JPH0873721A - 生分解性プラスチック組成物及びその成形品 - Google Patents

生分解性プラスチック組成物及びその成形品

Info

Publication number
JPH0873721A
JPH0873721A JP23027594A JP23027594A JPH0873721A JP H0873721 A JPH0873721 A JP H0873721A JP 23027594 A JP23027594 A JP 23027594A JP 23027594 A JP23027594 A JP 23027594A JP H0873721 A JPH0873721 A JP H0873721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filler
resin
weight
polyhydroxybutyric acid
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23027594A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Koyama
政利 小山
Sadaji Uragami
貞治 浦上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chuo Kagaku Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Chuo Kagaku Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chuo Kagaku Co Ltd, Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Chuo Kagaku Co Ltd
Priority to JP23027594A priority Critical patent/JPH0873721A/ja
Publication of JPH0873721A publication Critical patent/JPH0873721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 剛性と耐衝撃性の両方にすぐれた立体的な構
造の成形品を安価に与える生分解性プラスチック組成物
及びその成形品を提供する。 【構成】 重量平均分子量が5万以上のポリカプロラク
トン樹脂と重量平均分子量が40万以上のポリヒドロキ
シ酪酸樹脂と充填剤とからなり、全組成物中の充填剤の
含有率がポリカプロラクトン樹脂とポリヒドロキシ酪酸
樹脂と充填剤との合計量に対し、25〜50重量%の範
囲にあり、かつポリカプロラクトン樹脂とポリヒドロキ
シ酪酸樹脂との合計量に対するポリヒドロキシ酪酸樹脂
の割合が30〜45重量%の範囲にあることを特徴とす
る生分解性プラスチック組成物及びその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性プラスチック
組成物及びその成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、土中において微生物分解性を示す
プラスチックは種々知られている。これらのプラスチッ
クのうち、脂肪族ポリエステルは微生物分解性に比較的
優れたものであるが、それらのうち、合成的に製造され
るポリカプロラクトン樹脂は柔軟性が強く、単独では立
体的な構造物性を要する成形品の素材としては不適当で
ある。また、構造強度が高く柔軟でないポリヒドロキシ
酪酸樹脂は耐衝撃性に劣るものが多い。耐衝撃性が良好
なものでも、タルク等の充填剤を加え構造強度を更に向
上させようとすると極度に耐衝撃性が低下する。そこ
で、米国特許3,921,333号に示されている如
く、柔軟で耐衝撃性の良好なポリヒドロキシ酪酸樹脂に
充填剤を加えることにより剛性を向上させることが試み
られているが、組成物中の充填物含量が増加するに伴い
耐衝撃性が低下する。その耐衝撃性を向上させるために
は、SBR等のゴム成分の添加が考えられるが、SBR
等が生分解されずに残るので好ましい組成物とは言えな
い。他方、特開平6−107934号公報には、柔軟な
ポリカプロラクトン(PCL)の耐衝撃性をポリ−β−
ヒドロキシ酪酸(PHB)の添加により向上させること
が示されているが、充填剤等を比較的多量に含む厳しい
条件に於ける耐衝撃性についての検討はなされていな
い。また、特公開平5−70696号公報では、PHB
にタルク等の充填剤を加えて剛性を向上させているが、
PHBホモポリマーよりは耐衝撃性のあるPHB樹脂成
分を単体で用いても耐衝撃性は充填剤含量が30重量%
を超えると著しく低下してしまう。また、その対策とし
て樹脂成分に耐衝撃性が良好なPCLを添加している
が、PHB成分の弾性率が低い上に、更に弾性率の低い
PCLを加えたために、樹脂成分の弾性率が低下し多量
