JPH085917B2 - 新規な蛋白質およびその製法 - Google Patents

新規な蛋白質およびその製法

Info

Publication number
JPH085917B2
JPH085917B2 JP20909186A JP20909186A JPH085917B2 JP H085917 B2 JPH085917 B2 JP H085917B2 JP 20909186 A JP20909186 A JP 20909186A JP 20909186 A JP20909186 A JP 20909186A JP H085917 B2 JPH085917 B2 JP H085917B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
cells
antibody
ige
culture supernatant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20909186A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6399099A (ja
Inventor
淳司 淀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP20909186A priority Critical patent/JPH085917B2/ja
Priority to EP19870106265 priority patent/EP0248211B1/en
Priority to DE8787106265T priority patent/DE3777245D1/de
Publication of JPS6399099A publication Critical patent/JPS6399099A/ja
Publication of JPH085917B2 publication Critical patent/JPH085917B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/7056Lectin superfamily, e.g. CD23, CD72
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規な蛋白質およびその製法に関し、得ら
れた蛋白質は、ヒトIgE結合因子またはヒトFcεレセプ
ター(以下、レセプターをRと略記)蛋白をコードする
遺伝情報を単離するために用いられる。
(従来の技術) ヒトIgEはアレルギー反応を担う免疫グロブリンであ
り、高IgE血症として、気管支ぜん息、アレルギー性鼻
炎、非アレルギー性の木村氏病、その他の肺疾患に関連
するもの、自己免疫疾患に関するものなどがあり、臨床
上大きな問題となつている。免疫グロブリンは、抗原結
合部位を形成するFab部分と対応するRと結合するFc部
分がある。肥満細胞にはFcεRが発現されており、IgE
が結合すると、ヒスタミン、セロトニン、SRS-A(スロ
ー リアクテイング サブスタンス オブ アナフイラ
キシー Slow Reacting Substance of Anaphylaxis)な
どの生理活性物質が放出され、その生理作用により発症
する。IgE産生調節に関与している物質が解明されるこ
とにより、アレルギーの治療薬、診断薬としての応用が
可能となる。
IgE産生調節にFcεRが関与していることは、石坂、
淀井らによつてラツトの系を用い、IgE結合因子がFcε
R陽性T細胞から産生されていることによつて示された
〔淀井、石坂:ジヤーナル・オブ・イムノロジイ(J.Yo
doi and K.Ishizaka:J.Immuol.,)124巻、1322頁、1980
年〕。
一方臨床的には、永井(T.Nagai)らによつて木村氏
病およびアトピー患者について、IgE-ORBCロゼツト法お
よびH107抗体を用いてFcεRの発現が調べられている。
その結果によると、正常人では、FcεR陽性率が1%以
下であるのに比べて、高IgE血症の患者では、10〜20%
の高値を示すことが明らかになつている〔永井他、クリ
ニカルイムノロジイ アンド イムノパソロジイ(T.Na
gai etal:Clin,Immunol,Immunopathol.,)35巻、261
頁、1985年〕。
したがつて、IgE結合因子を単離できれば、これを医
薬として用いることが期待されるが、IgE結合因子は微
量しか産生されず、しかも不純物との分離精製が極めて
困難であるため、現在ではまだ単離されていない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、IgE結合因子がFcε陽性細胞から産生
されることから、IgE結合因子はFcεRの一部であるか
もしくはFcεRと相同部分があるか、またはIgE結合因
子をコードする遺伝情報がFcεRをコードする遺伝情報
の近傍に存在することを予想した。かかる予想から、Fc
εR陽性細胞が産生する蛋白質のなかで、抗Fcεレセプ
ター抗体との反応性を有する蛋白質を得て、その構造を
明らかにすることができれば、これにもとづき遺伝子を
合成し、これをプローブとしてIgE結合因子またはFcε
R蛋白をコードする遺伝情報を単離できることが期待さ
れる。したがつて、本発明が解決すべき問題点は、抗Fc
εR抗体との反応性を有する構造の明らかな蛋白質を得
ることである。
(問題点を解決するための手段) かかる問題点は下記に示す本発明により解決される。
(i)分子量が25,000±2,000であり、等電点が5.4〜6.
