JPH0871886A - 切屑吸引装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カバーを小型化することができる切屑吸引装
置を提供する。 【構成】 直接または保持部材１４を介して間接的に機
械本体に取り付けられるシャンク部１５と機械本体から
延出するとともに先端に切刃部１６が設けられてなる延
出部１７とが一体に設けられたカッター本体１３に支持
されるとともに、カッター本体１３の周りを囲むように
延出しその先端部がカッター本体１３の軸線方向に沿っ
て移動するよう伸縮自在とされ、さらに内外を連通させ
る吸引口３４が設けられた筒状のカバー２４と、吸引口
３４に連結され、カバー２４内から空気を吸引する吸引
手段２５とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、切屑の飛散を防止しつ
つこれを吸引除去する切屑吸引装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、切削機械は、機械本体と、この
機械本体に取り付けられて回転駆動されるとともに突出
する延出部に切刃部が設けられてなるカッターとを有す
る構成とされており、その中には、切屑の飛散を防止し
つつこれを吸引除去する切屑吸引装置が付設されたもの
がある。切屑吸引装置は、機械本体に支持されるととも
に、カッターの延出部の周りを囲むように延出し、先端
部がカッターの軸線方向に沿って移動するよう伸縮自在
とされ、さらに内外を連通させる吸引口が設けられた筒
状のカバーと、吸引口に連結され、カバー内から空気を
吸引する吸引手段とを有する構成となっており、切刃部
による切削で生じる切屑の飛散をカバーで防止しつつ、
カバー内の切屑を吸引手段により吸引される空気ととも
に外部に排出させるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記切屑吸引装置にお
いては、機械本体にカバーが支持されているため、必然
的にカバーが大きくなってしまうという問題があった。
したがって、本発明の目的は、カバーを小型化すること
ができる切屑吸引装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の切屑吸引装置は、直接または保持部材を介
して間接的に機械本体に取り付けられるシャンク部と機
械本体から延出するとともに先端に切刃部が設けられて
なる延出部とが一体に設けられたカッター本体に支持さ
れるとともに、該カッター本体の前記延出部の周りを囲
むように延出しその先端部が該カッター本体の軸線方向
に沿って移動するよう伸縮自在とされ、さらに内外を連
通させる吸引口が設けられた筒状のカバーと、前記吸引
口に連結され、前記カバー内から空気を吸引する吸引手
段と、を有することを特徴としている。

【０００５】

【作用】本発明の切屑吸引装置によれば、カバーがカッ
ター本体に支持されるものであるため、機械本体に支持
されるものより小型にできる。

【０００６】

【実施例】本発明の第１実施例の切屑吸引装置を図１を
参照して説明する。図１中、符号１１はカッター、符号
１２はカッター１１に取り付けられた第１実施例の切屑
吸引装置をそれぞれ示している。第１実施例において、
カッター１１は、カッター本体１３とこれを着脱自在に
保持する保持部材１４とを具備しており、カッター本体
１３は、保持部材１４に保持されるストレートのシャン
ク部１５と、先端部に切刃部１６が形成された頭部（延
出部）１７とからなっている。

【０００７】保持部材１４は、図示せぬ切削機械本体の
回転するヘッドに着脱自在に保持されるテーパ状のシャ
ンク部１９と、このシャンク部１９の大径側に設けられ
たフランジ部２０と、このフランジ部２０のシャンク部
１９に対し反対側に設けられた円筒状の保持部２１とを
有するもので、その内部に設けられたコレット２２を用
いてシャンク部１９を保持する、いわゆるコレットチャ
ック式のものである。

【０００８】切屑吸引装置１２は、カッター本体１３の
シャンク部１５に一端側において支持される筒状のカバ
ー２４と、カバー２４内から空気を吸引する吸引手段２
５とを有している。カバー２４は、カッター本体１３の
シャンク部１５を内周部に嵌合させるとともにネジ部材
２６で該カッター本体１３に固定される略円筒状の取付
部材２７と、この取付部材２７を内周側に嵌合させるベ
アリング２８と、このベアリング２８を内周側に嵌合さ
せる略円筒状の円筒部材２９とを有しており、また、カ
ッター本体１３の頭部１７の周りを囲むように延出し
て、円筒部材２９に取り付けられる略円筒状の基部材３
０と、この基部材３０の円筒部材２９に対し反対側に取
り付けられた円筒状の摺動部材３１とを有している。な
お、取付部材２７および円筒部材２９には、ベアリング
２８の抜止めを行う抜止部材３２，３３がそれぞれ固定
されている。

