JPH08668Y2 - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、レンズ付きフイルムユニットに関し、更に
詳しくは撮影レンズの配置に関するものである。

〔従来の技術〕

通常のカメラを所持していなくても手軽に写真撮影を
楽しむことができるように、本出願人よりレンズ付きフ
イルムユニット（商品名「写るんですHi」）が発売され
ている。

このようなレンズ付きフイルムユニットは、簡単な撮
影機構を備えたユニット本体に予めパトローネ付きのフ
イルムを内蔵させたもので、露光済のフイルムをパトロ
ーネに巻き込むようにしている。このため、撮影し終わ
った後にはそのまま現像取扱店に提出すればよく、面倒
なフイルム巻き戻し操作は不要である。一方、現像所で
はユニット本体を分解あるいは破壊して露光済フイルム
を巻き込んでいるパトローネを取り出せばよく、その作
業を明室で行うことができる。

このようなレンズ付きフイルムユニットは、通常のカ
メラという意識を脱した簡易なイメージを植え付けるた
めに、撮影機構を備えたユニット本体を、種々のイラス
トやイベント情報などが施された化粧箱で包んで市販さ
れている。なお、この化粧箱に、撮影レンズやファイン
ダなどの必要箇所に開口を形成して、化粧箱に入れたま
ま当該ユニットを操作できるようになっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、従来のレンズ付きフイルムユニットは、撮影
レンズを透過した光を直接フイルムに導いているため、
フイルムの正面、すなわちユニット本体の中央に撮影レ
ンズを配置していた。このため、化粧箱の中央に撮影レ
ンズ用の開口を形成せざるを得ず、イラストなどを化粧
箱に表示する際に撮影レンズ及びこれを露出させるため
の開口が邪魔になっていた。

〔考案の目的〕

本考案はかかる点に鑑みて成されたものであり、化粧
箱を有効に利用できるレンズ付きフイルムユニットを提
供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、フイルム供給
室とフイルム巻取室との間に暗箱を設け、この暗箱の全
面上方に前記撮影レンズとシャッタとを組み付け、暗箱
の内面には撮影レンズの光軸を前方下向きに折り曲げ、
さらにフイルム面に垂直に向かうようにＺ形に折り曲げ
る第１及び第２反射手段を組み込むとともに、暗箱と前
記フイルム巻取室との間には、前記シャッタを作動させ
るためのシャッタ機構及び、１コマ分のフイルム送り完
了時に前記フイルム巻取室の上部に設けられたフイルム
巻上げノブの回動を阻止する巻止め機構を少なくとも含
む撮影機構を配設し、かつ前記撮影レンズの横であって
前記フイルム供給室側に寄った位置にファインダ開口を
設けている。

〔作用〕

本考案は以上のように、撮影光軸をＺ形に折り曲げた
後にフイルム面に到達させる構成であるため、撮影レン
ズをユニット本体の中央に配置する必要がなくなる。更
に、撮影レンズをファインダ開口の横に近接して配置し
ているため、化粧箱の中央部に開口がなくなり、イラス
トやイベント情報などを描くスペースを大きくとること
ができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を添付図面を参照しつつ詳細
に説明する。

第１図には、実施例に係るレンズ付きフイルムユニッ
トのユニット本体及び紙箱の外観が示されている。レン
ズ付きフイルムユニットは、簡単な撮影機構が組み込ま
れるとともに、予めパトローネ付きの135フイルムが装
填されたユニット本体10を紙箱12で包んで構成される。
また、ユニット本体10は、本体部14とこれを覆う前カバ
ー16及び後カバー18から成る。

ユニット本体10の右上にはファインダ開口22が形成さ
れ、その横フイルムロール室34側にはには撮影レンズ20
が近接して配置されている。これにより、透視式の枠型
ファインダを使用するレンズ付きフイルムユニットにお
いても、空間的パララックスを生じることがほとんどな
くなる。

ユニット本体10の上面にはシャッタボタン24とカウン
タ窓26が設けられ、後部にはフイルム巻き上げノブ28が
設けられている。

一方、紙箱12にはユニット本体10に設けられた撮影レ
ンズ20,ファインダ開口22,シャッタボタン24,フイルム
カウンタ窓26及びフイルム巻き上げノブ28を外部に露出
させるための開口が形成されている。これにより、当該
ユニットを紙箱12に入れたまま操作できるようになって
いる。また、撮影レンズ用の開口の下方には、イラスト
29が描かれている。

第２図にはユニット本体10の主要部の構造、第３図に
は紙箱12に入れたユニット本体10の断面構造が各々示さ
れている。

本体部14には、パトローネを収納するパトローネ室32
と未露光のフイルムを収納するフイルムロール室34が形
成され、フイルムロール室34から引き出されたフイルム
が露光された後にパトローネ内に巻き込まれるようにな
っている。

このようなフイルムの移送は、前述したフイルム巻き
上げノブ28及びこれと連動するスプロケット（図示せ
ず）によってなされる。すなわち、フイルム巻き上げノ
ブ28を反時計方向に回動させると、フイルムのパーフォ
レーションに係合したスプロケットが同時に回転して、
フイルムをフイルムロール室34からパトローネ室32側に
送る。そして、１コマ分のフイルム送りが完了すると、
フイルム巻き上げノブ28の反時計方向の回動が阻止され
るとともに、カウンタギヤ36が１回転してカウンタ板38
を１目盛り分だけ回転させる。結局、撮影を行うために
必要なこれらの諸機構からなる撮影機構は、後述する暗
箱99とパトローネ室との間に集約的に配置される。

