0025】(5)上部クラッド層5を形成する工程 次に、光導波路4及び下部クラッド層3を覆うように、
第1のポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートす
る。得られた材料溶液膜を、乾燥器で100℃で30分
間、次いで、200℃で30分間加熱して材料溶液膜中
の溶媒を蒸発させ、350℃で60分間加熱することに
より第1のポリイミド樹脂膜の上部クラツド層5を形成
する。 【0026】(6)保護層9を形成する工程 さらに、上部クラッド層5の上面に、フッ素を含まない
ポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートし、乾燥
器で100℃で30分間、200℃で30分間加熱して
溶媒を蒸発させ、次いで、350℃で60分間加熱し
て、上面がほぼ平坦で光導波路4から離れた端部の部分
の厚さが約5μmのフッ素を含まないポリイミド樹脂膜
の保護層9を得る。 【0027】(7)基板1の一部を露出する工程 次に、下部クラッド層3から保護層9までの各層は、こ
れらが不要な領域20及び30にも配置されているた
め、これを剥がして除去する。すなわち、図6に示すよ
うに領域20と光導波路積層体10との境界、及び、光
導波路積層体10と領域30との境界にそれぞれダイシ
ングにより切り込み25、26を入れ、下部クラッド層
3から保護層9までの各層を切断する。このとき、ダイ
シングによる切り込みの深さは、光導波路積層体10は
切断されるが、基板1は切り離されない深さにする。先
の工程で、領域20及び領域30の基板1の上面から
は、有機ジルコニウム化合物層22とフッ素を含まない
樹脂層23が除去されているため、領域20及び領域3
0では下部クラッド層3と基板1との密着力は小さい。
したがって、領域20及び領域30の上に搭載されてい
る下部クラッド層3から保護層9間での各層は、切り込
み25、26を入れたことにより、ウエハ状の基板1か
ら帯状に容易に剥がすことができる。これにより、図6
のウエハ状の基板1において、領域20及び領域30で
は基板上面(二酸化珪素層)が露出される。 【0028】(8)電極7及び107を形成する工程 基板1の領域20及び領域30上及び上部クラッド層5
の表面に、ポジ型のノボラックフェノール樹脂をスピン
コートし、レジスト膜を形成する。次に、電極7及び1
07のパターンを有するマスクを介してレジスト膜を露
光、現像し、電極7及び107のパターンを露出させ
る。次いで、Cr層を0.05μm成膜し、さらにその
上にAu層を0.5μm成膜し、レジスト膜を剥離する
ことにより、基板1の領域30、及び上部クラッド層5
の表面にそれぞれ電極7及び107を形成する。なお、
ここでは電極としてCr層の上にAu層を重ねた2層構
造の電極を作成しているが、これに限られるものではな
く、他の電極、例えば、Ti層、Pt層、Au層を順に
積層した3層構造の電極等を用いてもよい。また、成膜
法として電子ビーム蒸着法を採用しているが、この方法
に限られるものではなく、抵抗加熱による真空蒸着法や
スパッタ法等を用いてもよい。また、電極7及び107
の形成方法としては、上記の予めレジスト膜を形成し全
面に電極7及び107を形成した後、レジスト膜を除去
するリフトオフ法に限定されず、先に電極7及び107
を全面に形成した後、レジスト膜を形成し、不要な領域
をイオンミリングや反応性ドライエッチングによって加
工除去して所望の領域に電極7及び107を形成する方
法を用いてもよい。 【0029】(9)ダイシング工程 次に、ウエハ状の基板1のまま、ダイシングにより光導
波路積層体10に切り込み27を入れる。切り込みの方
向は、基板1の法線に対して30度である。厚みが20
μmのダイシングブレードを用いると幅が23μmの高
精度の切り込みが得られ、この切断面は光学的に滑らか
であり、仕上げのための研磨等は不要である。この切り
込み27に反射部材等の光学素子を挿入して、発光素子
からの光の方向を変えて、光導波路4に出射させること
ができる。次に、図7(a)、(b)のようにウエハ状
の基板1をダイシングにより切断することにより、短冊
状に切り出し、さらに図7(c)、(d)のように短冊
状の基板1をダイシングにより、個々の光導波路デバイ
ス100に切り出し、光導波路デバイス100を完成さ
せる。なお、基板1を切断するダイシング工程の手順
は、この手順に限られるものではなく、図7(a)の工
程で縦横にメッシュ状にダイシングして図7(d)のよ
うに光導波路デバイス100を形成することも可能であ
る。 【0030】ここで、基板1に形成された位置決めマー
