JPH0859255A - 光学素子の成形方法及び装置 - Google Patents

光学素子の成形方法及び装置

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JPH0859255A
JPH0859255A JP20068794A JP20068794A JPH0859255A JP H0859255 A JPH0859255 A JP H0859255A JP 20068794 A JP20068794 A JP 20068794A JP 20068794 A JP20068794 A JP 20068794A JP H0859255 A JPH0859255 A JP H0859255A
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glass
adsorption
molding
optical element
pressure
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JP20068794A
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Masayuki Tomita
昌之 冨田
Isamu Shigyo
勇 執行
Hiroyuki Kubo
裕之 久保
Tamakazu Yogo
瑞和 余語
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B35/00Transporting of glass products during their manufacture, e.g. hot glass lenses, prisms
    • C03B35/005Transporting hot solid glass products other than sheets or rods, e.g. lenses, prisms, by suction or floatation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレス成形で得た光学素子に欠陥が発生する
ような、大きな変形をガラス塊に与えることなく、高温
軟化状態のガラス塊を吸着搬送装置の吸着部に吸着する
ことで、成形時間を短縮した上で、しかも、材料無駄や
後加工コストを低減し、全体として生産コストを安くす
るようにした、光学素子の成形方法及び装置を提供す
る。 【構成】 高温軟化状態のガラス塊を吸着搬送装置の吸
着部に吸着し、上下一対の型部材からなる成形型へ搬送
し、上下型部材の間に配置した上記ガラス塊をプレス成
形し、光学素子を得る成形方法及び装置において、吸着
部の圧力を低下させることで吸着部の先端に軟化状態の
ガラス塊を吸着させる吸着搬送装置が、ガラス塊を吸着
した状態で、吸着圧力を数段階に連続的・段階的に変化
するように、吸着初期の吸着圧力を強く、それ以降の吸
着圧力を弱くする吸着方法で制御され、軟化ガラス塊を
吸着し、成形型へ搬送することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟化状態のガラスを、
上下一対の型部材よりなる成形型でプレス成形して、レ
ンズ等の光学素子を得る成形方法に関し、特に、高温軟
化状態のガラスを吸着搬送装置を用いて成形型に搬送
し、プレス成形する光学素子の成形方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、軟化状態のガラスを成形型でプレ
ス成形して、レンズ等の光学素子を得る方法が、レンズ
の製造方法、特に、非球面レンズを安価に生産する方法
として注目され、その開発が進んでいる。このプレス成
形による光学素子の生産において、生産コストを下げる
ために、成形サイクル時間を短縮する方法が開発されて
きた。
【0003】当初の成形方法は、室温において、上下一
対の型部材からなる成形型の中にガラス素材を入れ、窒
素雰囲気の加熱炉の中で、成形温度まで加熱し、プレス
成形し、その後、冷却してから成形型を炉外へ取り出
し、成形された光学素子を成形型から取り出す手順で成
形する方法であった。
【0004】次に、成形サイクル時間を短縮するため
に、窒素雰囲気中において、ガラス転移点温度付近の温
度に保たれた成形型の中にガラス素材を搬入し、成形型
の温度をプレス温度まで上げることにより、ガラス素材
をプレス成形可能な温度にし、プレス成形し、その後、
冷却して、ガラス転移点温度付近の温度で型開きし、成
形された光学素子を成形型から搬出する成形方法が開発
された。
【0005】この成形方法では、ガラス素材を成形型へ
搬入し、また、成形された光学素子を成形型から搬出す
る手段として、搬送装置が必要となるが、これには、装
置の構成が簡便であることから、真空吸着の手法によ
り、ガラス素材または成形された光学素子を吸着部に吸
着した状態で搬送する真空吸着搬送装置が使用されてい
る。例えば、特開昭63−297229号には、真空吸
着搬送装置により、成形された光学素子を成形型から搬
出する方法が開示されている。また、この成形方法で
は、成形型の中に搬入されるガラス素材の温度が比較的
低いため、成形された光学素子の搬出に用いる真空吸着
装置を、あるいは、これと同様の装置を用いて、成形型
へのガラス素材の搬入が可能である。
【0006】さらに、成形サイクル時間を短縮するため
に、プレス成形可能な温度のガラス素材を成形型の中に
搬入し、ただちにプレス成形する成形方法が開発され
た。この成形方法では、成形型の中に搬入されるガラス
素材の温度が高く、ガラス素材が軟化状態にあるため、
従来と同様に、真空吸着装置の吸着部の圧力を真空状態
にして、ガラス素材を吸着した場合、吸引力によりガラ
ス素材が変形してしまう虞がある。
【0007】このような高温で軟化状態のガラス素材
を、吸引力による変形を回避した状態で真空吸着するよ
うにした吸着装置が、特開平1−183428号に開示
されている。この吸着装置では、その吸着部が、中心部
と周辺部とに分割されており、吸着時には周辺部の圧力
を中心部の圧力より低下させた状態で、高温で軟化状態
のガラス素材を吸着することにより、ガラス素材の中心
部の変形が少ない状況においてガラス素材の吸着搬送が
可能になる。
【0008】図10は、特開平1−183428号に開
示されている、真空吸着装置の概念的な構成を説明する
断面図である。同図において、吸着部は外側の円環52
および内側の円環53から成り、各円環の間の空間によ
って、周辺部54が、内側の円環53によって、中心部
55が各々構成されている。高温で軟化状態のガラス素
材5を吸着している時、円環52および53の先端は、
ガラス素材5に接触している。その際、周辺部54の圧
力を中心部55の圧力より低下させた(中心部55の圧
力を比較的高くする)状況に置くことで、高温で軟化状
態のガラス素材5を確実に吸着し、ガラス素材5の変形
を防止する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例である、特開平1−183428号で開示されてい
る吸着装置により、高温で軟化状態のガラスを吸着した
場合、以下に示すような問題点があった。即ち、この従
来例において、ガラス素材5の温度が高い場合に吸着時
間を長くすると、図11に示すように、吸着箇所の周辺
部54に対応するガラス素材5の部分が盛り上がること
