JPH0872195A

JPH0872195A - 積層体

Info

Publication number: JPH0872195A
Application number: JP21563894A
Authority: JP
Inventors: Tadashi Fujimoto; 正藤本; Tomohiro Takaoka; 智浩高岡
Original assignee: Tokuyama Corp
Current assignee: Tokuyama Corp
Priority date: 1994-09-09
Filing date: 1994-09-09
Publication date: 1996-03-19

Abstract

(57)【要約】【目的】内装および外装の仕上げ材として好適であり、
左官仕上げの意匠を有しながら実用上十分な耐クラッキ
ング性、耐剥離性を有する積層体を得る。【構成】水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウ
ム、例えば、漆喰と水との混合物の固化体が繊維シート
とその厚み全体にわたって一体化された化粧層と、基材
とが積層されてなる積層体。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、壁面、柱面、天井面等
を構成すると同時に意匠を付与せしめるに好適な積層体
に関し、詳しくは左官仕上げの意匠を持つ化粧層と基材
とが積層されてなる積層体に関する。

【０００２】

【従来の技術】珪酸カルシウムボード、石膏ボード、鋼
板パネル、発泡セメント板等よりなる壁面、柱面、天井
面等の仕上げ方法として、湿式仕上げ材による左官仕上
げが広く行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】湿式仕上げ材として
は、漆喰、聚楽、セメント等が使用されるが、乾燥時に
収縮クラックが発生しやすく、施工時に養生を必要とす
るため工期が長く、また左官による仕上がりの個人差が
出やすい等の問題があった。さらに近年は優秀な左官の
不足が深刻化しており、左官仕上げの意匠を持つ乾式建
材の出現が待望されていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、繊維シートに水
硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウムと水との混
合物を含浸させ、これを基材に密着させた状態で養生固
化させることにより、左官仕上げの意匠を持つ化粧層と
基材とが積層されてなる積層体が得られることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。

【０００５】即ち、本発明は、水硬性硫酸カルシウムま
たは水酸化カルシウムと水との混合物の固化体が繊維シ
ートとその厚み全体にわたって一体化された化粧層と、
基材とが積層されてなる積層体である。

【０００６】本発明において、水硬性硫酸カルシウムま
たは水酸化カルシウムとしては、気硬性または水硬性を
有するものが何等制限なく使用できる。これらを主成分
とする半水石膏、無水石膏、漆喰等を使用することもで
きる。

【０００７】本発明において使用される繊維シートとし
ては、各種の公知の繊維で形成されたシートであれば何
等制限なく用いることができる。繊維としては、公知の
ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ
エステル繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、カーボン
繊維、金属繊維等を使用できる。本発明における繊維シ
ートは織布、不織布、編み物等であってよいが、不織布
の形態であるものが安価であり、また、上記した水硬性
硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウムと水との混合物
の固化体との付着性に優れる点でより好適に用いられ
る。また、不織布の中には伸びやすいために所定の形状
が保てないものがあるが、このような不織布を網状の繊
維で補強したものは形状安定性に優れ、生産性の向上に
さらに効果的である。

【０００８】これらの繊維シートの厚みは特に制限され
ないが、０．１ｍｍ〜５．０ｍｍ、特に０．５ｍｍ〜
４．０ｍｍであることが好ましい。また、繊維シートの
坪量は、得られる化粧層の耐クラッキング性を実用上十
分なものとし、且つ上記した水硬性硫酸カルシウムまた
は水酸化カルシウムと水との混合物の含浸性を良好とす
るためには、３０〜５００ｇ／ｍ²のものが好ましく、
さらに、８０〜２００ｇ／ｍ²のものがより好適であ
る。

【０００９】本発明において、化粧層は、上記の水硬性
硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウムと水との混合物
の固化体が上記の繊維シートとその厚み全体にわたって
一体化されたものである。水硬性硫酸カルシウムまたは
水酸化カルシウムと水との混合物の固化体と繊維シート
との一体化は、該繊維シートの厚み全体にわたっていな
ければならない。即ち、繊維シートの基材との積層面
が、水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウムと水
との混合物の固化体で一体化されていないときは、基材
との接着強度が不足するために好ましくない。また、繊
維シートの基材との積層面の反対面が一体化されていな
いときは、意匠上の欠陥となり好ましくない。さらに、
繊維シートの両面が一体化されているが中心部分が一体
化されていないときは、化粧層の強度不足のために好ま
しくない。