0であり、ポリペプチド構造の一部がMet-Glu-Leu-Gln-V
al-Ser-Ser-Gly-Phe-Valで表わされるアミノ酸配列構造
を有し、かつ抗Fcεレセプター抗体との反応性を有する
蛋白質。
(ii)クラス特異的Fcεレセプターを表面に持つ細胞を
培養し、その培養上清から分離採取することを特徴とす
る、分子量が25,000±2,000であり、等電点が5.4〜6.0
であり、ポリペプチド構造の一部がMet-Glu-Leu-Gln-Va
l-Ser-Ser-Gly-Phe-Valで表わされるアミノ酸配列構造
を有し、かつ抗Fcεレセプター抗体との反応性を有する
蛋白質を製造する方法。
(なお、上記略号は下記のことを表わす。
Met:メチオニン、Glu:グルタミン酸、Leu:ロイシン、 Gln:グルタミン、Val:バリン、 Ser:セリン、 Gly:グリシン、 Phe:フエニールアラニン) 本発明の蛋白質は、クラス特異的FcεRを表面に持つ
細胞を培養し、その培養上清から得られるが、培養に用
いられる細胞としては、クラス特異的FcεRを表面に持
つヒトB細胞もしくはそのハイブリドドーマまたはヒト
悪性化B細胞、ヒトT細胞もしくはそのハイブリドーマ
またはヒト悪性化T細胞のいずれもが用いられる。ヒト
B細胞としては、RPMI8866〔サルフアチ等(Sarfati et
al)、イムノロジイ(Immunology)第53巻、第197頁、1
984年〕、RPMI1788(ATCCカタログNo.CCL156)などが挙
げられ、ヒトT細胞としては、F18-19-19〔ミクロバイ
オロジカル イムノロジイ(Microbiol.Immunol.)27
巻、10号、877〜891頁、1983年〕などが挙げられる。ま
た、一般的にヒト末梢血より得られるBリンパ球をIgE
存在下に培養することによりFcεRが誘導されることか
ら、かかる方法により得られる細胞も本発明において用
いられる。
これらの細胞を培養するのに用いられる培地として
は、例えば10%FCSを含むRPMI1640培地があげられ、こ
の培地を用いて上記の細胞を30〜38℃、好ましくは36〜
37℃で、pH4〜8好ましくはpH7〜8で、CO2濃度3〜10
%、好ましくは5〜7%で、1週間、細胞密度が1×10
4〜1×106個/ml程度までに培養する。これらの細胞
は、場合により無血清で培養することも可能であり、蛋
白質精製の点からは、無血清培地の方が有利である。培
養上清をそのままあるいは濃縮し、ゲルロ過や液体クロ
マトグラフイなどのクロマトグラフイ好ましくは抗Fcε
R抗体、更に望ましくは抗FcεR単クローン性抗体、例
えば特開昭60-255734号に示されるごとき単クローン性
抗体H107を用いたアフイニテイクロマトグラフイで処理
することにより分離できる。H107がFcεRに特異的に反
応する単クローン性抗体であることは上記公開特許明細
書に示されている。H107のごとき単クローン性抗体を用
いたアフイニテイクロマトグラフイで単離する場合、例
えば次の様に行うことができる。H107抗体を結合したセ
フアロース(Sepharose)4BカラムにFcεRを有する細
胞、例えば、RPMI8866の培養上清を通し、リン酸バツフ
アーで洗浄したのち、0.5MNaCl、0.1M酢酸水溶液(pH4.