があるので、この周辺の盛り上がり部をレンズの光学有
効面の外に位置するように、ガラス素材5および円環5
2、53の形状を選択していた。このようにすること
で、ガラス素材5の周辺の盛り上がり部が、プレス成形
後のレンズの光学有効面へ影響することを防止してい
た。
【0010】しかし、この方法で成形すると、ガラス素
材5の直径は、レンズの光学有効径よりもかなり大きく
する必要があり、ガラス素材5をプレス成形した結果、
得られたレンズは、光学性能に寄与しない無駄な部分
を、光学有効径の外側に大きく残すことになる。勿論、
レンズの外周は、心取り加工することにより、外側の無
駄な部分を研削除去した後、レンズ鏡筒に組み込んでい
るが、上述の成形方法でプレス成形されたレンズは、そ
の直径が光学有効径よりかなり大きいから、心取り加工
によって研削除去する部分が増大し、心取り加工に時間
がかかり、生産コストが高くなる欠点がある。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、上記の従来例における
課題を解決するために、以下の目的を達成する光学素子
の成形方法を提供することにある。
【0012】すなわち、本発明の第1の目的は、高温軟
化状態のガラス塊を吸着搬送装置に吸着し、上下一対の
型部材からなる成形型へ搬送し、上下型部材の間に配置
したガラス塊をプレス成形して、光学素子を得る成形方
法において、ただちにプレス成形できる程度に高温で軟
化状態のガラス塊を、吸着装置の吸着部に吸着した状態
で成形型内へ搬送する際に、そのプレス成形で得た光学
素子に欠陥が発生するような、大きな変形を上記ガラス
塊に与えることなく、上記吸着部に吸着することで、成
形時間を短縮した上で、しかも、材料無駄や後加工コス
トを低減し、全体として生産コストを安くするようにし
た、光学素子の成形方法を提供することである。
【0013】また、本発明の第2の目的は、高温軟化状
態のガラス塊を吸着搬送装置に吸着し、上下一対の型部
材からなる成形型へ搬送し、上下型部材の間に配置した
ガラス塊をプレス成形して、光学素子を得る成形装置に
おいて、ただちにプレス成形できる程度に高温で軟化状
態のガラス塊を、吸着装置の吸着部に吸着した状態で成
形型内へ搬送する際に、そのプレス成形で得た光学素子
に欠陥が発生するような、大きな変形を上記ガラス塊に
与えることなく、上記吸着部に吸着することができるよ
うに構成した、光学素子の成形装置を提供することであ
る。
【0014】この場合、高温軟化状態のガラス塊を、よ
り確実に吸着でき、かつ、吸着中の高温軟化状態のガラ
ス塊の変形を、より少なくすることは重要である。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、光学素子を得る成形方法において、吸
着部の圧力を低下させることで吸着部の先端に軟化状態
のガラス塊を吸着させる吸着搬送装置が、ガラス塊を吸
着した状態で、吸着圧力を数段階に連続的・段階的に変
化するように、吸着初期の吸着圧力を強く、それ以降の
吸着圧力を弱くする吸着方法で制御され、軟化ガラス塊
を吸着し、成形型へ搬送することを特徴とする。
【0016】また、本発明では、光学素子を得る成形装
置において、吸着部の圧力を低下させることで吸着部の
先端に軟化状態のガラス塊を吸着させる吸着搬送装置
が、ガラス塊を吸着した状態で、吸着圧力を数段階に連
続的・段階的に変化するように制御する制御手段を具備
することを特徴とする。
【0017】
【作用】通常、光学素子を成形する方法においては、例
えば、受け型などの治具の上に載せられた高温軟化状態
のガラス塊に、吸着搬送装置の吸着部を上方から接近さ
せ、ガラス塊に近接した状態にし、その状態で、吸着部
の圧力を低下させることにより、高温軟化状態のガラス
塊を吸着搬送装置の吸着部に吸着させ、ガラス塊を吸着
した状態で、下型部材の上方に吸着搬送装置の吸着部を
移動させ、その位置で、吸着部の圧力を大気圧または正
圧になるまで増加し、吸着部に吸着していた高温軟化状
態のガラス塊を下型部材の上に落下させる。その後、吸
着搬送装置を下型部材の上から退去させた後、ただち
に、上型部材を下降させて、ガラス塊をプレス成形し、
その結果、光学素子を得る。
【0018】しかして、本発明においては、高温軟化状
態のガラス塊を吸着した状態で、吸着部の圧力を数段階
に連続的・段階的に変化できるから、吸着初期の吸着圧
力を強く、それ以降の吸着圧力を弱くする吸着の制御
で、軟化ガラス塊を吸着し、成形型へ搬送するので、プ
レス成形して得た光学素子に欠陥が発生するような、大
きな変形を上記ガラス塊に与えることがない。
【0019】なぜならば、このような、直ちにプレス成
形できる高温軟化状態のガラスの変形挙動は、粘性変形
によるもので、粘性変形における変形量は、粘性物体に
加えられた力の大きさと時間に比例して大きくなるから
である。すなわち、変形量を小さくするためには、加え
る力を小さくするか、力を加える時間を短くすれば良い
のである。換言すれば、本発明では、高温軟化状態のガ
ラス塊を吸着部に吸着した後、吸着圧力を弱くすること
で、ガラスに加わる力を小さくし、吸着中のガラス塊の
変形を小さくしているのである。
【0020】一方、吸着開始時の吸着部の吸着圧力を弱
くすると、ガラス塊を吸着部に吸着できない場合があ
る。そこで、吸着開始時の吸着部の吸着圧力は強くし、
ガラス塊を吸着部に確実に吸着した後、ただちに、吸着
圧力を弱くするような制御がなされる。このようにする
ことで、ガラスに大きな力が加わる時間を短くし、吸着
中のガラス塊の変形を小さくしているのである。
【0021】また、本発明では、高温軟化状態のガラス
塊を吸着搬送装置の吸着部に吸着し、上下一対の型部材
からなる成形型へ搬送し、上下型部材の間に配置したガ
ラス塊をプレス成形して、光学素子を得る成形装置とし
て、吸着部の圧力を低下させることにより、吸着部の先
端に軟化状態のガラス塊を吸着させる際、ガラス塊を吸
着した状態で、吸着圧力を数段階に連続的・段階的に変
化するように制御する制御手段を備えたことを特徴とす
る光学素子の成形装置を提供する。
【0022】なお、これら本発明の構成において、高温
軟化状態のガラス塊が、溶融るつぼ内部で溶融した光学
ガラスをノズルから流出し、所定量の溶融ガラスを受け
型に受けて得た高温軟化状態のガラス塊である場合に
は、次のような過程で、光学素子の成形がなされる。
【0023】即ち、溶融るつぼ内部に入れられたガラス
材料は、ヒータによりガラスの溶融温度以上に加熱さ
れ、溶融るつぼ内で溶融ガラスとなる。この溶融ガラス
は、溶融るつぼの壁部に設置された流出ノズルを通って
流出する。この溶融流出ガラスを受け型に受け、受け型
に受けたガラス重量が所定の重量になった時、流出ガラ
ス流から切断し、受け型の上に所定重量の高温軟化状態
のガラス塊を得る。この受け型の上の高温軟化状態のガ
ラス塊を吸着搬送装置の吸着部に吸着し、成形型の中に
搬送する。このようにして、下型部材の上に置かれた高
温軟化状態のガラス塊を、直ちにプレス成形して光学素
子を得るのである。ここでは、ガラス塊の吸着時におい
て、吸着初期の吸着圧力を強く、それ以降の吸着圧力を
弱くしている。
【0024】この場合には、光学素子の材料となるガラ
ス塊を、溶融流出ガラス流から直接に得ているので、材
料コスト、すなわち、ガラス塊の生産コストを大幅に下
げることができる。また、溶融流出ガラス流から得られ