【００１０】本発明の積層体の化粧層は、上記したよう
に、水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウムと水
との混合物が繊維シートの厚み全体に含浸された状態で
固化しておればよい。したがって、本発明の積層体の化
粧層の表面および／または裏面において上記の固化体の
層が繊維シートの表面を覆っていてもよい。

【００１１】本発明においては、上記の化粧層と基材が
積層されている。水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カ
ルシウムと水との混合物は繊維シートの厚み全体に含浸
されているため、繊維シートの基材との積層面には水硬
性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウムと水との混合
物が存在する。したがって、繊維シートと基材との界面
に存在する水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウ
ムと水との混合物の固化によって、これらがその界面に
おいて強固に接着している。

【００１２】本発明において使用される基材としては、
左官仕上げが可能な板状体であれば何等制限無く採用す
ることができる。例えば、珪酸カルシウムボード、石綿
セメント珪酸カルシウムボード、石膏ボード、鋼板パネ
ル、木質合板、木毛セメント板、中空セメント板、発泡
セメント板、セメントブロック、コンクリート、モルタ
ル等が挙げられる。

【００１３】本発明においては、積層体の用途に求めら
れる物性および製造時の操作性に応じて、水硬性硫酸カ
ルシウムまたは水酸化カルシウムと水との混合物に各種
の添加剤を添加することができる。このような添加剤と
しては、例えば、水性エマルジョン、繊維状物、無機細
骨材、微粒子、顔料、減水剤、消泡剤等を例示すること
ができる。

【００１４】水性エマルジョンとしては、水媒体中にモ
ノマー、オリゴマーこれらの重合体等が分散したエマル
ジョンを何等制限なく用い得る。このような水性エマル
ジョンを具体的に例示すると、アクリル樹脂系、酢酸ビ
ニル系、スチレン／ブタジエンゴム系等の合成高分子系
エマルジョンを挙げることができる。水性エマルジョン
の添加により、得られる積層体の化粧層の靱性が向上
し、基材として可撓性を有する石綿セメント珪酸カルシ
ウムボード、鋼板パネル等を選択すれば、該基材の特質
を活かしたフレキシブルな積層体が得られる。

【００１５】繊維状物としては、例えば、ガラス繊維、
ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊
維、アクリル繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、金属
繊維等が挙げられる。前記したように本発明の積層体の
化粧層の表面および／または裏面において上記の固化体
の層が繊維シートの表面を覆っている場合には、化粧層
の切断加工性や靱性を向上させるために繊維状物が混合
されていることが効果的であり、特にビニロン繊維が好
適である。

【００１６】無機細骨材としては、例えば、平均粒子径
が０．１〜５．０ｍｍである珪砂、寒水砂等の天然粒
子；施釉珪砂、施釉マイカ等の加工粒子；セラミックサ
ンド、ガラスビーズ等の人工粒子等を挙げることができ
る。

【００１７】上記した無機細骨材の添加方法としては、
水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウムと水との
混合物に無機細骨材を混入する方法のほか、該混合物を
該繊維シートに含浸した後、その表面に無機細骨材を均
一に塗布する方法が用いられる。これにより、本発明の
積層体の表面に形成される化粧層の表面に凹凸を形成さ
せることができ、得られるシートの表面の意匠性を向上
させることができる。

【００１８】微粒子としては、例えば、平均粒子径が
０．１〜５０μｍの高炉水砕スラグ、フライアッシュ、
シリカフューム等が挙げられる。

【００１９】顔料としては、例えば、平均粒子径が１〜
５０μｍの酸化鉄、酸化チタン、酸化クロム等の金属酸
化物が挙げられる。

【００２０】減水剤としては、例えば、メラミンスルホ
ン酸ホルムアルデヒド縮合物、ナフタリンスルホン酸ホ
ルムアルデヒド縮合物、高分子量リグニンスルホン酸、
ポリカルボン酸塩を主成分とするものが挙げられる。こ
れらの内、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物
が、混合時の空気の連行性が少なく好ましい。

