JPH087355B2 - 波長変換素子 - Google Patents

波長変換素子

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JPH087355B2
JPH087355B2 JP1326869A JP32686989A JPH087355B2 JP H087355 B2 JPH087355 B2 JP H087355B2 JP 1326869 A JP1326869 A JP 1326869A JP 32686989 A JP32686989 A JP 32686989A JP H087355 B2 JPH087355 B2 JP H087355B2
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良夫 岡田
喜央 井上
光三郎 矢野
照高 徳丸
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/37Non-linear optics for second-harmonic generation

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、非線形光学効果によって入射光(基本
波)の整数分の1の波長の光(高調波)を得る波長変換
素子に関する。
「従来の技術」 近年、小型かつ廉価な半導体レーザの普及に伴って、
CDプレーヤ、ビデオディスク装置、コンピュータの補助
装置としての光ディスク装置、レーザプリンタ等のレー
ザ応用装置が開発されてきている。
これらのレーザ応用装置において記録密度向上や動作
速度の高速化を図るためには、使用するレーザ光の波長
を短くすることが必要となる。しかし、半導体レーザの
発光波長を現状より短くすることは極めて困難な状況に
ある。
従来、非線形光学効果(物質と光の相互作用によっ
て、光の強度が増加するに従って、光の電場により物質
内で生じる分極が非線形に応答する現象)を利用して、
レーザ光の波長を整数分の1に変換する波長変換素子が
提案されている。
つまり、物質内で、非線形に応答した分極から光が再
放出するときに、その非線形性から、もともとの光(基
本波光)の高調波成分が放出される現象を利用したもの
である。
従来このような原理に基づく波長変換素子は変換効率
が低いため、十分な光強度が得られる気体レーザあるい
は固体レーザ等の大型レーザ用の波長変換素子として主
に実用化されてきた。
しかし、光強度の充分でない半導体レーザに適用する
ためには、高効率の波長変換素子が必要となる。
ところで、2次高調波を発生する波長変換素子より出
力される2次高調波の光強度は、次のような性質を有し
ている。
非線形光学結晶の非線形感受率の2乗に比例し、屈折
率の3乗に反比例する。
基本波光の振動数の2乗に比例する。
基本波光のパワー密度の2乗に比例する、つまり電場
強度の4乗に比例する。
位相整合長の2乗に比例する。方式によっては位相整
合長に比例する。
なお、3次以上の高調波を発生する波長変換素子より
出力される高調波の光強度も略同様の性質を有してい
る。
従来、高効率の波長変換素子として、位相整合長を大
きくした導波路構造の素子、ファブリペロー型等の共鳴
器構造によって電場強度を上げるようにした素子が提案
されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、導波路構造の素子によれば、位相整合長を大
きくするために導波路を長くする必要があり、素子が極
めて大きくなる。また、減衰を抑えるために導波路構造
の精度が厳しく要求されるので、製造が困難である。さ
らに、導波路に沿って出射点が広がるため、出射光のプ
ロフィールが悪いものとなる。したがって、実用化には
問題があった。
また、共鳴器構造を用いた素子によれば、共鳴条件を
満たすために、結晶加工精度、温度精度が厳しく要求さ
れるため、製造が困難であると共に、動作時の温度制御
が困難である。したがって、実用化には問題があった。
そこで、この発明では、上述欠点のない高効率の波長
変換素子を提供するものである。
[課題を解決するための手段] この発明は、入射光より伝搬定数の大きな光を射出す
る光学部品と、この光学部品から射出される光によって
金属表面プラズモンを励起する金属薄膜間に誘電体薄膜
が配されてなる多層膜と、この多層膜で励起される金属
表面プラズモンで発生する電場によって入射光の整数分
の1の波長の光を発生する非線形光学結晶とを備えるも
のである。
「作 用」 上述構成においては、多層膜に励起される金属表面プ
ラズモンのエレクトリックフィールドエンハンスメント