【０００９】基部材３０は、鋼材等からなるもので、一
端側が、円筒部材２９、取付部材２７およびカッター本
体１３のシャンク部１５で閉塞された状態で円筒部材２
９に取り付けられており、中間部分には、内外を連通さ
せる吸引口３４が半径方向に沿って設けられている。基
部材３０の外周部は、吸引口３４を含む円筒部材２９側
の範囲が大径とされ反対側が小径とされることで中央に
段部３５が形成されている。

【００１０】そして、基部材３０の吸引口３４に、連結
管３６が取り付けられており、この連結管３６には、空
気を吸引する負圧発生源等の吸引手段２５が連結されて
いる。そして、この吸引手段２５の吸引作動で、吸引口
３４から基部材３０すなわちカバー２４内の空気が吸引
され、連結管３６を介して外部へ吐出されることにな
る。

【００１１】摺動部材３１は、カッター本体１３と同軸
をなすもので、鋼材等からなるとともに基部材３０の小
径側の内周部に軸線方向に沿って摺動自在となるよう嵌
合される部材本体３８と、その先端にカッター本体１３
と垂直をなしてフランジ状をなすよう固定された鋼材等
からなるフランジ部材３９と、フランジ部３９と基部材
３０の段部３５との間に設けられこれらを相互に離間す
る方向に付勢するスプリング４０とを有している。ここ
で、部材本体３８には、軸線方向に沿う溝部４１が外周
面に形成されており、基部材３０から螺合されたピン４
２が溝部４１に突出することにより、該ピン４２が溝部
４１を案内されることで、摺動部材３１の基部材３０に
対する摺動範囲が決められている。この摺動部材３１の
基部材３０に対する移動で、カバー２４は伸縮する。

【００１２】上記切屑吸引装置１２によれば、カッター
本体１３がワーク４３に当接し切刃部１６により切削を
開始すると、カバー２４の先端のフランジ部材３９がワ
ーク４３に当接する。そして、カッター本体１３による
切削の進行にともなって、カバー２４は摺動部材３１が
スプリング４０の付勢力に抗して基部材３０側に押し込
まれてこれに追従する。ここで、カバー２４は、ワーク
４３に当接した状態において、外側の円筒部材２９、基
部材３０、摺動部材３１等がベアリング２８の介在によ
り非回転状態を維持する。このようにして、カッター本
体１３の切刃部１６による切削で生じる切屑の飛散が、
周囲を覆うカバー２４で防止されることになる。一方、
切削の開始に当って、吸引手段２５で空気を吸引するこ
とにより、カバー２４の先端開口部からカバー２４内を
空気が流れて吸引口３４から外部へ吐出されることにな
り、カバー２４内の空気が切屑とともに外部に排出され
る。このような第１実施例の切屑吸引装置１２において
は、カバー２４がカッター本体１３に支持されているた
め、機械本体に支持されるものより小型にできる。ま
た、カバー２４を交換用のカッター本体１３に予め装着
しておくことができるため、カバー２４があってもカッ
ター本体１３の交換作業の煩雑化を防止できる。

【００１３】次に、本発明の第２実施例の切屑吸引装置
を図２を参照して説明する。図２中、符号４５はカッタ
ー、符号４６はカッター４５に取り付けられた第２実施
例の切屑吸引装置をそれぞれ示している。第２実施例に
おいて、カッター４５は、カッター本体４７とこれを着
脱自在に保持する保持部材４８とを具備しており、カッ
ター本体４７は、保持部材４８に保持されるストレート
のシャンク部４９と、先端部に切刃部５０が形成された
頭部（延出部）５１とからなっている。

【００１４】保持部材４８は、図示せぬ切削機械本体の
回転するヘッドに着脱自在に保持されるテーパ状のシャ
ンク部５２と、このシャンク部５２の大径側に設けられ
たフランジ部５３と、このフランジ部５３のシャンク部
５２に対し反対側に設けられた円筒状の保持部５４とを
有するサイドロック式のものである。

【００１５】切屑吸引装置４６は、カッター４５のシャ
ンク部４９に一端側において支持される筒状のカバー５
５と、カバー５５内から空気を吸引する吸引手段５６と
を有している。カバー５５は、カッター本体４７のシャ
ンク部４９を内周部に嵌合させる略円筒状の取付部材５
７と、この取付部材５７を内周側に嵌合させるベアリン
グ５８と、このベアリング５８を内周側に嵌合させる略
円筒状の円筒部材５９とを有しており、また、カッター
本体４７の頭部５１の周りを囲むように延出して、円筒
部材５９に取り付けられる略円筒状の基部材６０と、こ
の基部材６０の円筒部材５９に対し反対側に取り付けら
れる円筒状の伸縮部材６１とを有している。なお、取付
部材５７および円筒部材５９には、ベアリング５８の抜
止めを行う抜止部材６２，６３が固定されている。