【００２１】消泡剤としては、例えば、プルロニック
系、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が
挙げられる。

【００２２】その他、例えば、パラフィン、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の有機質混
和材；ジメチルポリシロキサンおよびそのメチル基の一
部を水素原子、フェニル基、アルキル基、メルカプト
基、ビニル基、シアノアルキル基、フルオロアルキル基
等で置換したポリシロキサンを主成分としたシリコーン
オイルまたはシリコーン樹脂；メチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、ブチルトリメトキシ
シラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメ
トキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ジヘキシ
ルジメトキシシラン、ジヘプチルジメトキシシラン、ト
リヘキシルメトキシシラン等のオルガノアルコキシシラ
ン等を挙げることが出来る。

【００２３】上記した各種の添加剤の配合量は特に制限
されないが、一般には次のような範囲で使用することが
好ましい。

【００２４】水性エマルジョンの配合比率は特に制限さ
れるものではないが、水硬性硫酸カルシウムまたは水酸
化カルシウム１００重量部に対して、水性エマルジョン
を固形分換算で３〜３０重量部、好ましくは７〜２５重
量部とすることが、得られる積層体の靱性を高めること
ができるために好ましい。

【００２５】繊維状物の添加量は、水硬性硫酸カルシウ
ムまたは水酸化カルシウム１００重量部に対して０．５
〜５．０重量部とするのが好ましい。繊維状物の長さや
直径は特に制限されるものではないが、長さが３〜６ｍ
ｍ、直径が５〜３０μｍであることが得られる化粧層の
切断加工性や靱性を優れたものとするために好適であ
る。

【００２６】無機細骨材の添加量は、水硬性硫酸カルシ
ウムまたは水酸化カルシウム１００重量部に対して１０
〜１００重量部とするのが好ましい。

【００２７】微粒子の添加量は、水硬性硫酸カルシウム
または水酸化カルシウム１００重量部に対して０．５〜
５．０重量部とするのが好ましい。

【００２８】顔料は水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化
カルシウム１００重量部に対して１０重量部以下であれ
ば特に問題なく使用できる。

【００２９】減水剤の添加量は、使用する減水剤の性能
により異なるが、例えば、比較的高性能とされるメラミ
ンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の場合、水硬性硫
酸カルシウムまたは水酸化カルシウム１００重量部に対
して０．１〜１．０重量部、さらに０．３〜０．６重量
部とするのが好ましい。

【００３０】消泡剤の添加量は、水硬性硫酸カルシウム
または水酸化カルシウム１００重量部に対して０．０１
〜５．０重量部、さらに０．１〜２．０重量部とするこ
とが好ましい。

【００３１】また、有機質混和剤、シリコーンオイル、
シリコーン樹脂およびオルガノアルコキシシランは、得
られる積層体の化粧層の防水性、耐凍結融解性、耐薬品
性、耐候性を向上させるのに効果的であり、通常、水硬
性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウム１００重量部
に対して０．１〜５重量部とするのが好ましい。

【００３２】本発明の積層体には、さらに意匠性を高め
るため或いはその他の機能を付与するために、各種の顔
料や塗料によって塗装することができ、また、機械的に
表面に凹凸を形成させることもできる。また、表面をフ
ッ素樹脂塗料、アクリルシリコーン樹脂塗料、アクリル
樹脂塗料、前記シリコーンオイル、シリコーン樹脂また
はアルコキシシラン等で塗装することは積層体の化粧層
の耐候性や耐汚染性をさらに高めることができるために
好ましい。さらに、製造時の成形プレス、コテ、ローラ
ー、ブラシ等による模様付けは、何れも水硬性硫酸カル
シウムまたは水酸化カルシウムと水との混合物が固化す
るまでは可能である。