また、本体部14のパトローネ室32とフイルムロール室
34との間には、前方に突出した角筒部98と、この角筒部
98に連接された開口枠46とが一体に設けられている。開
口枠46には、第１ミラー40とこれを開口枠46内に固定す
るミラー押さえ48,絞り筒97,及びシャッタボード50が取
りつけられる。角筒部98には、第２ミラー42とこれを角
筒部98内に固定するミラー押さえ47が取りつけられる。
これら２枚のミラーの内、第１ミラー40は露光位置にあ
るフイルムのほぼ真上に、第２ミラー42は撮影レンズ20
のほぼ真下に配置され、撮影光軸をＺ形にする。なお、
ミラー押さえ47にはスリット74が形成され、弾性により
第２ミラー42を角筒部98内に固定する。そして、角筒部
98と開口枠46に後述する保持部材45を取りつけることに
より、暗箱99が構成される。開口枠46に保持される絞り
筒97は、二重の開口を有し、撮影レンズ20の開口径を制
限するとともに、斜入光が暗箱99内で迷光となって撮影
画像のコントラストを低下させることを防止する。絞り
筒97の前方には、シャッタ羽根52を保持するシャッタボ
ード50が配置されている。このシャッタボード50には、
矩形開口56と円形の開口54とが各々形成され、さらに、
矩形開口56の下方には、シャッタ羽根52を回動自在に保
持するピン58が突設されている。一方、シャッタ羽根52
には、突起部60を有する開口62が形成されるとともに、
バネ掛け用の突起64が一体に突設されている。そして、
レリーズバー66の先端部がシャッタボード50の矩形開口
56を貫通して、シャッタ羽根52の開口62に挿通される。
これにより、撮影レンズ20を通り、開口54,絞り筒97,第
１ミラー40,第２ミラー42を介してフイルム面に到る撮
影光路が形成され、暗箱99により、この撮影光路内に外
光が入り込むことが無いようにしてある。

シャッタ羽根52の前方には上述した保持部材45が配置
されている。この保持部材45は、ミラー押さえ47の他
に、円形の凹部68に嵌め込ませることによって撮影レン
ズ20を保持するレンズホルダー70と、シャッタボード50
のピン58を支持する支持板72が一体に成形されている。
また、ミラー押さえ47の一端部にはバネ掛け用の突起76
が形成されており、この突起76とシャッタ羽根52の突起
64との間にスプリング78が掛けられる。これにより、シ
ャッタ羽根52はピン58を中心として反時計方向に付勢さ
れるようになる。

次に、以上のように構成された実施例の作用について
簡単に説明する。

撮影レンズ20などの種々の部品が組み込まれた本体部
14に前カバー16と後カバー18を係合させてユニット本体
10を形成する。そして、このユニット本体10のイラスト
29が描かれた紙箱12に入れてレンズ付きフイルムユニッ
トを構成する。

その後、撮影を行う際には、まずフイルム巻き上げノ
ブ28を回動操作し、フイルムＦを露光位置にセットす
る。その後、シャッタボタン24を押圧すると、レリーズ
バー66の先端部がシャッタ羽根52の開口62に形成された
突起部60を横方向に押し、シャッタ羽根52が時計方向に
回動して、撮影レンズ20を透過した光がシャッタボード
50の円形開口54を通過する。

撮影レンズ20を透過し、絞り筒97を通って第１ミラー
40に入射した光は、ここで反射して第２ミラー42に入射
する。そして、第２ミラー42で反射した光が露光位置に
あるフイルムＦに入射して、被写体画像をフイルムＦに
露光する。

また、撮影レンズ20をファインダ開口22に近づけるこ
とによって、パララックスをなくす上で有効である。

〔考案の効果〕

本考案においては、撮影レンズとファインダ開口とを
近接して設けたので、撮影光軸とファインダ光軸とが接
近し、パララックスを殆ど無くすことが可能となる。ま
た、撮影レンズをユニット本体の上方に配置しているた
め、化粧箱を有効に利用でき、レンズ付きフイルムユニ
ットの特徴を充分にいかして販売力の向上を図れるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係るレンズ付きフイルム
ユニットの外観を示す斜視図である。 第２図は、実施例の要部の構成を示す組立斜視図であ
る。 第３図は、実施例の要部を示す断面図である。 10……ユニット本体 12……紙箱 20……撮影レンズ 22……ファインダ開口 40……第１ミラー 42……第２ミラー Ｆ……フイルム。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−115134（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−189633（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−177827（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−198032（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−57743（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】予め未露光のフイルムが収納されたフイル
   ム供給室と露光済みのフイルムが巻き込まれるフイルム
   巻取室とを有し、シャッタの開閉によりフイルム面に垂
   直な光軸を有する撮影レンズを通して撮影が行われるレ
   ンズ付きフイルムユニットにおいて、 前記フイルム供給室とフイルム巻取室との間に暗箱を設
   け、この暗箱の全面上方に前記撮影レンズとシャッタと
   を組み付け、暗箱の内面には撮影レンズの光軸を前方下
   向きに折り曲げ、さらにフイルム面に垂直に向かうよう
   にＺ形に折り曲げる第１及び第２反射手段を組み込むと
   ともに、暗箱と前記フイルム巻取室との間には、前記シ
   ャッタを作動させるためのシャッタ機構及び、１コマ分
   のフイルム送り完了時に前記フイルム巻取室の上部に設
   けられたフイルム巻上げノブの回動を阻止する巻止め機
   構を少なくとも含む撮影機構を配設し、かつ前記撮影レ
   ンズの横であって前記フイルム供給室側に寄った位置に
   ファインダ開口を設けたことを特徴とするレンズ付きフ
   イルムユニット。