たガラス塊は、表面が滑らかなので、研磨加工を行わず
に、直ちに光学素子の成形素材とすることができるの
で、この点からも、材料コスト、すなわち、ガラス塊の
生産コストを下げることができる。また、光学素子の材
料として、溶融流出ガラス流から得たガラス塊を使うこ
とにより、一連の成形プロセス中において、プレス成形
前にガラス塊をプレス可能な温度まで再加熱する必要が
無いから、この点で生産コストを安くすることができ
る。
【0025】また、本発明の成形において、高温で軟化
状態のガラス塊が、所定量の光学ガラス塊を、適宜な加
熱装置を用いて加熱軟化させて得たガラス塊である場
合、所定量の光学ガラス塊、例えば、所望の光学素子に
近似した形状に研磨されたガラスブランク、ボール形状
に研磨されたガラスブランク、または、溶融ガラス流か
ら得られたガラス塊として準備されるが、この所定量の
光学ガラス塊を加熱用の治具の上に置き、加熱用の治具
の上に置かれた光学ガラス塊を加熱装置を用いて加熱軟
化させ、この加熱された高温軟化状態のガラス塊を、吸
着搬送装置の吸着部に吸着し、成形型の中に搬送する。
このようにして、下型部材の上に置かれた高温軟化状態
のガラス塊を、直ちにプレス成形して光学素子を得る。
なお、ガラス塊の吸着時において、吸着初期の吸着圧力
を強く、それ以降の吸着圧力を弱くしている。
【0026】ここでは、成形型の中に搬送されたガラス
塊の温度は、プレス成形可能な温度であり、成形型の中
に搬送されたガラス塊を、従来のように、プレス温度ま
で再加熱する必要がないので、成形時間を短くすること
ができ、生産コストを安くすることができる。
【0027】なお、上述の本発明の態様として、吸着を
開始する時点で、高温軟化状態のガラス塊の粘度が10
5 dPa・s以上109 dPa・s以下の範囲であり、
搬送に伴う吸着が終了する時点で、ガラス塊の粘度が1
6 dPa・s以上1010dPa・s以下の範囲にある
ことが望ましい。この場合、そのガラス塊の粘度は、プ
レス成形可能な範囲なので、そのガラス塊を下型部材の
上に置いた後、ただちにプレス成形することができるの
で、成形時間を短くすることができる。
【0028】因みに、搬送に伴う吸着が終了する時点
で、ガラス塊の粘度が106 dPa・sより小さい場
合、ガラス温度が高いので、このガラス塊をただちにプ
レス成形するとガラスが成形型に融着してしまうことが
あるが、一方、搬送に伴う吸着が終了する時点で、ガラ
ス塊の粘度が1010dPa・sより大きい場合、ガラス
温度が低いので、このガラス塊をただちにプレス成形す
るとガラスが破砕してしまうことがある。したがって、
この場合、プレスを成形する際に、下型部材の上に置か
れたガラス塊を、プレス成形可能な温度まで再加熱する
必要がある。
【0029】そこで、搬送に伴う吸着が終了する時点で
ガラス塊の粘度が106 dPa・s以上1010dPa・
s以下の範囲にあるためには、吸着を開始する時点で、
高温軟化状態のガラス塊の粘度が105 dPa・s以上
109 dPa・s以下の範囲である必要がある。すなわ
ち、吸着を開始する時点で、高温軟化状態のガラスの塊
の粘度が105 dPa・sより小さい場合、ガラスの粘
度が小さいため、本発明による成形方法で、このガラス
塊を吸着した場合でも、大きな変形が発生してしまうこ
とがある。一方、吸着を開始する時点で高温軟化状態の
ガラス塊の粘度が109 dPa・sより大きい場合、温
度が低いので、吸着搬送装置に吸着して成形型へ搬送す
る間に、ガラス塊の温度が下がり、プレス成形する際
に、下型部材の上に置かれたガラス塊を、プレス成形可
能な温度まで再加熱する必要がある。
【0030】また、本発明の態様として、高温軟化状態
のガラス塊を吸着する時の初期の吸着力が、絶対圧力で
60000Pa以下であり、初期の吸着圧力により、高
温軟化状態のガラスを吸着している時間が、10秒以下
であることが望ましい。この場合、高温軟化状態のガラ
ス塊の形状が不均一な場合でも、このガラス塊を吸着部
に確実に吸着することができる。一方、この強い吸着圧
力で高温軟化状態のガラス塊を吸着している時間は、1
0秒以下であり、この時間内に搬送吸着装置の吸着部の
吸着圧力は弱くなり、弱い吸着圧力で、ガラス塊を吸着
搬送装置の吸着部に吸着した状態において成形型内へガ
ラス塊を搬送すると、強い吸着圧力で高温軟化状態のガ
ラス塊を吸着している時間が短いので、吸着中のガラス
塊の変形を少なくすることができる。
【0031】因みに、初期吸着圧力が、絶対圧力で60
000Paより大きく吸着圧力が弱い場合、ガラス塊の
形状が不均一な場合やガラス塊の温度が高い場合にガラ
ス塊を吸着できない場合がある。また、強い吸着圧力に
より高温軟化状態のガラス塊を吸着している時間が10
秒より長い場合、ガラス塊の変形量が大きくなり、この
ガラス塊をプレス成形した光学素子に欠陥が残ることが
ある。
【0032】なお、初期吸着圧力の値および初期吸着圧
力で吸着する時間の最適値は、吸着時のガラス塊の温
度、形状、重量などを考慮して、実験的に求められる。
また、吸着圧力を弱くした後の、弱い吸着圧力の値の最
適値も、ガラス塊の温度、重量などを考慮して、実験的
に求められる。
【0033】
【実施例】
(第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例を説明
するための、装置断面の概略図である。同図において、
1は白金溶融るつぼ、2は白金溶融るつぼ1の内部で溶
融されている溶融光学ガラス、3は白金溶融るつぼ1の
周囲に設置されたるつぼ加熱用ヒータ、4は白金溶融る
つぼ1内で溶融された溶融光学ガラス2を流出するため
の流出ノズル、5は流出ノズル4から流出した溶融光学
ガラス2から得られた高温軟化状態のガラス塊、6は高
温軟化状態のガラス塊5を受けるための受け型、7は受
け型を昇降するための昇降棒である。
【0034】また、8は光学素子成形用成形型の上型部
材、9は光学素子成形用成形型の下型部材、10は上型
部材8および下型部材9を同心上に擦動案内するスリー
ブ状の胴型、11はプレス成形用の油圧シリンダ、12
は上型部材8と油圧シリンダ11とを連結するプレス
軸、13はガラス塊5を上型部材8と下型部材9とでプ
レス成形することによって得られる光学素子、14はガ
ラス塊5を下型部材9の上に搬入するための吸着圧力を
数段階に連続的・段階的に変化できるようにした吸着搬
送装置、15は上型部材8と下型部材9とでプレス成形
して得られた成形光学素子13を搬出するための搬送装
置である。
【0035】更に、16は上型部材8と下型部材9から
なる一対の上記成形型を非酸化性雰囲気に保つための成
形室、17はガラス塊5が置かれる雰囲気を大気雰囲気
から非酸化性雰囲気へ置換するために成形室16に隣接
して設置された置換室、18は成形された光学素子13
が置かれる雰囲気を非酸化性雰囲気から大気雰囲気へ置
換するために成形室16に隣接して設置された置換室、
また、19は置換室17と大気とを連絡する開閉口、2
0は置換室17と成形室16とを連絡する開閉口、21
は置換室18と成形室16とを連絡する開閉口、22は
置換室18と大気とを連絡する開閉口である。
【0036】また、図2には、本実施例における吸着搬
送装置の吸着圧力を変化するための、配管回路が示させ
ている。図2において、30は吸着搬送装置の吸着部で
あり、31は吸着用の負圧を発生するためのロータリー
式の真空ポンプであり、32は真空ポンプ31で発生し