0)で溜出する。溜出液を濃縮し、逆相高速液体クロマ
トグラフイで分離精製することができる。
このようにして分離精製された蛋白質のアミノ酸配列
を決定すべく、RPMI8866を大量に培養し、上清を上述し
た如く、H107抗体結合カラムで分離し、逆相高速液体ク
ロマトグラフイで精製したのち、エドマン分解法にて分
析した。分析は手動によることもできるが、微量の蛋白
質を精度よく分析するために気相法で行うことが好まし
い。例えばアプライド バイオシステムズ(Applied Bi
osystems)社製ガスフエーズ470Aシーケンサーおよび12
0APTHアナライザーを用いて分析した結果、1部のアミ
ノ酸配列はMet-Glu-Leu-Gln-Val-Ser-Ser-Gly-Phe-Val
であつた。この様なアミノ酸配列の蛋白質はこれまで報
告されておらず新規な蛋白質である。
蛋白質の分子量は例えばSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(以下、SDS-PAGEと略記)で25kd付近にバン
ドとして観察されることにより測定できる。分子量測定
のための標準蛋白質としては低分子量蛋白マーカー〔例
えばフアルマシア(Pharmacia)社 エレクトロホレイ
シス カリブレーシヨン(Electro-phoresis Calibrati
on)KIT〕を用いることができる。後述のごとく実施例
で得られた蛋白質の分子量は、SDS-PAGEの分子量測定の
精度を考慮して、25,000±2,000であることが確認され
ている。
また、分離された蛋白質の等電点をセレクテツド メ
ソツド イン セルラー イムノロジー(Selected Met
hods in Cellular Immunology)〔ミツシエル(B.B.Mis
hell)、シイギ(S.M.Shiigi)著、416頁、1980年、フ
リーマン・アンド・カンパニー(Freeman&Co.,)刊〕
によるNEPHGE2次元電気泳動法でPIマーカーとして、フ
アルマシア(Pharmacia)社 エレクトリツク フオカ
シング カリブレーシヨン(electric focusing calibr
ation)KIT中の蛋白を用い、pH3-10の範囲で測定するこ
とができる。本発明の蛋白質の等電点は、5.4〜6.0の範
囲にある。
つぎに、得られた蛋白質の性状を前記のH107抗体を用
いて調べたところ、本蛋白はRPMI8866へのH107抗体の結
合を阻害することが明らかになつた。RPMI8866細胞を、
1%FCSを含むRPMI1640培地で培養し、得られた培養上
清を濃縮し、H107抗体、ヒトイムノグロブリン、抗Tac
抗体を各々結合したセフアロース4Bカラムにそれぞれ通
し、通過液と125IラベルしたH107を混合する。次いで、
この混合液にRPMI8866細胞を加え、一定時間放置後、細
胞部分と上清を遠心によつて分離し、細胞部分と上清の
放射能活性をγカウンターで測定する。以上の様な操作
の結果H107抗体結合Sepharose4Bカラムを通過した液は
125Iラベル化H107抗体とRPMI8866との結合を阻害しない
が、本蛋白と結合しないヒトイムノグロブリン及び抗Ta
c抗体結合カラムを通過した培養上清は125Iラベル化H10
7抗体とRPMI8866との結合を阻害することが明らかにな
つた。又、FcεRが発現されていないATL-2細胞の培養
上清を濃縮したのち、ウサギ抗RPMI8866細胞抗体−上清
125Iラベル化H107抗体のサンドイツチRIA法によつて
調べたところH107抗体と反応する抗原は検出されなかつ
たが、RPMI8866細胞上清には抗原が検出された。
(実施例) 実施例1 RPMI8866細胞を10%FCS(牛胎児血清)を含むRPMI164
0培地(GIBCO社製RPMI1640培地に硫酸ストレプトマイシ
ン100μg/ml、ペニシリンGカリウム100u/mlを加えた)
で温度37℃、CO2濃度7%において細胞密度5×105cell
s/mlまで培養した培養液2lを遠心操作により細胞と培養