の充填剤を用いないと高弾性率の組成物は得られない。
しかも、このように弾性率を強引に上昇させると耐衝撃
性が低下してしまうことが避けられない。
【0003】以上の通り、高い耐衝撃強度と構造強度
(剛性)を有するとともに、安い原料価格を招来する充
填剤を多量添加した生分解性プラスチックは実現してい
ない。一方、このような高い構造強度と耐衝撃性の両方
を必要とする立体的な構造の成形品の数は多い。例えば
ゴルフティーやピン、杭等は、ある程度硬い土壌にでも
刺らねばならないので剛性が必要で、その後ゴルフティ
ーの場合はクラブで叩かれる。叩かれた後は割れても支
障無いが、割れすぎると廃棄物の増加を助長する。また
ピン、杭については打ち込むときに叩くので耐衝撃性が
必要である。また、包装材については、持ち運びや、積
み上げ、落下によって包装材が変形、破損するとそれだ
けでも商品価値を下げてしまうばかりでなく、内容物の
保護も危ういので剛性と耐衝撃性が必要である。また、
近年、自動包装機が使用されるようになり、このような
機械で包装材に内容物を納める時には、包装材の取り出
し、内容物の充填、フィルム包装等のシール時に上記の
物性が必要であることが多い。即ち、立体的な構造物の
ための安価で高剛性で耐衝撃性のある充填剤入り生分解
性プラスチック組成物の開発が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、剛性と耐衝
撃性の両方にすぐれた立体的な構造の成形品を安価に与
える生分解性プラスチック組成物及びその成形品を提供
することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を行ったところ、低剛性で耐
衝撃性の良好なポリカプロラクトン樹脂と充填物のブレ
ンド体に、高剛性で耐衝撃性に劣るポリヒドロキシ酪酸
樹脂を特定量添加することにより耐衝撃性と剛性の両方
にすぐれた成形品を与える組成物が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明によれば、重量平均分子
量が5万以上のポリカプロラクトン樹脂と重量平均分子
量が40万以上のポリヒドロキシ酪酸樹脂と充填剤とか
らなり、全組成物中の充填剤の含有率がポリカプロラク
トン樹脂とポリヒドロキシ酪酸樹脂と充填剤との合計量
に対し、25〜50重量%の範囲にあり、かつポリカプ
ロラクトン樹脂とポリヒドロキシ酪酸樹脂との合計量に
対するポリヒドロキシ酪酸樹脂の割合が30〜45重量
%の範囲にあることを特徴とする生分解性プラスチック
組成物及びその成形品が提供される。
【0007】本発明におけるポリカプロラクトン樹脂と
しては、ホモポリマーであるポリ−ε−カプロラクトン
(PCL)とその共重合体が用いられ、共重合体中のコ
モノマー含量は5モル%以下である。PCLの重量分子
量は5万以上、好ましくは10万〜20万の範囲であ
る。ポリカプロラクトン樹脂の分子量が前記範囲より小
さくなると、組成物の成形性が悪くなる上、得られる成
形品の耐衝撃性が低下する。耐衝撃性の点からは、高分
子量のものほど好ましい。
【0008】ポリヒドロキシ酪酸樹脂としては、ホモポ
リマーであるポリ−3−ヒドロキシブチレート(PH
B)とその共重合体が用いられ、その重量平均分子量は
40万以上、特に、60万以上、好ましくは60万〜1
50万である。ポリヒドロキシ酪酸樹脂の分子量が前記
範囲より小さくなると、得られる成形品の剛性の低下は
さほどないが、耐衝撃性が低下するため、高分子量のも
のほど好ましい。PHB共重合体のコモノマーとしては
ヒドロキシバリレート(HV)が知られているが、HV
含量が増加するとともに、成形品の剛性が低下してしま
うので、共重合体中のコモノマー含量は3モル%以下に
するのがよい。
【0009】PCL及びPHB中に導入されるコモノマ
ーとしては、共重合し得る既知の化合物が何等制限なく
用いられ得る。好適に使用されるコモノマーを例示する
と、バリレート、乳酸等の脂肪族ポリエステルのモノマ
ーやその他の脂肪族ラクトン類である。
【0010】本発明においては、前記ポリカプロラクト
ン樹脂とポリヒドロキシ酪酸樹脂とは特定の重量比で用
いることが必要であり、両者の合計量に対し、ポリヒド
ロキシ酪酸樹脂は、30〜45重量%、好ましくは33
〜40重量%の割合であり、ポリカプロラクトン樹脂
は、70〜55重量%、好ましくは67〜60重量%で
ある。両者の樹脂の比が前記範囲を逸脱すると、剛性と
耐衝撃性の両方にすぐれた成形品を得ることができなく
なる。
【0011】本発明で用いる充填剤には、無機粉体や有
機粉体等が用いられる。無機粉体としては、タルク、炭
酸カルシウム、クレー、シリカ、マイカ、アルミナ等が
挙げられるが、タルク、シリカ等は、表面が中性に近い
ため溶融混練時の樹脂の著しい分子量低下を回避できる
ので、本組成物の充填剤としては好適である。これらの
充填剤の平均粒径は0.5〜20μm、好まし〈は1〜
10μmである。一方、有機粉体としては、イモ類、米
麦類、コーン類、タピオカ類等の澱粉含有物から得られ