【００３３】本発明の積層体は次の方法によって好適に
製造できる。まず、水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化
カルシウムと水との混合物を繊維シートの厚み全体に含
浸させた後、基材の表面に貼り付けて加圧密着せしめ、
水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウムの硬化反
応に応じた養生条件下で養生固化させる方法である。

【００３４】水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシ
ウムと水との混合割合は特に制限されないが、混合物の
粘度が１００〜１００００センチポイズとなるように適
宜水分量を調節することによって、繊維シートへの含浸
を良好に行うことができる。このような粘度とするため
には、一般に水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシ
ウム１００重量部に対して水を３０〜１２０重量部の範
囲で混合すればよい。

【００３５】水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシ
ウムと水との混合物の含浸方法としては、従来の方法、
例えば、ロールコーター、フローコーター、ナイフコー
ター、スプレー、ディッピング等が特に制限なく使用で
きる。さらに、必要に応じて加圧することもできる。

【００３６】水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシ
ウムと水との混合物が含浸された繊維シートを基材に加
圧密着する方法としては、従来の方法、例えば、ローラ
ー転圧、１軸プレス等の方法を特に制限なく採用でき
る。また、吸水性を有する基材に対しては、加圧密着さ
せる前に基材の表面にスプレーやローラーにより加水す
ることが、得られる積層体の化粧層と基材の密着性を高
める上で好ましい。さらに、加水の際に固形分が５〜２
０重量％の水性エマルジョン水溶液を使用することは、
得られる積層体の化粧層と基材の密着性をいっそう高め
る上で好ましい。

【００３７】養生方法としては、水硬性無機粉体を使用
した場合には気中養生、蒸気養生、水中養生などの方法
を、また、気硬性無機粉体を使用した場合には気中養
生、炭酸ガス中での養生等の方法を各々特に制限なく採
用できる。

【００３８】

【発明の効果】本発明の積層体は、水硬性硫酸カルシウ
ムまたは水酸化カルシウムと水との混合物の固化体が繊
維シートの厚み全体にわたって一体化した化粧層と基材
とが積層された構造であり、左官仕上げの意匠を有しな
がら実用上十分な耐クラッキング性、耐剥離性を有して
いる。従って、本発明の積層体は内装および外装の仕上
げ材として好適であり、左官仕上げの乾式化という要求
に応える材料である。

【００３９】

【実施例】以下に、本発明をさらに具体的に説明するた
めに、実施例および比較例を示すが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。なお、実施例および
比較例における各試験方法および材料を下記に示した。

【００４０】（１）基材の収縮に対する追従性試験試験体を６０℃の乾燥器中で４８時間乾燥させ、基材の
収縮率の測定及び化粧層の割れの観察を行った。クラッ
クの無い物を○、クラックの発生した物についてはクラ
ックスケールにより割れ幅を測定した。

【００４１】（２）曲げ加工試験基材として２００×２００×１ｍｍのＳＵＳ３０３を使
用し、実施例及び比較例の方法で化粧層を密着して曲げ
加工試験の試験体とした。得られた試験体の化粧層を外
面とし、半径２０ｍｍおよび半径２００ｍｍに曲げ加工
して化粧層の割れを観察した。クラックの無い物を○、
クラックの発生した物についてはクラックスケールによ
り割れの幅を測定した。

