JPH0861241A - 弁板装置 - Google Patents

弁板装置

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JPH0861241A
JPH0861241A JP6191523A JP19152394A JPH0861241A JP H0861241 A JPH0861241 A JP H0861241A JP 6191523 A JP6191523 A JP 6191523A JP 19152394 A JP19152394 A JP 19152394A JP H0861241 A JPH0861241 A JP H0861241A
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Kenji Hashimoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動および騒音を低減した弁板装置を提供す
る。 【構成】 バルブプレート１０に、底面１３１を持つ傾
斜凹部１３が設けられている。底面１３１は、吐出孔１
２を開閉する吐出弁２０の閉方向への変形に応じて、吐
出弁２０の取り付け部側から先端部側へ向かって深くな
り、吐出弁２０の開閉動作にともなって吐出弁２０と離
間、接触する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、斜板式圧縮機等のピス
トンを有する流体機器に用いられる弁板装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】図２は、従来のこの種の弁板装置を示す
縦断面図である。図２において、この弁板装置は、ピス
トン（図示せず）が往復動可能に挿入されたシリンダ
（図示せず）の一端に備えられ、吐出孔６２を持つバル
ブプレート６０と、バルブプレートの６０上に取り付け
られ、吐出孔６２を開閉する吐出弁２０と、バルブプレ
ート６０に備えられ、吐出弁２０の開度を制限するリテ
ーナ３０とを有している。吐出弁２０およびリテーナ３
０は、ボルト４０とナット５０との組み合わせによっ
て、バルブプレート６０に対して取り付けられている。
そして、このような構成により、吐出弁２０の開閉にし
たがって、バルブプレート６０によって仕切られたシリ
ンダ側２００と吐出室側３００とは、連通、疎通され
る。また、吐出弁２０の開時には、シリンダ側２００か
らの吐出ガスｇ2 は、変向角度θ3 だけ変向して、吐出
室側３００へ吐出される。さらに、バルブプレート６０
における吐出孔６２の孔内容積Ｖ2 の大小に応じて、こ
の弁板装置が用いられた圧縮機の再膨脹容積の大小が決
まる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図２に示し
た従来の弁板装置を用いた流体機器においては、吐出弁
２０がバルブプレート６０の吐出孔６２を開く際に吐出
弁２０がリテーナ３０と衝突する（図中、一点鎖線で示
す）一方、吐出弁２０が吐出孔６２を閉じる際に吐出弁
２０がバルブプレート６０の上板面６１に衝突する（図
中、実線で示す）。このため、流体機器の運転中に、吐
出弁２０のこれら衝突にともなって、振動および騒音が
発生するという問題点がある。
【０００４】特に、吐出弁２０のバルブプレート６０の
上板面６１への衝突に因る振動および騒音の方が、リテ
ーナ３０への衝突に因るものよりも顕著であり、問題で
ある。即ち、吐出弁２０は、これが板状を呈しているこ
とからも明らかなように、その開閉方向（吐出孔６２を
開閉する方向）の両方へ同程度に変形可能であるにも拘
らず、図２に示した従来の弁板装置においては、閉方向
への変形は、バルブプレート６０の上板面６１に対して
当接するため、平面状態で中止されている。このため、
吐出弁２０が閉方向へ動作する際には、吐出弁２０に
は、シリンダ側２００および吐出室側３００両側の流体
の圧力差による加重に加えて、吐出弁２０自体の弾性
力、ならびに未だ十分に減少していない勢力も印加され
る。よって、リテーナ３０に対する衝突よりも、バルブ
プレート６０の上板面６１に対する衝突の方が、衝撃力
が大きく、衝撃力によって発生する振動および騒音も大
きい。
【０００５】以上説明した問題点を鑑み、本発明は、振
動および騒音を低減した弁板装置を提供することを課題
とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ピスト
ンが往復動可能に挿入されたシリンダの頭端に備えら
れ、吐出孔を持つバルブプレートと、前記バルブプレー
トの上に取り付けられ、前記吐出孔を開閉する吐出弁と
を有する弁板装置において、前記バルブプレートには、
前記吐出弁の閉方向への変形に応じて前記吐出弁の取り
付け部側から先端部側へ向かって深くなり、前記吐出弁
の開閉動作にともなって前記吐出弁と離間、接触する底
面を持つ傾斜凹部が設けられたことを特徴とする弁板装
置を有することを特徴とする弁板装置が得られる。
【０００７】本発明によれば、また、前記吐出孔は、前
記傾斜凹部の前記底面に対して直角に延びるように形成
されたことを特徴とする前記請求項１記載の弁板装置が
得られる。
【０００８】本発明によれば、さらに、前記傾斜凹部を
規定する凹部側面は、前記吐出弁の外縁部に対して僅か
な間隙が形成されるように形成されたことを特徴とする
前記弁板装置が得られる。
【０００９】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の一実施例に
よる弁板装置を説明する。
【００１０】図１は、本発明の一実施例による弁板装置
を示す縦断面図である。尚、図１において、従来例と同
一部あるいは同様部には、図２と同符号を付している。
図１において、本実施例による弁板装置は、ピストン
（図示せず）が往復動可能に挿入されたシリンダ（図示
せず）の一端に備えられ、吐出孔１２を持つバルブプレ
ート１０と、バルブプレートの１０の上板面１１上に取
り付けられ、吐出孔１２を開閉する吐出弁２０と、吐出
弁２０の上にてバルブプレート１０に備えられ、吐出弁
２０の開度を制限するリテーナ３０とを有している。吐
出弁２０およびリテーナ３０は、ボルト４０とナット５
０との組み合わせによって、バルブプレート１０に対し
て取り付けられている。
【００１１】バルブプレート１０には、吐出弁２０の閉
方向への変形に応じて吐出弁２０の取り付け部側から先
端部側へ向かって深くなり、吐出弁２０の開閉動作にと
もなって吐出弁２０と離間、接触する底面１３１を持つ
傾斜凹部１３が設けられている。即ち、傾斜凹部１３の
底面１３１は、吐出弁２０の取り付け部側におけるバル
ブプレート１０の上板面１１と同じレベルから、吐出弁
２０の閉方向への変形に応じた曲率Ｒ1 の曲面をなし
て、吐出弁２０の取り付け部側における吐出弁２０の閉
方向の最大振れ角度θ0 に応じた凹部深さｄまでの間
に、吐出弁２０の閉方向への変形に応じた曲率Ｒ1 の曲
面をなしている。よって、吐出弁２０の閉動作にともな
って、吐出弁２０と密に接触する。
【００１２】一方、リテーナ３０の受面は、吐出弁２０
の取り付け部側のレベルから、吐出弁２０の開方向の最
大振れ角度に応じた高さまでの間に、吐出弁２０の開方
向への変形に応じた曲率Ｒ1 と同様の曲率Ｒ2 の曲面を
なしている。
【００１３】以上の構成により、吐出弁２０は、リテー
ナ３０に衝突する状態（図中、一点鎖線で示す）と、バ
ルブプレート１０における傾斜凹部１３の底面１３１に
衝突する状態（図中、実線で示す）との間で変形するこ
とにより、吐出孔１２を開閉して、シリンダ側２００と
吐出室側３００とを連通疎通する。そして、吐出弁２０
が閉方向へ動作する際には、吐出弁２０が途中で変形が
止められることなく、吐出弁２０には、実質的にシリン
ダ側２００および吐出室側３００両側の流体の圧力差に
よる加重が印加されるのみであるため、バルブプレート
１０における傾斜凹部１３の底面１３１に衝突する際の
衝撃力は、リテーナ３０に衝突する際の衝撃とほぼ同様
に小さい。よって、本弁板装置が用いられる圧縮機の振
動および騒音は低減される。尚、本実施例による構成で
は、吐出弁２０のストロークが従来例に比べて大きくな
るが、実用上、圧縮機の動作に悪影響は見られないこと
が、実験により確認されているが、本構成において吐出
弁のストロークを従来と同様に設定できることはいうま
でもない。
【００１４】さらに、本実施例による弁板装置において
は、吐出孔１２は、傾斜凹部１３の底面１３１に対し
て、直角に延びている。即ち、図１において、吐出孔１
２を規定する孔側面の、底面１３１に対する孔角度θ2
は、９０度である。これによって、吐出弁２０の開時
に、シリンダ側２００からの吐出ガスｇ1 は、図２に示
した従来例の変向角度θ2 よりも緩やかな変向角度θ1