た澱粉、澱粉に酢酸ビニルやアクリレート等のビニルモ
ノマーを共重合させた澱粉誘導体、木粉、パルプ粉、セ
ルロース粉等の植物体粉末が挙げられる。これらの有機
粉体の平均粒子径は1〜50μm、好ましくは1〜20
μmである。これらの充填剤は単独又は2種以上の混合
物の形で用いられる。また、必要に応じてこれらの充填
剤の表面を各種カップリング剤で処理できることはいう
までもない。
【0012】充填剤の添加量は多く添加できればそれだ
け原料費の低減と剛性の向上が期待できるので、全組成
物中25重量%以上、更に好ましくは30重量%以上添
加することが望ましい。25重量%未満では、剛性の向
上が十分とは云い難い。一方、添加量が50重量%を超
えても60重量%までは組成物の混練と成形加工は可能
だが、耐衝撃性が極端に低下する。従って、本発明で用
いる充填剤量は、ポリカプロラクトン樹脂とポリヒドロ
キシ酪酸樹脂と充填剤に対し、25〜50重量%、好ま
しくは30〜40重量%である。
【0013】本発明の組成物は、各配合成分を溶融混練
し、ペレットに成形することによりペレットとして得る
ことができる。溶融混練する場合、混練機としては、ニ
ーダー、バンバリー、ミキシングロール等が用いられる
が、空気酸素存在下で混合物をその溶融温度以上に長時
間保持すると、樹脂の分解や、充填剤が澱粉の場合には
その澱粉の分解や焦げが発生し変質劣化することがあ
る。特公平1−29126号記載の混合方法を用いれ
ば、高温保持時間を10〜30秒と極めて短時間にする
ことができるので、配合物の変質劣化を著しく低減させ
ることができる。また、2軸押出機により、ペレット状
組成物を得ることができる。
【0014】本発明の組成物は、充填剤を含有するポリ
カプロラクトン樹脂の粉体又はペレットと、ポリヒドロ
キシ酪酸樹脂の粉体又はペレットからなるものであるこ
とができる。このような組成物は、製造が容易であり、
しかも溶融混練により容易に均一組成の混合物を与える
ことから、成形材料として好適のものである。ポリカプ
トラクトン樹脂とポリヒドロキシ酪酸樹脂と、充填剤と
をニーダー等の通常の混練機で溶融混練するときには、
ポリカプロラクトン樹脂の溶融粘度がポリヒドロキシ酪
酸樹脂の粘度よりも著しく高いために、その均一混練は
非常に困難であり、長時間を要するが、前記のような組
成物の場合は、充填剤をあらかじめポリカプロラクトン
樹脂に含有させているため、特別の混練機は必要とされ
ず、押出成形機や射出成形機内において容易に均一溶融
混練することができる。充填剤を含むポリカプロラクト
ン樹脂の製造は、通常の混練機を用いる方法や、前記特
公平1−29126号公報に記載のヘンシェルミキサー
やスーパーミキサー等の高速混合機を用いて短時間で行
う混合方法を用いることによって行うことができる。
【0015】本発明の組成物を所要形状に成形するに
は、従来公知の成形方法を採用することができる。この
場合の成形方法としては、例えば、押出成形、射出成
形、カレンダー成形の他、発泡成形等の各種成形法があ
げられる。また、得られた成型品がシート状の場合には
これに真空成形、圧空成形等を適用し所望の形状に2次
加工することもできる。
【0016】また、前記各成分の溶融混練及び成形加工
時の溶融混練に際して、酸化防止剤、界面活性剤、着色
剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明による組成物及びそれを用いて得
られる成形品は、高い引張弾性率(剛性)と高い耐衝撃
強度を合わせもつ極めてユニークな生分解性プラスチッ
クである。高い剛性は立体的な構造を有する成形品にお
いて全体を薄く設計・製造しても外力に十分耐え得るこ
とを意味し、例えば包装容器では積み重ねられたり、横
からの力に対しても潰れにくいことを意味する。また、
本発明による組成物と成形品は無機充填剤を除いてはl
00%生分解性であり、その無機充填剤も前述のごと
く、ほとんどが元々自然界に存在していたものである。
従って、本発明の成形品が使用された後に廃棄物となり
例えば埋立地において生分解することになった場合に
も、これらの無機充填剤の存在が樹脂の生分解を阻害す
ることはなく、また、残留する無機充填剤も「自然に還
る」だけのことであるから、本発明による組成物とその
成形品はいわば地球に優しいプラスチックと言うことが
できる。
【0018】本発明の組成物は、微生物分解性を有する
とともに、多量の充填剤を含むもので、機械的強度に優
れた成形品を安価に製造する成形材料として好適のもの
である。即ち、充填剤を多量に配合して、成形品の剛性
の向上と原料コストの低減を行ったにもかかわらず、そ
れに伴って通常は起こる耐衝撃性の低下を防止したもの
である。本発明の成形品は最終製品に剛性が必要なシー
ト状、容器状の形状で好適に使用され、また、本発明の
組成物の層を主層とする積層体として使用することがで
きる。本発明の組成物の特性が有効に発揮される成形品
としては、食品トレー、弁当容器等の食品包装容器、野