た負圧を吸着搬送装置の吸着部30に供給するための開
閉弁であり、33は吸着部内の圧力を増加させるための
窒素ガスの供給部であり、34は窒素ガスの供給部33
から供給された窒素ガスを吸着搬送装置の吸着部30に
供給するための開閉弁であり、35は吸着搬送装置の吸
着部30の吸着圧力を読むための圧力計である。
【0037】上記構成の光学素子の成形装置を用いて、
次にその光学素子の成形方法を以下説明する。ここで
は、先ず、ガラス材料を白金溶融るつぼ1の中に投入
し、白金溶融るつぼ1の周囲に配置されたるつぼ加熱用
ヒータ3を用いて加熱し、ガラス材料を溶融し溶融光学
ガラス2を得る。溶融光学ガラス2は、白金溶融るつぼ
1の下方に設置された流出ノルズ4の先端から液滴状に
なって流出する。
【0038】この場合、予め、受け型6を流出ノズル4
の直下に待機させた状態で、流出ノズル4の先端から液
滴状になって流出する溶融光学ガラス2を、上述の受け
型6に受け、受け型6に受けた溶融光学ガラス2の重量
が所望の重さに達した時、受け型6を支持している昇降
棒7を下方に移動させ、受け型6を下降することによ
り、溶融光学ガラス2をくびれさせることにより切断
し、シャーマークの無い高温で軟化状態のガラス塊5を
得る。高温軟化状態のガラス塊5を載せた受け型6は、
更に、置換室17に隣接する位置まで下降する。
【0039】次いで、置換室17の開閉口19を開け、
置換室17の内部を大気雰囲気にする。高温で軟化状態
のガラス塊5を載せた受け型6を、適宜な搬送装置(図
示せず)を用いて、置換室内に搬送し、置換室内の所要
箇所に載置する。この搬送装置は、その後、置換室17
の外へ退出し、開閉口19が閉じられ、置換室17は気
密に保たれる。そして、置換室17内の雰囲気を非酸化
性ガス雰囲気へ置換する。
【0040】大気雰囲気から非酸化性ガス雰囲気へと置
換された状態で、高温軟化状態のガラス塊5は、成形室
16内に設置された吸着搬送装置14の吸着部に吸着さ
れて、その状態で、置換室17内の受け型6の上から持
ち上げられ、成形室16内の下型9の上へと搬送され
る。すなわち、受け型6の上に載せられた高温軟化状態
のガラス塊5に、吸着搬送装置14の吸着部を上方から
接近させ、ガラス塊5に近接した状態にする。その状態
で、吸着部の圧力を低下させることにより、高温軟化状
態のガラス塊5を吸着搬送装置14の吸着部に吸着す
る。
【0041】高温軟化状態のガラス塊5を吸着部に吸着
した後、吸着圧力を弱くする。ガラス塊で吸着部が塞が
れた状態では、弱い吸着圧力でも、ガラス塊5を吸着し
た状態が維持されるから、ガラス塊に変形を与えること
なく、下型部材9の上方に吸着搬送装置14の吸着部を
移動させることができる。その位置で、吸着部の圧力を
正圧になるまで加圧し、吸着部に吸着していた高温軟化
状態のガラス塊5を下型部材9の上に落下させる。
【0042】なお、ガラス塊5を下型部材9の上に搬送
した後、直ちに、開閉口20が閉じられ、次に、開閉口
19が開けられ、置換室17内が大気雰囲気となる。そ
して、置換室17の中に載置されている受け型6は、搬
送装置(図示せず)により外部大気中へと搬出される。
【0043】その後、下型部材9の上に載置された軟化
状態のガラス塊5を、直ちに、上型部材8でプレス成形
することにより、所要形状に成形された光学素子13を
得ることができる。この成形された光学素子13は、搬
送装置15を用いて、下型部材9の上から搬出される。
【0044】この時、置換室18の内部は、真空置換法
により、予め、非酸化性雰囲気に置換されており、開閉
口21は開けられている。下型部材9の上から搬出され
た成形済みの光学素子13は、開閉口21を通って置換
室18へと搬送され、置換室18の中に載置される。そ
の後、置換室18の開閉口21が閉じられ、続いて、開
閉口22が開けられ、置換室18内は大気雰囲気にな
る。そして、搬送装置(図示せず)を用いて、置換室1
8内に載置された光学素子13を、開閉口22を通って
大気中へと搬出するのである。
【0045】なお、成形された光学素子13を外部大気
中へと搬出した後、直ちに、開閉口22を閉じ、排気口
(図示せず)から置換室18の内部の大気を排気し、真
空状態にまで減圧した後、排気を終了し、非酸化性ガス
供給口(図示せず)から非酸化性ガスを成形室18の中
に供給し、成形室18を非酸化性雰囲気へ置換する。こ
の発明での光学素子の成形は、実際には連続的に行われ
る。
【0046】続いて、本発明に係わる光学素子の成形方
法を、より具体的な実施例で説明する。本発明で用いた
光学ガラスは、屈折率nd =1.58、アッベ数νd
60の光学特性を持つガラスであり、この光学ガラスの
ガラス転移点温度は500℃である。また、本実施例で
得た光学素子は、直径:14mm、中心肉厚:5.5m
m、光学面の曲率半径:10mmおよび13mmの両凸
形状レンズであり、その重量は1.5gである。
【0047】白金溶融るつぼ1内の溶融ガラス2は、る
つぼ加熱用ヒータ3により1200℃に加熱されてい
る。そして、流出ノズル4の温度を1050℃に保持す
ることにより、流出ノズル4から溶融ガラス2を液滴状
に流出することができる。この液滴状に流出した溶融ガ
ラス2の温度は1000℃であった。
【0048】受け型6は、カーボン系の材料により作ら
れており、ガラス受け面は凹形状で、半径:10mmの
球面に加工されている。また、溶融ガラス2を受ける前
に、受け型6はヒータ(図示せず)により600℃に加
熱されている。
【0049】流出ノズル4から液滴状に流出する溶融ガ
ラス2を、事前に600℃に加熱された受け型6で受
け、溶融ガラス2の重量が1.5gに達した後、直ち
に、受け型6を下方に下降させ、溶融ガラス2を引き伸
ばすことにより切断し、シャーマークの無い高温軟化状
態のガラス塊5を得た。この高温軟化状態のガラス塊5
を載せた受け型6を、直ちに、置換室17の中へ搬入し
た。なお、以上説明した、ガラスを溶融する工程、ガラ
スを流出する工程、ガラス塊を受ける工程は、全て大気
中で行われた。
【0050】続いて、置換室17において、大気雰囲気
から非酸化性雰囲気への置換が行われる。なお、本実施
例では、非酸化性雰囲気として窒素雰囲気が使われた。
置換工程が終了した時点における、ガラス塊5の温度は
680℃であった。
【0051】置換室17の置換が終了した後、ただちに
開閉口20が開き、成形室16の内部に待機していた吸
着搬送装置14が、開閉口20を通って置換室17の内
部に入ってくる。置換室17の内部に入った吸着搬送装
置14は下降し、置換室17の内部に置かれた受け型6
の上方に到り、吸着搬送装置14の吸着部30は、その
受け型の上に載せられた高温軟化状態のガラス塊5の上
方0.3mmの位置で停止した。この吸着直前の状態に
おいて、ガラス塊5の温度は660℃であり、この状態
のガラスの粘度は106.6 dPa・sであった。一方、
この時、吸着部30は、その内部に設置されたヒータ
(不図示)により550℃に加熱されている。
【0052】この状態で、負圧供給用の開閉弁32を開
け、吸着部30の内部を減圧状態にし、ガラス塊5を吸
着部30に吸着させた。図3は、ガラス塊5を吸着した
状態の吸着部30を説明する図であり、36は吸着部3
0を構成する円環部材である。ガラス塊5を吸着部30
に吸着した状態において、ガラス塊5の温度が高く、粘
度が低いので、ガラス塊5と円環部材36が密着した状