効果によって発生した極めて強い交番電場によって非線
形光学結晶より高調波が発生する。
この場合、金属表面プラズモンのエレクトリックフィ
ールドエンハンスメント効果によって電場強度を高めて
高調波の光強度を上げるようにしているので、従来の導
波路構造の素子、共鳴器構造を用いた素子に比べて、小
型、かつ構造的に簡単なものとなる。
また、金属表面プラズモンによって非線形光学結晶の
内部で発生するn次高調波(角振動数nω)は、非線形
光学結晶を通して側面に射出する。そのため、多層膜上
の金属表面プラズモンの伝搬定数をksp、非線形光学結
晶中を伝搬する高調波(角振動数nω)の伝搬定数をkn
ωとすると、位相整合条件としては、ksp<knω/nとな
る。したがって、伝搬定数kspは多層膜を構成する金属
薄膜、誘電体薄膜の膜厚等を調整することにより容易に
可変することができ、位相整合条件を満たすことが容易
となる。
[実 施 例] 以下、第1図を参照しながら、この発明に係る波長変
換素子の一実施例について説明する。
同図において、2は入射光より伝搬定数の大きな光を
射出する光学部品を構成するプリズムである。6は光学
研磨した非線形光学結晶である。プリズム2の底面2aと
非線形光学結晶6との間に金属薄膜3、誘電体薄膜4お
よび金属薄膜5が積層して配設される。
以上の構成において、基本光(基本波光)を構成する
P偏光レーザ光1を、プリズム2の底面2aに、プリズム
2と非線形光学結晶6の屈折率で決まる臨界角以上の入
射角で入射すると、プリズム2の下面の金属薄膜3、誘
電体薄膜4および金属薄膜5の各層にエバネッセント波
と呼ばれる光がしみだす。エバネッセント波は通常光線
より大きな伝搬定数を持っている光線であり、上述した
ようにプリズム2の底面2aでの全反射を用いる他に、回
折格子等、その他の光学部品を用いて発生させてもよ
い。
このように発生されるエバネッセント波によって、金
属薄膜5および非線形光学結晶6の界面に金属表面プラ
ズモン(金属表面プラズマ振動を量子化したもの)が励
起される。この場合、エバネッセント波の波数を、主と
して金属薄膜5の屈折率および膜厚と非線形光学結晶6
の屈折率とで決まる金属表面プラズモンの伝搬定数と一
致させ、金属表面プラズモンが強く励起するようにされ
る。
ここで、エバネッセント波の波数kは、光学部品とし
てプリズム2を用いた場合、次式に示すようになる。た
だし、cは真空中での光速度、ωは角振動数、nωは角
振動数ωのときのプリズム2の屈折率、ko(ω)は真空
中で角振動数ωのときの波数、θはレーザ光1のプリズ
ム2の底面2aに対する入射角である。
k=nωko ωsinθ =nω・ω/c・sinθ したがって、プリズム2の屈折率nωと、レーザ光1
の入射角θを調整することによりエバネッセント波の波
数と金属表面プラズモンの伝搬定数とを一致させること
ができる。
このように励起される金属表面プラズモンのエレクト
リックフィールドエンハンスメント効果により発生した
極めて強い交番電場が非線形光学結晶6および金属薄膜
5の界面近傍に印加される。エレクトリックフィールド
エンハンスメント効果とは、電場の強度が金属−誘電体
界面(本例では、金属薄膜5−非線形光学結晶6の界
面)で入射光の数十倍になる効果をいう。そして、この
交番電場によって非線形光学結晶6の界面近傍より高調
波8が発生する。特に、このフィールドエンハンスメン
ト効果により、第2高調波は非常に高高率で発生する。
このように発生した高調波8は、非線形光学結晶6の
伝搬条件に従って伝搬し、素子端面7から射出する。
次に、上述した金属表面プラズモンとフィールドエン
ハンスメント効果について詳細に説明する。
金属薄膜に電磁波を照射すると、振動数と伝搬定数が
等しいときには、金属中の伝導電子と正イオンとが電離
状態になったプラズマが励起される。このプラズマと呼
ばれる電離状態の系では、電荷分布の平衡が乱されると
電気的中性を維持しようとして、電子が集団で運動し振
動を起こす。これがプラズマ振動である。
このプラズマ振動(体積プラズマ振動という)の他に
表面プラズマ振動と呼ばれる縦波が存在する。この表面
プラズマ振動による電場は金属表面に平行な方向には周
期的な波動の形態をとり、金属表面に垂直な方向には指
数関数的に減少する消衰波の形態をとる。
金属表面プラズモンとは、励起された表面プラズマ振
動を構成する電子の集団運動を量子化したものである。
半無限領域を有する金属と誘電体とが接する平面上
を、角振動数ωで伝搬する金属表面プラズモンの伝搬定
数ksp(semi)は、金属の比誘電率をε、誘電体の比