【００１６】基部材６０は、鋼材等からなるもので、円
筒状をなす第一部材６４と第二部材６５とに分割されて
いる。第一部材６４は、一端側が、取付部材５７および
カッター本体４７のシャンク部４９で閉塞された状態で
円筒部材５９に取り付けられており、中間部分に、内外
を連通させる吸引口６６が半径方向に沿って設けられて
いる。そして、この第一部材６４の円筒部材５９に対し
反対側に第二部材６５が固定されている。ここで、第一
部材６４の内周部から第二部材６５の内周部にかけて環
状の係合溝６７が形成されている。

【００１７】そして、第一部材６４の吸引口６６に、連
結管６８が取り付けられており、この連結管６８には、
空気を吸引する負圧発生源等の吸引手段５６が連結され
ている。そして、この吸引手段５６の吸引作動で、吸引
口６６から基部材６０すなわちカバー５５内の空気が吸
引され、連結管６８を介して外部へ吐出されることにな
る。伸縮部材６１は、カッター４５と同軸をなすもの
で、帯状のバネ鋼材が円筒状にその一部を重ね合せつつ
軸線方向に位置をずらして巻かれたスクリュー型となっ
ており、小径側の先端面はカッター４５の軸線に垂直を
なしていて、大径側の部分が係合溝６７に係合されて伸
縮を除く軸線方向の移動が規制されている。

【００１８】上記切屑吸引装置４６によれば、カッター
４５がワーク７０に当接し切刃部５０により切削を開始
すると、カバー５５の先端の伸縮部材６１がワーク７０
に当接する。そして、カッター４５による切削の進行に
ともなって、カバー５５は伸縮部材６１が軸線方向に弾
性変形して追従する。ここで、カバー５５は、ワーク７
０に当接した状態において、外側の円筒部材５９、基部
材６０、伸縮部材６１等がベアリング５８の介在により
非回転状態を維持する。このようにして、カッター４５
の切刃部５０による切削で生じる切屑の飛散が、周囲を
覆うカバー５５で防止されることになる。一方、切削の
開始に当って、吸引手段５６で空気を吸引することによ
り、カバー５５の先端開口部からカバー５５内を空気が
流れて吸引口６６から外部へ吐出されることになり、カ
バー５５内の空気が切屑とともに外部に排出される。こ
のような第２実施例の切屑吸引装置４６においても、第
１実施例と同様の効果を発揮することができる。

【００１９】次に、本発明の第３実施例の切屑吸引装置
を図３を参照して説明する。図３中、符号７２はカッタ
ー、符号７３はカッターに取り付けられた第３実施例の
切屑吸引装置をそれぞれ示している。第３実施例におい
て、カッター７２は、カッター本体７４とこれを着脱自
在に保持する保持部材（図示略）とを具備しており、カ
ッター本体７４は、保持部材に保持されるストレートの
シャンク部７５と、先端部に切刃部７６が形成された頭
部（延出部）７７とからなっている。図示略の保持部材
としては、第１実施例のコレットチャック式あるいは第
２実施例のサイドロック式等のものが採用される。

【００２０】切屑吸引装置７３は、カッター本体７４の
シャンク部７５に一端側において支持される筒状のカバ
ー７８と、カバー７８内から空気を吸引する吸引手段７
９とを有している。カバー７８は、カッター本体７４の
シャンク部７５を内周部に嵌合させる略円筒状の取付部
材８０と、この取付部材８０を内周側に嵌合させるベア
リング８１と、このベアリング８１を内周側に嵌合させ
る略円筒状の円筒部材８２とを有しており、また、カッ
ター本体７４の頭部７７の周りを囲むように延出して円
筒部材８２に取り付けられる略円筒状の基部材８３と、
この基部材８３の円筒部材８２に対し反対側に取り付け
られる筒状の伸縮部材８４とを有している。なお、取付
部材８０および円筒部材８２には、ベアリング８１の抜
止めを行う抜止部材８５，８６が固定されている。

【００２１】基部材８３は、鋼材等からなるもので、一
端側が、円筒部材８２、取付部材８０およびカッター本
体７４のシャンク部７５で閉塞された状態で円筒部材８
２に取り付けられており、中間部分には、内外を連通さ
せる吸引口８７が半径方向に沿って設けられている。基
部材８３の外周部は、吸引口８７を含む円筒部材８２側
の範囲が大径とされ反対側がこれより小径とされてい
る。そして、基部材８３の吸引口８７に、連結管８８が
取り付けられており、この連結管８８には、該連結管８
８に対し着脱自在に係合する係合管体８９を介して空気
を吸引する負圧発生源等の吸引手段７９が連結されてい
る。この吸引手段７９の吸引作動で、吸引口８７から基
部材８３すなわちカバー７８内の空気が吸引され、連結
管８８を介して外部へ吐出されることになる。