外で使用するコップ、皿、スプーン、フォーク、包装箱
の中仕切り、ゲス材等の各種ワンウェー用品、更に植林
用鉢や農林業用の杭やピン、ゴルフティー、種子散布用
のかご、カード等が挙げられる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例及び比較例において使用する原
料及び成形物(シート及び成形品)の物性評価、測定法
は次のとうりである。
【0020】原料: (A)ポリカプロラクトン TONEP787(ユニオンカーバイド社製) 引張弾性率:3377kgf/cm2 重量平均分子量:172,000 (B)ポリ−3一ヒドロキシ酪酸(PHB) PHBは特開昭62一055094号公報に記載されて
いる微生物を用いる方法により製造した。 引張弾性率:25900kgf/cm2 重量平均分子量:l05万 (C)充填剤 無機充填剤 タルクFVS(ワンドー工業社製) 平均粒径:8μm 有機充填剤 コーンスターチW(日本食品化工社製) 平均粒径:16μm
【0021】物性の評価、測定法: (1)引張弾性率 シートの剛性の評価として引張弾性率を用いる(AST
M D882)。 島津製作所製:オートグラフAGS−500Sを使用す
る。 (2)衝撃試験 シートの耐衝撃性の評価として50%破壊エネルギーを
デュポン衝撃試験機を用いて求める(JIS K72l
l硬質プラスチックの落錘衝撃試験法則に準じ算出す
る)。室温20℃、撃芯半径4.7mm、鍾は50、1
00、200gを適時選択する。尚シートは四方を固定
した。 (3)腰・曲げ強度 成形品の剛性の評価として食品用容器を成形し、図1に
示す方法によりそれの腰強度と、図2に示す方法により
その曲げ強度を求める。腰強度が低いと容器にラップを
掛けるときに容器が変形してしまう問題があり、特に自
動ラッパーに掛ける場合は深刻である。また、曲げ強度
が弱いと、容器に内容物を詰め、積み上げようとすると
つぶれてしまったり、内容物が入った状態で容器を持っ
たときに変形してしまったり、容器にラップを掛けると
きに変形してしまったりする。これらの両強度は容器状
の成形品にとって重要な強度で高い方が好ましい。測定
装置としては、島津製作所製:オートグラフAGS−5
00Sを使用する。ただし、ヘッドスピードは50mm
/min.とした。
【0022】実施例1〜4 高速混合ミキサー(カワタ社製、スーパーミキサーSM
Cl00)を一部改造し、混合槽を250℃まで昇温可
能にした。ここへPCLのペレット、タルクを投人し混
合加熱する。約20分経過して回転電動機の負荷が急増
した時点で内容物を低回転の冷却タンクに放出し、回転
を継続して空気を吹き付け冷却固化し、粗粒状のブレン
ド体(タルク含有PCL)を得た。上記ブレンド体にP
HBのペレットを加えミキサーにて予備混合し、その混
合物を東芝機械製押出機SE−65(65φベントタイ
プ)にて混練し、Tダイより押出し、0.43mm厚の
シートを得た。この場合、タルクの含有率は30重量%
又は40重量%とし、混合ポリエステル樹脂中のPCL
とPHBの重量比は2:1又は3:2とした。また、こ
のシートを単発真空成形機により、縦18cm、横12
cm、深さ2.5cmの食品用容器に成形し、強度試験
とデュポン衝撃試験を行った。原料の配合割合ならびに
シート及び容器の物性等の測定結果を後記表1にまとめ
て示す。表1から明らかな様に、タルク含有率を30重
量%又は40重量%とし、混合ポリエステル中のPCL
とPHBの重量比を2:1あるいは3:2とした場合、
シートは引張弾性率が高いにもかかわらず、十分に高い
耐衝撃強度を示した。また、上記容器は比較例4のPH
Bを添加しないものに比べて高い剛性を示し、衝撃力に
対しても高い抵抗性を発揮した。更に、該容器は自動包
装機に適用可能であった。
【0023】比較例1〜2 PCL及びPHBを各々押出機にてシート化し、以下、
実施例1〜4と同様に物性を評価した。評価結果を表1
に示す。表1から解るようにPCL単体では耐衝撃性は
良好でも、剛性が劣り、PHB単体では剛性は良好であ
るが耐衝撃性が劣る。また、両者とも自動包装機には適
用不可であった。
【0024】比較例3〜5 PHBを使用せず、PCLとタルクのみの組成物につい
て実施例1〜4と同様な評価を行った。評価結果を表1
に示す。表1の比較例3から解るように実施例2と同様
な耐衝撃性を得るにはタルクを20重量%しか添加でき
ず、そのため高い弾性率が得られず、容器の剛性も低い
ものであった。また、比較例5から解るように実施例2
と同様な弾性率や容器の剛性を得るにはタルクを50重
量%添加する必要があるが、耐衝撃性に劣るものであっ
た。これらを自動包装機にかけたところ比較例3、4は
容器が柔軟すぎて適用できず、比較例5は容器の破損が
認められた。
【0025】比較列6〜l0 タルクの添加量を20重量%とし、PCLとPHBの添
加重量比を4:1、2:1、3:2とした場合、及びタ
ルクの添加量を30重量%又は40重量%とし、PCL
とPHBの添加比を4:1とした以外は、実施例1〜4