上清に分離した。得られた培養上清をそのまま、0.2ml
のH107抗体を結合したセフアロース4Bカラムに通した。
H107抗体結合カラムは次の様にして準備した。H1075mg
をフアルマシア社のトリシルーセフアロース4B(Trisyl
-Sepharose4B)のデータシートにしたがい、膨潤したゲ
ル1mlと0.1M NaHCO3、0.5M NaCl水溶液(pH8.0)中で4
℃一夜反応させた後、未反応の活性基を0.1M Tris塩酸
水溶液(pH8.0)中で4℃一夜反応させてブロツクし
た。しかる後に、0.1M酢酸pH4.0、0.5M NaCl;0.1M Tris
Hcl pH8.0、0.5M NaClで交互に3回洗浄し、最後にNaC
lリン酸バツフアー(PBS)で洗浄した。得られたH107抗
体結合カラムを用いて、該カラムに培養上清を流した。
培養上清を流したカラムを10mlの0.5M NaClリン酸バツ
フアー(pH7.5)で洗浄したのち、0.5M NaCl、0.1M酢酸
水溶液(pH4.0)で溜出した。溜出後速やかに2M Tris b
aseで中和し、アミコン社製セントリコン(Centricon)
10を用いて濃縮とともにバツフアーを水に交換し、逆相
高速液体クロマトグラフイー〔シンクロパツク(Synchr
opak)RD-PC18カラム、0.1%トリフルオロ酢酸(TF
A),水−アセトニトリル連続グラジエント〕で分離し
た。この精製液20μlをセレクテツド メソツド イン
セルラー イムノロジイ(ミツシエル、シイギ著、434
頁、1980年、フリーマン アンド カンパニー刊)にし
たがつて15%ポリアクリルアミドゲル上にのせ、バツフ
アーとして25mM Tris、190mMグリシン、0.1%SDSを用
い、電流25mAで3hr電気泳動を行つた。標準蛋白質とし
て前述のフアルマシア社製のエレクトロホレイシス カ
リブレーシヨンKITを同時に用いた。その結果25kd近辺
に近接した2本のバンドを与える蛋白を100ng得た。(S
DS-PAGEの銀染色によるバンドの濃さより推定。)SDS-P
AGEの蛋白分離能を考慮すると、25kd近辺に示される蛋
白の分子量は25,000±2,000と考えられる。
実施例2 RPMI8866細胞をHB101無血清培地(Hana社製)で細胞
密度5×105cells/mlまで培養した後、遠心操作によつ
て培養上清を得た。培養上清10lをアミコン社製CH2PR-H
IP10-20ホローフアイバーシステムを用いて、400mlに濃
縮し、0.4mlのH107抗体を結合したセフアロース4Bカラ
ムに通した。しかる後、20mlの0.5M NaCl、NP400.1%、
リン酸バツフアー(pH7.5)で洗浄し、次いで0.5M NaC
l、NP400.1M酢酸水溶液(pH4.0)で溜出した。溜出液を
実施例1と同様に行い逆相高速液体クロマトグラフイー
によつて分離精製し、実施例1と同一条件で、SDS-PAGE
にかけた。その結果、25kd近辺に近接した2本のバンド
を与える蛋白を3μg得た。SDS-PAGEを第1図に示す。
第1図において、lane AはH107アフイニテイカラムで精
製して得られた蛋白質を示し、lane Bは分子量マーカー
を示す。
実施例3 実施例2に於いて逆相高速液体クロマトグラフイーで
分離精製した蛋白をアプライド バイオシステムズ(Ap
plied Biosystems)社製ガスフエーズ470Aシークエンサ
ー及び120APTHアナライザーを用いてアミノ酸配列分析
を行つた結果、SDS PAGEで25kdに近接した2本のバンド
を与える蛋白のそれぞれのN末のアミノ酸配列はいずれ
もMet-Glu-Leu-Gln-Val-Ser-Ser-Gly-Phe-Val(先の出
願では、最後のValをアスパラギンと同定したが、Valが
正しい。)を含んでいた。この蛋白の等電点を前述のNE
PHGE2次元電気泳動法でPIマーカーとして、フアルマシ
ア社のエレクトリツクフオカシイング カリブレーシヨ
ン KIT中の蛋白を用い、pH3-10の範囲で測定した。そ
の結果、PIは前者の蛋白は5.50、後者の蛋白は5.85であ