態で接触し、吸着部30の内部および図2で説明した配
管系の内部は、気密状態に保たれる。
【0053】ガラス塊5を吸着部30に吸着し、吸着部
30の内部の吸着圧力が絶対圧力で20000Paまで
減少した後、負圧供給用の開閉弁32を閉じた。この状
態においても、吸着部30の内部は気密に保たれている
ので、吸着部30の内部の吸着圧力が絶対圧力で200
00Paに保たれている。吸着開始から1秒経過するま
で、この状態のまま保持した後、窒素ガス供給開閉弁3
4を開け、吸着部30の内部に窒素ガスを供給し、吸着
部30の内部の圧力を高め、窒素ガス供給開始から2秒
後に、吸着部30の内部の圧力が絶対圧力で80000
Paまで上昇した時点で、窒素ガス供給開閉弁34を閉
じ、その後、吸着部30の内部の圧力が絶対圧力で80
000Paに保った状態で、ガラス塊5を吸着部30に
吸着し続けた。
【0054】一方、吸着搬送装置14は、ガラス塊5を
吸着して1秒経過した時点から、ガラス塊5を吸着部3
0に吸着した状態で、置換室17の内部の受け型6の上
から、成形室16の内部の下型部材9の上へと移動を開
始し、移動開始後から5秒後に、下型部材9の上方1m
mの位置にガラス塊5を吸着した吸着部30が到着し
た。
【0055】下型部材9の上方に吸着部30が到着し、
1秒が経過した後、窒素ガス供給開閉弁34を開け、吸
着部30の内部の圧力を上昇した。吸着部30の内部の
圧力が120000Paに達した時、吸着部30に吸着
していた高温軟化状態のガラス塊5は、吸着部30から
落下し、下型部材9の上に載せられた。この時のガラス
塊5の温度は645℃であり、この状態のガラスの粘度
は107.0 dPa・sであった。
【0056】本実施例における高温軟化状態のガラス塊
5を吸着した状態における、吸着部30の内部の吸着圧
力の変化および負圧供給用の開閉弁32の開閉タイミン
グおよび窒素ガス供給用の開閉弁34の開閉タイミング
は、図4に示されている。ここでは、成形室16の内部
の圧力は、絶対圧力で110000Paに保たれてい
る。
【0057】図5は、本実施例による吸着搬送が終了
し、下型部材の上に載せられたガラス塊5の形状を説明
する図であり、ガラス塊5の上面の最外周部に、吸着部
30を構成する円環部材36との接触により発生した僅
かの凹みがあるのみであり、プレス成形して得た光学素
子に欠陥が発生するような大きな変形をガラス塊5に発
生していないことがわかる。
【0058】このようにして、高温軟化状態のガラス塊
5は、上下一対の型部材からなる成形型の、その下型部
材9の上に置かれた。なお、ここで、上型部材8および
下型部材9の材質は超硬合金であり、光学面成形面は凹
形状に、上型部材8は半径:10mm、下型部材9は半
径:13mmに、それぞれ研磨されており、その表面に
はダイヤモンド状カーボン膜がコーティングされてい
る。
【0059】これら上型部材8および下型部材9は、5
30℃に加熱保持されている。また、下型部材9の上に
載せられたガラス塊5のプレス成形直前の温度は640
℃であった。そして、2000Nの力でガラス塊5をプ
レス成形したところ、5秒でプレス成形は終了し、所要
の光学素子13が得られた。その後、20秒間、光学素
子13を上型部材8と下型部材9に密着させた状態で保
持し、光学素子13内の温度分布にバラツキが無くなっ
た後、上型部材8を上昇し、型開きした。次いで、成形
された光学素子13を置換室18へ搬送し、開閉口22
から大気中へ搬出した。
【0060】上述の実施例による光学素子の成形は、6
0秒タクトで連続的に行われる。そして、得られた光学
素子は、外観上の欠陥も無く、光学面の面精度も優れた
ものであった。このような本実施例に特有の効果として
は、溶融ガラスから光学素子を得るのに連続性が保た
れ、一貫生産であるから、材料コストを安くできる点、
ガラス塊を加熱するプロセスが無いので、加熱に要する
コストを削減できる点、プレスできる高温のガラス塊
を、直接、成形型に供給することができるので、成形タ
クトタイムが短くなり、生産コストを安くできる点、高
温軟化状態のガラス塊を、吸着による変形をもたらすこ
となく、しかも、確実に吸着できる点、および、成形し
て得られた光学素子には外観上の欠陥が無い点、などが
挙げられる。 (第2の実施例)図6は、本発明の第2の実施例を説明
するための、装置の概略断面図である。同図において、
5はガラス塊、8は光学素子成形用の上型部材、9は光
学素子成形用の下型部材、10は上型部材8および下型
部材9を、同心上に擦動案内するスリーブ状の胴型、1
1はプレス成形用の油圧シリンダ、12は上型部材8と
油圧シリンダ11を連結するプレス軸、13はガラス塊
5を上型部材8と下型部材9によりプレス成形すること
で、得られる光学素子、14はガラス塊5を下型部材9
の上に搬入するための、吸着圧力を数段階に連続的・段
階的に変化できる吸着搬送装置、15は上型部材8と下
型部材9によりプレス成形して得られた光学素子13を
搬出するための搬送装置である。
【0061】また、16は上型部材8と下型部材9とか
らなる一対の成形型を、非酸化性雰囲気に保つための成
形室、17はガラス塊5の置かれる雰囲気を、大気雰囲
気から非酸化性雰囲気へ置換するために、成形室16に
隣接して設置された置換室、18は成形された光学素子
13の置かれる雰囲気を、非酸化性雰囲気から大気雰囲
気へ置換するために、成形室16に隣接して設置された
置換室である。
【0062】なお、19は置換室17と大気とを連絡す
る開閉口、20は置換室17と成形室16とを連絡する
開閉口、21は置換室18と成形室16とを連絡する開
閉口、22は置換室18と大気とを連絡する開閉口であ
る。
【0063】また、41は置換室17内に置かれたガラ
ス塊5を成形室16内に搬送するための吸着搬送装置、
42は成形室16内に搬送されたガラス塊5をプレス成
形可能な温度まで加熱する工程中に置くための加熱台、
43は成形室16内に搬送されたガラス塊5をプレス成
形可能な温度まで加熱するための加熱装置である。
【0064】図7には、本実施例における吸着搬送装置
14の吸着圧力を変化するための、配管回路が示されて
おり、ここで、30は吸着搬送装置14の吸着部、31
は吸着用の負圧を発生するためのロータリー式の真空ポ
ンプ、32は真空ポンプ31で発生した負圧を吸着搬送
装置14の吸着部30に供給するための開閉弁、37は
吸着部30の内部を排気するための排気ポンプであり、
この排気ポンプ37の排気量は真空ポンプ31の排気量
に比べて小さい。
【0065】また、38は排気ポンプ37と吸着部30
を連絡するための開閉弁、33は吸着部内の圧力を増加
させるための窒素ガスの供給部、34は供給部33から
供給された窒素ガスを吸着部30に供給するための開閉
弁、35は吸着部30の吸着圧力を読むための圧力計で
ある。
【0066】上記構成の光学素子成形装置を用いて実施
した本発明の光学素子の成形方法を以下に説明する。ま
ず、ガラス塊5を用意する。ガラス塊5としては、溶融
ガラス流をシャーマークを発生することなく切断して得
た、外観上の欠陥の無いガラスゴブを採用することが、
コストの点から最も望ましいが、生産する光学素子の数
量が少ない場合には、予備成形されたガラス塊を研削研
磨して得たものでも良い。この常温のガラス塊5を、置
換室17の開閉口19に隣接する位置に置く。
【0067】そして、置換室17の開閉口19を開け、
置換室17の内部を大気雰囲気にする。吸着搬送装置