と同様な評価を行なった。評価結果を表1に示す。これ
らの配合では、引張弾性率と耐衝撃性のいずれかが低
く、両方とも満足のいく値を示すものではなかった。ま
た、これら容器の自動包装機での試験結果は両者とも容
器の破損、または変形が目立った。
【0026】比較例11 実施例3において、PHBの分子量を22万とした以外
は同様にして実験を行った。その結果を表3に示す。こ
の組成物は、実施例3よりも耐衝撃性に劣る。
【0027】
【表1】
【0028】実施例5 タルクを使用する代わりにコーンスターチ(CS)を用
いた以外は、実施例1〜4と同様な評価を行なった。評
価結果を表2に示す。タルクを使用した系と同様にPH
Bを用いることにより容器の剛性と耐衝撃性の向上の効
果が確認された。
【0029】比較例12 PHBを使用せず、PCLとCSのみの組成物について
実施例5と同様な評価を行った。評価結果を表2に示
す。この比較例11の組成物は、実施例5よりも耐衝撃
性、容器の剛性共に劣る。
【0030】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図l】容器の剛性の評価のための腰強度の試験方法を
示す概略図である。
【図2】容器の剛性の評価のための曲げ強度の測定方法
を示す概略図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が5万以上のポリカプロ
    ラクトン樹脂と重量平均分子量が40万以上のポリヒド
    ロキシ酪酸樹脂と充填剤とからなり、全組成物中の充填
    剤の含有率がポリカプロラクトン樹脂とポリヒドロキシ
    酪酸樹脂と充填剤との合計量に対し、25〜50重量%
    の範囲にあり、かつポリカプロラクトン樹脂とポリヒド
    ロキシ酪酸樹脂との合計量に対するポリヒドロキシ酪酸
    樹脂の割合が30〜45重量%の範囲にあることを特徴
    とする生分解性プラスチック組成物。
  2. 【請求項2】 充填剤が、タルク、シリカ、炭酸カルシ
    ウム及び澱粉の中から選ばれる少なくとも一種である請
    求項1の組成物。
  3. 【請求項3】 充填剤を含有するポリカプロラクトン樹
    脂からなる粉体又はペレットと、ポリヒドロキシ酪酸樹
    脂の粉体又はペレットとの混合物からなる請求項1又は
    2の組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの組成物を溶融
    成形してなる生分解性プラスチック成形品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかの組成物からな
    る生分解性プラスチック層を含む積層成形品。
JP23027594A 1994-08-31 1994-08-31 生分解性プラスチック組成物及びその成形品 Pending JPH0873721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23027594A JPH0873721A (ja) 1994-08-31 1994-08-31 生分解性プラスチック組成物及びその成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23027594A JPH0873721A (ja) 1994-08-31 1994-08-31 生分解性プラスチック組成物及びその成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0873721A true JPH0873721A (ja) 1996-03-19

Family

ID=16905252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23027594A Pending JPH0873721A (ja) 1994-08-31 1994-08-31 生分解性プラスチック組成物及びその成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0873721A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194195A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Toppan Printing Co Ltd 生分解性カード
JP2005060504A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Lonseal Corp 熱可塑性樹脂組成物及び床仕上げ材
JP2009527593A (ja) * 2006-02-24 2009-07-30 ぺー・アガー・ベー・インドウストリアル・エシ・アー 環境分解性ポリマーブレンド及び環境分解性ポリマーブレンドを得る方法