つた。
実施例4 実施例1及び実施例2で得られた蛋白がFcεRを認識
するH107抗体に特異的な抗原であり、FcεRを多量に発
現するRPMI8866細胞に固有の抗原であることは次の事実
によつて証明された。
(1)RPMI8866細胞を1%FCS RPMI1640培地で、細胞密
度5×105cellまで培養した培養上清をアミコン社製CH2
PR-HIP10-20ホローフアイバーシステムを用いて75倍に
濃縮し、次の3種の抗体−H107、ヒトイムノグロブリ
ン、抗Tac抗体をそれぞれ結合したセフアロース4Bカラ
ム(濃縮培養上清50mlに大使、0.2mlのカラムを使用)
にそれぞれ通した。培養上清及びそれぞれの通過液に存
在するH107抗原の相対量をRPMI8866細胞へのH107抗体の
結合を阻害する割合で算出した。即ち、125Iでラベルし
たH107抗体50μl5000cpmと、濃縮した培養上清、通過液
及びそれぞれの希釈物20μlを混合し、氷冷下30分放置
した。次いでRPMI8866細胞を1×106ケ含む液50μlを
加え軽く混合し、氷冷下30分放置した。この混合物を20
%オリーブオイル、80%ジブチルフタレートの混合液に
重層し、遠心した。細胞ペレツトと上清とをそれぞれγ
カウンターでcpmを測定し、125IラベルしたH107抗体の
結合率を算出した。その結果、H107抗体結合カラムを通
過した液の細胞ペレツト部分のカウントは1970cpmであ
り上清は750cpmであつた。ヒトイムノグロブリン結合カ
ラムを通過した液の細胞ペレツト部分のカウントは、57
0cpmであつた。抗Tac抗体結合カラムを通過した液の細
胞ペレツト部分のカウントは700cpmであつた。従つてRP
MI8866細胞の培養上清に存在するH107抗原はヒトイムノ
グロブリンおよび抗Tac抗体には吸収されないがH107抗
体には吸収された。
(2)RPMI8866細胞の培養上清よりH107抗体を用いたア
フイニテイクロマトで得た分画のウエスタンブロツトを
行いH107抗原を検出した。すなわち、実施例2において
H107抗体を結合したセフアロース4Bカラムより留出した
粗な分画を非還元状態で15%SDS-PAGEにかけた後ニトロ
セルロース膜に電気泳動的にブロツトした。ニトロセル
ロース膜を牛血清アルブミン(BSA)でブロツクした
後、H107抗体と反応させ、次いでヤギ抗マウスIgG抗体
−HRPと反応させた。しかる後に過酸化水素及びジアミ
ノベンジジンで発色させた。その結果、25kd付近に近接
した2本のバンドを検出した。ウエスタンブロツト図を
第2図に示した。第2図において、lane Aは上記により
検出された2本のバンドを示し、lane BはH107抗体との
反応をさせなかつた例であり、lane CはマウスIgGを還
元状態で本蛋白の代わりに用いた例である。
(3)RPMI8866細胞とATL-2細胞(FcεRの発現は見ら
れない)(ATL-2は人白血病細胞を意味する)の培養上
清中のH107抗原量を比較した。すなわち、RPMI8866及び
ATL-2をHB101無血清培地(Hana社製)で培養しそれぞれ
58倍、66倍に濃縮したのち、ウサギ抗RPMI8866細胞抗体
及び125IラベルしたH107抗体を用いるサンドイツチRIA
法によつてH107抗原の量を比較した。その結果、ATL-2
の培養上清にはH107抗原は検出されなかつた。一方、RP
MI8866の培養上清には有為にH107抗原が存在した。
実施例5 RPMI8866細胞の培養上清から、H107抗体を結合したセ
フアロース(Sepharose)カラムによつて精製される25k
d蛋白を2μgを200μlPBS溶液(NaCl、リン酸緩衝液)
に溶解し、1%となる様にFCS(牛胎児血清)を加え
た。これをフアルマシア社製ゲル過用カラム セフア
ロース(Sepharose)で0.5mlずつ分画した。それぞれの
分画について、H107抗原量、、RPMI8866細胞に対する牛
赤血球結合IgE(Eo′‐IgE)のロゼツト形成を阻害する
活性、更にPWMで刺激したヒト末梢血のIgE産生に及ぼす