ク31を基準としてダイシングを行うと、ダイシング精
度3σは3.96μmであった。これに対して、電極7
を基準としてダイシングを行うと、ダイシング精度3σ
は6.61μmであった。従って、本発明の基板1に形
成された位置決めマーク31を基準としてダイシングを
行うことにより、ダイシング精度が格段に向上すること
がわかる。 【0031】本実施の形態の光導波路デバイスは光導波
路4が直線形状であったが、光導波路積層体10の光導
波路4の形状は、光導波路デバイスとして必要とされる
機能に合わせて直線形状に限らずy分岐やx型等の所望
の形状にすることができる。また、光導波路の形状に合
わせて、V溝21や、電極7及び107を複数個備える
構成にすることも可能である。 【0032】また、本実施の形態で製造される光導波路
デバイス100は、下部クラッド層3から上部クラッド
層5まで全ての層をポリイミド樹脂で形成しているた
め、Tgが高く、耐熱性に優れている。よって、本実施
の形態の光導波路デバイスは、高温になっても伝搬特性
を維持できる。また、ポリイミド樹脂は、半田付け等の
高温工程にも耐えることができるため、光導波路デバイ
スの上にさらに別の光導波路デバイスや電気回路素子や
発光素子を半田付けすることも可能である。 【0033】なお、本発明において光導波路デバイスと
は、基板として、ガラス、石英等の無機材料、シリコ
ン、ガリウムヒ素、アルミニウム、チタン等の半導体
や、金属材料、ポリイミド、ポリアミド等の高分子材
料、またはこれらの材料を複合化した材料を用いて、こ
れら基板の上に、光導波路を設けたもの、及びさらに、
光合波器、光分波路、光減衰器、光回折器、光増幅器、
光干渉器、光フィルタ、光スイッチ、波長変換器、発光
素子、受光素子あるいはこれらが複合化されたものなど
を形成したものを指す。上記の基板上には、発光ダイオ
ード、フォトダイオード等の半導体装置や金属膜を形成
することもあり、更に基板の保護や屈折率調整などのた
めに、基板上に、上述のとおり二酸化珪素被膜を形成し
たり、あるいは、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒
化アルミニウム、酸化タンタルなどの被膜を形成しても
よい。 【0034】 【発明の効果】本発明の光導波路デバイスの製造方法で
は、基板に形成された位置決めマークを利用してダイシ
ングを行うため、ダイシングの精度が向上する。よっ
て、本発明の製造方法で製造した光導波路デバイス10
0を用いて、光通信装置を製造することにより、光ファ
イバと光導波路4とのアライメントが容易で、結合効率
の高い高性能な光通信装置を安価に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態の模式化した光導波路デ
バイス100を示す斜視図である。 【図2】図1の光導波路デバイスのA−A´断面図であ
る。 【図3】図1の光導波路デバイスのB−B´断面図であ
る。 【図4】図1の光導波路デバイスの平面図である。 【図5】本発明の一実施の形態の光導波路デバイスの製
造方法を説明するためのウエハ状の基板1の平面図であ
る。 【図6】本発明の一実施の形態の光導波路デバイスの製
造方法を説明するためのウエハ状の基板1の平面図であ
る。 【図7】(a)〜(d)は、本発明の一実施の形態の光
導波路デバイスの製造方法においてウエハ状の基板1を
切り出す工程を示す説明図である。 【図8】図6の一部拡大図であり、位置決めマーク31
の形成位置を示す説明図である。 【符号の説明】 1:シリコン基板、2:二酸化珪素層、3:下部クラッ
ド層、4:光導波路、5:上部クラッド層、7:電極、
9:保護層、10:光導波路積層体、20:光ファイバ
搭載領域、21:V溝、22:有機ジルコニウム化合物
層、23:フッ素を含まない樹脂層、25、26、2
7:切り込み、30:電極搭載領域、31:位置決めマ
ーク、107:電極
フロントページの続き (72)発明者 黒田 敏裕 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社オプト事業推進部内 Fターム(参考) 2H047 KA04 MA05 PA02 PA21 PA24 PA26 PA28 QA02 QA04 QA05

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板にV溝と位置決めマークを形成し、
    該位置決めマークを利用してダイシングすることを特徴
    とする光導波路デバイスの製造方法。
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