だけ変向して、吐出室側３００へ吐出される。吐出ガス
ｇ1 が緩やかな変向角度で吐出されることによって、吐
出圧損が低減して吐出ガス圧脈動が緩和され、振動およ
び騒音の低減に効果的である。
【００１５】また、バルブプレート１０が従来例と同じ
厚さであり、かつ傾斜凹部１３の傾斜角度がある程度小
さい場合には、吐出孔１２の孔内容積Ｖ1 は、図２に示
した従来例の孔内容積Ｖ2 よりも小さくなる。よって、
本弁板装置が用いられた圧縮機の再膨脹容積が小さくな
り、圧縮機の体積効率が向上する。
【００１６】さらに、傾斜凹部１３を規定する凹部側面
の、吐出弁１２の外縁部に対する間隙ｃを、吐出弁２０
の動作に干渉しない程度に可及的小さく形成する。これ
によって、吐出弁２０は、本弁板装置が用いられる圧縮
機の起動時に、図１中、二点鎖線で示す初期状態から、
吐出孔１２に対して速やかに吸引されて（閉方向へ変形
して）、実線で示す閉状態となる。よって、圧縮機の起
動時のレスポンスが良好となる。
【００１７】
【発明の効果】本発明による弁板装置は、バルブプレー
トに、吐出弁の閉方向への変形に応じて吐出弁の取り付
け部側から先端部側へ向かって深くなり、吐出弁の開閉
動作にともなって吐出弁と離間、接触する底面を持つ傾
斜凹部が設けられているため、吐出弁が閉方向へ動作す
る際に、吐出弁は、途中で変形が止められることなく、
実質的に流体の圧力差による加重のみが吐出弁に印加さ
れ、バルブプレート傾斜凹部の底面に衝突する際の衝撃
力が小さい。よって、振動および騒音は低減される。
【００１８】また、吐出孔を、傾斜凹部の底面に対して
直角に延びるように形成すれば、吐出ガスが緩やな変向
角度でもって吐出され、吐出圧損が低減して吐出ガス圧
脈動が緩和され、振動および騒音の低減に効果的であ
る。さらに、バルブプレートが従来例と同じ厚さであ
り、かつ傾斜凹部の傾斜角度がある程度小さい場合に
は、吐出孔の孔内容積が小さくなるため、本弁板装置が
用いられた圧縮機の再膨脹容積が小さくなり、圧縮機の
体積効率が向上する。
【００１９】さらに、傾斜凹部を規定する凹部側面の吐
出弁の外縁部に対する間隙を、吐出弁の動作に干渉しな
い程度に可及的小さく形成すれば、本弁板装置が用いら
れる圧縮機の起動時に、吐出弁が初期状態から速やかに
吐出孔に対して吸引されて閉状態となるため、圧縮機の
起動時のレスポンスが良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例による弁板装置を示す縦断面
図である。
【図２】従来例による弁板装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
１０、６０ バルブプレート １１、６１ 上板面 １２、６２ 吐出孔 １３ 傾斜凹部 ２０ 吐出弁 ３０ リテーナ ４０ ボルト ５０ ナット １３１ 底面 ２００ シリンダ側 ３００ 吐出室側 ｃ 間隙 ｄ 凹部深さ ｇ1 、ｇ2 吐出ガス Ｖ1 、Ｖ2 孔内容積 Ｒ1 、Ｒ2 曲率 θ0 最大振れ角度 θ1 、θ3 変向角度 θ2 孔角度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ピストンが往復動可能に挿入されたシリ
    ンダの頭端に備えられ、吐出孔を持つバルブプレート
    と、前記バルブプレートの上に取り付けられ、前記吐出
    孔を開閉する吐出弁とを有する弁板装置において、前記
    バルブプレートには、前記吐出弁の閉方向への変形に応
    じて前記吐出弁の取り付け部側から先端部側へ向かって
    深くなり、前記吐出弁の開閉動作にともなって前記吐出
    弁と離間、接触する底面を持つ傾斜凹部が設けられたこ
    とを特徴とする弁板装置。
  2. 【請求項２】 前記吐出孔は、前記傾斜凹部の前記底面
    に対して直角に延びるように形成されたことを特徴とす
    る請求項１記載の弁板装置。
  3. 【請求項３】 前記傾斜凹部を規定する凹部側面は、前
    記吐出弁の外縁部に対して僅かな間隙が形成されるよう
    に形成されたことを特徴とする請求項１または２記載の
    弁板装置。
JP6191523A 1994-08-15 1994-08-15 弁板装置 Pending JPH0861241A (ja)

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