誘電率をε、光の速度をcとすると、 となる。ここで、εは複素数であることから、伝搬定
数ksp(semi)もまた複素数となる。金属表面プラズモ
ンを強く励振するには、その金属表面プラズモン自体が
寿命の長い波動でなければならない。すなわち、伝搬定
数ksp(semi)の虚数項が小さく、伝搬に伴う減衰が小
さいことが必要である。ksp(semi)=ksp′+
ksp″、ε=ε′+ε″とおき、伝搬定数k
sp(semi)の虚数項を近似的に解くと、 したがって、金属表面プラズモンの励振強度を決めてい
る因子は、ε″/(ε′)であり、金属表面プラ
ズモンを励振する場合に選択する金属としては、|
ε″/(ε′)2|の値の小さい金属であることが望
まれる。
例えば、1.1ev(波長1.127μm)の光において、種々
の金属の|ε″/(ε′)の値を示すと下記の様
になる。
金属 |ε″/(ε′)2| この結果から、実施例における金属薄膜3、5は、例
えば|ε″/(ε′)2|<2×10-3となる金属を用
いて形成される。
また、金属表面プラズモンは、金属表面に垂直な方向
に消衰波であることから、非輻射性の電磁波である。し
たがって、通常その電磁波エネルギーは、電気の分野で
いうところの皮相電力に相当する形態をとっている。そ
のため、外部からの入射光で励振された金属表面プラズ
モンは、かなり強い電場強度で振動することができる。
特に、金属表面に垂直なベクトルをもつ電場の振幅強度
が強くなる。この現象がフィールドエンハンスメント効
果である。多層膜の構成を最適化することで、入射光の
数十倍の電場振幅強度を得ることが可能である。すなわ
ち、入射光強度を数百〜千倍程度に強くした場合と同様
の効果が得られる。
このフィールドエンハンスメント効果は、金属表面に
垂直な方向の電場において著しいことから、非線形分極
軸が金属表面に垂直な方向となるように、非線形光学結
晶6を加工することで、より大きな非線形効果を得るこ
とができる。
次に、非線形光学結晶6の位相整合条件について詳細
に説明する。
金属薄膜3、誘電体薄膜4および金属薄膜5が積層さ
れた3層膜上の金属表面プラズモンの伝搬条件およびフ
ィールドエンハンスメント効果は、一般に行列法として
知られている解析手法によって記載することができる。
ここで、プリズム2あるいは回折格子を構成する物質
の比誘電率をε、非線形光学結晶6の比誘電率を
ε、金属薄膜3の膜厚をdm1、比誘電率をεm1、誘電
体薄膜4の膜厚をdi、比誘電率をε、金属薄膜5の膜
厚をdm2、比誘電率をεm2とすると、金属表面プラズモ
ンの伝搬定数kspは、以下の式で与えられるフィールド
エンハンスメント強度fの極大値として得られる。ただ
し、比透磁率は1とする。
ここで、 ここで、αは、光が非線形光学結晶6の表面と平行な方
向に伝搬していると仮定した場合の屈折率に相当する量
で、等価屈折率と呼ぶ。
位相整合条件は、この等価屈折率αと非線形光学結晶
6中を伝搬する角振動数nωの光の屈折率nnωとの関係
によって表すことができる。
第2図に示すように、等価屈折率αが屈折率nnωより
小さい場合には、非線形光学結晶6の金属薄膜5との界
面近傍で発生した高調波が、ある角度θωの方向に射
出することができる。つまり、この条件で高調波が射出
しているときには、位相整合条件が成立している。
ここで、金属表面プラズモンの伝搬定数ksp=αko(ω
(ko(ωは角振動数ωの基本波の真空中の波数)で
あり、α=ksp/ko(ωとなる。また、非線形光学結晶
6を伝搬する角振動数nωのn次高調波の伝搬定数knω
=nnωko(nω(ko(nωは角振動数nωの高調波の真
空中の波数)であり、nnω=knω/ko(nω=knω/nk
o(nωとなる。つまり、位相整合条件は、次式のよう
にksp<knω/nとなる。
α<nnω ksp/ko(ω<knω/nko(ω ksp<knω/n なお、このとき、角振動数ωの基本波は全反射条件を
満足しているため、高調波の射出方向に基本波が射出す
ることはない。
第3図は、誘電体薄膜4の膜厚diを変えたときの等価
屈折率α(α=ksp/ko(ω)の変化を示したものであ
る。
この場合、レーザ光1として半導体レーザからのレー
ザ光(真空中の波長λが830nm)を用いると共に、非
線形光学結晶6にニオブ酸リチウムLiNbO3(ε=4.8
5)、金属薄膜3、5に銀Ag(dm1=dm2=35nm、εm1
εm2=−30.6+1.61)、誘電体薄膜4に窒化アルミニ
ウムAlN(ε=4.00)、プリズム2にガリウムリンGaP
(ε=10.0)を用いた場合のシミュレーション結果で
ある。
非線形光学結晶6の基本波の屈折率nωおよび2次高
調波の屈折率n2ωは、それぞれ図に矢印で示した値とな