(図示せず)を用いて、常温のガラス塊5を置換室17
内に搬送し、置換室17内の所要箇所に載置する。次
に、上記吸着搬送装置は、置換室17の外へ退出し、開
閉口19が閉じられ、置換室17は気密に保たれる。
【0068】置換室17内の雰囲気を非酸化性ガス雰囲
気へ置換した後、開閉口20を開ける。そして、大気雰
囲気から非酸化性ガス雰囲気へと置換された置換室での
常温のガラス塊5は、成形室16内に設置された吸着搬
送装置41により、その吸着部に吸着された状態で、置
換室17内から、成形室16内の加熱台42へ搬送され
る。
【0069】加熱台42の上に置かれた常温のガラス塊
5は、加熱台42の上方に設置された加熱装置43によ
って、プレス成形可能な温度まで加熱される。加熱台4
2の上で加熱された軟化状態のガラス塊5は、成形室1
6内に設置された吸着搬送装置14の吸着部に吸着され
た状態で、成形室16内の加熱台42の上から下型9の
上に搬送される。
【0070】ここでは、加熱台42の上に載せられた高
温軟化状態のガラス塊5に、吸着搬送装置14の吸着部
を上方から接近させ、ガラス塊5に近接した状態にし
て、その状態で、吸着部の圧力を低下させることによ
り、高温軟化状態のガラス塊5を吸着搬送装置14の吸
着部に吸着する。そして、高温軟化状態のガラス塊5を
吸着部に吸着した後、吸着圧力を弱くする。弱い吸着圧
力でガラス塊5を吸着した状態で、上下一対の型部材か
らなる成形型の、その下型部材9の上方に吸着搬送装置
14の吸着部を移動させる。その位置で、吸着部の圧力
を正圧になるまで加圧し、吸着部に吸着していた高温軟
化状態のガラス塊5を下型部材9の上に落下させる。
【0071】その後、下型部材9の上に載置された軟化
状態のガラス塊5を、直ちに、上型部材8でプレス成形
することにより、所要形状に成形された光学素子13を
得る。そして、光学素子13は、搬送装置15により、
下型部材9の上から搬出される。この時、置換室18の
内部は、真空置換法により、予め、非酸化性雰囲気に置
換されており、開閉口21は開けられている。下型部材
9の上から搬出された光学素子13は、開閉口21を通
って置換室18へと搬送され、置換室18の中に載置さ
れる。その後、置換室18の開閉口21は閉じられ、続
いて、開閉口22が開けられ、置換室18内は大気雰囲
気になる。そして、搬送装置(図示せず)を用いて、置
換室18内に載置された成形光学素子13を、開閉口2
2を通して、大気中へと搬出する。
【0072】なお、成形された光学素子13を大気へと
搬出した後は、直ちに、開閉口22を閉じ、排気口(図
示せず)から置換室18の内部の大気を排気し、真空状
態にまで減圧した後、排気を終了し、非酸化性ガス供給
口(図示せず)から非酸化性ガスを成形室18の中に供
給し、成形室18を非酸化性雰囲気へ置換する。なお、
ここで説明した光学素子の成形は、実際には連続的に行
われる。
【0073】続いて、本実施例における光学素子の成形
方法を、以下に、より具体的に説明する。なお、本実施
例で用いた光学ガラスの種類およびレンズの形状は、第
1の実施例と同じである。また、ガラス塊5には、レン
ズ形状に近似した形状に研削研磨して得られたものを用
いた。
【0074】常温のガラス塊5は、大気中から置換室1
7へと搬送され、置換室17で大気雰囲気から非酸化性
雰囲気へと置換される。本実施例では、非酸化性雰囲気
として窒素雰囲気が使われた。置換工程終了後、開閉口
20が開き、置換室17内に置かれていたガラス塊5
は、吸着搬送装置41に吸着された状態で、加熱台42
へと搬送される。この工程までのガラス塊5の温度は常
温であるから、これらの吸着方法は、通常の吸着方法で
採用される、真空状態まで減圧して吸着する方法を用い
た。
【0075】加熱台42の上に置かれたガラス塊5は、
加熱台42の上方に設置された加熱装置43によって、
プレス成形可能な温度まで加熱される。本実施例では、
加熱台42は、カーボン系の材料により作られており、
内蔵するヒータにより、常時550℃に加熱保持されて
いる。加熱装置43は、ハロゲンランプの周囲に回転楕
円体形状の反射鏡を有する構造をしており、ハロゲンラ
ンプから発光された赤外光をガラス塊5に集光すること
ができる。本実施例では、ハロゲンランプの出力は50
0Wであり、550℃に保持されている加熱台42の上
に載せられた常温のガラス塊5は、加熱装置43のハロ
ゲンランプにより加熱され、加熱開始から40秒後に6
20℃に達した。
【0076】ガラス塊5の温度が620℃に達した時点
で、加熱装置43による加熱を終了した。続いて、この
加熱台42の上で加熱軟化されたガラス塊5は、吸着圧
力を数段階に連続的・段階的に変化できる吸着搬送装置
14の吸着部30に吸着して、下型部材9の上に搬送さ
れる。
【0077】そして、吸着部30は、加熱台42の上
の、高温軟化状態のガラス塊5の上方0.3mmの位置
に停止した。この吸着直前の状態において、ガラス塊5
の温度は615℃であり、この状態のガラスの粘度は1
7.9 dPa・sであった。一方、この時、吸着部30
は、その内部に設置されたヒータ(図示せず)により、
550℃に加熱されている。この状態で、負圧供給用の
開閉弁32を開け、吸着部30の内部を減圧状態にし、
ガラス塊5を吸着部30に吸着させた。なお、本実施例
では、ガラス塊5を吸着部30に吸着した状態におい
て、ガラス塊5の粘度がやや高く、ガラス塊5と吸着部
30の間に微小な隙間が発生するので、吸着部30の内
部、および、図7で説明した配管系の内部は、気密状態
にならない。
【0078】そして、ガラス塊5を吸着部30に吸着し
た状態を4秒間続けた。この間に、吸着部30の内部の
吸着圧力は絶対圧力で30000Paに達した。その
後、開閉弁38を開け、排気ポンプ37による吸着部3
0の排気を開始すると同時に、開閉弁32を閉じ、真空
ポンプ31による吸着部30の内部の減圧を終了した。
吸着部30の内部は気密状態に保たれておらず、かつ、
排気ポンプ37の排気に変わり、吸着部30の内部の排
気能力が落ちたため、吸着部30の内部の吸着圧力が徐
々に上り、排気ポンプ37による排気を開始してから4
秒後には、吸着部30の内部の吸着圧力が絶対圧力で8
0000Paまで上昇した。
【0079】一方、吸着搬送装置14は、ガラス塊5を
吸着して1秒経過した時点から、ガラス塊5を吸着部3
0に吸着した状態で、加熱台42の上から、光学素子成
形用の下型部材9の上へと移動を開始し、移動開始後か
ら6秒後に下型部材9の上方1mmの位置に、ガラス塊
5を吸着した吸着部30が到着した。
【0080】下型部材9の上方に吸着部30が到着し、
1秒が経過した後、窒素ガス供給開閉弁34を開け、吸
着部30の内部の圧力を上昇した。吸着部30の内部の
圧力が120000Paに達した時、吸着部30に吸着
していた高温軟化状態のガラス塊5は、吸着部30から
落下し、下型部材9の上に載せられた。この時のガラス
塊5の温度は608℃であり、この状態のガラスの粘度
は108.1 dPa・sであった。
【0081】本実施例における高温軟化状態のガラス塊
5を吸着した状態における、吸着部30の内部の吸着圧
力の変化および負圧供給用の開閉弁32および開閉弁3
8の開閉タイミングおよび窒素ガス供給用の開閉弁34
の開閉タイミングは、図8に示されている。なお、成形
室16の内部の圧力は、絶対圧力で110000Paに
保たれている。
【0082】このようにして、高温軟化状態のガラス塊