WO2011001763A1 (ja) * 2009-06-29 2011-01-06 パナソニック電工株式会社 熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物の製造方法、成形品、携帯電話機用卓上ホルダー、携帯電話機の内部シャーシ部品、電子機器用筐体及び電子機器用内部部品

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194195A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Toppan Printing Co Ltd 生分解性カード
JP2005060504A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Lonseal Corp 熱可塑性樹脂組成物及び床仕上げ材
JP4588303B2 (ja) * 2003-08-11 2010-12-01 ロンシール工業株式会社 熱可塑性樹脂組成物及び床仕上げ材
JP2009527593A (ja) * 2006-02-24 2009-07-30 ぺー・アガー・ベー・インドウストリアル・エシ・アー 環境分解性ポリマーブレンド及び環境分解性ポリマーブレンドを得る方法
WO2011001763A1 (ja) * 2009-06-29 2011-01-06 パナソニック電工株式会社 熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物の製造方法、成形品、携帯電話機用卓上ホルダー、携帯電話機の内部シャーシ部品、電子機器用筐体及び電子機器用内部部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10858511B2 (en) Process for producing a bioplastics product
EP1490435B1 (en) Lactic acid-based resin composition
EP1679347B1 (en) Resin composition, molding thereof and process for producing the same
US7354973B2 (en) Toughened poly(lactic acid) compositions
US7381772B2 (en) Toughened poly(lactic acid) compositions
Kim et al. Biodegradable nanocomposite of poly (ester-co-carbonate) and cellulose nanocrystals for tough tear-resistant disposable bags
KR101296448B1 (ko) 포장 이용분야를 위한 폴리락트산과 열가소성 중합체의 블렌드
CA1339026C (en) Degradable thermoplastics from lactides
US20120196950A1 (en) Biodegradable polymer composition with calcium carbonate and methods and products using same
JP5078399B2 (ja) 多層乳酸系軟質フィルム
EP1504059B1 (en) Polyester blend compositions and biodegradable films produced therefrom
JP2004143438A (ja) 複合生分解性成形品
JP2020511565A (ja) 高分解性フィルムのためのポリマー組成物
JPWO2006132187A1 (ja) 生分解性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法、同組成物を成形してなる成形体
EP2094779B1 (en) Biodegradable composition having high mechanical characteristics
JP4199572B2 (ja) 乳酸系樹脂組成物
JPH0873721A (ja) 生分解性プラスチック組成物及びその成形品
JP2005280361A (ja) 成形体の製造方法
JP3474218B2 (ja) 組成物および積層体
JP2007069965A (ja) ガスバリア性を有する生分解性樹脂容器
JP5230078B2 (ja) 樹脂組成物およびこれを用いたフィルム
JP3953773B2 (ja) 生分解性複合シート及びそれを用いた成形体
JP2000017130A (ja) 熱溶融性ポリビニルアルコール系樹脂組成物
JP4678651B2 (ja) 多層フィルム
JPH11181260A (ja) 生分解性熱可塑性樹脂組成物及びその成形物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040611