るため、等価屈折率αがn2ω以下となる約120nm以上の
膜厚diであれば、2次高調波の位相整合が可能である。
なお、金属薄膜3、5の膜厚および誘電率、誘電体薄膜
4の誘電率、非線形光学結晶6の種類および誘電率、レ
ーザ光1の波長等によって等価屈折率αが変わり、これ
によって位相整合条件が変わってくる。3次以上の高調
波の位相整合条件に関しても同様に考えることができ
る。
第4図は、金属薄膜3,5の膜厚dm1,dm2を変えたときの
等価屈折率α(α=ksp/ko(ω)の変化を示したもの
である。
この場合、レーザ光1として半導体レーザからのレー
ザ光(真空中の波長λが830nm)を用いると共に、非
線形光学結晶6にニオブ酸リチウムLiNbO3(ε=4.8
5)、金属薄膜3、5に銀Ag(εm1=εm2=−30.6+1.6
1)、誘電体薄膜4に窒化アルミニウムAlN(ε=4.
00)、プリズム2にガリウムリンGaP(ε=10.0)を
用いた場合のシミュレーション結果である。
非線形光学結晶6の基本波の屈折率nωおよび2次高
調波の屈折率n2ωは、それぞれ図に矢印で示した値とな
るため、等価屈折率αがn2ω以下となる膜厚dm1、d
m2(誘電体薄膜4の膜厚diで変化)であれば、2次高調
波の位相整合が可能である。なお、金属薄膜3、5の誘
電率、誘電体薄膜4の誘電率、非線形光学結晶6の種類
および誘電率、レーザ光1の波長等によって等価屈折率
αが変わり、これによって位相整合条件が変わってく
る。3次以上の高調波の位相整合条件に関しても同様に
考えることができる。
第5図は、等価屈折率αを変えたときのフィールドエ
ンハンスメント強度の変化を示したものである。フィー
ルドエンハンスメント強度は、金属表面プラズモンによ
る非線形光学結晶6の表面に垂直な方向の電場強度|E
sp|とレーザ光12の伝場強度|EIN|との比でもって表して
いる。
この場合、レーザ光1としてNd;YAGレーザからのレー
ザ光(真空中の波長λが1064nm)を用いると共に、非
線形光学結晶6にニオブ酸リチウムLiNbO3(ε=4.8
1)、金属薄膜3、5に銀Ag(dm1=dm2=30nm、εm1
εm2=−51.9+3.36)、誘電体薄膜4に窒化アルミニ
ウムAlN(di=160nm、ε=4.00)、プリズム2にガリ
ウムリンGaP(ε=9.64)を用いた場合のシミュレー
ション結果である。
非線形光学結晶6の2次高調波の屈折率n2ωは図に矢
印で示した値となるため、等価屈折率αがn2ω以下で2
次高調波の位相整合条件を満たす領域にフィールドエン
ハンスメント強度の極大値が存在していることが解る。
第6図は、上述したようにシミュレーションした構造
を実際に作成して、2次高調波(波長=532nm)の光強
度の測定を行なったものである。シミュレーションでフ
ィールドエンハンスメント効果がみられる位置で、2次
高調波の発光が確認された。
同図から2次高調波の発光が伝搬定数kspに対してか
なりの幅をもっていることが解る。したがって、実施例
の波長変換素子は、光学系の位置精度に対してかなりの
許容度を有していることが解る。この構成での半値幅
は、プリズム2へのレーザ光1の入射角度に換算して±
1゜である。
第7図は、レーザ光1として半導体レーザからのレー
ザ光(真空中の波長λが830nm)を用いたときのフィ
ールドエンハンスメント強度の変化を示したものであ
る。
これは、非線形光学結晶6にニオブ酸リチウムLiNbO3
(ε=4.85)、金属薄膜3、5に銀Ag(dm1=dm2=35
nm、εm1=εm2=−30.6+1.61)、誘電体薄膜4に窒
化アルミニウムAlN(di=120nm、ε=4.00)、プリズ
ム2にガリウムリンGaP(ε=9.64)を用いた場合の
シミュレーション結果である。
非線形光学結晶6の2次高調波の屈折率n2ωは図に矢
印で示した値となるため、この場合も、等価屈折率αが
n2ω以下で2次高調波の位相整合条件を満たす領域にフ
ィールドエンハンスメント強度の極大値が存在している
ことが解る。
このシミュレーションと同等の条件で素子を作成して
確認を行なったところ、2次高調波(波長=415nm)の
発光が確認された。
なお、非線形光学結晶6、プリズム2、金属薄膜3、
5、誘電体薄膜4の材料は、上述したものに限定される
ものではない。
また、実施例におけるプリズム2は入射光より伝搬定
数の大きな光を射出する手段であり、上述したように回
折格子等その他の光学部品を用いて構成してもよい。
また、実施例では、金属薄膜3、5の間に誘電体薄膜
4を配した3層構造のものを示したが、金属薄膜および
誘電体薄膜の数を増加した、例えば5層構造、7層構造