5は、上下一対の型部材からなる成形型の、その下型部
材9の上に置かれた。上型部材8および下型部材9の材
質は超硬合金であり、光学面成形面は凹形状に、上型部
材8は半径:10mm、下型部材9は半径:13mmに
研磨されており、その表面にはダイヤモンド状カーボン
膜がコーティングされている。
【0083】これら上型部材8および下型部材9は、5
70℃に加熱保持されている。下型部材9の上に載せら
れたガラス塊5の、プレス成形直前の温度は600℃で
あった。そして、5000Nの力でガラス塊5をプレス
成形し、光学素子13を得た。その後、成形された光学
素子13を上型部材8と下型部材9に密着させた状態で
保持し、冷却した。上型部材8および下型部材9の温度
が520℃になった後、上型部材8を上昇し、型開きし
た。次いで、得られた光学素子13を置換室18へ搬送
し、開閉口22から大気中へ搬出した。
【0084】本実施例により得られた光学素子は、外観
上の欠陥も無く、光学面の面精度も優れたものであっ
た。なお、本実施例の特有の効果としては、短い時間で
プレスできる高温のガラス塊を成形型に供給することが
できるから成形タクトタイムが短くなり、生産コストを
安くできる点、高温軟化状態のガラス塊を、吸着による
変形が少ない状態で、確実に吸着できる点、成形して得
られた光学素子には外観上の欠陥が無い点、などが挙げ
られる。 (第3の実施例)図9は、本発明の第3の実施例を説明
するための、装置の概略断面図である。同図において、
1は白金溶融るつぼ、2は白金溶融るつぼ1の内部で溶
融されている溶融ガラス、3は白金溶融るつぼ1の周囲
に設置されたるつぼ加熱用ヒータ、4は白金溶融るつぼ
1内で溶融された溶融ガラス2を流出するための流出ノ
ズル、5は流出ノズル4から流出した溶融ガラス2から
得られた高温軟化状態のガラス塊、6は高温軟化状態の
ガラス塊5を受けるための受け型、7は受け型を昇降す
るための昇降棒である。8は光学素子成形用の上型部
材、9は光学素子成形用の下型部材、10は上型部材8
および下型部材9を同心上に擦動案内するスリーブ状の
胴型、11はプレス成形用の油圧シリンダ、12は上型
部材8と油圧シリンダ11を連結するプレス軸、13は
ガラス塊5を上型部材8と下型部材9とによりプレス成
形することで得られる成形光学素子、14はガラス塊5
を下型部材9の上に搬入するための、吸着圧力を数段階
に連続的・段階的に変化できる吸着搬送装置、15は上
型部材8と下型部材9によりプレス成形して得られた成
形光学素子13を搬出するための搬送装置である。な
お、本実施例では、一連の装置は大気中に設置されてい
る。
【0085】また、本実施例における吸着搬送装置14
の吸着圧力を変化するための配管回路は、第1の実施例
で説明したものと同様であり、吸着部内の圧力を増加さ
せるために、第1の実施例の窒素ガスに代わり、圧縮空
気を用いている。
【0086】上記構成の光学素子の成形装置を用いて、
実施した光学素子の成形方法を以下に説明する。第1の
実施例で説明したのと同様の方法により、受け型6の上
にシャーマークの無い、高温軟化状態のガラス塊5を得
て後、、受け型6を下降する。そして、所定位置まで下
降した受け型6の上の高温軟化状態のガラス塊5は、吸
着圧力を数段階に連続的・段階的に変化できる吸着搬送
装置14の吸着部に吸着された状態で、受け型6の上か
ら、下型部材9の上に搬送される。
【0087】この吸着中の吸着圧力の変化は、第1の実
施例で説明したのと同様である。そして、下型部材9の
上に置かれた高温軟化状態のガラス塊5を、ただちに、
上型部材8でプレス成形することにより、光学素子13
を得る。その後、成形された光学素子13は、搬送装置
15を用いて下型9の上から搬出される。なお、ここで
説明した光学素子の成形は、実際には連続的に行われ
る。
【0088】続いて、本実施例における光学素子の成形
方法をより具体的に説明する。なお、本実施例で用いた
光学ガラスの種類およびレンズの形状は第1の実施例と
同じである。また、溶融ガラスを流出する工程は、第1
の実施例の場合と同じである。
【0089】受け型6は、カーボン系の材料で作られて
おり、ヒータ(図示せず)により、400℃に加熱され
ている。また、第1の実施例と同様の方法により、受け
型6の上に所定重量の、高温軟化状態のガラス塊5を得
た。この高温軟化状態のガラス塊5を載せた受け型6
は、所定の位置まで下降して停止した。この時のガラス
塊5の温度は700℃であった。
【0090】続いて、この受け型6の上の高温軟化状態
のガラス塊5を、吸着圧力を数段階に連続的に変化でき
る吸着搬送装置14の吸着部30に吸着して、下型部材
9の上に搬送する。なお、吸着搬送中の吸着圧力の変化
とそのタイミングおよび搬送のタイミクングは、第1の
実施例の場合と同様である。
【0091】また、本実施例では、吸着搬送装置14の
吸着部30は、その内部に設けられたヒータ(図示せ
ず)により450℃に加熱されている。吸着直前の状態
において、ガラス塊5の温度は680℃であり、この状
態のガラスの粘度は106.1 dPa・sであった。ま
た、吸着搬送を終了して下型部材9の上に載せられたガ
ラス塊5の温度は630℃であり、この状態のガラスの
粘度は107.4 dPa・sであった。
【0092】このようにして、高温軟化状態のガラス塊
5は、上下一対の型部材からなる成形型の、その下型部
材9の上に置かれた。なお、上型部材8および下型部材
9の材質は超硬合金であり、光学面成形面は凹形状に、
上型部材8は半径:10mm、下型部材9は半径:13
mmに研磨されており、その表面には白金系の膜がコー
ティングされている。これら上型部材8および下型部材
9は、540℃に加熱保持されている。下型部材9の上
に載せられたガラス塊5のプレス成形直前の温度は62
0℃であった。その後、2000Nの力でガラス塊5を
プレス成形したところ、10秒でプレス成形が終了し、
光学素子13が得られた。その後の20秒間、成形され
た光学素子13は上型部材8と下型部材9とに密着され
た状態で保持される。そして、光学素子13内の温度分
布のバラツキが無くなった後で、上型部材8を上昇し、
型開きした。このようにして、本実施例による光学素子
の成形は、60秒タクトで連続的に行われた。
【0093】本実施例により得られた光学素子は、外観
上の欠陥も無く、光学面の面精度も優れたものであっ
た。なお、本実施例に特有の効果としては、溶融光学ガ
ラスから光学素子を得るまでを連続的に行う、一貫生産
であるから、材料コストを安くできる点、大気中で成形
を行うから成形室および置換室が不要で、装置コストが
安くなる点、ガラス塊を加熱するプロセスが無いので、
加熱に要するコストを削減できる点、プレスできる高温
のガラス塊を直接、成形型に供給することができるの
で、成形タクトタイムが短くなり、生産コストを安くで
きる点、高温軟化状態のガラス塊を、吸着による変形が
少ない状態で、確実に吸着できる点、および、成形して
得られた光学素子には外観上の欠陥が無い点、などが挙
げられる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温軟化状態のガラス塊を吸着搬送装置の吸着部に吸着
し、上下一対の型部材からなる成形型へ搬送し、上下型
部材の間に配置したガラス塊をプレス成形し、光学素子
を得る成形方法において、ただちにプレス成形できる高
温軟化状態のガラス塊を吸着した状態で、成形型内へ搬