影響を調べた。
H107抗原量の定量は次の様に行つた。ELISA用96穴プ
レートを用い、プロテインA セフアロース(ProtinA
sepharose)で精製したウサギ抗RPMI8866細胞抗体(IgG
分画)の2μg/mlカツプリングバツフアー(0.1M NaHCO
3、NaOHでpH9.6に調節)溶液を各ウエルに200μlずつ
加え、4℃で4時間インキユベートした。洗浄バツフア
ー〔PBS,pH7.5,ツイーン(tween)20,0.05%〕で7回洗
浄後、3%BSA(ウシ血清アルブミン)/洗浄バツフア
ー液200μl加え、4℃,4時間インキユベートした。次
いで、洗浄バツフアーで7回洗浄したのち、各分画を0.
1%BSA/洗浄バツフアーで、それぞれの希釈度に希釈し
た検体を100μlづつ加え4℃,4時間インキユベートし
た。次いで、洗浄バツフアーで7回洗浄し、アルカリホ
スフアターゼを結合したH107抗体〔1.3μg/ml,(株)ニ
チレイ製〕を100μl加え4℃,4時間インキユベートし
た。洗浄バツフアーで3回洗浄した後、基質溶液〔ホス
フエート基質錠剤(Sigma Chem Co.,アメリカ)を、デ
ベロツプバツフアー(ジエタノールアミン97ml、MgCl2
6H2O100mg、NaN3200mgを蒸留水で1にしたもの)5ml
に溶かした溶液〕を100μlずつ加え、室温で発色させ
た。これをELISA Readerで2波長OD405-660nmで測定し
た。H107抗原の検出される分画は分子量マーカー20kd近
辺に存在した。(第3図参照) ロゼツト形成阻害反応は以下の様に行つた。石坂ら
〔ジヤーナル オブ イムノロジー(J.Immunol.)126
1692,1981〕の方法によつて、調整したホルマリン固定
化牛赤血球(PBS中10%溶液)を酢酸バツフアー(0.1M
ACOH、pH5.0)に分散した。この溶液250μlとヒトIgE
(1mg/ml)250μl、酢酸バツフアー500μlを混合し、
室温で2時間インキユベートした。PBSで3回洗浄した
後、1mlのダルベコー変法イーグル培地に分散した。(E
o′‐IgE)Eo′‐IgE溶液25μlに各分画25μlを加
え、室温で30分インキユベートした混合物に、あらかじ
め2%FCSを含むRPMI1640培地にRPMI8866細胞5×106
/mlになるように調整した液25μlを加え、37℃、10分
間インキユベートした。卓上微量遠心機で、2500rpm2分
間遠心した後、氷中で2時間放置した。顕微鏡下で、E
o′‐IgEが3ケ以上結合した細胞をロゼツト形成細胞と
してカウントし、検体を入れなかつた場合のロゼツト形
成率を100として各分画のロゼツト形成阻害率を計算し
た。ロゼツト形成を阻害する分画は分子量マーカーで20
kd近辺に存在した。(第3図参照) PWMで刺激した末梢血のIgE産生に及ぼす影響をみるた
め、次の様な実験を行つた。ヒト末梢血の50mlをPBS50m
lで希釈し、フイコールパーク50mlに加え、1500rpm30分
間遠心し、リンパ球画分を分離した。リンパ球をPBSで
1度洗浄し、更RPMI1640で洗浄した。FCSを10%含むRPM
I1640で、細胞濃度が1×106/mlになるように懸濁し、
その液を200μlずつ96穴マイクロプレートに分注し
た。培養液に、PWM10μg/mlおよび0.01%cowan Iを加
え、更に上記各フラクシヨン画分を5μlずつ加えた。
6日間CO2インキユベータ内37℃で培養し、その後培養
液中のIgEをELISA法により定量した。即ち、ELISA用96
穴プレートにウサギ抗ヒトIgE(DAKO社製)250ng/ml
(0.1M NaHCO3pH9.6NaOHで調整)を100μlづつ加え、
4℃、4時間インキユベートし、洗浄バツフアーで7回
洗浄した。次いで、BSA3%を含む洗浄バツフアーを200
μlずつ加え、4℃、4時間インキユベートした後、洗
浄バツフアーで7回洗浄した。先きに調整した末梢血の
培養上清を、BSA0.1%含む洗浄バツフアーで3倍に希釈
し、100μlずつ加え、4℃、4時間インキユベートし