等にしてもよい。
さらに、上述せずもプリズム2に入射されるレーザ光
1をレンズ等を用いて絞り込むことにより、さらに大き
な電場強度を得ることができ、より高効率のものを得る
ことができる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、金属薄膜5
と非線形光学結晶6の界面に発生する金属表面プラズモ
ンのフィールドエンハンスメント効果によって電場強度
を高めて発生する高調波の光強度を上げるようにしてい
るので、従来の導波路構造の素子、共鳴器構造を用いる
高効率の素子に比べて、小型、かつ構造的に簡単なもの
を得ることができる。したがって、光強度の小さい半導
体レーザ用に適用して好適なものとなる。勿論、固体レ
ーザ用、ガスレーザ用等にも良好に使用できる。
また、多層膜上の金属表面プラズモンの伝搬定数をk
sp、非線形光学結晶中を伝搬するn次高調波(角振動数
nω)の伝搬定数をknωとすると、位相整合条件はksp
<knω/nである。したがって、入射光の入射角度、多層
膜を構成する金属薄膜、誘電体薄膜の膜厚等を調整する
ことにより伝搬定数kspを可変できるため位相整合条件
を容易に満たすことができると共に、膜厚、入射角度
等、素子形状精度、光学位置精度の許容範囲が広いため
素子の製造を容易に行なうことができる。
また、位相整合条件を満たしているとき、基本波は全
反射条件にあるので、高調波の射出方向に基本波が射出
することはなく、基本波を高調波との分離をきわめて良
好に行なうことができる。
さらに、位相整合条件を容易に満たすことができ、バ
ルク単結晶で従来位相整合条件の取れなかったものを非
線形光学結晶として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る波長変換素子の一実施例を示す
構成図、第2図は位相整合条件の説明図、第3図は誘電
体薄膜の膜厚を変えた場合の等価屈折率の変化を示す
図、第4図は金属薄膜の膜厚を変えた場合の等価屈折率
の変化を示す図、第5図は等価屈折率を変えた場合のフ
ィールドエンハンスメント強度の変化を示す図、第6図
は等価屈折率を変えた場合の2次高調波の強度変化を示
す図、第7図は等価屈折率を変えた場合のフィールドエ
ンハンスメント強度の変化を示す図である。 1……P偏光レーザ光 2……プリズム 3,5……金属薄膜 4……誘電体薄膜 6……非線形光学結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 光三郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 徳丸 照高 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−96121(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射光より伝搬定数の大きな光を射出する
    光学部品と、 上記光学部品から射出される光によって金属表面プラズ
    モンを励起する金属薄膜間に誘電体薄膜が配されてなる
    多層膜と、 上記多層膜で励起される金属表面プラズモンで発生する
    電場によって上記入射光の整数分の1の波長の光を発生
    する非線形光学結晶とを備えることを特徴とする波長変
    換素子。
JP1326869A 1989-12-15 1989-12-15 波長変換素子 Expired - Lifetime JPH087355B2 (ja)

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JP1326869A JPH087355B2 (ja) 1989-12-15 1989-12-15 波長変換素子
DE69011834T DE69011834T2 (de) 1989-12-15 1990-12-07 Vorrichtung zur Erzeugung optischer Oberwellen und dieselbe benutzende Vorrichtung.
EP90123587A EP0436144B1 (en) 1989-12-15 1990-12-07 Optical harmonic generator and a device using the same
US07/625,355 US5073725A (en) 1989-12-15 1990-12-11 Optical harmonic generator

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