【００２２】伸縮部材８４は、その一端部の内側に基部
材８３の小径側を嵌合させた状態で固定部材９１により
該基部材８３に固定されるもので、カッター本体７４と
同軸をなしており、環状の小径部９２とこれより大径で
環状をなす大径部９３とがテーパ面部９４で連結されて
交互に配置されてなる、いわゆる蛇腹状をなすよう弾性
材料で成形されている。これにより、伸縮部材８４は、
先端の小径部９２が、カッター本体７４の軸線方向に沿
って移動するよう伸縮自在となっており、しかもカッタ
ー本体７４の軸線に垂直をなしている。なお、伸縮部材
８４のすべての大径部９３の内周側にリング状のバネ鋼
材等からなる補強部材を嵌合させることも可能である。

【００２３】上記切屑吸引装置７３によれば、カッター
本体７４がワーク９５に当接し切刃部７６により切削を
開始すると、カバー７８の先端の小径部９２がワーク９
５に当接する。そして、カッター本体７４による切削の
進行にともなってカバー７８は伸縮部材８４が軸線方向
に弾性変形して追従する。ここで、カバー７８は、ワー
ク９５に当接した状態において、外側の円筒部材８２、
基部材８３、伸縮部材８４等がベアリング８１の介在に
より非回転状態を維持する。このようにして、カッター
本体７４の切刃部７６による切削で生じる切屑の飛散
が、周囲を覆うカバー７８で防止されることになる。一
方、切削の開始に当って、吸引手段７９で空気を吸引す
ることにより、カバー７８の先端開口部からカバー７８
内を空気が流れて吸引口８７から外部へ吐出されること
になり、カバー内７８の空気が切屑とともに外部に排出
される。このような第３実施例の切屑吸引装置７３にお
いても、第１実施例と同様の効果を発揮することができ
る。

【００２４】なお、第１〜第３実施例のいずれにおいて
も、吸引手段２５，５６，７９として、次の構成のもの
を採用することが可能である。すなわち、吸引口に取り
付けられる外筒部とその内側に嵌合された内筒部と、圧
縮空気を供給する圧縮空気供給源とを有し、内筒部と外
筒部とで形成される流路に圧縮空気供給源が圧縮空気を
流すと、その流路の形状により内筒部の内側に吸引口か
ら離れる方向に気流を生じさせるものである。また、カ
ッター本体１３，４７，７４は保持部材１４，４８を介
することなく直接機械本体に装着させることも可能であ
る。

【００２５】加えて、第１〜第３実施例のいずれにおい
ても、図４に示すように、多孔質材料いわゆるスポンジ
からなるリング状部材９７をカバー７８の先端に取り付
けることが可能である（図４はリング状部材９７の第３
実施例のカバー７８への取付例）。このようなリング状
部材９７を取り付けることにより、カバー７８の着座面
に大きな凹凸があっても過大な隙間が生じてしまうこと
を防止でき、切屑の飛散を確実に防止できる。

【００２６】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の切屑吸引
装置によれば、カバーがカッター本体に支持されるもの
であるため、機械本体に支持されるものより小型にでき
る。また、カバーを交換用のカッター本体に予め装着し
ておくことができるため、カバーがあってもカッター本
体の交換作業の煩雑化を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例による切屑吸引装置を示す
断面図である。

【図２】本発明の第２実施例による切屑吸引装置を示す
断面図である。

【図３】本発明の第３実施例による切屑吸引装置を示す
断面図である。

【図４】本発明の変形例を第３実施例に適用した切屑吸
引装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１２，４６，７３ 切屑吸引装置 １３，４７，７４ カッター本体 １４，４８ 保持部材 １６，５０，７６ 切刃部 １７，５１，７７ 頭部（延出部） ２４，５５，７８ カバー ３４，６６，８７ 吸引口 ２５，５６，７９ 吸引手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直接または保持部材を介して間接的に機
   械本体に取り付けられるシャンク部と機械本体から延出
   するとともに先端に切刃部が設けられてなる延出部とが
   一体に設けられたカッター本体に支持されるとともに、
   該カッター本体の前記延出部の周りを囲むように延出し
   その先端部が該カッター本体の軸線方向に沿って移動す
   るよう伸縮自在とされ、さらに内外を連通させる吸引口
   が設けられた筒状のカバーと、 前記吸引口に連結され、前記カバー内から空気を吸引す
   る吸引手段と、を有することを特徴とする切屑吸引装
   置。