【００４２】（３）曲げ破壊試験気乾状態の積層体の化粧層を下面として３点曲げ法によ
りスパン１００ｍｍ、荷重速度０．５ｍｍ／分として曲
げ強度を測定した。

【００４３】（４）剥離試験５０×５０ｍｍの積層体の基材面を鋼製固定板に接着
し、建研式接着力試験機により化粧層面を引っ張って剥
離強度を測定した。

【００４４】（５）外観試験気乾状態の積層体の化粧層の表面を観察し、クラックの
無い物を○、クラックの発生した物を×とした。

【００４５】（Ａ）基材・珪酸カルシウム板２００×２００×１０ｍｍ・石膏板２００×２００×１０ｍｍ・モルタル板普通セメント１００重量部に対して６号
珪砂１００重量部、パーライト２７重量部、水７５重量
部を加えて混合した後、直径２００ｍｍφ、厚み１５ｍ
ｍの金型に流し込み、乾燥しないように密閉して２０℃
で７日間養生して得た成形体を基材とした。・鋼板（ＳＵＳ３０４）２００×２００×１ｍｍ（Ｂ）無機粉体・消石灰Ａ：ＪＩＳＲ９００１−８１規格品（平均粒
子径３μｍ）・消石灰Ｂ：田中石灰工業（株）「雪印左官用」（商品
名、平均粒子径７μｍ）・半水硫酸カルシウム：平均粒子径１０μｍ（Ｃ）水性エマルジョン・モビニール：ヘキスト合成株式会社製「モビニール
７５２」（商品名）（アクリルスチレン共重合体、固形
分４７ｗ／ｗ％）・キープジョン：株式会社トクヤマ製「キープジョン−
Ｋ１００」（商品名）（酢酸ビニル系、固形分４５ｗ／ｗ％）（Ｄ）繊維シート・ＶＭ１００：株式会社クラレ製「ＶＭ１００」（商品
名）（ビニロン製、厚さ２ｍｍ）・ＶＭ２００：株式会社クラレ製「ＶＭ２００」（商品
名）（ビニロン製、厚さ４ｍｍ）・ＡＲＧペーパー：日本電気硝子株式会社製「ＡＲＧペ
ーパー」（商品名）（耐アルカリガラス製、厚さ１ｍｍ）（Ｅ）短繊維・ビニロン短繊維：株式会社クラレ製「ＲＢＷ２０３×
６」（商品名）（１５μｍφ×６ｍｍ）実施例１〜６表１に示す種類、配合比率の無機粉体、水性エマルジョ
ン、及び水を混合した後、該混合物を表１に示す繊維シ
ート（２００×２００ｍｍ）全体に含浸させ、含浸繊維
シートを得た。また、表１に示す基材の一面にスプレー
法により固形分が１０ｗ／ｗ％のモビニール水溶液を１
００ｇ／ｍ²塗布した後、含浸繊維シートを張り付け、
１軸プレス法により１０ｋｇｆ／ｃｍ²の圧力で加圧密
着せしめ、除圧した後、養生方法として６０℃の乾燥器
中で３０分間乾燥して積層体を得た。得られた積層体の
試験結果を表１に併せて示した。

【００４６】実施例７養生方法として６０℃の乾燥器中で３０分間乾燥させる
代わりに、２５℃の空気中で７日間放置すること以外は
実施例１〜６と同様にして積層体を得た。得られた積層
体の試験結果を表１に併せて示した。

【００４７】実施例８〜１０表２に示す種類、配合比率の無機粉体、水性エマルジョ
ン、及び水を混合した後、該混合物を表２に示す繊維シ
ート（２００×２００ｍｍ）全体に含浸させ、含浸繊維
シートを得た。得られた含浸繊維シートを鋼板基材に張
り付け、ローラー加圧することにより加圧密着せしめ、
６０℃の乾燥器中で３０分間乾燥して積層体を得た。得
られた積層体の試験結果を表２に併せて示した。

【００４８】比較例１、２表１および表２に示す種類、配合比率の無機粉体、水性
エマルジョン及び水の混合物（比較例２はビニロン短繊
維１重量部を配合）をモルタル基材に左官コテにより塗
り付け、６０℃の乾燥器中で３０分間乾燥して積層体を
得た。得られた積層体の試験結果を表１に併せて示し
た。

【００４９】

【表１】

【００５０】

【表２】

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【手続補正書】

【提出日】平成６年１２月１３日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１７

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１７】上記した無機細骨材の添加方法としては、
水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシウムと水との
混合物に無機細骨材を混入する方法のほか、該混合物を
該繊維シートに含浸した後、その表面に無機細骨材を均
一に塗布する方法が用いられる。これにより、本発明の
積層体の表面に形成される化粧層の表面に凹凸を形成さ
せることができ、得られる積層体の表面の意匠性を向上
させることができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水硬性硫酸カルシウムまたは水酸化カルシ
ウムと水との混合物の固化体が繊維シートとその厚み全
体にわたって一体化された化粧層と、基材とが積層され
てなる積層体。