た。洗浄バツフアーで7回洗浄後アルカリホスフアター
ゼ結合ゴート抗ヒトIgE(Tago社製)を、BSA0.1%含む
洗浄バツフアーで100倍に希釈したものを、100μlづつ
加え、4℃、4時間インキユベートした。洗浄バツフア
ーで7回洗浄後、基質溶液(前述)を100μlづつ加
え、室温で発色させた。ELISA Readerで2波長OD405-66
0nmで測定し、あらかじめ決定しておいた検量線と比較
し、産生したIgEの定量を行つた。IgEの産生を増強する
活性は20kd近辺にみられた。(第3図参照) (発明の効果) クラス特異的FcεRを表面に持つ細胞を培養し、その
培養上清から、ポリペプチド構造の一部がMet-Glu-Leu-
Gln-Val-Ser-Ser-Gly-Phe-Valで表わされるアミノ酸配
列構造を有する新規な蛋白質を得ることができた。かか
る蛋白質は、抗Fcεレセプター抗体との反応性を有する
ことからヒトIgE結合因子またはヒトFcεR蛋白をコー
ドする遺伝情報を単離するための蛋白質として有用であ
り、上記の様に一部のアミノ酸配列が明らかにされてい
るので、これにもとづき相当する遺伝子を合成し、これ
をプローブとして遺伝情報を単離することができる。ま
た、かかる蛋白質は、IgEと結合し、Bリンパ球のIgE産
生に影響を与えるIgE結合因子であり、かかるIgE結合因
子はFcεRの一部であることも明らかとなつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例2で得られた蛋白質のSDSゲル電気泳
動を示す図であり、第2図は実施例4(2)においてH1
07アフイニテイカラムで精製して得られた蛋白質のウエ
スタンブロツト図である。第3図は実施例5においてRP
MI8866細胞の培養上清から得られた25k蛋白の各分画分
について、H107抗原量、IgE産生量およびロゼツト形成
阻害率を測定した結果を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量が25,000±2,000であり、等電点が
    5.4〜6.0であり、ポリペプチド構造の一部がMet-Glu-Le
    u-Gln-Val-Ser-Ser-Gly-Phe-Valで表わされるアミノ酸
    配列構造を有し、かつ抗Fcεレセプター抗体との反応性
    を有する蛋白質。
  2. 【請求項2】クラス特異的Fcεレセプターを表面に持つ
    細胞を培養し、その培養上清から分離採取することを特
    徴とする、分子量が25,000±2,000であり、等電点が5.4
    〜6.0であり、ポリペプチド構造の一部がMet-Glu-Leu-G
    ln-Val-Ser-Ser-Gly-Phe-Valで表わされるアミノ酸配列
    構造を有し、かつ抗Fcεレセプター抗体との反応性を有
    する蛋白質を製造する方法。
  3. 【請求項3】該培養上清を、抗Fcεレセプター抗体を結
    合した担体を充填したアフイニテイクロマトグラフイで
    処理し、しかる後該担体への吸着物を分離採取する特許
    請求の範囲第2項記載の方法。
JP20909186A 1986-04-30 1986-09-04 新規な蛋白質およびその製法 Expired - Lifetime JPH085917B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20909186A JPH085917B2 (ja) 1986-04-30 1986-09-04 新規な蛋白質およびその製法
EP19870106265 EP0248211B1 (en) 1986-04-30 1987-04-29 Novel protein and a method for production thereof
DE8787106265T DE3777245D1 (de) 1986-04-30 1987-04-29 Protein und verfahren zu dessen herstellung.