送する際に、プレス成形して得た光学素子に欠陥が発生
するような、大きな変形を高温軟化状態のガラス塊に与
えることなく吸着することにより、成形品の良品率を高
め、また、成形後に成形光学素子の外周部の欠陥を研削
除去する後工程を短縮することにより、生産コストを下
げることができる。
【0095】また、本発明によれば、高温軟化状態のガ
ラス塊を吸着搬送装置の吸着部に吸着し、上下一対の型
部材からなる成形型へ搬送し、上下型部材の間に配置し
たガラス塊をプレス成形し、光学素子を得る成形装置に
おいて、ただちにプレス成形できる高温軟化状態のガラ
ス塊を吸着した状態で成形型内へ搬送する際に、プレス
成形して得た光学素子に欠陥が発生するような、大きな
変形を高温軟化状態のガラス塊に与えることなく吸着す
ることができるような制御手段を備えることで、上述の
成形方法を実現できる。
【0096】なお、本発明の実施の態様で明らかにした
ように、更に、材料コストを低減し、生産コストを下
げ、あるいは、成形時間を短くすることにより、さらに
生産コストを下げ、または、より確実にガラス塊を吸着
することにより、装置の稼働率を高め、また、吸着によ
るガラス塊の変形を、より少なくすることにより、更に
良品率を高めるなどの優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る光学素子成形方法
において用いる成形装置の構成を説明するための装置の
概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る光学素子成形方法
において用いる吸着装置の配管を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る光学素子成形方法
における高温軟化状態のガラス塊を吸着している状態を
示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る光学素子成形方法
における吸着圧力の変化を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る光学素子成形方法
において吸着搬送された高温軟化状態のガラス塊の断面
形状を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る光学素子成形方法
において用いる成形装置の構成を説明するための装置の
概略断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る光学素子成形方法
において用いる吸着装置の配管を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る光学素子成形方法
における吸着圧力の変化を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係る光学素子成形方法
において用いる成形装置の構成を説明するための装置の
概略断面図である。
【図10】従来例における高温軟化状態のガラス塊を吸
着している状態を示す図である。
【図11】従来例における吸着された高温軟化状態のガ
ラス塊の断面形状を示す図である。
【符号の説明】
1 白金溶融るつぼ 2 溶融ガラス 3 加熱用ヒータ 4 流出ノズル 5 ガラス塊 6 受け型 7 昇降棒 8 上型部材 9 下型部材 10 プレス軸 11 油圧シリンダ 12 プレス軸 13 光学素子 14 吸着搬送装置 15 搬送装置 16 成形室 17、18 置換室 19〜22 開閉口 30 吸着部 31 真空ポンプ 32 開閉弁 33 供給部 34 開閉弁 35 圧力計 37 排気ポンプ 38 開閉弁 41 吸着搬送装置 42 加熱台 43 加熱装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 余語 瑞和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温軟化状態のガラス塊を吸着搬送装置
    の吸着部に吸着し、上下一対の型部材からなる成形型へ
    搬送し、上下型部材の間に配置した上記ガラス塊をプレ
    ス成形し、光学素子を得る成形方法において、 吸着部の圧力を低下させることで吸着部の先端に軟化状
    態のガラス塊を吸着させる吸着搬送装置が、ガラス塊を
    吸着した状態で、吸着圧力を数段階に連続的・段階的に
    変化するように、吸着初期の吸着圧力を強く、それ以降
    の吸着圧力を弱くする吸着方法で制御され、軟化ガラス
    塊を吸着し、成形型へ搬送することを特徴とする光学素
    子の成形方法。
  2. 【請求項2】 高温軟化状態のガラス塊を吸着搬送装置
    の吸着部に吸着し、上下一対の型部材からなる成形型へ
    搬送し、上下型部材の間に配置した上記ガラス塊をプレ
    ス成形し、光学素子を得る成形装置において、 吸着部の圧力を低下させることで吸着部の先端に軟化状
    態のガラス塊を吸着させる吸着搬送装置が、ガラス塊を
    吸着した状態で、吸着圧力を数段階に連続的・段階的に
    変化するように制御する制御手段を具備することを特徴
    とする光学素子の成形装置。
  3. 【請求項3】 上記の高温軟化状態のガラス塊は、溶融
    るつぼ内部で溶融した光学ガラスをノズルから流出し、
    所定量の溶融ガラスを受け型に受けて得た高温軟化状態
    のガラス塊であることを特徴とする請求項1に記載の光
    学素子の成形方法。
  4. 【請求項4】 上記の高温軟化状態のガラス塊は、所定
    量の光学ガラス塊を加熱装置を用いて加熱軟化させて得
    た高温軟化状態のガラス塊であることを特徴とする請求
    項1に記載の光学素子の成形方法。
  5. 【請求項5】 上記の高温軟化状態のガラス塊の粘度
    は、吸着を開始する時点で、105 dPa・s以上10
    9 dPa・s以下の範囲内にあり、搬送に伴う吸着が終
    了する時点で、ガラス塊の粘度が106 dPa・s以上
    1010dPa・s以下の範囲内にあることを特徴とする
    請求項1に記載の光学素子の成形方法。
  6. 【請求項6】 上記の高温軟化状態のガラス塊を吸着す
    る時の初期の吸着力は、絶対圧力で60000Pa以下
    であり、初期の吸着圧力で高温軟化状態のガラスを吸着
    している時間は、10秒以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の光学素子の成形方法。
JP20068794A 1994-08-25 1994-08-25 光学素子の成形方法及び装置 Pending JPH0859255A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108609838A (zh) * 2018-08-09 2018-10-02 湖北扬子江光电仪器有限公司 一种光学玻璃元件精密压型软化炉以及光学玻璃元件生产***
US20220055938A1 (en) * 2018-12-28 2022-02-24 Füller Glastechnologie Vertriebs-Gmbh Device for holding a glass preform

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