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61-101531 1986-04-30
JP10153186 1986-04-30
JP20909186A JPH085917B2 (ja) 1986-04-30 1986-09-04 新規な蛋白質およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6399099A JPS6399099A (ja) 1988-04-30
JPH085917B2 true JPH085917B2 (ja) 1996-01-24

Family

ID=26442394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20909186A Expired - Lifetime JPH085917B2 (ja) 1986-04-30 1986-09-04 新規な蛋白質およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH085917B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0254249B1 (en) * 1986-07-22 1992-08-19 Ciba-Geigy Ag Preparation of binding factor related polypeptides

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6399099A (ja) 1988-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900004420B1 (ko) 인터류킨-1에 대한 항체
Young et al. Topological mapping of acetylcholine receptor: evidence for a model with five transmembrane segments and a cytoplasmic COOH-terminal peptide.
US8753637B2 (en) Binding partners for the thyrotropin receptor and uses thereof
US5314992A (en) Lipocortin-1 receptor protein and its uses
Kilpatrick et al. Demonstration of calcium-induced conformational change (s) in C-reactive protein by using monoclonal antibodies
JP2598666B2 (ja) 抗ヒトbcdfモノクローナル抗体
Morrissey et al. Resolution of monomeric and heterodimeric forms of tissue factor, the high-affinity cellular receptor for factor VII
Chrétien et al. A monoclonal anti-IgE antibody against an epitope (amino acids 367-376) in the CH3 domain inhibits IgE binding to the low affinity IgE receptor (CD23).
Fabien et al. Autoantibodies directed against the ribosomal P proteins are not only directed against a common epitope of the P0, P1 and P2 proteins
Hiller et al. Mapping of an allergenically important determinant of grass group I allergens
AU705010B2 (en) Human antibodies to t-cell receptor peptides and methods for their preparation
JP2815582B2 (ja) 原発性胆汁肝硬変自己抗原
US5425942A (en) Polyfunctinal protease
JP2003506327A (ja) 疾患の診断および治療に使用できる生物学的物質および方法
JP2881311B2 (ja) 抗ヒトbcdfモノクローナル抗体及びそれを用いたヒトbcdfの定量法
WO1991017171A1 (en) NUCLEOTIDE SEQUENCE ENCODING A 52 kDa Ro/SSA AUTOANTIGEN
JPH085917B2 (ja) 新規な蛋白質およびその製法
KR101019865B1 (ko) IgE 결합이 감소되었지만, T-세포 항원성은 저하되지않은 재조합 알레르겐
JPH06113881A (ja) ヒト型モノクローナル抗ペプチド抗体及びこれをコードするdna
JPH05276986A (ja) 単球遊走性サイトカインに対する抗体
WO1990011520A1 (fr) Anticorps contre une chaine lourde de myosine des muscles lisses
JPH0977799A (ja) ヒト−マクロファージ遊走阻止因子(ヒト−mif)に対するモノクローナル抗体および該抗体を産生するハイブリドーマ
JPH04252956A (ja) タンパク質の測定方法、試薬及びキット
JPH01147369A (ja) Sm−B/B’抗原、Sm−B/B’抗源のクローニングとSm−B/B’抗源もしくはSm−B/B’抗源とSm−D抗源の混合物を使用した全身性紅斑性狼瘡の検出
Williams et al. MHV-resistant SJL/J mice express a non-functional homolog to the MHV receptor glycoprotein